JP7305016B1 - 油脂含有ゲル - Google Patents
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Abstract
Description
一方、粉末状または顆粒状の油脂も提案されている。これは、油脂に賦形剤などを混合し、噴霧乾燥して製造するものである(例えば、特許文献1~特許文献2を参照)。
また、乳化性を有する粉末油脂を用い、真空凍結乾燥により油脂含有乾燥物を得る方法も提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
また、特許文献3の乳化性を有する粉末油脂は、界面活性剤を含有しているので、界面活性剤と油脂を用いて、あらかじめ調製しておく必要があり、製造工程が煩雑となる。
さらに、特許文献3の油脂含有乾燥物は、食品を含有している真空凍結乾燥食品であるため、食品と混合する必要があり、その点でも製造工程が煩雑となり、また、形状や用途が限定される。
本発明の油脂含有ゲルは、油脂(乳化性のある油脂を除く)を含有し、食品以外の用途に使用されるゲルであって、水、油脂、ゲル化成分、ナノファイバー成分を含む溶液がゲル化されてなり、ゲル中の油脂の成分含有比が10~31質量%であり、加熱乾燥法により得られる水分含有量が25質量%以下であり、界面活性剤を含有せず、油脂と油脂以外の成分が分離していない構成である。
第1の本発明の油脂含有ゲルは、さらに、ゲルが不溶化処理されている構成である。
第2の本発明の油脂含有ゲルは、さらに、ゲル中の油脂の成分含有比が25~31質量%である構成である。
本発明の油脂含有ゲルは、加水、加熱により容易に溶解するため、化粧品、医療機器などの用途に用いることができる。さらに、不溶化処理を行うことで、水不溶性ゲルを得ることも可能である。
室温で固体である油脂は、乾燥後に結晶化し、析出してしまうため、ゲル中での粒子の発生やひび割れの発生により、物性が悪化してしまう。
また、本発明の油脂含有ゲルにおいて、油脂は、特許文献3に記載されていたような、乳化性のある油脂は除く。特許文献3には、乳化性のある油脂として、油脂を蛋白や糖類とともにスプレードライして作製された粉末油脂や、油脂をコーンシロップや乳蛋白、乳化剤と共に加熱乾燥してできた粉末油脂が記載されている。これらの粉末油脂は、あらかじめ調製しておく必要があり、製造工程が煩雑となる。
油脂の成分含有比が10質量%未満であると、油脂以外の成分が多くなり過ぎるので、油脂の利用効率が低くなり、油脂含有ゲルの有用性や実用性が低くなる。
油脂の成分含有比が31質量%を超えると、油脂と油脂以外の成分の分離を生じるようになる。
特に、ゲルを化粧品に使用する際は、安全性の観点から、天然由来のゲル化成分を用いることが好ましく、コラーゲンまたはその分解物、シルク、ケラチンなどのポリアミノ酸類、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、プルラン、でんぷん、キチン、キトサン、グァーガム、キサンタンガム、カラギナン、マンナン、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、ペクチン、カードラン、アラビアガム、タラガム、カルボキシメチルセルロースなどの増粘多糖類などが例示できる。
ナノファイバーの調製法は、特に限定されず、常法にて製造すればよい。
また、ナノファイバーの原料は特に限定されず、広葉樹、針葉樹、草本、パルプ、食品製造残渣などが例示できる。
乾燥の方法は、常法を用いれば良く、送風乾燥、低温乾燥(温度15~40℃)、凍結乾燥などが例示できる。
そして、本発明の油脂含有ゲルは、加水、加熱により容易に溶解するため、化粧品、医療機器などの用途に用いることができる。さらに、不溶化処理を行うことで、水不溶性ゲルを得ることも可能である。
また、離油の状態の評価方法は、以下の通りとした。
作製してから24時間室温に放置した後のゲルの離油の状態を、目視により観察した。
離油の評価は、離油なし:〇、わずかに離油:△、顕著に離油:×、とした。
オリーブ油(外原規、純正化学製)1.5質量部、セルロースナノファイバー(固形分5%、スギノマシン製)0.5質量部、グリセリン(関東化学製)1質量部に、2%に調整したゼラチン(一級、富士フィルム和光純薬製)水溶液を加え、全量を100質量部とした。
上記水溶液を、ホモジナイザー(T 18 digital ULTRA-TURRAX、IKA製)を用いて均一に混合し、水溶液50mlを、手札版ステンレストレイ(約9cm×約12cm)に流し込んだ。そして、送風型低温恒温機(IN801、ヤマト科学製)中で20℃、24時間ゲル化させて、シート状に成形された厚さ約5mmのシート状ゲルを得た。
得られたシート状ゲルを、24時間室温に放置したが、離油は見られなかった。
実施例1の離油の発生のない状態のシート状ゲルの写真を、図1に示す。
実施例1における、オリーブ油1.5質量部を、2.5質量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例1の試料を作製した。
得られたシート状ゲルは、わずかに離油が見られた。
比較例1の離油した状態のシート状ゲルの写真を、図2に示す。
実施例1における、オリーブ油1.5質量部を、3.0質量部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例2の試料を作製した。
得られたシート状ゲルは、顕著な離油が見られた。
各成分(油脂、ナノファイバー、その他、ゲル化成分)の材料または配合量を変更して、製造方法は実施例1と同様に行って、実施例2~実施例8の試料を作製した。
実施例2~実施例8において、実施例1と同じ材料以外で使用した材料は、以下の通りである。
ツバキ油:米山薬品製
シルクナノファイバー:5%品、スギノマシン製
イヨカンナノファイバー:4%品、愛媛製紙製
アルギン酸ナトリウム:500~600cP、和光純薬製
ヒアルロン酸:キッコーマンバイオケミファ製
プルラン:東京化成製
マンナン:清水化学製
なお、表1の成形時配合量の欄において、各成分の配合量および配合量の合計は、水溶液の質量部を記載している。また、成形物中含量は、ナノファイバーではナノファイバーの固形分、水は添加水分量とナノファイバー分散液中の水分量との合算値としている。例えば、実施例1では、1.5+0.5+2.0+1.0+0.8=5.8質量部であり、セルロースナノファイバーは、(0.5×0.05/5.8)×100=0.43質量%なので0.4質量%とした。水は、{(0.5×0.95+0.8)/5.8}×100=21.98質量%なので22.0質量%とした。
実施例5で得られたゲルを、3cm×3cm×1cmに切断し、2%塩化カルシウムエタノール溶液に入れ、1時間室温で攪拌を行い不溶化した。
実施例5および実施例9で得られたゲルを、80℃熱水中で10分間攪拌を行った。実施例5で得られたゲルは溶解したが、実施例9で得られたゲルは溶解せず、原形をとどめていた。
実施例1で調整した溶液を型に流し込み、24時間でゲル化させて、型により成形されたゲルを得た。型は、形状の異なる3種類の型を用意した。
上記のようにして、得られたゲルの成形物の写真を、図3に示す。図3に示すゲルの成形物は、上から、ブロック状、球状、円盤状の成形物である。
これらのゲルの成形物は、加水、加熱により溶解するため、任意の有効成分をさらに加えて、ゲル状調味料、シート状調味料、球状石鹸、などの製品に応用できる。
Claims (2)
- 油脂(乳化性のある油脂を除く)を含有し、食品以外の用途に使用されるゲルであって、
水、油脂、ゲル化成分、ナノファイバー成分を含む溶液がゲル化されてなり、
前記ゲル中の前記油脂の成分含有比が10~31質量%であり、
前記ゲルが不溶化処理されており、
加熱乾燥法により得られる水分含有量が25質量%以下であり、
界面活性剤を含有せず、
前記油脂と前記油脂以外の成分が分離していない
ことを特徴とする油脂含有ゲル。 - 油脂(乳化性のある油脂を除く)を含有し、食品以外の用途に使用されるゲルであって、
水、油脂、ゲル化成分、ナノファイバー成分を含む溶液がゲル化されてなり、
前記ゲル中の前記油脂の成分含有比が25~31質量%であり、
加熱乾燥法により得られる水分含有量が25質量%以下であり、
界面活性剤を含有せず、
前記油脂と前記油脂以外の成分が分離していない
ことを特徴とする油脂含有ゲル。
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