JP2017207451A - 計測装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前者の計測装置は、価格が高く、複雑であり、取付けに多くの時間を要する、という難点がある。
後者のトルク計測装置は、価格が安く、既存のホイールを外して、間に挟み込むという簡易な取付方法である。
後者の従来のトルク計測装置を図23および図24を用いて説明する。
図23に示すように、車両のハブ101に埋め込まれたスタッドボルト101aに、センサ本体102に穿設されたボルト穴を挿通して、ハブナット103をねじ込むことにより、ハブ101にセンサ本体102を一体的に装着する。
センサ本体102の構造は、図24(a)、(b)、(c)に示すように、円板状を呈し、その周縁部近くには第1のフランジ107と、第2のフランジ108が形成され、第1のフランジ107には、スタッドボルト101aを挿通するための大径の座繰り穴と、ホイール締付け用ボルト穴113(この場合雌ねじ穴)が複数個(この場合、6個)形成されている。
第2のフランジ108には、ハブ締付け用ボルト穴112が形成されている。
第1のフランジ107と第2のフランジ108との間には、ハブ締付け用ボルト穴112とホイール締付け用ボルト穴113が設けられた位置よりも半径方向内側位置に、中空円筒部109が設けられている。
この中空円筒部109の外周面には、トルク検出用のひずみゲージ110が接着されている。
そのため、センサ本体102の厚さが厚くなってしまう。センサ本体102が厚くなると、ホイール105が車体から大きく突出することになり、実際のホイール取付け状態と大きく異なってしまうため、正規のタイヤのオフセットが確保されず、従って、オフセット変化が測定に誤差を与えるような条件でトルク測定を行うときには、致命的な欠陥となる。
また、両側の第1のフランジ107と第2のフランジ108を、中空円筒部109で繋ぐ構造のため、中空円筒部109に応力が集中する。
一方、センサ本体の厚みを薄くする工夫を施した従来技術として、特開2010−266387号公報(以下、「特許文献1」という)に記載のものがある。
この特許文献1に係る駆動トルク計測装置においては、上述した図23、図24に示したセンサ本体102の中空円筒部109に相当する部分を改良したもので、円筒部の内部を形成する凹部を、第2フランジから第1フランジの中間部分に至るまで、深く形成し、ひずみゲージを円筒部の内部の第1フランジの側に寄せた位置に貼り付けるようにしている。
また、過大なトルクがセンサ本体に負荷されたとき、中空円筒部が破損されると、2つのフランジが空転することとたるため、ストッパが必須となり、その分、構造が複雑化し、コスト増の要因となっている。
また、上記特許文献1においては、センサ本体全体の厚さに対して、両側の第1フランジ、第2フランジが薄く、旋回走行時に中空円筒部のフランジ付け根部分にモーメントによる応力集中が発生するため、旋回走行ができない、という課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、第1の目的とするところは、本体部の軸方向の寸法を従来のものに比べて大幅に減少させ得る計測装置を提供することにある。
第2の目的とするところは、過大なトルクが負荷されても本体部が、破壊することはなく、上記従来技術では、必須であったストッパを設ける必要がなく、そのため、構造が簡素化され、コストの低減が可能な計測装置を提供することにある。
本発明の第3の目的とするところは、旋回走行が可能な計測装置を提供することにある。
車両のハブとタイヤのホイールとの間に装着される略円板状を呈する本体部は、
円板中心から所定半径の第1の仮想同心円上に、前記本体部を前記ハブに装着するためのハブ締付用ボルト穴と、前記タイヤホイールを前記本体部に装着するためのホイール締付け用ボルト穴とが交互に等角度をもって形成され、
前記ハブ締付け用ボルト穴と前記ホイール締付け用ボルト穴との中間角度位置であって、前記ハブ締付け用ボルト穴と前記ホイール締付け用ボルト穴との間を分離するように半径方向に長く伸びた少なくとも外方端と内方端が円弧状または一部に平面を含む円弧状を呈する分離穴が形成され、
前記分離穴の前記外方端の円弧状または一部に平面を含む円弧状内面と前記本体部の外周面との間に前記本体部の軸心方向厚みより薄い肉厚の起歪部が、前記第1の仮想同心円よりも大きな半径の第2の仮想同心円上に形成され、
前記起歪部の前記円弧状または一部に平面を含む穴の内周面側および/または外周面側にひずみゲージが添着されてなり、
前記ハブ締付け用ボルト穴に挿通されたハブ締付け用ボルトまたは前記ハブ締付け用ボルトとナットをもって、前記本体部を前記ハブに装着し、
前記ホイール締付け用ボルト穴に挿通されまたは螺合されるホイール締付け用ボルトまたは前記ホイール締付け用ボルトとナットをもって、前記ホイールを前記本体部に装着した状態で、走行中の前記タイヤに作用するトルクおよび/またはスラスト力を、前記起歪部に添着されたひずみゲージをもって計測し得るように構成したことを特徴としている。
車両のハブとタイヤのホイールとの間に装着される略円板状を呈する本体部は、
円板中心から所定半径の第1の仮想同心円上に、前記本体部を前記ハブに装着するためのハブ締付用ボルト穴と、前記タイヤホイールを前記本体部に装着するためのホイール締付け用ボルト穴とが交互に等角度をもって形成され、
前記ハブ締付け用ボルト穴と前記ホイール締付け用ボルト穴との中間角度位置であって、前記ハブ締付け用ボルト穴と前記ホイール締付け用ボルト穴との間を分離するように半径方向に長く伸びた少なくとも外方端と内方端が円弧状または一部に平面を含む円弧状を呈する分離穴が形成され、
前記分離穴の前記外方端の円弧状または一部に平面を含む円弧状内面と前記本体部の外周面との間に前記本体部の軸心方向厚みより薄い肉厚の起歪部が、前記第1の仮想同心円よりも大きな半径の第2の仮想同心円上に形成され、
前記起歪部の前記円弧状または一部に平面を含む穴の内周面側および/または外周面側にひずみゲージが添着されてなり、
前記ハブ締付け用ボルト穴に挿通されたハブ締付け用ボルトまたは前記ハブ締付け用ボルトとナットをもって、前記本体部を前記ハブに装着し、
前記ホイール締付け用ボルト穴に挿通されまたは螺合されるホイール締付け用ボルトまたは前記ホイール締付け用ボルトとナットをもって、前記ホイールを前記本体部に装着した状態で、走行中の前記タイヤに作用するトルクおよび/またはスラスト力を、前記起歪部に添着されたひずみゲージをもって計測し得るように構成したことにより、
本体部の軸方向の寸法(厚さ)を、従来のものに比べ、大幅に減少させることが可能となり、そのため、正規のタイヤのオフセットに極力近づけることができ、より正確なトルクおよび/またはスラスト力を計測することが可能となる。
さらに、本発明によれば、モーメントに対して、強度的に強くなり、旋回走行が可能となり、スラスト力を検出できるため、旋回走行時の状態を把握することができる。
図1〜図6は、本発明の第1の実施の形態に係る計測装置に関するものである。このうち、図1は、本発明の第1の実施の形態に係る計測装置の要部である本体部の構成を示すもので、(a)は、外方側(正面図)から見た外観構成を示す正面図、(b)は、正面中央縦断面図である。
図2は、図1に示す本体部を正面側から見た斜視図であり、図3は、図1に示す本体部を車両側(背面側)から見た斜視図であり、図4は、図1に示す本体部を略半分に破断して外観構成と断面構成を示す部分破断斜視図である。
図5は、図1に示す本体部に、トルクが負荷される前の形態を実線で示し、トルクが負荷された後の形態を点線で、それぞれ示すもので、(a)は、全体の様子を示す正面図、(b)は、図5(a)の本体部の一部を拡大して示す部分正面図である。
図1〜図6において、第1の実施の形態に係る計測装置1の要部本体部2は、以下のように構成されている。
本体部2は、トルクおよび/またはスラスト力(「スラスト荷重」とも称されている)を検知して電気量に変換する一種の変換器(センサ)である。
本体部2は、略円板状を呈し、弾性変形する素材で形成されており、本体部2の軸穴9の中心から所定半径の第1の仮想同心円VC1上に、本体部2をハブ101(図14参照)に装着するためのハブ締付け用ボルト穴3と、このボルト穴3と同軸にハブナット103が嵌入され得る大きな直径の座繰り穴3aと、タイヤ104のホイール105(図14参照)を本体部2に装着するためのホール締付け用ボルト穴(雄ねじ穴)4とが、交互に等角度(この実施の形態にあっては、36度)間隔をもって形成されている。
より詳しくは、上記分離穴5の形状は、外方端側の大きな円弧、即ち大径円弧部5aと、内方端の小さな円弧、即ち小径円弧部5bと、上記2つの円弧、即ち、大径円弧部5aと小径円弧部5bの間を平行なスリットからなる連結部5cで連通してなる非対称のメガネ型に形成してなる。
尚、図示は省略したが、分離穴5の形状としては、外方端の円弧が大きく、内方端の円弧が小さく、2つの円弧の間がくびれをもって連結された瓢箪型を呈するようなものであってもよく、要は、隣接するハブ締付け用ボルト穴3とホイール締付け用ボルト穴4との間を、分離する機能と、外方端の円弧部、即ち、大径円弧部5aの外端内周面にひずみゲージSGが接着、蒸着、スパッタリング、融着等の手段により添着することができる機能を有していればよい。
この起歪部6は、図1の本体部2にあっては、第1の起歪部6−1〜第10の起歪部6−10の10個が形成されている。
それぞれ起歪部6の外方端の大径円弧部5aの内周面、即ち、起歪部内周面6aと起歪部外周面6bにひずみゲージSGが添着されている。
本体部2の外周面は、外周全面に亘って、断面凹形状の段差11aが形成され、その中間部の凹んだ外周面の起歪部6と対応する部位、即ち、起歪部外周面6bに、ひずみゲージSGが添着されている。
本体部2の外周面の段差11aは、凹形溝の部分は、図1(b)に示すように、起歪部外周面6bとされ、凹形溝の両側は、やや大きな外径のリブ11、11が形成されている。
また、本体部2のホイール105と当接する面側、即ち、図1(b)の左面側には、互いに隣接する分離穴5に挟まれたホイール締付け用ボルト穴4の周りの部分のみを、他の部分よりも高い平面として、ホイール105と本体部2との当接面を形成してなる。
図1(a)、(b)に示す第1の実施の形態においては、トルクとスラスト力を計測し得るように構成されている。
トルク計測に際しては、図15または図16に示すように、分離穴5の大径円弧部5a、即ち、起歪部6の内周面6aに沿う方向(図15において左右方向)に受感軸を向けて曲げ検出型のひずみゲージSG1、SG2によってトルクを計測し得るように構成されている。
上記のように構成された第1の実施の形態に係る計測装置でトルクおよびスラスト力を計測するに際しては、図14に示す分解斜視図における、ハブ101に対し、本体部2の当接面7を向けてハブ締付け用ボルト穴3にハブ締付け用ボルトとしてのスタッドボルト101aを挿通して、ハブ101と当接面7とを当接した状態で、スタッドボルト101aにハブナット103を螺合し、締付けることによって、本体部2をハブ101に装着する。
尚、上記図14に示す実施の形態においては、ハブ締付け用ボルトとしてのスタッドボルト101aは、ハブ101に対し埋め込まれた(植設された)ものを用い、ハブナット103をスタッドボルト101aに螺合し、締付けることによって、本体部2を固定しているが、車両によっては、ハブ101に雌ねじ穴が形成されたものもあるので、その場合には、頭付きのボルトをホイール締付け用ボルトとして用い、当該雌ねじ穴に螺合し、締付けることによってホイール105を本体部2に装着するようにしてもよい。
また、図14に示す実施の形態においては、本体部2に雌ねじ穴4を形成し、この雌ねじ穴4に頭付きのホイール締付け用ボルト106を螺合するように構成されているが、これに代えて、ホイール締付け用ボルト穴4に頭無しのホイール締付け用ボルトを挿入且つ固定し、このホイール締付け用ボルトにナットを螺合し且つ締付けることでホイール105を本体部2に装着するようにしてもよい。
このようにして、ホイール105をハブ101に装着した状態を図13に示す。
上述のように、車両に装着された本発明に係る計測装置は、車両の走行に伴いタイヤに作用するトルクおよび車軸に作用するスラスト力を本体部2の起歪部6の内周面6aと外周面6bの変形量として検出し、この起歪部6に添着したひずみゲージをもって形成したホイートストンブリッジ回路によって電気信号に変換した出力信号を得る。
また、上記出力信号を、固定側のトルク測定装置に伝達するには、公知のスリップリング装置を用いるようにしてもよい。
次に、トルクおよびスラスト力の計測作用について説明する。
車両のハブ101に例えば、エンジンからの回転トルクが与えられると、そのトルクは、ハブ締付け用ボルト(スタッドボルト101a)とハブ締付け用ボルト穴3を介してホイール締付け用ボルト穴4に螺合しているホイール締付け用ボルト106に伝達され、タイヤ104へと伝達される。
その結果、ハブ締付け用ボルト穴3とホイール締付け用ボルト穴4との間の起歪部6に圧縮力または引張力が生じ、起歪部6の内周面6aおよび外周面6bに変形が生じる。
このときの本体部2の変形状況を図5(a)、(b)に示す。
例えば、図5(b)をみると、ホイール締付けボルト穴4に反時計回りのトルクが矢印の方向に向かって、作用したとすると、隣接する手前(右側)の分離穴5が伸ばされ、左側の分離穴5が圧縮されるように変形することが分かる。
ここで、ハブ締付け用ボルト穴3は、ハブ101に固定されているため、殆ど回動はしないものとする。
例えば、図1と図5(a)、(b)を参照して説明すると、例えば、10個所の起歪部6−1〜起歪部6−10のうち、奇数番目の起歪部6−1、6−3、6−5、6−7、6−9が圧縮を受け、偶数番目の起歪部6−2、6−4、6−6、6−8、6−10が伸長していることが分かる。
そして、例えば、偶数番目の起歪部6−2、6−4、6−6、6−8、6−10にそれぞれ2素子ずつ添着されたひずみゲージR2(R2´)、R4(R4´)、R6(R6´)、R8(R8´)、R10(R10´)は、図8の「内周側ブリッジ回路」の隣接する一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、ブリッジ回路入力端にブリッジ電源(入力電圧)を供給することで、その出力端からタイヤに作用するトルクに対応する出力(電圧または電流)を得ることができる。
一対のせん断検出型のひずみゲージR31とR31´は、図18に示すように、矢印方向にスラスト力が作用したとき、同じ抵抗変化をするのではなく、右側のひずみゲージR31は、縮み、左側のひずみゲージR31´は、伸びる、という反対の挙動を示す。
同様に、図19に示すひずみゲージR32とR32´は、図18に示す起歪部とは隣接する起歪部に添着したものであるが、図18とは反対の挙動を示す。
そこで、上記せん断検出型のひずみゲージを起歪部6の外周面6bに添着して、スラスト力を計測するブリッジ回路を組む場合は、同じ起歪部に添着された2枚のひずみゲージ、例えば、R31とR31´は、ブリッジ回路の隣接する一辺またはその対辺に分けて、回路接続している。その接続結果は、図12に示す通りである。
尚、図1に示す本体部2に対し、車両のハブ側を固定と仮定し、図6の矢印で示す方法にスラスト力が負荷されたときの形態を点線で示し、スラスト力が負荷されない状態を実線で示している。
但し、スラスト力計測においては、せん断検出型のひずみゲージを、車軸方向に受感軸を合わせて、添着すればよく、ブリッジを形成するに当たっては、図11および図12に示す通りに結線すればよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る計測装置について、図7、図8および図9を用いて説明する。
この第2の実施の形態に係る計測装置においては、本体部2の構成は、第1の実施の形態と同じであるが、ひずみゲージの添着方法および結線方法が異なっている。
即ち、本体部2に複数形成されたすべての起歪部6−1〜6−10の外周面6bに沿う方向に受感軸を向けて1つの起歪部6毎に、それぞれ2素子(または2枚)平行に曲げ検出型のひずみゲージR11(R11´)〜R20(R20´)を20枚(20素子)添着している。
複数のひずみゲージSGのうち、奇数番目の起歪部6−1、6−3、6−5、6−7、6−9に添着されたひずみゲージR11(R11´)、R13(R13´)、R15(R15´)、R17(R17´)R19(R19´)を、ブリッジ回路の一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、偶数番目の起歪部6−2、6−4、6−6、6−8、6−10に添着されたひずみゲージR12(R12´)、R14(R14´)、R16(R16´)、R18(R18´)R20(R20´)を、ブリッジ回路の隣接する一辺およびその対辺にそれぞれ分けて接続する。
従って、この第2の実施の形態の計測装置は、起歪部6の内周面6aと外周面6bの両方に曲げ検出型のひずみゲージをもって、より正確なトルクを計測することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る計測装置を図10、図11および図12を参照して説明する。
この第3の実施の形態に係る計測装置30は、起歪部6の形態は、上述した第1および第2の実施の形態と同じであり、ひずみゲージの種類、添着方法が異なっている。
即ち、起歪部6の内周面6aと外周面6bに添着するひずみゲージは、共にせん断検出型のものを用い、添着方法は、起歪部6の内周面6aに添着する場合、図17に示すように、受感軸を軸方向に沿って2枚(または2素子)のひずみゲージSG(R21、R21´)を添着する。
このように起歪部6の内周面6aに添着された複数のひずみゲージR21(R21´)〜R30(R30´)を、図11の「内周側ブリッジ回路」に示すように分けてブリッジ回路を形成する。
また、起歪部6の外周面6bに添着された複数のひずみゲージR31(R31´)〜R40(R40´)を、図12の「外周側ブリッジ回路」に示すように分けてブリッジ回路を形成する。
このように構成された第3の実施の形態に係る計測装置によれば、正確なスラスト力を計測することが可能となる。
図20は、本発明の第4の実施の形態に係る計測装置の本体部の起歪部の近傍を拡大して示す部分正面図であり、分離穴を形成する外方の円弧状部分を平面を含ませた構成としたものである。
図21は、本発明の第5の実施の形態に係る計測装置の本体部における起歪部の近傍を拡大し、且つ破断して示す部分拡大断面図であり、図22は、本発明の第5の実施の形態に係る計測装置の本体部の全体構成を示すもので、(a)は、正面図、(b)は、右側面図、(c)は、A−A線矢視方向断面図である。
第1〜第3の実施の形態の計測装置における分離穴5は、半径方向に長く伸び、少なくとも外方端と内方端が円弧状を呈するものを例示したが、必らずしも円弧に限られるものではなく、図20に示すように、起歪部内周面の頂部一部を平面に加工し平坦5dとしてもよく、平坦面5dを設けることにより、ひずみゲージの接着作業が容易となる。
また、図21に示す第5の実施の形態に係る計測装置は、本体部2の外周面のうち、起歪部6に対応する部分を、平坦面6cとするものであり、同時に、図20に示した第4の実施の形態の計測装置のように起歪部6の内周面に形成した円弧面の頂部を平坦部5dに形成している。
以上、本発明について、第1の実施の形態から第5の実施の形態に係る計測装置を、図面を用いて説明したが、以下に本発明の要旨とするところをまとめて説明する。
車両のタイヤ104(ホイール105)に作用するトルクおよび/またはスラスト力を電気量に変換して計測する計測装置において、
車両のハブ101とタイヤ104のホイール105との間に装着される略円板状を呈する本体部2は、
円板中心から所定半径の第1の仮想同心円VC1上に、前記本体部2を前記ハブ101に装着するためのハブ締付用ボルト穴3と、前記タイヤホイール105を前記本体部2に装着するためのホイール締付け用ボルト穴4とが交互に等角度をもって形成され、
前記ハブ締付け用ボルト穴3と前記ホイール締付け用ボルト穴4との中間角度位置であって、前記ハブ締付け用ボルト穴3と前記ホイール締付け用ボルト穴4との間を分離するように半径方向に長く伸びた少なくとも外方端と内方端が円弧状または一部平坦面5dを含む円弧状を呈する分離穴5が形成され、
前記分離穴5の前記外方端の円弧状または一部平面を含む円弧状内面と前記本体部2の外周面6bとの間に前記本体部2の軸心方向厚みより薄い肉厚の起歪部6が、前記第1の仮想同心円VC1よりも大きな半径の第2の仮想同心円VC2上に形成され、
前記起歪部6の前記大径の円弧部5aまたは一部に平面を含む穴の内周面側および/または外周面側にひずみゲージSGが添着されてなり、
前記ハブ締付け用ボルト穴3に挿通されたスタッドボルト101aまたは前記スタッドボルト101aと螺合するナットをもって、前記本体部2を前記ハブ101に装着し、
前記ホイール締付け用ボルト穴4に挿通されまたは螺合されるホイール締付け用ボルト106または前記ホイール締付け用ボルトとナットをもって、前記ホイール105を前記本体部2に装着した状態で、走行中のトルクおよび/またはスラスト力を、前記起歪部6に添着されたひずみゲージをもって計測し得るように構成したものである(請求項1に対応する)。
第2に、過大なトルクおよび/またはスラスト力が負荷されたとしても、本体部が破壊することはなく、従って、ストッパのような部材を設ける必要がなく、その分構成の簡素化とコストの低減に結び付けることができる。
さらに、第3に、モーメントに対して、強度的に強くなり、旋回走行が可能となり、スラスト力を検出できるため、旋回走行時の状態を把握することができる。
また、前記分離穴5の形状は、外方端の大きな円弧部5aと、内方端の小さな円弧部5bの2つの円弧の間を平行なスリット5cで連通してなる非対称のメガネ型に形成してなることが望ましい(請求項2に対応する)。
前記本体部2の前記ハブと当接する面側には、互いに隣接する前記分離穴5に挟まれた前記ハブ締付け用ボルト穴3の周りの部分のみを他の部分よりも高い平面として、前記ハブ101と前記本体部2との当接面7を形成することが望ましい(請求項4に対応する)。
前記本体部2の前記ホイールと当接する面側には、互いに隣接する前記分離穴5に挟まれた前記ホイール締付け用ボルト穴4の周りの部分のみを他の部分よりも高い平面として前記ホイールと前記本体部との当接面8を形成することが望ましい(請求項5に対応する)。
また、前記起歪部6の内側の円弧状の円弧面に沿う方向に受感軸を向けて添着されたひずみゲージSGにより曲げひずみを検出することで、前記タイヤに作用するトルクを計測するようにしてもよい(請求項6に対応する)。
前記起歪部6の外側の外周面6bに受感軸を前記タイヤの軸方向に沿うように向けて添着されたせん断ひずみ検出型のひずみゲージにより、前記タイヤの軸方向に作用するスラスト力を計測するようにしてもよい(請求項8に対応する)。
前記本体部2に複数形成されたすべての前記起歪部6−1〜6−10の内側6aおよび/または外側の前記円弧状穴の円弧面または外周面に沿う方向に受感軸を向けて、1つの前記起歪部毎にそれぞれ2枚平行にひずみゲージを添着し、
複数のひずみゲージのうち、奇数番目の前記起歪部6−1〜6−10に添着されたひずみゲージR1(R1´)〜R10(R10´)をホイートストンブリッジ回路の一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、偶数番目の起歪部に添着された前記ひずみゲージを前記ホイートストンブリッジ回路の隣接する一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、前記ホイートストンブリッジ回路の入力端にブリッジ電源を供給することでその出力端から前記タイヤに作用するトルクに対応する出力を得るように構成してもよい(請求項9に対応する)。
複数のひずみゲージのうち、同じ起歪部に添着された2枚の前記ひずみゲージの一方をホイートストンブリッジ回路の一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、同じ起歪部に添着された2枚の前記ひずみゲージの他方を前記ホイートストンブリッジ回路の隣接する一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、前記ホイートストンブリッジ回路の入力端にブリッジ電源を供給することでその出力端から前記タイヤに作用するスラスト力に対応する出力を得るように構成してもよい(請求項10に対応する)。
本体部2の外周全面に亘って、断面凹形状の段差11aを形成し、その中間部の凹んだ外周面の前記起歪部6と対応する外周面6bに前記ひずみゲージを添着するように構成してもよい(請求項11対応する)。
2 本体部(変換器本体部)
3 ハブ締付け用ボルト穴
4 ホイール締付け用ボルト穴
5 分離穴
5a 大径円弧部
5b 小径円弧部
5c 連結部
6 起歪部
6a 起歪部内周面
6b 起歪部外周面(本体部の外周面)
7 ハブと本体部との当接面
8 本体部とホイールとの当接面
9 軸穴
11 リブ
11a 段差
SG ひずみゲージ
R1〜R10、R1´〜R10´ トルク検出用(内周面)ひずみゲージ
R11〜R20、R11´〜R20´ トルク検出用(外周面)ひずみゲージ
R21〜R30、R21´〜R30´ スラスト力検出用(内周面)ひずみゲージ
R31〜R40、R31´〜R40´ スラスト力検出用(外周面)ひずみゲージ
Claims (11)
- 車両のタイヤに作用するトルクおよび/またはスラスト力を電気量に変換して計測する計測装置において、
車両のハブとタイヤのホイールとの間に装着される略円板状を呈する本体部は、
円板中心から所定半径の第1の仮想同心円上に、前記本体部を前記ハブに装着するためのハブ締付用ボルト穴と、前記タイヤホイールを前記本体部に装着するためのホイール締付け用ボルト穴とが交互に等角度をもって形成され、
前記ハブ締付け用ボルト穴と前記ホイール締付け用ボルト穴との中間角度位置であって、前記ハブ締付け用ボルト穴と前記ホイール締付け用ボルト穴との間を分離するように半径方向に長く伸びた少なくとも外方端と内方端が円弧状または一部に平面を含む円弧状を呈する分離穴が形成され、
前記分離穴の前記外方端の円弧状または一部に平面を含む円弧状内面と前記本体部の外周面との間に前記本体部の軸心方向厚みより薄い肉厚の起歪部が、前記第1の仮想同心円よりも大きな半径の第2の仮想同心円上に形成され、
前記起歪部の前記円弧状または一部に平面を含む穴の内周面側および/または外周面側にひずみゲージが添着されてなり、
前記ハブ締付け用ボルト穴に挿通されたハブ締付け用ボルトまたは前記ハブ締付け用ボルトとナットをもって、前記本体部を前記ハブに装着し、
前記ホイール締付け用ボルト穴に挿通されまたは螺合されるホイール締付け用ボルトまたは前記ホイール締付け用ボルトとナットをもって、前記ホイールを前記本体部に装着した状態で、走行中のトルクおよび/またはスラスト力を、前記起歪部に添着されたひずみゲージをもって計測し得るように構成したことを特徴とする計測装置。 - 前記分離穴の形状は、外方端の大きな円弧と、内方端の小さな円弧の2つの円弧の間を平行なスリットで連通してなる非対称のメガネ型に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
- 前記分離穴の形状は、外方端の円弧が大きく且つ端部の一部に平面を有し、内方端の円弧が小さく、2つの円弧の間がスリットをもって連結されたことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
- 前記本体部の前記ハブと当接する面側には、互いに隣接する前記分離穴に挟まれた前記ハブ締付け用ボルト穴の周りの部分のみを他の部分よりも高い平面として、前記ハブと前記本体部との当接面を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
- 前記本体部の前記ホイールと当接する面側には、互いに隣接する前記分離穴に挟まれた前記ホイール締付け用ボルト穴の周りの部分のみを他の部分よりも高い平面として前記ホイールと前記本体部との当接面を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
- 前記起歪部の内側の前記円弧状ボルト穴の円弧面に沿う方向に受感軸を向けて添着されたひずみゲージにより曲げひずみを検出することで、前記タイヤに作用するトルクを計測することを特徴とした請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の計測装置。
- 前記起歪部の内側の前記円弧状穴の円弧面に沿う方向に受感軸を向けて添着されたひずみゲージにより、せん断ひずみを検出することで、前記タイヤに作用するトルクを計測することを特徴とした請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の計測装置。
- 前記起歪部の外側の外周面に受感軸を前記タイヤの軸方向に沿うように向けて添着されたせん断ひずみ検出型のひずみゲージにより、前記タイヤの軸方向に作用するスラスト力を計測することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の計測装置。
- 前記本体部に複数形成されたすべての前記起歪部の内側および/または外側の前記円弧状穴の円弧面または外周面に沿う方向に受感軸を向けて、1つの前記起歪部毎にそれぞれ2枚平行にひずみゲージを添着し、
複数のひずみゲージのうち、奇数番目の前記起歪部に添着されたひずみゲージをホイートストンブリッジ回路の一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、偶数番目の起歪部に添着された前記ひずみゲージを前記ホイートストンブリッジ回路の隣接する一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、前記ホイートストンブリッジ回路の入力端にブリッジ電源を供給することでその出力端から前記タイヤに作用するトルクに対応する出力を得るように構成したことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の計測装置。 - 前記本体部に複数形成されたすべての前記起歪部の内側または外側の前記円弧状穴の円弧面または外周面に沿う方向に受感軸を前記タイヤの軸方向に向けて、1つの前記起歪部毎にそれぞれ2枚平行にせん断検出型のひずみゲージを添着し、
複数のひずみゲージのうち、同じ起歪部に添着された2枚の前記ひずみゲージの一方をホイートストンブリッジ回路の一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、同じ起歪部に添着された2枚の前記ひずみゲージの他方を前記ホイートストンブリッジ回路の隣接する一辺とその対辺にそれぞれ分けて接続し、前記ホイートストンブリッジ回路の入力端にブリッジ電源を供給することでその出力端から前記タイヤに作用するスラスト力に対応する出力を得るように構成したことを特徴とする請求項8に記載の計測装置。 - 本体部の外周全面に亘って、断面凹形状の段差を形成し、その中間部の凹んだ外周面の前記起歪部と対応する部位に前記ひずみゲージを添着するように構成したことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の計測装置。
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