JP7302254B2 - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の駆動装置に関する。
特許文献1には、エンジン出力軸にその周期的なトルク変動に応じてトルクを与えることにより前述のトルク変動を抑制する電気駆動手段、及び電気駆動手段の出力を変化させる出力可変手段が備えられたエンジンのトルク変動制御装置が開示されている。
特許文献1には、スロットル変化速度検出手段によって検出されるスロットル開度の変化速度が大きいほど、またスロットル変化量検出手段によって検出されるスロットル変化量が大きいほど、電気駆動手段の出力が増大するように出力可変手段を作動させることが開示されている。
特開昭64-66431号公報
上述の特許文献1に記載のトルク変動制御装置は、スロットル変化速度及びスロットル変化量に基づく現在の状態が加速時のトルク制御を行う領域にある場合には、そのときのスロットル変化速度及びスロットル変化量に基づきクランク軸に与える正トルクの大きさとその付与時間とを決定している。
しかしながら、特許文献1に記載のトルク変動制御装置にあっては、正トルクの大きさとその付与時間が決定されると、電気駆動手段の通電が停止されるまでは同一の大きさの正トルクが付与され続けることとなってしまう。
また、特許文献1に記載のトルク変動制御装置にあっては、スロットル開度の変化速度が大きいほどトルク付与時間を長くするため、スロットル開度の変化速度が大きいほどトルク付与のためのバッテリの消費電力が大きくなってしまう。
このため、特許文献1に記載のトルク変動制御装置では、運転者の加速要求に応じて電気駆動手段によってエンジンのクランク軸に正トルクを付与しようとしても、バッテリの電力不足によって正トルクを付与できないおそれがあった。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、バッテリの電力消費を抑制しつつ、運転者の意図する加速を行うことができるハイブリッド車両の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、エンジンと、バッテリから供給される電力により駆動するモータと、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量を検出するアクセル操作検出部と、を備え、前記モータによって前記エンジンの回転をアシストするモータアシストを実行可能なハイブリッド車両の駆動装置であって、前記アクセル操作量の単位時間当たりの増加量であるアクセル操作速度が所定値以上であることを条件に、前記モータアシストを実行する制御部を備え、前記制御部は、前記アクセル操作速度に基づき、前記モータアシストの実行中に付加されるモータトルクの単位時間当たりの増加量であるモータトルク増加速度を調整し、前記モータアシストの実行後、前記エンジンの回転数が所定の回転数に達したことを条件に、前記エンジンの回転数が所定の回転数未満の場合と比較して、前記モータトルク増加速度を小さくする構成を有する。
本発明によれば、バッテリの電力消費を抑制しつつ、運転者の意図する加速を行うことができるハイブリッド車両の駆動装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置が搭載されたハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置により実行されるモータアシストの処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置によってISGのモータトルクを付加したときの各種トルクの変化を示すグラフである。 図4は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置により実行されるモータアシストの変形例を示すフローチャートである。
本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動装置は、エンジンと、バッテリから供給される電力により駆動するモータと、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量を検出するアクセル操作検出部と、を備え、モータによってエンジンの回転をアシストするモータアシストを実行可能なハイブリッド車両の駆動装置であって、アクセル操作量の単位時間当たりの増加量であるアクセル操作速度が所定値以上であることを条件に、モータアシストを実行する制御部を備え、制御部は、アクセル操作速度に基づき、モータアシストの実行中に付加されるモータトルクの単位時間当たりの増加量であるモータトルク増加速度を調整することを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動装置は、バッテリの電力消費を抑制しつつ、運転者の意図する加速を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置を搭載したハイブリッド車両について説明する。
図1に示すように、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置を搭載したハイブリッド車両1は、エンジン2と、トランスミッション3と、駆動輪4と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit)5と、を含んで構成されている。
エンジン2は、回転軸として図示しないクランク軸を備えている。エンジン2のクランク軸は、トランスミッション3に接続されており、エンジン2の動力をトランスミッション3に出力する。
エンジン2には、クランク軸のクランク角を検出するクランク角センサ21が設けられている。クランク角センサ21は、ECU5に接続されており、検出結果をECU5に送信するようになっている。ECU5は、クランク角センサ21の検出結果に基づきエンジン回転数Neを算出する。
エンジン2には、モータとしてのISG(Integrated Starter Generator)6がベルト等の動力伝達部材を介して機械的に接続されている。ISG6は、オルタネータにスタータモータの機能を付加したモータジェネレータである。動力伝達部材としては、ベルトに限らずチェーン又は複数のギヤ等を用いてもよい。
ISG6は、エンジン2の動力により発電を行うことができる。また、ISG6は、必要に応じてエンジン2の動力に加えてハイブリッド車両1の駆動を補助するアシストトルクとしてモータトルクを発生することも可能である。
したがって、本実施例に係るハイブリッド車両1は、ISG6によってエンジン2の回転をアシストするモータアシストを実行可能な車両として構成されている。本実施例において、エンジン2及びISG6は、ハイブリッド車両1の駆動力源を構成する。
ISG6には、二次電池としてのバッテリ7が電気的に接続されている。バッテリ7は、ISG6により発電された電力を充電したり、蓄えた電力をISG6に供給したりするようになっている。
バッテリ7には、バッテリ7の充電状態を検出するバッテリセンサ71が設けられている。バッテリセンサ71は、バッテリECU15に接続されており、検出結果をバッテリECU15に送信するようになっている。バッテリセンサ71としては、例えばバッテリ7の充放電電流を測定する電流センサ等を用いることができる。
バッテリ7としては、1つに限らない。例えば、鉛電池からなるバッテリと鉛電池とは性質の異なるリチウムイオン電池からなるバッテリとを備えた2つ以上のバッテリで構成してもよい。
トランスミッション3は、エンジン2と駆動輪4との間の動力伝達経路上に設けられ、エンジン2から伝達された回転を所定の変速比で変速して駆動輪4に出力する変速機によって構成されている。
トランスミッション3としては、マニュアルトランスミッション、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)、多段の自動変速機(AT:Automatic Transmission)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT:Dual Clutch Transmission)、自動変速マニュアルトランスミッション(AMT:Automated Manual Transmission)等の各種変速機を採用することができる。
トランスミッション3とエンジン2との間には、クラッチ31が設けられている。クラッチ31は、エンジン2とトランスミッション3との間で動力を伝達する接続状態と、動力を遮断する遮断状態とを切り替えるものである。なお、トランスミッション3の種類によっては、クラッチ31を設けなくてもよい。
ECU5及びバッテリECU15は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによってそれぞれ構成されている。
ECU5及びバッテリECU15のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU5及びバッテリECU15としてそれぞれ機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、ECU5及びバッテリECU15において、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、ECU5及びバッテリECU15として機能する。
ECU5は、ISG6及びエンジン2に設けられた図示しない燃料噴射装置や点火装置等の各種装置類、及びバッテリECU15等の各種制御装置と接続されている。ECU5は、バッテリECU15等の各種制御装置との間で相互にデータのやりとりを行う。
バッテリECU15は、バッテリセンサ71から入力された検出結果に基づき、バッテリ7のSOC(State Of Charge)を算出するようになっている。バッテリECU15は、算出したSOCをECU5に送信するようになっている。
ECU5には、上述したクランク角センサ21及びバッテリセンサ71の他に、アクセル操作検出部としてのアクセル開度センサ51及び車速センサ52等の各種センサ類が接続されている。
アクセル開度センサ51は、運転者により操作されるアクセルペダル8の操作量であるアクセル操作量Accを検出して、その検出結果をECU5に送信するようになっている。車速センサ52は、ハイブリッド車両1の速度である車速を検出して、その検出結果をECU5に送信するようになっている。
ECU5は、アクセル開度センサ51によって検出されたアクセル操作量Accと、車速センサ52によって検出された車速とに基づいて図示しない要求トルク算出マップを参照し、運転者が要求するトルクである要求トルクを算出するようになっている。要求トルク算出マップは、アクセル操作量Accと車速とに対して要求トルクが対応付けられたマップであり、予め実験的に求めてECU5のROMに記憶されている。
ECU5は、運転者によりアクセルペダル8が踏み込まれた場合には上述した要求トルクを満たすようにエンジン2及びISG6を制御する。具体的には、ECU5は、エンジン2が出力するトルクであるエンジントルクとISG6が出力するトルクであるモータトルクとの合計が上述した要求トルクとなるよう、エンジン2及びISG6を制御する。
ISG6によるモータアシストがない場合は、上述した要求トルクは、エンジントルクによって充足されることとなる。
ECU5は、アクセル操作量Accの単位時間当たりの増加量であるアクセル操作速度ΔAccが所定値Accth以上であることを条件に、ISG6によるモータアシストを実行するようになっている。
ECU5は、上述のモータアシストを実行する場合には、アクセル操作速度ΔAccに基づき、当該モータアシストの実行中に付加されるモータトルクの単位時間当たりの増加量であるモータトルク増加速度ΔTmAdを調整するようになっている。
具体的には、ECU5は、上述のアクセル操作速度ΔAccが大きいほど、大きなモータトルク増加速度ΔTmAdを設定するようになっている。ECU5は、アクセル操作速度ΔAccに対してモータトルク増加速度ΔTmAdが対応付けられたモータトルク増加速度マップを参照することによりモータトルク増加速度ΔTmAdを設定する。当該モータトルク増加速度マップは、予め実験的に求めてECU5のROMに記憶されている。
次に、図2を参照して、本実施例のECU5によって実行されるモータアシストの処理の流れについて説明する。図2に示す処理は、ECU5によって所定の時間間隔で繰り返し実行される。
図2に示すように、ECU5は、運転者による加速要求があるか否かを判定する(ステップS1)。ECU5は、運転者によるアクセルペダル8の踏み込み、又は踏み増しがあった場合に加速要求があると判定する。
アクセルペダル8の踏み込みがあったか否かは、ハイブリッド車両1が停車状態にあるとき、すなわち車速が0であるときに、アクセル開度センサ51によってアクセル操作量Accが検出されたか否かにより判別できる。また、アクセルペダル8の踏み増しがあったか否かは、アクセル開度センサ51によって検出されるアクセル操作量Accが増加したか否かにより判別できる。
ECU5は、ステップS1において、運転者による加速要求がないと判定した場合には図2に示す処理を終了する。
ECU5は、ステップS1において、運転者による加速要求があると判定した場合には、アクセル操作速度ΔAccが所定値Accth以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
ECU5は、ステップS2において、アクセル操作速度ΔAccが所定値Accth以上でないと判定した場合には、図2に示す処理を終了する。
ECU5は、ステップS2において、アクセル操作速度ΔAccが所定値Accth以上であると判定した場合には、アクセル操作速度ΔAccに基づくモータトルク増加速度ΔTmAdでモータトルクを付加する(ステップS3)。以下においては、ステップS3で付加されるモータトルクのモータトルク増加速度ΔTmAdを、第1のモータトルク増加速度ΔTmAd_1とする。
次いで、ECU5は、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Neth以上か否かを判定する(ステップS4)。ECU5は、ステップS4において、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Neth以上でない、すなわちエンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達していないと判定した場合には、再度ステップS4の処理を繰り返す。
ここで、所定のエンジン回転数Nethは、ISG6によってモータトルクを付加してもエンジン2の回転のアシストに大きく寄与しないと判断できるエンジン回転数領域の下限値であり、予め実験的に求めてECU5のROMに記憶されている。
ECU5は、ステップS4において、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Neth以上であると判定した場合には、アクセル操作量Accが増加中か否かを判定する(ステップS5)。
ECU5は、ステップS5において、アクセル操作量Accが増加中であると判定した場合には、モータトルク増加速度ΔTmAdを第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2とする(ステップS6)。
すなわち、ECU5は、モータアシストの実行後、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達したときにアクセル操作量Accが増加している場合には、モータトルク増加速度ΔTmAdを第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2とする。第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2は、第1のモータトルク増加速度ΔTmAd_1よりも小さい速度である。
その後、ECU5は、ステップS3でのモータトルクの付加開始から、すなわちモータアシストの実行開始から所定時間taが経過したか否かを判定する(ステップS7)。所定時間taは、予め定められた一定時間としてもよいし、バッテリ7のSOCに応じて変動する時間としてもよい。所定時間taが変動するとした場合、バッテリ7のSOCが小さいほど、所定時間taを短くするのが好ましい。所定時間taは、本発明における第1の所定時間に相当する。
ECU5は、ステップS7において、モータトルクの付加開始から所定時間taが経過していないと判定した場合には、ステップS5に戻り再度ステップS5以降の処理を行う。
ECU5は、ステップS7において、モータトルクの付加開始から所定時間taが経過したと判定した場合には、ISG6のモータトルクを0に向けて徐々に低下させて(ステップS10)、図2に示す処理を終了する。
ECU5は、ステップS5において、アクセル操作量Accが増加中でないと判定した場合には、アクセル操作速度ΔAccが0か否か、すなわちアクセル操作量Accが増減しない維持状態であるか否かを判定する(ステップS8)。
ECU5は、ステップS8において、アクセル操作速度ΔAccが0であると判定した場合には、モータトルク増加速度ΔTmAdを第3のモータトルク増加速度ΔTmAd_3として(ステップS9)、ステップS7に処理を移行する。第3のモータトルク増加速度ΔTmAd_3は、第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2よりも小さい速度である。
ECU5は、ステップS8において、アクセル操作速度ΔAccが0でないと判定した場合には、アクセル操作量Accが減少している、すなわち運転者によるアクセルペダル8の踏み込み量が減らされていると判断して、モータトルク増加速度ΔTmAdを、第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2や第3のモータトルク増加速度ΔTmAd_3とすることなく、処理をステップS10に移行する。
このように、ECU5は、ステップS4において、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達したことを条件に、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達する前と比較して、モータトルク増加速度ΔTmAdを小さくする。具体的には、ECU5は、モータトルク増加速度ΔTmAdを、第1のモータトルク増加速度ΔTmAd_1よりも小さい第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2又は第3のモータトルク増加速度ΔTmAd_3とする。
次に、図3を参照して、モータアシスト実行時の要求トルク、エンジントルク及び合計トルクの各トルクの変化について説明する。
図3に示す例は、運転者によるアクセルペダル8の踏み込み開始によるモータアシストが実行される場合の例である。図3において、実線で示す合計トルクは、エンジントルクとモータトルクとを合算したトルクである。したがって、図3においては、合計トルクとエンジントルクとの差分に相当する斜線部分がモータトルクとなる。
図3に示すように、時刻t0において、運転者によりアクセルペダル8の踏み込みが開始されると、時刻t0から時刻t1までの期間におけるアクセル操作速度ΔAccが算出される。時刻t0から時刻t1までの期間は、例えば、運転者に加速意図があると判断できる程度の期間に設定されるのが好ましい。これにより、運転者に加速意図がなく一瞬だけアクセルペダル8を踏んでしまったような場合に、不要なモータアシストが実行されることを防止できる。
次いで、時刻t1において、算出されたアクセル操作速度ΔAccが所定値Accth以上であると判断されると、第1のモータトルク増加速度ΔTmAd_1でモータトルクが付加される。
その後、時刻t2において、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達すると、アクセル操作量Accが増加中であることから、モータトルク増加速度ΔTmAdが第1のモータトルク増加速度ΔTmAd_1から第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2に変更される。
その後、時刻t3において、アクセル操作速度ΔAccが0となると、モータトルク増加速度ΔTmAdが第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2から第3のモータトルク増加速度ΔTmAd_3に変更される。
時刻t3後は、時刻t1のモータトルクの付加開始から所定時間taが経過するか、又はアクセル操作量Accが減少した場合には、ISG6のモータトルクが0に向けて徐々に低下される。図3では、時刻t1のモータトルクの付加開始から所定時間taが経過したことにより、ISG6のモータトルクが0に向けて徐々に低下される例を示している。
以上のように、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、アクセル操作速度ΔAccが所定値Accth以上であることを条件にモータアシストを実行するので、運転者の加速意思に沿ったモータトルクの付加を行うことができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、アクセル操作速度ΔAccに基づき、モータアシストの実行中に付加されるモータトルクの単位時間当たりの増加量であるモータトルク増加速度を調整するので、運転者が要求する加速性を満たすようなモータアシストを行うことができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、アクセル操作速度ΔAccに基づきモータトルク増加速度を調整するので、不要にモータトルクを増加させることがなく、バッテリの電力消費を抑えることができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、モータアシストを実行する場合に、アクセル操作速度ΔAccが大きいほど、大きなモータトルク増加速度ΔTmAdを設定するので、運転者が要求する加速性を速やかに満たすことができる。また、運転者が要求する加速性を満たすのに必要なモータトルクを付加するので、不要なバッテリの電力消費を抑制することができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、モータアシストの実行開始から所定時間ta経過後に、モータアシストの実行中に付加されるモータトルクを徐々に小さくするので、エンジントルクの増加に伴い不要なモータトルクを減少させることができ、バッテリ7の電力消費を抑えることができる。また、モータアシストの実行開始から所定時間ta経過後は、ISG6の回転数も上昇していることからモータの特性によってモータトルクが減少するためモータトルクを減少させても加速性に与える影響が小さい。
また、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、モータアシストの実行後、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達したことを条件に、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Neth未満の場合と比較して、モータトルク増加速度ΔTmAdを小さくするよう構成されている。
これにより、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、モータトルクを付加してもエンジン2の回転のアシストに大きく寄与しないと判断できるエンジン回転数領域となった場合にはモータトルク増加速度ΔTmAdを小さくすることで、バッテリ7の電力消費を抑えつつ、モータトルクの付加を継続することができる。これにより、電力効率のよい加速を行うことができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、モータアシストの実行後、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達したときにアクセル操作量Accが増加している場合には、モータトルク増加速度ΔTmAdを第1のモータトルク増加速度ΔTmAd_1よりも小さい第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2とするよう構成されている。
これにより、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、運転者の加速意思に沿ってモータトルクの付加を継続することができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、モータアシストの実行後、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達したときにアクセル操作量Accが増減していない場合には、モータトルク増加速度ΔTmAdを第2のモータトルク増加速度ΔTmAd_2よりも小さい第3のモータトルク増加速度ΔTmAd_3とするよう構成されている。
これにより、本実施例に係るハイブリッド車両の駆動装置は、運転者のアクセルペダル8の操作に沿ったモータトルクの付加を継続することができる。
なお、本実施例では、ハイブリッド車両1の駆動力源の1つとなるモータとしてISG6を用いた例について説明したが、これに限らず、モータとしてスタータ機能を有さないモータジェネレータを用いてもよい。
また、本実施例では、アクセル操作速度ΔAccが所定値Accth以上であることをモータアシストの実行の条件としたが、要求トルクの増加量が所定の閾値を超えたことをモータアシストの実行の条件に加えてもよい。これにより、さらに適切にモータアシストを開始することができる。
また、本実施例では、モータアシストの実行後、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Nethに達したことを条件に、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Neth未満の場合と比較して、モータトルク増加速度ΔTmAdを小さくするようにした。これに対し、図4に示すように、モータアシストの実行開始から所定時間tbが経過したことを条件に、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Neth未満の場合と比較して、モータトルク増加速度ΔTmAdを小さくするようにしてもよい。図4は、ECU5により実行されるモータアシストの変形例を示すフローチャートである。
変形例において、ECU5は、本実施例の図2のステップS4における処理を、図4のステップS24の処理に置き換えて、モータアシストの処理を行う。図4のステップS24では、ECU5は、モータアシストの実行開始から所定時間tbが経過したか否かを判定する。図4に示すモータアシストの処理において、ステップS24以外のステップについては、本実施例の各ステップと同一である。このため、図4において、本実施例の各ステップと同一のステップについては説明を省略する。
ここで、所定時間tbは、本実施例における所定時間taよりも短い時間に設定されている。変形例における所定時間tbは、本発明における第2の所定時間に相当する。
以上、本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が特許請求の範囲に記載された請求項に含まれることが意図されている。
1 ハイブリッド車両
2 エンジン
3 トランスミッション
5 ECU(制御部)
6 ISG(モータ)
7 バッテリ
8 アクセルペダル
15 バッテリECU
21 クランク角センサ
51 アクセル開度センサ(アクセル操作検出部)
52 車速センサ
71 バッテリセンサ
Acc アクセル操作量
ΔAcc アクセル操作速度
Accth 所定値
ΔTmAd モータトルク増加速度
ΔTmAd_1 第1のモータトルク増加速度
ΔTmAd_2 第2のモータトルク増加速度
ΔTmAd_3 第3のモータトルク増加速度
Ne エンジン回転数
Neth 所定のエンジン回転数
ta 所定時間(第1の所定時間)
tb 所定時間(第2の所定時間)

Claims (4)

  1. エンジンと、バッテリから供給される電力により駆動するモータと、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量を検出するアクセル操作検出部と、を備え、前記モータによって前記エンジンの回転をアシストするモータアシストを実行可能なハイブリッド車両の駆動装置であって、
    前記アクセル操作量の単位時間当たりの増加量であるアクセル操作速度が所定値以上であることを条件に、前記モータアシストを実行する制御部を備え、
    前記制御部は、前記アクセル操作速度に基づき、前記モータアシストの実行中に付加されるモータトルクの単位時間当たりの増加量であるモータトルク増加速度を調整し、前記モータアシストの実行後、前記エンジンの回転数が所定の回転数に達したことを条件に、前記エンジンの回転数が所定の回転数未満の場合と比較して、前記モータトルク増加速度を小さくすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
  2. 前記モータアシストの実行後、前記エンジンの回転数が所定の回転数未満の場合における前記モータトルク増加速度を第1のモータトルク増加速度としたとき、
    前記制御部は、
    前記モータアシストの実行後、前記エンジンの回転数が所定の回転数に達したときに前記アクセル操作量が増加している場合には、前記モータトルク増加速度を前記第1のモータトルク増加速度よりも小さい第2のモータトルク増加速度とし、
    前記モータアシストの実行後、前記エンジンの回転数が所定の回転数に達したときに前記アクセル操作量が増減していない場合には、前記モータトルク増加速度を前記第2のモータトルク増加速度よりも小さい第3のモータトルク増加速度とすることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  3. エンジンと、バッテリから供給される電力により駆動するモータと、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量を検出するアクセル操作検出部と、を備え、前記モータによって前記エンジンの回転をアシストするモータアシストを実行可能なハイブリッド車両の駆動装置であって、
    前記アクセル操作量の単位時間当たりの増加量であるアクセル操作速度が所定値以上であることを条件に、前記モータアシストを実行する制御部を備え、
    前記制御部は、前記アクセル操作速度に基づき、前記モータアシストの実行中に付加されるモータトルクの単位時間当たりの増加量であるモータトルク増加速度を調整し、前記モータアシストの実行開始から第2の所定時間が経過したことを条件に、前記第2の所定時間が経過する前と比較して、前記モータトルク増加速度を小さくすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
  4. 前記モータアシストの実行後、前記第2の所定時間が経過する前の前記モータトルク増加速度を第1のモータトルク増加速度としたとき、
    前記制御部は、
    前記モータアシストの実行開始から前記第2の所定時間が経過したときに前記アクセル操作量が増加している場合には、前記モータトルク増加速度を前記第1のモータトルク増加速度よりも小さい第2のモータトルク増加速度とし、
    前記モータアシストの実行開始から前記第2の所定時間が経過したときに前記アクセル操作量が増減していない場合には、前記モータトルク増加速度を前記第2のモータトルク増加速度よりも小さい第3のモータトルク増加速度とすることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
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