JP7305474B2 - ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 - Google Patents

ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜に関する。
ポリウレタン塗料から形成されるポリウレタン塗膜は、非常に優れた可撓性、耐薬品性及び耐汚染性を有している。その上、特に1,6-ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」と称する場合がある)に代表される脂肪族ジイソシアネートから誘導された無黄変ポリイソシアネートを硬化剤として用いた塗膜は更に耐候性に優れ、その需要は増加している。
近年、ポリウレタン塗膜に求められる性能として、基材との密着性が挙げられる。密着性を付与するために、ビウレット基を有するポリイソシアネートを用いることが広く知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭49-134629号公報 特開2002-020452号公報
HDIからなるポリウレタン塗料は、耐候性の高さから建築用塗料として使われることが多い。壁面に塗布する場合、塗料のタレ性の観点からポリイソシアネートに高粘度が求められる場合がある。しかし、ポリイソシアネートの重合度を上げて高粘度化した場合、塗膜の平滑性が劣り光沢が低下するという課題がある。
また、特許文献1~2に開示されたポリイソシアネートでは、粘度、並びに、塗膜としたときの密着性及び光沢性を全て達成することは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、粘度が良好であり、塗膜としたときの密着性を保ちながら光沢性に優れるポリイソシアネート組成物、並びに、前記ポリイソシアネート組成物を用いた塗料組成物及び塗膜を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るポリイソシアネート組成物は、(A)脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートと、(B)スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸-2-ヒドロキシエチルから誘導されたアクリルポリオールと、から得られるポリイソシアネート組成物であって、前記(B)アクリルポリオールに由来する構成単位の総質量に対する、スチレンに由来する構成単位の含有量が30質量%以上70質量%以下であり、メタクリル酸メチルに由来する構成単位の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、アクリル酸ブチルに由来する構成単位の含有量が5質量%以上20質量%以下であり、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチルに由来する構成単位の含有量が5質量%以上20質量%以下であり、且つ、前記(B)アクリルポリオールに由来する構成単位に対する前記(A)ポリイソシアネートに由来する構成単位の質量比(A)/(B)が70/30以上90/10以下である。
前記(A)ポリイソシアネートがビウレット基を有してもよい。
本発明の第2態様に係る塗料組成物は、上記第1態様に係るポリイソシアネート組成物と、水酸基価が10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であるポリオールと、
を含む。
本発明の第3態様に係る塗膜は、上記第2態様に係る塗料組成物を硬化させてなる。
上記態様のポリイソシアネート組成物によれば、粘度が良好であり、塗膜としたときの密着性を保ちながら光沢性に優れるポリイソシアネート組成物を提供することができる。上記態様の塗料組成物は、前記ポリイソシアネート組成物を含み、塗膜としたときの密着性を保ちながら光沢性に優れる。上記態様の塗膜は、前記塗料組成物を硬化させてなり、密着性を保ちながら光沢性に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、1つ以上のイソシアネート基(-NCO)を有するモノマーが複数結合した重合体をいう。
本明細書において、「ポリオール」とは、2つ以上のヒドロキシ基(-OH)を有する化合物をいう。
本明細書において、「構成単位」とは、ポリイソシアネートやアクリルポリオール、それらの反応物を構成する構造において、一分子の単量体に起因する構造を意味する。例えば、スチレンに由来する構成単位とは、アクリルポリオール中の一分子のスチレンに起因する構造を示す。また、アクリルポリオールに由来する構成単位とは、ポリイソシアネートとアクリルポリオールとの反応物中の一分子のアクリルポリオールに起因する構造を示す。構成単位は、単量体の(共)重合反応によって直接形成された単位であってもよく、(共)重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
≪ポリイソシアネート組成物≫
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとから得られる。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとの反応物を含む。当該反応物は、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、アクリルポリオールの水酸基とが反応して得られるものであり、アクリルポリオールから誘導される構成単位(アクリルポリオールの少なくとも1つの水酸基を除く残基)を有する変性ポリイソシアネート(以下、単に「変性ポリイソシアネート」と称する場合がある)である。
(A)ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートから誘導されたものである。
(B)アクリルポリオールは、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸-2-ヒドロキシエチルから誘導されたものである。
(B)アクリルポリオールに由来する構成単位の総質量に対する、スチレンに由来する構成単位の含有量は30質量%以上70質量%以下であり、40質量%以上60質量%以下が好ましい。スチレンに由来する構成単位の含有量が上記範囲内であることで、塗膜としたときの光沢に優れる傾向がある。また、塗膜としたときの耐候性及び肉持ち感をより良好なものとすることができる。ここでいう「肉持ち感」とは、塗膜の厚みが大きいことや、厚膜に見えることを意味する。
(B)アクリルポリオールに由来する構成単位の総質量に対する、メタクリル酸メチルに由来する構成単位の含有量は10質量%以上50質量%以下であり、20質量%以上40質量%以下が好ましい。
(B)アクリルポリオールに由来する構成単位の総質量に対する、アクリル酸ブチルに由来する構成単位の含有量は5質量%以上20質量%以下であり、10質量%以上15質量%以下が好ましい。
メタクリル酸メチルに由来する構成単位の含有量及びアクリル酸ブチルに由来する構成単位の含有量が上記範囲内であることで、塗膜としたときの光沢により優れる傾向がある。また、塗膜としたときの硬度及び柔軟性をより良好なものとすることができる。
(B)アクリルポリオールに由来する構成単位の総質量に対する、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチルに由来する構成単位の含有量は5質量%以上20質量%以下であり、8質量%以上15質量%以下が好ましい。メタクリル酸-2-ヒドロキシエチルに由来する構成単位の含有量が上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物の粘度を良好にすることができる。
各単量体に由来する構成単位の含有量は、例えば、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
(B)アクリルポリオールに由来する構成単位に対する(A)ポリイソシアネートに由来する構成単位の質量比(A)/(B)が70/30以上90/10以下であり、74/26以上88/12以下が好ましく、78/22以上86/14以下がより好ましい。(B)アクリルポリオールに対する(A)ポリイソシアネートの配合比が上記範囲内であることで、塗膜としたときの密着性を保ちながら、光沢をより優れたものとすることができる。
質量比(A)/(B)は、例えば、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
以下、本実施形態のポリイソシアネート組成物に含まれる各構成成分について詳細に説明する。
<変性ポリイソシアネート>
変性ポリイソシアネートは、(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとの反応物である。(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとは、例えば、ウレタン基、アロファネート基等を介して結合させることができる。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとがウレタン基又はアロファネート基のいずれか1種の構造を介して結合している変性ポリイソシアネートのみを含んでもいてもよく、(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとがウレタン基を介して結合している変性ポリイソシアネート、及び(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとがアロファネート基を介して結合している変性ポリイソシアネートの混合物を含んでいてもよい。また、変性ポリイソシアネートは、その分子内において、(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとがウレタン基又はアロファネート基のいずれか1種の構造を介して結合しているものであってもよく、(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとがウレタン基及びアロファネート基の両方の構造を介して結合しているものであってもよい。
一般に、「ウレタン基」とは、1つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させてなる官能基であり、下記式(I)で表される基である。
一般に、「アロファネート基」とは、アルコールの水酸基とイソシアネート基とを反応させてなる官能基であり、下記式(II)で示される基である。
Figure 0007305474000001
[(A)ポリイソシアネート]
(A)ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートから誘導されたものである。
脂肪族ジイソシアネートとは分子中に飽和脂肪族基を有するジイソシアネート化合物である。一方、脂環式ジイソシアネートとは、分子中に環状脂肪族基を有するジイソシアネート化合物である。中でも、(A)ポリイソシアネートがより低粘度となることから、脂肪族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートであることが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4以上30以下のものが好ましく、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」と称する場合がある)、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネート)等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、炭素数8以上30以下のものが好ましく、例えば、5-イソシアナト-1-イソシアナトメチル-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添キシリレンジイソシアネート)、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン等が挙げられる。
中でも、ジイソシアネートとしては、工業的に入手し易いことから、HDI、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、又は水添ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、塗膜としたときの耐候性及び柔軟性が非常に優れることから、HDIが特に好ましい。以下、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートを総称してジイソシアネートと称する場合がある。これらジイソシアネートは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジイソシアネートから誘導された(A)ポリイソシアネートは、分子内に、ビウレット基、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、ウレトジオン基、ウレア基、及びアロファネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含んでもよい。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、これら官能基を1分子中に有する(A)ポリイソシアネートを含んでもよく、異なる官能基を有する(A)ポリイソシアネートの混合物を含んでもよい。
上記ビウレット基、イソシアヌレート基、ウレタン基、ウレトジオン基、及びアロファネート基をそれぞれ有するポリイソシアネートをジイソシアネートから製造する方法としては、例えば、特公昭64-10023号公報(参考文献1)、特開2002-020452号公報(参考文献2)、特開昭63-89574号公報(参考文献3)、特開平7-304836号公報(参考文献4)、特開平4-306218号公報(参考文献5)、特開平7-330860号(参考文献6)、及び特公平7-116163号公報(参考文献7)等に記載の方法を参考にすることができる。
ビウレット基を有するポリイソシアネートは、接着性に優れる傾向がある。イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートは、耐候性に優れる傾向がある。長い側鎖を有するアルコールを用いたウレタン基を有するポリイソシアネートは、弾性及び伸展性に優れる傾向がある。ウレトジオン基又はアロファネート基を有するポリイソシアネートは低粘度になる傾向がある。中でも、(A)ポリイソシアネートとしては、ビウレット基を有するポリイソシアネート又はイソシアヌレート基を有するポリイソシアネートであることが好ましく、ビウレット基を有するポリイソシアネートであることがより好ましい。
[(B)アクリルポリオール]
(B)アクリルポリオールは、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸-2-ヒドロキシエチルから誘導されたものである。
一般に、アクリルポリオールは、水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物との共重合体である。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体として具体的には、例えば、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、以下のものが挙げられる。
1)アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル(アクリル酸ブチルともいう)、アクリル酸イソブチル、アクリル酸-n-ヘキシル(アクリル酸ヘキシルともいう)、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル;
2)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸-n-ブチル(メタクリル酸ブチルともいう)、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-n-ヘキシル(メタクリル酸ヘキシルともいう)、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル;
3)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;
4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド;
5)メタクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有単量体;
6)スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体;
7)ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体。
これらの内、(B)アクリルポリオールとしては、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、及びメタクリル酸-2-ヒドロキシエチルに由来する構成単位を必須成分として含有する。
(B)アクリルポリオールの製造方法としては、例えば、上記の単量体成分を、公知のラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合し、必要に応じて有機溶剤等で希釈することによって、アクリルポリオールを得ることができる。ラジカル重合開始剤とは、熱又は還元性物質等によってラジカル分解してビニル系単量体の付加重合を起こさせるもので、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用される。ラジカル重合開始剤として具体的には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t-ブチルハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の配合量は、全単量体100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
(B)アクリルポリマーの分子量を調整する場合には、連鎖移動剤を用いることもできる。連鎖移動剤として具体的には、例えば、アルキルメルカプタン類、芳香族メルカプタン類、チオカルボン酸又はその塩、そのアルキルエステル類若しくはそのポリチオール類、アリル化合物等が挙げられる。アルキルメルカプタン類としては、例えば、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン等が挙げられる。芳香族メルカプタン類としては、例えば、ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタン等が挙げられる。チオカルボン酸としては、例えば、チオリンゴ酸等が挙げられる。アリル化合物としては、例えば、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド、チオグリコール、α-メチルスチレンのダイマー等が挙げられる。
連鎖移動剤の配合量は、ラジカル重合触媒の使用量、反応温度にも依存するが、全単量体100質量部に対して、0.001質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(B)アクリルポリオールの重量平均分子量(Mw)は、3000以上80000以下が好ましく、6000以上70000以下がより好ましい。(B)アクリルポリオールの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する場合がある)により測定することができる。
(B)アクリルポリオールの水酸基価は、10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以上150mgKOH/g以下がより好ましい。(B)アクリルポリオールの水酸基価は、例えば、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
(B)アクリルポリオールの酸価は、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が好ましく、3mgKOH/g以上15mgKOH/g以下がより好ましい。(B)アクリルポリオールの酸価は、JIS K1557に準拠して測定することができる。
(B)アクリルポリオールの重量平均分子量、水酸基価及び酸価が上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物の粘度をより良好に保つことができ、塗料組成物としたときの耐タレ性をより優れたものとすることができる。また、塗膜としたときの光沢をより優れたものとすることができる。なお、「耐タレ性」とは、塗料を地面に対して垂直な面に塗装した際の流れ難さを意味する。
[その他成分]
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上記変性ポリイソシアネートに加えて、有機溶剤を更に含むことができる。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、有機溶剤を含むことで、ポリイソシアネート組成物の粘度がより低くなるため、取り扱い性がより容易になる。
有機溶剤としては、イソシアネート基と反応する官能基を有しないものであって、本実施形態のポリイソシアネート組成物と相溶するものであればよい。このような有機溶剤としては、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、芳香族化合物、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物、ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物等が挙げられる。エステル化合物としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル(以下、「酢酸ブチル」と略記する)、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、メトキシプロピルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、2-エチルブチルアセテート、2-エチルヘキシルアセテート、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、アジピン酸ジオクチル、グルタル酸ジイソプロピル等が挙げられる。エーテル化合物としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ジエトキシエタン等が挙げられる。ケトン化合物としては、例えば、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン,p-シメン等が挙げられる。ポリエチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアセテート等が挙げられる。中でも、取り扱いやすさ、毒性が低い点から、エステル化合物が好ましく、酢酸エチル又は酢酸ブチルがより好ましい。
有機溶剤の含有量の下限値は、ポリイソシアネート組成物の総質量に対して、10質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。一方、有機溶剤の含有量の上限値は、ポリイソシアネート組成物の総質量に対して、90質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、70質量%がさらに好ましい。すなわち、有機溶剤の含有量は、ポリイソシアネート組成物の総質量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、15質量%以上80質量%以下がより好ましく、20質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。有機溶剤の含有量が上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物の粘度をより良好に保つことができる。
<ポリイソシアネート組成物の製造方法>
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法としては、以下に示す方法等が挙げられる。(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとがウレタン基を介して結合された変性ポリイソシアネートを得る場合には、ウレタン化反応を行なうことで得られる。反応温度としては、40℃以上120℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。反応時間としては、例えば、1時間以上12時間以下程度とすることができる。また、アミン類、有機金属類(例えば、ジアルキルスズジエステル類等)等の公知のウレタン化反応触媒を用いてウレタン化反応を行なってもよい。
(A)ポリイソシアネートと(B)アクリルポリオールとがアロファネート基を介して結合された変性ポリイソシアネートを得る場合には、アロファネート化反応を行なうことで得られる。反応温度としては、120℃以上240℃以下が好ましく、130℃以上160℃以下がより好ましい。反応時間としては、例えば、1時間以上12時間以下程度とすることができる。また、ジルコニルジカルボキシレート、ジルコニウムジカルボキシレート、スズジカルボキシレート、リチウムカルボキシレート等の金属カルボン酸塩;テトラアルコキシチタン等の公知のアロファネート化触媒を用いてアロファネート化反応を行なってもよい。
(B)アクリルポリオールに対する(A)ポリイソシアネートの配合比は、(A)ポリイソシアネート及び(B)アクリルポリオールの固形分の質量比で、70/30以上90/10以下であり、74/26以上88/12以下が好ましく、78/22以上86/14以下がより好ましい。(B)アクリルポリオールに対する(A)ポリイソシアネートの配合比が上記範囲内であることで、塗膜としたときの密着性を保ちながら、光沢をより優れたものとすることができる。
上記反応前又は反応後に、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤としては、上記その他成分において例示されたものと同様のものが挙げられる。
<ポリイソシアネート組成物の特性>
[イソシアネート基含有率]
本実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基(NCO)含有率の下限値は、ポリイソシアネート組成物の固形分が組成物の総質量に対して実質的に100質量%である状態で、5質量%が好ましく、6質量%がより好ましく、7質量%がさらに好ましく、8質量%が特に好ましい。一方で、NCO含有率の上限値は、ポリイソシアネート組成物の固形分が組成物の総質量に対して実質的に100質量%である状態で、20質量%が好ましく、19質量%がより好ましく、18質量%がさらに好ましく、17質量%が特に好ましい。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物のNCO含有率は、ポリイソシアネート組成物の固形分が組成物の総質量に対して実質的に100質量%である状態で、5質量%以上20質量%以下が好ましく、6質量%以上19質量%以下がより好ましく、7質量%以上18質量%以下がさらに好ましく、8質量%以上17質量%以下が特に好ましい。本実施形態のポリイソシアネート組成物のNCO含有率が上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物の粘度をより良好に保つことができ、塗料組成物としたときの耐タレ性をより優れたものとすることができる。なお、本明細書における「ポリイソシアネート組成物の固形分が組成物の総質量に対して実質的に100質量%である状態」とは、ポリイソシアネート組成物中に実質的に溶剤等の揮発成分を含んでいない状態を意味し、具体的には揮発成分が1質量%以下の状態をいう。
NCO含有率は、例えば、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
[数平均分子量]
本実施形態のポリイソシアネート組成物の数平均分子量(Mn)の下限値は、600が好ましく、700がより好ましく、800がさらに好ましい。一方、Mnの上限値は、10000が好ましく、8000がより好ましく、5000がさらに好ましい。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物のMnは、600以上10000以下が好ましく、700以上8000以下がより好ましく、800以上5000以下がさらに好ましい。本実施形態のポリイソシアネート組成物のMnが上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物の粘度をより良好に保つことができ、塗料組成物としたときの耐タレ性をより優れたものとすることができる。
[重量平均分子量]
本実施形態のポリイソシアネート組成物の重量平均分子量(Mw)の下限値は、10000が好ましく、15000がより好ましく、20000がさらに好ましい。一方、Mwの上限値は、200000が好ましく、150000がより好ましく、100000がさらに好ましい。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物のMwは、10000以上200000以下が好ましく、15000以上150000以下がより好ましく、20000以上100000以下がさらに好ましい。本実施形態のポリイソシアネート組成物のMwが上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物の粘度をより良好に保つことができ、塗料組成物としたときの耐タレ性をより優れたものとすることができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物のMn及びMwは、例えば、GPCにより測定することができる。
[粘度]
本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度の下限値は、酢酸ブチルでポリイソシアネート組成物の固形分を組成物の総質量に対して70質量%に調整した状態で、200mPa・sが好ましく、300mPa・sがより好ましく、400mPa・sがさらに好ましく、500mPa・sが特に好ましい。一方、25℃における粘度の上限値は、酢酸ブチルでポリイソシアネート組成物の固形分を組成物の総質量に対して70質量%に調整した状態で、8000mPa・sが好ましく、5000mPa・sがより好ましく、3000mPa・sがさらに好ましい。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は、酢酸ブチルでポリイソシアネート組成物の固形分を組成物の総質量に対して70質量%に調整した状態で、200mPa・s以上8000mPa・s以下が好ましく、300mPa・s以上5000mPa・s以下がより好ましく、400mPa・s以上3000mPa・s以下がさらに好ましく、500mPa・s以上3000mPa・s以下が特に好ましい。本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度が上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物の粘度をより良好に保つことができ、塗料組成物としたときの耐タレ性をより優れたものとすることができる。
25℃における粘度は、例えば、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
<使用用途>
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、例えば、塗料、インキ、接着剤、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック材料として用いることができる。
≪塗料組成物≫
本実施形態の塗料組成物は、硬化剤成分として上記ポリイソシアネート組成物と、主剤成分としてポリオールと、を含有する。本実施形態の塗料組成物は、上記ポリイソシアネート組成物を硬化剤成分として含有することで、塗料組成物の粘度を高く保つことができ、塗装時に塗液が垂れにくく、外観の良好な塗膜を得ることができる。
ポリオールの水酸基価の下限値は10mgKOH/gであり、15mgKOH/gが好ましく、20mgKOH/gがより好ましい。一方、上限値は、200mgKOH/gであり、160mgKOH/gが好ましく、120mgKOH/gがより好ましく、80mgKOH/gがさらに好ましい。すなわち、ポリオールの水酸基価は、10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、15mgKOH/g以上160mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以上120mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以上80mgKOH/g以下が特に好ましい。
ポリオールの水酸基価が上記範囲内であることで、より強靭な塗膜が得られる。
ポリオールの水酸基価は、例えば、後述する実施例に示す方法を用いて測定することができる。
<ポリオール>
ポリオールとしては、例えばアクリルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、脂肪族炭化水素ポリオール類、含ケイ素ポリオール類、含フッ素ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エポキシ樹脂類、アルキドポリオール類等が挙げられる。これらポリオールを1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、ポリオールとしては、アクリルポリオール類、ポリエステルポリオール類又はポリエーテルポリオールを、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート又はこれらから誘導されたポリイソシアネートで変性した、ウレタン変性アクリルポリオール類、ウレタン変性ポリエステルポリオール類又はウレタン変性ポリエーテルポリオール類等を用いることもできる。
[アクリルポリオール類]
アクリルポリオール類としては、上記ポリイソシアネート組成物において例示された一般的なアクリルポリオールと同様のものが挙げられる。
また、アクリルポリオール類としては、例えば、参考文献8(特開平1-261409号公報)及び参考文献9(特開平3-006273号公報)等で開示されている重合性紫外線安定性単量体を共重合して得られるアクリルポリオール類等が挙げられる。
前記重合性紫外線安定性単量体として具体的には、例えば、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン、1-クロトノイル-4-クロトノイルオキシ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン、2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
水系ベースアクリルポリオールを得る場合には、オレフィン性不飽和化合物を溶液重合し、水層に転換する方法や乳化重合等の公知の方法で製造することができる。その場合、アクリル酸、メタアクリル酸等のカルボン酸含有モノマーやスルホン酸含有モノマー等の酸性部分をアミンやアンモニアで中和することによって水溶性又は水分散性を付与することができる。
[ポリエステルポリオール類]
前記ポリエステルポリオール類としては、例えば、以下の(1)又は(2)のいずれかのポリエステルポリオール類等が挙げられる。
(1)二塩基酸の単独又は2種類以上の混合物と、多価アルコールの単独又は2種類以上の混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類。
(2)ε-カプロラクトンを多価アルコールで開環重合して得られるポリカプロラクトン類。
前記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2-メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
[ポリエーテルポリオール類]
前記ポリエーテルポリオール類としては、例えば、以下(1)~(3)のいずれかの方法等を用いて得られるものが挙げられる。
(1)多価アルコールの単独又は混合物に、アルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類又はポリテトラメチレングリコール類。
(2)アルキレンオキサイドに多官能化合物を反応させて得られるポリエーテルポリオール類。
(3)(1)又は(2)で得られたポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリンやプロピレングリコール等が挙げられる。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
前記多官能化合物としては、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン類等が挙げられる。
[脂肪族炭化水素ポリオール類]
脂肪族炭化水素ポリオール類としては、例えば、末端水酸基化ポリブタジエンやその水素添加物等が挙げられる。
[含ケイ素ポリオール類]
含ケイ素ポリオール類(「ポリシロキサンポリオール」ともいう)としては、例えば、ポリジメチルシロキサンポリオール、ポリジエチルシロキサンポリオール等のポリアルキルシロキサンポリオール;ポリメチルフェニルシロキサンポリオール、ポリジフェニルシロキサンポリオール等のポリアリールシロキサンポリオール等が挙げられる。
[含フッ素ポリオール類]
前記含フッ素ポリオール類としては、例えば、参考文献10(特開昭57-34107号公報)、参考文献11(特開昭61-275311号公報)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
[ポリカーボネートポリオール類]
ポリカーボネートポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等の低分子カーボネート化合物と、上述したポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールと、を縮重合して得られるものが挙げられる。
[エポキシ樹脂類]
前記エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、β-メチルエピクロ型エポキシ樹脂、環状オキシラン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリコールエーテル型エポキシ樹脂、エポキシ型脂肪族不飽和化合物、エポキシ化脂肪酸エステル、エステル型多価カルボン酸、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、ハロゲン化型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類、及びこれらエポキシ樹脂をアミノ化合物、ポリアミド化合物等で変性した樹脂類等が挙げられる。
[アルキドポリオール類]
アルキドポリオール類は、公知の油脂、ヒマシ油、又は各種脂肪酸を用いて、多価アルコールとのエステル交換又はエステル化と二塩基酸とのエステル化により合成されるものである。ここでいう油脂とは、脂肪酸のトリグリセライドを意味し、例えば、亜麻仁油、えの油、きり油、トール油、やし油、大豆油、ひまし油、サフラワー油、あさみ油、オイチシカ油、なたね油、ぬか油、綿実油、パーム油、パーム核油、いわし油、いか肝油等が挙げられる。ここでいう脂肪酸とは、アルキル、アルケニル、アルキニルの脂肪族モノカルボン酸を意味し、例えば、上記油脂から得られる脂肪酸やトール油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、バーサチック酸のグリシジルエステル、オクチル酸等が挙げられる。多価アルコール及び二塩基酸としては、上記ポリエステルポリオールにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
[イソシアネート基/水酸基]
ポリオールと上記ポリイソシアネート組成物との含有比の下限値は、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(イソシアネート基/水酸基)で、0.2が好ましく、0.3がより好ましく、0.4がさらに好ましく、0.5が特に好ましい。一方、上限値は、5.0が好ましく、4.0がより好ましく、3.0がさらに好ましく、2.0が特に好ましい。すなわち、ポリオールと上記ポリイソシアネート組成物との含有比は、イソシアネート基/水酸基(モル比)で、0.2以上5.0以下が好ましく、0.3以上4.0以下がより好ましく、0.4以上3.0以下がさらに好ましく、0.5以上2.0以下が特に好ましい。イソシアネート基/水酸基(モル比)が上記範囲内であることで、より強靭な塗膜が得られる。
<その他添加剤>
本実施形態の塗料組成物は、上記ポリイソシアネート組成物及び上記ポリオールに加えて、用途又は使用方法等に応じて、その他添加剤を更に含むことができる。その他添加剤としては、例えば、顔料、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調製剤等が挙げられる。これらその他添加剤は、本実施形態の塗料組成物が奏する効果を妨げない範囲で、適宜、選択して使用することができる。
<塗料組成物の製造方法>
本実施形態の塗料組成物は、例えば、以下の方法を用いて製造できる。
まず、ポリオール又はその溶剤希釈物に、必要に応じて、その他添加剤を加えたものに、上記ポリイソシアネート組成物を硬化剤として添加する。次いで、必要に応じて、更に溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、塗料組成物を得ることができる。
<使用用途>
本実施形態の塗料組成物は、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に好ましく用いることができる。中でも、垂直面で使用する建築用塗料、重防食用塗料、又は自動車用塗料により好ましく用いることができ、自動車補修用塗料に特に好適である。
≪塗膜≫
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を硬化させてなるものである。本実施形態の塗膜は、密着性を保ちながら光沢に優れる。
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を、例えば、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の塗装方法を用いて、被塗物上に塗装した後に硬化させることで製造することができる。
被塗物としては、特別な限定はなく、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、無機材料等の素材を成形してなる成形品等が挙げられる。また、これら成形品の形状は特に限定されず、例えば、フィルム、シート、ボード等の厚みが小さいものであってもよく、円柱、立体構造物等の厚みの大きいものであってもよい。また、チューブ等の中空のものであってもよい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<ポリイソシアネート組成物の物性及び評価>
合成例で得られたポリイソシアネート、並びに実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物について、各種の物性及び評価は以下のとおり測定及び評価を実施した。
[物性1]固形分
ポリイソシアネート組成物を試料として、溶剤希釈をした場合には、アルミニウム製カップの質量を精秤した(W0g)。試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量を精秤した(W1g)。上記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で3時間加熱した。上記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した(W2g)。精秤した各質量を用いて、下記式から試料中の乾燥残分の質量%を固形分として算出した。
固形分(質量%)=(W2-W0)/(W1-W0)×100
[物性2]イソシアネート基(NCO)含有率
NCO含有率(質量%)は、測定試料中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。
[物性3]粘度
粘度はE型粘度計(株式会社トキメック社製)により25℃で測定した。測定に際して、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりである。
(回転数)
100r.p.m. (128mPa・s未満の場合)
50r.p.m. (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20r.p.m. (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10r.p.m. (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m. (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m. (2560mPa・s以上5120mPa・s未満の場合)
[物性4]水酸基価
水酸基価(OH価)は、JIS K 0070-1992(化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法)、及び、JIS K 1557-1(プラスチック-ポリウレタン原料ポリオール試験方法-第1部:水酸基価の求め方)に記載の方法に従って測定した。
具体的には、無水酢酸12.5gをピリジン50mLでメスアップしアセチル化試薬を調製した。次に、100mLナスフラスコに、合成例で製造したアクリルポリオール2.5g以上5.0g以下程度を精秤した。ナスフラスコに、アセチル化試薬5mLとトルエン10mLをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間撹拌加熱した。蒸留水2.5mLをホールピペットで添加し、さらに10分加熱撹拌した。2分以上3分以下程度冷却後、エタノール12.5mLを添加し、指示薬としてフェノールフタレイン2滴以上3滴以下程度を入れた後に、0.5mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。
一方で、空試験として、アセチル化試薬5mL、トルエン10mL、蒸留水2.5mLを100mLナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行った。この結果をもとに、下記式で水酸基価を計算した。
OH価(mgKOH/g) = {(b-a)×28.05×f}/e
式中、aは、サンプルの滴定量(mL)を表し、bは、空試験の滴定量(mL)を表し、eは、サンプル質量(g)を表し、fは、滴定液のファクターを表す。
[物性5]単量体に由来する構成単位の含有量
反応に使用した単量体が全て重合反応したものと仮定し、各単量体(スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸-2-ヒドロキシエチル)の配合量から、各単量体に由来する構成単位の含有量を算出した。
[物性6](A)/(B)
反応に使用したポリイソシアネート及びアクリルポリオールが全て反応したものと仮定し、ポリイソシアネート及びアクリルポリオールの配合量(固形分の質量)から、(B)アクリルポリオールに由来する構成単位に対する(A)ポリイソシアネートに由来する構成単位の質量比(A)/(B)を算出した。
[評価1]高粘度化度
塗料組成物の耐タレ性の指標として、ポリイソシアネート組成物の高粘度化度を以下の方法を用いて評価した。ポリイソシアネート組成物の固形分が70質量%となるように調製して、粘度を上記「物性3」に記載の方法を用いて測定した。測定結果から、以下に示す評価基準に基づいて、ポリイソシアネート組成物の高粘度化度を評価した。
(評価基準)
○:500mPa・s以上
△:200mPa・s以上500mPa・s未満
×:200mPa・s未満
[塗料組成物の作製]
アクリルポリオール(Nuplex Resin社の商品名「SETALUX1753」、樹脂分濃度70%、水酸基価138.6mgKOH/g)と、各ポリイソシアネート組成物とを、イソシアネート基/水酸基のモル比が1.0となるように配合し、酢酸ブチルで固形分50質量%になるように調製して塗料組成物を得た。
[評価2]塗膜の密着性
各塗料組成物をアルミ板に乾燥膜厚40μmになるように塗装し、23℃、50%RH条件下で1週間硬化させて、塗膜を得た。得られた塗膜の密着性試験を碁盤目試験で行った。具体的には1枚の塗膜に100マスの切り込みを入れ、テープによる剥離試験を実施し、下記評価基準によって剥離塗膜の枚数に基づいて密着性を評価した。
(評価基準)
○:剥離塗膜が0マス
△:剥離塗膜が1マス以上50マス以下
×:剥離塗膜が51マス以上100マス以下
[評価3]塗膜の光沢
各塗料組成物をガラス板に乾燥膜厚40μmになるように塗装し、23℃、50%RH条件下で1週間硬化させて、塗膜を得た。得られた塗膜について、グロスメーターUGV-6P(スガ試験機社製)を用いて、塗膜の60°の光沢を測定した。測定値から以下の評価基準に基づいて、光沢を評価した。
(評価基準)
○:95%以上
△:90%以上95%未満
×:90%未満
<ポリイソシアネート及びアクリルポリオールの合成>
[合成例1]ポリイソシアネートA-1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にした後、HDI 350g、トリメチルリン酸75g、メチルセロソルブアセテート75g、及び水7.5g(NCO基/水のモル比=5)を仕込み、温度を160℃で1時間保持した。得られた反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去し、ビウレット基含有ポリイソシアネートであるポリイソシアネートA-1を得た。得られたポリイソシアネートA-1は透明の液体であり、NCO含有率22.9質量%、粘度3700mPa・sであった。
[合成例2]ポリイソシアネートA-2の合成
合成例1と同様の装置に、HDI 700g、トリメチルリン酸150g、メチルセロソルブアセテート150g、及び水9.4g(NCO基/水のモル比=8)を仕込み、温度を160℃で1時間保持した。得られた反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去し、ビウレット基含有ポリイソシアネートであるポリイソシアネートA-2を得た。得られたポリイソシアネートP-2は透明の液体であり、NCO含有率23.8質量%、粘度1600mPa・sであった。
[合成例3]ポリイソシアネートA-3の合成
ポリイソシアネートA-3として、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートであるデュラネートTPA-100(旭化成株式会社製)を用いた。ポリイソシアネートA-3は、透明の液体であり、NCO含有率23.0質量%、粘度1400mPa・sであった。
[合成例4]ポリイソシアネートA-4の合成
合成例1と同様の装置に、HDI 700g、トリメチルリン酸150g、メチルセロソルブアセテート150g、及び水37.6g(NCO基/水のモル比=2)を仕込み、温度を160℃で10時間保持した。得られた反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去し、ビウレット基含有ポリイソシアネートであるポリイソシアネートA-4を得た。得られたポリイソシアネートA-4は透明の液体であり、NCO含有率15.0質量%、粘度350000mPa・sであった。
[合成例5]アクリルポリオールB-1の合成
合成例1と同様の装置に、酢酸ブチル475gを仕込み、75℃まで昇温した。次に、装置に、スチレン245g、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸ブチル50g、2-ヒドロキシメタクリル酸メチル50g、及び、重合開始剤としてパーブチル(登録商標、以下記載を省略する)O(日本油脂株式会社製)15gの混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後12時間保持し、反応液にパーブチルO 2g、及び酢酸ブチル8gの混合溶液を添加した。添加後85℃まで昇温し、2時間保持して、アクリルポリオールB-1を得た。得られたアクリルポリオールB-1は、透明の液体であり、粘度800mPa・s、水酸基価が20mgKOH/gであった。
[合成例6]アクリルポリオールB-2の合成
合成例1と同様の装置に、酢酸ブチル475gを仕込み、75℃まで昇温した。次に、装置に、スチレン125g、メタクリル酸メチル250g、アクリル酸ブチル75g、2-ヒドロキシメタクリル酸メチル50g、及び、重合開始剤としてパーブチルO(日本油脂株式会社製)15gの混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後12時間保持し、反応液にパーブチルO 2g、及び酢酸ブチル8gの混合溶液を添加した。添加後85℃まで昇温し、2時間保持して、アクリルポリオールB-2を得た。得られたアクリルポリオールB-2は、透明の液体であり、粘度700mPa・s、水酸基価が20mgKOH/gであった。
<ポリイソシアネート組成物の製造>
[実施例1]ポリイソシアネート組成物H-a1の製造
合成例1と同様の装置に、ポリイソシアネートA-1 57g、アクリルポリオールB-1 26g、及び酢酸ブチル17gを仕込み、100℃まで昇温した。昇温終了後、8時間保持し、ポリイソシアネート組成物H-a1を得た。得られたポリイソシアネート組成物H-a1は透明の液体であり、固形分50質量%、NCO含有率12.7質量%、粘度1200mPa・sであった。
[実施例2~5及び比較例1~3]ポリイソシアネート組成物H-a2~H-a5及びH-b1~H-b3の製造
表1に記載のポリイソシアネート及びアクリルポリオールを使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物H-a2~H-a5及びH-b1~H-b3を得た。
[比較例3]ポリイソシアネート組成物H-b3の製造
ポリイソシアネートA-4 70g、及び酢酸ブチル30gを混合し、アクリルポリオールを使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物H-b3を得た。
[比較例4]ポリイソシアネート組成物H-b4の製造
ポリイソシアネートA-1 70g、及び酢酸ブチル30gを混合し、アクリルポリオールを使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物H-b4を得た。
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物について、上記に記載の測定方法に従い、物性を測定し、上記に記載の評価方法に従い各種評価を行なった。結果を以下の表1~2に示す。なお、表1~2において、「St」はスチレン、「MMA」はメタクリル酸メチル、「BA」はアクリル酸ブチル、「HEMA」はメタクリル酸-2-ヒドロキシエチルを示す。
Figure 0007305474000002
Figure 0007305474000003
表1~2から、ポリイソシアネートとアクリルポリオールB-1とから得られるポリイソシアネート組成物H-a1~H-a5(実施例1~5)では、粘度が500mPa・s以上と高く良好であり、塗膜としたときの密着性を保ちながら光沢に優れていた。
(A)ポリイソシアネートの種類が異なるポリイソシアネート組成物H-a1~H-a3において、ビウレット基含有ポリイソシアネートであるポリイソシアネートA-1又はA-2を用いたポリイソシアネート組成物H-a1~H-a2(実施例1~2)では、密着性がより良好になる傾向がみられ、ポリイソシアネートA-1を用いたポリイソシアネート組成物H-a1では、粘度がより高くなる傾向がみられた。
(A)/(B)が異なるポリイソシアネート組成物H-a2、H-a4及びH-a5(実施例2、4及び5)において、(A)/(B)が大きくなるほど、塗膜としたときの光沢がより良好になる傾向がみられた。
一方、ポリイソシアネートとアクリルポリオールB-2とから得られたポリイソシアネート組成物H-b1~H-b2(比較例1~2)では、粘度が500mPa・s以上と高く良好であり、塗膜としたときの密着性は保たれていたが、光沢が劣っていた。
また、(A)/(B)が70/30未満であるポリイソシアネート組成物H-b3(比較例3)では、粘度が500mPa・s以上と高く良好であり、塗膜としたときの密着性は保たれていたが、光沢が劣っていた。
また、粘度が350000mPa・sであるポリイソシアネートを用いて、アクリルポリオールを用いていないポリイソシアネート組成物H-b4(比較例4)では、粘度が500mPa・s以上と高く良好であり、塗膜としたときの密着性が保たれていたが、光沢が劣っていた。
また、粘度が1600mPa・sであるポリイソシアネートを用いて、アクリルポリオールを用いていないポリイソシアネート組成物H-b5(比較例5)では、塗膜としたときの密着性が保たれており、光沢も良好であったが、粘度が200mPa・s未満と劣っていた。
本実施形態のポリイソシアネート組成物によれば、粘度が良好であり、塗膜としたときの密着性を保ちながら光沢性に優れるポリイソシアネート組成物を提供することができる。本実施形態の塗料組成物は、前記ポリイソシアネート組成物を含み、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に好ましく用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートと、
    (B)スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸-2-ヒドロキシエチルから誘導されたアクリルポリオールと、
    から得られるポリイソシアネート組成物であって、
    前記(B)アクリルポリオールに由来する構成単位の総質量に対する、スチレンに由来する構成単位の含有量が40質量%以上60質量%以下であり、メタクリル酸メチルに由来する構成単位の含有量が20質量%以上40質量%以下であり、アクリル酸ブチルに由来する構成単位の含有量が10質量%以上15質量%以下であり、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチルに由来する構成単位の含有量が質量%以上15質量%以下であり、且つ、
    前記(B)アクリルポリオールに由来する構成単位に対する前記(A)ポリイソシアネートに由来する構成単位の質量比(A)/(B)が70/30以上90/10以下である、ポリイソシアネート組成物。
  2. 前記(A)ポリイソシアネートがビウレット基を有する、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物と、
    水酸基価が10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であるポリオールと、を含む、塗料組成物。
  4. 請求項3に記載の塗料組成物を硬化させてなる、塗膜。
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