JP7304327B2 - 横圧測定装置、及び、横圧測定方法 - Google Patents

横圧測定装置、及び、横圧測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両の車輪とレールとの間に横方向に作用する接触力である横圧の測定装置及び測定方法に関する。
鉄道車両の車輪とレールとの間に作用する接触力である輪重、横圧を測定する方法は、主に軌道側に設けられたセンサ等を用いて地上側で測定する方法と、車載したセンサ等を用いて車上で測定する方法とに大別される。
走行安全性評価を目的として輪重、横圧を測定する場合には、主に車上で測定する方法が用いられる。
車上で輪重、横圧を測定する方法として、車輪の変形量をひずみゲージで測定する方法が知られている。
また、近年では、いわゆるPQモニタリング台車のように、ひずみゲージを車輪に貼付する代わりに、ロードセルや変位センサを台車に組み込むことで、輪重、横圧の常時監視を行うことも提案されている。
鉄道車両の横圧測定に関する従来技術として、例えば、非特許文献1には、車輪の外周縁部に設けられ踏面が設けられるリム部と、車軸が挿通されるボス部との間に設けられる車輪板部に、周方向に分散して複数の開口を形成し、開口の内部に貼付したひずみゲージを用いて車輪板部の曲げ変形量を検出し、横圧を測定することが記載されている。
非特許文献2には、車輪板部に周方向に分散して複数のひずみゲージを貼付することにより、車輪板部の曲げ変形量を検出し、横圧の連続測定を可能としたものが記載されている。
非特許文献3には、車輪板部の曲げ変形量をリム部の横変位に基づいて検出し、横圧を演算するPQモニタリング台車が記載されている。
非特許文献4には、車輪板部の曲げひずみに基づいた横圧測定が困難な中央締結ブレーキディスクを備えた車輪において、踏面が設けられるリムのせん断ひずみに応じて横圧を測定することが記載されている。
石田弘明,松尾雅樹,手塚和彦,植木健司,「鉄道車両の新しい輪重,横圧,脱線係数測定法(測定装置の開発)」,日本機械学会論文集C編,Vol. 63,No. 614 (1997),pp. 3417-3423. 佐藤潔,久保木辰夫,神戸英樹,「間欠・連続併用に対応した輪重・横圧測定処理システムの開発」,鉄道総研報告,Vol. 22,No. 2 (2008),pp. 47-52. 大野寛之,松本陽,佐藤安弘,清水忠,留岡正男,松本耕輔、谷本益久、佐藤與志「PQ輪軸を用いない車輪/レール接触力の測定方法」,日本機械学会論文集C編,Vol. 77,No. 774 (2011),pp. 147-155. 石田弘明,遠藤賢也「中央締結ブレーキディスク付き車輪の横圧測定法」,明星大学理工学部研究紀要,53号 (2017),pp. 39-46.
非特許文献1乃至3に記載されたように、車輪板部の曲げ変形量に基づいて横圧を測定する場合、車輪とレールとの接触位置が、踏面中心からまくらぎ方向に移動した場合に、横圧測定手段における輪重に対する交差感度が大きくなり、輪重に起因する測定誤差が大きくなることが懸念される。
例えば、車輪とレールとの接触位置が踏面中心からフランジ側へ移動した場合には、輪重によるモーメント荷重が車輪に加わり、横圧のみが作用した場合よりも曲げ変形量が大きくなり、横圧を実際よりも大きいと誤認する場合がある。このような場合、例えば走行安全性評価において、本来安全であるにも関わらず、危険であると判定される可能性がある。
また、非特許文献4に記載されたように、車輪のリム部のせん断ひずみに基づいて横圧を測定しようとした場合、ひずみゲージが設けられる測点が車輪とレールとの接触箇所に近いことから、やはり輪重による影響を強く受けることが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、横圧の測定精度を向上した横圧測定装置及び横圧測定方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の横圧測定装置は、鉄道車両の車輪とレールとの間の横圧を測定する横圧測定装置であって、前記車輪は、外周縁部に設けられ踏面が形成されたリム部と、中央部に設けられ車軸が取り付けられるボス部と、前記リム部と前記ボス部との間に設けられた板部とを有し、前記板部に貼付され前記横圧に起因する前記板部のせん断ひずみを検出するひずみゲージと、前記ひずみゲージの出力に基づいて前記横圧を算出する横圧算出部とを備えることを特徴とする。
これによれば、車輪の板部のせん断ひずみに基づいて横圧を算出することにより、例えば板部の曲げ変形に基づいて横圧を算出する従来技術に対して、輪重によるモーメント荷重による誤差を低減し、横圧の算出精度を向上することができる。
本発明において、前記ひずみゲージは、前記車輪の周方向に沿って複数設けられ、前記横圧算出部は、複数の前記ひずみゲージを含むブリッジ回路の出力に基づいて前記横圧を算出する構成とすることができる。
本発明において、前記車輪は、前記板部の前記リム部の内周部と前記ボス部の外周部との間に形成された開口を有し、前記ひずみゲージは、前記開口の内周面に貼付される構成とすることができる。
これによれば、比較的簡単な構成により適切に横圧を測定することができる。
前段落記載の発明において、前記ひずみゲージは、前記車輪の中心軸、及び、前記開口の中央部を含む平面で切って見たときに、前記車輪の径方向に対して異なった方向に傾斜した複数の軸方向を有する多軸のひずみゲージを一体化した構成とすることができる。
これによれば、多軸のひずみゲージを用いることにより、車輪へのひずみゲージの貼付工程を簡素化し、本発明による横圧測定を容易に行うことができる。
また、上述した課題を解決するため、本発明の横圧測定方法は、鉄道車両の車輪とレールとの間の横圧を測定する横圧測定方法であって、前記車輪は、外周縁部に設けられ踏面が形成されたリム部と、中央部に設けられ車軸が取り付けられるボス部と、前記リム部と前記ボス部との間に設けられた板部とを有し、前記板部に貼付され前記横圧に起因する前記板部のせん断ひずみを検出するひずみゲージの出力に基づいて前記横圧を算出することを特徴とする。
本発明においても、上述した横圧測定装置に係る発明の効果と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、横圧の測定精度を向上した横圧測定装置及び横圧測定方法を提供することができる。
本発明を適用した横圧測定装置等の実施形態において用いられる車輪の構成及びひずみゲージの配置を示す図である。 実施形態の横圧測定装置等におけるせん断ひずみを検出するひずみゲージからなるブリッジ回路の構成を示す図である。 車輪板部曲げひずみを利用した比較例に係る横圧測点と、実施形態のせん断ひずみによる横圧測定法の感度係数を比較した図である。 接触位置条件を変化させた場合の比較例の輪重交差感度検定結果を示す図である。 接触位置条件を変化させた場合の実施形態の輪重交差感度検定結果を示す図である。 実施形態及び比較例におけるブリッジ回路の載荷位置ごとの輪重交差感度比を示す図である。 実施形態のせん断ひずみによる横圧測定法を採用した場合の比較例に対する輪重交差感度低減率の車輪1回転平均を示す図である 輪重相当荷重と前後接線力相当荷重とを同時に載荷した際の比較例の横圧測定ブリッジ回路(板部曲げ)に生じる出力を、3種類の接触位置条件について示した図である。 輪重相当荷重と前後接線力相当荷重とを同時に載荷した際の実施形態の横圧測定ブリッジ回路(板部せん断)に生じる出力を、3種類の接触位置条件について示した図である。 実施形態及び比較例におけるブリッジ回路の載荷位置ごとの前後接線力交差感度比を示す図である。
以下、本発明を適用した横圧測定装置及び横圧測定方法の実施形態について説明する。
実施形態の横圧測定装置等においては、車輪板部に貼付されたひずみゲージを有するブリッジ回路の出力に基づいて、車輪とレールとの間の鉛直方向の接触力である輪重、及び、まくらぎ方向の接触力である横圧を測定可能ないわゆるPQ輪軸を用いる。
図1は、実施形態の横圧測定装置等において用いられる車輪の構成及びひずみゲージの配置を示す図である。
図1(a)は、車輪100を車軸方向かつ車幅方向外側から見た図である。
図1(b)、図1(c)は、それぞれ図1(a)のb-b部矢視断面図、c-c部矢視断面図である。
車輪100は、例えば、リム部110、ボス部120、板部130等を一体に形成した一体圧延車輪である。
実施形態のPQ輪軸は、図示しない車軸の両端部に、左右一対の車輪100のボス部120をそれぞれ圧入して構成される。
リム部110は、車輪100の外周縁部に設けられたタイヤ部分であり、踏面111、フランジ112等を有する。
踏面111は、リム部110の外周面部であって、図示しないレールの頭部と接触する部分である。
踏面111には、曲線通過を円滑に可能とするため、車両外側が内側に対して小径となるよう所定の踏面勾配が設けられている。
フランジ112は、踏面111の車両内側の端部から外径側につば状に張り出して形成されている。
なお、図1(a)において、リム部110に周方向に沿って記載された数字は、横圧測定等における載荷点などを示すために用いられる周方向の位置指標である。
この位置指標は、車輪100を周方向に32分割し、図1(a)における時計回り方向に沿って等間隔に配列される。
ボス部120は、車輪100の中央部に設けられ、図示しない車軸が圧入される円筒状の部分である。
リム部110、ボス部120は、板部130に対して車軸方向における両側へ突出して形成されている。
板部130は、リム部110の内径側に設けられる円盤状の部分である。
板部130は、例えば、車軸の軸心方向と直交する平面に沿って延在する平板状に形成されている。
ボス部120は、板部130の中央部に設けられている。
板部130には、ひずみゲージを貼付するため、開口131が形成されている。
開口131は、車輪100の径方向において、リム部110の内周縁部と、ボス部120の外周縁部との中間部に設けられている。
開口131は、車輪100の周方向に沿って、例えば8箇所、等間隔に配列されている。
開口131は、上述した位置指標において、0,4,8,12,16,20,24,28に対応した位置に形成されている。
開口131の内周面には、以下説明するひずみゲージが貼付されている。
ひずみゲージ1A,1B,2A,2B,3A,3B,4A,4B,5A,5B,6A,6B,7A,7B,8A,8Bは、開口131の内周面に貼付されている。
ひずみゲージ1A,1Bは、位置指標0に相当する箇所(車軸回りにおける位相・角度位置)に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ2A,2Bは、位置指標4に相当する箇所に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ3A,3Bは、位置指標8に相当する箇所に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ4A,4Bは、位置指標12に相当する箇所に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ5A,5Bは、位置指標16に相当する箇所に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ6A,6Bは、位置指標20に相当する箇所に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ7A,7Bは、位置指標24に相当する箇所に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ8A,8Bは、位置指標28に相当する箇所に設けられた開口131の内周面に、車輪110の周方向に対向して配置されている。
せん断ひずみによる横圧測定法を採用した場合、ひずみゲージ1A,1B,3A,3B,5A,5B,7A,7B,8A,8Bには、ひずみゲージ1箇所あたり3点分(3軸)のひずみゲージが設けられる。
これらを区別するために、主番号に加えて枝番号を付番する。
図1(b)、図1(c)に示すように、ひずみゲージの頭(軸方向のうち車輪外径側に向いた方向)がフランジ方向に傾いているひずみゲージの枝番を3とし、中央の輪重測定用ひずみゲージの枝番を2とし、ひずみゲージの頭が反フランジ方向に傾いているひずみゲージの枝番を1とした。
なお、ひずみゲージ2A,2B,4A,4B,6A,6B,8A,8Bは、枝番2に相当する単軸のひずみゲージである。
枝番2に係る各ひずみゲージは、公知の連続輪重測定装置における輪重ブリッジ回路を構成するものである。
また、車輪100には、本発明の比較例である横圧測定装置を構成するひずみゲージ1a,1a’,3a,3a’,5a,5a’,7a,7a’が設けられている。
これらのひずみゲージは、板部130の曲げ変形に基づいて横圧を測定する公知の横圧ブリッジ回路を構成する。
ひずみゲージ1a,1a’,3a,3a’,5a,5a’,7a,7a’は、板部130の表面(車輪110側面)であって、開口131よりも内径側の領域に配置されている。
ひずみゲージ1a,1a’は、ひずみゲージ1A,1Bが設けられた開口131の内径側に配置されている。
ひずみゲージ1aは、車輪110における車幅方向外側の面に貼付されている。
ひずみゲージ1a’は、車輪110における車幅方向内側の面に貼付されている。
ひずみゲージ1aとひずみゲージ1a’とは、板部130を挟み、車輪110の回転軸方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ3a,3a’は、ひずみゲージ3A,3Bが設けられた開口131の内径側に配置されている。
ひずみゲージ3aは、車輪110における車幅方向外側の面に貼付されている。
ひずみゲージ3a’は、車輪110における車幅方向内側の面に貼付されている。
ひずみゲージ3aとひずみゲージ3a’とは、板部130を挟み、車輪110の回転軸方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ5a,5a’は、ひずみゲージ5A,5Bが設けられた開口131の内径側に配置されている。
ひずみゲージ5aは、車輪110における車幅方向外側の面に貼付されている。
ひずみゲージ5a’は、車輪110における車幅方向内側の面に貼付されている。
ひずみゲージ5aとひずみゲージ5a’とは、板部130を挟み、車輪110の回転軸方向に対向して配置されている。
ひずみゲージ7a,7a’は、ひずみゲージ7A,7Bが設けられた開口131の内径側に配置されている。
ひずみゲージ7aは、車輪110における車幅方向外側の面に貼付されている。
ひずみゲージ7a’は、車輪110における車幅方向内側の面に貼付されている。
ひずみゲージ7aとひずみゲージ7a’とは、板部130を挟み、車輪110の回転軸方向に対向して配置されている。
図2は、せん断ひずみによる横圧測定法に対応したブリッジ回路構成を示す図である。
せん断ひずみによる横圧測定法のブリッジ回路は、例えばQs1系統、Qs2系統の2系統が設けられる。
Qs1系統のブリッジ回路は、ひずみゲージ1A-1、1B-1、5A-1、5B-1、5B-3、5A-3、1B-3、1A-3を、環状に順次結線して構成されている。
Qs1系統のブリッジ回路では、ひずみゲージ1B-1と5A-1との中間部、及び、ひずみゲージ5A-3と1B-3との中間部の間の電圧を出力とする。
Qs2系統のブリッジ回路は、ひずみゲージ3A-1、3B-1、7A-1、7B-1、7B-3、7A-3、3B-3、3A-3を、環状に順次結線して構成されている。
Qs1系統のブリッジ回路では、ひずみゲージ3B-1と7A-1との中間部、及び、ひずみゲージ7A-3と3B-3との中間部の間の電圧を出力とする。
実施形態の横圧測定装置は、ブリッジ回路Qs1,Qs2の出力に基づいて、横圧を算出する図示しない横圧算出部を有する。
せん断ひずみによる横圧測定法の各種特性を実験的に評価するため、以下の静荷重試験を実施した。
静荷重試験においては、輪重、横圧、前後接線力を想定した荷重を、通常の検定試験と同様の条件で載荷することに加えて、輪重相当荷重の負荷位置が、踏面中心からまくらぎ方向に変位した場合の出力特性を調査した。
図3は、車輪板部曲げひずみを利用した従来技術(以下、比較例)に係る横圧測点と、実施形態のせん断ひずみによる横圧測定法の感度係数を比較した図である。
比較例は、横圧測点として、ひずみゲージ1a,1a’,3a,3a’,5a,5a’,7a,7a’を用い、これらを含む公知のブリッジ回路Qb1,Qb2を構成する。
実施形態のせん断ひずみによる横圧測定法は、比較例の横圧測点に対して、感度が約60%程度低下するものの、当該輪軸の輪重の最大感度(約2.5με/kN)と比べると約4倍の感度を確保できており、横圧測定法として十分な感度を有していることが確認できる。
また、せん断ひずみによる横圧測定法の感度関数形状は、概ね三角関数状であることが確認できる。
なお、比較例(板部曲げ)と実施形態(せん断ひずみによる横圧測定法)とでは符号が反転しているが、これは回路構成によるものであり、横圧測定において特に問題とはならない。
まくらぎ方向の接触位置変化が横圧測定用ブリッジ出力に及ぼす影響を評価するために、載荷位置を踏面中心から反フランジ側に20mmシフトさせる条件と、フランジ側に20mmシフトさせる条件、ならびに、踏面中心に載荷する条件の3条件の試験を実施した。
輪重相当荷重のみを載荷した際の比較例、及び、実施形態の横圧ブリッジの輪重交差感度検定結果を、3種類の接触位置条件について、図4、図5にそれぞれ示す。
図4は、比較例の輪重交差感度検定結果を示す図である。
図5は、実施形態の輪重交差感度検定結果を示す図である。
図4,5において、上段から順に踏面中心、反フランジ側20mm、フランジ側20mmに載荷位置を設定した際の結果を示している。
また、各図において、縦軸は交差感度を示し、横軸は載荷点位置を示している。
比較例(板部曲げ)と、実施形態(板部せん断)の両者ともに、載荷位置が踏面中心からまくらぎ方向にシフトされると、出力が増加することがわかる。
曲げ、せん断それぞれのブリッジ回路について、相対的な交差感度の影響の受けやすさを評価するため、各ブリッジ回路の交差感度比r(φ)を、載荷位置の関数として、式1のように定義する。
Figure 0007304327000001

ただし、εqq1(φ)及びεqq2(φ)は、それぞれブリッジ回路1,2の横圧感度であり、例えばせん断ひずみを用いた横圧測定法の場合、図3の下段に示す感度である。
また、εqp1(φ)及びεqp2(φ)は、それぞれブリッジ回路1,2の輪重感度であり、例えばせん断ひずみを用いた横圧測定法の場合、図5に示す感度である。
εqp1(φ)及びεqp2(φ)は、まくらぎ方向の載荷位置によって変化する。
図6は、実施形態及び比較例におけるブリッジ回路の載荷位置ごとの輪重交差感度比を示す図である。
図6において、上段には比較例(板部曲げ)の交差感度比、中断には実施形態(板部せん断)の交差感度比、下段には実施形態と比較例の交差感度比の比をそれぞれ示している。
載荷位置を踏面中心からシフトさせた2条件では、交差感度比の比が軒並み1を下回っている。
すなわち、実施形態の交差感度比は、比較例の交差感度比を上回ることがなく、比較例よりもまくらぎ方向の接触位置変化の影響を受けにくいことがわかる。
なお、踏面中心載荷の条件で、交差感度比の比が1を上回る領域があるが、踏面中心付近ではそもそも交差感度そのものが小さいため、大きな影響はないと考えられる。
載荷点番号ごとの交差感度比を比較すると、特に実施形態では、ひずみゲージ貼付位置の直上に載荷される場合(載荷点番号0,8,16,24)に、交差感度比が小さくなる傾向がある。
すなわち、せん断ひずみによる横圧測定法を間欠測定に適用した場合には、より大きな交差感度比低減効果が得られる。
図7は、せん断ひずみによる横圧測定法を採用した場合の輪重交差感度低減率の車輪1回転平均を示す図である。
載荷位置が反フランジ側にシフトした条件では約20%、フランジ側にシフトした状態では約12%程度、比較例に対して交差感度比が低下することがわかる。
図8、図9は、輪重相当荷重と前後接線力相当荷重とを同時に載荷した際の比較例、及び、実施形態の横圧測定法のためのブリッジ回路に生じる出力を、3種類の接触位置条件について示した図である。
図8、図9に示すのはいずれも前後接線力に対するひずみ感度であり、輪重相当荷重の影響は除去している。
比較例(板部曲げ)、実施形態(板部せん断)の両者ともに、載荷位置が踏面中心からまくらぎ方向にシフトされると、出力が増加することがわかる。
横圧感度とは概ね位相が90度ずれている。
前後接線力交差感度についても、輪重交差感度と同様の交差感度比を載荷位置ごとに計算した。
図10は、実施形態及び比較例におけるブリッジ回路の載荷位置ごとの前後接線力交差感度比を示す図である。
図の上段には比較例(板部曲げ)の交差感度比、中段には実施形態(板部せん断)の交差感度比、下段には実施形態と比較例の交差感度比の比をそれぞれ示している。
踏面中心から20mmシフトした位置における前後接線力交差感度比は、比較例と実施形態の両者ともに0.05(5%)程度であり、輪重交差感度比と同程度のオーダである。
ただし、実際の走行試験においては、前後接線力の大きさそのものが輪重と比較して小さいことが多く、輪重交差感度ほど測定精度に大きな影響を及ぼさないものと考えられる。
交差感度比の比については、載荷位置を踏面中心から20mmシフトさせた2条件については、交差感度比の比が載荷位置によらず1前後である。
したがって、前後接線力交差感度比については、比較例と実施形態では大きな差がないことが確認される。
なお、踏面中心載荷条件において、せん断ひずみを用いた横圧測定法の交差感度比が大きくなる領域があるが、踏面中心においては交差感度そのものが小さいため、大きな影響はないと考えられる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)車輪100の板部130のせん断ひずみに基づいて横圧Qを算出することにより、例えば板部130の曲げ変形に基づいて横圧を算出する従来技術(ひずみゲージ1a~7a、ブリッジ回路Qb1,Qb2)に対して、輪重Pによるモーメント荷重による誤差を低減し、横圧Qの算出精度を向上することができる。
(2)車輪100の周方向に分散した複数の開口131の内周面に板部130のせん断ひずみを検出するひずみゲージ1A~8B(枝番1,3)を貼付し、せん断ひずみを用いた横圧測定法のブリッジ回路Qs1,Qs2を構成したことにより、比較的簡単な構成により適切に横圧Qを測定することができる。
(3)ひずみゲージ1A~8Bは、車輪110の中心軸、及び、開口131の中央部を含む平面で切って見たときに、車輪110の径方向(図1(a)の上下方向)に対して異なった方向に傾斜した複数の軸方向を有する多軸のひずみゲージを一体化したものであることにより、車輪110へのひずみゲージの貼付工程を簡素化し、本発明による横圧測定を容易に行うことができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
(1)横圧測定装置、及び、横圧測定方法を構成する各構成要素、部品などの形状、構造、材質、製法、個数、配置などは、上述した実施形態に限定されず適宜変更することができる。
(2)車輪の形状、構造や、ひずみゲージの貼付手法などは、実施形態のものに限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施形態ではせん断ひずみを測定するためのひずみゲージを含む3軸のひずみゲージを、車輪の周上4箇所に形成された開口131に2枚ずつ貼付しているが、車輪周方向のひずみゲージの分布密度をさらに多くしてもよい。例えば、中心角45度ごとに設けられる開口に、それぞれせん断ひずみを測定するためのひずみゲージを設けてもよい。この場合、追加されたひずみゲージを既存のブリッジ回路に挿入したり、あるいは、新たなブリッジ回路を構成してもよい。
(3)実施形態における具体的な演算手法及び数式等は一例であって、適宜変更することができる。
1A~8B 輪重測定・横圧測定(せん断ひずみによる横圧測定法)用のひずみゲージ
1a~7a 横圧測定(板部曲げ)用のひずみゲージ
100 車輪 110 リム部
111 踏面 112 フランジ
120 ボス部 130 板部
131 開口
Qs1,Qs2 横圧測定用ブリッジ回路(せん断ひずみ使用)

Claims (5)

  1. 鉄道車両の車輪とレールとの間の横圧を測定する横圧測定装置であって、
    前記車輪は、
    外周縁部に設けられ踏面が形成されたリム部と、
    中央部に設けられ車軸が取り付けられるボス部と、
    前記リム部と前記ボス部との間に設けられた板部とを有し、
    前記板部に貼付され前記横圧に起因する前記板部のせん断ひずみを検出するひずみゲージと、
    前記ひずみゲージの出力に基づいて前記横圧を算出する横圧算出部と
    を備えることを特徴とする横圧測定装置。
  2. 前記ひずみゲージは、前記車輪の周方向に沿って複数設けられ、
    前記横圧算出部は、複数の前記ひずみゲージを含むブリッジ回路の出力に基づいて前記横圧を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の横圧測定装置。
  3. 前記車輪は、前記板部の前記リム部の内周部と前記ボス部の外周部との間に形成された開口を有し、
    前記ひずみゲージは、前記開口の内周面に貼付されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の横圧測定装置。
  4. 前記ひずみゲージは、前記車輪の中心軸、及び、前記開口の中央部を含む平面で切って見たときに、前記車輪の径方向に対して異なった方向に傾斜した複数の軸方向を有する多軸のひずみゲージを一体化したこと
    を特徴とする請求項3に記載の横圧測定装置。
  5. 鉄道車両の車輪とレールとの間の横圧を測定する横圧測定方法であって、
    前記車輪は、
    外周縁部に設けられ踏面が形成されたリム部と、
    中央部に設けられ車軸が取り付けられるボス部と、
    前記リム部と前記ボス部との間に設けられた板部とを有し、
    前記板部に貼付され前記横圧に起因する前記板部のせん断ひずみを検出するひずみゲージの出力に基づいて前記横圧を算出すること
    を特徴とする横圧測定方法。
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