JP7303704B2 - ウェーハの分割方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェーハの分割方法に関する。
半導体ウェーハ等に対する切削加工では、表面の格子状のストリートで区画された領域にデバイスが形成されているウェーハの裏面にダイシングテープを貼着し、チャックテーブルにダイシングテープを介してウェーハを保持させ、切削ブレードでストリートに沿ってウェーハを切削してチップを形成している(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-157748号公報 特開2012-091245号公報
切削後のチップは、ダイボンディング等の為にダイシングテープから剥がされる。この際、チップにダイシングテープの糊が付着しデバイス製造において糊の付着が接触不良を招くと言う問題がある。
また、ウェーハは、切削加工前に所定の厚み20μm~100μmになるように裏面が研削されている。この研削によってウェーハに研削歪みが生じ、研削された裏面側が凹むように湾曲することがある。ウェーハを切削をするために、ダイシングテープはこの湾曲を矯正させるための強い粘着力が必要となる。この糊の強い粘着力がチップに糊を付着させる要因となっている。
よって、ウェーハをチップに分割する場合には、ウェーハを分割加工した後のチップに糊を付着させないようにするという解決すべき課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、一方の面に形成される複数のデバイスを区画する格子状のストリートを備えるウェーハの該一方の面に保護テープが貼着され、チャックテーブルによって該保護テープを介して保持され該一方の面に対して反対側の他方の面が研削砥石で研削された該ウェーハを、該ストリートに沿って分割手段で分割するウェーハの分割方法であって、該ウェーハを保持させる基台の上面に水を滴下させる水供給工程と、該ウェーハに貼着された該保護テープを該基台の上面に滴下させた該水に接触させ、該基台の上面と該保護テープとの間に該水を行きわたらせ、該水の表面張力により該ウェーハを平坦にして該基台の上面に保持させる保持工程と、該基台に保持された該ウェーハを囲繞するように該ウェーハの外径より大きい内径の開口を有するリングフレームをリングフレーム支持台に支持させ該ウェーハと略同じ高さに位置づけるフレーム配置工程と、上方から該リングフレームの開口と該基台に保持された該ウェーハとをポリオレフィン系のフィルムで覆うフィルム配置工程と、該ウェーハと、該リングフレームと、該フィルムとを室内に収容させ該室内を減圧させる減圧工程と、減圧された該室内で、該フィルムを該ウェーハに押し付け該フィルム又は該ウェーハを加熱し、該フィルムと該ウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、さらに、該フィルムと該リングフレームとを接着させ、該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化しワークセットを形成する一体形成工程と、該ワークセットを該室から取り出し、該一方の面に貼着されている該保護テープを剥離させる保護テープ剥離工程と、該保護テープが剥離された該ワークセットを分割装置のチャックテーブルに保持させ、該ストリートに沿って該分割手段で該ウェーハを分割する分割工程と、を備えるウェーハの分割方法である。
前記一体形成工程は、前記フィルムを前記リングフレームに押し付け該フィルム又は該リングフレームを加熱し、該フィルムと該リングフレームとを熱接着させると好ましい。
本発明に係るウェーハの分割方法は、前記フィルムは、前記リングフレームに対応した環状の糊を備え、前記減圧工程前までに、該糊を介して該フィルムを該リングフレームに貼着して該リングフレームの開口を該フィルムで塞ぎフレームセットを形成するフレームセット形成工程と、該減圧工程は、前記ウェーハと該フレームセットとを前記室内に収容させ該室内を減圧させ、前記一体形成工程は、減圧された該室内で、該フィルムを該ウェーハに押し付け該フィルム又は該ウェーハを加熱し、該フィルムと該ウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化させ前記ワークセットを形成すると好ましい。
本発明に係るウェーハの分割方法は、前記フィルムは、前記リングフレームに対応した環状の糊と、前記ウェーハの他方の面の外周領域に対応した環状の外周糊とを備え、前記減圧工程前までに、該糊を介して該フィルムを該リングフレームに貼着して該リングフレームの開口を該フィルムで塞ぎフレームセットを形成するフレームセット形成工程と、該減圧工程は、該ウェーハと該フレームセットとを前記室内に収容させ該室内を減圧させ、前記一体形成工程は、減圧された該室内で、該フィルムを該ウェーハに押し付け該外周糊を該ウェーハの他方の面の外周領域に接着させ該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化させ該ウェーハの他方の面の中央領域と該フィルムとは未接着とする仮接着工程と、該仮接着工程の後、該フィルム又は該ウェーハを加熱し、該フィルムと該ウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化させ前記ワークセットを形成する熱接着工程と、を備えると好ましい。
本発明に係るウェーハの分割方法は、ウェーハに貼着された保護テープを水供給工程で基台の上面に滴下させた水に接触させ、基台の上面と保護テープとの間に水を行きわたらせ、水の表面張力によりウェーハを平坦にして基台の上面に保持させる保持工程と、基台に保持されたウェーハを囲繞するようにリングフレームをリングフレーム支持台に支持させウェーハと略同じ高さに位置づけるフレーム配置工程と、リングフレームの開口と基台に保持されたウェーハとをポリオレフィン系のフィルムで覆うフィルム配置工程と、減圧工程により減圧された室内で、フィルムをウェーハに押し付けフィルム又はウェーハを加熱し、フィルムとウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、さらに、フィルムとリングフレームとを接着させ、ウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化しワークセットを形成する一体形成工程と、保護テープ剥離工程で保護テープが剥離されたワークセットをストリートに沿って分割手段でウェーハを分割する分割工程と、を備えることで、例えば研削加工によって反りが発生したウェーハを、保持工程において基台の上に滴下した水の表面張力で反りを矯正させた状態にし、ウェーハとリングフレームとに例えばダイシングテープとして機能するフィルムを空気が入り込まないように貼着させ一体化させることが可能となる。さらに、ウェーハに貼着されたフィルムは、糊によってウェーハに貼着されているのでは無いため、ウェーハの分割加工後に、フィルムからチップを剥離させるときにチップの糊残りを発生させないようにすることが可能となる。
一体形成工程は、フィルムをリングフレームに押し付けフィルム又はリングフレームを加熱することで、フィルムとリングフレームとを熱接着させることができる。
本発明に係るウェーハの分割方法は、フィルムは、リングフレームに対応した環状の糊を備え、減圧工程前までに、糊を介してフィルムをリングフレームに貼着してリングフレームの開口をフィルムで塞ぎフレームセットを形成するフレームセット形成工程を実施することで、フィルムをリングフレームを介してハンドリングできるようになるため、フィルムの取り扱いを容易にすることができる。さらに、減圧工程は、ウェーハとフレームセットとを室内に収容させ室内を減圧させ、一体形成工程は、減圧された室内で、フィルムをウェーハに押し付けフィルム又はウェーハを加熱し、フィルムとウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、ウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化させワークセットを形成することで、ウェーハに貼着されたフィルムは、糊によってウェーハに貼着されているのでは無いため、ウェーハの分割加工後に、フィルムからチップを剥離させるときにチップの糊残りを発生させないようにすることが可能となる。
本発明に係るウェーハの分割方法は、フィルムは、リングフレームに対応した環状の糊と、ウェーハの他方の面の外周領域に対応した環状の外周糊とを備え、減圧工程前までに、糊を介してフィルムをリングフレームに貼着してリングフレームの開口をフィルムで塞ぎフレームセットを形成するフレームセット形成工程を実施することで、フィルムをリングフレームを介してハンドリングできるようになるため、フィルムの取り扱いを容易にすることができる。さらに、減圧工程は、ウェーハとフレームセットとを室内に収容させ室内を減圧させ、一体形成工程は、減圧された室内で、フィルムをウェーハに押し付け外周糊をウェーハの他方の面の外周領域に接着させウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化させウェーハの他方の面の中央領域とフィルムとは未接着とする仮接着工程と、仮接着工程の後、フィルム又はウェーハを加熱し、フィルムとウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、ウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化させワークセットを形成する熱接着工程と、を備えることで、ウェーハが分割されたデバイスチップに貼着されたフィルムは、糊によって各チップに貼着されているのでは無いため、フィルムからチップを剥離させるときにチップの糊残りを発生させないようにすることが可能となる。
ウェーハの一例を示す斜視図である。 ウェーハを保持させる基台の上面に水を滴下させている状態を示す側面図である。 ウェーハに貼着された保護テープを基台の上面に滴下させた水に接触させる状態を示す断面図である。 基台の上面と保護テープとの間に水を行きわたらせ、水の表面張力によりウェーハを平坦にして基台の上面に保持させ、リングフレームをリングフレーム支持台に支持させウェーハと略同じ高さに位置づけた状態を示す断面図である。 上方からリングフレームの開口と基台に保持されたウェーハとをフィルムで覆う状態を説明する断面図である。 ウェーハと、リングフレームと、フィルムとを室内に収容させ、室内を減圧させる場合を説明する断面図である。 減圧された室内で、フィルムをウェーハに押し付けフィルム又はウェーハを加熱し糊を用いずに熱接着させ、さらに、フィルムをリングフレームに押し付けフィルム又はリングフレームを加熱し熱接着させ、ウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化しワークセットを形成する場合を説明する断面図である。 室内から取り出されたワークセットの断面図である。 ワークセットのウェーハの一方の面に貼着されている保護テープを剥離している状態を説明する断面図である。 保護テープが剥離されたワークセットを分割装置のチャックテーブルに保持させ、ストリートに沿って分割手段でウェーハを分割している状態を説明する断面図である。 ピックアップ装置を用いて、フィルムからチップをピックアップしている状態を説明する断面図である。 環状の糊を介してフィルムをリングフレームに貼着してリングフレームの開口をフィルムで塞ぎ第2のフレームセットを形成する場合を説明する断面図である。 第2のフレームセットのウェーハに貼着された保護テープを基台の上面に滴下させた水に接触させた状態を示す断面図である。 上方からリングフレームの開口と基台に保持されたウェーハとがフィルムで覆われた状態を説明する断面図である。 ウェーハと、第2のフレームセットとを室内に収容させ、室内を減圧させる場合を説明する断面図である。 減圧された室内で、フィルムをウェーハに押し付けフィルム又はウェーハを加熱し糊を用いずに熱接着させ、ウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化しワークセットを形成する場合を説明する断面図である。 環状の糊を介して外周糊を備えたフィルムをリングフレームに貼着してリングフレームの開口をフィルムで塞ぎ第3のフレームセットを形成する場合を説明する断面図である。 第3のフレームセットのウェーハに貼着された保護テープを基台の上面に滴下させた水に接触させた状態を示す断面図である。 上方からリングフレームの開口と基台に保持されたウェーハとがフィルムで覆われた状態を説明する断面図である。 ウェーハと、第3のフレームセットとを室内に収容させ、室内を減圧させる場合を説明する断面図である。 減圧された室内で、フィルムをウェーハに押し付け外周糊をウェーハの他方の面の外周領域に接着させウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化させウェーハの他方の面の中央領域とフィルムとは未接着とする場合を説明する断面図である。 仮接着工程の後、フィルム又はウェーハを加熱し、フィルムとウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、ウェーハとリングフレームとフィルムとを一体化させワークセットを形成する場合を説明する断面図である。
図1に示すウェーハWは、例えば、シリコンを母材とする外形が円形の半導体ウェーハであり、図1において下側を向いている一方の面Waは、保護テープT1が貼着されて保護されている。なお、ウェーハWはシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、セラミックス、樹脂、窒化ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよい。
ウェーハWの一方の面Waには、デバイス領域Wa1と、デバイス領域Wa1を囲繞する外周余剰領域Wa2とが設けられている。デバイス領域Wa1は、直交差する複数のストリートSで格子状に区画されており、格子状に区画された各領域にはIC等のデバイスDがそれぞれ形成されている。
ウェーハWの一方の面Waに対してZ軸方向において反対側となる他方の面Wbは、公知の研削装置(例えば、特許文献2参照)を用いて研削されている。即ち、ウェーハWは、例えば特許文献2に記載されている研削装置のチャックテーブルによって、保護テープT1を介して保持され、他方の面Wbが研削砥石で研削されることで、例えば、厚み20μm~100μmまで薄化された状態になっている。
ウェーハWの外周余剰領域Wa2に対応する他方の面Wbの外周領域を、他方の面Wbの外周領域Wb2とし、他方の面Wbの外周領域Wb2よりも内側の領域を、他方の面Wbの中央領域Wb1とする。
研削が施されたウェーハWは、研削歪みを有した状態になっている。即ち、ウェーハWの他方の面Wbの中央領域Wb1から外周領域Wb2に向かって徐々に上側に反っていくことで、中凹み状に湾曲している。
(実施形態1)
以下に、本発明に係るウェーハの分割方法を実施して、図1に示すウェーハWをストリートSに沿って分割する場合の各工程について説明していく。本実施形態を実施形態1とする。
(1)水供給工程
図2に示す基台10は、本分割方法において最初にウェーハWを保持する基台である。基台10は、例えば、平面視でウェーハWよりも大径の円形状となっており、平坦な上面10aでウェーハWを保持する。
例えば、基台10の側面には、径方向外側に水平に延在する連結板100が連結されており、連結板100の上面には、平面視円環状のリングフレーム支持台11が固定されている。リングフレーム支持台11は、平坦な上面11aでリングフレームを支持する。
例えば、リングフレーム支持台11の上面11aの高さは、ウェーハWを基台10の上面10aで保持し、リングフレーム支持台11の上面11aでリングフレームを保持した場合に、リングフレームの上面とウェーハWの上面となる他方の面Wbが略同一の高さになるように設定されている。
水供給工程においては、図2に示すように、水(例えば、純水)を送出する水供給源12に連通する水供給ノズル120が、例えば、基台10の上面10aの中央上方に位置づけられる。そして、水供給源12が水J1を送出して、水供給ノズル120から上面10aに向けて水J1が適量滴下される。例えば、水J1が基台10の上面10a中央に膜状に所定量堆積したら、水供給ノズル120が水J1の供給を停止する。そして、水供給ノズル120は、基台10の上方から外側に退避する。
(2)保持工程
図示しない搬送パッドにより図1に示すウェーハWが吸引保持され、若しくは、図示しないクランプによりウェーハWがエッジクランプされ、又は、作業者によってウェーハWが保持されて搬送され、ウェーハWが、図3に示すように基台10の上面10a上方に位置づけられる。ウェーハWは、保護テープT1が下側を向けられた状態となっており、また、ウェーハWの中心と基台10の上面10aの中心とは略合致した状態になる。
その後、ウェーハWが基台10の上面10aに向かって下ろされていき、ウェーハWに貼着された保護テープT1が基台10の上面10aの水J1に接触すると共に、基台10の上面10a上にウェーハWが載置される。その結果、上面10a上の水J1がウェーハWで押圧され、ウェーハWの下面である一方の面Waに貼着された保護テープT1の下面と上面10aとの間を径方向外側に向かって広がっていく。そして、基台10の上面10aと保護テープT1の下面全面との間に水J1が行きわたり、水J1の表面張力により、図示しない搬送パッド等がウェーハWを離間しても、中凹み状に湾曲していたウェーハWが、平坦な状態で基台10の上面10aによって保持された状態になる。
(3)フレーム配置工程
図4に示すリングフレームFは、例えば、SUS等で構成されており環状平板状に形成されており、ウェーハWの外径よりも大きい内径の円形の開口Fcを備えている。
リングフレームFが、図示しないリングフレーム搬送手段、又は作業者によって、リングフレーム支持台11の上面11aに載置され、リングフレーム支持台11によって支持される。そして、基台10に保持されたウェーハWが、リングフレームFの開口Fc内に位置づけられて、リングフレームFに囲繞された状態になる。リングフレームFの開口Fcの中心とウェーハWの中心とは略合致し、また、リングフレームFの上面とウェーハWの上面である他方の面Wbとは、略同じ高さに位置づけられた状態になる。
(4)フィルム配置工程
図5に示すフィルムT2は、ポリオレフィン系の樹脂フィルムであり、柔軟性を有し、表裏面が平坦となっている。そして、フィルムT2は、リングフレームFの開口Fcの内径よりも大きい直径を有し、ウェーハWを貼着させる糊層を備えない。フィルムT2は、アルケンをモノマーとして合成されるポリマーのシートであり、例えば、ポリエチレンシート、又はポリプロピレンシート等の可視光に対して透明または半透明なシートである。ただし、ポリオレフィン系のフィルムT2はこれに限定されず、不透明でもよい。
ポリオレフィン系のフィルムT2は、糊層を備えないため室温ではウェーハWに貼着できない。しかしながら、ポリオレフィン系のフィルムT2は熱可塑性を有するため、所定の圧力を印加し押圧しながらウェーハWと接合させた状態で融点近傍の温度まで加熱すると、部分的に溶融してウェーハWに接着できる。なお、ポリエチレンフィルムの加熱温度は120℃~140℃であり、ポリプロピレンフィルムの加熱温度は160℃~180℃である。
図5に示すフィルムT2は、ポリエステル系の樹脂フィルムであってもよい。ポリエステル系のフィルムT2は、ジカルボン酸(2つのカルボキシル基を有する化合物)と、ジオール(2つのヒドロキシル基を有する化合物)と、をモノマーとして合成されるポリマーのフィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、または、ポリエチレンナフタレートフィルム等の可視光に対して透明または半透明なフィルムである。ただし、ポリエステル系のフィルムT2はこれに限定されず、不透明でもよい。
ポリエステル系のフィルムT2は、糊層を備えないため室温ではウェーハWに貼着できない。しかしながら、ポリエステル系のフィルムT2は熱可塑性を有するため、所定の圧力を印加し押圧しながらウェーハWと接合させた状態で融点近傍の温度まで加熱すると、部分的に溶融してウェーハWに接着できる。
また、フィルムT2は、糊層を備えないポリスチレンフィルムであってもよく、この場合のフィルムT2の加熱温度は220℃~240℃である。
フィルム配置工程では、図5に示すように、図示しないフィルム搬送手段によって搬送されるフィルムT2が、ウェーハWの上方に互いの中心が略合致するように位置付けられる。そして、フィルムT2が下ろされて、リングフレームFの開口Fcと基台10に保持されたウェーハWとがフィルムT2で覆われる。
(5)減圧工程
次に、図6に示す室2内に、例えば、ウェーハWを保持した基台10が搬入される。なお、基台10は予め室2内に収容されており、(1)水供給工程から(4)フィルム配置工程までが、室2内で行われてもよい。
室2は、例えば、内部空間を真空雰囲気にすることが可能な真空チャンバであり、室2の天板20には室2の内部に連通する吸引管200が配設されており、この吸引管200には室2内の空気を吸引する真空ポンプ201が接続されている。真空ポンプ201を作動させることで、室2の内部を所定の真空雰囲気まで減圧することができる。
室2の側壁21には、搬入出口211と、この搬入出口211を開閉するシャッター212とが設けられており、シャッター212は、シリンダー機構等のシャッター昇降手段213によって昇降可能となっている。
室2の底板22上に位置付けられた基台10及びリングフレーム支持台11の上方には、ヒータ230を内蔵する平面視円形の押圧パッド23が配設されている。押圧パッド23は、例えば、リングフレーム支持台11の外径よりも大径に形成されている。電源231が接続されたヒータ230は、例えば、伝熱線等で構成される伝熱ヒータであるが、これに限定されず、短時間でフィルムT2又はウェーハWを加熱できるものが好ましい。
押圧パッド23は、シリンダー機構等のパッド昇降手段24によって、室2内を昇降可能となっている。
減圧工程においては、図6に示すシャッター212がシャッター昇降手段213によって閉じられて、真空ポンプ201による室2内の空気の吸引が行われ、ウェーハW、リングフレームF、フィルムT2、及び基台10等が収容された室2内が例えば真空雰囲気まで減圧される。
(6)一体形成工程
次に、減圧されて例えば真空雰囲気になった室2内において、パッド昇降手段24が押圧パッド23を所定の下降速度で降下させていき、押圧パッド23によってフィルムT2をウェーハWの上面である他方の面Wbに押し付けると共に、押圧パッド23によってフィルムT2をリングフレームFの上面に押し付ける。室2内は、減圧されて例えば真空雰囲気となっているため、フィルムT2とウェーハWの他方の面Wbとの間、及びフィルムT2とリングフレームFの上面との間に空気が入りこんでしまうことが無い。また、水J1の表面張力により、中凹み状に湾曲していたウェーハWは平坦な状態で基台10の上面10aによって保持された状態となっているので、フィルムT2がウェーハWの他方の面Wb全面に押し付けられる。
なお、減圧されて例えば真空雰囲気になった室2内で、押圧パッド23によってウェーハWをフィルムT2に押圧しているので、水J1が室2内の減圧によって気化して無くなることはない。
この状態で、電源231から電力が供給されたヒータ230が発熱して、本実施形態においては押圧パッド23を介してフィルムT2とウェーハWとが所定の温度、即ち、フィルムT2がポリエチレンフィルムである場合には100℃~140℃に加熱され、フィルムT2とウェーハWとが糊を用いずに熱接着される。また、本実施形態においては、押圧パッド23を介してフィルムT2とリングフレームFとが熱接着される。そして、ウェーハWとリングフレームFとフィルムT2とが一体化したワークセットWSが形成される。
なお、ヒータ230は、フィルムT2又はウェーハWの少なくともいずれか一方を、また、フィルムT2とリングフレームFの少なくともいずれか一方を加熱できればよいため、押圧パッド23内に配設されていなくてもよく、例えば、ヒータを遠赤外線ヒータとして、ヒータから赤外線を押圧パッド23で押圧されているフィルムT2に直接照射して加熱してもよい。
(7)保護テープ剥離工程
図示しない搬出パッド又は作業者によって、ワークセットWSが常圧に戻された室2内から取り出される。ワークセットWSは、基台10ごと室2内から取り出されてもよいし、図8に示すようにワークセットWSのみが室2内から取り出されてもよい。例えば、基台10上からワークセットWSを離脱させることは、基台10上において水J1による表面張力でウェーハWが保持されているため、上面10aとフィルムT2との間にエアを進入させるなどして、容易に行うことができる。その後、例えば、図9に示すように、ワークセットWSは、上下反転されて保護テープT1を上側に向けた状態でテープ剥離台30によって吸引保持、又はテープ剥離台30の周囲に配設された図示しない固定クランプによってリングフレームFがクランプ固定される。
例えば、図9に示すように、テープ剥離クランプ31が保護テープT1の外周縁を把持した状態で、テープ剥離クランプ31又はテープ剥離台30の少なくともどちらか一方が相対的に水平方向に移動することで、保護テープT1がテープ剥離クランプ31により引っ張られて、ウェーハWの一方の面Waから剥離される。
なお、保護テープT1のウェーハWからの剥離は、保護テープT1に剥離用テープを貼着させて、剥離用テープを引っ張ることで行われてもよい。
(8)分割工程
図示しない搬出パッド又は作業者によって、保護テープT1が剥離されたワークセットWSは、図10に示す分割装置4に搬送される。図10に示す分割装置4は、例えば、分割手段である回転する切削ブレード40と、ワークセットWSを平坦な保持面410で吸引保持可能なチャックテーブル41とを備えた切削装置であるが、これに限定されるものではなく、レーザー照射によってウェーハWを分割可能なレーザー加工装置であってもよい。
分割装置4において、ワークセットWSは、チャックテーブル41の保持面410にウェーハWを上側に向けた状態で吸引保持される。そして、回転する切削ブレード40によってストリートSに沿ってウェーハWが切削されていき、デバイスDを備える個々のチップC(図11参照)に分割される。
次いで、ワークセットWSは、分割装置4から図11に示すピックアップ装置5に搬送される。ピックアップ装置5は、図示しないクランプ等でリングフレームFを固定し、例えば、Z軸方向に昇降可能なニードル50で、チップCを下側からフィルムT2を介して突き上げ、チップCがフィルムT2から浮き上がったところを吸引パッド51で吸引保持してピックアップする装置である。
ピックアップ装置5を用いたチップCのフィルムT2からのピックアップにおいては、フィルムT2は糊層によってチップCに貼着されているのではないため、フィルムT2からチップCを剥離する時にチップCに糊残りが発生することはない。
(実施形態2)
以下に、本発明に係るウェーハの分割方法を実施して、図1に示すウェーハWをストリートSに沿って分割する場合の各工程について説明していく。本実施形態を実施形態2とする。
実施形態2のウェーハの分割方法において用いる図12に示すフィルムT3(以下、環状糊有りフィルムT3とする)は、例えば、先に説明したフィルムT2にリングフレームFに対応した環状の糊P1を配設したものである。即ち、環状糊有りフィルムT3は、図12における下面の外周領域に所定の厚みの糊P1が環状に形成されている。糊P1の種類は特に限定されるものではないが、例えば、紫外線が照射されることで硬化して粘着力が低下するUV硬化糊等を用いてもよい。
(1)フレームセット形成工程
本実施形態2のウェーハの分割方法においては、まず、フレームセット形成工程を実施する。
即ち、図12に示すように、図示しないテーブル上において、糊P1を介して環状糊有りフィルムT3がリングフレームFに貼着されリングフレームFの開口Fcが環状糊有りフィルムT3で塞がれたフレームセットFS2(以下、第2のフレームセットFS2とする)が形成される。第2のフレームセットFS2において、リングフレームFの開口Fcの中心と、フィルムT2の中心とは略合致した状態になっている。
このように、環状糊有りフィルムT3を、リングフレームFを介してハンドリング可能な第2のフレームセットFS2とすることで、後に行う各工程において、リングフレームFを介して環状糊有りフィルムT3をハンドリングできるので、環状糊有りフィルムT3の取り扱いが容易となる。
(2)水供給工程、(3)保持工程、(4)フレーム配置工程、及び(5)フィルム配置工程
実施形態1において説明した水供給工程、保持工程、フレーム配置工程、及びフィルム配置工程は、実施形態2においても略同様に実施される。
即ち、図13に示すように、水供給工程が実施され、ウェーハWを保持させる基台10の上面10aに水J1が滴下され、膜状に水J1が堆積した後、保持工程が実施され、ウェーハWに貼着された保護テープT1が基台10の上面10aの水J1に接触すると共に、基台10の上面10a上にウェーハWが載置される。そして、水J1の表面張力により、中凹み状に湾曲していたウェーハWが、平坦な状態で基台10の上面10aによって保持された状態になる。
さらに、フレーム配置工程とフィルム配置工程とが並行して実施される。即ち、図14に示すように、図示しないリングフレーム搬送手段、又は作業者によって、リングフレーム支持台11の上面11aに第2のフレームセットFS2のリングフレームFが載置され、リングフレーム支持台11によって支持される。そして、基台10に保持されたウェーハWが、リングフレームFの開口Fc内に位置づけられて、リングフレームFに囲繞された状態になる。リングフレームFの開口Fcの中心とウェーハWの中心とは略合致する。また、リングフレームFの開口Fcと基台10に保持されたウェーハWとが、ポリオレフィン系の環状糊有りフィルムT3で覆われる。
(6)減圧工程
次に、図15に示すように、室2内に、例えば、ウェーハWを保持した基台10及び第2のフレームセットFS2を支持するリングフレーム支持台11が搬入される。なお、基台10及びリングフレーム支持台11は、予め室2内に収容されており、(2)水供給工程から(5)フィルム配置工程までが、室2内で行われてもよい。
また、先に説明したフレームセット形成工程は、少なくとも本減圧工程前までに実施されていればよく、本実施形態2のウェーハの分割方法のように、一番初めに実施されていなくてもよい。
図15に示すシャッター212がシャッター昇降手段213によって閉じられて、真空ポンプ201による室2内の空気の吸引が行われ、ウェーハW、第2のフレームセットFS2、及び基台10等が収容された室2内が例えば真空雰囲気まで減圧される。
(7)一体形成工程
次に、減圧されて例えば真空雰囲気になった室2内において、図16に示すように、パッド昇降手段24が押圧パッド23を所定の下降速度で降下させていき、押圧パッド23によって環状糊有りフィルムT3の糊の無い領域をウェーハWの上面である他方の面Wbに押し付ける。室2内は、減圧されて真空雰囲気となっているため、環状糊有りフィルムT3とウェーハWの他方の面Wbとの間に空気が入りこんでしまうことが無い。また、水J1の表面張力により、中凹み状に湾曲していたウェーハWは平坦な状態で基台10の上面10aによって保持された状態となっているので、環状糊有りフィルムT3の糊の無い領域がウェーハWの他方の面Wb全面に押し付けられる。
この状態で、電源231から電力が供給されたヒータ230が発熱して、本実施形態においては押圧パッド23を介して環状糊有りフィルムT3の糊の無い領域とウェーハWとが所定の温度、即ち、環状糊有りフィルムT3がポリエチレンフィルムである場合には100℃~140℃に加熱され、環状糊有りフィルムT3の糊の無い領域とウェーハWとが糊を用いずに熱接着されることで、ウェーハWとリングフレームFと環状糊有りフィルムT3とが一体化されワークセットが形成される。
なお、ヒータ230は、環状糊有りフィルムT3の糊の無い領域又はウェーハWの少なくともいずれか一方を加熱できればよいため、押圧パッド23内に配設されていなくてもよく、例えば、ヒータを遠赤外線ヒータとして、ヒータから赤外線を押圧パッド23で押圧されている環状糊有りフィルムT3の糊の無い領域に直接照射して加熱してもよい。
(8)保護テープ剥離工程~(9)分割工程
実施形態1において説明した保護テープ剥離工程、及び分割工程は、実施形態2においても略同様に実施される。そして、図16に示すウェーハWは、デバイスDを備える個々のチップに分割され、例えば、図11に示すピックアップ装置5でチップがピックアップされる。
ピックアップ装置5を用いたチップの環状糊有りフィルムT3からのピックアップにおいては、ウェーハWが分割されたチップは環状糊有りフィルムT3に糊によって貼着されているのではないため、環状糊有りフィルムT3からチップを剥離する時にチップに糊残りが発生することはない。
(実施形態3)
以下に、本発明に係るウェーハの分割方法を実施して、図1に示すウェーハWをストリートSに沿って分割する場合の各工程について説明していく。本実施形態を実施形態3とする。
実施形態3のウェーハの分割方法において用いる図17に示すフィルムT4(以下、外周糊有りフィルムT4とする)は、例えば、先に説明したフィルムT2にリングフレームFに対応した環状の糊P1を配設し、かつ、図1に示すウェーハWの他方の面Wbの外周領域Wb2に対応した環状の外周糊P2を配設したものである。即ち、外周糊有りフィルムT4は、図17における下面の外周領域に所定の厚みの糊P1が環状に形成されていると共に、環状の糊P1が配設されている領域よりもさらに内側の領域に所定の厚みの外周糊P2が環状に形成されている。糊P1及び外周糊P2の種類は特に限定されるものではないが、例えば、紫外線が照射されることで硬化して粘着力が低下するUV硬化糊等を用いてもよい。
(1)フレームセット形成工程
本実施形態3のウェーハの分割方法においては、まず、フレームセット形成工程を実施する。
即ち、図17に示すように、図示しないテーブル上において、糊P1を介して外周糊有りフィルムT4がリングフレームFに貼着されリングフレームFの開口Fcが外周糊有りフィルムT4で塞がれたフレームセットFS3(以下、第3のフレームセットFS3とする)が形成される。第3のフレームセットFS3において、リングフレームFの開口Fcの中心と、フィルムT2の中心とは略合致した状態になっている。
このように、外周糊有りフィルムT4を、リングフレームFを介してハンドリング可能な第3のフレームセットFS3とすることで、後に行う各工程において、リングフレームFを介して外周糊有りフィルムT4をハンドリングできるので、外周糊有りフィルムT4の取り扱いが容易となる。
(2)水供給工程、(3)保持工程、(4)フレーム配置工程、及び(5)フィルム配置工程
実施形態1において説明した水供給工程、保持工程、フレーム配置工程、及びフィルム配置工程は、実施形態3においても略同様に実施される。
即ち、図18に示すように、水供給工程が実施され、ウェーハWを保持させる基台10の上面10aに水J1が滴下され、膜状に水J1が堆積した後、保持工程が実施され、ウェーハWに貼着された保護テープT1が基台10の上面10aの水J1に接触すると共に、基台10の上面10a上にウェーハWが載置される。そして、水J1の表面張力により、中凹み状に湾曲していたウェーハWが、平坦な状態で基台10の上面10aによって保持された状態になる。
さらに、フレーム配置工程とフィルム配置工程とが並行して実施される。即ち、図19に示すように、図示しないリングフレーム搬送手段、又は作業者によって、リングフレーム支持台11の上面11aに第3のフレームセットFS3のリングフレームFが載置され、リングフレーム支持台11によって支持される。そして、基台10に保持されたウェーハWが、リングフレームFの開口Fc内に位置づけられて、リングフレームFに囲繞された状態になる。リングフレームFの開口Fcの中心とウェーハWの中心とは略合致した状態になる。また、リングフレームFの開口Fcと基台10に保持されたウェーハWとが、ポリオレフィン系の外周糊有りフィルムT4で覆われる。
なお、フレーム配置工程及びフィルム配置工程が実施されることで、外周糊P2は、ウェーハWの他方の面Wbの外周領域Wb2に接触してもよいし、外周領域Wb2の上方に位置付けられた状態になってもよい。
(6)減圧工程
次に、図20に示すように、室2内に、例えば、ウェーハWを保持した基台10及び第3のフレームセットFS3を支持するリングフレーム支持台11が搬入される。なお、基台10及びリングフレーム支持台11は、予め室2内に収容されており、(2)水供給工程から(5)フィルム配置工程までが、室2内で行われてもよい。
また、先に説明したフレームセット形成工程は、少なくとも本減圧工程前までに実施されていればよく、本実施形態3のウェーハの分割方法のように、一番初めに実施されていなくてもよい。
図20に示すシャッター212がシャッター昇降手段213によって閉じられて、真空ポンプ201による室2内の空気の吸引が行われ、ウェーハW、第3のフレームセットFS3、及び基台10等が収容された室2内が例えば真空雰囲気になる。
(7-1)一体形成工程における仮接着工程
図20に示す押圧パッド23Aは、例えば、内部にヒータを備えていない構成となっている。
次に、減圧されて例えば真空雰囲気になった室2内において、パッド昇降手段24が押圧パッド23Aを所定の下降速度で降下させていき、押圧パッド23Aによって外周糊有りフィルムT4をウェーハWに押し付け、外周糊有りフィルムT4の外周糊P2をウェーハWの他方の面Wbの外周領域Wb2に接着させる。その結果、ウェーハWとリングフレームFと外周糊有りフィルムT4とが一体化され、また、ウェーハWの他方の面Wbの中央領域Wb1と外周糊有りフィルムT4とは未接着となる。なお、室2内は、減圧されて例えば真空雰囲気となっているため、外周糊有りフィルムT4とウェーハWの他方の面Wbとの間に空気が入りこんでしまうことが無い。
(7-2)一体形成工程における熱接着工程
図示しない搬出パッド又は作業者によって、リングフレームF及び外周糊有りフィルムT4と一体化されたウェーハWが、常圧に戻された室2内から取り出される。なお、基台10上からウェーハWを離脱させることは、基台10上において水J1による表面張力でウェーハWが保持されているため、上面10aと外周糊有りフィルムT4との間にエアを進入させるなどして、容易に行うことができる。
その後、例えば、図22に示すように、リングフレームF及び外周糊有りフィルムT4と一体化されたウェーハWは、ヒータテーブル60上に上下反転されて保護テープT1を上側に向けた状態で吸引保持される、又はヒータテーブル60の周囲に配設された図示しない固定クランプによってリングフレームFがクランプ固定される。
ヒータテーブル60は、例えば、電源601が接続されたヒータ600を内蔵している。ヒータ600は、例えば、伝熱線等で構成される伝熱ヒータであるが、これに限定されず、短時間で外周糊有りフィルムT4又はウェーハWを加熱できるものが好ましい。
電源601から電力が供給されたヒータ600が発熱して、本実施形態においては外周糊有りフィルムT4のウェーハWの他方の面Wbの中央領域Wb1に対応した糊の無い領域とウェーハWとが所定の温度、即ち、外周糊有りフィルムT4がポリエチレンフィルムである場合には100℃~140℃に加熱され、外周糊有りフィルムT4の糊の無い領域とウェーハWとが糊を用いずに熱接着されることで、ウェーハWとリングフレームFと外周糊有りフィルムT4とが一体化されワークセットが形成される。
なお、ヒータ600は、外周糊有りフィルムT4又はウェーハWの少なくともいずれか一方を加熱できればよいため、ヒータテーブル60に配設されていなくてもよく、例えば、ヒータを遠赤外線ヒータとして、ウェーハWの上方から外周糊有りフィルムT4に遠赤外線を直接照射して加熱してもよい。
(8)保護テープ剥離工程~(9)分割工程
実施形態1において説明した保護テープ剥離工程、及び分割工程は、実施形態3においても略同様に実施される。そして、図22に示すウェーハWは、デバイスDを備える個々のチップに分割され、例えば、図11に示すピックアップ装置5でチップがピックアップされる。
ピックアップ装置5を用いたチップの外周糊有りフィルムT4からのピックアップにおいては、ウェーハWが分割されたチップは外周糊有りフィルムT4に糊によって貼着されているのではないため、外周糊有りフィルムT4からチップを剥離する時にチップに糊残りが発生することはない。
なお、本発明に係るウェーハの分割方法は上記実施形態1、2及び3に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている各装置の構成等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
W:ウェーハ Wa:一方の面 S:ストリート D:デバイス Wa1:デバイス領域 Wa2:外周余剰領域
Wb:他方の面 Wb1:中央領域 Wb2:外周領域 T1:保護テープ
10:基台 11:リングフレーム支持台 12:水供給源 J1:水
F:リングフレーム T2:フィルム
2:室 201:真空ポンプ 23:押圧パッド 230:ヒータ 24:パッド昇降手段
30:テープ剥離台 31:テープ剥離クランプ
4:分割装置 40:切削ブレード 41:チャックテーブル
5:ピックアップ装置 50:ニードル 51:吸引パッド
T3:環状糊有りフィルム P1:環状の糊
T4:外周糊有りフィルム P1:環状の糊 P2:外周糊
60:ヒータテーブル

Claims (4)

  1. 一方の面に形成される複数のデバイスを区画する格子状のストリートを備えるウェーハの該一方の面に保護テープが貼着され、チャックテーブルによって該保護テープを介して保持され該一方の面に対して反対側の他方の面が研削砥石で研削された該ウェーハを、該ストリートに沿って分割手段で分割するウェーハの分割方法であって、
    該ウェーハを保持させる基台の上面に水を滴下させる水供給工程と、
    該ウェーハに貼着された該保護テープを該基台の上面に滴下させた該水に接触させ、該基台の上面と該保護テープとの間に該水を行きわたらせ、該水の表面張力により該ウェーハを平坦にして該基台の上面に保持させる保持工程と、
    該基台に保持された該ウェーハを囲繞するように該ウェーハの外径より大きい内径の開口を有するリングフレームをリングフレーム支持台に支持させ該ウェーハと略同じ高さに位置づけるフレーム配置工程と、
    上方から該リングフレームの開口と該基台に保持された該ウェーハとをポリオレフィン系のフィルムで覆うフィルム配置工程と、
    該ウェーハと、該リングフレームと、該フィルムとを室内に収容させ該室内を減圧させる減圧工程と、
    減圧された該室内で、該フィルムを該ウェーハに押し付け該フィルム又は該ウェーハを加熱し、該フィルムと該ウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、さらに、該フィルムと該リングフレームとを接着させ、該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化しワークセットを形成する一体形成工程と、
    該ワークセットを該室から取り出し、該一方の面に貼着されている該保護テープを剥離させる保護テープ剥離工程と、
    該保護テープが剥離された該ワークセットを分割装置のチャックテーブルに保持させ、該ストリートに沿って該分割手段で該ウェーハを分割する分割工程と、を備えるウェーハの分割方法。
  2. 前記一体形成工程は、前記フィルムを前記リングフレームに押し付け該フィルム又は該リングフレームを加熱し、該フィルムと該リングフレームとを熱接着させる請求項1記載のウェーハの分割方法。
  3. 前記フィルムは、前記リングフレームに対応した環状の糊を備え、
    前記減圧工程前までに、該糊を介して該フィルムを該リングフレームに貼着して該リングフレームの開口を該フィルムで塞ぎフレームセットを形成するフレームセット形成工程と、
    該減圧工程は、前記ウェーハと該フレームセットとを前記室内に収容させ該室内を減圧させ、
    前記一体形成工程は、減圧された該室内で、該フィルムを該ウェーハに押し付け該フィルム又は該ウェーハを加熱し、該フィルムと該ウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化させ前記ワークセットを形成する、請求項1記載のウェーハの分割方法。
  4. 前記フィルムは、前記リングフレームに対応した環状の糊と、前記ウェーハの他方の面の外周領域に対応した環状の外周糊とを備え、
    前記減圧工程前までに、該糊を介して該フィルムを該リングフレームに貼着して該リングフレームの開口を該フィルムで塞ぎフレームセットを形成するフレームセット形成工程と、
    該減圧工程は、該ウェーハと該フレームセットとを前記室内に収容させ該室内を減圧させ、
    前記一体形成工程は、減圧された該室内で、該フィルムを該ウェーハに押し付け該外周糊を該ウェーハの他方の面の外周領域に接着させ該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化させ該ウェーハの他方の面の中央領域と該フィルムとは未接着とする仮接着工程と、該仮接着工程の後、該フィルム又は該ウェーハを加熱し、該フィルムと該ウェーハとを糊を用いずに熱接着させ、該ウェーハと該リングフレームと該フィルムとを一体化させ前記ワークセットを形成する熱接着工程と、を備える請求項1記載のウェーハの分割方法。
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