JP7302444B2 - フィラメントワインディング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維束をライナーに巻き付けるフィラメントワインディング装置に関する。
特許文献1には、複数の繊維束をライナーに巻き付けるフィラメントワインディング装置が開示されている。フィラメントワインディング装置は、繊維束をライナーにヘリカル巻きするヘリカル巻装置(ヘリカル巻ユニット)と、ヘリカル巻ユニットに供給される繊維束をライナー交換時等に一時的に保持する綛部(繊維束保持装置)とを有する。より具体的には、繊維束保持装置は、ライナー周方向に並べて配置され且つライナー軸方向に沿って延びる複数のピンを有し、ライナー軸方向に移動可能且つ複数のピンをライナーの軸中心周りに回転させるように構成されている。
ライナー交換時、繊維束保持装置は、ライナー軸方向に移動して、ヘリカル巻ユニットを介して供給されている繊維束をライナー周方向において複数のピンの間に相対的に挿入させる。この状態で、繊維束保持装置は、ピンをライナーの軸中心周りに回転させる。これにより、繊維束保持装置の外周部に繊維束が巻き付けられて保持される。次に、繊維束保持装置は、ライナーと繊維束保持装置との間の繊維束をカッタによって切断する。これにより、繊維束が巻き付けられたライナーを新しいライナーと交換することが可能になる。さらに、ヘリカル巻ユニットが、繊維束保持装置に巻き付けられた繊維束よりも繊維束走行方向における上流側の繊維束を、新しいライナーの外周面に巻き付ける。ライナーと繊維束保持装置との間の繊維束は、上述したカッタによって切断される。以上のようにして、ライナーの交換が行われる。
特許第5903398号公報
ライナー交換時に繊維束保持装置の外周部に巻き付けられた繊維束は、最終的には残糸として廃棄される。このため、一時的に保持された繊維束が無駄になってしまうという問題がある。
本発明の目的は、繊維束保持装置に繊維束を巻きつけなくても、繊維束を一時的に保持することである。
第1の発明のフィラメントワインディング装置は、複数の繊維束をライナーの外周面にヘリカル巻きするヘリカル巻ユニットと、少なくとも前記ライナーの交換時に、前記複数の繊維束のうち前記ヘリカル巻ユニットよりも繊維束走行方向における下流側に位置している部分を一時的に保持する繊維束保持装置と、を備えるフィラメントワインディング装置であって、前記繊維束保持装置は、ライナー軸方向における一方側へ突出した複数のゲート部がライナー周方向に並べて設けられた、前記ライナー軸方向に移動可能な第1部材と、前記ライナー軸方向において前記第1部材と並べて配置され、前記ライナー軸方向における前記一方側へ突出した複数の突起部が前記ライナー周方向に並べて設けられた、前記ライナー軸方向に移動可能な第2部材と、を有し、前記第1部材及び前記第2部材のうち少なくとも一方には、前記ライナー軸方向に貫通し且つ前記ライナー周方向に延在し、前記複数のゲート部又は前記複数の突起部が前記ライナー軸方向に通過している複数の通過穴が形成され、前記第1部材と前記第2部材とは、前記ライナーの軸中心周りに相対回転可能であり、前記複数のゲート部は、前記複数の突起部が前記複数のゲート部を前記ライナー周方向において相対的に通過することを許可する開状態と、前記複数の突起部が前記複数のゲート部を前記ライナー周方向において相対的に通過することを禁止する閉状態との間で状態を切換可能であり、前記複数のゲート部が前記閉状態であるときに、前記複数のゲート部と前記複数の突起部との間に前記複数の繊維束をそれぞれ挟んで把持可能であることを特徴とするものである。
本発明では、例えばライナー交換の際、以下のようにして、繊維束をゲート部と突起部との間に挟んで一時的に把持することができる(なお、より詳細については、後述の実施形態において説明する)。まず、第1部材及び第2部材をライナー軸方向に移動させて、繊維束のうち繊維束走行方向においてヘリカル巻ユニットとライナーとの間に位置している部分を、ライナー周方向においてゲート部と突起部との間に挿入させる。そして、ゲート部が開状態であるときに、第1部材と第2部材とを所定の向きに相対回転させ、ゲート部及び突起部の両方に繊維束を引っ掛けつつ、ライナー周方向において突起部にゲート部を相対的に通過させる。さらに、ゲート部を閉状態に切り換え、その後、第1部材と第2部材とを所定の向きとは逆向きに相対回転させることにより、ゲート部と突起部との間に繊維束を挟んで把持できる。また、ゲート部と突起部とを離隔させることにより、繊維束を解放できる。以上のようにして、繊維束保持装置に繊維束を巻きつけなくても、繊維束を一時的に保持できる。
第2の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第1の発明において、前記複数のゲート部の各々は、少なくともライナー径方向における外端が前記複数の突起部よりもライナー径方向における外側に位置するように配置された外側部材と、少なくともライナー径方向における内端が前記複数の突起部よりも前記ライナー径方向における内側に位置するように配置された内側部材と、を有し、前記外側部材及び前記内側部材のうち少なくとも一方は、前記第1部材に回動可能に支持された回動軸と、前記回動軸の前記ライナー軸方向における前記一方側に設けられた、前記回動軸と一体的に回動可能な開閉部と、を有し、前記開閉部は、前記ライナー径方向における位置が前記複数の突起部と重なっていない開姿勢と、前記ライナー径方向における位置が前記複数の突起部と少なくとも部分的に重なっている閉姿勢との間で姿勢を切り換えることにより、前記ゲート部の状態を前記開状態と前記閉状態との間で切り換えることを特徴とするものである。
本発明では、外側部材及び内側部材のうち少なくとも一方を回動させるための単純な構造により、開閉部を開姿勢と閉姿勢との間で切り換えることができ、ゲート部を開状態と閉状態との間で容易に切り換えることができる。
第3の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第2の発明において、前記外側部材及び前記内側部材の両方が、前記回動軸と前記開閉部とをそれぞれ有し、前記外側部材と前記内側部材とが、互いに逆向きに回動するように構成されていることを特徴とするものである。
本発明では、外側部材と突起部との間、及び、内側部材と突起部との間の両方に繊維束を挟み込んで把持することができる。したがって、繊維束をより確実に保持できる。
第4の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第1~第3のいずれかの発明において、前記第2部材は、前記第1部材よりも前記ライナー軸方向における前記一方側に配置され、前記複数の通過穴は、前記第2部材と前記第1部材とが相対回転しているときに前記複数のゲート部が前記複数の通過穴に沿って前記ライナー周方向に移動できるように、前記第2部材に形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、通過穴が第2部材に形成され、ゲート部が通過穴を通過している。これにより、通過穴が第1部材に形成された構成(すなわち、突起部が通過穴を通過している構成)と比べて、少なくとも、突起部のライナー軸方向における長さを短くすることができ、突起部を太くしなくても突起部の曲げ剛性を大きくすることができる。したがって、装置の大型化を回避しつつ、繊維束保持装置によって保持されている繊維束にテンションが意図的に或いは意図せずに付与された場合でも、当該テンションに起因する突起部の変形等を抑制できる。
第5の発明のフィラメントワインディング装置は、前記第1~第4のいずれかの発明において、前記繊維束保持装置は、前記ゲート部を動作させる第1ウォームギア機構と、前記第1部材と前記第2部材とを相対回転させる第2ウォームギア機構と、を有することを特徴とするものである。
一般的に、ウォームギア機構においては、いわゆるセルフロックによって、意図する動力の伝達方向とは逆向きに動力が伝達されることが抑制される。本発明では、繊維束保持装置によって保持されている繊維束にテンションが意図的に或いは意図せずに付与された場合でも、意図する動力の伝達方向とは逆向きに動力が伝えられることを第1ウォームギア機構及び第2ウォームギア機構によって抑制できる。したがって、繊維束を安定的に保持できる。
本実施形態に係るフィラメントワインディング装置の斜視図である。 巻付装置の斜視図である。 巻付装置の側面図である。 巻付装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)、(b)は、ヘリカル巻ユニットの正面図である。 (a)~(f)は、従来の繊維束保持装置を用いたライナー交換の手順を示す参考図である。 本実施形態に係る繊維束保持装置の側面図である。 繊維束保持装置の斜視図である。 (a)は、繊維束保持装置の正面図であり、(b)は、第1部材を後方から見た図である。 第1部材及びその周辺構成に関する補足説明図である。 図9(a)のXI-XI線断面図である。 ゲート部に動力を伝達するための伝達機構を示す説明図である。 (a)、(b)は、ゲート部の動作に関する説明図である。 突起部の移動動作に関する説明図である。 (a)~(f)は、繊維束保持装置を用いたライナー交換の手順を示す説明図である。 (a)、(b)は、繊維束保持装置の正面図である。 (a)は、繊維束保持装置の正面図であり、(b)は、当該正面図の一部を拡大して示した図である。 (a)は、繊維束保持装置の正面図であり、(b)は、当該正面図の一部を拡大して示した図である。 変形例に係る繊維束保持装置の断面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、図1に示す方向を前後左右方向とする。前後方向及び左右方向は、水平方向と平行である。前後方向と左右方向は互いに直交する。前後方向及び左右方向の両方と直交する方向を、重力が作用する上下方向(鉛直方向)とする。
(フィラメントワインディング装置)
まず、本実施形態に係るフィラメントワインディング装置1の概略構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、フィラメントワインディング装置1を示す斜視図である。フィラメントワインディング装置1は、巻付装置2と、巻付装置2の後部の左右両側に配置された一対のクリールスタンド3と、を備える。フィラメントワインディング装置1は、全体として概ね左右対称に構成されている。なお、図1では、図が煩雑になることを避けるため、巻付装置2のうち左右一対のクリールスタンド3に挟まれる部分の図示を省略している。
巻付装置2は、概ね円筒状のライナーLに繊維束(図1では図示省略)を巻き付けるための装置である。繊維束は、例えば炭素繊維等の繊維材料に、熱硬化性又は熱可塑性の合成樹脂材が含浸されたものである。例えば、巻付装置2で圧力タンク等の圧力容器を製造する場合は、ライナーLとして、図1に示すような、円筒状の大径部の両側にドーム状の小径部を有する形状のものが用いられる。ライナーLは、例えば、高強度アルミニウム、金属、樹脂等によって作製されている。ライナーLに繊維束を巻き付けた後、焼成等の熱硬化工程又は冷却工程を経ることにより、高強度の圧力容器等の最終製品を生産することができる。
クリールスタンド3は、巻付装置2の側方に配置された支持フレーム11によって、繊維束が巻かれた複数のボビン12が回転可能に支持された構成を有する。クリールスタンド3の各ボビン12から供給される繊維束は、後述のヘリカル巻ユニット50によってヘリカル巻きを行う際に使用される。
(巻付装置)
次に、巻付装置2の構成について、図2~図5を参照しつつ説明する。図2は、巻付装置2の斜視図である。図3は、巻付装置2の側面図である。図4は、巻付装置2の電気的構成を示すブロック図である。図5(a)、(b)は、ヘリカル巻ユニット50の正面図である。図5(a)は、ライナーLの大径部に繊維束Fを巻き付けるときのヘリカル巻ユニット50を図示したものである。図5(b)は、ライナーLの小径部に繊維束Fを巻き付けるときのヘリカル巻ユニット50を図示したものである。
図2及び図3に示すように、巻付装置2は、基台20と、支持ユニット30(第1支持ユニット31及び第2支持ユニット32)と、フープ巻ユニット40と、ヘリカル巻ユニット50と、を備える。なお、図3においては、フープ巻ユニット40の図示を省略している。
基台20は、支持ユニット30、フープ巻ユニット40、及び、ヘリカル巻ユニット50を支持する。基台20の上面には、前後方向に延びる複数のレール21が配設されている。支持ユニット30及びフープ巻ユニット40は、レール21上に配置され、レール21上を前後方向に往復移動可能である。一方、ヘリカル巻ユニット50は、基台20に固設されている。第1支持ユニット31、フープ巻ユニット40、ヘリカル巻ユニット50、及び、第2支持ユニット32は、この順番で前側から後側に配置されている。
支持ユニット30は、フープ巻ユニット40よりも前側に配置される第1支持ユニット31と、ヘリカル巻ユニット50よりも後側に配置される第2支持ユニット32と、を有する。支持ユニット30は、前後方向(ライナーLの軸方向。以下、ライナー軸方向とも称する)に延びる支持軸33を介して、ライナーLを軸周りに回転可能に支持する。支持ユニット30は、ライナー移動モータ34及びライナー回転モータ35(図4参照)を有する。ライナー移動モータ34は、第1支持ユニット31及び第2支持ユニット32をレール21に沿って前後方向に移動させる。ライナー回転モータ35は、支持軸33を回転させることでライナーLを軸周りに回転させる。ライナー移動モータ34及びライナー回転モータ35は、制御装置10(図4参照)によって駆動制御される。
第2支持ユニット32は、ライナーLの軸方向に移動可能な土台部32aと、土台部32aの上部に設けられたヘッド部32bとを有する。ヘッド部32bには、繊維束保持装置60が設けられている。繊維束保持装置60は、少なくとも、支持ユニット30に支持されているライナーLの交換時に、ヘリカル巻ユニット50よりも繊維束走行方向における下流側に位置している繊維束を一時的に保持するように構成されている。繊維束保持装置60の詳細については後述する。
フープ巻ユニット40は、ライナーLの周面にフープ巻きを施す。フープ巻きとは、ライナー軸方向に概ね直角な方向に繊維束を巻き付ける巻き方のことである。フープ巻ユニット40は、本体部41と、回転部材42と、複数のボビン43と、を有する。本体部41は、レール21上に配置されており、円盤状の回転部材42をライナーLの軸中心周りに回転可能に支持する。回転部材42の中央部には、ライナーLが通過可能な円形の通過穴44が形成されている。回転部材42は、通過穴44の周りに周方向に等間隔で配置された複数のボビン43を回転可能に支持する。各ボビン43には、繊維束が巻かれている。
フープ巻ユニット40は、移動モータ45及び回転モータ46(図4参照)を有する。移動モータ45は、本体部41をレール21に沿って前後方向に移動させる。回転モータ46は、回転部材42をライナーLの軸中心周りに回転させる。移動モータ45及び回転モータ46は、制御装置10(図4参照)によって駆動制御される。フープ巻きの実行時には、制御装置10は、本体部41をレール21に沿って往復移動させながら回転部材42を回転させる。これによって、ライナーLの周りで回転している各ボビン43から繊維束が引き出され、複数の繊維束がライナーLの周面に一斉にフープ巻きされる。
ヘリカル巻ユニット50は、ライナーLの周面にヘリカル巻きを施す。ヘリカル巻きとは、ライナーLの軸方向に概ね平行な方向に繊維束を巻き付ける巻き方のことである。ヘリカル巻ユニット50は、本体部51と、フレーム部材52と、複数(本実施形態では9個だが、これには限られない)のノズルユニット53と、を有する。本体部51は、基台20に固設されている。フレーム部材52は、本体部51に取り付けられた円盤状の部材である。フレーム部材52の中央部には、ライナーLが前後方向に通過可能な円形の通過穴54が形成されている。複数のノズルユニット53は、ライナーLの周方向(ライナー周方向)に等角度間隔で並べられており、全体として放射状に配置されている。各ノズルユニット53は、フレーム部材52に固定されている。
図5(a)、(b)に示すように、各ノズルユニット53は、複数の繊維束FをライナーLに案内するガイド部材58を有する。ガイド部材58は、ライナーLの径方向(ライナー径方向)に延びており、ライナー径方向に移動可能且つライナー径方向に延びる回転軸周りに回転可能に構成されている。ノズルユニット53のライナー径方向における外側には、ガイドローラ55が配置されている。クリールスタンド3(図1参照)の各ボビン12から解舒された繊維束Fは、ガイドローラ55を経由してガイド部材58を通り、ライナー径方向における内側へ案内されてライナーLに至る。
ヘリカル巻ユニット50は、ガイド移動モータ56及びガイド回転モータ57(図4参照)を有する。ガイド移動モータ56は、複数のノズルユニット53のガイド部材58を一斉にライナー径方向に移動させる。ガイド回転モータ57は、複数のノズルユニット53のガイド部材58をそれぞれの回転軸周りに一斉に回転させる。ガイド移動モータ56及びガイド回転モータ57は、制御装置10(図4参照)によって駆動制御される。ヘリカル巻きの実行時には、制御装置10は、支持ユニット30を駆動制御することにより、ライナーLを軸周りにゆっくり回転させながら通過穴54を通過させる。同時に、制御装置10は、各ノズルユニット53のガイド部材58を、適宜ライナー径方向に移動させる(伸縮動作を行わせる)とともに回転軸周りに回転させる(回転動作を行わせる)。これによって、各ノズルユニット53のガイド部材58から繊維束Fが引き出され、複数の繊維束Fが回転中のライナーLの周面に一斉にヘリカル巻きされる(図5(a)、(b)参照)。
(従来の繊維束保持装置による繊維束の保持方法)
次に、本実施形態の繊維束保持装置60の詳細について説明する前に、参考のため、従来の繊維束保持装置100(図6(a)~(f)参照)による繊維束Fの保持方法について説明する。図6(a)~(f)は、従来の繊維束保持装置100を用いたライナーLの交換手順を示す参考図である。なお、さらなる詳細については、例えば上述した特許第5903398号公報を参照されたい。
繊維束保持装置100は、ライナー軸方向に進退可能に構成されている。繊維束保持装置100は、ライナー周方向に並べて配置され且つライナー軸方向に延びた複数のピン101と、複数のピン101の近傍に配置されたカッタ102とを有する。複数のピン101は、ライナーLの軸中心周りに回転可能に構成されている。カッタ102は、ライナーLの軸中心周りに回転することにより繊維束Fを切断可能に構成されている。
繊維束Fが巻き付けられたライナーL1(図6(a)参照)が新しいライナーL2(図6(e)参照)と交換される際、繊維束保持装置100は、ライナー軸方向においてライナーLに近づき、ライナーLへ供給されている繊維束Fをライナー周方向において複数のピン101の間に相対的に挿入させる(図6(b)参照)。この状態で、繊維束保持装置100は、ピン101をライナーL1の軸中心周りに回転させる。これにより、繊維束保持装置100の外周部に繊維束が巻き付けられて保持される(図6(c)参照))。次に、繊維束保持装置100は、ライナーL1と繊維束保持装置100との間の繊維束Fをカッタ102によって切断する(図6(d)参照)。これにより、ライナーL1を新しいライナーL2と交換することが可能になる。さらに、繊維束保持装置100に巻き付けられた繊維束Fよりも繊維束走行方向における上流側の繊維束Fが、ライナーL2の外周面に巻き付けられる(図6(e)参照)。ライナーL2と繊維束保持装置100との間の繊維束Fは、カッタ102によって切断される(図6(f)参照)。以上のようにして、ライナーLの交換が行われる。
ここで、繊維束保持装置100の外周部に巻き付けられた繊維束Fは、最終的には残糸として廃棄される。このため、一時的に保持された繊維束Fが無駄になってしまうという問題がある。そこで、本実施形態においては、繊維束保持装置60に繊維束Fを巻きつけなくても繊維束Fを一時的に保持するために、繊維束保持装置60は以下のように構成されている。
(繊維束保持装置の詳細)
繊維束保持装置60の詳細構成について、図7~図12を参照しつつ説明する。図7は、繊維束保持装置60の側面図である。図8は、繊維束保持装置60の斜視図である。図9(a)は、繊維束保持装置60の正面図である。図9(b)は、後述する第1部材70及びその周辺構成を後方から見た図である。図10は、第1部材70及びその周辺構成に関する補足説明図である。図11は、図9(a)のXI-XI線断面図である。図12は、後述するゲート部72に動力を伝達するための伝達機構を示す説明図である。以下では、前側をライナー軸方向における先端側(本発明の一方側)、後側をライナー軸方向における基端側(本発明の他方側)とも呼ぶ(図7参照)。
繊維束保持装置60は、上述したように第2支持ユニット32のヘッド部32b(図7参照)に取り付けられており、ヘリカル巻ユニット50の後側に配置されている。繊維束保持装置60は、繊維束Fを保持するための保持機構61と、保持機構61をヘッド部32bに対してライナー軸方向に移動させる移動機構62とを有する。また、繊維束保持装置60は、上述したカッタ102と同様のカッタ(不図示)を有する。カッタは、例えば、制御装置10によって駆動制御される不図示のカッタ駆動モータにより、ライナーLの軸中心周りに回転駆動される。
移動機構62は、例えば公知のラックアンドピニオン機構或いはボールネジ機構を有し、保持機構61全体をライナー軸方向に進退させることが可能である(図7の矢印参照)。移動機構62は、例えば移動モータ63(図4参照)によって駆動される。移動モータ63は、制御装置10(図4参照)によって駆動制御される。
図8~図10に示すように、保持機構61は、概ねリング状の第1部材70と、円板状の第2部材80とを有する。大まかには、保持機構61は、第1部材70に回動可能に取り付けられたゲート部72(詳細は後述)と、第1部材70に回転可能に支持された第2部材80に設けられた突起部81(詳細は後述)との間に繊維束Fを挟んで把持するように構成されている。
第1部材70は、概ねリング状の部材である(図8~図10参照)。第1部材70は、移動機構62等を介して第2支持ユニット32に移動可能に支持されたベース部64(図7、図8参照)に固定されている。より詳細には、第1部材70は、ベース部64のライナー軸方向における先端側に配置されている。図8、図9(b)、図10に示すように、第1部材70は、外周面が形成された外径部70aと、外径部70aのライナー軸方向における中央部からライナー径方向における内側に延びた円板状の内径部70bとを有する。内径部70bよりもライナー軸方向における先端側には、第2部材80が配置されている。第2部材80は、例えば不図示の滑り軸受を介して、外径部70aのライナー軸方向における先端側部分に回転可能に支持されている。内径部70bよりもライナー軸方向における基端側には、内周面に歯71aが形成されたリングギア71が配置されている。リングギア71は、例えば不図示の滑り軸受を介して、外径部70aのライナー軸方向における基端側部分に回転可能に支持されている。外径部70aの上端部は切り欠かれており、第2部材80の上端部及びリングギア71の上端部が露出するように構成されている。内径部70bには、ライナー軸方向に貫通した複数の貫通穴70c(図11参照)が形成されている。
図8~図10に示すように、第1部材70には、ヘリカル巻ユニット50の複数のノズルユニット53(図5(a)、(b)参照)にそれぞれ対応する複数対(本実施形態では9対)のゲート部72が取り付けられている。ゲート部72は、ライナー周方向に等間隔で並べて配置されている。各ゲート部72は、第2部材80の突起部81(後述)がゲート部72を周方向に通過することを許可する開状態と、突起部81がゲート部72を周方向に通過することを禁止する閉状態との間で状態を切換可能(すなわち、開閉可能)に構成されている(詳細は後述)。図8~図11に示すように、ゲート部72は、外側部材73と、内側部材74とを有する。
外側部材73は、第1部材70の内径部70bのライナー軸方向における先端側の端面よりもさらに先端側に突出した部材である。外側部材73は、少なくともライナー径方向における外端が突起部81よりもライナー径方向における外側に位置するように配置されている。図11に示すように、外側部材73は、回動軸73aと、開閉部73bとを有する。回動軸73aは、第1部材70の貫通穴70cに差し込まれ、第1部材70に回動可能に支持されている。回動軸73aのライナー軸方向における基端部には、例えば平歯車である外側ギア75が装着されている。外側ギア75は、リングギア71のライナー径方向における内側に配置され、リングギア71及び後述の内側ギア76と噛み合っている。回動軸73aのライナー軸方向における先端側には、開閉部73bが回動軸73aと一体的に設けられている。開閉部73bは、ライナー軸方向に延び、回動軸73aと一体的に回動可能である。開閉部73bは、ライナー軸方向から見たときに、概ね矩形状である。
内側部材74は、外側部材73と同様に、第1部材70の内径部70bのライナー軸方向における先端側の端面よりもさらに先端側に突出した部材である。内側部材74は、少なくともライナー径方向における内端が突起部81よりもライナー径方向における内側に位置するように配置されている。内側部材74は、外側部材73と同様に、第1部材70に回動可能に支持された回動軸74aと、回動軸74aのライナー軸方向における先端側に設けられた開閉部74bとを有する。回動軸74aのライナー軸方向における基端部には、例えば平歯車である内側ギア76が装着されている。内側ギア76は、外側ギア75のライナー径方向における内側に配置され、外側ギア75と噛み合っている。開閉部74bは、ライナー軸方向において、外側部材73の開閉部73bと略同じ位置に配置されている。開閉部74bは、ライナー軸方向から見たときに、概ね矩形状である。
図12に示すように、リングギア71、外側ギア75及び内側ギア76は、例えば第1モータ77(駆動源)によって正逆回転駆動(回動駆動)される。第1モータ77は、制御装置10(図4参照)によって駆動制御される。第1モータ77の動力伝達方向において、第1モータ77とリングギア71との間には、動力伝達機構の一例として、動力伝達方向における上流側から順にギア78a~78eが介在している。ギア78a、78bは、例えば一般的な平歯車である。ギア78cは、外周面及び内周面に複数の歯がライナー周方向に並べて形成され、ベース部64に回転可能に装着されたリング状のギアである。ギア78d、78eは、例えば一般的な平歯車である。ギア78dとギア78eとは、ライナー軸方向に沿って延びたシャフト79を介して接続されている。ギア78eは、リングギア71と噛み合っている。
これらのギア78a~78e及びリングギア71を介して、第1モータ77の動力によって外側ギア75及び内側ギア76が回転駆動される。外側ギア75と内側ギア76とが直接噛み合っているので、外側ギア75と内側ギア76とは互いに逆向きに回転する(図9(b)の矢印及び図12の矢印参照)。これにより、外側部材73と内側部材74とが、互いに逆向きに回転する。このようにして、外側部材73及び内側部材74が回動し、ゲート部72が開閉駆動される。
図8に戻って、第2部材80は、概ね円板状の部材である。第2部材80は、第1部材70の内径部70bよりもライナー軸方向における先端側に配置されている。つまり、第2部材80は、ライナー軸方向において第1部材70と並べて配置されている。第2部材80は、例えば不図示の滑り軸受を介して、第1部材70の外径部70aのライナー軸方向における先端側部分に回転可能に支持されている。これにより、第2部材80の概ね全体が、外径部70aによって囲われている。第2部材80の外周面の上端部には、複数の歯80aが形成されている。上述したように、外径部70aの上端部が切り欠かれているため、一部の歯80aは露出している。
第2部材80には、ゲート部72に対応して、複数(本実施形態では9個)の突起部81がライナー周方向に並べて設けられている(図8等参照)。複数の突起部81は、第2部材80のライナー軸方向における先端側の端面からさらに先端側に突出した、例えば円柱状の部分である。複数の突起部81は、第2部材80とは別の部材であっても良く、或いは、第2部材80と一体的に形成されていても良い。複数の突起部81は、ライナー軸方向において、外側部材73の開閉部73b及び内側部材74の開閉部74bと略同じ位置に配置されている。すなわち、突起部81のライナー軸方向における位置と、開閉部73b、74bのライナー軸方向における位置とが重なっている。
第2部材80には、複数の通過穴82が設けられている(図8等参照)。各通過穴82は、第2部材80をライナー軸方向に貫通し、且つ、ライナー周方向に沿って延在している。各通過穴82には、外側部材73の回動軸73a又は内側部材74の回動軸74a(図10、11参照)が挿通されている。言い換えると、複数のゲート部72が複数の通過穴82をそれぞれライナー軸方向に通過している。
図8に示すように、第2部材80は、例えば第2モータ83(駆動源)によって正逆回転駆動(回動駆動)される。第2モータ83の回転軸は、ライナー軸方向に沿って延びている。第2モータ83は、制御装置10(図4参照)によって駆動制御される。第2モータ83の動力伝達方向において、第2モータ83と第2部材80との間には、動力伝達機構の一例として、動力伝達方向における上流側から順にギア84a~84eが介在している。ギア84a、84bは、例えば一般的な平歯車である。ギア84cは、外周面に複数の歯がライナー周方向に並べて形成され、ベース部64に回転可能に装着されたリング状のギアである。ギア84d、84eは、例えば一般的な平歯車である。ギア84dとギア84eとは、ライナー軸方向に沿って延びたシャフト85を介して接続されている。ギア84eは、第2部材80に形成された複数の歯80aのうち露出している歯80aと噛み合っている。これらのギア84a~84eを介して、第2モータ83の動力によって第2部材80が回動駆動されることにより、突起部81がライナー周方向に移動する。
以上のような構成を有する保持機構61は、図13(a)、(b)及び図14に示すように、以下の基本動作を行う。図13(a)、(b)は、ゲート部72の動作を示す説明図である。より詳細には、図13(a)は、繊維束保持装置60の正面図である。図13(b)は、図13(a)の一部(最も上側に配置されたゲート部72及び突起部81)を拡大して示した図である。図14は、繊維束保持装置60の正面図であり、突起部81の移動動作を示す説明図である。
まず、ゲート部72の開閉動作について説明する。上述したように、ゲート部72の外側部材73及び内側部材74は、第1モータ77(図12参照)によって回動駆動される。これにより、外側部材73及び内側部材74は、開姿勢(図13(a)、(b)の実線参照)と、閉姿勢(図13(a)、(b)の破線参照)との間で姿勢を一斉に切換可能である。外側部材73及び内側部材74が開姿勢であるとき、開閉部73b及び開閉部74bのライナー径方向における位置は、複数の突起部81の径方向における位置と重なっていない。つまり、このとき、突起部81が外側部材73と内側部材74との間をライナー周方向に通過することが許可されている(開状態)。一方、外側部材73及び内側部材74が閉姿勢であるとき、開閉部73b及び開閉部74bは、ライナー径方向において、複数の突起部81と部分的に重なっている。つまり、このとき、突起部81が外側部材73と内側部材74との間をライナー周方向に通過することが禁止されている(閉状態)。このように、ゲート部72は、開状態と閉状態との間で状態を切換可能である。
次に、突起部81の移動動作について説明する。上述したように、突起部81が設けられた第2部材80は、第2モータ83(図8参照)によって回動駆動される。つまり、第2部材80が第1部材70に対してライナーLの軸中心周りに回動する。このとき、突起部81はライナー周方向に移動する(図14の矢印参照)。また、このとき、ゲート部72の外側部材73及び内側部材74が、通過穴82に沿ってライナー周方向において相対的に移動する。ゲート部72が開状態であるとき、突起部81は外側部材73と内側部材74との間をライナー周方向に通過できる。一方、ゲート部72が閉状態であるとき、突起部81は、外側部材73と内側部材74との間をライナー周方向に通過しようとしても、外側部材73及び内側部材74と干渉するため通過できない。
(ライナーの交換方法及び繊維束の保持方法)
次に、本実施形態におけるライナーLの交換方法、及び、ライナーLの交換作業中に繊維束保持装置60によって繊維束Fを保持する方法について、図15(a)~図18(b)を参照しつつ説明する。図15(a)~(f)は、繊維束保持装置60を用いたライナー交換の手順を示す説明図である。図16(a)、(b)は、繊維束保持装置60の正面図である。図17(a)は、繊維束保持装置60の正面図である。図17(b)は、図17(a)の一部(最も上側に配置されたゲート部72及び突起部81)を拡大して示した図である。図18(a)は、繊維束保持装置60の正面図である。図18(b)は、図17(b)と同様に、図18(a)の一部を拡大して示した図である。
初期状態として、図15(a)に示すように、ライナーLへのヘリカル巻きが実行された直後の状態を考える(以下、ヘリカル巻きを施されたライナーLをライナーL1とする)。このとき、ライナーL1は移動停止し、且つ、回転停止している。また、このとき、ライナー周方向において、各ゲート部72とそれに対応する突起部81との間に繊維束Fが挟まれるように、複数のゲート部72及び複数の突起部81が位置している(図16(a)参照)。また、複数のゲート部72は開状態である(図16(a)参照)。
まず、制御装置10(図4参照)は、移動モータ63(図4参照)を制御して移動機構62を動作させ、保持機構61をライナー軸方向における先端側へ移動させる(図15(b)の矢印参照)。より具体的には、制御装置10は、ゲート部72の開閉部73b、74b及び突起部81(図16(a)参照)を、ヘリカル巻ユニット50のノズルユニット53とライナー軸方向における同じ位置まで移動させる。これにより、繊維束Fのうち繊維束走行方向においてヘリカル巻ユニット50とライナーL1との間に位置している部分が、ライナー周方向においてゲート部72と突起部81との間に挿入される。
次に、制御装置10(図4参照)は、第2モータ83(図4参照)を制御して、第2部材80を第1部材70に対して回転させる。一例として、本実施形態では、ライナー軸方向における先端側から見たときに、第2部材80が反時計回りに約15°回転する(図16(b)参照)。これにより、各突起部81がライナー周方向に移動し、各突起部81に対応するゲート部72を通過する(図16(b)参照)。このとき、繊維束Fは、ゲート部72の開閉部73b、74bの周面及び突起部81の周面に引っ掛けられる(図16(b)参照)。
次に、制御装置10(図4参照)は、第1モータ77を制御してゲート部72の外側部材73及び内側部材74を互いに逆向きに回動させ、外側部材73及び内側部材74の姿勢を開姿勢から閉姿勢に切り換える(図17(a)、(b)参照)。これにより、ゲート部72の状態が開状態から閉状態に切り換わる。さらに、制御装置10は、第2モータ83を制御して、第2部材80を先ほどとは逆向きに(すなわち、ライナー軸方向における先端側から見たときに時計回りに)回転させる(図18(a)、(b)参照)。このとき、ゲート部72は閉状態であり、突起部81がゲート部72をライナー周方向において通過することが禁止されている。このため、突起部81がライナー周方向に移動したときに、外側部材73と突起部81との間、及び、内側部材74と突起部81との間に繊維束Fが挟まれて把持される(図18(b)参照)。このようにすることで、繊維束保持装置60に繊維束Fを巻きつけなくても、繊維束保持装置60によって繊維束Fが保持される(図15(c)参照)。
ここで、上記のようにゲート部72と突起部81とによって把持されている繊維束Fに対し、意図的或いは意図せずにテンションが付与される場合がある(図18(b)の上向き矢印及び下向き矢印参照)。このとき、繊維束Fに作用するテンションによって、突起部81に対して、突起部81が外側部材73及び内側部材74に押し付けられる向きに力が働く(図18(b)の右向き矢印参照)。このため、繊維束Fにテンションが作用することにより、ゲート部72及び突起部81が繊維束Fを把持する力がいっそう強くなる。したがって、把持されている繊維束Fが引っ張られた場合でも、繊維束Fが繊維束保持装置60から脱落することが抑制される。
次に、制御装置10(図4参照)は、不図示のカッタをライナーL1の軸中心周りに回転させ、繊維束Fのうち、ライナー径方向において内側部材74とライナーL1との間に位置している部分を切断する(図15(d)参照)。これにより、繊維束保持装置60によって繊維束Fが保持されたままの状態で、ライナーL1を新しいライナーL2と交換することが可能となる。ライナーの交換は、例えば作業者によって人手で行われる。
次に、制御装置10(図4参照)は、ガイド移動モータ56(図4参照)を制御して、ノズルユニット53のガイド部材58をライナー径方向において新しいライナーL2に近づける(図15(e)参照)。さらに、制御装置10は、ライナー回転モータ35(図4参照)を制御してライナーL2を回転させる。これにより、繊維束Fのうち、繊維束保持装置60によって把持されている部分よりも繊維束走行方向における上流側の部分が、ライナーL2の端部に巻き付けられる(図15(e)参照)。最後に、制御装置10は、第2モータ83(図4参照)を制御して第2部材80を回転させ、ゲート部72と突起部81とを離隔させることによって、把持されている繊維束Fを解放する(図15(f)参照)。以上のようにして、ライナーLの交換作業が完了する。
以上のように、複数のゲート部72が閉状態であるときに、複数のゲート部72と複数の突起部81との間に複数の繊維束Fをそれぞれ挟んで把持可能である。また、ゲート部72と突起部81とを離隔させることにより、繊維束Fを解放できる。したがって、繊維束保持装置60に繊維束Fを巻きつけなくても、繊維束Fを一時的に保持できる。
また、外側部材73及び内側部材74を回動させるための単純な構造により、開閉部73b、74bを開姿勢と閉姿勢との間で切り換えることができ、ゲート部72を開状態と閉状態との間で容易に切り換えることができる。
また、外側部材73が回動軸73aと開閉部73bとを有し、内側部材74が回動軸74aと開閉部74bとを有する。また、外側部材73と内側部材74とが、互いに逆向きに回動する。これにより、外側部材73と突起部81との間、及び、内側部材74と突起部81との間の両方に繊維束Fを挟み込んで把持することができる。したがって、繊維束Fをより確実に保持できる。
また、通過穴82が第2部材80に形成され、ゲート部72が通過穴82を通過している。これにより、通過穴が第1部材70に形成された構成(すなわち、突起部81が通過穴を通過している構成)と比べて、少なくとも、突起部81のライナー軸方向における長さを短くすることができる。このため、突起部81を太くしなくても突起部81の曲げ剛性を大きくすることができる。したがって、装置の大型化を回避しつつ、繊維束保持装置60によって保持されている繊維束Fにテンションが意図的に或いは意図せずに付与された場合でも、当該テンションに起因する突起部81の変形等を抑制できる。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)前記実施形態において、ギア78e(図9(b)等参照)及びギア84e(図9(a)等参照)が平歯車であるものとしたが、これには限られない。例えば、図19に示すように、外側ギア75のライナー径方向における外側に配置されたリングギア91において、内周面の歯91aに加えて、外周面にも歯91bが形成されていても良い。さらに、第1モータ77の動力伝達方向におけるリングギア71の上流側に第1ウォーム92が配置され、第1ウォーム92が歯91bと噛み合っていても良い。この場合、第1ウォーム92とリングギア71とを合わせたものが本発明の第1ウォームギア機構に相当する。また、第2モータ83の動力伝達方向における第2部材80の上流側に第2ウォーム93が配置され、第2ウォーム93が歯80aと噛み合っていても良い。この場合、第2ウォーム93と第2部材80とを合わせたものが本発明の第2ウォームギア機構に相当する。このようにすることで、繊維束保持装置60によって保持されている繊維束Fにテンションが意図的に或いは意図せずに付与された場合でも、本来の動力伝達方向とは逆向きに動力が伝えられることを抑制できる(いわゆるセルフロック)。したがって、繊維束Fを安定的に保持できる。
(2)前記までの実施形態において、第2部材80がライナーLの軸中心周りに回転可能に構成されているものとしたが、これには限られない。すなわち、第2部材80の代わりに、或いは第2部材80に加えて、第1部材70がライナーLの軸中心周りに回転可能に構成されていても良い。つまり、第1部材70及び第2部材80が、ライナーLの軸中心周りに互いに相対回転可能に構成されていれば良い。
(3)前記までの実施形態において、第2部材80が第1部材70の軸方向における先端側に配置されているものとしたが、これには限られない。すなわち、第1部材70が第2部材80の軸方向における先端側に配置されていても良い。なお、このような変形例において、第1部材70がライナーLの軸中心周りに回転可能に構成されている場合、突起部81が第1部材70をライナー軸方向に通過するための通過穴が第1部材70に形成されていることが求められる。さらに、例えば前記(2)の変形例のように、第1部材70及び第2部材80の両方がライナーLの軸中心周りに回転可能に構成されている場合、第1部材70及び第2部材80の両方に通過穴が形成されていることが求められる。このように、第1部材70及び第2部材80のうち少なくとも一方に通過穴が形成されていることが求められる。
(4)前記までの実施形態において、ゲート部72の外側部材73が開閉部73bを有し、内側部材74が開閉部74bを有し、開閉部73b、74bが開姿勢と閉姿勢との間で姿勢を切換可能であるものとしたが、これには限られない。すなわち、外側部材73及び内側部材74のうち一方のみが、姿勢を切換可能に構成されていても良い。
(5)前記までの実施形態において、外側部材73及び/又は内側部材74が回動することによりゲート部72の状態が開状態と閉状態との間で切り換わるものとしたが、これには限られない。一例として、外側部材73及び/又は内側部材74が、不図示のラックアンドピニオン機構等によってライナー径方向に移動可能に構成されていても良い。このような構成によって、ゲート部72の状態を開状態と閉状態との間で切り換えても良い。
(6)前記までの実施形態において、繊維束保持装置60は、ライナーLの交換時に繊維束Fを一時的に保持するものとしたが、これには限られない。繊維束保持装置60は、例えば、ライナーLが新規に支持ユニット30に支持される際に、繊維束Fを一時的に保持しても良い。
(7)前記までの実施形態において、繊維束保持装置60は、繊維束Fを切断する不図示のカッタを有するものとしたが、これには限られない。繊維束保持装置60は、必ずしもカッタを有していなくても良い。この場合、例えば作業者がカッタ等を手で持って繊維束Fを切断しても良い。
1 フィラメントワインディング装置
50 ヘリカル巻ユニット
60 繊維束保持装置
70 第1部材
71 リングギア
72 ゲート部
73 外側部材
73a 回動軸
73b 開閉部
74 内側部材
74a 回動軸
74b 開閉部
80 第2部材
81 突起部
82 通過穴
92 第1ウォーム
93 第2ウォーム
F 繊維束
L ライナー

Claims (5)

  1. 複数の繊維束をライナーの外周面にヘリカル巻きするヘリカル巻ユニットと、
    少なくとも前記ライナーの交換時に、前記複数の繊維束のうち前記ヘリカル巻ユニットよりも繊維束走行方向における下流側に位置している部分を一時的に保持する繊維束保持装置と、を備えるフィラメントワインディング装置であって、
    前記繊維束保持装置は、
    ライナー軸方向における一方側へ突出した複数のゲート部がライナー周方向に並べて設けられた、前記ライナー軸方向に移動可能な第1部材と、
    前記ライナー軸方向において前記第1部材と並べて配置され、前記ライナー軸方向における前記一方側へ突出した複数の突起部が前記ライナー周方向に並べて設けられた、前記ライナー軸方向に移動可能な第2部材と、を有し、
    前記第1部材及び前記第2部材のうち少なくとも一方には、前記ライナー軸方向に貫通し且つ前記ライナー周方向に延在し、前記複数のゲート部又は前記複数の突起部が前記ライナー軸方向に通過している複数の通過穴が形成され、
    前記第1部材と前記第2部材とは、前記ライナーの軸中心周りに相対回転可能であり、
    前記複数のゲート部は、
    前記複数の突起部が前記複数のゲート部を前記ライナー周方向において相対的に通過することを許可する開状態と、前記複数の突起部が前記複数のゲート部を前記ライナー周方向において相対的に通過することを禁止する閉状態との間で状態を切換可能であり、
    前記複数のゲート部が前記閉状態であるときに、前記複数のゲート部と前記複数の突起部との間に前記複数の繊維束をそれぞれ挟んで把持可能であることを特徴とするフィラメントワインディング装置。
  2. 前記複数のゲート部の各々は、
    少なくともライナー径方向における外端が前記複数の突起部よりもライナー径方向における外側に位置するように配置された外側部材と、
    少なくともライナー径方向における内端が前記複数の突起部よりも前記ライナー径方向における内側に位置するように配置された内側部材と、を有し、
    前記外側部材及び前記内側部材のうち少なくとも一方は、
    前記第1部材に回動可能に支持された回動軸と、
    前記回動軸の前記ライナー軸方向における前記一方側に設けられた、前記回動軸と一体的に回動可能な開閉部と、を有し、
    前記開閉部は、
    前記ライナー径方向における位置が前記複数の突起部と重なっていない開姿勢と、前記ライナー径方向における位置が前記複数の突起部と少なくとも部分的に重なっている閉姿勢との間で姿勢を切り換えることにより、前記ゲート部の状態を前記開状態と前記閉状態との間で切り換えることを特徴とする請求項1に記載のフィラメントワインディング装置。
  3. 前記外側部材及び前記内側部材の両方が、前記回動軸と前記開閉部とをそれぞれ有し、
    前記外側部材と前記内側部材とが、互いに逆向きに回動するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のフィラメントワインディング装置。
  4. 前記第2部材は、前記第1部材よりも前記ライナー軸方向における前記一方側に配置され、
    前記複数の通過穴は、前記第2部材と前記第1部材とが相対回転しているときに前記複数のゲート部が前記複数の通過穴に沿って前記ライナー周方向に移動できるように、前記第2部材に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のフィラメントワインディング装置。
  5. 前記繊維束保持装置は、
    前記ゲート部を動作させる第1ウォームギア機構と、
    前記第1部材と前記第2部材とを相対回転させる第2ウォームギア機構と、を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のフィラメントワインディング装置。
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