JP7305281B2 - コネクタ嵌合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、嵌合保証部材を備えたコネクタ嵌合構造に関するものである。
従来より、嵌合保証部材付きのコネクタが知られている。図12は、従来の嵌合保証部材付きコネクタの斜視図である(特許文献1を参照)。図12に示す嵌合保証部材付きコネクタ301は、コネクタハウジング303に嵌合保証部材304が移動可能に組み付けられたものである。
コネクタハウジング303は、雌端子を収容した直方体形状の本体部331と、本体部331の外面から片持ち板状に延びたロックアーム332と、を備えている。ロックアーム332には、第1係止孔332b及び第2係止孔332cが形成されている。
嵌合保証部材304は、一般的にCPA(Connector Position Assurance)と呼ばれているものであり、コネクタ301と相手コネクタ306(図13,14に示す)との完全嵌合を保証する部材である。この嵌合保証部材304は、基部341と、可撓性を有するアーム状の板片である棒状突出部342と、を備えている。
相手コネクタ306は、図13,14に示すように、雄端子を収容し、コネクタハウジング303を受け入れる収容部361を備えている。収容部361の内面にはロック突起362が形成されており、このロック突起362がロックアーム332の第1係止孔332bに係止することでコネクタ301と相手コネクタ306の嵌合状態が維持される。
嵌合保証部材304は、図12に示す初期位置に位置した状態で、棒状突出部342先端の突部342aがロックアーム332の第1係止孔332bに係止しており、これにより嵌合保証位置への移動が規制されている。そして、図13に示すように、コネクタ301と相手コネクタ306が嵌合すると、ロック突起362が突部342aを押圧することで突部342aの第1係止孔332bへの係止が解除されるとともに、ロック突起362がそのまま第1係止孔332bに嵌まり係止する。これにより、嵌合保証部材304が初期位置から嵌合保証位置に移動可能になる。その状態で嵌合方向に押圧されることで嵌合保証部材304が図14に示す嵌合保証位置に位置付けられ、突部342aがロックアーム332の第2係止孔332cに係止する。
このように、嵌合保証部材付きコネクタ301は、コネクタハウジング303が相手コネクタ306と完全に嵌合しなければ突部342aと第1係止孔332bとの係止が解除されない構成となっている。このため、コネクタ301は、嵌合保証部材304が初期位置から嵌合保証位置まで移動させられたことをもって、コネクタハウジング303と相手コネクタ306とが完全に嵌合したことを保証することができる。
特開2017-91761号公報
上記嵌合保証部材付きコネクタ301においては、コネクタハウジング303及び嵌合保証部材304の双方がロックアーム(ロックアーム332、棒状突出部342)を備えた構造であるがゆえに、サイズが大きくなってしまうという問題があり、改善の余地があった。
上記問題を解決するため、本発明は、より小型化することが可能なコネクタ嵌合構造を提供することを目的とする。
本発明のコネクタ嵌合構造は、互いに嵌合する第1コネクタ及び第2コネクタと、前記第1コネクタに移動可能に組み付けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタが嵌合した状態で初期位置から嵌合保証位置に移動可能となる嵌合保証部材と、を備え、前記嵌合保証部材は、弾性変形可能なアームを備え、前記アームに、前記初期位置において前記第1コネクタに係止する第1係止部と、前記嵌合保証位置において前記第1コネクタに係止する第2係止部と、前記嵌合保証位置において前記第2コネクタに係止する第3係止部と、が形成されており、前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合動作時に前記第3係止部が前記第2コネクタに当たることにより前記アームが撓んで前記第1係止部の前記第1コネクタへの係止が解除され、その状態で、前記嵌合保証部材が前記嵌合保証位置に移動することにより前記アームが撓み状態から復帰して前記第2係止部が前記第1コネクタに係止すると同時に前記第3係止部が前記第2コネクタに係止し、前記第2係止部の前記第1コネクタへの係止、及び、前記第3係止部の前記第2コネクタへの係止によって前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合状態が維持されることを特徴とする。
本発明によれば、嵌合保証部材の弾性変形可能なアームに、初期位置において第1コネクタに係止する第1係止部と、嵌合保証位置において第1コネクタに係止する第2係止部と、嵌合保証位置において第2コネクタに係止する第3係止部と、が形成されており、第2係止部の第1コネクタへの係止、及び、第3係止部の第2コネクタへの係止によって第1コネクタと第2コネクタの嵌合状態が維持されるので、第1コネクタに第2コネクタとの係止のためのロックアームを設ける必要がない。よって、コネクタ嵌合構造をより小型化することができる。
本発明の一実施形態にかかるコネクタ嵌合構造の分解図である。 図1の第1コネクタを別の角度から見た斜視図である。 図1の嵌合保証部材を別の角度から見た斜視図である。 図1の第2コネクタの正面図である。 図4中のA-A線に沿った断面図である。 図1のコネクタ嵌合構造の嵌合動作開始時の正面図である。 図6中のB-B線に沿った断面図である。 図7の第1コネクタと第2コネクタが嵌合し、嵌合保証部材が初期位置から嵌合保証位置に移動可能になった状態を示す断面図である。 図8の嵌合保証部材が移動を開始した状態を示す断面図である。 図9の嵌合保証部材が嵌合保証位置に位置付けられた状態を示す断面図である。 図10の第1コネクタが嵌合方向と逆方向に引っ張られた状態を示す断面図である。 従来の嵌合保証部材付きコネクタの斜視図である。 図12の嵌合保証部材付きコネクタと相手コネクタが嵌合し、嵌合保証部材が初期位置から嵌合保証位置に移動可能になった状態を示す断面図である。 図13の嵌合保証部材が嵌合保証位置に位置付けられた状態を示す断面図である。
本発明の一実施形態にかかる「コネクタ嵌合構造」について、図1~11を参照して説明する。
図1に示すコネクタ嵌合構造1は、互いに嵌合する第1コネクタ2及び第2コネクタ6と、第1コネクタ2に移動可能に組み付けられ、第1コネクタ2と第2コネクタ6が嵌合した状態で初期位置(図7)から嵌合保証位置(図10)に移動可能となる嵌合保証部材4と、を備えている。図1中の矢印Kは、第1コネクタ2の第2コネクタ6への嵌合方向を示している。
第1コネクタ2は、複数の雌端子と、これら雌端子を収容した雌ハウジング20と、を備えている。雌ハウジング20は、絶縁性の合成樹脂で構成されており、図2に示すように、複数の端子収容室22が形成された直方体形状の雌ハウジング本体21と、一対の後方保護壁23と、一対の前方保護壁25と、一対の係止片26と、を一体に備えている。
一対の後方保護壁23及び一対の前方保護壁25は、雌ハウジング本体21の上面から立設している。一対の後方保護壁23同士は、雌ハウジング本体21の幅方向(矢印Kと直交方向)に間隔をあけて相対している。同様に、一対の前方保護壁25同士も雌ハウジング本体21の幅方向に間隔をあけて相対している。一対の前方保護壁25は、一対の後方保護壁23よりも嵌合方向前方(第2コネクタ6側)に配置されている。
上述した一対の後方保護壁23間及び一対の前方保護壁25間には、嵌合保証部材4が収容される。また、一対の後方保護壁23には、嵌合保証部材4の移動をガイドするガイド溝24が形成されている。各ガイド溝24は、嵌合方向に延びている。
一対の係止片26は、一対の前方保護壁25の上縁かつ後端部(後方保護壁23側の端部)から互いに近付く方向に板状に延びている。一対の係止片26は、平面視長方形状に形成されている。これら一対の係止片26には、嵌合保証部材4の後述する第1係止部44及び第2係止部45が係止する。
第2コネクタ6は、複数の雄端子と、これら雄端子を収容した雄ハウジング60と、を備えている。雄ハウジング60は、絶縁性の合成樹脂で構成されており、図1,4,5に示すように、複数の雄端子を収容し、雌ハウジング20を受け入れる収容部61を備えている。収容部61は、第1コネクタ2側に開口した箱状に形成されている。収容部61の内面かつ第1コネクタ2側の端部にはロック突起62が形成されている。このロック突起62には、嵌合保証部材4の後述する第3係止部46が係止する。
嵌合保証部材4は、絶縁性の合成樹脂で構成されており、図1,3に示すように、直方体形状の基部41と、基部41の両側面から突出した一対のスライド突部42と、基部41の前面から嵌合方向に帯板状に延びた弾性変形可能なアーム43と、を一体に備えている。
アーム43には、初期位置において第1コネクタ2の係止片26に係止する第1係止部44と、嵌合保証位置において係止片26に係止する第2係止部45と、嵌合保証位置において第2コネクタ6のロック突起62に係止する第3係止部46と、が形成されている。
第3係止部46は、突起であり、アーム43の中央に形成されている。第1係止部44と第2係止部45は、双方とも上記係止片26が嵌まる窪み(凹部)である。これら第1係止部44と第2係止部45は、嵌合方向に並んでおり、第2係止部45が基部41側に配置され、第1係止部44がアーム43先端側に配置されている。第1係止部44と第3係止部46は、嵌合方向と交差する方向に並んでいる。また、本例では、嵌合方向に並んだ第1係止部44と第2係止部45のセットが第3係止部46の両側に配置されている。
嵌合保証部材4は、一対のスライド突部42が一対のガイド溝24にそれぞれ位置付けられることにより第1コネクタ2に組み付けられる。そして、一対の第1係止部44が一対の係止片26にそれぞれ係止することにより初期位置に維持され、嵌合保証位置への移動が規制される。
第1コネクタ2と第2コネクタ6を嵌合させる際は、図6,7に示すように、嵌合保証部材4を第1コネクタ2に組み付けて初期位置に位置付けた状態で、嵌合保証部材4及び第1コネクタ2を第2コネクタ6の収容部61に挿入する。すると、第3係止部46がロック突起62に当たる。
この状態からさらに嵌合保証部材4及び第1コネクタ2を押し込むと、図8に示すように、雌ハウジング本体21の前端面が収容部61の奥壁に当接して第1コネクタ2と第2コネクタ6が嵌合する。これと同時に、第3係止部46がロック突起62に押圧されることによりアーム43が撓んで第1係止部44の係止片26への係止が解除される。即ち、嵌合保証部材4が初期位置から嵌合保証位置に移動可能になる。
その状態から図9に示すように嵌合保証部材4を押し込み、図10に示す嵌合保証位置まで移動させると、アーム43が撓み状態から復帰して第2係止部45が係止片26に係止すると同時に第3係止部46がロック突起62に係止する。これにより、嵌合保証部材4が嵌合保証位置に維持され、かつ、嵌合保証部材4が第2コネクタ6に固定される。
その状態から図11に示すように第1コネクタ2を嵌合方向と逆方向に引っ張った際は、第2係止部45の係止片26への係止、及び、第3係止部46のロック突起62への係止によって第1コネクタ2と第2コネクタ6の嵌合状態が維持される。即ち、第1コネクタ2は、直接第2コネクタ6に固定されてはいないが、嵌合保証部材4を介して第2コネクタ6に固定されている。
このように、コネクタ嵌合構造1においては、第1コネクタ2が第2コネクタ6と完全に嵌合しなければ嵌合保証部材4が初期位置から嵌合保証位置に移動できない構成となっている。このため、嵌合保証部材4が初期位置から嵌合保証位置まで移動させられたことをもって、第1コネクタ2と第2コネクタ6とが完全に嵌合したことを保証することができる。
また、コネクタ嵌合構造1においては、第1コネクタ2に第2コネクタ6との係止のためのロックアームを設けておらず、嵌合保証部材4のアーム43によって第1コネクタ2と第2コネクタ6の嵌合状態が維持されるので、従来例(図12~図14)と比べてサイズを小型化できる。
さらに、従来例(図12~図14)においては、コネクタハウジング303のロックアーム332に貫通孔(第1係止孔332b、第2係止孔332c)が形成されているがゆえにコネクタ保持性(ロックアーム332の剛性)の低下が懸念されるが、コネクタ嵌合構造1においては、嵌合保証部材4のアーム43に貫通孔が形成されていないので、コネクタ保持性(アーム43の剛性)の低下を防ぐことができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1 コネクタ嵌合構造
2 第1コネクタ
4 嵌合保証部材
6 第2コネクタ
43 アーム
44 第1係止部
45 第2係止部
46 第3係止部

Claims (4)

  1. 互いに嵌合する第1コネクタ及び第2コネクタと、前記第1コネクタに移動可能に組み付けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタが嵌合した状態で初期位置から嵌合保証位置に移動可能となる嵌合保証部材と、を備え、
    前記嵌合保証部材は、弾性変形可能なアームを備え、
    前記アームに、前記初期位置において前記第1コネクタに係止する第1係止部と、前記嵌合保証位置において前記第1コネクタに係止する第2係止部と、前記嵌合保証位置において前記第2コネクタに係止する第3係止部と、が形成されており、
    前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合動作時に前記第3係止部が前記第2コネクタに当たることにより前記アームが撓んで前記第1係止部の前記第1コネクタへの係止が解除され、その状態で、前記嵌合保証部材が前記嵌合保証位置に移動することにより前記アームが撓み状態から復帰して前記第2係止部が前記第1コネクタに係止すると同時に前記第3係止部が前記第2コネクタに係止し、
    前記第2係止部の前記第1コネクタへの係止、及び、前記第3係止部の前記第2コネクタへの係止によって前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合状態が維持される
    ことを特徴とするコネクタ嵌合構造。
  2. 前記第1係止部と前記第2係止部が前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合方向に並んでおり、
    前記第1係止部と前記第3係止部が前記嵌合方向と交差する方向に並んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ嵌合構造。
  3. 前記第1係止部が一対形成され、これら一対の前記第1係止部が前記第3係止部の両側に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ嵌合構造。
  4. 前記第1コネクタに、前記嵌合保証部材の移動をガイドするガイド溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のコネクタ嵌合構造。
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