JP7304512B2 - 保護フィルム付き発光モジュール - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、保護フィルム付き発光モジュールに関する。
光学素子等の光機能部を保護する保護フィルムを備えた発光モジュールが知られている。
特開2006-186288号公報 特開2007-234900号公報
保護フィルムが発光面に接触すると、発光モジュールの発光面に損傷を与えることが懸念される。
本発明の実施形態は、発光面に貼り付きにくい保護フィルム付き発光モジュールを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールは、発光モジュールと、前記発光モジュールに貼付された保護フィルムと、を備える。前記発光モジュールは、第1配線基板と、前記第1配線基板上に配置された第2配線基板と、前記第2配線基板上に配置された複数の発光素子と、前記第1配線基板の第1端子と前記第2配線基板の第2端子を接続するワイヤと、前記第1配線基板上及び前記第2配線基板上に配置され、前記ワイヤを被覆し、平面視で前記複数の発光素子を囲む第1樹脂と、を備える。前記保護フィルムは、前記複数の発光素子を覆うように前記第1樹脂上に配置され、前記第1樹脂に囲まれた空間を外部に繋ぐ通気部を備える。
本発明の実施形態によれば、発光面に貼り付きにくい保護フィルム付き発光モジュールを実現できる。
図1は、第1の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す斜め上側から見た斜視図である。 図2は、第1の実施形態における発光モジュールを示す斜め上側から見た斜視図である。 図3は、第1の実施形態における発光モジュールを示す斜め下側から見た斜視図である。 図4は、図2の領域IVを示す拡大平面図である。 図5は、図2に示すV-V線による断面図である。 図6は、第1の実施形態における保護フィルムを示す斜視断面図である。 図7は、第1の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。 図8は、第1の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す側面図である。 図9Aは、比較例に係る保護フィルム付き発光モジュールを真空リフローする工程を示す図である。 図9Bは、比較例に係る保護フィルム付き発光モジュールを真空リフローする工程を示す図である。 図9Cは、比較例に係る保護フィルム付き発光モジュールを真空リフローする工程を示す図である。 図9Dは、比較例に係る保護フィルム付き発光モジュールを真空リフローする工程を示す図である。 図10は、第2の実施形態における保護フィルムを示す斜視断面図である。 図11は、第3の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。 図12は、第3の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す側面図である。 図13は、第4の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。 図14は、第4の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す側面図である。 図15は、第5の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。 図16Aは、発光素子と貫通孔との関係を示す拡大平面図である。 図16Bは、第5の実施形態における保護フィルムの作製方法を示す断面図である。 図16Cは、第5の実施形態における保護フィルムを示す断面図である。 図17は、第6の実施形態における保護フィルムを示す平面図である。 図18は、第7の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール及び剥離ツールを示す斜視図である。 図19Aは、発光モジュールから保護フィルムを剥がす方法を示す側面図である。 図19Bは、発光モジュールから保護フィルムを剥がす方法を示す側面図である。 図19Cは、発光モジュールから保護フィルムを剥がす方法を示す側面図である。 図20は、試験例の結果を示す表である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図は模式的なものであり、適宜強調又は簡略化されている。例えば、いくつかの図においては、発光モジュールと比較して、保護フィルムは実際よりも厚く描かれており、通気部は実際よりも大きく描かれている。また、図間において、各構成要素の寸法比は必ずしも整合していない。更に、断面図として切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
<第1の実施形態>
本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール100は、発光モジュール1と、発光モジュール1に貼付された保護フィルム101と、を備える。発光モジュール1は、第1配線基板10と、第1配線基板10上に配置された第2配線基板20と、第2配線基板20上に配置された複数の発光素子30と、第1配線基板10の第1端子12と第2配線基板の第2端子22を接続するワイヤ60と、第1配線基板10上及び第2配線基板20上に配置され、ワイヤ60を被覆し、平面視で複数の発光素子30を囲む第1樹脂70と、を備える。保護フィルム101は、複数の発光素子30を覆うように第1樹脂70上に配置され、第1樹脂70に囲まれた空間75を外部に繋ぐ通気部150を備える。
図1は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す斜め上側から見た斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール100は、発光モジュール1と、発光モジュール1に貼付された保護フィルム101と、を有する。保護フィルム101の形状は、例えば、長方形のシート状である。保護フィルム101は、例えば、樹脂からなり、可撓性を有する。
本明細書においては、説明の便宜上、XYZ直交座標系を採用する。発光モジュール1から保護フィルム101に向かう方向を「Z方向」とする。発光モジュール1及び保護フィルム101の長手方向を「X方向」とし、短手方向を「Y方向」とする。なお、Z方向を「上」ともいい、Z方向の反対方向を「下」ともいうが、この表現も便宜的なものであり、重力の方向とは無関係である。また、本明細書における「平面視で」との表現は、Z方向から見た場合を示している。
先ず、発光モジュールについて説明する。
図2は、本実施形態における発光モジュールを示す斜め上側から見た斜視図である。
図3は、本実施形態における発光モジュールを示す斜め下側から見た斜視図である。
図4は、図2の領域IVを示す拡大平面図である。
図5は、図2に示すV-V線による断面図である。
図2~図5においては、保護フィルム101は図示を省略している。
図2及び図3に示すように、本実施形態の発光モジュール1は、第1配線基板10、第2配線基板20、複数の発光素子30、第2樹脂40、第3樹脂50、複数のワイヤ60、及び、第1樹脂70を備える。なお、図2においては、図示の便宜上、第1樹脂70の一部及び第3樹脂50の一部を省略しており、ワイヤ60の一部及び発光素子30の一部等を可視化している。
第1配線基板10は、例えば、平板状の基体11と、基体11の少なくとも上面に配置された配線とを含む。第1配線基板10は、平板状のものを用いてもよく、上面に第2配線基板20を収納するキャビティを備える構造を用いてもよい。基体11の材料には、放熱性が高い材料を用いることが好ましく、高い遮光性や強度を備える材料を用いることがより好ましい。具体的には、基体11の材料は、アルミニウム(Al)若しくは銅(Cu)等の金属、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム若しくはムライト等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)若しくはポリフタルアミド(PPA)等の樹脂、又は、樹脂と金属若しくはセラミックスとで構成される複合材等が挙げられる。配線の材料としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、鉄(Fe)若しくはニッケル(Ni)等の金属、又はその合金等が挙げられる。
一例として、第1配線基板10においては、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属性部材にエポキシ樹脂等の絶縁性部材が積層され、表面及び内部に配線が配置されている。配線の一部は、第1配線基板10の上面10aにおいて複数の第1端子12を構成し、配線の他の一部は第1配線基板10の下面10bにおいて複数の下面パッド13を構成している。
また、第1配線基板10の上面10a及び下面10bには、金属性部材が絶縁性部材から露出して放熱部14を構成している。平面視で、放熱部14は第1配線基板10の中央部に配置されており、第1端子12及び下面パッド13は、それぞれ放熱部14を挟むように放熱部14の両側に複数ずつ配置されている。第1端子12及び下面パッド13は、例えば、第1配線基板10の長辺に沿って配列されている。
第2配線基板20は、第1配線基板10の放熱部14上に配置されている。第2配線基板20は、例えば、集積回路が内蔵されたシリコン基板であり、例えば、特定用途向け集積回路基板(Application Specific Integrated Circuit基板:ASIC基板)である。第2配線基板20の下面は放熱部14の上面に接合部材を介して接合されている。接合部材としては、例えばシリコーン樹脂を含む銀ペーストが挙げられる。第2配線基板20の上面21の中央部は、発光素子30が載置される領域となっている。この領域には発光素子30に接続される上面パッドが配置されており、この領域の周辺部には、上面パッドと電気的に接続される第2端子22が配置されている。
ワイヤ60は、第1配線基板10と第2配線基板20とを電気的に接続するための部材である。ワイヤ60は、第1配線基板10の第1端子12と第2配線基板20の第2端子22とに接続されている。ワイヤ60の材料としては、例えば、金(Au)が挙げられる。例えば、ワイヤ60の数は第1端子12の数と同じである。複数のワイヤ60は、第2配線基板の外縁に沿って、第2配線基板20の外縁を跨いで配置されている。
図2、図4、図5に示すように、複数の発光素子30は、第2配線基板20の上面21の中央部に載置されている。発光素子30は、平面視での形状が略矩形状である。複数の発光素子30は、例えば行列状に配列されている。一例では、上面が略正方形の発光素子30が64行64列に配列されたセグメントが4つ配置されており、発光素子30は合計で16,384個配置されている。一例では、発光素子30の配列周期は45~55μmであり、各発光素子30の一辺の長さは40~50μmである。したがって、隣り合う発光素子30間の距離は5~15μmである。また、一例では、発光素子30の厚みは5~10μmである。発光素子30は第2配線基板20の上面21の上面パッドに接続されている。発光素子30は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)であり、例えば、青色の光を出射する。
なお、発光素子30は、任意の波長の光を出射する素子を選択することができる。例えば、青色や緑色の光を出射する発光素子としては、ZnSe、窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、又はGaPを用いたものが選択できる。また、赤色の光を出射する発光素子30としては、GaAlAs又はAlInGaPで表される半導体を好適に用いることができる。更に、これら以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。用いる発光素子30の組成や発光色は目的に応じて適宜選択することができる。
第2樹脂40は、光反射性を有する。第2樹脂40は、隣接する発光素子30間に配置されている。さらに、第2樹脂40は、第2配線基板20の上面21と発光素子30の下面との間に配置されている。つまり、第2樹脂40は、発光素子30の上面を露出し、発光素子30の側面と下面とを被覆している。これにより、発光素子30から出射される光のより多くを上面21から取り出すことができる。第2樹脂40は、透光性樹脂からなる母材と、母材に含有される光反射性物質とを含む。第2樹脂40に含まれる光反射性物質の含有量を多くすることで、発光素子30からの光取り出し効率を高めることができる。第2樹脂40における光反射性物質の濃度は、光取り出し効率の向上および樹脂の流動性の観点から、50質量%以上70質量%以下であることが好ましく、例えば、60質量%程度である。
第2樹脂40の母材を形成する透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、又はアクリル樹脂、また、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂を用いることができる。なかでも耐熱性、耐光性に優れるシリコーン樹脂を用いることが好ましく、ジメチルシリコーン樹脂を用いることがより好ましい。ジメチルシリコーン樹脂は、より高温耐性等の信頼性に優れるため、車載用途の材料として好適に使用することができる。
光反射性物質としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、硫酸バリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、又はガラスフィラーなどを好適に用いることができる。
一例として、母材はジメチルシリコーン樹脂であり、光反射性物質は酸化チタンである。第2樹脂40の外観色は白色である。
第3樹脂50は、透光性を有し、発光素子30の上面及び第2樹脂40の上面を被覆している。第3樹脂50は、発光素子30の上面、側面の上部、及び、第2樹脂40の上面に接している。第3樹脂50は、少なくとも透光性樹脂からなる母材を含み、その母材中に蛍光体を含んでいてもよい。一例では、第3樹脂50の厚みは25μm~35μmである。
第3樹脂50の母材としては、上述した第2樹脂40の母材と同様の材料を用いることができる。第3樹脂50の蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、KSi0.99Al0.015.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I))、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS又はAgInSe)等を用いることができる。
KSAF系蛍光体としては、下記式(I)で表される組成を有していてよい。
[SiAlMn] (I)
式(I)中、Mはアルカリ金属を示し、少なくともKを含んでよい。Mnは4価のMnイオンであってよい。p、q、r及びsは、0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1を満たしていてよい。好ましくは、0.95≦p+q+r≦1.05又は0.97≦p+q+r≦1.03、0<q≦0.03、0.002≦q≦0.02又は0.003≦q≦0.015、0.005≦r≦0.15、0.01≦r≦0.12又は0.015≦r≦0.1、5.92≦s≦6.05又は5.95≦s≦6.025であってよい。例えば、K[Si0.946Al0.005Mn0.0495.995]、K[Si0.942Al0.008Mn0.0505.992]、K[Si0.939Al0.014Mn0.0475.986]で表される組成が挙げられる。このようなKSAF系蛍光体によれば、輝度が高く、発光ピーク波長の半値幅の狭い赤色発光を得ることができる。
第1樹脂70は、第1配線基板10と第2配線基板20とを接続するワイヤ60を保護する。平面視で、第1樹脂70の形状は、第2配線基板20の外縁に沿った矩形の枠状である。第1樹脂70は、第1配線基板10の上面から第2配線基板20の上面に亘って配置され、第1配線基板10の第1端子12、ワイヤ60、及び、第2配線基板20の第2端子22を覆っている。一例では、第2配線基板20の上面から第1樹脂70の頂部までの高さは400μm~500μmである。ここで、第1樹脂の頂部とは、発光面38を通る断面における第1樹脂の最も高い位置を意味する。
図5に示すように、第1樹脂70は、第1配線基板10上に配置された外側樹脂枠71と、第2配線基板20上に配置された内側樹脂枠72と、外側樹脂枠71と内側樹脂枠72との間に配置された保護樹脂73と、を含む。ワイヤ60は保護樹脂73内に配置されている。
第1樹脂70は、透光性を有していてもよく、遮光性を有していてもよい。第1樹脂70は、少なくとも透光性樹脂からなる母材を含み、その母材中に光反射性物質及び/又は光吸収性物質を含んでいてもよい。母材としては、上述した第2樹脂40の母材と同様の材料を用いることができる。光反射性物質としては、上述した第2樹脂40の光反射性物質と同様の材料を用いることができる。光吸収性物質としては、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。一例では、外側樹脂枠71及び内側樹脂枠72は、透光性を有し、保護樹脂73は、光反射性(遮光性)を有する。保護樹脂73の外観は、例えば、白色、黒色又は灰色である。なお、第2樹脂40、第3樹脂50、第1樹脂70には、それぞれ、必要に応じて着色剤や光拡散材、粘度を調整するためのフィラー等が含有されていてもよい。
第3樹脂50の上面のうち、第1樹脂70によって囲まれた領域は発光モジュール1の発光面38となる。言い換えると、第1樹脂70は、発光面38を囲むように配置されている。発光面38においては、第3樹脂50の下に複数の発光素子30と第2樹脂40が配置されている。第2配線基板20の上面から発光面38の上面までの高さは、第2配線基板20の上面から第1樹脂70の頂部までの高さより低い。つまり、発光モジュール1は、上面に、第1樹脂70によって囲まれた凹部を有し、凹部の底には第1樹脂70から露出する第3樹脂50の上面が配置され、発光モジュール1の発光面38を構成している。複数の発光素子30から出射した光は、第2樹脂40によって反射され、第3樹脂50によって散乱され、光の一部は第3樹脂50によって波長が変換されて、発光面38から出射する。発光面38から出射した光の一部は、第1樹脂70によって反射及び/又は吸収される。
次に、保護フィルム101について説明する。
保護フィルム101は、発光モジュール1に貼付され、発光モジュール1の発光面38を保護する。保護フィルム101は、発光面38から離隔して、平面視で発光面38を内包するように第1樹脂70上に配置される。上述したように、発光モジュール1の上面は、発光面38(つまり第3樹脂の上面)と、発光面38を取り囲む第1樹脂70により画定される凹部を有する。言い換えると、発光モジュール1は、発光面38の上方において、第1樹脂70に囲まれた空間を有する。保護フィルム101は、この空間を介して、発光面38と対向するように、第1樹脂上に貼付されている。
平面視において、保護フィルム101の大きさは、発光面38より大きく、第2基板より小さい大きさとすることが好ましい。なかでも、保発光モジュール1に貼付された状態で、保護フィルム101の外縁が、第1樹脂の頂部を内包できる大きさを有することがより好ましい。保護フィルムの厚みは、例えば25~150μmである。
保護フィルム101は、可撓性を有する樹脂フィルムを用いることができる。保護フィルム101を構成する樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。なかでも耐熱性に優れるポリイミド樹脂が好ましい。
保護フィルム101は、透光性を有することが好ましく、これにより、保護フィルム101が貼付された状態で、発光モジュールの発光検査等の動作確認を行うことができる。
また、保護フィルム101は、発光モジュールと対向する表面が粘着性を有することが好ましい。これにより、保護フィルム101自身の粘着性により、保護フィルム101を発光モジュール1に固定することができる。例えば、保護フィルム101は、透光性の基材層と、基材層の一方の面に配置される粘着剤層と、を有し、粘着剤層が発光モジュールの第1樹脂上に固定されている。基材としては保護フィルムを構成する樹脂として上述した樹脂が挙げられる。粘着剤としては、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、フェノール系、或いはそれらの複合物等、種々の樹脂材料を用いることができる。
図6は、本実施形態における保護フィルムを示す斜視断面図である。
図6に示すように、保護フィルム101は、第1フィルム110と、第2フィルム120と、を有する。第2フィルム120の幅(つまりY方向における第2フィルムの長さ)は、第1フィルム110の幅(つまりY方向における第2フィルムの長さ)よりも狭い。第2フィルム120は、第1フィルム110の下面110Lの一部に配置されている。例えば、1枚の第2フィルム120が、1枚の第1フィルム110の下面110Lの幅方向の中央部に粘着されている。また、複数枚の第2フィルム120が1枚の第1フィルム110の下面に粘着されていてもよい。
第1フィルム110は、第1基材層111と、第1基材層111の一方の面に配置された第1粘着剤層112と、を有する。第1基材層111は例えばポリイミドからなり、厚さは例えば25~30μmである。第1粘着剤層112は例えばシリコーン系粘着剤からなり、厚さは例えば40~45μmである。第1フィルム110全体の厚さは例えば65~75μmである。
同様に、第2フィルム120は、第2基材層121と、第2基材層121の一方の面に配置された第2粘着剤層122と、を有する。第2基材層121は例えばポリイミドからなり、厚さは例えば25~30μmである。第2粘着剤層122は例えばシリコーン系粘着剤からなり、厚さは例えば40~45μmである。第2フィルム120全体の厚さは例えば65~75μmである。
第1粘着剤層112は第1基材層111よりも下方、すなわち、発光モジュール1側に配置されており、第2粘着剤層122は第2基材層121よりも下方に配置されている。このため、第1フィルム110の第1粘着剤層112は第2フィルム120の第2基材層121に接している。
次に、発光モジュール1と保護フィルム101との位置関係について説明する。
図7は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。
図8は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す側面図である。
図1、図2、図7、図8に示すように、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール100において、保護フィルム101は、複数の発光素子30を覆い、第1フィルム110の下面110Lと第2フィルム120の下面120Lが第1樹脂70に接するように、第1樹脂70上に配置されている。つまり、保護フィルム101は、第1フィルム110の第1粘着剤層112及び第2フィルム120の第2粘着剤層122の粘着性を利用して第1樹脂70上に固定されている。一方、第2樹脂40の上面は第1樹脂70の上面よりも下方に位置しているため、保護フィルム101は第2樹脂40には接していない。これにより、保護フィルム101は、発光面38に接することなく発光面38を覆い、発光面38を保護することができる。
そして、このような保護フィルム付き発光モジュール100は、図8に示すように、保護フィルム101の下面は、第1フィルム110の下面110Lと第2フィルム120の下面120Lとの段差を有する。保護フィルムの下面が段差を備えることにより、保護フィルム101は、第1樹脂70に囲まれた空間を密閉することなく、部分的に隙間を介して第1樹脂70上に配置される。段差により生じる隙間の高さは、第2フィルム120全体の厚さと略等しく、例えば40~75μmである。この隙間が、保護フィルム付き発光モジュール100における第1樹脂70に囲まれた空間75を外部に繋ぐ通気部150となる。通気部150は、第1樹脂70と第1フィルム110と第2フィルム120により画定される隙間である。本実施形態においては、通気部150は、保護フィルム101のX方向両端部に2つずつ配置されている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール100は、製造された後、はんだ等の接合部材を介して給電基板等の二次実装基板に実装される。はんだを用いた二次実装は、例えば、リフロー法によって行うことができる。
本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール100においては、発光モジュール1の発光面38を覆うように、発光モジュール1に保護フィルム101が貼付されている。これにより、保護フィルム付き発光モジュール100の搬送時及びリフロー時等において、発光面38を外部から保護することができる。例えば、発光面38に異物が付着することを抑制できる。
保護フィルム付き発光モジュール100においては、保護フィルム101に通気部150が配置されており、通気部150が第1樹脂70に囲まれた空間75を外部に繋いでいる。これにより、例えば、保護フィルム付き発光モジュール100のリフロー時に、周囲の気圧が変動しても、空間75内の気圧も追従して変動するため、保護フィルム101が発光面38に貼り付くことを抑制できる。この結果、保護フィルム101が発光面38に損傷を及ぼすことを抑制できる。
保護フィルム付き発光モジュール100を給電基板等に実装した後、保護フィルム101を発光モジュール1から剥離する。保護フィルムの剥離方法については、後述の第7の実施形態において説明する。
<比較例>
図9A~図9Dは、本比較例に係る保護フィルム付き発光モジュールを真空リフローする工程を示す図である。
図9Aに示すように、本比較例に係る保護フィルム付き発光モジュール900においては、発光モジュール1に保護フィルム901が貼付されている。保護フィルム901には、通気部を備えていない。このため、本比較例に係る保護フィルム付き発光モジュール900において、保護フィルム901は、発光面上方の第1樹脂に囲まれた空間を密閉するように貼付されている。
図9Aに示すように、保護フィルム付き発光モジュール900を、二次実装するために真空リフロー装置990内に装入し、真空リフロー装置990内を減圧する。このとき、第1樹脂70によって囲まれた空間75は保護フィルム901によって気密状態とされているため、大気圧のままである。
このため、図9Bに示すように、空間75が周囲に対して陽圧となり、保護フィルム901には発光モジュール1から遠ざかる方向に力が印加される。これにより、保護フィルム901の一部が第1樹脂70から剥がれ、通気路が形成される。この通気路を介して空間75内の空気が漏出する。
この結果、図9Cに示すように、空間75内の気圧が周囲と等しくなり、保護フィルム901が元の形状に戻る。
その後、図9Dに示すように、真空リフロー装置990内が大気圧に戻ると、空間75は周囲に対して陰圧となる。このとき、保護フィルム901には発光モジュール1に向かう方向に力が印加されるため、保護フィルム901は第1樹脂70に密着し、通気路は形成されない。この結果、周囲と空間75内の気圧差によって保護フィルム901は発光モジュール1に押し付けられ、発光面38に接触する。
保護フィルム901が発光面38に接触することにより、保護フィルム901の粘着剤層が発光面38に配置された第3樹脂50に粘着される。その後、粘着した保護フィルム901を第3樹脂50から剥がそうとすると、第3樹脂50、並びに、その下に配置された発光素子30及び第2樹脂40等が損傷を受ける可能性がある。
これに対して、第1の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール100においては、通気部150を備えるため、真空リフロー装置内の気圧に追従して空間75内の気圧も変動し、空間75の内外の気圧差が抑制される。この結果、保護フィルム101が発光面38に接触せず、発光面38が損傷を受けることを防止できる。
<第2の実施形態>
図10は、本実施形態における保護フィルムを示す斜視断面図である。
図10に示すように、本実施形態においては、第1の実施形態と比較して、第2フィルムが第1フィルムに接する面が異なっている。
本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールにおいては、発光モジュール1の第1樹脂70に、保護フィルム201が貼付されている。発光モジュール1の構成は、第1の実施形態と同様である。
図10に示すように、保護フィルム201は、第1フィルム210と第2フィルム220と、を有する。第1の実施形態と同様に、第2フィルム220の幅は第1フィルム210の幅よりも狭い。第2フィルム220は第1フィルム210の下面の一部、例えば、幅方向の中央部に配置されている。第1フィルム210は、第1基材層211及び第1粘着剤層212を備え、第2フィルム220は、第2基材層221及び第2粘着剤層222を備える。第1基材層211、第1粘着剤層212、第2基材層221、第2粘着剤層222の構成は、それぞれ、第1の実施形態における第1基材層111、第1粘着剤層112、第2基材層121、第2粘着剤層122の構成と同じである。
但し、第1の実施形態とは異なり、第2フィルム220の第2粘着剤層222が、第1フィルム210の第1粘着剤層212に粘着されている。このため、第2フィルム220は、第2粘着剤層222ではなく第2基材層221が発光モジュール1の第1樹脂70に接する。この結果、保護フィルム201の第1粘着剤層212のみが発光モジュール1の第1樹脂70に粘着し、第2粘着剤層222は第1樹脂70に粘着しない。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、保護フィルム201は第1粘着剤層212のみが第1樹脂70に粘着される。このため、発光モジュール1から保護フィルム201を容易に剥離できる。また、仮に、保護フィルム201が弛んで発光モジュール1の発光面38に接触しても、粘着性のない第2基材層221が主として発光面38に接触するため、保護フィルム201は発光面38に粘着されにくい。このため、発光モジュール1に及ぼす損傷を抑制できる。
本実施形態における上記以外の構成及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
<第3の実施形態>
図11は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。
図12は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す側面図である。
図11及び図12に示すように、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール300においては、発光モジュール1の第1樹脂70に、保護フィルム301が貼付されている。保護フィルム301は、通気部として、第1樹脂70に対向する下面に溝を備える。発光モジュール1の構成は、第1の実施形態と同様である。
保護フィルム301においては、基材層311と、粘着剤層312と、を有する。粘着剤層312は基材層311の下面に、長手方向(X方向)に延びる縞状に配置されている。これにより、基材層311における粘着剤層312が配置された面であって、粘着剤層312が配置されていない領域が溝313となる。溝313は、保護フィルム301における第1樹脂70に対向する下面に配置されている。そして、溝313と第1樹脂70とにより隙間が画定され、溝313が第1樹脂70に囲まれた空間75を外部に繋ぐ通気部350となる。
このように、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール300において、通気部350は、保護フィルム301における第1樹脂70に対向する下面に配置された溝313であり、溝313と第1樹脂70とにより隙間が画定される。
なお、溝313は、粘着剤層312の下面に配置された溝313であってもよい。すなわち、溝313の底部には、粘着剤層312が配置されていてもよい。また、溝313は粘着剤層312を貫通して基材層311に配置された溝313であってもよい。溝313の深さは、例えば、保護フィルム301の全体の厚さの50~80%である。
本実施形態における上記以外の構成及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
<第4の実施形態>
図13は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。
図14は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す側面図である。
図13及び図14に示すように、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール400においては、発光モジュール1の第1樹脂70に、保護フィルム401が貼付されている。保護フィルム401は、通気部として折り曲げ部を備える。発光モジュール1の構成は、第1の実施形態と同様である。
保護フィルム401においては、長手方向(X方向)に延びる折り曲げ部410を備える。折り曲げ部410は上方、すなわち、発光モジュール1から離れる方向に凸となっている。これにより、第1樹脂70と保護フィルム401との間に、折り曲げ部410によってY方向からの断面形状が三角形の隙間413が画定される。そして、折り曲げ部410が、空間75を外部に繋ぐ通気部450となる。なお、隙間413の断面形状は三角形には限定されず、例えば、半円状又は四角形状であってもよい。隙間413の高さは、例えば65~75μmである。
このように、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール400において、通気部450は、保護フィルム401の折り曲げ部410であり、折り曲げ部410と第1樹脂70とにより隙間413が画定される。
本実施形態における上記以外の構成及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
<第5の実施形態>
図15は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを示す上面図である。
図16Aは、発光素子と貫通孔との関係を示す拡大平面図である。
図16Bは、本実施形態における保護フィルムの作製方法を示す断面図である。
図16Cは、本実施形態における保護フィルムを示す断面図である。
なお、図16Aにおいて、第2樹脂40は図示を省略している。
図15に示すように、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール500においては、発光モジュール1の第1樹脂70に、保護フィルム501が貼付されている。保護フィルム501は、通気部として貫通孔を備える。発光モジュール1の構成は、第1の実施形態と同様である。
保護フィルム501においては、保護フィルム501を厚さ方向(Z方向)に貫通する貫通孔510が形成されている。保護フィルム501は、貫通孔510が発光素子30の上方に位置するように、第1樹脂70上に配置されている。貫通孔510が空間75を外部に繋ぐ通気部550となる。貫通孔510の数は特に限定されないが、複数であることが好ましい。図15に示す例では、3行5列の行列状に配列された15個の貫通孔510が配置されている。また、各貫通孔510の平面視形状も特に限定されないが、図15に示すように、例えば平面視で円形状が挙げられる。
図16Aに示すように、平面視で、各貫通孔510の面積は、各発光素子30の面積の4分の1以下であることが好ましい。発光素子30の一辺の長さLは、例えば、45μmである。この場合、発光素子30の面積は、2025μmである。一方、貫通孔510の直径Dは、例えば、20~25μmである。この場合、貫通孔510の面積は、約314~490μmである。したがって、発光素子30の面積に対する貫通孔510の面積の比の値は、約0.16~0.24であり、4分の1以下である。
次に、保護フィルム501の作製方法について説明する。
図16Bに示すように、基材層511、粘着剤層512、剥離シート513がこの順に積層された積層シート520を準備する。基材層511及び粘着剤層512の構成は、第1の実施形態における第1基材層111及び第1粘着剤層112の構成と同様である。
次に、積層シート520に剥離シート513側からレーザ光530を照射する。これにより、積層シート520に貫通孔510が形成される。貫通孔510の直径は、レーザ光530の入射面から出射面に向かうにつれて小さくなる。一例では、剥離シート513の表面における直径D0は50~55μmであり、基材層511の表面における直径Dは20~25μmである。直径Dを貫通孔510の直径とする。
次に、積層シート520から剥離シート513を除去する。これにより、図16Cに示すように、基材層511及び粘着剤層512が積層され、貫通孔510が形成された保護フィルム501が作製される。保護フィルム501の粘着剤層512が発光モジュール1の第1樹脂70に粘着する。
本実施形態によれば、保護フィルム501に貫通孔510を設けることにより、貫通孔510を通気部550とすることができる。また、平面視で、各貫通孔510の面積を各発光素子30の面積の4分の1以下とすることにより、発光素子30と同等以上のサイズの異物が発光面38に接触することを抑制できる。更に、貫通孔510を複数設けることにより、各貫通孔510のサイズを小さくしても、十分な通気性を確保することができる。
本実施形態における上記以外の構成及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
<第6の実施形態>
図17は、本実施形態における保護フィルムを示す平面図である。
本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールにおいては、発光モジュール1の第1樹脂70に、保護フィルム601が貼付されている。保護フィルム601は、通気部として切込を備える。発光モジュール1の構成は、第1の実施形態と同様である。
図17に示すように、保護フィルム601においては、複数の切込610が配置されている。複数の切込610は相互に繋がっており、相互に異なる方向に延びている。各切込610は保護フィルム601を厚さ方向に貫通している。図17に示す例では、3本の切込610が配置されており、切込610の端部が相互に繋がっている。また、3本の切込610は互いに120°の角度をなす方向に延びている。なお、複数の切込610は、4本以上の切込が相互に繋がっていてもよい。
このような切込610を備える保護フィルム601を第1樹脂70上に貼付することにより、周囲の気圧が変動し、空間75の内外の気圧差が大きくなったときは、保護フィルム601における切込610の相互に繋がっていない端部同士を結ぶ線分620において保護フィルム601が折り曲がり、保護フィルム601に貫通孔が形成される。このようにして、切込610は弁として機能し、空間75を外部に繋ぐ通気部650となる。
本実施形態によれば、空間75の内外の気圧差が小さいときは、切込610からなる弁は閉じており、異物の侵入を防止する。一方、空間75の内外の気圧差が所定値以上となると、保護フィルム601が線分620において折れ曲がり、切込610からなる弁が開き、通気させる。これにより、異物の侵入防止と通気性の実現を高いレベルで両立させることができる。
なお、相互に繋がった複数の切込610からなる組は、保護フィルム601に複数組配置されていてもよい。これにより、保護フィルム601に複数の弁が形成される。
本実施形態における上記以外の構成及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
<第7の実施形態>
本実施形態においては、発光モジュールから保護フィルムを剥がす方法について説明する。上述の如く、一般的には、保護フィルム付き発光モジュールの搬送及び二次実装が終了した後、発光モジュールを使用する前に、保護フィルムを剥がす工程がある。
図18は、本実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュール及び剥離ツールを示す斜視図である。
図19A~図19Cは、発光モジュールから保護フィルムを剥がす方法を示す側面図である。
図18に示すように、本実施形態においては、保護フィルム付き発光モジュール100から保護フィルム101を剥がす剥離ツール710を使用する。剥離ツール710は、板状の基材711と、基材711の長手方向の両端部から一方向に向けて突出した一対の凸部712と、を有している。剥離ツール710は、例えば硬質ウレタンにより形成することができる。基材711の主面の外形は、平面視における発光モジュール1の大きさと略等しい。基材711及び一対の凸部712によって囲まれた空間713は、発光モジュール1の第1樹脂70を収納可能な大きさとなっている。
基材711の主面の向きをXY平面と一致させ、一対の凸部712を下方(-Z方向)に向けた状態で、剥離ツール710を発光モジュール1に近づけると、一対の凸部712の先端は、発光モジュール1の第1配線基板10の上面における一対の領域717に対向する。一対の領域717は、第1樹脂70の外側のX方向両側に位置している。
保護フィルム付き発光モジュール100の構成は、例えば、第1の実施形態において説明したとおりである。なお、保護フィルム付き発光モジュール100の替わりに、第2~第6の実施形態に係る保護フィルム付き発光モジュールを用いてもよく、それ以外の保護フィルム付き発光モジュールを用いてもよい。
図19Aに示すように、保護フィルム付き発光モジュール100上に剥離テープ720を配置し、その上に剥離ツール710を配置する。剥離ツール710の凸部712は、下方、すなわち、保護フィルム付き発光モジュール100の上面に対向するように配置する。剥離テープ720は例えばロールから巻き出されたテープであり、保護フィルム付き発光モジュール100の上方に位置する部分はXY平面に平行であり、X方向に延びている。保護フィルム付き発光モジュール100において、保護フィルムが粘着剤層を有し、粘着剤層が第1樹脂70と接している場合、剥離テープ720は、保護フィルムの粘着剤層よりも強い粘着力を有することが好ましい。例えば、剥離テープ720の粘着力は、2.8N/cm以上とすることが好ましい。
次に、図19Bに示すように、剥離ツール710を保護フィルム付き発光モジュール100に近づけて、凸部712の先端を発光モジュール1の領域717に剥離テープ720を介して当接させる。このとき、発光モジュール1における第1配線基板10以外の部分は、剥離ツール710の空間713内に収納され、剥離ツール710とは干渉しない。剥離テープ720は保護フィルム付き発光モジュール100の上面に沿って変形し、保護フィルム101の略全面に接着される。
次に、図19Cに示すように、剥離ツール710を退避させる。そして、剥離テープ720を保護フィルム付き発光モジュール100のX方向両側から、斜め上方に引き上げる。このとき、剥離テープ720を引き上げる方向と水平面(XY平面)のなす角度θは、45°以上とすることが好ましい。剥離テープ720を引き上げることにより、保護フィルム101が剥離テープ720と共にX方向両端部から引き上げられ、発光モジュール1から剥離する。
本実施形態によれば、剥離ツール710は領域717以外の部分では発光モジュール1と干渉しないため、発光モジュール1に及ぼす影響を抑制しつつ、保護フィルム101を発光モジュール1から剥離することができる。また、剥離ツール710が当接する領域717は保護フィルム101のX方向両側に位置しているため、剥離テープ720を確実に保護フィルム101の全体に接着させることができる。更に、角度θを45°以上とすることにより、剥離テープ720に印加した引っ張り力を剥離テープ720の剥離に有効に利用することができる。これにより、剥離テープ720を比較的小さな力でX方向両側から少しずつ剥がすことができ、発光モジュール1に与える衝撃を低減できる。
<試験例>
第7の実施形態の効果を確認するために、試験を行った。本試験例においては、剥離テープ720の粘着力及び角度θを異ならせて、第7の実施形態に係る方法により、発光モジュール1から保護フィルム101を剥離した。
図20は、本試験例の結果を示す表である。
図20において、記号「◎」は、保護フィルム101が両側から均等に剥がれ、剥離状態が極めて良好であったことを示す。記号「〇」は、保護フィルム101は片側から先行して剥がれたものの、剥離状態は良好であったことを示す。記号「△」は、保護フィルム101が一気に剥がれたことを示す。この場合、保護フィルム101は剥がれるものの、発光モジュール1に大きな衝撃を与える可能性がある。記号「×」は、保護フィルム101の一部又は全体が発光モジュール1に残留したことを示す。
図20に示すように、剥離テープ720の粘着力が2.8N/cmであり、角度θが45°又は65°の場合に、剥離状態は極めて良好であった。
前述の各実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の各実施形態において、いくつかの構成要素又は工程を追加、削除又は変更したものも本発明に含まれる。また、前述の各実施形態では、X方向(長手)端部に通気部を備える構成として説明したが、X方向ではなく、Y方向(短手)端部に通気部を備える構成としたものも本発明に含まれる。また、前述の実施形態は、相互に組み合わせて実施することもできる。
本発明は、例えば、車両の前照灯又は表示装置等の光源に利用することができる。
1:発光モジュール
10:第1配線基板
10a:上面
10b:下面
11:基体
12:第1端子
13:下面パッド
14:放熱部
20:第2配線基板
21:上面
22:第2端子
30:発光素子
38:発光面
40:第2樹脂
50:第3樹脂
60:ワイヤ
70:第1樹脂
71:外側樹脂枠
72:内側樹脂枠
73:保護樹脂
75:空間
100:保護フィルム付き発光モジュール
101:保護フィルム
110:第1フィルム
110L:下面
111:第1基材層
112:第1粘着剤層
120:第2フィルム
120L:下面
121:第2基材層
122:第2粘着剤層
150:通気部
201:保護フィルム
210:第1フィルム
211:第1基材層
212:第1粘着剤層
220:第2フィルム
221:第2基材層
222:第2粘着剤層
300:保護フィルム付き発光モジュール
301:保護フィルム
311:基材層
312:粘着剤層
313:溝
350:通気部
400:保護フィルム付き発光モジュール
401:保護フィルム
410:折り曲げ部
413:隙間
450:通気部
500:保護フィルム付き発光モジュール
501:保護フィルム
510:貫通孔
511:基材層
512:粘着剤層
513:剥離シート
520:積層シート
530:レーザ光
550:通気部
601:保護フィルム
610:切込
620:線分
650:通気部
710:剥離ツール
711:基材
712:凸部
713:空間
717:領域
720:剥離テープ
900:保護フィルム付き発光モジュール
901:保護フィルム
990:真空リフロー装置
D、D0:直径
L:長さ
θ:角度

Claims (10)

  1. 発光モジュールと、
    前記発光モジュールに貼付された保護フィルムと、
    を備え、
    前記発光モジュールは、
    第1配線基板と、
    前記第1配線基板上に配置された第2配線基板と、
    前記第2配線基板上に配置された複数の発光素子と、
    前記第1配線基板の第1端子と前記第2配線基板の第2端子を接続するワイヤと、
    前記第1配線基板上及び前記第2配線基板上に配置され、前記ワイヤを被覆し、平面視で前記複数の発光素子を囲む第1樹脂と、
    を備え、
    前記保護フィルムは、前記複数の発光素子を覆うように前記第1樹脂上に配置され、前記第1樹脂に囲まれた空間を外部に繋ぐ通気部を備える保護フィルム付き発光モジュール。
  2. 前記保護フィルムは、
    第1フィルムと、
    前記第1フィルムの下面の一部に配置された第2フィルムと、
    を有し、
    前記保護フィルムは、前記第1フィルムの下面と前記第2フィルムの下面が前記第1樹脂に接するように前記第1樹脂上に配置されており、
    前記通気部は、前記第1樹脂と前記第1フィルムと前記第2フィルムにより画定される隙間である請求項1に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  3. 前記第1フィルムは、第1基材層と、前記第1基材層の一方の面に配置される第1粘着剤層と、を有し、
    前記第2フィルムは、第2基材層と、前記第2基材層の一方の面に配置される第2粘着剤層と、を有し、
    前記第1粘着剤層は前記第2基材層に接している請求項2に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  4. 前記通気部は、前記保護フィルムにおける前記第1樹脂に対向する下面に配置された溝であり、
    前記溝と前記第1樹脂とにより隙間が画定される請求項1に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  5. 前記通気部は、前記保護フィルムの折り曲げ部であり、
    前記折り曲げ部と前記第1樹脂とにより隙間が画定される請求項1に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  6. 前記通気部は、前記保護フィルムの貫通孔であり、
    前記貫通孔は前記発光素子の上方に配置されている請求項1に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  7. 平面視で、前記貫通孔の面積は、各前記発光素子の面積の4分の1以下である請求項6に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  8. 前記保護フィルムは、複数の前記貫通孔を備える請求項6または7に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  9. 前記通気部は、前記保護フィルムに配置された複数の切込であり、
    前記複数の切込は、相互に繋がり、相互に異なる方向に延びる請求項1に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
  10. 前記保護フィルムは、透光性の基材層と、前記基材層の一方の面に配置される粘着剤層と、を有し、
    前記保護フィルムは、前記粘着剤層が前記第1樹脂に接するように前記第1樹脂上に配置されている請求項4乃至9のいずれか一項に記載の保護フィルム付き発光モジュール。
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