JP7302317B2 - 放射線画像処理装置、放射線画像処理方法及び放射線検出装置 - Google Patents

放射線画像処理装置、放射線画像処理方法及び放射線検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射線画像処理装置、放射線画像処理方法及び放射線検出装置に関し、特に、外来の交流磁界に起因する画像ノイズを低減する補正技術に関する。
従来、医療分野では、被検体に放射線(例えば、X線)を照射することにより放射線画像を撮影する放射線撮影システム(例えば、X線撮影システム)を利用した画像診断が行われている。
X線撮影システムは、X線を発生し被検体に向けて照射するX線発生装置、被検体を透過したX線の入線量に基づいてX線画像を撮影するX線検出装置、及び、X線検出装置の動作を制御するとともに得られたX線画像データに対して所定の処理(例えば、画像処理及び表示制御処理)を行う撮影用制御装置等を備える。
X線撮影システムにおいて、X線検出装置として普及しているフラットパネルディテクター(FPD:Flat Panel Detector)は、散乱X線除去用グリッド(以下、単に「グリッド」と称する)とともに使用されることが多く、グリッドによる陰影(いわゆるグリッド縞)を低減させるために、ムービンググリッド装置によりグリッドを移動させながら撮影する場合もある。ムービンググリッド装置は、FPDの近傍に設置されるが、このような環境では、ムービンググリッド装置から輻射される交流磁界(外乱ノイズ)が、撮影された画像に横縞状の画像ノイズとして描出される。FPDは、光電変換素子により微小な電荷を検出するため、上述したような外乱ノイズの影響を考慮する必要がある。
外乱ノイズは、主に、ムービンググリッド装置等の大電力装置のモーターやインバーターなどから発生し、その周波数は、商用周波数付近の低周波数帯から、MHzオーダーの高周波数帯にわたる。特に、低周波数の外乱ノイズは、高周波数の外乱ノイズに比較して、高透磁率シート等の対策部材による遮断性能が低いため、X線画像に画像ノイズとして残存しやすい。
このようなX線画像に対する外乱ノイズの影響を低減する技術として、例えば、特許文献1~4がある。特許文献1~3には、X線を放射して撮影した本画像と、X線を放射せずに撮影した暗画像の差分を利用して外乱ノイズの影響を除去する技術が開示されている。また、特許文献4には、外乱ノイズの到来方向を特定する技術が開示されている。
特開2012-119770号公報 特開2013-255695号公報 特開2005-177113号公報 特開2013-233284号公報
しかしながら、特許文献1、2では、本画像と暗画像の撮影タイミングが異なり、本画像と暗画像が同じ外乱ノイズの影響を受けていないと、適切にノイズ成分が除去されず、正常なX線画像が得られない虞がある。また、特許文献1では、外乱ノイズの周波数自体がばらつくことが考慮されておらず、撮影間隔を固定化すると、補正が過剰になる虞がある。
特許文献3では、信号の読出周期と同等の周波数帯(通常、数kHz~数十kHz)の外乱ノイズに対しては、サンプルホールドタイミングを合わせることにより外乱ノイズの影響を低減しやすいが、商用周波数等の低周波数帯やMHzオーダーの高周波数帯の外乱ノイズに対しては、十分な効果が得られない虞がある。
また、特許文献4では、外乱ノイズの到来方向に基づいてノイズ発生源を特定できるが、ユーザーがノイズ発生源を遠ざけて対応する必要があるため利便性が悪く、ムービンググリッド装置のように放射線撮影に必要な装置がノイズ発生源である場合は、FPDの近傍に設置する必要があるために対応することができない。
本発明の目的は、放射線画像に含まれている外乱ノイズに起因するノイズ成分を精度よく、かつ、再現性よく低減し、高画質の放射線画像を撮影できる放射線画像処理装置、放射線画像処理方法及び放射線検出装置を提供することである。
本発明に係る放射線画像処理装置は、
第1方向に延在するゲート線、第2方向に延在する信号線、マトリックス状に配置された光電変換素子及び前記光電変換素子に対応して配置されたTFTスイッチを有する放射線検出装置で検出された放射線画像信号に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分を除去するための放射線画像処理装置であって、
外乱ノイズを検出するノイズ検出部と、
前記ノイズ成分の前記第1方向の強度分布を示し、前記外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定された第1プロファイルを取得する第1プロファイル取得部と、
前記ノイズ検出部の検出結果に基づいて、前記ノイズ成分の前記第1方向と交差する前記第2方向の強度分布を示す第2プロファイルを取得する第2プロファイル取得部と、
前記第1プロファイル及び前記第2プロファイルを用いて、前記放射線画像信号を補正する補正部と、を備える。
本発明に係る放射線画像処理方法は、
第1方向に延在するゲート線、第2方向に延在する信号線、マトリックス状に配置された光電変換素子及び前記光電変換素子に対応して配置されたTFTスイッチを有する放射線検出装置で検出された放射線画像信号に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分を除去するための放射線画像処理方法であって、
前記放射線画像信号を取得する工程と、
前記外乱ノイズを検出する工程と、
前記ノイズ成分の前記第1方向の強度分布を示し、前記外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定された第1プロファイルを取得する工程と、
前記外乱ノイズの前記第1方向と交差する前記第2方向の強度分布を示す第2プロファイルを取得する工程と、
前記第1プロファイル及び前記第2プロファイルを用いて、前記放射線画像信号を補正する工程と、を備える。
本発明に係る放射線検出装置は、
第1方向に延在するゲート線、第2方向に延在する信号線、マトリックス状に配置された光電変換素子及び前記光電変換素子に対応して配置されたTFTスイッチを有し、外乱ノイズに起因するノイズ成分を含む放射線画像信号を検出する放射線検出部と、
前記外乱ノイズを検出するノイズ検出部と、
前記ノイズ成分の前記第1方向の強度分布を示し、前記外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定された第1プロファイルを取得する第1プロファイル取得部と、
前記外乱ノイズの前記第1方向と交差する前記第2方向の強度分布を示す第2プロファイルを取得する第2プロファイル取得部と、
前記第1プロファイル及び前記第2プロファイルを用いて、前記放射線画像信号を補正する補正部と、を備える。
本発明によれば、放射線画像に含まれている外乱ノイズに起因するノイズ成分を精度よく、かつ、再現性よく低減し、高画質の放射線画像を撮影することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る放射線画像処理装置を適用したX線撮影システムを示す図である。 図2は、FPDの外観を示す図である。 図3は、FPDの構成を示す図である。 図4A~図4Cは、ノイズ検出回路の一例を示す図である。 図5A、図5Bは、FPDの構成要素の配置を示す図である。 図6は、外乱ノイズに起因するノイズ成分の一例を示す図である。 図7は、参照画像から得られる基準垂直プロファイルと、そのときのノイズ検出信号の相関関係を示す図である。 図8は、撮影用制御装置の制御系の主要部を示す図である。 図9は、撮影用制御装置におけるX線画像処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像処理装置を適用したX線撮影システム1を示す図である。X線撮影システム1では、撮影用制御装置11及びFPD12に、本発明に係る画像処理装置が適用されている。X線撮影システム1は、X線発生装置20とX線撮影装置10との間で互いに信号等をやりとりして、両者が連携しながらX線撮影が行われる一体型の撮影システムである。
図1に示すように、X線撮影システム1は、X線撮影装置10及びX線発生装置20を備える。X線撮影システム1は、通信ネットワークを介して、画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)31、病院情報システム(HIS:Hospital Information Systems)32、及び放射線科情報システム(RIS:Radiology Information Systems)33に接続される。X線撮影システム1、PACS31、HIS32及びRIS33を含む通信ネットワークにおいては、例えば、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に従って情報の送受信が行われる。
X線撮影装置10は、撮影用制御装置11、FPD12、撮影台13及び中継器14等を備える。X線撮影装置10は、例えば、胸部、腹部等の撮影対象部位を透過したX線を可視化して、体内の状態を示すX線画像を撮影する。
FPD12は、X線管装置25から照射され被検体を透過したX線を検出し、X線画像信号を出力するX線検出装置である。FPD12は、例えば、撮影台13に装着され、有線通信によって撮影台13及び中継器14を介して撮影用制御装置11と通信可能に接続されている。なお、FPD12は、無線通信によって撮影用制御装置11と接続されてもよい。FPD12が無線通信機能を有する場合、専用の撮影台13に装着するのではなく、FPD12を、被検体が仰臥するベッド上に置いたり、被検体自身に持たせたりして使用することもできる。FPD12の具体的な構成については後述する。
図2に示すように、FPD12の受像面側には、グリッド15が配置される。グリッド15は、例えば、鉛箔とアルミニウムとをストライプ状に配列した散乱X線除去用グリッドである。グリッドの仕様(サイズ、密度(1cmあたりの鉛泊の本数)、格子比、焦点距離、素材(グリッドの構成物))は、撮影部位、撮影条件、焦点距離に合わせて適宜選択される。グリッド15を使用することにより、FPD12の受像面に到達する散乱X線が低減されるので、高画質のX線画像を得ることができる。
また、FPD12の近傍には、グリッド15を移動させるムービンググリッド装置16が設置される。格子状のグリッド15をFPD12の前方に配置すると、X線画像に格子状のパターン(グリッド縞)が周期的なアーチファクトとして描出されるが、ムービンググリッド装置16によりグリッド15を一定周期で往復移動させながら撮影することにより、グリッド縞を低減することができる。
一方、ムービンググリッド装置16は、モーターを駆動源として備えており、非常に大きな交流磁界を生じるため、外乱ノイズ源となりうる。この場合、FPD12によって撮影されるX線画像には、例えば、時間方向に商用電源周波数で周期的に変動する画像ノイズが描出される。
撮影台13は、FPD12の受像面がX線管装置25と対向する姿勢となるように、FPD12を着脱自在に保持する。図1では、撮影台13として、被検体を立位姿勢で撮影する立位用撮影台を例示している。撮影台13は、被検体を臥位姿勢で撮影する臥位用撮影台でもよい。撮影台13は、例えば、有線通信によって中継器14を介して撮影用制御装置11と通信可能に接続される。
撮影用制御装置11は、X線発生用制御装置21と連携して放射線撮影システム1を制御する。撮影用制御装置11は、FPD12に対して検出条件を送信し、設定する。検出条件は、撮影する画像サイズ、フレームレート(動態撮影の場合)、及びFPD12で実行される信号処理に関する情報(例えば、増幅器のゲイン等)を含む。撮影用制御装置11は、FPD12の各動作を制御するとともに、FPD12からX線画像データを取得し、所定の画像処理を施して表示部103(図8参照)に表示させる。撮影用制御装置11の詳細については後述する。
なお、撮影用制御装置11は、X線発生装置20の一部を構成してもよい。例えば、撮影用制御装置11は、X線発生装置20のX線発生用コンソール22としての機能を有することができる。
X線発生装置20は、X線発生用制御装置21、X線発生用コンソール22、照射スイッチ23、高電圧発生装置24、及びX線管装置25等を備える。
X線管装置25は、被検体を挟んでFPD12と対向する位置に配置される。X線管装置25は、高電圧発生装置24によって高電圧が印加されることにより、X線を発生し、被検体に向けて照射する。X線管装置25は、X線の照射野を調整するX線可動絞りを含む。
X線発生用コンソール22及び照射スイッチ23は、X線発生用制御装置21に信号ケーブルを介して接続される。X線発生用コンソール22は、照射条件の入力等を行うための操作卓である。照射スイッチ23は、X線の照射を指示するためのスイッチであり、例えば、二段階の自動復帰型押しボタンスイッチで構成される。
X線発生用制御装置21は、X線発生用コンソール22からの照射条件及び照射スイッチ23からの制御信号(ウォームアップ開始信号及び照射開始信号)に基づいて、高電圧発生装置24及びX線管装置25の動作を制御する。照射条件は、例えば、管電圧、管電流、曝射時間、曝射量、セッティングモード、焦点サイズ、フォトタイマー、コリメーターサイズ、フィルター種別、撮影姿勢(立位/臥位)等の複数のパラメーターを含む。
照射条件は、X線発生用コンソール22を通じて設定することもできるし、撮影用制御装置11を利用して設定することもできる。X線撮影装置10とX線発生装置20が連携している場合、撮影用制御装置11において検査オーダーが選択されると、検査オーダーに対応して予め設定されている照射条件がX線発生用制御装置21に自動的に送信され、設定される。この場合、利用者は、X線発生用コンソール22を通じて照射条件を微調整することができる。
図3は、FPD12の構成を示す図である。図3に示すように、FPD12は、TFTパネル201、信号読出回路204、ゲート駆動回路205、信号線ノイズ検出回路206、ゲート線ノイズ検出回路207、バイアス線ノイズ検出回路208、及び3次元磁気センサー209等を有する。なお、図3では、TFTパネル201の構成を簡略化して有効画素領域が4×4画素で構成される場合について示しているが、実際には、FPD12の解像度に応じて多数の画素Pがマトリックス状に配列されている。
TFTパネル201は、例えば、入射したX線を光に変換するシンチレーター(図示略)、画素Pごとに配置されたPD(Photo Diode)203及びTFT(Thin Film Transistor)スイッチ202、第1方向(水平方向)に延在し各TFTスイッチ202のゲート電極に接続されるゲート線GL、第1方向と交差する第2方向(垂直方向)に延在し各TFTスイッチ202のドレイン電極に接続される信号線SL、並びに第1方向に延在し各PD203に接続されるバイアス線BLを有する。PD203の一端は、バイアス線BLを介してバイアス電源に接続され、他端は、TFTスイッチ202のソース電極に接続される。
信号読出回路204は、TFTスイッチ202の動作に応じてPD203に蓄積された電荷を読み出して、X線画像信号を撮影用制御装置11に出力する。信号読出回路204には公知の回路を適用できる。信号読出回路204は、例えば、電荷を容量に貯めて電圧に変換する積分器、積分器の出力に含まれるノイズを低減するLPF回路(LPF:Low Path Filter)、積分器の出力電圧を保持するCDS回路(CDS:Correlated double sampling)、アナログ電圧をデジタル値に変換するA/D変換器等を有する。
ゲート駆動回路205は、PD203に蓄積された電荷を読み出す読出しラインを選択する。ゲート駆動回路205の動作により、PD203に蓄積された電荷が1ラインずつ読み出されて、信号読出回路204に出力される。
信号線ノイズ検出回路206、ゲート線ノイズ検出回路207、バイアス線ノイズ検出回路208、及び3次元磁気センサー209は、外乱ノイズを検出するためのノイズ検出部を構成する。これらのノイズ検出部の検出結果に基づいて、X線画像に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分及び外乱ノイズの到来方向(ノイズ源の設置場所)を特定することができる。なお、ノイズ検出部は、外乱ノイズに起因するノイズ成分及び外乱ノイズの到来方向を特定できる構成であればよく、信号線ノイズ検出回路206、ゲート線ノイズ検出回路207、バイアス線ノイズ検出回路208、及び3次元磁気センサー209のうち、少なくとも1つを含んでいればよい。
3次元磁気センサー209は、外乱ノイズの磁気強度を検出する。図5Aに示すように、3次元磁気センサー209をTFTパネル201の周囲に複数(図5Aでは、TFTパネル201の上下左右に4個)配置した場合、検出結果から外乱ノイズの到来方向を特定することができる。具体的には、ノイズ源に近いほど検出強度が大きくなるので、検出強度が最も大きい3次元磁気センサー209が配置されている方向が外乱ノイズの到来方向となる。3次元磁気センサー209には、例えば、ループコイル、ホール素子、磁気抵抗素子、磁気インピーダンス等を用いた公知の磁気センサーを適用することができる。
信号線ノイズ検出回路206は、TFTパネル201内の信号線SLと結合したノイズ成分ΔVsを検出するための回路である。ゲート線ノイズ検出回路207は、TFTパネル201内のゲート線GLと結合したノイズ成分ΔVgを検出するための回路である。バイアス線ノイズ検出回路208は、TFTパネル201内のバイアス線BLと結合したノイズ成分ΔVbを検出するための回路である。各ノイズ検出回路206~208には、公知の技術を適用することができる。
信号線ノイズ検出回路206、ゲート線ノイズ検出回路207及びバイアス線ノイズ検出回路208の一例を図4A~図4Cに示す。
図4Aに示す信号線ノイズ検出回路206は、すべてのゲート線GL及びバイアス線BLに接続されるダミー信号線DSL、ダミー信号線DSLと接地との間の浮遊容量に相当する容量Cin、並びに容量Cを有する積分器AMP1を備えている。また、各ゲート線GLとダミー信号線DSLの間には、ゲート線GLと信号線SLとの間の浮遊容量に相当する容量Cgsが直列に接続され、各バイアス線BLとダミー信号線DSLの間には、バイアス線BLと信号線SLとの間の浮遊容量に相当する容量Cbsが直列に接続されている。
ダミー信号線DSLには、PD203が接続されていないので、露光の影響を受けず、信号線SLと結合したノイズ成分を正確に検出することができる。なお、信号線ノイズ検出回路206の積分器AMP1は、信号読出回路204の読出IC(ROIC)を利用してもよいし、ノイズ検出専用に設けてもよい。
図4Bに示すゲート線ノイズ検出回路207は、容量Cを有する積分器AMP2及びゲート線GLと積分器AMP2の間に直列に接続される容量Cgdetを備える。
図4Cに示すバイアス線ノイズ検出回路208は、容量Cを有する積分器AMP3及びバイアス線BLと積分器AMP3の間に直列に接続される容量Cbdetを備える。
図4Aでは、信号線ノイズ検出回路206、ゲート線ノイズ検出回路207及びバイアス線ノイズ検出回路208は、いずれもTFTパネル201を挟んでゲート駆動回路205と反対側(TFTパネル201の右側)に配置されている。以下において、TFTパネル201を基準として信号読出回路204が配置されている側を「上」、逆側を「下」、ゲート駆動回路205が配置されている側を「左」、逆側(ノイズ検出回路206~208が配置されている側)を「右」として説明する。
なお、信号線ノイズ検出回路206、ゲート線ノイズ検出回路207及びバイアス線ノイズ検出回路208の配置は、図5Aに示す配置態様に限定されない。例えば、信号線ノイズ検出回路206は、TFTパネル201の左側、右側又は中央に配置することができる。ただし、信号線ノイズ検出回路206をTFTパネル201の中央に配置する場合は、線欠陥処理が必要となる。
また、図5Bに示すように、ゲート線ノイズ検出回路207及びバイアス線ノイズ検出回路208において、容量Cgdet、Cbdetは、TFTパネル201の左側及び/又は右側に配置することができる。図5Bに示すように、TFTパネル201が左側有効画素領域と右側有効画素領域に分割され、それぞれに対してバイアス電源が設けられている場合、バイアス線ノイズ検出回路208は、TFTパネル201の左右両側に配置される。また、ゲート線ノイズ検出回路207は、ゲート方向に依存性があるため、TFTパネル201の左右両側に配置することで、外乱ノイズの到来方向を特定しやすくなる。
外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔNは、信号線SL、ゲート線GL及びバイアス線BLのそれぞれと結合したノイズ成分ΔN、ΔN、ΔNを用いて、下式(1)で表される。
ΔN=ΔN+ΔN+ΔN ・・・(1)
図4Aに示す信号線ノイズ検出回路206の出力値Vは、信号線SL、ゲート線GL及びバイアス線BLのそれぞれと結合したノイズ成分ΔN、ΔN、ΔNを含み、下式(2)で表される。
=(Cin/C)×ΔN+m×(Cgs/C)×ΔN+m×(Cbs/C)×ΔN ・・・(2)
図4Bに示すゲート線ノイズ検出回路207の出力値Vは、ゲート線GLと結合したノイズ成分ΔNを含み、下式(3)で表される。
=(Cgdet/C)×ΔN ・・・(3)
図4Cに示すバイアス線ノイズ検出回路208の出力値Vは、バイアス線BLと結合したノイズ成分ΔNを含み、下式(4)で表される。
=(Cbdet/C)×ΔN ・・・(4)
上式(1)~(4)より、外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔNを求めることができる。なお、ノイズ成分ΔNは、信号線ノイズ検出回路206、ゲート線ノイズ検出回路207及びバイアス線ノイズ検出回路208の出力値V、V、Vを元に求めることができるが、3次元磁気センサー209の検出結果をそのままノイズ成分ΔNとして用いてもよい。
ノイズ成分ΔNは、ノイズ源からの交流磁界に起因するので、時間軸方向(TFTパネル201においては、ゲート線の配列方向(ゲート制御方向))に周期性を有している。つまり、座標(x,y)の画素Pにおける信号値I(x,y)(X線画像信号)には、ΔN(y)で表されるノイズ成分が含まれている。したがって、画素Pの信号値I(x,y)からノイズ成分ΔN(y)を減算することにより、外乱ノイズの影響を低減することができる。
ここで、外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔNは、単純な水平方向(ゲート線GLに沿う方向)のラインノイズとしてX線画像に描出されず、水平方向に強度分布を有する。この水平方向の強度分布は、TFTパネル201の信号線SL、ゲート線GL及びバイアス線BLのうち、どの配線と外乱ノイズが強く磁界結合するかによって決まる。例えば、外乱ノイズが信号線SLと結合すると、局所的に画像ノイズが生じ、ゲート線GLと結合するとゲート駆動回路205から遠ざかるほど画像ノイズが大きくなるという特徴がある。つまり、X線画像が受ける外乱ノイズの影響は、外乱ノイズの到来方向によって異なる。そのため、TFTパネル201における水平方向の座標xに関わらず、すべての画素Pの信号値I(x,y)からノイズ成分ΔN(y)を単純に減算しても、画像ノイズが残存する虞がある。本実施の形態では、水平方向の強度分布を考慮することにより、外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔNをより精度よく低減できるようになっている。
外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔNの一例を図6に示す。図6には、TFTパネル201の上下左右の4方向の何れかから外乱ノイズが到来する場合のノイズ成分ΔN~ΔNについて示している。ノイズ成分ΔN~ΔNは、例えば、ノイズ源をFPD12の上下左右の何れかに配置した状態で、ゲート駆動回路206を駆動していないときに信号読出回路204で読み出された参照画像から得ることができ、この参照画像から水平プロファイルΔH(x)が生成される。参照画像は、ノイズ成分ΔNのみを含むので、正確に水平プロファイルΔH(x)を生成することができる。
図6に示すように、ノイズ源が同じであれば、外乱ノイズの到来方向に関わらず、垂直プロファイルΔV(y)は同じになる。一方、ノイズ源が同じであっても、外乱ノイズの到来方向が異なると、水平プロファイルΔH(x)は異なる。
座標(x,y)の画素Pにおけるノイズ成分ΔN(x,y)は、水平方向の強度分布を示す水平プロファイルΔH(x)と、垂直方向(時間軸方向)の強度分布を示す垂直プロファイルΔV(y)の積で表される。具体的には、ノイズ到来方向が上、下、左、右であるときのノイズ成分ΔN(x,y)、ΔN(x,y)、ΔN(x,y)、ΔN(x,y)は、それぞれ、ΔH(x)×ΔV(y)、ΔH(x)×ΔV(y)、ΔH(x)×ΔV(y)、ΔH(x)×ΔV(y)で表される。
X線を照射して得られるX線画像の信号値I(x,y)から水平方向の強度分布を考慮したノイズ成分ΔN(=ΔH(x)×ΔV(y))を減算することにより、X線画像から精度良くノイズ成分ΔNを除去することができる。
ここで、水平プロファイルΔH(x)は、外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定される。一方、垂直プロファイルΔV(y)は、X線画像撮影時に得られるノイズ検出回路206~208又は3次元磁気センサー209からのノイズ検出信号ΔNdet(y)に基づいて生成される。具体的には、図7に示すように、参照画像から得られる基準垂直プロファイルΔVref(y)と、そのときのノイズ検出回路206~208又は3次元磁気センサー209からのノイズ検出信号ΔNdet(y)の相関関係(振幅比A及び位相のずれy)を求めておく。そして、X線撮影時に得られるノイズ検出回路206~208又は3次元磁気センサー209からのノイズ検出信号ΔNdet(y)に、求めておいた振幅比A及び位相のずれyを反映させることにより、補正に用いる垂直プロファイルΔV(y)(=A×ΔNdet(y-y))が生成される。上述した補正処理(ノイズ除去処理)は、例えば、撮影用制御装置11で行われる。
図8は、撮影用制御装置11の制御系の主要部を示す図である。図8に示すように、撮影用制御装置11は、制御部101、記憶部102、表示部103、操作部104、通信部105、及び画像処理部106等を備える。
制御部101は、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)101A、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)101B及びRAM(Random Access Memory)101C等を有する。ROM101Bには、基本プログラムや基本的な設定データが記憶される。CPU101Aは、ROM101Bから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM101Cに展開し、展開したプログラムを実行することにより、撮影用制御装置11の各機能ブロックの動作を集中制御する。
本実施の形態では、機能ブロックを構成する各ハードウェアと制御部101とが協働することにより、各機能ブロックの機能が実現されるが、制御部101がプログラムを実行することにより、各機能ブロックの一部又は全部の機能が実現されるようにしてもよい。
記憶部102は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部102は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO((Magneto-Optical disk)等の光磁気ディスクを駆動して情報を読み書きするディスクドライブであってもよい。また例えば、記憶部102は、USBメモリ、SDカード等のメモリカードであってもよい。
記憶部102は、制御部101で実行される各種プログラムや、プログラムの実行に必要なパラメーター、及び処理結果等のデータを記憶する。記憶部102は、例えば、撮影条件データや、FPD12から取得したX線画像データ等を記憶する。撮影条件データは、X線発生装置20における照射条件のデータ及びFPD12における検出条件のデータを含む。
また、記憶部102は、FPD12からのX線画像データに対して、各種補正処理を行うための画像処理プログラムを記憶している。このプログラムは、例えば、当該プログラムが格納されたコンピューター読取可能な可搬型記憶媒体(光ディスク、光磁気ディスク、及びメモリカードを含む)を介して提供される。また例えば、このプログラムは、当該プログラムを保有するサーバーから、ネットワークを介してダウンロードにより提供することもできる。
さらに、本実施の形態では、記憶部102は、外乱ノイズの到来方向と水平プロファイルΔH(x)とが対応付けられたルックアップテーブルを記憶している(図6参照)。ルックアップテーブルに登録されている複数の水平プロファイルΔH(x)の中から、外乱ノイズの到来方向に応じて、補正に用いる水平プロファイルΔH(x)が選定される。また、記憶部102は、ノイズ検出回路206~208又は3次元磁気センサー209からのノイズ検出信号ΔNdet(y)に基づいて垂直プロファイルΔV(y)を生成するための情報、すなわち基準垂直プロファイルΔVref(y)とノイズ検出信号ΔNdet(y)の相関関係を示す振幅比A及び位相のずれyを記憶している(図7参照)。
表示部103は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイで構成される。表示部103は、制御部101からの表示制御信号に基づいて、検査オーダーの内容や、撮影されたX線画像を表示する。検査オーダーは、被検体である患者の患者情報(例えば、患者ID、患者名、生年月日、性別)、撮影時の姿勢情報(例えば、姿勢(立位/臥位)、照射方向(背面/前面/側面)、撮影部位情報(例えば、胸部)、検査項目(肺換気機能、肺血流など)、被検体の検査履歴(前回検査時の撮影条件など)を含む。
操作部104は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を有するキーボードと、マウス等のポインティングデバイスで構成される。操作部104は、キー操作やマウス操作により入力された操作信号を受け付け、制御部101に出力する。利用者は、操作部104を通じて、例えば、撮影条件を入力することができる。
なお、表示部103及び操作部104は、例えば、タッチパネル付きのフラットパネルディスプレイのように一体的に構成されてもよい。
通信部105は、例えばNIC(Network Interface Card)、MODEM(MOdulator-DEModulator)、USB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェースである。制御部101は、通信部105を介して、有線/無線LAN等のネットワークに接続された装置との間で、DICOM規格に従って各種情報の送受信を行う。通信部105には、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信用の通信インターフェースを適用することもできる。
画像処理部106は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の、各処理に応じた専用もしくは汎用のハードウェア(電子回路)で構成され、制御部101と協働して補正処理を含む所定の画像処理を実現する。
画像処理部106は、例えば、撮影されたX線画像から、被検体信号以外のアーチファクトや変動要因を除去する補正処理を行う。本実施の形態では、画像処理部106は、水平プロファイル取得部106A、垂直プロファイル取得部106B及び補正部106Cを含み、X線画像に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔNを除去できるように構成されている。水平プロファイル取得部106A、垂直プロファイル取得部106B及び補正部106Cの機能については後述する。
X線撮影システム1により撮影されたX線画像データは、撮影中に順次、FPD12から撮影用制御装置11に送信され、記憶部102に格納される。そして、撮影用制御装置11において、X線画像データに対して各種画像処理が施され、表示部113に表示される。このとき、画像処理部106において、適切な補正処理が実施されることにより、X線画像に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔNを適切に除去することができる。具体的には、図9に示すフローチャートに従って、X線画像処理が行われる。
図9は、撮影用制御装置11におけるX線画像処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、CPU111Aが記憶部102に格納されている画像処理プログラムを実行することにより実現される。
ステップS101において、制御部101は、FPD12で撮影されたX線検出結果を取得する。X線検出結果は、FPD12の信号読出回路204から出力されるX線画像信号I(x,y)、及びノイズ検出回路206~208又は3次元磁気センサー209から出力されるノイズ検出信号ΔNdet(y)を含む。X線画像信号I(x,y)は、被検体信号I0(x,y)だけでなく、外乱ノイズに起因するアーチファクトを示すノイズ成分ΔN(x,y)を含んでいる。
ステップS102において、制御部101は、画像処理部106(水平プロファイル取得部106A)を制御して、ノイズ源の方向(外乱ノイズの到来方向)を特定する。外乱ノイズの到来方向は、ノイズ検出回路206~208及び3次元磁気センサー209から出力されるノイズ検出信号ΔNdet(y)に基づいて特定される。例えば、3次元磁気センサー209をTFTパネル201の上下左右に4つ配置して、下に配置された3次元磁気センサー209からのノイズ検出信号ΔNdet(y)の強度(振幅)が最も大きかった場合、TFTパネル201の下側にノイズ源がある(ノイズ到来方向は「下」)ことになる。また例えば、ゲート線ノイズ検出回路207及び/又はバイアス線ノイズ検出回路208をTFTパネル201の左右両側に配置した場合、左右の検出結果と水平プロファイルΔH(x)の特徴を比較して、外乱ノイズの到来方向を推定することができる。
ステップS103において、制御部101は、画像処理部106(水平プロファイル取得部106A)を制御して、補正に用いる水平プロファイルΔH(x)を取得する。具体的には、図6に示す4つの水平プロファイルΔH(x)~ΔH(x)の中から、外乱ノイズの到来方向に対応する水平プロファイルΔH(x)が選択される。例えば、ノイズ到来方向が「下」である場合、図6に示す水平プロファイルΔH(x)が選択される。
ステップS104において、制御部101は、画像処理部106(垂直プロファイル取得部106B)を制御して、補正に用いる垂直プロファイルΔV(y)を取得する。具体的には、ノイズ検出回路206~208及び3次元磁気センサー209から出力されるノイズ検出信号ΔNdet(y)を元に、基準垂直プロファイルΔVref(y)との相関関係(振幅比A及び位相のずれy)を用いて補正することにより、垂直プロファイルΔV(y)が算出される。
撮影前にノイズ検出回路206~208及び3次元磁気センサー209(ノイズ検出部)のノイズ検出信号ΔNdet(y)と当該ノイズ検出信号ΔNdet(y)に基づく基準垂直プロファイルΔVrefの相関関係を予め取得し、撮影時に得られるノイズ検出部の検出結果と前記相関関係とに基づいて、補正に用いる垂直プロファイルΔH(x)を生成することにより、振幅や位相にずれがあっても、ノイズ検出部のノイズ検出信号ΔNdet(y)に基づいて有効画素領域における垂直プロファイルΔV(y)を精度良く生成することができる。
ステップS105において、制御部101は、画像処理部106(補正部106C)を制御して、X線画像信号I(x,y)からノイズ成分ΔN(x,y)(=ΔH(x)×ΔV(y))を減算する。これにより、X線画像から、外乱ノイズに起因するノイズ成分が除去される。
ステップS106において、制御部101は、画像処理部106を制御して、周波数強調処理や階調処理等の各種画像処理を行う。そして、最終的に生成されたX線画像データに基づくX線画像を表示部103に表示させる。表示されるX線画像には外乱ノイズに起因する画像ノイズが描出されないので、読影を妨げない高画質のX線画像を得ることができる。
このように、本実施の形態に係る撮影用制御装置11及びFPD12は、マトリックス状に配置されたPD20203(光電変換素子)及びPD203に対応して配置されたTFTスイッチ202を有するFPD12(放射線検出装置)で検出されたX線画像信号I(x,y)(放射線画像信号)に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔN(x,y)を除去するための放射線画像処理装置であって、外乱ノイズを検出するノイズ検出回路206~208及び3次元磁気センサー209(ノイズ検出部)と、ノイズ成分ΔN(x,y)の水平方向の強度分布を示し外乱ノイズの到来方向によって変化する水平プロファイルΔH(x)を取得する水平プロファイル取得部106Aと、ノイズ成分ΔN(x,y)の垂直方向の強度分布を示す垂直プロファイルΔV(y)を取得する垂直プロファイル取得部106Bと、水平プロファイルΔH(x)及び垂直プロファイルΔV(y)を用いて、放射線画像信号I(x,y)を補正する補正部106Cと、を備える。
また、本実施の形態に係るX線画像処理方法(放射線画像処理方法)は、マトリックス状に配置されたPD203(光電変換素子)及びPD203に対応して配置されたTFTスイッチ202を有するFPD12(放射線検出装置)で検出された放射線画像信号I(x,y)に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分ΔN(x,y)を除去するための放射線画像処理方法であって、X線画像信号I(x,y)(放射線画像信号)を取得する工程(図9のステップS101)と、外乱ノイズを検出する工程(図9のステップS101)と、ノイズ成分ΔN(x,y)の水平方向の強度分布を示し外乱ノイズの到来方向によって変化する水平プロファイルΔH(x)を取得する工程(図9のステップS102、S103)と、外乱ノイズの垂直方向の強度分布を示す垂直プロファイルΔV(y)を取得する工程(図9のステップS104)と、水平プロファイルΔH(x)及び垂直プロファイルΔV(y)を用いて、X線画像信号I(x,y)を補正する工程(図9のステップS105)と、を備える。
実施の形態に係るX線撮影システム1及びX線画像処理方法によれば、X線撮影時に得られるノイズ検出信号ΔNdet(y)に基づく垂直プロファイルΔV(y)と、予め設定された水平プロファイルΔH(x)を用いて、有効画素領域におけるノイズ成分ΔN(x,y)が補正されるので、X線画像に含まれている外乱ノイズに起因するノイズ成分を精度よく、かつ、再現性よく低減し、高画質のX線画像を撮影することができる。
暗画像を利用してノイズ成分を除去するのではなく、X線撮影を行うときに同時に得られるノイズ検出信号ΔNdet(y)を利用してノイズ成分を除去するので、時間的にノイズレベルが変動する外乱ノイズ、特に、商用電源周波数等の低周波数帯、かつ、任意の方向から到来する外乱ノイズに対しても効果的である。また、外乱ノイズ源を物理的に排除する必要はないので、ユーザーの使い勝手が損なわれることもない。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、実施の形態では、ノイズ検出部として、ノイズ検出回路206~208及び3次元磁気センサー209を有する場合について説明したが、ノイズ検出部の構成はこれに限定されない。例えば、ノイズ検出回路206~208の検出結果から外乱ノイズの到来方向を特定できる場合は、3次元磁気センサー209を設けなくてもよい。また例えば、3次元磁気センサー209によって外乱ノイズの強度及び到来方向を特定する場合は、ノイズ検出回路206~208を設けなくてもよい。ただし、これの検出結果を相補的に利用することにより、補正精度をより向上することができる。
また、実施の形態では、ノイズ検出回路206~208及び3次元磁気センサー209の検出結果に基づいて外乱ノイズの到来方向を特定しているが、ユーザーが手動で外乱ノイズの到来方向を設定するようにしてもよい。例えば、ムービンググリッド装置16が主な外乱ノイズ源となる場合、ムービンググリッド装置16の設置方向を外乱ノイズの到来方向として設定することができる。
また、水平プロファイルΔH(x)が対応付けられる外乱ノイズの到来方向は、TFTパネル201の上下左右の4方向だけなく、奥行きも含めた6方向であってもよい。
また、実施の形態では、本発明を、病院の撮影室に据え置かれる据置型のX線撮影システム1に適用した場合について説明したが、回診車に搭載される移動型のX線撮影システムに適用することもできる。
また、本発明の放射線画像処理装置の機能をすべてFPD12に内蔵してもよい。この場合、外乱ノイズに起因するノイズ成分が除去されたX線画像信号(被写体信号)が、FPD12から撮影制御装置11に出力されることとなる。
また、本発明は、X線撮影システムに限らず、γ線等の他の放射線を使用した撮影システムに適用することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 X線撮影システム
10 X線撮影装置
11 撮影用制御装置(放射線画像処理装置)
12 FPD(放射線検出装置、放射線画像処理装置)
13 撮影台
14 中継器
15 グリッド
16 ムービンググリッド装置
20 X線発生装置
21 X線発生用制御装置
22 X線発生用コンソール
23 照射スイッチ
24 高電圧発生装置
25 X線管装置
106 画像処理部
106A 水平プロファイル取得部
106B 垂直プロファイル取得部
106C 補正部
201 TFTパネル(検出部)
202 TFTスイッチ
203 フォトダイオード
204 信号読出回路
205 ゲート駆動回路
206 信号線ノイズ検出回路(ノイズ検出部)
207 ゲート線ノイズ検出回路(ノイズ検出部)
208 バイアス線ノイズ検出回路(ノイズ検出部)
209 3次元磁気センサー(ノイズ検出部)

Claims (7)

  1. 第1方向に延在するゲート線、第2方向に延在する信号線、マトリックス状に配置された光電変換素子及び前記光電変換素子に対応して配置されたTFTスイッチを有する放射線検出装置で検出された放射線画像信号に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分を除去するための放射線画像処理装置であって、
    外乱ノイズを検出するノイズ検出部と、
    前記ノイズ成分の前記第1方向の強度分布を示し、前記外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定された第1プロファイルを取得する第1プロファイル取得部と、
    前記ノイズ検出部の検出結果に基づいて、前記ノイズ成分の前記第1方向と交差する前記第2方向の強度分布を示す第2プロファイルを取得する第2プロファイル取得部と、
    前記第1プロファイル及び前記第2プロファイルを用いて、前記放射線画像信号を補正する補正部と、
    を備える放射線画像処理装置。
  2. 前記第1プロファイル取得部は、前記外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定された複数の前記第1プロファイルの中から、前記ノイズ検出部の検出結果に基づいて、補正に用いる前記第1プロファイルを選択する、請求項1に記載の放射線画像処理装置。
  3. 前記ノイズ検出部は、前記TFTスイッチのバイアス線と結合したノイズ成分を検出するバイアス線ノイズ検出部、前記TFTスイッチの前記ゲート線と結合したノイズ成分を検出するゲート線ノイズ検出部、前記TFTスイッチの前記信号線と結合したノイズ成分を検出する信号線ノイズ検出部、及び3軸磁気センサーのうちの少なくとも一つを含む、請求項1又は2に記載の放射線画像処理装置。
  4. 前記放射線検出装置は、前記TFTスイッチのゲートを駆動するゲート駆動回路及び前記TFTスイッチに接続された前記信号線から信号値を読み出す信号読出回路を有し、
    前記第1プロファイル取得部は、前記ゲート駆動回路を駆動していないときに前記信号読出回路で読み出される信号値に基づいて、補正に用いる前記第1プロファイルを生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線画像処理装置。
  5. 前記第2プロファイル取得部は、撮影前に前記ノイズ検出部の検出結果と当該検出結果に基づく基準第2プロファイルの相関関係を予め取得し、撮影時に得られる前記ノイズ検出部の検出結果と前記相関関係とに基づいて、補正に用いる前記第2プロファイルを生成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線画像処理装置。
  6. 第1方向に延在するゲート線、第2方向に延在する信号線、マトリックス状に配置された光電変換素子及び前記光電変換素子に対応して配置されたTFTスイッチを有する放射線検出装置で検出された放射線画像信号に含まれる外乱ノイズに起因するノイズ成分を除去するための放射線画像処理方法であって、
    前記放射線画像信号を取得する工程と、
    前記外乱ノイズを検出する工程と、
    前記ノイズ成分の前記第1方向の強度分布を示し、前記外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定された第1プロファイルを取得する工程と、
    前記外乱ノイズの前記第1方向と交差する前記第2方向の強度分布を示す第2プロファイルを取得する工程と、
    前記第1プロファイル及び前記第2プロファイルを用いて、前記放射線画像信号を補正する工程と、
    を備える放射線画像処理方法。
  7. 第1方向に延在するゲート線、第2方向に延在する信号線、マトリックス状に配置された光電変換素子及び前記光電変換素子に対応して配置されたTFTスイッチを有し、外乱ノイズに起因するノイズ成分を含む放射線画像信号を検出する放射線検出部と、
    前記外乱ノイズを検出するノイズ検出部と、
    前記ノイズ成分の前記第1方向の強度分布を示し、前記外乱ノイズの到来方向に応じて予め設定された第1プロファイルを取得する第1プロファイル取得部と、
    前記外乱ノイズの前記第1方向と交差する前記第2方向の強度分布を示す第2プロファイルを取得する第2プロファイル取得部と、
    前記第1プロファイル及び前記第2プロファイルを用いて、前記放射線画像信号を補正する補正部と、
    を備える放射線検出装置。
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