JP2020032689A - フィラメントワインディング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維束を巻き付けることのできるライナー径の許容範囲を拡大する。【解決手段】ヘリカル巻きユニットに設けられたノズルユニット53は、移動用リングギア58から伝達される動力によってライナーLの径方向に移動可能な移動体61と、移動体61に設けられ、回転用リングギア59から伝達される動力によって径方向に延びる回転軸A周りに回転可能な、繊維束FをライナーLに案内するガイド体65と、移動体61を径方向に移動可能に支持する支持部63を有する支持体60と、を有する。支持部63は、移動用リングギア58の端面の外側、且つ、回転用リングギア59の端面の外側に配置されている。【選択図】図5
Description
本発明は、ライナーに繊維束をヘリカル巻きするヘリカル巻きユニットを備えたフィラメントワインディング装置に関する。
例えば特許文献1には、ライナーに繊維束をヘリカル巻きするヘリカル巻きユニット(特許文献1ではヘリカルヘッド)を備えたフィラメントワインディング装置が開示されている。ヘリカル巻きユニットには、ライナーの径方向(以下、単に径方向と言う)に延びる繊維供給ガイドが、ライナーの軸を中心とする周方向に複数配置されている。複数の繊維供給ガイドは、それぞれライナーに繊維束を案内する。繊維供給ガイドは、径方向に移動可能、且つ、径方向に延びる回転軸周りに回転可能に構成されている。ライナーに繊維束を巻き付ける際には、繊維供給ガイドの先端部がライナーの周面近傍に位置するように、繊維束供給ガイドを径方向に移動させる。また、巻付方向等に応じて繊維供給ガイドの回転を適宜制御する。
フィラメントワインディング装置の汎用性を向上させるために、繊維束を巻き付けることのできるライナー径の許容範囲を拡大したいという要求がある。そのためには、繊維供給ガイドが径方向に移動できる可動範囲を拡大する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載のヘリカル巻きユニットでは、繊維供給ガイドの径方向の可動範囲を拡大することは困難であった。以下、その理由について説明する。
特許文献1では、繊維供給ガイドを動作させるための動力をリングギア(特許文献1では回転筒)によって伝達している。特許文献1の図5から明らかなように、繊維供給ガイド及び繊維供給ガイドの駆動機構は、リングギアの内側に配置されている。このような構成だと、駆動機構(具体的にはボールねじ機構)を径方向外側に延ばすと、駆動機構がリングギアとぶつかってしまうため、繊維供給ガイドの可動範囲を径方向外側に拡大することはほとんどできない。一方、駆動機構を径方向内側に延ばすと、駆動機構がライナーと干渉するおそれがあるため、繊維供給ガイドの可動範囲を径方向内側に拡大することも困難である。
本発明に係るフィラメントワインディング装置は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、繊維束を巻き付けることのできるライナー径の許容範囲を拡大することを目的とする。
本発明は、ライナーに繊維束をヘリカル巻きするヘリカル巻きユニットを備えたフィラメントワインディング装置であって、前記ヘリカル巻きユニットは、前記ライナーの軸を中心とする周方向に並べられた複数のノズルユニットと、前記周方向に沿って環状に形成され、前記複数のノズルユニットに動力を伝達する移動用リングギア及び回転用リングギアと、を備え、前記ノズルユニットは、前記移動用リングギアから伝達される動力によって前記ライナーの径方向に移動可能な移動体と、前記移動体に設けられ、前記回転用リングギアから伝達される動力によって前記径方向に延びる回転軸周りに回転可能な、前記繊維束を前記ライナーに案内するガイド体と、前記移動体を前記径方向に移動可能に支持する支持部を有する支持体と、を有しており、前記支持部は、前記移動用リングギアの端面の外側、且つ、前記回転用リングギアの端面の外側に配置されることを特徴とする。
本発明では、ガイド体を含む移動体を径方向に移動可能に支持する支持部が、移動用リングギア及び回転用リングギアの端面の外側に配置されている。このため、支持部を径方向外側に延ばしても、支持部が移動用リングギア又は回転用リングギアにぶつかることがない。したがって、本発明によれば、ガイド体(移動体)が径方向に移動できる可動範囲を拡大することができる。その結果、繊維束を巻き付けることのできるライナー径の許容範囲を拡大することができる。
本発明において、前記ガイド体は、前記ライナーに複数の前記繊維束を案内するとよい。
このような構成であれば、1つのガイド体が繊維束を1本しか案内できない構成と比べて、同じ本数の繊維束を案内するのに必要なガイド体(ノズルユニット)の数を減らすことができる。したがって、複数のガイド体を互いに干渉させることなく、より径方向内側まで移動させることができ、小径のライナーにも対応可能となる。
本発明において、前記ノズルユニットは、前記移動用リングギアと噛み合い、前記移動用リングギアの回転に伴って従動回転することで、前記移動体を前記径方向に移動させる移動用従動ギアと、前記回転用リングギアと噛み合い、前記回転用リングギアの回転に伴って従動回転することで、前記ガイド体を前記回転軸周りに回転させる回転用従動ギアと、を有するとよい。
このように、ノズルユニットに移動用従動ギア及び回転用従動ギアが一体的に設けられていれば、ノズルユニットの取り付けが容易となる。
本発明において、前記ノズルユニットは、前記移動用従動ギアの回転動作を前記移動体の前記径方向への移動動作に変換するラックアンドピニオン機構を有するとよい。
ラックアンドピニオン機構は、例えばボールねじ機構と比べると、同じ回転数のモータでもより高速の直線移動が可能なので、ガイド体を高速で径方向に移動させることができる。
本発明において、前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の上流側の端部に、前記走行方向から見て格子状に構成された繊維束導入ガイドが設けられているとよい。
1つのガイド体で複数の繊維束をライナーに案内する場合でも、繊維束導入ガイドの格子の間に各繊維束を通せば、繊維束同士が重ならないように各繊維束を導入することができる。
本発明において、前記繊維束導入ガイドは、前記走行方向に交差する第1方向に並べられた複数の第1バーガイドと、前記走行方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並べられた複数の第2バーガイドと、を組み合わせることによって格子状に構成されているとよい。
このような構成であれば、第1バーガイド又は第2バーガイドの数を変更することで、1つのガイド体で案内可能な繊維束の本数を容易に変更することができる。
本発明において、前記繊維束導入ガイドは、前記複数の第1バーガイドを一体的に有する櫛歯状の第1ガイドと、前記複数の第2バーガイドを一体的に有する櫛歯状の第2ガイドと、を組み合わせることによって格子状に構成されており、前記第1ガイド及び前記第2ガイドの少なくとも何れか一方は着脱自在であるとよい。
最初から繊維束導入ガイドが格子状に構成されていると、繊維束を格子の間に通すのに手間取るおそれがある。この点、上述のように、櫛歯状の第1ガイド及び第2ガイドの少なくとも一方が着脱自在であれば、まず一方のガイドに繊維束を通してから、残りのガイドを位置決めすることで、格子の間に繊維束を容易に配置することができる。
本発明において、前記第1バーガイド及び前記第2バーガイドの少なくとも何れか一方は弾性部材を介して支持されており、互いに隣り合う前記第1バーガイド同士の間隔及び前記第2バーガイド同士の間隔のうち少なくとも何れか一方の間隔が、前記弾性部材が変形することで広げられるとよい。
繊維束には、繊維束同士を結んだ結び目が存在することがある。結び目は他の部分よりも太くなっているため、バーガイドが完全に固定されていると、結び目がバーガイドの間を通過できず引っ掛かるおそれがある。そこで、上述のようにバーガイドの間隔が広がるように構成していれば、結び目もバーガイドの間を問題なく通過することができる。
本発明において、前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の下流側の端部に、前記走行方向に交差する方向に複数の前記繊維束が並んで走行可能な櫛歯状の規制ガイドが設けられているとよい。
このような規制ガイドを設けることで、1つのガイド体で複数の繊維束をライナーに案内する場合でも、繊維束同士が重なってしまうことを避けることができる。
本発明において、前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の下流側の端部に、前記ライナーに巻き付けられる前記繊維束が最後に通過する先端ガイドが設けられており、前記先端ガイドは、前記ガイド体の本体部に対して着脱可能であるとよい。
繊維束が最後に通過する先端ガイドには、ライナーに供給される繊維束が押し付けられる。このため、先端ガイドは、繊維束に含浸されている樹脂が付着して汚れたり、繊維束との摩擦によって摩耗したりしやすい。先端ガイドを着脱可能に構成することで、先端ガイドが汚れたり摩耗したりした場合でも、先端ガイドを容易に交換することができる。
本発明において、前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の下流側の端部に、前記ライナーに巻き付けられる前記繊維束が最後に通過する先端ガイドが設けられており、前記先端ガイドの前記径方向の位置及び前記回転軸周りの位置の少なくとも何れか一方を微調整するための微調整機構が、前記移動体に設けられているとよい。
従来、先端ガイドの位置を微調整するために、動力伝達方向において移動体よりも上流側に配置されたギアの回転位置を調整していた。つまり、微調整したい部位と実際に調整する部位とが遠く離れており、微調整が難しいという問題があった。この点、上述のように移動体に微調整機構を設ける構成であれば、先端ガイドに近いところで微調整を行うことができるので、微調整を容易に行うことができる。
本発明において、前記微調整機構は、前記先端ガイドを前記ガイド体の本体部に固定するための第1ねじと、前記第1ねじが螺合可能な第1ねじ穴が形成された、前記先端ガイド及び前記本体部の一方と、前記第1ねじを挿入可能且つ前記径方向に延びる第1長穴が形成された、前記先端ガイド及び前記本体部の他方と、によって構成されているとよい。
このような微調整機構によれば、先端ガイドを第1長穴に沿って径方向に移動させることができるので、先端ガイドの径方向位置を容易に微調整することができる。
本発明において、前記微調整機構は、前記ガイド体の前記回転軸と同軸の回転用ギアを前記ガイド体に固定するための第2ねじと、前記第2ねじが螺合可能な第2ねじ穴が形成された、前記回転用ギア及び前記ガイド体の一方と、前記第2ねじを挿入可能且つ前記回転軸を中心とする周方向に延びる第2長穴が形成された、前記回転用ギア及び前記ガイド体の他方と、によって構成されているとよい。
このような微調整機構によれば、ガイド体を第2長穴に沿って周方向に移動させることができるので、ガイド体の回転位置を容易に微調整することができる。つまり、先端ガイドの回転位置を容易に微調整することができる。
本発明において、前記ガイド体は、前記径方向に延びる筒状の第1ガイド体と、前記径方向に延びており、前記径方向の外側の端部が前記第1ガイド体に挿入されるとともに、前記径方向の内側の端部に前記先端ガイドが設けられる第2ガイド体と、を有し、さらに、前記第1ガイド体のうち前記第2ガイド体が挿入されている部分の内周面と、前記第2ガイド体のうち前記第1ガイド体に挿入されている部分の外周面との間にリング状の固定部材が設けられており、前記微調整機構は、前記第1ガイド体の前記径方向の内側の端部の内周面を、前記径方向の内側ほど大径となるテーパー面とし、前記固定部材の外周面を、前記径方向の内側ほど大径となるテーパー面とするとともに、前記固定部材に前記径方向に延びるスリットを形成することによって構成されているとよい。
このような微調整機構によれば、第1ガイド体の内周面と第2ガイド体の外周面との間に配置されたリング状の固定部材を径方向外側に移動させると、テーパー面同士が係合し、固定部材のスリットが閉じる。その結果、固定部材によって第2ガイド体が締め付けられ、第2ガイド体が固定部材を介して第1ガイド体に固定される。一方、固定部材を径方向内側に移動させると、固定部材のスリットが開き、第2ガイド体の締め付けを緩めることができる。その結果、先端ガイドが設けられた第2ガイド体を自由に動かすことができる。よって、先端ガイドの径方向位置及び回転位置を同時に容易に微調整することができる。
本発明において、前記ガイド体に、複数のバーガイドが前記繊維束の走行方向に並んで設けられており、前記繊維束は前記複数のバーガイドを縫うように走行するとよい。
こうすれば、複数のバーガイドによって繊維束にテンションを付与でき、ライナーへの繊維束の巻き付けを好適に行うことができる。
本発明において、前記ガイド体に固定された、前記ガイド体の前記回転軸と同軸の回転用ギアと、前記回転用ギアに噛み合う中間ギアと、が設けられており、前記回転用ギアの歯数が前記中間ギアの歯数よりも多いとよい。
こうすれば、回転用ギア及び中間ギアにおけるギア比を大きくすることができ、バックラッシュを低減できる。
(フィラメントワインディング装置)
本発明の一実施形態に係るフィラメントワインディング装置について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るフィラメントワインディング装置を示す斜視図である。本明細書では、説明の便宜上、図1に示す方向語を適宜使用する。フィラメントワインディング装置1は、巻付装置2と、巻付装置2の後部の左右両側に配置された一対のクリールスタンド3とを備え、全体として概ね左右対称に構成されている。なお、図1では、図が煩雑になることを避けるため、巻付装置2のうち左右一対のクリールスタンド3に挟まれる部分の図示を省略している。
本発明の一実施形態に係るフィラメントワインディング装置について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るフィラメントワインディング装置を示す斜視図である。本明細書では、説明の便宜上、図1に示す方向語を適宜使用する。フィラメントワインディング装置1は、巻付装置2と、巻付装置2の後部の左右両側に配置された一対のクリールスタンド3とを備え、全体として概ね左右対称に構成されている。なお、図1では、図が煩雑になることを避けるため、巻付装置2のうち左右一対のクリールスタンド3に挟まれる部分の図示を省略している。
巻付装置2は、概ね円筒状のライナーLに繊維束(図1では図示省略)を巻き付けるための装置である。繊維束は、例えば炭素繊維等の繊維材料に、熱硬化性又は熱可塑性の合成樹脂材が含浸されたものである。例えば、巻付装置2で圧力タンク等の圧力容器を製造する場合は、ライナーLとして、図1に示すような、円筒状の大径部の両側にドーム状の小径部を有する形状のものが用いられる。ライナーLは、例えば、高強度アルミニウム、金属、樹脂等によって作製されている。ライナーLに繊維束を巻き付けた後、焼成等の熱硬化工程又は冷却工程を経ることにより、高強度の圧力容器等の最終製品を生産することができる。
クリールスタンド3は、巻付装置2の側方に配置された支持フレーム11によって、繊維束が巻かれた複数のボビン12が回転可能に支持された構成を有する。クリールスタンド3の各ボビン12から供給される繊維束は、後述のヘリカル巻きユニットによってヘリカル巻きを行う際に使用される。
(巻付装置)
巻付装置2の詳細について説明する。図2は、巻付装置2を示す斜視図である。図3は、巻付装置2の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、巻付装置2は、基台20と、支持ユニット30(第1支持ユニット31及び第2支持ユニット32)と、フープ巻きユニット40と、ヘリカル巻きユニット50と、を備える。
巻付装置2の詳細について説明する。図2は、巻付装置2を示す斜視図である。図3は、巻付装置2の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、巻付装置2は、基台20と、支持ユニット30(第1支持ユニット31及び第2支持ユニット32)と、フープ巻きユニット40と、ヘリカル巻きユニット50と、を備える。
基台20は、支持ユニット30、フープ巻きユニット40、及び、ヘリカル巻きユニット50を支持する。基台20の上面には、前後方向に延びる複数のレール21が配設されている。支持ユニット30及びフープ巻きユニット40は、レール21上に配置され、レール21上を前後方向に往復移動可能である。一方、ヘリカル巻きユニット50は、基台20に固設されている。第1支持ユニット31、フープ巻きユニット40、ヘリカル巻きユニット50、及び、第2支持ユニット32は、この順番で前側から後側に配置されている。
支持ユニット30は、フープ巻きユニット40よりも前側に配置される第1支持ユニット31と、ヘリカル巻きユニット50よりも後側に配置される第2支持ユニット32と、を有する。支持ユニット30は、ライナーLの軸方向(前後方向)に延びる支持軸33を介して、ライナーLを軸周りに回転可能に支持する。支持ユニット30は、移動用モータ34及び回転用モータ35を有する(図3参照)。移動用モータ34は、第1支持ユニット31及び第2支持ユニット32をレール21に沿って前後方向に移動させる。回転用モータ35は、支持軸33を回転させることでライナーLを軸周りに回転させる。移動用モータ34及び回転用モータ35は、制御装置10によって駆動制御される。
フープ巻きユニット40は、ライナーLの周面にフープ巻きを施す。フープ巻きとは、ライナーLの軸方向に概ね直角な方向に繊維束を巻き付ける巻き方のことである。フープ巻きユニット40は、本体部41と、回転部材42と、複数のボビン43と、を有する。本体部41は、レール21上に配置されており、円盤状の回転部材42をライナーLの軸周りに回転可能に支持する。回転部材42の中央部には、ライナーLが通過可能な円形の通過穴44が形成されている。回転部材42は、通過穴44の周りに周方向に等間隔で配置された複数のボビン43を回転可能に支持する。各ボビン43には、繊維束が巻かれている。
フープ巻きユニット40は、移動用モータ45及び回転用モータ46を有する(図3参照)。移動用モータ45は、本体部41をレール21に沿って前後方向に移動させる。回転用モータ46は、回転部材42をライナーLの軸周りに回転させる。移動用モータ45及び回転用モータ46は、制御装置10によって駆動制御される。フープ巻きの実行時には、制御装置10は、本体部41をレール21に沿って往復移動させながら回転部材42を回転させる。これによって、ライナーLの周りで回転している各ボビン43から繊維束が引き出され、複数の繊維束がライナーLの周面に一斉にフープ巻きされる。
ヘリカル巻きユニット50は、ライナーLの周面にヘリカル巻きを施す。ヘリカル巻きとは、ライナーLの軸方向に概ね平行な方向に繊維束を巻き付ける巻き方のことである。ヘリカル巻きユニット50は、本体部51と、フレーム部材52と、複数(本実施形態では9個)のノズルユニット53と、を有する。本体部51は、基台20に固設されている。フレーム部材52は、本体部51に取り付けられた円盤状の部材である。フレーム部材52の中央部には、ライナーLが通過可能な円形の通過穴54が形成されている。複数のノズルユニット53は、ライナーLの軸を中心とする周方向に並べられており、全体として放射状に配置されている。各ノズルユニット53は、フレーム部材52に固定されている。
図4は、ヘリカル巻きユニット50の正面図である。図4に示すように、ノズルユニット53は、繊維束FをライナーLに案内するガイド体65を有する。ガイド体65は、ライナーLの径方向(以下、単に径方向と言う)に延びており、径方向に移動可能且つ径方向に延びる回転軸周りに回転可能に構成されている。ノズルユニット53の径方向外側には、ガイドローラ55が配置されている。クリールスタンド3の各ボビン12から引き出された繊維束Fは、ガイドローラ55を経由してガイド体65を通り、ライナーLに至る。
ヘリカル巻きユニット50は、ガイド移動用モータ56及びガイド回転用モータ57を有する(図3参照)。ガイド移動用モータ56は、ガイド体65を径方向に移動させる。ガイド回転用モータ57は、ガイド体65を回転軸周りに回転させる。ガイド移動用モータ56及びガイド回転用モータ57は、制御装置10によって駆動制御される。ヘリカル巻きの実行時には、制御装置10は、支持ユニット30を駆動制御することにより、ライナーLを軸周りにゆっくり回転させながら通過穴54を通過させる。同時に、制御装置10は、各ノズルユニット53のガイド体65を、適宜径方向に移動させるとともに回転軸周りに回転させる。これによって、各ノズルユニット53のガイド体65から繊維束Fが引き出され、複数の繊維束FがライナーLの周面に一斉にヘリカル巻きされる。
ガイド体65の径方向の移動制御は、ライナーLの周面の近傍にガイド体65の先端部を位置させるべく行われる。図4のa図は、ライナーLの大径部に繊維束Fを巻き付けるときを図示したものである。図4のb図は、ライナーLの小径部に繊維束Fを巻き付けるときを図示したものである。このように、ライナーLの小径部に繊維束Fを巻き付けるときは、大径部に繊維束Fを巻き付けるときよりもガイド体65を径方向内側に移動させる。また、ガイド体65の回転軸周りの回転制御は、ライナーLに対する繊維束Fの巻付方向が変わったとき等に、繊維束Fを適切な態様で引き出すべく行われる。
(ノズルユニット)
ノズルユニット53の詳細について説明する。図5は、ノズルユニット53を図4のa図のV方向から見た側面図である。図6は、ノズルユニット53を図4のa図のVI方向から見た側面図である。図5及び図6は、ガイド体65が最も径方向外側に位置している状態を図示している。
ノズルユニット53の詳細について説明する。図5は、ノズルユニット53を図4のa図のV方向から見た側面図である。図6は、ノズルユニット53を図4のa図のVI方向から見た側面図である。図5及び図6は、ガイド体65が最も径方向外側に位置している状態を図示している。
ノズルユニット53は、フレーム部材52の前面に不図示のボルトによって取り付けられており、フレーム部材52に対して着脱可能に構成されている。ノズルユニット53は、フレーム部材52に固定される支持体60と、支持体60によって径方向に移動可能に支持される移動体61と、を有して構成される。
支持体60は、固定部62及び支持部63を有する。固定部62は、フレーム部材52に固定される部位である。支持部63は径方向に延びている。支持部63には、同じく径方向に延びる不図示のレールが設けられている。このレールに移動体61が係合されており、これによって、支持部63は移動体61を径方向に移動可能に支持している。支持部63は、後述する移動用リングギア58の端面の外側、且つ、回転用リングギア59の端面の外側に配置されている。
移動体61は、本体64及びガイド体65を有する。本体64は、筒部66と被支持部67とが一体的に形成された構成を有する。筒部66は、径方向に延びる円筒状に構成されている。被支持部67は、筒部66から径方向外側に突出するように径方向に延びており、支持部63に設けられたレールに係合している。
ガイド体65は、径方向に延びており、複数の繊維束FをライナーLに案内することができる。繊維束Fの走行方向(以下、単に走行方向と言う)におけるガイド体65の上流側の部分は、筒部66の内部に設けられた不図示のベアリングによって回転可能に支持されている。これによって、ガイド体65が径方向に延びる回転軸A周りに回転可能となっている。走行方向におけるガイド体65の上流側の端部には、複数の繊維束Fをガイド体65に導入するための繊維束導入ガイド68が設けられている。繊維束導入ガイド68を介してガイド体65に導入された複数の繊維束Fは、走行方向におけるガイド体65の下流側の端部(以下、先端部と言う)から引き出され、ライナーLの周面に巻き付けられる。
(ノズルユニットの移動機構)
次に、ノズルユニット53の駆動機構、すなわち、移動体61を径方向に移動させるための移動機構70(図5参照)及びガイド体65を回転軸A周りに回転させるための回転機構80(図6参照)について説明する。
次に、ノズルユニット53の駆動機構、すなわち、移動体61を径方向に移動させるための移動機構70(図5参照)及びガイド体65を回転軸A周りに回転させるための回転機構80(図6参照)について説明する。
まず、移動機構70について説明する。図5に示すように、移動機構70は、フレーム部材52の後側に配置された移動用リングギア58から動力を受け取る。移動用リングギア58は、ライナーLの軸を中心とする周方向に沿って環状に形成されており、フレーム部材52によってライナーLの周方向に回転可能に支持されている。
移動機構70は、動力伝達方向の上流側から順番に、従動ギア71、駆動シャフト72、カップリング73、伝達シャフト74、ピニオンギア75、及び、ラックギア76を有する。従動ギア71からピニオンギア75までは、支持体60に取り付けられている。一方、ラックギア76は、移動体61に取り付けられている。
従動ギア71は、駆動シャフト72の後端部に固定されており、移動用リングギア58の内周面に形成されたギアと噛み合っている。ピニオンギア75は、伝達シャフト74の前端部に固定されており、ラックギア76と噛み合っている。駆動シャフト72と伝達シャフト74とは、カップリング73によって連結されており、従動ギア71とピニオンギア75とは一体回転する。ただし、カップリング73を省略し、駆動シャフト72及び伝達シャフト74を1本のシャフトで構成してもよい。ラックギア76は、移動体61の被支持部67に固定されており、径方向に延びている。
ガイド移動用モータ56によって移動用リングギア58を回転させると、図5において矢印で示すように、従動ギア71が回転することでピニオンギア75が回転する。そして、ピニオンギア75とラックギア76とからなるラックアンドピニオン機構によって、ピニオンギア75の回転動作が、移動体61の径方向への移動動作に変換される。こうして、移動機構70によって、移動体61を径方向に移動させることができる。
各ノズルユニット53の従動ギア71は、共通の移動用リングギア58に噛み合っている。このため、移動用リングギア58を回転させると、移動用リングギア58から各ノズルユニット53に動力が共通に伝達され、各ノズルユニット53の移動体61を一斉に径方向に移動させることができる。なお、フレーム部材52には、ライナーLの軸方向に貫通する貫通穴52aが形成されている。よって、ノズルユニット53を取り付ける際は、従動ギア71を貫通穴52aの前側から後側に通過させることで、従動ギア71を移動用リングギア58に噛み合わせることが可能となっている。
(ノズルユニットの回転機構)
続けて、回転機構80について説明する。図6に示すように、回転機構80は、フレーム部材52の前側に配置された回転用リングギア59から動力を受け取る。回転用リングギア59は、ライナーLの軸を中心とする周方向に沿って環状に形成されており、フレーム部材52によってライナーLの周方向に回転可能に支持されている。移動用リングギア58と回転用リングギア59とは同径である。
続けて、回転機構80について説明する。図6に示すように、回転機構80は、フレーム部材52の前側に配置された回転用リングギア59から動力を受け取る。回転用リングギア59は、ライナーLの軸を中心とする周方向に沿って環状に形成されており、フレーム部材52によってライナーLの周方向に回転可能に支持されている。移動用リングギア58と回転用リングギア59とは同径である。
回転機構80は、動力伝達方向の上流側から順番に、従動ギア81、駆動シャフト82、カップリング83、伝達シャフト84、第1ベベルギア85、第2ベベルギア86、ガイド軸87、中間ギア88、及び、回転用ギア89を有する。従動ギア81から第2ベベルギア86までは、支持体60に取り付けられている。一方、ガイド軸87から回転用ギア89までは、移動体61に取り付けられている。
従動ギア81は、駆動シャフト82の後端部に固定されており、回転用リングギア59の内周面に形成されたギアと噛み合っている。第1ベベルギア85は、伝達シャフト84の前端部に固定されており、第2ベベルギア86と噛み合っている。駆動シャフト82と伝達シャフト84とは、カップリング83によって連結されており、従動ギア81と第1ベベルギア85とは一体回転する。ただし、カップリング83を省略し、駆動シャフト82及び伝達シャフト84を1本のシャフトで構成してもよい。ガイド軸87は、径方向に延びるスプライン軸や角柱によって構成されており、トルクを伝達可能である。ガイド軸87は、移動体61の被支持部67に軸周りに回転可能に取り付けられている。ガイド軸87は、第2ベベルギア86の中央部に形成された貫通穴に挿通されている。この貫通穴に挿通されたガイド軸87は、第2ベベルギア86と一体回転するが、第2ベベルギア86に対して径方向に相対移動可能である。ガイド軸87の径方向内側の端部には、中間ギア88が固定されている。中間ギア88には、ガイド体65に固定された回転用ギア89が噛み合っている。回転用ギア89は、ガイド体65の回転軸Aと同軸のギアであり、中間ギア88よりも歯数の多いギアとされている。
ガイド回転用モータ57によって回転用リングギア59を回転させると、図6において矢印で示すように、従動ギア81が回転することで第1ベベルギア85が回転し、さらに第2ベベルギア86が回転する。そして、第2ベベルギア86の回転動作は、ガイド軸87を介して中間ギア88に伝達され、回転用ギア89が回転する。こうして、回転機構80によって、ガイド体65を回転軸A周りに回転させることができる。なお、移動体61が径方向に移動する際には、ガイド軸87が第2ベベルギア86の貫通穴を移動するので、移動体61の移動が妨げられることはない。
各ノズルユニット53の従動ギア81は、共通の回転用リングギア59に噛み合っている。このため、回転用リングギア59を回転させると、回転用リングギア59から各ノズルユニット53に動力が共通に伝達され、各ノズルユニット53のガイド体65を一斉に回転軸A周りに回転させることができる。
(ガイド体の先端部の詳細構造)
図7は、ガイド体65の先端部の詳細を示す図である。図8は、図7のVIII−VIII断面における断面図である。ガイド体65の先端部は、径方向に直交する断面形状が半円状の本体部90の平面部分に、複数(本実施形態では最大で5本)の繊維束Fを案内する複数のガイド91〜94が取り付けられた構成を有する。具体的には、繊維束Fの走行方向(径方向に略一致)において上流側から順番に、第1バーガイド91、第2バーガイド92、規制ガイド93、及び、先端ガイド94が設けられている。
図7は、ガイド体65の先端部の詳細を示す図である。図8は、図7のVIII−VIII断面における断面図である。ガイド体65の先端部は、径方向に直交する断面形状が半円状の本体部90の平面部分に、複数(本実施形態では最大で5本)の繊維束Fを案内する複数のガイド91〜94が取り付けられた構成を有する。具体的には、繊維束Fの走行方向(径方向に略一致)において上流側から順番に、第1バーガイド91、第2バーガイド92、規制ガイド93、及び、先端ガイド94が設けられている。
第1バーガイド91は、走行方向に直交する方向に離間配置された一対の支持部91aと、一対の支持部91aによって支持された円柱状のバー91bとを有する。第2バーガイド92は、走行方向に直交する方向に離間配置された一対の支持部92aと、一対の支持部92aによって支持された円柱状のバー92bとを有する。図8に示すように、複数の繊維束Fは、第1バーガイド91及び第2バーガイド92を縫うように走行する。なお、バー91b、92bは円柱状に限定されず、繊維束Fが接触する部分さえ滑らかな湾曲面であればよい。
規制ガイド93は、本体部90の平面部分に対向配置される板状部93aと、板状部93aから本体部90に向かって延びる複数(本実施形態では6本)のバー93bとを有する櫛歯状のガイドである。板状部93aは、第2バーガイド92の一対の支持部92aに固定されている。複数のバー93bは、走行方向に直交する方向に並んで配置されており、各バー93bの間に1本の繊維束Fが通される。これによって、複数の繊維束Fが走行方向に直交する方向に並んで走行することができ、互いに重なることを防止できる。複数のバー93bの先端は、図8に示すように、先端ガイド94に当接している。
先端ガイド94は、ライナーLに巻き付けられる複数の繊維束Fが最後に通過するガイドである。先端ガイド94の先端部には、走行方向以外の四方が囲まれた走行空間94aが形成されており、複数の繊維束Fが走行空間94aを走行する。先端ガイド94は、本体部90にねじ95によって取り付けられており、本体部90に対して着脱可能に構成されている。
(先端ガイドの微調整機構)
各ノズルユニット53は、先端ガイド94の径方向の初期位置及び回転軸A周りの初期位置が同じになるように、フレーム部材52に取り付けられる。しかしながら、組付精度等によっては、各ノズルユニット53の先端ガイド94の初期位置にばらつきが生じ、各ノズルユニット53から同条件で繊維束Fを引き出せなくなるおそれがある。従来は、このようなばらつきを解消するため、例えば従動ギア71、81等の回転位置をオペレータが手作業で動かすことにより、先端ガイド94の径方向の位置(以下、径方向位置と言う)及び回転軸A周りの位置(以下、回転位置と言う)を微調整していた。しかしながら、先端ガイド94と従動ギア71、81とが動力伝達方向において遠く離れており、精度よく微調整を行うのが難しいという問題があった。そこで、本実施形態では、動力伝達方向において先端ガイド94に近い部位、具体的には移動体61に微調整機構を設けることにより、精度のよい微調整を簡単に行えるようにしている。
各ノズルユニット53は、先端ガイド94の径方向の初期位置及び回転軸A周りの初期位置が同じになるように、フレーム部材52に取り付けられる。しかしながら、組付精度等によっては、各ノズルユニット53の先端ガイド94の初期位置にばらつきが生じ、各ノズルユニット53から同条件で繊維束Fを引き出せなくなるおそれがある。従来は、このようなばらつきを解消するため、例えば従動ギア71、81等の回転位置をオペレータが手作業で動かすことにより、先端ガイド94の径方向の位置(以下、径方向位置と言う)及び回転軸A周りの位置(以下、回転位置と言う)を微調整していた。しかしながら、先端ガイド94と従動ギア71、81とが動力伝達方向において遠く離れており、精度よく微調整を行うのが難しいという問題があった。そこで、本実施形態では、動力伝達方向において先端ガイド94に近い部位、具体的には移動体61に微調整機構を設けることにより、精度のよい微調整を簡単に行えるようにしている。
まず、先端ガイド94の径方向位置を微調整するための微調整機構について、図7及び図8を参照しつつ説明する。先端ガイド94には、ねじ95が螺合可能な2つのねじ穴94bが形成されている。ガイド体65の本体部90には、ねじ95を挿入可能な2つの長穴90aが形成されている。ねじ95を、長穴90aに挿入した状態でねじ穴94bに螺合させることにより、先端ガイド94を本体部90にねじ止めすることができる。ここで、長穴90aは、径方向に延びる形状とされている。このため、ねじ95を緩めた状態で先端ガイド94を長穴90aに沿って移動させることで、先端ガイド94の径方向位置を微調整することができる。
続けて、先端ガイド94の回転位置を微調整するための微調整機構について、図9を参照しつつ説明する。図9は、図5のIX−IX断面における断面図である。回転用ギア89には、ねじ97が螺合可能な2つのねじ穴89aが形成されている。ガイド体65は、本体部90よりも径方向外側に突出するフランジ部96を有する。フランジ部96には、ねじ97を挿入可能な2つの長穴96aが形成されている。ねじ97を、長穴96aに挿入した状態でねじ穴89aに螺合させることにより、回転用ギア89をフランジ部96にねじ止めすることができる。ここで、長穴96aは、ガイド体65の回転軸Aを中心とする周方向に延びる形状とされている。このため、ねじ97を緩めた状態でガイド体65を長穴96aに沿って移動させることで、ガイド体65の回転位置、すなわち、先端ガイド94の回転位置を微調整することができる。
(繊維束導入ガイド)
次に、繊維束導入ガイド68について詳細に説明する。図10は、図5のX方向から見た繊維束導入ガイド68を示す図である。繊維束導入ガイド68は、繊維束Fの走行方向から見て格子状に形成された格子体100に、カバー部材101が被せられた構成を有する。格子体100は、走行方向に直交する第1方向に並べられた複数の第1バーガイド102aと、走行方向及び第1方向に直交する第2方向に並べられた複数の第2バーガイド103aと、を組み合わせることによって格子状に構成されている。カバー部材101には、導入穴101aが形成されている。導入穴101aから導入された複数の繊維束Fは、格子体100によって第1方向に間隔を空けて並んだ状態、言い換えると、互いに重ならずに第1方向に並んだ状態に規制される。なお、走行方向、第1方向及び第2方向は互いに交差していればよく、直交していることは必須ではない。
次に、繊維束導入ガイド68について詳細に説明する。図10は、図5のX方向から見た繊維束導入ガイド68を示す図である。繊維束導入ガイド68は、繊維束Fの走行方向から見て格子状に形成された格子体100に、カバー部材101が被せられた構成を有する。格子体100は、走行方向に直交する第1方向に並べられた複数の第1バーガイド102aと、走行方向及び第1方向に直交する第2方向に並べられた複数の第2バーガイド103aと、を組み合わせることによって格子状に構成されている。カバー部材101には、導入穴101aが形成されている。導入穴101aから導入された複数の繊維束Fは、格子体100によって第1方向に間隔を空けて並んだ状態、言い換えると、互いに重ならずに第1方向に並んだ状態に規制される。なお、走行方向、第1方向及び第2方向は互いに交差していればよく、直交していることは必須ではない。
図11は、格子体100を分解した分解図である。格子体100は、第1ガイド102、第2ガイド103、及び、支持部材104を有する。第1ガイド102は、複数の第1バーガイド102aが、L字状の支持部102bによって一体的に支持された櫛歯状のガイドである。各第1バーガイド102aは、ばね102cを介して支持部102bに支持されている。このため、ばね102cが変形することで、互いに隣り合う第1バーガイド102a同士の間隔を広げることができる。第2ガイド103は、複数の第2バーガイド103aが、L字状の支持部103bによって一体的に支持された櫛歯状のガイドである。各第2バーガイド103aは、ばね103cを介して支持部103bに支持されている。このため、ばね103cが変形することで、互いに隣り合う第2バーガイド103a同士の間隔を広げることができる。支持部材104は、L字状に構成されており、L字の内側には、第1ガイド102の支持部102b及び第2ガイド103の支持部103bが挿入されるL字溝104aが形成されている。
図12は、格子体100を組み立てる手順の一例を示す図である。まず、図12のa図に示すように、第1ガイド102を支持部材104に組み付け、第1バーガイド102aのみが櫛歯状に並んだ状態にする。この状態で、図12のb図に示すように、各第1バーガイド102aの間に繊維束Fを配置する。続けて、図12のc図に示すように、2本の第2バーガイド103aの間に複数の繊維束Fが位置するように、第2ガイド103を支持部材104に組み付けることで、格子体100が構成される。最後に、格子体100にカバー部材101を被せれば、繊維束導入ガイド68が完成する。最初から格子体100が完成されたものだと、繊維束Fを格子の間に通すのに苦労するが、本実施形態のように第1ガイド102及び第2ガイド103が支持部材104に対して着脱自在に構成されていれば、繊維束Fの配置が容易となる。
(効果)
本実施形態では、ガイド体65を含む移動体61を径方向に移動可能に支持する支持部63が、移動用リングギア58及び回転用リングギア59の端面の外側に配置されている。このため、支持部63を径方向外側に延ばしても、支持部63が移動用リングギア58又は回転用リングギア59にぶつかることがない。したがって、ガイド体65(移動体61)が径方向に移動できる可動範囲を拡大することができる。その結果、繊維束Fを巻き付けることのできるライナー径の許容範囲を拡大することができる。
本実施形態では、ガイド体65を含む移動体61を径方向に移動可能に支持する支持部63が、移動用リングギア58及び回転用リングギア59の端面の外側に配置されている。このため、支持部63を径方向外側に延ばしても、支持部63が移動用リングギア58又は回転用リングギア59にぶつかることがない。したがって、ガイド体65(移動体61)が径方向に移動できる可動範囲を拡大することができる。その結果、繊維束Fを巻き付けることのできるライナー径の許容範囲を拡大することができる。
本実施形態では、ガイド体65は、ライナーLに複数の繊維束Fを案内するように構成されている。このような構成であれば、1つのガイド体65が繊維束Fを1本しか案内できない構成と比べて、同じ本数の繊維束Fを案内するのに必要なガイド体65(ノズルユニット53)の数を減らすことができる。したがって、複数のガイド体65を互いに干渉させることなく、より径方向内側まで移動させることができ、小径のライナーLにも対応可能となる。
本実施形態では、ノズルユニット53は、移動用リングギア58と噛み合い、移動体61を径方向に移動させるための動力を受け取る従動ギア71(本発明の移動用従動ギアに相当)と、回転用リングギア59と噛み合い、ガイド体65を回転軸A周りに回転させるための動力を受け取る従動ギア81(本発明の回転用従動ギアに相当)と、を有する。このように、ノズルユニット53に従動ギア71、81が一体的に設けられていれば、ノズルユニット53の取り付けが容易となる。
本実施形態では、ノズルユニット53は、従動ギア71の回転動作を移動体61の径方向への移動動作に変換するラックアンドピニオン機構を有する。ラックアンドピニオン機構は、例えばボールねじ機構と比べると、同じ回転数のモータでもより高速の直線移動が可能なので、ガイド体65を高速で径方向に移動させることができる。
本実施形態では、繊維束Fの走行方向におけるガイド体65の上流側の端部に、走行方向から見て格子状に構成された繊維束導入ガイド68が設けられている。1つのガイド体65で複数の繊維束FをライナーLに案内する場合でも、繊維束導入ガイド68の格子の間に各繊維束Fを通せば、繊維束F同士が重ならないように各繊維束Fを導入することができる。
本実施形態では、繊維束導入ガイド68は、走行方向に交差する第1方向に並べられた複数の第1バーガイド102aと、走行方向及び第1方向に交差する第2方向に並べられた複数の第2バーガイド103aと、を組み合わせることによって格子状に構成されている。このような構成であれば、第1バーガイド102a又は第2バーガイド103aの数を変更することで、1つのガイド体65で案内可能な繊維束Fの本数を容易に変更することができる。
本実施形態では、繊維束導入ガイド68は、複数の第1バーガイド102aを一体的に有する櫛歯状の第1ガイド102と、複数の第2バーガイド103aを一体的に有する櫛歯状の第2ガイド103と、を組み合わせることによって格子状に構成されており、第1ガイド102及び第2ガイド103の少なくとも何れか一方は着脱自在である。最初から繊維束導入ガイド68が格子状に構成されていると、繊維束Fを格子の間に通すのに手間取るおそれがある。この点、上述のように、櫛歯状の第1ガイド102及び第2ガイド103の少なくとも一方が着脱自在であれば、まず一方のガイドに繊維束Fを通してから、残りのガイドを位置決めすることで、格子の間に繊維束Fを容易に配置することができる。
本実施形態では、第1バーガイド102a及び第2バーガイド103aの少なくとも何れか一方はばね102c、103c(本発明の弾性部材に相当)を介して支持されており、互いに隣り合う第1バーガイド102a同士の間隔及び第2バーガイド103a同士の間隔のうち少なくとも何れか一方の間隔が、ばね102c、103cが変形することで広げられるように構成されている。繊維束Fには、繊維束F同士を結んだ結び目が存在することがある。結び目は他の部分よりも太くなっているため、バーガイド102a、103aが完全に固定されていると、結び目がバーガイド102a、103aの間を通過できず引っ掛かるおそれがある。そこで、上述のようにバーガイド102a、103aの間隔が広がるように構成していれば、結び目もバーガイド102a、103aの間を問題なく通過することができる。
本実施形態では、繊維束Fの走行方向におけるガイド体65の下流側の端部に、走行方向に交差する方向に複数の繊維束Fが並んで走行可能な櫛歯状の規制ガイド93が設けられている。このような規制ガイド93を設けることで、1つのガイド体65で複数の繊維束FをライナーLに案内する場合でも、繊維束F同士が重なってしまうことを避けることができる。
本実施形態では、繊維束Fの走行方向におけるガイド体65の下流側の端部に、ライナーLに巻き付けられる繊維束Fが最後に通過する先端ガイド94が設けられており、先端ガイド94は、ガイド体65の本体部90に対して着脱可能である。繊維束Fが最後に通過する先端ガイド94には、ライナーLに供給される繊維束Fが押し付けられる。このため、先端ガイド94は、繊維束Fに含浸されている樹脂が付着して汚れたり、繊維束Fとの摩擦によって摩耗したりしやすい。先端ガイド94を着脱可能に構成することで、先端ガイド94が汚れたり摩耗したりした場合でも、先端ガイド94を容易に交換することができる。
本実施形態では、先端ガイド94の径方向位置及び回転位置の少なくとも何れか一方を微調整するための微調整機構が、移動体61に設けられている。従来、先端ガイド94の位置を微調整するために、動力伝達方向において移動体61よりも上流側に配置されたギアの回転位置を調整していた。つまり、微調整したい部位と実際に調整する部位とが遠く離れており、微調整が難しいという問題があった。この点、上述のように移動体61に微調整機構を設ける構成であれば、先端ガイド94に近いところで微調整を行うことができるので、微調整を容易に行うことができる。
本実施形態では、微調整機構は、先端ガイド94をガイド体65の本体部90に固定するためのねじ95(本発明の第1ねじに相当)と、ねじ95が螺合可能なねじ穴94b(本発明の第1ねじ穴に相当)が形成された先端ガイド94と、ねじ95を挿入可能且つ径方向に延びる長穴90a(本発明の第1長穴に相当)が形成された本体部90と、によって構成されている。このような微調整機構によれば、先端ガイド94を長穴90aに沿って径方向に移動させることができるので、先端ガイド94の径方向位置を容易に微調整することができる。
本実施形態では、微調整機構は、ガイド体65の回転軸Aと同軸の回転用ギア89をガイド体65に固定するためのねじ97(本発明の第2ねじに相当)と、ねじ97が螺合可能なねじ穴89a(本発明の第2ねじ穴に相当)が形成された回転用ギア89と、ねじ97を挿入可能且つ回転軸Aを中心とする周方向に延びる長穴96a(本発明の第2長穴に相当)が形成されたガイド体65と、によって構成されている。このような微調整機構によれば、ガイド体65を長穴96aに沿って周方向に移動させることができるので、ガイド体65の回転位置を容易に微調整することができる。つまり、先端ガイド94の回転位置を容易に微調整することができる。
本実施形態では、ガイド体65に、複数のバーガイド91、92が繊維束Fの走行方向に並んで設けられており、繊維束Fは複数のバーガイド91、92を縫うように走行する。こうすれば、複数のバーガイド91、92によって繊維束Fにテンションを付与でき、ライナーLへの繊維束Fの巻き付けを好適に行うことができる。
本実施形態では、ガイド体65に固定された、ガイド体65の回転軸Aと同軸の回転用ギア89と、回転用ギア89に噛み合う中間ギア88と、が設けられており、回転用ギア89の歯数が中間ギア88の歯数よりも多い。こうすれば、回転用ギア89及び中間ギア88におけるギア比を大きくすることができ、バックラッシュを低減できる。
(他の実施形態)
上記実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上記実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上記実施形態では、移動用リングギア58がフレーム部材52の後側、回転用リングギア59がフレーム部材52の前側に配置されるものとしたが、逆でもよい。
上記実施形態では、移動用リングギア58及び回転用リングギア59を同径としたが、移動用リングギア58の径と回転用リングギア59の径が異なってもよい。
上記実施形態では、移動用リングギア58を1つのガイド移動用モータ56で回転駆動するものとしたが、複数のモータで移動用リングギア58を回転駆動するようにしてもよい。同様に、上記実施形態では、回転用リングギア59を1つのガイド回転用モータ57で回転駆動するものとしたが、複数のモータで回転用リングギア59を回転駆動するようにしてもよい。
上記実施形態では、1つのノズルユニット53(ガイド体65)によって複数の繊維束FがライナーLに案内されるものとした。しかしながら、1つのノズルユニット53によって案内する繊維束Fの本数は1本でもよい。
上記実施形態では、ガイド体65の先端部に、繊維束Fの走行方向において上流側から順番に、第1バーガイド91、第2バーガイド92、規制ガイド93、及び、先端ガイド94が設けられているものとした。しかしながら、ガイド体65の先端部にどのようなガイドをどのように取り付けるかは、変更することも可能である。
上記実施形態では、従動ギア71の回転動作を移動体61の移動動作に変換するためにラックアンドピニオン機構を用いるものとした。しかしながら、ラックアンドピニオン機構以外の機構、例えば、ボールねじ機構等を採用することも可能である。
上記実施形態では、繊維束導入ガイド68を構成する第1ガイド102及び第2ガイド103の何れもが着脱自在に構成されているものとしたが、何れか一方のみを着脱自在に構成してもよい。あるいは、両方とも固定された構成であってもよい。また、格子の間隔を広げるために、第1ガイド102にばね102cを設け、第2ガイド103にばね103cを設けるものとしたが、何れか一方のみにばねを設けるようにしてもよい。あるいは、繊維束Fの結び目が通過できるだけの十分な間隔が確保されていれば、ばねを設けないことも可能である。
上記実施形態では、先端ガイド94の径方向位置を微調整するための微調整機構において、先端ガイド94にねじ穴94bが形成され、ガイド体65の本体部90に長穴90aが形成されているものとした。しかしながら、先端ガイド94に径方向に延びる長穴を形成するとともに、本体部90にねじ穴を形成し、長穴に挿入したねじをねじ穴に螺合させるようにしてもよい。
上記実施形態では、先端ガイド94の回転位置を微調整するための微調整機構において、回転用ギア89にねじ穴89aが形成され、ガイド体65のフランジ部96に長穴96aが形成されているものとした。しかしながら、回転用ギア89に周方向に延びる長穴を形成するとともに、フランジ部96にねじ穴を形成し、長穴に挿入したねじをねじ穴に螺合させるようにしてもよい。
上記実施形態では、先端ガイド94の径方向位置を微調整するための微調整機構と、先端ガイド94の回転位置を微調整するための微調整機構とが、それぞれ別に構成されているものとした。しかしながら、1つの微調整機構によって、先端ガイドの径方向位置及び回転位置を同時に微調整するようにしてもよい。その具体例について、図13を参照しつつ説明する。
図13は、先端ガイドの微調整機構の変形例を示す図である。本変形例では、上記実施形態におけるガイド体65が、第1ガイド体65Aと第2ガイド体65Bとによって構成されている。第1ガイド体65Aは、径方向に延びる筒状の部材である。第1ガイド体65Aの径方向外側の部分は、筒部66(図5参照)の内部に設けられた不図示のベアリングによって回転可能に支持されている。第1ガイド体65Aの径方向内側の端部の内周面は、径方向内側ほど大径となるテーパー面65aとされている。また、第1ガイド体65Aの外周面には、回転用ギア89が固定されている。第2ガイド体65Bは、径方向に延びる半円柱状の部材であり、第1ガイド体65Aの径方向内側に配置される。第2ガイド体65Bの径方向外側の端部は、第1ガイド体65Aに挿入される。また、図13では図示は省略しているが、第2ガイド体65Bの径方向内側の端部には、図8と同様に各種のガイドが取り付けられており、その先端部には先端ガイド94が設けられている。ただし、図8と同じように各種のガイドを設けることは必須ではない。
第1ガイド体65Aのうち第2ガイド体65Bが挿入されている部分の内周面と、第2ガイド体65Bのうち第1ガイド体65Aに挿入されている部分の外周面との間には、リング状の固定部材110が設けられている。固定部材110の外周面は、径方向内側ほど大径となるテーパー面110aとなっており、第1ガイド体65Aに形成されたテーパー面65aと略合致する形状とされている。図13のc図は、固定部材110をb図の上側から見た図である。固定部材110には、周方向の一箇所において、径方向全域にわたってスリット110bが形成されている。
本変形例の微調整機構は、第1ガイド体65A、第2ガイド体65B及び固定部材110によって構成されている。具体的には、図13のa図に示すように、第1ガイド体65Aの内周面と第2ガイド体65Bの外周面との間に配置されたリング状の固定部材110を径方向外側に移動させると、テーパー面65a、110a同士が係合し、固定部材110のスリット110bが閉じる。その結果、固定部材110によって第2ガイド体65Bが締め付けられ、第2ガイド体65Bが固定部材110を介して第1ガイド体65Aに固定される。一方、図13のb図に示すように、固定部材110を径方向内側に移動させると、固定部材110のスリット110bが開き、第2ガイド体65Bの締め付けを緩めることができる。その結果、先端ガイド94が設けられた第2ガイド体65Bを自由に動かすことができる。よって、先端ガイド94の径方向位置及び回転位置を同時に容易に微調整することができる。
1:フィラメントワインディング装置
50:ヘリカル巻きユニット
53:ノズルユニット
58:移動用リングギア
59:回転用リングギア
60:支持体
61:移動体
63:支持部
65:ガイド体
68:繊維束導入ガイド
71:従動ギア(移動用従動ギア)
75:ピニオンギア
76:ラックギア
81:従動ギア(回転用従動ギア)
88:中間ギア
89:回転用ギア
89a:ねじ穴(第2ねじ穴)
90:本体部
90a:長穴(第1長穴)
91:第1バーガイド
92:第2バーガイド
93:規制ガイド
94:先端ガイド
94b:ねじ穴(第1ねじ穴)
95:ねじ(第1ねじ)
96a:長穴(第2長穴)
97:ねじ(第2ねじ)
102:第1ガイド
102a:第1バーガイド
102c:ばね(弾性部材)
103:第2ガイド
103a:第2バーガイド
103c:ばね(弾性部材)
65A:第1ガイド体
65a:テーパー面
65B:第2ガイド体
110:固定部材
110a:テーパー面
110b:スリット
L:ライナー
F:繊維束
A:回転軸
50:ヘリカル巻きユニット
53:ノズルユニット
58:移動用リングギア
59:回転用リングギア
60:支持体
61:移動体
63:支持部
65:ガイド体
68:繊維束導入ガイド
71:従動ギア(移動用従動ギア)
75:ピニオンギア
76:ラックギア
81:従動ギア(回転用従動ギア)
88:中間ギア
89:回転用ギア
89a:ねじ穴(第2ねじ穴)
90:本体部
90a:長穴(第1長穴)
91:第1バーガイド
92:第2バーガイド
93:規制ガイド
94:先端ガイド
94b:ねじ穴(第1ねじ穴)
95:ねじ(第1ねじ)
96a:長穴(第2長穴)
97:ねじ(第2ねじ)
102:第1ガイド
102a:第1バーガイド
102c:ばね(弾性部材)
103:第2ガイド
103a:第2バーガイド
103c:ばね(弾性部材)
65A:第1ガイド体
65a:テーパー面
65B:第2ガイド体
110:固定部材
110a:テーパー面
110b:スリット
L:ライナー
F:繊維束
A:回転軸
Claims (16)
- ライナーに繊維束をヘリカル巻きするヘリカル巻きユニットを備えたフィラメントワインディング装置であって、
前記ヘリカル巻きユニットは、
前記ライナーの軸を中心とする周方向に並べられた複数のノズルユニットと、
前記周方向に沿って環状に形成され、前記複数のノズルユニットに動力を伝達する移動用リングギア及び回転用リングギアと、
を備え、
前記ノズルユニットは、
前記移動用リングギアから伝達される動力によって前記ライナーの径方向に移動可能な移動体と、
前記移動体に設けられ、前記回転用リングギアから伝達される動力によって前記径方向に延びる回転軸周りに回転可能な、前記繊維束を前記ライナーに案内するガイド体と、
前記移動体を前記径方向に移動可能に支持する支持部を有する支持体と、
を有しており、
前記支持部は、前記移動用リングギアの端面の外側、且つ、前記回転用リングギアの端面の外側に配置されることを特徴とするフィラメントワインディング装置。 - 前記ガイド体は、前記ライナーに複数の前記繊維束を案内することを特徴とする請求項1に記載のフィラメントワインディング装置。
- 前記ノズルユニットは、
前記移動用リングギアと噛み合い、前記移動用リングギアの回転に伴って従動回転することで、前記移動体を前記径方向に移動させる移動用従動ギアと、
前記回転用リングギアと噛み合い、前記回転用リングギアの回転に伴って従動回転することで、前記ガイド体を前記回転軸周りに回転させる回転用従動ギアと、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記ノズルユニットは、前記移動用従動ギアの回転動作を前記移動体の前記径方向への移動動作に変換するラックアンドピニオン機構を有することを特徴とする請求項3に記載のフィラメントワインディング装置。
- 前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の上流側の端部に、前記走行方向から見て格子状に構成された繊維束導入ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のフィラメントワインディング装置。
- 前記繊維束導入ガイドは、
前記走行方向に交差する第1方向に並べられた複数の第1バーガイドと、
前記走行方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並べられた複数の第2バーガイドと、
を組み合わせることによって格子状に構成されていることを特徴とする請求項5に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記繊維束導入ガイドは、
前記複数の第1バーガイドを一体的に有する櫛歯状の第1ガイドと、
前記複数の第2バーガイドを一体的に有する櫛歯状の第2ガイドと、
を組み合わせることによって格子状に構成されており、
前記第1ガイド及び前記第2ガイドの少なくとも何れか一方は着脱自在であることを特徴とする請求項6に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記第1バーガイド及び前記第2バーガイドの少なくとも何れか一方は弾性部材を介して支持されており、
互いに隣り合う前記第1バーガイド同士の間隔及び前記第2バーガイド同士の間隔のうち少なくとも何れか一方の間隔が、前記弾性部材が変形することで広げられることを特徴とする請求項6又は7に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の下流側の端部に、前記走行方向に交差する方向に複数の前記繊維束が並んで走行可能な櫛歯状の規制ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のフィラメントワインディング装置。
- 前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の下流側の端部に、前記ライナーに巻き付けられる前記繊維束が最後に通過する先端ガイドが設けられており、
前記先端ガイドは、前記ガイド体の本体部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記繊維束の走行方向における前記ガイド体の下流側の端部に、前記ライナーに巻き付けられる前記繊維束が最後に通過する先端ガイドが設けられており、
前記先端ガイドの前記径方向の位置及び前記回転軸周りの位置の少なくとも何れか一方を微調整するための微調整機構が、前記移動体に設けられていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記微調整機構は、
前記先端ガイドを前記ガイド体の本体部に固定するための第1ねじと、
前記第1ねじが螺合可能な第1ねじ穴が形成された、前記先端ガイド及び前記本体部の一方と、
前記第1ねじを挿入可能且つ前記径方向に延びる第1長穴が形成された、前記先端ガイド及び前記本体部の他方と、
によって構成されていることを特徴とする請求項11に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記微調整機構は、
前記ガイド体の前記回転軸と同軸の回転用ギアを前記ガイド体に固定するための第2ねじと、
前記第2ねじが螺合可能な第2ねじ穴が形成された、前記回転用ギア及び前記ガイド体の一方と、
前記第2ねじを挿入可能且つ前記回転軸を中心とする周方向に延びる第2長穴が形成された、前記回転用ギア及び前記ガイド体の他方と、
によって構成されていることを特徴とする請求項11又は12に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記ガイド体は、
前記径方向に延びる筒状の第1ガイド体と、
前記径方向に延びており、前記径方向の外側の端部が前記第1ガイド体に挿入されるとともに、前記径方向の内側の端部に前記先端ガイドが設けられる第2ガイド体と、
を有し、
さらに、前記第1ガイド体のうち前記第2ガイド体が挿入されている部分の内周面と、前記第2ガイド体のうち前記第1ガイド体に挿入されている部分の外周面との間にリング状の固定部材が設けられており、
前記微調整機構は、
前記第1ガイド体の前記径方向の内側の端部の内周面を、前記径方向の内側ほど大径となるテーパー面とし、
前記固定部材の外周面を、前記径方向の内側ほど大径となるテーパー面とするとともに、前記固定部材に前記径方向に延びるスリットを形成することによって構成されていることを特徴とする請求項11に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記ガイド体に、複数のバーガイドが前記繊維束の走行方向に並んで設けられており、
前記繊維束は前記複数のバーガイドを縫うように走行することを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載のフィラメントワインディング装置。 - 前記ガイド体に固定された、前記ガイド体の前記回転軸と同軸の回転用ギアと、
前記回転用ギアに噛み合う中間ギアと、
が設けられており、
前記回転用ギアの歯数が前記中間ギアの歯数よりも多いことを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載のフィラメントワインディング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018163402A JP2020032689A (ja) | 2018-08-31 | 2018-08-31 | フィラメントワインディング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018163402A JP2020032689A (ja) | 2018-08-31 | 2018-08-31 | フィラメントワインディング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020032689A true JP2020032689A (ja) | 2020-03-05 |
Family
ID=69666694
Family Applications (1)
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JP2018163402A Pending JP2020032689A (ja) | 2018-08-31 | 2018-08-31 | フィラメントワインディング装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020032689A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113211825A (zh) * | 2021-06-07 | 2021-08-06 | 太原理工大学 | 一种新型多丝束纤维同步螺旋缠绕设备 |
-
2018
- 2018-08-31 JP JP2018163402A patent/JP2020032689A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113211825A (zh) * | 2021-06-07 | 2021-08-06 | 太原理工大学 | 一种新型多丝束纤维同步螺旋缠绕设备 |
CN113211825B (zh) * | 2021-06-07 | 2022-08-23 | 太原理工大学 | 一种新型多丝束纤维同步螺旋缠绕设备 |
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