JP7304502B1 - 非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】圧縮された後も、イオン透過性を良好に維持することができる非水電解液二次電池用セパレータの提供。【解決手段】表面の中央を通り、MD方向またはTD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して形成される断面の、SEMを用いて得られる二次元画像から抽出される空隙の外接矩形から算出される長軸の傾斜角の平均値が7.0以上であるポリオレフィン多孔質フィルムを含む、非水電解液二次電池用セパレータ。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池に関する。
リチウム二次電池等の非水電解液二次電池は、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話および携帯情報端末等の機器に用いる電池、または車載用の電池として広く使用されている。
このような非水電解液二次電池におけるセパレータとしては、ポリオレフィンを主成分とする多孔質フィルムが主に用いられている。前記ポリオレフィンを主成分とする多孔質フィルムとしては、特許文献1に記載の、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を延伸する工程を含む方法にて製造される多孔質フィルムが挙げられる。
特開平11-130900号公報
近年、航続距離がより長い電気自動車(EV)等の用途に使用するために、高容量の電池の開発が進められている。前記高容量の電池としては、例えば、負極としてシリコン電極を備える非水電解液二次電池の開発が進められている。しかしながら、前記シリコン電極等の高容量の電池における負極は、従来の負極と比較して、充放電時により膨張し、その体積が、例えば約4倍に変化することが知られている。その結果、前記高容量の電池において、電池(セル)内部の内圧がより上昇する。前記高容量の電池は、前記内圧がより上昇することに起因して、充放電時に、セパレータが圧縮されることにより、当該セパレータ内部の空隙(空孔)が閉塞し、その結果、電荷担体であるイオンの透過性が低下するとの問題があった。
本発明の一態様は、前述の問題を解決するために、圧縮された後も、イオン透過性を良好に維持することができる非水電解液二次電池用セパレータを提供することを目的とする。
鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、断面における空隙の傾きが特定の範囲内であるポリオレフィン多孔質フィルムを含む非水電解液二次電池用セパレータが、圧縮された後も、イオン透過性を良好に維持することができることを見出し、本発明に想到した。
本発明の一態様は、ポリオレフィン多孔質フィルムを含む非水電解液二次電池用セパレータであって、前記ポリオレフィン多孔質フィルムの断面の二次元画像を、走査型電子顕微鏡を用いて取得し、前記二次元画像から抽出される空隙の外接矩形から算出される長軸の傾斜角の平均値が7.0°以上であり、前記断面は、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを、その表面の中央を通り、かつ、MD方向またはTD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して形成される断面である、非水電解液二次電池用セパレータである。
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池用セパレータは、圧縮された後も、イオン透過性を良好に維持することができるとの効果を奏する。
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池用セパレータを構成するポリオレフィン多孔質フィルム内部の空隙部および当該空隙部の外接矩形を表す模式図である。 ポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性が小さいポリオレフィン多孔質フィルム1の内部の空隙3の態様を表す模式図およびポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性が大きいポリオレフィン多孔質フィルム2の内部の空隙3の態様を表す模式図である。
本発明の一実施形態に関して以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
本明細書において、MD方向(Machine Direction)とは、後述の多孔質フィルムの製造方法において、シート状のポリオレフィン樹脂組成物および多孔質フィルムが搬送される方向を意味する。また、TD方向(Transverse Direction)とは、前記シート状のポリオレフィン樹脂組成物および前記多孔質フィルムの面に平行な方向であって、かつ、MD方向に垂直な方向を意味する。
また、製造方法、すなわち、原料であるシート状のポリオレフィン樹脂組成物および多孔質フィルムが搬送される方向が不明の場合、非水電解液二次電池用セパレータ、並びに、当該非水電解液二次電池用セパレータを構成する多孔質フィルムにおけるMD方向は、フィルムの長手方向(円筒タイプ:巻き方向 つづら折りタイプ:折り返し方向)を意味する。また、前記非水電解液二次電池用セパレータおよび前記多孔質フィルムにおけるTD方向は、前記非水電解液二次電池用セパレータおよび前記多孔質フィルムの面に平行な方向であって、かつ、MD方向に垂直な方向を意味する。
[実施形態1:非水電解液二次電池用セパレータ]
本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムを含む非水電解液二次電池用セパレータであって、前記ポリオレフィン多孔質フィルムの断面の二次元画像を、走査型電子顕微鏡を用いて取得し、前記二次元画像から抽出される空隙の外接矩形から算出される長軸の傾斜角の平均値が7.0°以上であり、前記断面は、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを、その表面の中央を通り、かつ、MD方向またはTD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して形成される断面である。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムを含む。以下、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを単に「多孔質フィルム」とも称する。以下、前記非水電解液二次電池用セパレータを単に「セパレータ」とも称する。
本発明の一実施形態に係るセパレータは、前記多孔質フィルムからなるセパレータであり得る。また、本発明の一実施形態に係るセパレータは、前記多孔質フィルムおよび後述する絶縁性多孔質層を含む積層体であるセパレータであり得る。なお、前記多孔質フィルムおよび後述する絶縁性多孔質層を含む積層体であるセパレータを、以下において、「積層セパレータ」とも称する。さらに、本発明の一実施形態に係るセパレータは、必要に応じて、絶縁性多孔質層以外の多孔質層として、後述する耐熱層、接着層、保護層等の公知の多孔質層を含み得る。
本発明の一実施形態において、前記傾斜角の平均値は、以下のように算出される。まず、多孔質フィルムを、当該多孔質フィルムの表面の中央を通り、かつ、MD方向またはTD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して断面を形成する。形成された断面の二次元画像を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて取得し、前記二次元画像から抽出される空隙の外接矩形を作成する。前記外接矩形から算出される長軸の傾斜角を、当該二次元画像に含まれるすべての空隙について平均した値を、傾斜角の平均値とする。以下、前記長軸の傾斜角を、単に、「傾斜角」とも称する。また、前記外接矩形は、その内側で前記空隙と接する長方形である。
具体的には、前記傾斜角の平均値は、例えば、以下の(1)~(12)の工程を含む方法によって算出される。
(1)多孔質フィルムを、当該多孔質フィルムの表面の中央を通り、かつ、MD方向またはTD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して断面を形成する。
(2)工程(1)で形成された断面上に、SEM観測用の蒸着膜を形成する。
(3)工程(2)で蒸着膜が形成された断面に対して、SEMを用いて、加速電圧:0.8kV、作動距離:3.0mmの条件下にて、反射電子像を観測して、当該断面のSEM画像(膜厚方向:960pixel×MD方向またはTD方向:1280pixel)を得る。
(4)工程(3)で得られた断面のSEM画像から、膜厚方向:100pixel×MD方向またはTD方向:1280pixelの解析領域を抽出する。この際、解析領域に前記多孔質フィルムの断面領域全体が含まれるように、当該解析領域を抽出する。また、前記解析領域において、MD方向またはTD方向にx座標(x軸)、膜厚方向にy座標(y軸)を取る。
(5)解析領域に対し、輝度値の正規化処理を行う。
(6)工程(5)で得られた、輝度値の正規化処理が行われた前記解析領域に対して、後述の二値化を実施する際に精度よく空隙部を識別するため、輝度値の反転処理を行う。
(7)工程(6)で得られた、輝度値の反転処理が行われた前記解析領域に対して、二値化を行う。
(8)工程(7)で得られた、二値化が行われた前記解析領域に対して、ブロブ処理を行い、空隙部を識別し、抽出する。具体的には、ブロブ処理により識別された各空隙部を構成するブロブの面積を、pixel数を用いて算出し、10pixel以上の面積を有するブロブを空隙部として抽出する。以後の処理においては、抽出された空隙部を、空隙部として扱い、面積が10pixel未満のブロブからなる空隙部は、空隙部としては扱わない。
(9)工程(8)で抽出された各空隙部について、図1に示すように、外接矩形を作成する。ここで、図1は、本発明の一態様に係るセパレータを構成する多孔質フィルム内部の空隙部および当該空隙部の外接矩形を表す模式図である。図1において、前記空隙部が「空隙」と記載されている。前記外接矩形は、その内側で前記空隙部と接する長方形である。
(10)工程(9)で各空隙部から作成された外接矩形のそれぞれについて、4頂点のうち、最もx座標の小さい点をP1、そこから反時計回りにP2、P3、P4とする。続いて、前記外接矩形のそれぞれについて、P1とP2とを結ぶ直線をL12、P1とP4とを結ぶ直線をL14とした上で、L12とL14のうち長い方の直線を、長軸とする。
(11)前記外接矩形のそれぞれについて、前記長軸と、x軸との成す角を算出し、算出された値を各空隙部の傾斜角θとする。このとき、0°<θ<90°として計算する。
(12)工程(11)で算出された各空隙部の傾斜角θの、全空隙部における平均値を算出する。算出された平均値を、前記傾斜角の平均値とする。
前記工程(1)において、前記多孔質フィルムの代わりに、前記積層セパレータといった、多孔質フィルム以外に絶縁性多孔質層等の他の層を備える積層セパレータを使用してもよい。その場合、工程(4)に示すように、前記解析領域に、前記積層セパレータの基材である前記多孔質フィルムの断面領域全体が含まれるように、当該解析領域の抽出を行う。言い換えれば、前記他の層の断面領域は、前記解析領域に含まれなくともよい。
前記工程(1)において、前記多孔質フィルムを切断する方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。前記切断する方法としては、例えば、イオンミリング法等を採用することができる。また、前記工程(1)において、前記積層セパレータを切断する場合も、前記多孔質フィルムを切断する場合と同一の切断方法を採用することができる。
前記工程(2)において、前記蒸着膜は、SEMを用いた反射電子像の観測に使用され得る蒸着膜として一般的な蒸着膜を採用することができる。前記蒸着膜としては、例えば、オスミウム等からなる蒸着膜を採用することができる。前記蒸着膜の形成方法としては、公知の方法を採用することができる。
前記工程(3)におけるSEM画像を取得する際のSEMの倍率は、前記空隙が判別できる倍率であれば特に限定されない。前記SEMの倍率は、例えば、3000倍~7000倍であり得る。
前記工程(4)以降の処理は、工程(3)で得られた断面のSEM画像の画像解析処理に該当する。前記画像解析処理は、例えば、JPEGファイルの形式の前記断面のSEM画像のデータを、Pythonにより、コンピュータに読み込ませて実施することができる。また、前記画像解析処理は、前記工程(4)~(12)の処理を実施することができる市販のプログラムを用いて実施することができる。
非水電解液二次電池において、電極(例えば、負極)の膨張に起因して、セパレータおよび当該セパレータを構成する多孔質フィルムの表面に鉛直上方向から圧力が加えられる。図2は、ポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性が小さいポリオレフィン多孔質フィルム1の内部の空隙3の態様を表す模式図およびポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性が大きいポリオレフィン多孔質フィルム2の内部の空隙3の態様を表す模式図である。図2に示すように、前記MD方向またはTD方向における結晶配向性が小さいポリオレフィン多孔質フィルム1の内部における空隙3は、個々の空隙が分断された態様となる傾向がある。一方、前記MD方向またはTD方向における結晶配向性が大きいポリオレフィン多孔質フィルム2の内部における空隙3は、複数重なり、連なっている態様となる傾向がある。ここで、複数重なり、連なっている態様の空隙は、前述の画像解析の際に、前記傾斜角が大きい1つの大きな空隙として扱われる。従って、前記多孔質フィルム内部に、MD方向またはTD方向において、前記空隙が複数重なり、連なっている態様が存在する場合、前記傾斜角の平均値は高くなる。
以上のことから、本発明の一実施形態に係るセパレータにおいて、前記傾斜角の平均値が7.0°以上と大きいことは、前記多孔質フィルム内部にて、MD方向またはTD方向において、複数重なり、連なっている態様の空隙が発生していることを反映している。従って、本発明の一実施形態において、前記多孔質フィルム内部には、前述の1つの大きな空隙として扱われる態様の空隙が多数存在している。そして、大きな空隙として機能する複数の空隙は、閉塞するために必要な圧力がより大きくなり、圧力が加えられた際に閉塞し難くなる。従って、本発明の一実施形態に係るセパレータは、前記多孔質フィルムを含むことによって、圧縮された場合であっても、イオン透過性が良好に維持されるとの効果を奏する。
前述の圧縮された際にイオン透過性を良好に維持する観点から、前記傾斜角の平均値は、8.0°以上であることが好ましく、8.7°以上であることがより好ましい。前記傾斜角の平均値は、20°以下であることが好ましく、15°以下であることがより好ましい。前記傾斜角の平均値が、20°以下である場合、短絡を良好に防止することができる。前記傾斜角θの、全空隙部における標準偏差は、13.0~18.0であることが好ましく、14.0~17.0であることがより好ましい。
また、本発明の一実施形態において、MD方向における傾斜角の平均値と、TD方向における傾斜角の平均値との双方が、7.0°以上であることが好ましく、前述の好ましい範囲内であることがより好ましい。その場合、前記多孔質フィルム内部には、前述の1つの大きな空隙として扱われる態様の空隙がより多数存在しており、本発明の一実施形態に係るセパレータは、圧縮された場合に、イオン透過性をより良好に維持することができる。「MD方向における傾斜角の平均値」とは、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを、その表面の中央を通り、かつ、MD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して形成される断面の2次元画像から算出される前記傾斜角の平均値を意味する。「TD方向における傾斜角の平均値」とは、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを、その表面の中央を通り、かつ、TD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して形成される断面の2次元画像から算出される前記傾斜角の平均値を意味する。なお、以下において、単に、「傾斜角の平均値」との記載は、MD方向における傾斜角の平均値またはTD方向における傾斜角の平均値を意味する。
前記多孔質フィルム全体における、前記工程(8)にて抽出された空隙部の面積の平均値(単位:μm)は、圧縮された多孔質フィルムのイオン透過性をより好適に維持できるとの観点から、0.012μm~0.03μmであることが好ましく、0.015μm~0.025μmであることがより好ましい。前記面積の、全空隙部における標準偏差は、0.018~0.030であることが好ましく、0.019~0.029であることがより好ましい。
前記多孔質フィルム全体における、前記空隙部のフェレ径の平均値(単位:μm)は、圧縮された多孔質フィルムのイオン透過性をより好適に維持できるとの観点から、0.18μm~0.28μmであることが好ましく、0.2μm~0.25μmであることがより好ましい。前記フェレ径の、全空隙部における標準偏差は、0.120~0.200であることが好ましく、0.140~0.190であることがより好ましい。
前記多孔質フィルム全体における、前記空隙部の円等価直径の平均値(単位:μm)は、圧縮された多孔質フィルムのイオン透過性をより好適に維持できるとの観点から、0.12μm~0.18μmであることがより好ましく、0.11μm~0.16μmであることがより好ましい。前記円等価直径の、全空隙部における標準偏差は、0.060~0.080であることが好ましく、0.062~0.078であることがより好ましい。
前記多孔質フィルム全体における、前記空隙部の円形度の平均値(単位:なし)は、圧縮された多孔質フィルムのイオン透過性をより好適に維持できるとの観点から、0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。また、前記空隙部の円形度の平均値は、0.4以下であることが好ましく、0.37以下であることがより好ましい。なお、前記円形度は、1に近いほど、前記空隙の形状が円形に近いことを表す。前記円形度の、全空隙部における標準偏差は、0.0171~0.0190であることが好ましく、0.0172~0.0189であることがより好ましい。
前記多孔質フィルム全体における、前記空隙部の外接矩形から算出される、長辺の長さL(μm)と、短辺の長さS(μm)との長短比(L/S)の平均値は、圧縮された多孔質フィルムのイオン透過性をより好適に維持できるとの観点から、5.0以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましい。また、前記長短比の平均値は、1.0以上であり、2.0以上であることが好ましく、3.5以上であることが好ましい。前記長短比の、全空隙部における標準偏差は、1.9~2.8であることが好ましく、2.0~2.7であることがより好ましい。
前記空隙部における、面積、フェレ径、円等価直径、円形度および長短比の、平均値と標準偏差は、例えば、後述の実施例に記載の方法によって測定・算出することができる。
前記多孔質フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を含み、一般には、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムである。また、「ポリオレフィン系樹脂を主成分とする」とは、多孔質フィルムに占めるポリオレフィン系樹脂の割合が、多孔質フィルムを構成する材料全体の50体積%以上、好ましくは90体積%以上であり、より好ましくは95体積%以上であることを意味する。
前記多孔質フィルムは、その内部に連結した細孔を多数有しており、一方の面から他方の面に気体や液体を通過させることが可能となっている。なお、前記細孔は、前記空隙と同じ意味である。
前記多孔質フィルムの膜厚は、4~40μmであり、5~20μmであることが好ましい。前記多孔質フィルムの膜厚が4μm以上であれば、電池の内部短絡を十分に防止することができる。一方、前記多孔質フィルムの膜厚が40μm以下であれば、非水電解液二次電池の大型化を防ぐことができる。
前記ポリオレフィン系樹脂には、重量平均分子量が5×10~15×10の高分子量成分が含まれていることがより好ましい。特に、ポリオレフィン系樹脂に重量平均分子量が100万以上の高分子量成分が含まれていると、得られる多孔質フィルムおよび当該多孔質フィルムを含むセパレータの強度が向上するのでより好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂は、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンおよび1-ヘキセン等の単量体を重合してなる、単独重合体または共重合体といった熱可塑性樹脂を挙げることができる。前記単独重合体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンを挙げることができる。また、前記共重合体としては、例えばエチレン-プロピレン共重合体を挙げることができる。
このうち、セパレータに過大電流が流れることをより低温で阻止することができるため、ポリエチレンがより好ましい。なお、この過大電流が流れることを阻止することをシャットダウンともいう。前記ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン-α-オレフィン共重合体)、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン等が挙げられる。このうち、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンがさらに好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂は、数平均分岐数が、0.5以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。前記ポリオレフィン系樹脂の数平均分岐数が、前述の範囲内である場合、前記多孔質フィルム中のポリオレフィン系樹脂のMD方向およびTD方向における結晶配向性が好適に向上する。ここで、後述のとおり、MD方向およびTD方向における結晶配向性が好適に向上する場合、前記多孔質フィルムの空隙は、複数重なり、連なっている態様になり易くなり、その結果、前記傾斜角の平均値が好適に向上する。よって、前記ポリオレフィン系樹脂の数平均分岐数が、前述の範囲内であることによって、前記傾斜角の平均値を好適に向上させ、前述の好適な範囲に制御することができる。
本明細書において、数平均分岐数は、例えば、GPC-MALSを使用したコンフォメーションプロットから算出することができる。具体的には、前記ポリオレフィン系樹脂の数平均分岐数は、後述の実施例に記載の方法によって測定・算出することができる。
前記多孔質フィルムの単位面積当たりの重量、すなわち重量目付は、電池の、重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができるように、通常、4~20g/mであることが好ましく、5~12g/mであることがより好ましい。
前記多孔質フィルムの透気度は、十分なイオン透過性を示すという観点から、ガーレ値で110~200sec/100mLであることが好ましく、110~190sec/100mLであることがより好ましい。
前記多孔質フィルムの空隙率は、電解液の保持量を高めると共に、過大電流が流れることをより低温で確実に阻止(シャットダウン)する機能を得ることができるように、20体積%~80体積%であることが好ましく、30~75体積%であることがより好ましい。
また、圧縮された後、多孔質フィルムおよび当該多孔質フィルムを含むセパレータがより優れたイオン透過性を備えるとの観点から、前記多孔質フィルムの空隙率は、35体積%以上であることがさらに好ましく、50体積%以上であることが特に好ましい。
前記多孔質フィルムが有する細孔の孔径は、十分なイオン透過性、および、電極を構成する粒子の入り込みを防止するという観点から、0.3μm以下であることが好ましく、0.14μm以下であることがより好ましい。
<多孔質フィルムの製造方法>
本発明の一実施形態における多孔質フィルムを製造する方法は特に限定されないが、具体的には、例えば、以下に示す(A)~(C)の工程を含む方法を挙げることができる。
(A)ポリオレフィン系樹脂および任意で孔形成剤を混練機に加えて溶融混練し、ポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、
(B)得られたポリオレフィン樹脂組成物を、冷却しながら、MD方向に延伸して、シート状に成形することにより、1次シートを得る工程、
(C)1次シートを、TD方向に延伸する工程。
工程(A)において、前記ポリオレフィン系樹脂の使用量は、得られるポリオレフィン樹脂組成物の重量を100重量%とした場合、6重量%~45重量%であることが好ましく、9重量%~36重量%であることがより好ましい。
前記孔形成剤は、特に限定されないが、例えば、無機充填剤および可塑剤等を挙げることができる。前記無機充填剤としては、特に限定されるものではなく、無機フィラー、具体的には炭酸カルシウム等が挙げられる。前記可塑剤としては、特に限定されるものではなく、流動パラフィン等の低分子量の炭化水素が挙げられる。
前記添加剤としては、前記孔形成剤の他に、任意で、本発明の効果を損なわない範囲にて、公知の添加剤を挙げることができる。前記公知の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、フィラー、分散助剤等を挙げることができる。前記フィラーとしては、例えば、アルミナ等を挙げることができる。
工程(B)において、1次シートを得る方法は特に限定されるものではなく、インフレーション加工、カレンダー加工、Tダイ押出加工、スカイフ法等のシート成形方法により1次シートを製造することができる。
例えば、Tダイ押出加工におけるTダイ押出温度などの、前記シート成形方法におけるシート成型温度は、200℃以上、280℃以下が好ましく、220℃以上、260℃以下がより好ましい。
工程(B)における延伸温度は、120℃以上、160℃以下が好ましく、130℃以上、155℃以下がより好ましい。
工程(B)におけるポリオレフィン樹脂組成物の冷却には、冷風、冷却水等の冷媒に接触させる方法、冷却ロールに接触させる方法等を用いることができる。好ましくは冷却ロールに接触させる方法である。
前記ポリオレフィン樹脂組成物および前記1次シートに孔形成剤が含まれている場合、工程(B)および工程(C)の間、または、工程(C)の後に、延伸されたシートを、洗浄液を用いて洗浄して、前記孔形成剤を除去する工程を含む。
前記洗浄液は、前記孔形成剤を除去できる溶媒であれば特に限定されないが、例えば、塩酸水溶液、ヘプタン、ジクロロメタンなどを挙げることができる。
工程(C)における、TD方向に延伸する際の延伸温度は、80℃以上、120℃以下が好ましく、80℃以上、115℃以下がより好ましい。
工程(C)においてTD方向に延伸された1次シートに対して、特定の温度にて熱処理することによって熱固定を行って、多孔質フィルムを得てもよい。前記熱固定は、好ましくは110℃以上、130℃以下、より好ましくは115℃以上、128℃以下の温度にて実施される。また、前記熱固定は、好ましくは15秒以上、20分未満、より好ましくは1分以上、15分以下の時間をかけて実施される。
多孔質フィルムの製造方法において、反応条件を適宜調節することによって、製造される多孔質フィルムにおける前記傾斜角の平均値を7.0以上の好適な範囲に制御することができる。前記傾斜角の平均値を7.0以上の好適な範囲に制御する方法の一例としては、製造される多孔質フィルム中のポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性を好適に向上させる方法を挙げることができる。ここで、前述の通り、多孔質フィルム中のポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性が高い場合、複数重なり、連なっている態様の空隙が発生する傾向がある。前記複数重なり、連なっている態様の空隙は、前記傾斜角が大きい1つの大きな空隙として扱われる。従って、前記MD方向またはTD方向における結晶配向性を向上させることによって、前記傾斜角の平均値を7.0以上の好適な範囲に制御することができる。
前記ポリオレフィン系樹脂のMD方向における結晶配向性を好適に向上させる具体的な方法としては、工程(B)におけるMD方向における延伸倍率を特定の範囲に制御する方法を挙げることができる。前記MD方向における結晶配向性を好適に向上させるとの観点からは、前記MD方向における延伸倍率は、高い倍率であることが好ましく、具体的には、1.55倍以上であることが好ましく、1.8倍以上であることがより好ましい。また、製膜安定性の観点からは、前記MD方向における延伸倍率は、2.5倍以下であることが好ましく、2.2倍以下であることがより好ましい。前記MD方向における延伸倍率が前述の範囲内、特に1.55倍以上であることによって、前記ポリオレフィン系樹脂のMD方向における結晶配向性を好適に向上させることができる。その結果、製造される多孔質フィルムにおける前記MD方向における傾斜角の平均値を7.0以上の好適な範囲に制御することができる。
前記ポリオレフィン系樹脂のTD方向における結晶配向性を好適に向上させる具体的な方法としては、工程(C)におけるTD方向における延伸倍率を特定の範囲に制御する方法を挙げることができる。前記TD方向における結晶配向性を好適に向上させるとの観点からは、前記TD方向における延伸倍率は、高い倍率であることが好ましく、具体的には5倍以上であることが好ましく、7倍以上であることがより好ましい。また、製膜安定性の観点からは、前記TD方向における延伸倍率は、12倍以下であることが好ましく、10倍以下であることがより好ましい。前記TD方向における延伸倍率が前述の範囲内、特に5倍以上であることによって、前記ポリオレフィン系樹脂のTD方向における結晶配向性を好適に向上させることができる。その結果、製造される多孔質フィルムにおける前記TD方向における傾斜角の平均値を7.0以上の好適な範囲に制御することができる。
よって、前記MD方向における延伸倍率または前記TD方向における延伸倍率の何れかを、前述の好ましい範囲内に調節することにより、前記傾斜角の平均値を向上させ、前述の範囲内に好適に制御することができる。また、前記MD方向における延伸倍率および前記TD方向における延伸倍率の双方を、前述の好ましい範囲内に調節することにより、前記MD方向における傾斜角の平均値および前記TD方向における傾斜角の平均値の双方を向上させ、前述の範囲内に好適に制御することができる。
また、前記MD方向における延伸倍率を前述の範囲内、特に1.55倍以上に制御すること、および/または、前記TD方向における延伸倍率を前述の範囲内、特に5倍以上に制御することに加えて、原料であるポリオレフィン系樹脂として、結晶の高配向性を実現できるポリオレフィン系樹脂を使用することによって、製造される多孔質フィルムにおける前記傾斜角の平均値をより好適に向上させ、より好適な範囲に制御することができる。前記結晶の高配向性を実現できるポリオレフィン系樹脂としては、分岐の少ないポリオレフィン系樹脂、具体的には、数平均分岐数が0.5以下であるポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。なお、特に、前記MD方向における延伸倍率が前述の範囲内のうち、1.55倍に近い小さい倍率である場合、前記MD方向における延伸倍率を制御する事のみによる前記MD方向における傾斜角の平均値の向上が不十分となることを防止するとの観点から、数平均分岐数が0.2以下であるポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。同様に、前記TD方向における延伸倍率が前述の範囲内のうち、5倍に近い小さい倍率である場合、前記TD方向における延伸倍率を制御する事のみによる前記TD方向における傾斜角の平均値の向上が不十分となることを防止するとの観点から、数平均分岐数が0.2以下であるポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。
<絶縁性多孔質層>
本発明の一実施形態に係るセパレータが、積層セパレータである場合、前記多孔質フィルムと、前記多孔質フィルム上に積層された絶縁性多孔質層とを含むことが好ましい。
前記絶縁性多孔質層は、通常、樹脂を含んでなる樹脂層であり、好ましくは、耐熱層または接着層である。前記絶縁性多孔質層を構成する樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。なお、以下において、前記絶縁性多孔質層を単に「多孔質層」とも称する。
前記多孔質層は、必要に応じて、前記多孔質フィルムの片面または両面に積層される。前記多孔質フィルムの片面に多孔質層が積層される場合には、当該多孔質層は、好ましくは、非水電解液二次電池としたときの、前記多孔質フィルムにおける正極と対向する面に積層され、より好ましくは、正極と接する面に積層される。
前記樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。
前記樹脂としては、具体的には、例えば、ポリオレフィン;(メタ)アクリレート系樹脂;含フッ素樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ゴム類;融点またはガラス転移温度が180℃以上の樹脂;水溶性ポリマー;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
前述の樹脂のうち、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーが好ましい。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンおよびエチレン-プロピレン共重合体等が好ましい。
含フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-トリクロロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-フッ化ビニル共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体およびエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等、並びに、前記含フッ素樹脂の中でもガラス転移温度が23℃以下である含フッ素ゴムを挙げることができる。
ポリアミド系樹脂としては、芳香族ポリアミドおよび全芳香族ポリアミドなどのアラミド樹脂が好ましい。
アラミド樹脂としては、具体的には、例えば、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(メタベンズアミド)、ポリ(4,4’-ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン-4,4’-ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン-4,4’-ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン-2,6-ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン-2,6-ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2-クロロパラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6-ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体、メタフェニレンテレフタルアミド/2,6-ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等が挙げられる。このうち、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)がより好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリアリレートなどの芳香族ポリエステルおよび液晶ポリエステルが好ましい。
ゴム類としては、スチレン-ブタジエン共重合体およびその水素化物、メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリ酢酸ビニル等を挙げることができる。
融点又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルアミド等を挙げることができる。
水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸等を挙げることができる。
なお、前記多孔質層に用いられる樹脂としては、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記多孔質層は、微粒子を含んでもよい。本明細書における微粒子とは、一般にフィラーと称される有機微粒子または無機微粒子のことである。従って、前記多孔質層が微粒子を含む場合、前記多孔質層に含まれる前述の樹脂は、微粒子同士、並びに微粒子と多孔質フィルムとを結着させるバインダー樹脂としての機能を有することとなる。また、前記微粒子は、絶縁性微粒子が好ましい。
前記多孔質層に含まれる有機微粒子としては、樹脂からなる微粒子が挙げられる。前記多孔質層に含まれる無機微粒子としては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、窒化チタン、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化アルミニウム、マイカ、ゼオライトおよびガラス等の無機物からなるフィラーが挙げられる。これらの無機微粒子は、絶縁性微粒子である。前記微粒子は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記微粒子のうち、無機物からなる微粒子が好適であり、シリカ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、水酸化アルミニウム、またはベーマイト等の無機酸化物からなる微粒子がより好ましく、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、ベーマイトおよびアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の微粒子がさらに好ましく、アルミナが特に好ましい。
前記多孔質層における微粒子の含有量は、前記多孔質層の1~99体積%であることが好ましく、5~95体積%であることがより好ましい。前記微粒子の含有量を前記範囲とすることにより、前記微粒子同士の接触によって形成される空隙が、樹脂等によって閉塞されることが少なくなる。よって、十分なイオン透過性を得ることができると共に、単位面積当たりの目付を適切な値にすることができる。
前記微粒子は、粒径または比表面積が互いに異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記多孔質層の厚さは一層あたり、0.5~15μmであることが好ましく、2~10μmであることがより好ましい。多孔質層の厚さが一層あたり0.5μm以上であれば、非水電解液二次電池の破損等による内部短絡を充分に抑制することができ、また、多孔質層における電解液の保持量が充分となる。一方、前記多孔質層の厚さが一層あたり15μm以下であれば、レート特性またはサイクル特性の低下を抑制することができる。
前記多孔質層の単位面積当たりの重量、すなわち重量目付は一層あたり、1~20g/mであることが好ましく、4~10g/mであることがより好ましい。
また、前記多孔質層の1平方メートル当たりに含まれる多孔質層構成成分の体積は一層あたり、0.5~20cmであることが好ましく、1~10cmであることがより好ましく、2~7cmであることがさらに好ましい。
前記多孔質層の空隙率は、十分なイオン透過性を得ることができるように、20~90体積%であることが好ましく、30~80体積%であることがより好ましい。また、前記多孔質層が有する細孔の孔径は、前記積層セパレータが十分なイオン透過性を得ることができるように、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。
<積層セパレータ>
本発明の一実施形態に係るセパレータは、積層セパレータであり得る。
前記積層セパレータの膜厚は、5.5μm~45μmであることが好ましく、6μm~25μmであることがより好ましい。
前記積層セパレータの透気度は、ガーレ値で100~350sec/100mLであることが好ましく、100~300sec/100mLであることがより好ましい。
尚、本発明の一実施形態におけるセパレータは、前記多孔質フィルムおよび前記多孔質層以外の別の多孔質層を、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。前記別の多孔質層としては、耐熱層や接着層、保護層等の公知の多孔質層が挙げられる。
前記別の多孔質層は、積層セパレータの片面または両面に備えられ得る。前記積層セパレータが、多孔質フィルムの両面に絶縁性多孔質層を備える場合、前記別の多孔質層は、両面の絶縁多孔質層上に備えられていてもよく、片面の絶縁多孔質層上に備えられていてもよい。前記積層セパレータが、多孔質フィルムの片面のみに絶縁性多孔質層を備える場合、前記別の多孔質層は、絶縁多孔質層上に備えられていてもよく、多孔質フィルムの絶縁多孔質層が備えられていない面上に備えられていてもよい。前記別の多孔質層は、積層セパレータの最外層に備えられ得るとも言える。
例えば前記積層セパレータは、前記絶縁性多孔質層とは別に、接着層をさらに備える。本明細書において、接着層とは、接着性を有する多孔質層を意味する。接着層は、積層セパレータの、電極と接する面に設けられ得る。接着層に含まれる接着性に寄与する成分としては、アクリル樹脂、PVDF等が挙げられる。
<多孔質層、積層セパレータの製造方法>
本発明の一実施形態における絶縁性多孔質層および本発明の一実施形態に係る積層セパレータの製造方法としては、例えば、前記多孔質層に含まれる樹脂を含む塗工液を前記多孔質フィルムの片面または両面に塗布し、乾燥させることによって多孔質層を析出させる方法が挙げられる。
なお、前記多孔質フィルムの両面に多孔質層を析出させる場合は、(a)前記多孔質フィルムの両面にて前記多孔質層を同時に析出させてもよく、(b)前記多孔質フィルムの片面に前記塗工液を塗布し、乾燥させることによって、前記多孔質フィルムの片面に多孔質層を析出させた後、前記多孔質フィルムのもう一方の片面に前記塗工液を塗布し、乾燥させることによって、前記多孔質フィルムのもう一方の片面に多孔質層を析出させてもよい。
また、前記塗工液を前記多孔質フィルムの片面または両面に塗布する前に、当該多孔質フィルムの塗工液を塗布する片面または両面に対して、必要に応じて親水化処理を行うことができる。
前記塗工液は、前記多孔質層に含まれる樹脂を含む。また、前記塗工液は、前記多孔質層に含まれ得る後述の微粒子を含み得る。前記塗工液は、通常、前述の多孔質層に含まれ得る樹脂を溶媒に溶解させると共に、前記微粒子を分散させることにより調製され得る。ここで、前記樹脂を溶解させる前記溶媒は、前記微粒子を分散させる分散媒を兼ねている。また、前記溶媒により前記樹脂をエマルションとしてもよい。
前記溶媒は、多孔質フィルムに悪影響を及ぼさず、前記樹脂を均一かつ安定に溶解し、前記微粒子を均一かつ安定に分散させることができればよく、特に限定されるものではない。前記溶媒としては、具体的には、例えば、水および有機溶媒が挙げられる。前記溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
塗工液は、所望の多孔質層を得るのに必要な樹脂固形分(樹脂濃度)や微粒子量等の条件を満足することができれば、どのような方法で形成されてもよい。塗工液の形成方法としては、具体的には、例えば、機械攪拌法、超音波分散法、高圧分散法、メディア分散法等が挙げられる。また、前記塗工液は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記樹脂および微粒子以外の成分として、分散剤や可塑剤、界面活性剤、pH調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。尚、添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲であればよい。
塗工液の多孔質フィルムへの塗布方法、つまり、多孔質フィルムの表面への多孔質層の形成方法は、特に制限されるものではない。多孔質層の形成方法としては、例えば、塗工液を多孔質フィルムの表面に直接塗布した後、溶媒を除去する方法;塗工液を適当な支持体に塗布し、溶媒を除去して多孔質層を形成した後、この多孔質層と多孔質フィルムとを圧着させ、次いで支持体を剥がす方法;塗工液を適当な支持体に塗布した後、塗布面に多孔質フィルムを圧着させ、次いで支持体を剥がした後に溶媒を除去する方法等が挙げられる。
塗工液の塗布方法としては、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、例えば、グラビアコーター法、ディップコーター法、バーコーター法、およびダイコーター法等が挙げられる。
溶媒の除去方法は、乾燥による方法が一般的である。また、塗工液に含まれる溶媒を他の溶媒に置換してから乾燥を行ってもよい。
[実施形態2:非水電解液二次電池用部材、実施形態3:非水電解液二次電池]
本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用部材は、正極、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータ、および負極がこの順で配置されてなる。
本発明の実施形態3に係る非水電解液二次電池は、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータを含む。
本発明の実施形態3に係る非水電解液二次電池は、例えば、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池であって、正極と、本発明の実施形態1に係るセパレータと、負極とがこの順で積層されてなる非水電解液二次電池部材を備え得る。なお、セパレータ以外の非水電解液二次電池の構成要素は、下記説明の構成要素に限定されるものではない。
本発明の実施形態3に係る非水電解液二次電池は、通常、負極と正極とが、本発明の実施形態1に係るセパレータを介して対向した構造体に電解液が含浸された電池要素が、外装材内に封入された構造を有する。非水電解液二次電池は、特にはリチウムイオン二次電池であることが好ましい。なお、ドープとは、吸蔵、担持、吸着、または挿入を意味し、正極等の電極の活物質にリチウムイオンが入る現象を意味する。
本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池部材は、本発明の実施形態1に係るセパレータを備えている。よって、前記非水電解液二次電池部材は、非水電解液二次電池において、充放電を繰り返した際の内部圧力に起因する電池性能の悪化を抑制することができるとの効果を奏する。本発明の実施形態3に係る非水電解液二次電池は、本発明の実施形態1に係るセパレータを備えている。従って、前記非水電解液二次電池は、充放電を繰り返した際の内部圧力に起因する電池性能の悪化を抑制できるという効果を奏する。
<正極>
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池部材および非水電解液二次電池における正極としては、一般に非水電解液二次電池の正極として使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、正極活物質および結着剤を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える正極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に導電剤を含んでもよい。
前記正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、具体的には、例えば、V、Mn、Fe、CoおよびNi等の遷移金属を少なくとも1種類含んでいるリチウム複合酸化物が挙げられる。
前記導電剤としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維および有機高分子化合物焼成体等の炭素質材料等が挙げられる。前記導電剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、アクリル樹脂、並びに、スチレンブタジエンゴムが挙げられる。なお、結着剤は、増粘剤としての機能も有している。
前記正極集電体としては、例えば、Al、Niおよびステンレス等の導電体が挙げられる。中でも、薄膜に加工し易く、安価であることから、Alがより好ましい。
シート状の正極の製造方法としては、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を正極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電剤および結着剤をペースト状にした後、当該ペーストを正極集電体に塗工し、乾燥した後に加圧して正極集電体に固着する方法;等が挙げられる。
<負極>
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池部材および非水電解液二次電池における負極としては、一般に非水電解液二次電池の負極として使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、負極活物質および結着剤を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える負極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に導電剤を含んでもよい。
前記負極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料、リチウム金属またはリチウム合金等が挙げられる。当該材料としては、例えば、炭素質材料等が挙げられる。炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、および熱分解炭素類等が挙げられる。
前記負極集電体としては、例えば、Cu、Niおよびステンレス等が挙げられ、特にリチウムイオン二次電池においてはリチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工し易いことから、Cuがより好ましい。
シート状の負極の製造方法としては、例えば、負極活物質を負極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にした後、当該ペーストを負極集電体に塗工し、乾燥した後に加圧して負極集電体に固着する方法;等が挙げられる。前記ペーストには、好ましくは前記導電剤および前記結着剤が含まれる。
<非水電解液>
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池における非水電解液は、一般に非水電解液二次電池に使用される非水電解液であれば特に限定されず、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解してなる非水電解液を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、Li10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩およびLiAlCl等が挙げられる。前記リチウム塩は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
非水電解液を構成する有機溶媒としては、例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、アミド類、カーバメート類および含硫黄化合物、並びにこれらの有機溶媒にフッ素基が導入されてなる含フッ素有機溶媒等が挙げられる。前記有機溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[まとめ]
本発明の一実施形態には、以下の[1]~[7]に示す発明が含まれ得る。
[1]ポリオレフィン多孔質フィルムを含む非水電解液二次電池用セパレータであって、前記ポリオレフィン多孔質フィルムの断面の二次元画像を、走査型電子顕微鏡を用いて取得し、前記二次元画像から抽出される空隙の外接矩形から算出される長軸の傾斜角の平均値が7.0以上であり、前記断面は、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを、その表面の中央を通り、かつ、MD方向またはTD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して形成される断面である、非水電解液二次電池用セパレータ。
[2]樹脂を含む絶縁性多孔質層をさらに備える、[1]に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
[3]前記樹脂が、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より1種以上選択される、[2]に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
[4]前記樹脂が、アラミド樹脂である、[2]または[3]に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
[5]前記絶縁性多孔質層とは別に、接着層をさらに備える、[2]~[4]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
[6]正極と、[1]~[5]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用セパレータと、負極とがこの順で配置されてなる非水電解液二次電池用部材。
[7][1]~[5]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用セパレータを含む、非水電解液二次電池。
なお、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池の範囲には、特許請求の範囲に示した範囲内において、前述の各構成にて示した事項を任意で組み合わせたものが含まれ得る。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
実施例1~3、並びに、比較例1および2にて製造されたセパレータの物性等を、以下の方法を用いて測定した。
(膜厚)
セパレータの膜厚を、株式会社ミツトヨ製の高精度デジタル測長機(VL-50)を用いて測定した。
(空隙率)
(a)膜厚の測定
前述の(膜厚)の欄に記載の方法によりセパレータの膜厚を測定した。
(b)重量目付の測定
セパレータから、一辺の長さ8cmの正方形をサンプルとして切り取り、当該サンプルの重量W(g)を測定した。そして、以下の式(1)に従い、セパレータの重量目付を算出した。
重量目付(g/m)=W/(0.08×0.08) (1)
(c)真密度の測定
セパレータを4mm角~6mm角に切断し、30℃以下で17時間真空乾燥した後、乾式自動密度計(マイクロメリテックス社製 AccuPyeII 1340)を用いて、ヘリウムガス置換法により、当該セパレータの真密度を測定した。
(d)空隙率の算出
上記工程(a)~(c)にて算出・測定されたセパレータの膜厚[μm]、重量目付[g/m]および真密度[g/m]から、以下の式(2)に基づき、当該セパレータの空隙率[%]を算出した。
(空隙率)=[1-(重量目付)/{(膜厚)×10-6×1[m]×(真密度)}]×100 (2)
(空隙形状を表す各種パラメータ)
<断面のSEM画像の取得>
下記(i)~(iii)に示す手順により、セパレータの断面を、SEMを用いて観察した。
(i)セパレータに対して、日本電子株式会社製の断面試料作成装置:IB-19520を用いて、イオンミリング法を行い、当該セパレータを切断して断面を形成した。この断面は、セパレータの中央を通りMDと平行な直線を、表面に対して垂直方向に切断して得られる断面であった。
(ii)(i)で形成された断面に対してオスミウム蒸着を実施した。
(iii)(ii)で蒸着膜が形成された断面に対して、走査型電子顕微鏡(S-4800、株式会社日立ハイテク社製)を用いて、倍率5000倍にて、反射電子像を観測して、当該断面のSEM画像(膜厚方向:960pixel×MD方向:1280pixel)を得た。その際の観測条件は、加速電圧:0.8kV、作動距離:3.0mmとした。
<各種パラメータの算出>
下記1.~17.に示す手順により、断面のSEM画像の画像解析を行い、空隙形状の各パラメータ(面積の平均値、フェレ径の平均値、円等価直径の平均値、円形度の平均値、長短比(L/S)の平均値および傾斜角θの平均値)を算出した。
1.Pythonにて、前記断面のSEM画像の画像データのファイル(JPEGファイル)を読み込んだ。
2.1.で読み込んだ画像データから、膜厚方向:100pixel×MD方向:1280pixelの解析領域を抽出した。この際、解析領域に前記セパレータ(多孔質フィルム)の断面領域全体が含まれるように、当該解析領域を抽出した。また、前記解析領域において、MD方向にx座標(x軸)、膜厚方向にy座標(y軸)を取った。
3.2.で抽出された解析領域に対して、輝度値の正規化処理を行った。
4.二値化時に精度よく空隙部を識別するため、3.で輝度値の正規化処理を行った解析領域に対して、輝度値の反転処理を行った。
5.4.で輝度値の反転処理を行った解析領域に対して、閾値180の条件を用いて、正規化を実施した後、正規化された解析領域を二値化した。
6.5.で二値化された解析領域に対して、ブロブ処理を行い、空隙部を識別した。
7.各ブロブ、すなわち、6.で識別された各空隙部の面積をpixel数から算出した。なお、本実施例における解析領域において、1pixelは、394μmに相当する。
8.前記識別された空隙部のうち、面積が10pixel以上のブロブからなる空隙部を抽出した。以後の処理においては、抽出された空隙部を、空隙部として扱い、面積が10pixel未満のブロブからなる空隙部は、空隙部としては扱わなかった。
9.8.で抽出された各空隙部について、図1に示すように、x方向の広がりをDfx、y方向の広がりをDfyとしてその値を測定した。続いて、各空隙部におけるDfxとDfyの加重平均を算出し、算出された値を各空隙部のフェレ径とした。
10.各空隙部の面積を算出し、その値をAとした。各空隙部について、算出されたAの値を用いて、、(4×A/π)1/2にて表される値を算出し、算出された値を各空隙部の円等価直径とした。
11.各空隙部の周囲長を算出し、その値をlとした。各空隙部について、算出されたlの値および各空隙部の面積Aを用いて、4π×A/lにて表される値を算出し、算出された値を各空隙部の円形度とした。
12.各空隙部について、図1に示すように、外接矩形を作成した。また、前記外接矩形は、長辺・短辺・傾斜角をパラメータとする。
13.12.で作成された外接矩形のそれぞれについて、当該外接矩形の4頂点のうち、最もx座標の小さい点をP1、そこから反時計回りにP2、P3、P4とした。
14.前記外接矩形のそれぞれについて、P1とP2とを結ぶ直線をL12、P1とP4とを結ぶ直線をL14とした。
15.前記外接矩形のそれぞれについて、L12とL14のうち長い方の直線を、長軸とし、短い方の直線を短軸とした。続いて、前記長軸の長さ:Lおよび前記短軸の長さ:Sを測定した。測定されたLの値およびSの値を用いて、各空隙部の長短比(L/S)を算出した。
16.前記外接矩形のそれぞれについて、前記長軸とx軸との成す角を算出し、算出された値を各空隙部の傾斜角θとした。このとき、0°<θ<90°として計算した。
17.前述の工程にて算出された各パラメータ:各空隙部の、面積、フェレ径、円等価直径、円形度、長短比(L/S)および傾斜角θの、全空隙部における平均値を算出した。また、各空隙部の、面積、フェレ径、円等価直径、円形度、長短比(L/S)および傾斜角θの値から、それぞれの標準偏差を算出した。
(60MPa圧縮前後の透気度/膜厚の差)
下記の工程1~工程5に示す方法により、セパレータの60MPa圧縮前後の透気度/膜厚の差を測定した。
工程1:セパレータから、6cm×6cmの正方形のサンプルを切り出した。
工程2:工程1で切り出されたサンプルについて、JIS P8117に準拠して、透気度を測定した。測定された透気度を、未圧縮時のセパレータの透気度:AP(単位:sec/100mL)とした。また、株式会社ミツトヨ製の高精度デジタル測長機(VL-50)を用いて、セパレータの膜厚を測定した。測定された膜厚を、未圧縮時のセパレータの膜厚:t(単位:μm)とした。
工程3:工程1で切り出されたサンプルをアルミニウム板に挟み、油圧式圧縮成形機(神藤金属工業所社製、圧縮成型機NF-50)を用いてプレスした。プレス条件は、60MPa、35℃、5分間とした。
工程4:工程3でプレスされたサンプルについても、工程2と同様の方法にて、透気度および膜厚の測定を行った。測定された透気度および膜厚をそれぞれ、圧縮後のセパレータの透気度:AP(単位:sec/100mL)および圧縮後のセパレータの膜厚t(単位:μm)とした。
工程5:工程2および工程4で得られた、AP、AP、tおよびtを用いて下記の式(3)より、セパレータの60MPa圧縮前後の透気度/膜厚の差を算出した。
(60MPa圧縮前後の透気度/膜厚の差)(単位:sec/100mL/μm)={(AP)/(t)}-{(AP)/(t)} (3)
(数平均分岐数)
実施例および比較例にて使用したポリオレフィン系樹脂であるポリエチレンの数平均分岐数を、以下の工程1~工程4に示す方法にて算出した。
工程1:前記ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィンと、同種類で、かつ、分岐がない直鎖状のポリオレフィンからなる標準試料を準備した。
工程2:工程1で準備された標準試料を対象として、DAWN HELEOS IIを使用して、GPC-MALSに基づくコンフォメーションプロットを作成した。
工程3:工程2と同一の方法で、前記ポリオレフィン系樹脂を対象として、GPC-MALSに基づくコンフォメーションプロットを作成した。
工程4:工程2で作成されたコンフォメーションプロットおよび工程3で作成されたコンフォメーションプロットから、以下の式に基づき、前記ポリオレフィン系樹脂の数平均分岐数を算出した。
Figure 0007304502000001
(式中、RgLは、直鎖状のポリオレフィン系樹脂の回転半径であり、Rgbは、分岐構造を持つポリオレフィン系樹脂の回転半径であり、gは、同等分子量での(RgL/Rgbの値であり、Bは、単一分子鎖中の分岐数である。)
[実施例1]
超高分子量ポリエチレン粉末(固有粘度:21dL/g、粘度平均分子量:300万、数平均分岐数:0.1、東ソー社製)27.4重量部と、重量平均分子量4000のポリエチレンワックス(エクセレックス40800、三井化学社製)6.9重量部、アルミナ(品名AEROXIDE Alu65、日本アエロジル株式会社製)3.0重量部とを準備した。この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスとアルミナとの合計を100重量部として、酸化防止剤(IRGANOX 1010、BASF社製)0.3重量部、酸化防止剤(IRGAFOS 168、BASF社製)0.1重量部、ステアリン酸ナトリウム0.4重量部、および分散助剤0.6重量部(BYK―MAX P4102、BYK社製)を加えた。さらに、得られた混合物の全体積に対して38体積%となるように平均粒径0.07μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加えた。これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。当該ポリオレフィン樹脂組成物を単軸押出機にて押し出して樹脂シートとした。前記樹脂シートを、加熱された一対のロールによって、MD方向に、延伸倍率が2.07倍となるように延伸し、シート状のポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたシート状のポリオレフィン樹脂組成物を塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることによって前記炭酸カルシウムを除去し、1次シートを得た。続いて、得られた1次シートのTD方向の両端を、MD方向に隣接する複数の把持部材によって把持した。続いて、前記1次シートを、TD方向に、7.05倍の延伸倍率にて延伸することによって、多孔質フィルム1を作製した。作製された多孔質フィルム1をセパレータ1とした。
[実施例2]
超高分子量ポリエチレン粉末(GUR4032、数平均分岐数:0.5、ティコナ社製)70重量部と、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP-0115、日本精鑞社製)30重量部とを準備した。この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスとの合計を100重量部として、酸化防止剤(IRGANOX 1010、BASF社製)0.4重量部、酸化防止剤(IRGAFOS 168、BASF社製)0.1重量部、および、ステアリン酸ナトリウム1.3重量部を加えた。さらに、得られた混合物の全体積に対して38体積%となるように平均粒径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加えた。これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。当該ポリオレフィン樹脂組成物を単軸押出機にて押し出して樹脂シートとした。前記樹脂シートを、加熱された一対のロールによって、MD方向に、延伸倍率が2.04倍となるように延伸し、シート状のポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたシート状のポリオレフィン樹脂組成物を塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることによって前記炭酸カルシウムを除去し、1次シートを得た。続いて、得られた1次シートのTD方向の両端を、MD方向に隣接する複数の把持部材によって把持した。続いて、前記1次シートを、TD方向に、7.05倍の延伸倍率にて延伸することによって、多孔質フィルム2を作製した。作製された多孔質フィルム2をセパレータ2とした。
[実施例3]
超高分子量ポリエチレン粉末(固有粘度:21dL/g、粘度平均分子量:150万、数平均分岐数:0.1、東ソー社製)27.4重量部と、重量平均分子量4000のポリエチレンワックス(エクセレックス40800、三井化学社製)6.9重量部とを準備した。この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスとの合計を100重量部として、酸化防止剤(IRGANOX 1010、BASF社製)0.3重量部、酸化防止剤(IRGAFOS 168、BASF社製)0.1重量部、ステアリン酸ナトリウム0.4重量部を加えた。さらに、得られた混合物の全体積に対して38体積%となるように平均粒径0.07μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加えた。これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。当該ポリオレフィン樹脂組成物を単軸押出機にて押し出して樹脂シートとした。前記樹脂シートを、加熱された一対のロールによって、MD方向に、延伸倍率が1.56倍となるように延伸し、シート状のポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたシート状のポリオレフィン樹脂組成物を塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることによって前記炭酸カルシウムを除去し、1次シートを得た。続いて、得られた1次シートのTD方向の両端を、MD方向に隣接する複数の把持部材によって把持した。続いて、前記1次シートを、TD方向に、7.05倍の延伸倍率にて延伸することによって、多孔質フィルム3を作製した。作製された多孔質フィルム3をセパレータ3とした。
[比較例1]
MD方向の延伸倍率を1.49倍に変更したこと以外は、実施例2における操作と同一の操作を行うことによって、多孔質フィルムC1を作製した。作製された多孔質フィルムC1をセパレータC1とした。
[比較例2]
市販品の多孔質フィルム(セルガード社製、#2400)をセパレータC2とした。
[結果]
実施例1~3および比較例1、2にて得られた、セパレータ1~3およびセパレータC1、C2の物性値を、前述の方法にて測定した結果を以下の表1~3に示す。
Figure 0007304502000002
Figure 0007304502000003
Figure 0007304502000004
表1に記載の通り、実施例1~3に記載のセパレータ1~3は、前記傾斜角の平均値が7.0以上である多孔質フィルムを含み、本発明の一実施形態に係るセパレータに該当する。一方、比較例1および2に記載のセパレータC1およびC2は、前記傾斜角の平均値が7.0未満である多孔質フィルムからなり、本発明の一実施形態に係るセパレータに該当しない。また、セパレータ1~3は、60MPa圧縮前後の透気度/膜厚の差が、セパレータC1およびC2と比較して小さく、圧縮前後にて、透気度の増加、すなわちイオン透過性の低下が小さくなっている。従って、本発明の一実施形態に係るセパレータは、圧縮された場合であっても、イオン透過性を良好に維持できることがわかった。
表1~3に示すように、セパレータ1~3は、空隙部の、面積、フェレ径、円等価直径、円形度および長短比とのパラメータの平均値および標準偏差が、前述の(発明を実施するための形態)の欄にて示された好ましい範囲内である。一方、セパレータC1、C2は、前記パラメータの平均値および標準偏差が、前述の好ましい範囲外である。セパレータ1~3は、セパレータC1、C2と比較して、圧縮された場合であっても、イオン透過性をより良好に維持できることが示されている。よって、本発明の一実施形態に係るセパレータは、前記パラメータの平均値および標準偏差が前述の好ましい範囲であることによって、圧縮された場合であっても、イオン透過性をより良好に維持できることが分かった。
本発明の一実施形態に係るセパレータは、圧縮された場合であっても、イオン透過性を良好に維持できる。よって、本発明の一実施形態に係るセパレータは、内部の内圧が高い、高容量の非水電解液二次電池用のセパレータとして活用することができる。
1 ポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性が小さいポリオレフィン多孔質フィルム
2 ポリオレフィン系樹脂のMD方向またはTD方向における結晶配向性が大きいポリオレフィン多孔質フィルム
3 空隙

Claims (7)

  1. ポリオレフィン多孔質フィルムを含む非水電解液二次電池用セパレータであって、
    前記ポリオレフィン多孔質フィルムの断面の二次元画像を、走査型電子顕微鏡を用いて取得し、前記二次元画像から抽出される空隙の外接矩形から算出される長軸の傾斜角の平均値が7.0以上であり、
    前記断面は、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを、その表面の中央を通り、かつ、MD方向またはTD方向と平行な直線により、前記表面に対して垂直な方向に切断して形成される断面である、非水電解液二次電池用セパレータ。
  2. 樹脂を含む絶縁性多孔質層をさらに備える、請求項1に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
  3. 前記樹脂が、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より1種以上選択される、請求項2に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
  4. 前記樹脂が、アラミド樹脂である、請求項2に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
  5. 前記絶縁性多孔質層とは別に、接着層をさらに備える、請求項2に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
  6. 正極と、請求項1~5の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用セパレータと、負極とがこの順で配置されてなる非水電解液二次電池用部材。
  7. 請求項1~5の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用セパレータを含む、非水電解液二次電池。
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