JP7302981B2 - フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents
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Description
上記構成において、前記複数の第1圧電薄膜共振器および前記複数の第2圧電薄膜共振器のQ値は互いに同じである構成とすることができる。
挿入膜28の挿入幅WLおよびWUを変えてQ値および電気機械結合係数を有限要素法を用い2次元シミュレーションした。
シミュレーション条件は以下である。
下部電極12の下層12a:厚さが99nmのクロム膜
下部電極12の上層12b:厚さは198nmのルテニウム膜
下部圧電膜14a:厚さが623nmの窒化アルミニウム膜
上部圧電膜14b:厚さが623nmの窒化アルミニウム膜
上部電極16の下層16a:厚さが238nmのルテニウム膜
上部電極16の上層16b:厚さは35nmのクロム膜
挿入膜28:厚さが150nmの酸化シリコン膜
共振領域50:長さが84μm
下部電極12、圧電膜14および上部電極16の合計の厚さがほぼ弾性波の波長の1/2となる。よって、弾性波の波長λは約3632nmである。
直列共振器S1からS4の挿入幅WU1およびWL1と並列共振器P1からP4の挿入幅WU2およびWL2とを異ならせて、フィルタの通過特性をシミュレーションした。
シミュレーション条件は以下である。
実施例1
直列共振器S1からS4の挿入幅WU1およびWL1:2.8μm
並列共振器P1からP4の挿入幅WU2およびWL2:6.5μm
比較例1
直列共振器S1からS4の挿入幅WU1およびWL1:2.8μm
並列共振器P1からP4の挿入幅WU2およびWL2:2.8μm
その他の条件はシミュレーション1と同じである。
図9(a)および図9(b)は、実施例1の変形例1における直列共振器および並列共振器の共振領域と挿入膜の平面図である。図9(a)に示すように、直列共振器S1からS4では、挿入幅WU1はWL1より広い。図9(b)に示すように、並列共振器P1からP4では、挿入幅WU2はWL2より広い。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図12(a)は、実施例1の変形例10における圧電薄膜共振器の断面図である。図12(a)に示すように、基板10の上面に窪みが形成されている。下部電極12は、基板10上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、基板10の窪みに形成されている。空隙30は共振領域50を含むように形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。なお、下部電極12の下面に絶縁膜が接して形成されていてもよい。すなわち、空隙30は、基板10と下部電極12に接する絶縁膜との間に形成されていてもよい。絶縁膜としては、例えば窒化アルミニウム膜を用いることができる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図12(b)は、実施例1の変形例11における圧電薄膜共振器の断面図である。図12(b)に示すように、共振領域50の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜30aと音響インピーダンスの高い膜30bとが交互に設けられている。膜30aおよび30bの膜厚は例えばそれぞれほぼλ/4(λは弾性波の波長)である。膜30aと膜30bの積層数は任意に設定できる。音響反射膜31は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜31の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
12 下部電極
14 圧電膜
14a 下部圧電膜
14b 上部圧電膜
16 上部電極
24 周波数調整膜
28 挿入膜
30 空隙
31 音響反射膜
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域
52 外周領域
54 中央領域
56U、56L 領域
Claims (9)
- 基板と、
前記基板上に設けられ、入力端子と出力端子との間に直列に接続され、第1下部電極と、前記第1下部電極上に設けられた第1圧電膜と、前記第1圧電膜上に設けられた第1上部電極と、前記第1圧電膜を挟み前記第1下部電極と前記第1上部電極とが対向する第1共振領域の第1中央領域に設けられておらず前記第1中央領域を囲む少なくとも一部に前記第1共振領域の第1外周を含み前記第1外周に沿って前記第1下部電極と前記第1上部電極との間に設けられた第1挿入膜と、を備え、前記第1共振領域内における前記第1外周の接線に直交する方向の前記第1挿入膜の第1幅を有する複数の第1圧電薄膜共振器と、
前記基板上に設けられ、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続され、第2下部電極と、前記第2下部電極上に設けられた第2圧電膜と、前記第2圧電膜上に設けられた第2上部電極と、前記第2圧電膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが対向する第2共振領域の第2中央領域に設けられておらず前記第2中央領域を囲む少なくとも一部に前記第2共振領域の第2外周を含み前記第2外周に沿って前記第2下部電極と前記第2上部電極との間に設けられた第2挿入膜と、を備え、前記第2共振領域内における前記第2外周の接線に直交する方向の前記第2挿入膜の第2幅を有する複数の第2圧電薄膜共振器と、
を備え、
前記複数の第1圧電薄膜共振器の各々の前記第1幅は略一定であり、前記複数の第1圧電薄膜共振器の互いの前記第1幅は略等しく、
前記複数の第2圧電薄膜共振器の各々の前記第2幅は略一定であり、前記複数の第2圧電薄膜共振器の互いの前記第2幅は略等しく、
前記第1幅と前記第2幅とは異なるフィルタ。 - 前記第1幅をW1とし、前記第2幅をW2とし、前記第1共振領域における前記第1下部電極、前記第1圧電膜および前記第1上部電極の合計の厚さと、前記第2共振領域における前記第2下部電極、前記第2圧電膜および前記第2上部電極の合計の厚さと、の和をλとし、任意の自然数をNとしたとき、
N×λ/2-λ/8<|W1-W2|<N×λ/2+λ/8
である請求項1に記載のフィルタ。 - 0.7λ+N×λ/2-λ/8<W1<0.7λ+N×λ/2+λ/8かつ
0.7λ+N×λ/2-λ/8<W2<0.7λ+N×λ/2+λ/8
である請求項2に記載のフィルタ。 - 前記複数の第1圧電薄膜共振器および前記複数の第2圧電薄膜共振器のQ値は互いに同じである請求項3に記載のフィルタ。
- 基板と、
前記基板上に設けられ、入力端子と出力端子との間に直列に接続され、第1下部電極と、前記第1下部電極上に設けられた第1圧電膜と、前記第1圧電膜上に設けられた第1上部電極と、前記第1圧電膜を挟み前記第1下部電極と前記第1上部電極とが対向する第1共振領域の第1中央領域に設けられておらず前記第1中央領域を囲む少なくとも一部に前記第1共振領域の第1外周を含み前記第1外周に沿って前記第1下部電極と前記第1上部電極との間に設けられた第1挿入膜と、を備え、前記第1共振領域内における前記第1外周の接線に直交する方向の前記第1挿入膜の第1幅を有する複数の第1圧電薄膜共振器と、
前記基板上に設けられ、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続され、第2下部電極と、前記第2下部電極上に設けられた第2圧電膜と、前記第2圧電膜上に設けられた第2上部電極と、前記第2圧電膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが対向する第2共振領域の第2中央領域に設けられておらず前記第2中央領域を囲む少なくとも一部に前記第2共振領域の第2外周を含み前記第2外周に沿って前記第2下部電極と前記第2上部電極との間に設けられた第2挿入膜と、を備え、前記第2共振領域内における前記第2外周の接線に直交する方向の前記第2挿入膜の第2幅を有する複数の第2圧電薄膜共振器と、
を備え、
前記複数の第1圧電薄膜共振器における前記第1下部電極が前記第1共振領域から引き出される第1下部電極引き出し領域における前記第1幅をWL1とし、前記第1上部電極が前記第1共振領域から引き出される第1上部電極引き出し領域における前記第1幅をWU1とし、
前記複数の第2圧電薄膜共振器における前記第2下部電極が前記第2共振領域から引き出される第2下部電極引き出し領域における前記第2幅をWL2とし、前記第2上部電極が前記第2共振領域から引き出される第2上部電極引き出し領域における前記第2幅をWU2としたとき、
前記複数の第1圧電薄膜共振器の各々の前記WL1は略一定であり、前記複数の第1圧電薄膜共振器の互いの前記WL1は略等しく、
前記複数の第1圧電薄膜共振器の各々の前記WU1は略一定であり、前記複数の第1圧電薄膜共振器の互いの前記WU1は略等しく、
前記複数の第2圧電薄膜共振器の各々の前記WL2は略一定であり、前記複数の第2圧電薄膜共振器の互いの前記WL2は略等しく、
前記複数の第2圧電薄膜共振器の各々の前記WU2は略一定であり、前記複数の第2圧電薄膜共振器の互いの前記WU2は略等しく、
前記WL1と前記WU1とは異なり、前記WL2と前記WU2とは異なり、
前記WL1と前記WL2とは異なり、前記WU1と前記WU2とは異なるフィルタ。 - 基板と、
前記基板上に設けられ、入力端子と出力端子との間に直列に接続され、第1下部電極と、前記第1下部電極上に設けられた第1圧電膜と、前記第1圧電膜上に設けられた第1上部電極と、前記第1圧電膜を挟み前記第1下部電極と前記第1上部電極とが対向する第1共振領域の第1中央領域に設けられておらず前記第1中央領域を囲む少なくとも一部に前記第1共振領域の第1外周を含み前記第1外周に沿って前記第1下部電極と前記第1上部電極との間に設けられた第1挿入膜と、を備え、前記第1共振領域内における前記第1外周の接線に直交する方向の前記第1挿入膜の第1幅を有する第1圧電薄膜共振器と、
前記基板上に設けられ、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続され、第2下部電極と、前記第2下部電極上に設けられた第2圧電膜と、前記第2圧電膜上に設けられた第2上部電極と、前記第2圧電膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが対向する第2共振領域の第2中央領域に設けられておらず前記第2中央領域を囲む少なくとも一部に前記第2共振領域の第2外周を含み前記第2外周に沿って前記第2下部電極と前記第2上部電極との間に設けられた第2挿入膜と、を備え、前記第2共振領域内における前記第2外周の接線に直交する方向の前記第2挿入膜の第2幅を有し、前記第2幅は前記第1圧電薄膜共振器の第1幅と異なる第2圧電薄膜共振器と、
を備え、
前記第1圧電薄膜共振器における前記第1下部電極が前記第1共振領域から引き出される第1下部電極引き出し領域における前記第1幅と、前記第1上部電極が前記第1共振領域から引き出される第1上部電極引き出し領域における前記第1幅と、は異なり、
前記第2圧電薄膜共振器における前記第2下部電極が前記第2共振領域から引き出される第2下部電極引き出し領域における前記第2幅と、前記第2上部電極が前記第2共振領域から引き出される第2上部電極引き出し領域における前記第2幅と、は異なり、
前記第1下部電極引き出し領域における前記第1幅をWL1とし、前記第1上部電極引き出し領域における前記第1幅をWU1とし、前記第2下部電極引き出し領域における前記第2幅をWL2とし、前記第2上部電極引き出し領域における前記第2幅をWU2とし、前記第1共振領域における前記第1下部電極、前記第1圧電膜および前記第1上部電極の合計の厚さと、前記第2共振領域における前記第2下部電極、前記第2圧電膜および前記第2上部電極の合計の厚さと、の和をλとし、任意の自然数をNとしたとき、
N×λ/2-λ/8<|WL1-WL2|<N×λ/2+λ/8かつ
N×λ/2-λ/8<|WU1-WU2|<N×λ/2+λ/8
であるフィルタ。 - 前記第1挿入膜および前記第2挿入膜の音響インピーダンスは前記第1圧電膜および前記第2圧電膜の音響インピーダンスより小さい請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルタ。
- 前記第1圧電膜と前記第2圧電膜とは同じ圧電材料からなり、前記第1圧電膜の厚さと前記第2圧電膜の厚さとは略等しく、前記第1挿入膜と前記第2挿入膜とは同じ材料からなり、前記第1挿入膜の厚さと前記第2挿入膜の厚さとは略等しい請求項2、3および6のいずれか一項に記載のフィルタ。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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