JP7304033B2 - プレキャスト基版及びこれを用いたコンクリートブロックの敷設方法 - Google Patents
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この際、現場打設の基礎コンクリートの場合、上述したように仕上げ精度が良くないため、コンクリートブロック底面と基礎コンクリートの仕上げ作業の際生じた凸部分とが接触しないようにするため、コンクリートブロックと基礎コンクリートの移動路上面との隙間を高くする必要があり、必然的にモルタル、あるいはグラウト材の使用量が増えるという問題がある。
なお、横ズレ防止ガイドはコンクリートブロックの移動方向に沿って両側に形成する構成としても良い。
また、本発明に係るコンクリートブロックの敷設方法の態様は、第3の態様又は第4の態様の一のプレキャスト基版を用いたコンクリートブロックの敷設方法であって、複数のプレキャスト基版をコンクリートブロックの移動方向に沿って連続して敷設する工程と、先に敷設されたプレキャスト基版の凹部とこれに続く次位のプレキャスト基版の凹部内にフラットバーを移動方向に沿って渡設する工程と、前記プレキャスト基版のフラットバー上にコンクリートブロックを載せて牽引する工程と、を有することを特徴とする。
更に、本発明に係るコンクリートブロックの敷設方法の態様は、第5の態様又は第6の態様の一のプレキャスト基版を用いたコンクリートブロックの敷設方法であって、プレキャスト基版をコンクリートブロックの移動方向に沿って連続して敷設する工程と、先に敷設されたプレキャスト基版の凸条部の端部とこれに続く次位のプレキャスト基版の凸条部の端部との間に前記両端部同士を繋ぐ連結部材を設ける工程と、前記プレキャスト基版の凸条部上にコンクリートブロックを載せて牽引する工程と、を有することを特徴とする。
フラットバーFは単純な形状で一般的に流通している汎用品なので、コンクリートブロックBを移動させるガイド部材として凹部4に載置するだけで、固定する必要がないため、従来のガイド部材より施工コストが削減できる
図3及び図4では、本態様の各プレキャスト基版(1a、1b、1c)を3枚連設してコンクリートブロックBの移動路R(Ra、Rb、Rc)を所定の距離(本態様では8~10m)形成している。
ここで、本願明細書中の「連設」という文言については、プレキャスト基版1を連続して敷設すること、すなわち、プレキャスト基版1を敷設して連なった状態にすることのみならず、プレキャスト基版1同士を部材等で接続して連なった状態にすることも含む意で用いることとする。
図3及び図4においては、フラットバーFは各プレキャスト基版(1a、1b、1c)上に個別に載置されずに、連設された各プレキャスト基版(1a、1b、1c)によって移動方向に連続して形成される凹部4内に一本のフラットバーFが渡設される構造となっている(特に図3参照)。このような構造であれば、各プレキャスト基版(1a、1b、1c)の連設部分(繋ぎ目部分)において、多少の高低差があっても、一本のフラットバーFが各プレキャスト基版(1a、1b、1c)の各凹部4に渡って設けられているので、問題なくコンクリートブロックBが、各プレキャスト基版(1a、1b、1c)の連設部分(繋ぎ目部分)を移動することができる。
なお、図4において、コンクリートブロクBを移動する装置や移動方法、すなわち牽引する装置、牽引方法については、公知の牽引装置を使用してコンクリートブロックBを牽引することが可能である(例えば特許文献1に記載された牽引装置、牽引方法)。そのため、牽引装置や牽引方法の記載は図4のおいては省略している。
次に、3枚のプレキャスト基版1a、1b、1cの各凹部4内に移動レール3を構成するフラットバーFを載置する。この際、フラットバーFに形成されたストッパー31を一番手前のプレキャスト基版1aの前端部(紙面手前)に引っ掛ける。
次に、荷卸し位置として決められた一番手前のプレキャスト基版1aの移動レールであるフラットバーF上に、コンクリートブロックBを載置する。
その後、図示しない牽引装置により、ワイヤーロープ及び滑車を介してコンクリートブロックBを牽引して荷卸し位置から据え付け位置(図奥側)に移動させる。
同様の作業を他のコンクリートブロックBに対しても行い、所定の数のコンクリートブロックBを3枚のプレキャスト基版1a、1b、1cに並べた状態で連結させる。
連結後、コンクリートブロックBの底面B2に形成された孔B1からモルタル又はグラウト材を注入し、移動路Rの上面SとコンクリートブロックBの底面B2の下面との間の隙間dを埋めることにより、コンクリートブロックBの溝内への敷設がプレキャスト基版1と一体化された状態で完了する。
滑材としては、摩擦を低減し、滑りやすくするものであれば種類は問わない。
フラットバーFは凹部4に載置されているが、凹部4の深さよりもフラットバーFの厚さの方が厚く、フラットバーFは移動路Rの上面Sよりも上方に突出する状態に設定されており、コンクリートブロックBの底面2はフラットバーFのみに接触し、移動路Rの上面Sには接触しないようになっている。
図6には、本発明に係るプレキャスト基版1の第2の実施形態の部分断面図(a)及び第2の実施形態のプレキャスト基版1の移動用レール部分の拡大図(b)が示されている。
本態様であれば、凸条部Tをプレキャスト基版1の一部として工場でプレキャスト基版1と一体として生産できるので、フラットバーFを採用する場会に比較して施工コストを削減することができる。
なお、コンクリートブロックBを移動する(牽引する)際に、凸条部Tの上面に滑材を塗布する点については、第1の実施態様と同様である。
本発明に係るプレキャスト基版1の第3の実施形態は、第2の実施形態における凸条部Tが、プレキャスト基版1a、1bの端部まで設けられていない場合において、プレキャスト基版1a、1bを連設した際に、一方のプレキャスト基版1a側の凸条部Tの端部と他方のプレキャスト基版1b側の凸条部Tの端部との間に連結部材32を配置し、各プレキャスト基版1a、1bに設けられた凸条部Tの端部同士を連結することにより、コンクリートブロックBをスムーズに移動させる(牽引させる)ことができる。
よって、例えばプレキャスト基版1a、1bを連設した際に、先のプレキャスト基版1aと次位のプレキャスト基版1bと連設部分Aに多少高低差があっても、凸条部T同士が連結部材32を介して連結されているのでコンクリートブロックBは連結部材32の上をスムーズに移動できるようになり、結果としてコンクリートブロックBの敷設を容易とすることが可能となる。
なお、連結部材32の素材としては、第1の実施例と同様のフラットバー等が挙げられる。第1の実施例のフラットバーFを用いる場合は、図7(a)に示したようにプレキャスト基版1a、1bの各凸条部T(3)の間にフラットバーFを嵌め込む様にして載置する。
そこで、本態様では、横ズレした コンクリートブロックBを元の位置に復帰させるための調整溝5が、移動路Rの上面S上で且つ横ズレ防止ガイド2とは幅方向において反対側に設けられたフラットバーF(移動用レール3)の外側の位置に設けられている。調整溝5にバール等を挿入し、梃の原理を利用してコンクリートブロックBを横ズレ防止ガイド2の方向(図示右方向)に横ズレさせることにより、コンクリートブロックBを元の位置に復帰させることが可能となる。
なお、調整溝5は本発明に係る第1の態様から第3の態様のいずれの態様にも設けることができる。
2 :横ズレ防止ガイド
3 :移動用レール
4 :凹部
5 :調整溝
31 :ストッパー
32 :連結部材
1a、1b、1c:プレキャスト基版
A :プレキャスト基版連設部分
B :コンクリートブロック
F :フラットバー(移動用レール)
R :移動路
S :移動路の上面
T :凸条部(移動用レール)
d :隙間
B1 :孔
B2 :コンクリートブロック底面
Ra、Rb、Rc:移動路
Claims (10)
- コンクリートブロック(B)が移動する移動路(R)を有するプレキャスト基版(1)であって、
前記プレキャスト基版(1)は、少なくとも前記コンクリートブロック(B)の移動方向に沿って、前記移動方向と交差する幅方向の片側に横ズレ防止ガイド(2)が形成され、前記移動路(R)にはその上面(S)よりも上方に突出するコンクリートブロック移動用の移動用レール(3)が複数設けられていることを特徴とする、プレキャスト基版。 - 前記移動用レール(3)が、幅方向の両側(SR、SL)に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載されたプレキャスト基版。
- 前記移動用レール(3)は前記移動路(R)の上面(S)に凹部(4)を設け、該凹部(4)内にフラットバー(F)を載置したものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載されたプレキャスト基版。
- 前記フラットバー(F)の少なくとも移動方向の一方の端部にストッパー(31)が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載されたプレキャスト基版。
- 前記移動用レール(3)は、前記移動路(R)の上面(S)に凸条部(T)を一体に形成したものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載されたプレキャスト基版。
- 移動方向に沿って連続して敷設された複数のプレキャスト基版のうち、先に敷設されたプレキャスト基版(1)の凸条部(T)とこれに続く次位のプレキャスト基版(1)の凸条部(T)との間に連結部材(32)が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載されたプレキャスト基版。
- 前記横ズレ防止ガイド(2)が幅方向の片側のみに形成された場合において、前記横ズレ防止ガイド(2)の反対側に設けられた前記移動用レール(3)の外側に位置する移動路(R)の上面(S)に、コンクリートブロック調整用の調整溝(5)が設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたプレキャスト基版。
- 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載されたプレキャスト基版(1)を用いたコンクリートブロックの敷設方法であって、
移動用レール(3)が形成された複数のプレキャスト基版(1)をコンクリートブロック(B)の移動方向に沿って連続して敷設する工程と、
先に敷設されたプレキャスト基版(1)とこれに続く次位のプレキャスト基版(1)とを連設させることにより、移動方向に沿って連続する移動路(R)及び移動用レール(3)を形成する工程と、
前記プレキャスト基版(1)の移動用レール(3)上にコンクリートブロック(B)を載せた状態で牽引する工程と、を有することを特徴とする、コンクリートブロックの敷設方法。 - 請求項3又は4に記載されたプレキャスト基版(1)を用いたコンクリートブロックの敷設方法であって、
複数のプレキャスト基版(1)をコンクリートブロック(B)の移動方向に沿って連続して敷設する工程と、
先に敷設されたプレキャスト基版(1)の凹部(4)とこれに続く次位のプレキャスト基版(1)の凹部(4)内にフラットバー(F)を移動方向に沿って渡設する工程と、
前記プレキャスト基版(1)のフラットバー(F)上にコンクリートブロック(B)を載せて牽引する工程と、を有することを特徴とする、コンクリートブロックの敷設方法。 - 請求項5又は6のいずれか1項に記載されたプレキャスト基版(1)を用いたコンクリートブロックの敷設方法であって、
プレキャスト基版(1)をコンクリートブロック(B)の移動方向に沿って連続して敷設する工程と、
先に敷設されたプレキャスト基版(1)の凸条部(T)の端部とこれに続く次位のプレキャスト基版(1)の凸条部(T)の端部との間に前記両端部同士を繋ぐ連結部材(32)を設ける工程と、
前記プレキャスト基版(1)の凸条部(T)上にコンクリートブロック(B)を載せて牽引する工程と、を有することを特徴とする、コンクリートブロックの敷設方法。
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