以下、本発明の一実施形態を、図1~図22を参照して説明する。
この実施形態に係るテーブルTは、図1~図8に示すように、天板支持ベース1と、この天板支持ベース1に左右両端部をチルト動作可能に支持された天板すなわちチルト天板2と、このチルト天板2を天板支持ベース1とともに電動力により昇降動作させる電動昇降機構3と、チルト天板2を天板支持ベース1に対し手動力とガススプリング41の反発力を利用してチルト動作させる手動チルト機構4とを具備してなる。このテーブルTは、左右対をなす脚体31に左右対をなす天板支持ベース1が支持されており、チルト天板2の左右両端部2aが前記左右の天板支持ベース1に往復傾動動作可能に支持されている。そして、左右の天板支持ベース1同士は連結ビーム6により剛結されている。この連結ビーム6の中間部には、チルト天板2の下面2dに当接する支持部材9を設けている。
天板支持ベース1は、図8及び図13~図15に示すように、各脚体31の上端に止着されチルト天板2を支軸24を介して枢支するものであり、ガススプリング41が、その支軸24よりも使用端2b側に配されている。すなわち、このガススプリング41は、天板支持ベース1と天板2の使用端2b近傍部との間に介設されている。また、この天板支持ベース1は、図11及び図13~図15に示すように、底板111と、この底板111の外側縁から起立させた外側板112と、底板111の内側縁から起立させた内側板113と、底板111の後縁から起立させた後板114とを一体に備えた金属製のもので、その底板111に後述する連結ビーム6がねじ止め等により剛結されている。そして、この天板支持ベース1の前半部分には、当該天板支持ベース1を脚体31に取付けるための脚体取付け部11aが設けられている。この脚体取付け部11aは、底板111に複数のねじ挿通孔mを設けたもので、この脚体取付け部11a上には、補強金具13と、ねじ受金具14とが配されている。補強金具13は、天板支持ベース1の底板111上に添接される下板131と、この下板131の外側縁から起立させた外側板132と、下板131の内側縁から起立させた内側板133とを一体に備えたものである。ねじ受け金具14は平板状のもので、底板111及び下板131のねじ挿通孔mに対応する部位にねじ挿通孔mを有している。なお、この実施形態では、天板支持ベース1の脚体取付け部11aと前述した連結ビーム6の端部とを図示しない共通のねじにより脚体31の上端に共締め固定している。また、この天板支持ベース1の後半部には、固定棚板5を取付けるためのブラケット取付け部11b及び後述する圧縮コイルバネSの下端を保持するバネ受部11cが設けられている。ブラケット取付け部11bは、内側板113にねじ孔nを設けたもので、このねじ孔nに挿通させた図示しないねじにより後述する固定棚板5の取付けアーム52を止着するようになっている。
連結ビーム6は、上方に開放された金属製の下チャンネル材61と、この下チャンネル材61内に上方から嵌合された下方に開口する同じく金属製の上チャンネル材62とを備えたもので、下チャンネル材61の両端部が左右の天板支持ベース1にねじ止めされている。上チャンネル材62の左右方向中間部には、前述した支持部材9を取り付けるための対をなすスリット62sが設けられている。
チルト天板2は、図8~図14に示すように、天板本体21を備えたもので、この天板本体21の左右両端部2aの下面2dに軸受フレーム22及びカバー23が共締め固定されている。天板本体21は、平面視略長方形状をなすものであり、反使用端2cの中間領域に凹陥部21xを有している。また、天板本体21の使用端2bの上面には、天板本体21に載置した物品の落下を防止するための段部211を設けている。各軸受フレーム22は、天板本体21にねじ止めされた取付け板部221と、この取付け板部221の外側縁から垂下させた外垂下板部222と、取付け板部221の内側縁中央部から垂下させた内垂下板部223とを一体に備えたもので、これら外垂下板部222及び内垂下板部223が支軸24を介して対応する天板支持ベース1に軸着されている。より具体的には、支軸24は、天板支持ベース1の外側板112に設けた貫通孔p、並びに補強金具13の外板132及び内板133に設けた貫通孔pを通過させた状態で天板支持ベース1に軸着されている。また、取付け板部221の前端部内縁には、外垂下板部222と協働してガススプリング41の後述する先端取付部413を軸支するための前端垂下部224が垂下させてある。各カバー23は、天板本体21の下面2dと軸受フレーム22の取付け板部221との間に配され天板本体21の下面2dにねじ止めされた取付け板部231と、この取付け板部231の外側縁から垂下させた垂下板部232とを備えており、垂下板部232により支軸24及びガススプリング41の先端取付部413の外側方を覆っている。そして、このチルト天板2は、電動昇降機構3により、天板支持ベース1及び連結ビーム6の昇降動作に伴って座位位置Dから立位位置Uまでの間で上下に平行移動し得るようになっている。図1~図12及び図18~図22には、チルト天板2を座位位置D及び立位位置Uの中間に停止させた状態のテーブルTを実線で示している。また、図5及び図20には、座位位置D及び立位位置Uにあるチルト天板2をそれぞれ想像線で示している。
電動昇降機構3は、図1、図2、図4~図8、図15に示すように、電動力により上下方向に伸縮可能な脚体31を備えたものであり、脚体31の伸縮動作により天板支持ベース1を昇降させるようにしたものである。脚体31は、前後に伸びる脚羽根32の中央部に立設されたもので、左右に一対設けられている。脚体31は、下段ハウジング311と、中段ハウジング312と、上段ハウジング313とをテレスコープ状に組み合わせ、内部の図示しない電動アクチュエータにより、それらのハウジング311、312、313を伸縮動作させるように構成されたもの(例えば商品名「電動昇降装置」、リナック株式会社製)で、図15に示すように、その上端31aに取付部314を備えている。この取付部314は、複数箇所に雌ねじ孔vを設けたものである。脚体31の構成は、通常のものであるため、詳細な説明は省略する。なお、符号33は、脚体31の伸縮動作を操作するための操作スイッチであり、天板2の下面2dに取り付けられている。符号34は、脚体31に電力を供給するためのコントロールボックスであり、同じく天板2の下面2dに取り付けられている。符号c1は、後述する電力供給用の第1のコードである。符号c2は、後述する電力供給用の第2のコードである。符号c3は、後述する信号伝達用のコードである。脚体31に対する天板支持ベース1の取り付けは、天板支持ベース1を構成するねじ受金具14のねじ挿通孔mと、補強金具13の下板131に設けられたねじ挿通孔mと、連結ビーム6に設けたねじ挿通孔mと、天板支持ベース1の底板111に設けられたねじ挿通孔mとに図示しないねじを挿通させ、そのねじを脚体31の雌ねじ孔vに螺着し緊締することにより行われている。
手動チルト機構4は、図8~図11及び図13~図15に示すように、天板支持ベース1とチルト天板2との間に介在させたガススプリング41を備えたものであり、ガススプリング41のロック位置を変更することによってチルト天板2の傾斜角度を変えることができるようにしたものである。すなわち、この手動チルト機構4は、ロック解除状態においてチルト天板2を天板支持ベース1に対して正回転方向qに付勢するガススプリング41と、このガススプリング41のロックを解除するための操作体42とを備えたものであり、ガススプリング41のロックを解除した状態で前記チルト天板2を逆回転方向rに手動力で傾動させることによってガススプリング41に反発力が蓄勢されるように構成されている。
ガススプリング41は、図15に示すように、基端に基端取付け部411を有するシリンダ412と、このシリンダ412に突没可能に設けられその先端に先端取付け部413を有するロッド414とを備えた通常のものであり、ロッド414の先端から突出する操作端414aを押圧することによってロック解除状態となり、押圧を止めることによってロック状態に自己復帰するようになっている。このガススプリング41は、先端連結軸417を介して先端取付け部413を天板支持ベース1に上下方向に回動可能に取り付けるとともに、基端連結軸415を介して基端取付け部411をチルト天板2の軸受けフレーム22に軸着している。すなわち、基端連結軸415はチルト天板2の軸受けフレーム22における垂下板部222と前端垂下部224との間に架設されたものであり、基端連結軸415を介してガススプリング41の基端取付け部411がチルト天板2に軸着されている。先端取付け部413には、ガススプリング41の操作端414aを押圧するための押圧レバー418が回動可能に装着されており、この押圧レバー418に操作体42から導かれたワイヤーwの一端が接続されている。具体的には、操作体42の操作レバー422を操作することにより、押圧レバー418が非操作端押圧位置と操作端押圧位置との間で回動するようになっている。ガススプリング41の外側面側はチルト天板2のカバー23の垂下板部232により隠されており、一方、ガススプリング41の内側面側及び下面側は、格別な第1のガススプリング被覆カバー43により覆われている。そして、ガススプリング41の先端取付け部413近傍の部位は、格別な第2のガススプリング被覆カバー44により覆われている。
ここで、チルト天板2は、図3~図10に示すように、反使用端2c寄りの部位を支点にして水平姿勢hから最大傾斜姿勢sまで傾動可能なものであり、ガススプリング41は、チルト天板2を水平姿勢h方向、換言すれば正回転方向に弾性的に付勢するものである。操作体42は、前記チルト天板2の下面2dにおける使用端2b近傍部に配されている。
<撓み防止用の支持部材9>
このテーブルTは、左右対をなす天板支持ベース1を金属製の連結ビーム6により結合しているが、前述したように、この連結ビーム6の中間部には、図11~図14、図21及び図22に示すように、チルト天板2の下面2dに当接する支持部材9を設けている。この支持部材9は、連結ビーム6とは別体をなすものであり、本実施形態では樹脂により作られている。また、この支持部材9の左右両端からは、連結ビーム6の前述したスリット62sに取り付けるための取付爪91を他方に突出させて設けている。
この支持部材9は、水平姿勢hをなすチルト天板2の下面2dに密接する水平支持面9aと、最大傾斜姿勢sをなすチルト天板2の下面2dに密接する傾斜支持面9cを少なくとも備えている。また、この支持部材9の水平支持面9aと傾斜支持面9cとの間には、天板2のチルト中心TCを曲率中心とする円筒支持面9bが設けられており、天板2が水平姿勢hから最大傾斜姿勢sに移行する途上においては天板2の下面2dがこの円筒支持面9bに接するようになっている。
<固定棚板5と静止ダクト7>
このテーブルTは、チルト天板2の反使用端部2c上に平面視において重なるように配置された固定棚板5と、この固定棚板5の反使用端部に設けられ天板2の反使用端2c側を略左右全幅に亘って隠蔽する静止ダクト7とを備えている。
固定棚板5は、天板支持ベース1に固定された棚板で、図1、図2、図4~図6、図8~図10、図13及び図16に示すように、奥行寸法がチルト天板2に比べて小さい平面視長方形状の棚板本体51と、この棚板本体51の左右両端部に止着された取付けアーム52と、左右の取付アーム52間を接続し棚板本体51の下面51bに止着された横架材53とを備えたもので、それら左右の取付アーム52の先端部が天板支持ベース1のブラケット取付け部11bにそれぞれねじ止めされている。この固定棚板5は、天板支持ベース1及び天板すなわちチルト天板2とともに昇降し得る。なお、棚板本体51の反使用端51cの中間領域には凹陥部51xが設けてある。また、棚板本体51の上面には、仕切板54が取り付けられているとともに、下面51bの前端部には電源コンセント55が取り付けられている。
静止ダクト7は、天板支持ベース1に対して相対動作を行わないコードダクトで、図2、図4~図6、図8~図10、図13、図16及び図17に示すように、天板2の反使用端2c側を隠蔽する背板71と、この背板71の下縁から前方に延出する底板72と、この底板72の前縁から起立する前板73と、この前板73の上縁から前方に延出する下取付板74と、背板71の上縁から前方に延出する上取付板75とを備えたものであり、上取付板75が棚板本体51の下面51bにねじ等を用いて止着されているとともに、下取付板74の左右両端部74aが取付けアーム52の基端部521の下面にねじ等を用いて止着されている。この静止ダクト7は、チルト天板2が天板支持ベース1に支持されているメカニカル部分をも隠蔽することができる上下寸法を有したものである。すなわち、前記背板71は、固定棚板5の左右巾寸法とほぼ同じ左右巾寸法を備えたものであり、この背板71によってチルト天板2の反使用端2c側が全面的に隠蔽されるとともに、このチルト天板2の軸受フレーム22及びカバー23が脚体31の上端31a近傍に軸着されているメカニカル部分全般が隠されるようになっている。なお、この静止ダクト7の底板72、前板73及び下取付板74の左右巾寸法は背板71の左右巾寸法よりも小さく設定されており、底板72の左右両端の外方に形成される空間に下方から立ち上げた図示しない配線コードを導くことができるようになっている。
また、背板71の上縁71aの中間領域には凹陥部71xが設けてある。この凹陥部71xは、棚板本体51の凹陥部51xと略同一の幅寸法を有しており、これら凹陥部51x、71xは連通している。
<可動ダクト8>
このテーブルTには、天板支持ベース1に対して相対動作を行わない前述した静止ダクト7と、チルト天板2に追従して動く可動ダクト8とを別々に設けている。
可動ダクト8は、図7~図11、図13、図21及び図22に示すように、天板2の下面2dに固設したもので、電動昇降機構3のコードc1~c3を主に案内する役割を担っている。この可動ダクト8は、天板2の下面2dにねじ等により止着される取付板81と、この取付板81の後縁から垂下する前板82と、この前板82の下縁から後方に延出する底板83と、この底板83の後縁から起立する後板84とを備えている。前板82の下半分と底板83と後板84とは中央部が切り欠かれており、当該切欠き部分にコントロールボックス34が配されるようになっている。
一方、電動昇降機構3は、前述したように、電動力により天板支持ベース1の支持高さ位置を変更可能な脚体31と、チルト天板2の下面2dに固定して取り付けられ脚体31の動作を操作する操作スイッチ33と、同じくチルト天板2の下面2dに固定して取り付けられ両脚体31と操作スイッチ33とを中継するコントロールボックス34とを備えたものであり、操作スイッチ33とコントロールボックス34とを接続する信号伝達用のコードc3を可動ダクト8に保持させている。また、この実施形態では、コントロールボックス34に接続される電力供給用のコードc1、c2も可動ダクト8に保持させている。すなわち、このコントロールボックス34と操作スイッチ33との間には、脚体31に対する給電状態をコントロールするための信号伝達用のコードc3が設けられている。また、コントロールボックス34には、外部の図示しない電源コンセントに接続される電力供給用の第1のコードc1が接続されているとともに、このコントロールボックス34からは、電力を脚体31に供給するための電力供給用の第2のコードc2が導出されている。しかして、これらコードc1~c3が可動ダクト8に保持されており、この可動ダクト8によりこれらコードc1~c3をコントロールボックス34に案内させている。また、信号伝達用のコードc3は、チルト天板2の下面2dと連結ビーム6との間の隙間SSを通してこの可動ダクト8に導かれ、このチルト天板2の下面2dに取り付けられたコントロールボックス34に接続されている。
<ガススプリング41及び圧縮コイルバネS>
また、このテーブルTは、天板支持ベース1と、この天板支持ベース1に往復傾動可能に支持させたチルト天板2と、このチルト天板2を所望の傾斜位置にロックするロック機構たる手動チルト機構4を構成するガススプリング41と、チルト天板2を一傾動方向すなわち逆回転方向に弾性付勢する弾性体である圧縮コイルバネSとを具備してなる。
手動チルト機構4は、前述したように、ガススプリング41の基端取付け部411を基端の連結軸415を介してチルト天板2に軸着するとともに先端取付け部413を先端の連結軸417を介して天板支持ベース1に軸着したものである。
ガススプリング41は、天板支持ベース1の支軸24よりも使用端2b側に取り付けられ、前述したように、また、図15に示すように、基端に第1の取付部たる基端取付け部411を有するシリンダ412と、このシリンダ412に突没可能に収容され突出端に第2の取付部たる先端取付け部413を有するロッド414とを備え、ロッド414がシリンダ412から弾性的に突出するロック解除状態と、前記ロッド414のシリンダ412に対する動作を禁止するロック状態とを選択的に採り得る。また、これも前述したように、基端取付け部411を基端連結軸415を介してチルト天板2の使用端2b側に取り付けるとともに、先端取付け部413を先端連結軸417を介して天板支持ベース1に軸着している。
本実施形態では、支軸24よりも反使用端2c側に天板支持ベース1に支持されてチルト天板2を弾性的に押し上げる圧縮コイルバネSを設けている。具体的には、この圧縮コイルバネSは、その下端が天板支持ベース1の後半部のバネ受部11cに保持されているとともに、上端が天板2の下面2dに弾性的に当接しており、天板2を最大傾斜姿勢sに向かう側に、すなわちチルト天板2の軸受けフレーム22が上方に向かう逆回転方向に付勢している。符号S1は、この圧縮コイルバネSの位置ずれを防ぐためのバネホルダである。このバネホルダS1は、チルト天板2の下面2dに取り付けられる取付部S1aと、この取付部S1aの一端から垂下し圧縮コイルバネSの内部に達するずれ止め部S1bとを有する。チルト天板2が静止している状態では、この圧縮コイルバネSの弾性付勢力を受け、支軸24、基端連結軸415及び先端連結軸417の取付部位に存在するクリアランスの累積によりチルト天板2に発生するガタツキが抑止されるようになっている。
ここで、図1は、このテーブルTの正面側斜視図、図2は同背面側斜視図、図3は同平面図、図4は同正面図、図5は同左側面図、図6は同背面図、図7は同底面図である。図8はテーブルTを下面側から観察した斜視図である。これら図1~図8は、チルト天板2を座位位置Dと立位位置Uとの中間に配した状態を示している。また、図5では、座位位置Dまで降下させたチルト天板2及び固定棚板5、並びに立位位置Uまで上昇させたチルト天板2をそれぞれ想像線で示している。図7では右側の脚体31の上段ハウジング313を想像線で示し、当該脚体31のその他の部位は省略して示している。図8では、左右両側の脚体31の上段ハウジング313を想像線で示しており、両脚体31の下部は省略した上で全体を拡大して示している。図9は、図4におけるA-Aに対応する拡大断面図である。この図9においては、ワイヤーwの図示は一部省略してある。図10は、図4におけるB-Bに対応する拡大断面図である。この図10においては、コードc1~c2及びワイヤーwの図示は一部省略してある。図11は、図4におけるC-Cに対応する拡大断面図であり、同図の(a)はチルト天板2を水平姿勢hとした状態、同図の(b)はチルト天板2を最大傾斜姿勢sとした状態である。図12は、図4におけるX-Xに対応する拡大断面図であり、同図の(a)はチルト天板2を水平姿勢hとした状態、同図の(b)はチルト天板2を最大傾斜姿勢sとした状態である。図13は、テーブルTの全体を分解して示す分解斜視図である。図14は、天板本体21を取り除いてベース1およびその近傍の部分を示す斜視図である。図8~図14では、右側のガススプリング被覆カバー43、44を外している。図8~図13では、左側の第2のガススプリング被覆カバー44も外している。図15は、ベース1の脚体31に対する取付け構造や、ガススプリング41のベース1に対する取付け構造を示す分解斜視図であり、ベース1自体も分解して示してある。図16は、静止ダクト7を固定棚板5に取り付けた状態を示す斜視図であり、一部を破断して示している。図17は、静止ダクト7の固定棚板5への取付態様を示す分解斜視図である。図17では、棚板本体51を省略して示している。図18、図19及び図20は、チルト天板2を最大傾斜位置sとした状態における図1、図2及び図5に対応する図である。なお、図20では、座位位置Dまで降下させたチルト天板2及び固定棚板5、並びに立位位置Uまで上昇させたチルト天板2をそれぞれ想像線で示している。図21は、天板本体21を取り除いた状態で軸受フレーム22及びカバー23を最大傾斜姿勢sとした状態を示す斜視図である。図22は、天板本体21及び棚板本体51を取り除いた状態で軸受フレーム22及びカバー23を最大傾斜姿勢sとした状態を示す斜視図である。図21及び図22では、左側の第2のガススプリング被覆カバー44を外している。
<本実施形態の作動>
以上説明したテーブルTの作動を説明すれば、次の通りである。
まず、チルト天板2の右端部2aにある操作スイッチ33を操作することによって、左右の脚体31を同期させて伸縮させることができる。両脚体31が伸縮すると、これらの脚体31に支持された左右の天板支持ベース1が連結ビーム6とともに昇降する。その結果、これら天板支持ベース1に枢支されたチルト天板2が昇降する。そのため、操作スイッチ33に対する操作によって、チルト天板2の高さ位置を自由に変更することができる。なお、固定棚板5は天板支持ベース1に取り付けられており、また、静止ダクト7は固定棚板5に取り付けられているため、これら固定棚板5及び静止ダクト7の高さ位置もチルト天板2との相対位置関係を維持したまま同時に変更することができる。図5及び図20の想像線は、脚体31を短縮させてチルト天板2を座位位置Dまで降下させた状態、及び脚体31を伸長させてチルト天板2を立位位置Uまで上昇させた状態をそれぞれ示している。
また、チルト天板2の左右方向中央に設けられた操作体42を操作することによって左右のガススプリング41のロック状態を解除することができ、チルト天板2の傾斜位置を変更することが可能となる。すなわち、操作体42の操作レバー422を回動操作すると、その操作力が2本のワイヤーwを介して左右のガススプリング41に伝達され当該ガススプリング41のロック状態が解除される。具体的には、ガススプリング41側の押圧レバー418が非操作端押圧位置から操作端押圧位置まで回動することになり、ガススプリング41が非ロック状態となる。この状態では、チルト天板2の使用端2bを上下から把持した状態で操作レバー422をロック解除位置に保持しておくことができる。そのため、この把持状態でチルト天板2の使用端2b部分を下方に押し下げることによって、チルト天板2を水平姿勢hから最大傾斜姿勢sに向けて傾動させることができる。このチルト動作はガススプリング41の反発力に抗しつつ行われるものであり、ガススプリング41には反発力が蓄勢されることになる。また、圧縮コイルバネSの付勢力は最大傾斜姿勢sに向かう方向に作用しており、チルト天板2を最大傾斜姿勢sに向けて回動させる際の操作力をアシストするようになっている。一方、この把持状態でチルト天板2を押し下げる力を緩めると、チルト天板2はガススプリング41の反発力により水平姿勢hに戻る方向に回動する。したがって、チルト天板2の使用端2bを把持したままで押し下げ力を加減することによって、チルト天板2の傾斜角度を自由に変更することができる。そして、チルト天板2が所望の傾動位置に達した段階で操作レバー422から指を離すと、操作レバー422が元のロック位置に自己復帰してガススプリング41がロック状態となり、チルト天板2のチルト動作が禁止されることになる。図18~図22は、チルト天板2を最大傾斜姿勢sにまで傾動させてロックした状態を示している。
<本実施形態の作用効果>
以上に述べたように、本実施形態の構成によれば、チルト天板2が静止している状態では、圧縮コイルバネSがこのチルト天板2を逆回転方向rに弾性付勢しているので、支軸24、基端連結軸415及び先端連結軸417がこれらを挿通させる軸孔と密着し、これらの取付部位に存在するクリアランスの累積によりチルト天板2に発生するガタツキが抑止される。すなわち、各部の精度を極端に高めることなく、ロック状態のチルト天板2に不快なガタツキが発生するのを効果的に防止又は抑制することができる。特に、本実施形態のようにチルト天板2の前後方向中間位置を支軸24を介して天板支持ベース1に枢支させているものにおいては、チルト天板2がシーソー動作を行うためガタツキを使用者が感じやすい傾向があるが、本発明のようにそのチルト天板2を圧縮コイルバネSの反発力により一傾動方向(逆回転方向r)に弾性付勢しておけば、そのガタツキを使用者に感じられない程度に抑えることが可能になる。
手動チルト機構4が、基端取付け部411を有するシリンダ412と、このシリンダ412に突没可能に収容され突出端に先端取付け部413を有するロッド414とを備え、ロッド414がシリンダ412から弾性的に突出するロック解除状態と、ロッド414のシリンダ412に対する動作を禁止するロック状態とを選択的に採り得るガススプリング41を用いたものであるため、構成の簡略化を図ることができる。
ところで、ガススプリング41は、その基端取付け部411が基端連結軸415を介してチルト天板2に軸着されているとともに、先端取付部413が先端連結軸417を介して天板支持ベース1に軸着されていることから、その軸着部分でのクリアランスがガタツキの原因になりやすいが、本実施形態の構成によれば、圧縮コイルバネSによりチルト天板2を一傾動方向(逆回転方向r)に弾性付勢しているため、そのクリアランスの累積を全て解消してチルト天板のガタツキを防止又は抑制することができる。
また、チルト天板2の使用端2b側にガススプリング41を取り付けているとともに、支軸24よりも反使用端2c側に天板支持ベース1に支持されてチルト天板2を弾性的に押し上げる圧縮コイルバネSを設けているので、ガススプリング41の付勢力に抗してチルト天板2を水平姿勢hから最大傾斜姿勢sに向けて傾動させる際に圧縮コイルバネSの弾性付勢力により操作力をアシストし、この操作に要する力を軽減することができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限らない。
例えば、図23に示す態様のように、天板2の下面2dの連結ビーム6より使用端2b側に、補強ビームA8を設けてもよい。この補強ビームA8は、底壁A81と、この底壁A81の前後両端縁から起立する前後の起立壁A82と、これら起立壁A82の上縁から外方すなわち底壁A81と反対側に延びる取付鍔部A83とを備えており、取付鍔部A83を図示しないねじ等により天板2の下面2dに止着されている。この補強ビームA8には、操作体42からガススプリング41に向かうワイヤーwが保持されている。また、この補強ビームA8の起立壁A82の上半部及び取付鍔部A83には、これらにまたがる切欠き部A8aを設けており、長手方向中央の切欠き部A8aにワイヤーwを通過させている。なお、ガススプリング41は、図23には図示されていないが、第1及び第2のガススプリング被覆カバー43、44により下方及び側方を被覆されている。なお、この態様における固定棚板5には、図1~図22を参照しつつ前述した実施形態における横架材53に相当する部材は存在しない。図23において、前記実施形態におけるものに対応する各部位には、同一の符号を付して説明を省略する。
また、天板支持ベースは前述した実施形態では左右に対をなして設けているが、天板支持ベースを1つのみ有するテーブルに本発明を適用してもよい。
さらに、チルト天板を所望の傾斜位置にロックするロック機構は、前述した実施形態のようにガススプリングを利用したものに限らず、ネジ送り機構や爪の係脱によりロックを行うもの等、種々のものを採用してよい。
チルト天板を一傾動方向に弾性付勢する弾性体も、前述した実施形態のような圧縮コイルバネに限らず、種々のものを採用してもよい。但し、圧縮コイルばねを採用すれば、構造の複雑化を招くことなしに当該弾性体を位置ずれすることなく配置することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。