本願は、2018年6月22日に仮出願された米国仮出願番号62/688,671の利益を請求するものである。上記に参照された出願の全開示は、参照することにより本明細書に包含される。
CVSシステムのような排出物試験システムは、エンジンで発生した排気ガスを希釈ガスと混合し、希釈排気ガスのサンプルを収集し、希釈排気ガスサンプル中の排出物の濃度を測定する。エンジンを始動させると、エンジンによって生成される排出物の量は通常よりも多くなり、希釈された排気ガスサンプルを収集するために使用される機器(例えば、ライン、バルブ、ポンプ、サンプル収集器)を汚染するおそれがある。装置が汚染されると、その装置を使用して収集された希釈排気サンプルの分析が正確にならないおそれがある。
この問題に対処するために、いくつかの排出物試験システムでは、エンジンが始動するまで、そしてそれから希釈排気サンプルを専用の「ダーティ」回路を用いて収集し、エンジン始動後に専用の「クリーン」回路を用いて希釈排気サンプルを収集する。クリーン回路およびダーティ回路のそれぞれは、サンプル収集器と、希釈トンネルからサンプル収集器まで延びるラインと、希釈トンネルから希釈トンネルへの希釈排気ガスの流れを制御するためにライン内に配置されたバルブおよび/またはポンプと、を含むことができる。したがって、クリーン回路とダーティ回路とは、互いに完全に独立した希釈トンネルから希釈された排気ガスサンプルを収集することがあり得る。結果として、クリーン回路は、エンジン始動時にエンジンで生成される排出物によって汚染されないため、低レベルの排出物を測定するときにクリーン回路を用いて希釈排気ガスサンプルを収集することができる。
非ハイブリッド車の排出ガス量を評価する場合、エンジンは試験スケジュールの間の既知の時間に始動する。例えば、試験スケジュールは複数の試験段階を含むことができ、試験スケジュールはエンジンが第1の試験段階中に始動されることになることを指定することができる。この例では、クリーン回路とダーティ回路を有する排出物試験システムは、通常、第1の試験段階中にダーティ回路を用いて希釈排ガスを収集し、次いで第1の試験段階後の各試験段階についてクリーン回路を用いて希釈排ガスを収集する。試験段階は、試験スケジュールのうち、その間に排気ガスがサンプル収集器に収集される部分である。
これに対して、ハイブリッド自動車によって排出される排出物の量を評価する場合には、エンジンが始動する試験スケジュールの間の時間は未知である。これは、試験スケジュールが時間に対する車速を指定し、指定された車速が高い場合および/または車両内のバッテリの充電状態が低い場合を除き、エンジンが指定された車速を達成することを要求されないからである。このため、排気サンプルをクリーン回路とダーティ回路とに分離するという戦略は、通常、ハイブリッド自動車には採用されず、ハイブリッド自動車から排気ガスサンプルを収集するために使用される排出物試験システムが汚染されるようになる可能性がある。
この問題に対処するために、本開示による装置および方法は、試験スケジュール中にエンジンがいつ始動されるかを決定し、この情報を使用して、排気ガスサンプルをクリーン回路またはダーティ回路に向けるかどうかを決定する。一例では、本開示の装置および方法は、エンジンが始動される前の各試験段階中およびエンジンが始動される試験段階中にダーティ回路を用いて排気ガスサンプルを収集する。本開示の装置および方法は、エンジンが始動される試験段階の後の各試験段階についてクリーン回路を用いて排気ガスサンプルを収集する。本開示の装置および方法は、以下で論じるように、エンジンで生成される排気ガスの圧力に基づいてエンジンがいつ始動されるかを決定することができる。
さらに、各試験段階中に排気サンプルを収集するために異なるサンプル収集器を用いる代わりに、本開示の装置および方法では、排気ガスサンプルを収集するために使用した後に各サンプル収集器をパージし、次いでサンプル収集器を再使用する。その結果として、試験スケジュールを実行するために必要とされるサンプル収集器の数を減らすことができる。試験スケジュール中にエンジンがいつ始動するかは不明であるため、これはハイブリッド車に関連して特に有益である。このため、試験スケジュールには5つの段階があり、サンプル収集器が試験スケジュール中にパージされて再利用されない場合、クリーン回路およびダーティ回路ごとに5つのサンプル収集器がそれぞれ必要になるおそれがある。これに対して、排気ガスサンプルを収集するために別のサンプル収集器が使用されている間に使用済みのサンプル収集器をパージすることによって、本開示の装置および方法は、試験スケジュール内の試験段階の数にかかわらず、クリーン回路およびダーティ回路のそれぞれにわずか2つのサンプル収集器を有することができる。
ここで図1を参照すると、排出物試験システム100は、希釈トンネル102、上流側送風機104、下流側送風機106、希釈剤回路108、クリーン回路110、ダーティ回路112、および排出物分析器114を含む。希釈トンネル102は、エンジン116で発生した排気ガスを排気ガス供給ライン118を介して受けいれる。排気ガス供給ライン118は、エンジン116からの排気ガスを希釈トンネル102に供給する。
また、希釈トンネル102は、希釈ガス供給ライン120を介して希釈ガスを受け取る。上流側送風機104は、希釈トンネル102の上流に配置され、希釈ガスを希釈ガス供給ライン120を介して希釈トンネル102に送るようになっている。希釈ガスは周囲空気(大気)とすることができ、その場合、上流側送風機104は周囲環境から希釈ガスを引き込むことができる。上流側送風機104は可変速送風機とすることができ、希釈ガスが希釈トンネル102を通って流れる速度を調整するように上流側送風機104の風速を調整することができる。追加的に又は代替的に、希釈ガス供給ライン120内にバルブ122を配置し、バルブ122の位置を調節して希釈トンネル102を通る希釈ガスの流量を調整することができる。
エンジン116からの排気ガスは、希釈トンネル102内で希釈ガスによって希釈される。クリーンサンプルプローブ124は希釈排ガスのサンプルを抽出するものである。クリーン回路供給ライン126は、クリーンサンプルプローブ124からのクリーン排ガスサンプルをクリーン回路110に供給するものである。同様に、ダーティサンプルプローブ128は、希釈された排気ガスのサンプルを抽出するものである。ダーティ供給ライン130は、ダーティサンプルプローブ128からのダーティ排気ガスサンプルをダーティ回路112に供給するものである。
クリーン回路供給ライン126内にクリーン抽出弁132を配置することができ、クリーン抽出弁132の位置を調節して、クリーンサンプルプローブ124を通して希釈排気ガスサンプルが引き抜かれる速度を調整することができる。追加的に又は代替的に、クリーン抽出ポンプ134をクリーン回路供給ライン126に配置し、クリーン抽出ポンプ134の速度を調節して、クリーンサンプルプローブを通して希釈排気ガスサンプルが引き抜かれる速度を調整することができる。一例では、クリーン抽出ポンプ134を一定速度で作動させ、クリーン抽出弁132の位置を調節してクリーンサンプルプローブ124を通る希釈排気ガスの抽出速度を調整する。クリーンサンプルプローブ124、クリーン回路供給ライン126、クリーン抽出弁132、およびクリーン抽出ポンプ134は、クリーン回路110の一部と見なすことができる。
ダーティ回路供給ライン130にダーティ抽出バルブ136を配置し、ダーティ抽出バルブ136の位置を調整して、希釈された排気ガスサンプルがダーティサンプルプローブ128を通して引き抜かれる速度を調整することができる。追加的に又は代替的に、ダーティ排出ポンプ138がダーティ回路供給ライン130に配置され、ダーティ排出ポンプ138の速度は、希釈された排気ガスサンプルがダーティサンプルプローブを通して引き抜かれる速度を調整するために調節することができる。一例では、ダーティ抽出ポンプ138は一定の速度で動作し、ダーティサンプルプローブ128を通る希釈された排気ガスの抽出速度を調整するためにダーティ抽出弁136の位置が調節される。ダーティサンプルプローブ128、ダーティ回路供給ライン130、ダーティ抽出バルブ136、およびダーティ抽出ポンプ138は、ダーティ回路112の一部と見なすことができる。
クリーンサンプルプローブ124およびダーティサンプルプローブ128のいずれによっても抽出されない希釈排気ガスの部分は、希釈トンネル102から希釈トンネル排気ライン140を通って大気中に放出される。バルブ142を希釈トンネル排気ライン140内に配置することができ、バルブ142の位置を調節して、希釈排気ガスが希釈トンネル102を通って流れる速度を調整することができる。追加的に又は代替的に、下流側送風機106を希釈トンネル102の下流に配置し、下流側送風機106の速度を調節して、希釈排気ガスが希釈トンネル102を通って流れる速度を調整することができる。
種々の実施態様では、排出物試験システム100は、上流側送風機104および下流側送風機106のうちの一方のみを含み得る。上流側送風機104および/または下流側送風機106は、希釈トンネル102を通して一定量の希釈排気ガスを強制するように制御されてもよい。これに関して、排出物試験システム100をCVSシステムとすることができる。しかしながら、単一の試験スケジュール中にクリーン回路とダーティ回路との充填を切り替えること、および/またはそれらの回路の収集器を切り替えて再利用することのための本開示の方法は、バッグミニ希釈器などの部分フローシステムにも適用される。
クリーン回路110は、クリーンサンプルプローブ124によって抽出された希釈排ガスサンプルを収集する第1クリーンサンプル収集器144および第2のクリーンサンプル収集器146を含む。第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146として、サンプルバッグまたはサンプルフィルタを用いることができる。クリーン回路供給ライン126は、希釈排気ガスサンプルをそれぞれ第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146に供給する第1のクリーン供給ライン126-1および第2のクリーン供給ライン126-2に分割されている。第1のクリーン充填弁148を第1のクリーン供給ライン126-1に配置することができ、第1のクリーン充填弁148を開閉して第2のクリーンサンプル収集器146への希釈排気ガスサンプルの流れを許容または阻止することができる。同様に、第2のクリーン充填弁150を第2のクリーン供給ライン126-2に配置し、第2のクリーン充填弁150を開閉して、希釈排気ガスサンプルの第2のクリーンサンプル収集器146への流れを許容するかまたは阻止することができる。
ダーティ回路112は、ダーティサンプルプローブ128によって抽出された希釈排ガスサンプルを収集する第1のダーティサンプル収集器152および第2のダーティサンプル収集器154を含む。第1および第2のダーティサンプル収集器152,154として、サンプルバッグまたはサンプルフィルタを用いることができる。ダーティ回路供給ライン130は、希釈排気ガスサンプルをそれぞれ第1および第2のダーティサンプル収集器152,154に供給する第1のダーティ供給ライン130-1および第2のダーティ供給ライン130-2に分割される。第1のダーティ充填弁156を第1のダーティ供給ライン130-1に配置し、第1のダーティ充填弁156を開閉して第1のダーティサンプル収集器152への希釈排ガスサンプルの流れを許容するかまたは阻止するようにしてもよい。同様に、第2のダーティ充填弁158を第2のダーティ供給ライン130-2に配置し、第2のダーティ充填弁158を開閉して第2のダーティサンプル収集器154への希釈排ガスサンプルの流れを許容するかまたは阻止するようにしてもよい。
排出物分析器114は、第1のクリーンサンプル収集器144および第2のクリーンサンプル収集器146によって収集された希釈排気ガスサンプルを分析し、排気ガスサンプル中に含まれる排出物の濃度を決定する。希釈排気ガスサンプルは、第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146からクリーンリードライン160を介して排出物分析器114に送られる。クリーンリードポンプ160をクリーンリードライン160に配置することができ、クリーンリードポンプ162の速度を調節して、希釈された排気ガスサンプルが第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146から排出物分析器114へ流れる速度を調整することができる。
クリーンリードライン160は、第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146からそれぞれ延びる第1のクリーンリードライン160-1および第2のクリーンリードライン161-2を含む。第1のクリーンリードライン164に第1のクリーンリード弁164を配置することができ、第1のクリーンリード弁164を開閉して、第1のクリーンサンプル収集器144から排出物分析器114への希釈排気ガスサンプルの流れを許容または阻止することができる。同様に、第2のクリーンリード弁166を第2のクリーンリードライン160-2に配置し、第2のクリーンリード弁166を開閉して、第2のクリーンサンプル収集器146から排出物分析器114への希釈排ガスサンプルの流れを許可または阻止することができる。
また、排出物分析器114は、第1のダーティサンプル収集器152および第2のダーティサンプル収集器154によって収集された希釈排気ガスサンプルを分析して、排気ガスサンプル中に含まれる排出物の濃度を決定することができる。希釈排気ガスサンプルは、第1および第2のダーティサンプル収集器152,154からダーティリードライン168を介して排出物分析器114に送られる。ダーティリードポンプ170をダーティリードライン168に配置し、ダーティリードポンプ170の速度を調節して、希釈排気ガスサンプルが第1および第2のダーティサンプル収集器152,154から排出物分析器114へ流れる速度を調整することができる。
ダーティリードライン168は、第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146からそれぞれ延びる第1のダーティリードライン168-1および第2のダーティリードライン168-2を含む。第1のダーティリード弁172を第1のダーティリードライン168-1に配置し、第1のダーティリード弁172を開閉して、第1のダーティサンプル収集器152から排出物分析器114への希釈排ガスサンプルの流れを許容または阻止することができる。同様に、第2のダーティリード弁174を第2のダーティリードライン168-2に配置し、第2のダーティリード弁174を開閉して、第2のダーティサンプル収集器154から排出分析器114への希釈排ガスサンプルの流れを許容または阻止することができる。
希釈剤回路108は、希釈ガス供給ライン120を通って流れる希釈ガスのサンプルを収集するための第1の希釈剤サンプル収集器176および第2の希釈剤サンプル収集器178を含む。希釈剤回路供給ライン180は、希釈ガス供給ライン120からの希釈ガスサンプルを第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178にそれぞれ供給する。希釈剤抽出弁182を希釈剤回路供給ライン180に配置することができ、希釈剤抽出弁182の位置を調節して、希釈ガスサンプルが希釈ガス供給ライン120から抽出される速度を調整することができる。追加的に又は代替的に、希釈剤抽出ポンプ184を希釈剤回路供給ライン180に配置し、希釈剤抽出ポンプ184の速度を調整して、希釈ガスサンプルが希釈ガス供給ライン120から抽出される速度を調整することができる。一例では、希釈剤抽出ポンプ184は一定速度で作動され、希釈剤抽出弁182の位置は希釈ガスサンプルの抽出速度を調整するために調節される。希釈剤回路供給ライン180、希釈剤抽出弁182、および希釈剤抽出ポンプ184は、希釈剤回路108の一部と見なすことができる。
第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178には、サンプルバッグまたはサンプルフィルタを用いることができる。希釈剤回路供給ライン180は、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178にそれぞれ希釈ガスサンプルを供給するための第1の希釈剤供給ライン180-1および第2の希釈剤供給ライン180-2に分岐している。第1の希釈剤充填弁186を第1の希釈剤供給ライン180-1に配置することができ、第1の希釈剤充填弁186を開閉して第1の希釈剤サンプル収集器176への希釈ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2の希釈剤充填弁188を第2の希釈剤供給ライン180-2に配置することができ、第2の希釈剤充填弁188を開閉して第2の希釈剤サンプル収集器178への希釈ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。
排出物分析器114は、ガスサンプル中に含まれる排出物の濃度を決定するために、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178によって収集された希釈ガスサンプルを分析するものである。排出物分析器114は、クリーンサンプルプローブ124およびダーティサンプルプローブ128によって抽出された希釈排気ガスサンプル中に含まれる排出物の濃度を決定するときに、希釈ガスサンプル中に含まれる排出物の濃度を考慮に入れることができる。例えば、希釈排気ガスサンプル中の希釈ガスの質量が希釈ガスサンプル中の希釈ガスの質量と等しい場合に、排出分析器114は、希釈排気ガスサンプル中の排出濃度を希釈排気ガスサンプル中の排出濃度から減算して、希釈排気ガスサンプル中に含まれる排気ガス中の排出濃度を得ることができる。
希釈排気ガスサンプルは、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178から希釈剤リードライン190を介して排出物分析器114に送られる。希釈剤リードポンプ192を希釈剤リードライン190に配置することができ、希釈剤リードポンプ192の速度を調節して、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178から排出物分析器114へ流れる希釈ガスサンプルの流速を調整することができる。
希釈剤リードライン190は、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178からそれぞれ延びる第1の希釈剤リードライン190-1および第2の希釈剤リードライン190-2を含む。第1の希釈剤リードバルブ194を第1の希釈剤リードライン190-1に配置することができ、第1の希釈剤リードバルブ194を開閉して、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114への希釈ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2の希釈剤リードバルブ196を第2の希釈剤リードライン190-2に配置することができ、第2の希釈剤リードバルブ196を開閉して、第2の希釈剤サンプル収集器178から排出物分析器114への希釈ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。
排出物試験システム100は、希釈剤通気ライン198、クリーン通気ライン200、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178からのガスサンプルを排出するためのダーティ排出ライン202、第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146、ならびに第1および第2のダーティサンプル収集器152,154をさらに含む。図示の例では、希釈剤通気ライン198、クリーン通気ライン200、およびダーティ通気ライン202は、希釈トンネル排出ライン140に延びる単一の通気ライン204に収束しており、この通気ライン204を通してガスサンプルを引き込むための通気ポンプ206が通気ライン204に配置されている。様々な実施態様において、希釈剤通気ライン198、クリーン通気ライン200、およびダーティ通気ライン202は、単一の通気ラインに収束しないことがあり、および/またはガスサンプルを大気中に直接放出することがある。さらに、通気ポンプ206の代わりに、通気ポンプ(図示せず)を希釈剤通気ライン198、クリーン通気ライン200、およびダーティ通気ライン202のそれぞれに配置することができる。
希釈剤通気ライン198は、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178からそれぞれ延びる第1の希釈剤通気ライン198-1および第2の希釈剤通気ライン198-2を含む。第1の希釈剤通気弁208を第1の希釈剤通気ライン198-1に配置することができ、第1の希釈剤通気弁208を開閉して、第1の希釈剤サンプル収集器176から希釈トンネル排気ライン140への希釈ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2の希釈剤通気バルブ210を第2の希釈剤通気ライン198-2に配置することができ、第2の希釈剤通気バルブ210を開閉して、第2の希釈剤サンプル収集器から178から希釈トンネル排気ライン140への希釈ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。
クリーン通気ライン200は、第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146からそれぞれ延びる第1のクリーン通気ライン200-1および第2のクリーン通気ライン200-2を含む。第1のクリーン通気弁212を第1のクリーン通気ライン200-1に配置することができ、第1のクリーン通気弁212を開閉して、第1のクリーンサンプル収集器144から希釈トンネル排気ライン140への希釈排気ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2のクリーン通気弁214を第2のクリーン通気ライン200-2に配置することができ、第2のクリーン通気バルブ214を開閉して、第2のクリーンサンプル収集器146から希釈トンネル排気ライン140への希釈排気ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。
ダーティ通気ライン202は、第1および第2のダーティサンプル収集器152,154からそれぞれ延びる第1のダーティ通気ライン202-1および第2のダーティ通気ライン202-2を含む。第1のダーティ通気弁216を第1のダーティ通気ライン202-1に配置することができ、第1のダーティ通気弁216を開閉して、第1のダーティサンプル収集器152から希釈トンネル排気ライン140への希釈排気ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2のダーティ通気弁218を第2のダーティ通気ライン202-2に配置することができ、第2のダーティ通気弁218を開閉して、第2のダーティサンプル収集器154から希釈トンネル排気ライン140への希釈排気ガスサンプルの流れを可能にするか又は阻止することができる。
排出物試験システム100は、希釈剤パージライン220、クリーンパージライン222、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178にパージガスをそれぞれ供給するためのダーティパージライン224、第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146、ならびに第1および第2のダーティサンプル収集器152,154をさらに含む。パージガスには、排気ガスと混合されていない周囲空気のような清浄な気体を用いることができる。パージガスは、パージガス源226によって供給される。パージガス源226は、単に大気であってもよいし、またはフィルタで濾過して生成された周囲の空気であってもよい。図示の実施形態では、単一のパージライン228がパージガス源226から延びて希釈剤パージライン220、クリーンパージライン222、およびダーティパージライン224に分岐しており、パージライン228を通してガスを送るためのパージポンプ230がパージライン228に設けられている。様々な実施態様では、希釈剤パージライン220、クリーンパージライン222、およびダーティパージライン224は、互いに独立してパージガス源226から延びることができ、パージポンプ230の代わりに、希釈剤パージライン220、クリーンパージライン222、およびダーティパージライン224のそれぞれにパージポンプ(図示せず)を配置するようにしてもよい。
希釈剤パージライン220は、第1および第2の希釈剤サンプル収集器176,178にそれぞれ延びる第1の希釈剤パージライン220-1および第2の希釈剤パージライン220-2を含む。第1の希釈剤パージ弁232を第1の希釈剤パージライン220-1に配置することができ、第1の希釈剤パージ弁232を開閉して、パージガス源226から第1の希釈剤サンプル収集器176へのパージガスの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2の希釈剤パージ弁234を第2希釈剤パージライン220-2に配置することができ、第2の希釈剤パージ弁234を開閉して、パージガス源226から第2の希釈剤サンプル収集器178へのパージガスの流れを可能にするか又は阻止することができる。
クリーンパージライン222は、第1および第2のクリーンサンプル収集器144および146にそれぞれ延びる第1および第2のクリーンパージライン222-1および222-2を含む。第1のクリーンパージ弁236を第1のクリーンパージライン222-1に配置することができ、第1のクリーンパージ弁236を開閉して、パージガス源226から第1のクリーンサンプル収集器144へのパージガスの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2のクリーンパージ弁238を第2のクリーンパージライン222-2に配置することができ、第2のクリーンパージ弁238を開閉して、パージガス源226から第2のクリーンサンプル収集器146へのパージガスの流れを可能にするか又は阻止することができる。
ダーティパージライン224は、第1および第2のダーティサンプル収集器152,154にそれぞれ延びる第1のクリーンパージライン224-1および第2のクリーンパージライン224-2を含む。第1のダーティパージ弁240を第1のダーティパージライン224-1に配置することができ、第1のダーティパージ弁240を開閉して、パージガス源226から第1のダーティサンプル収集器152へのパージガスの流れを可能にするか又は阻止することができる。同様に、第2のダーティパージ弁242を第2のクリーンパージライン224-2に配置することができ、第2のダーティパージ弁242を開閉して、パージガス源226から第2のダーティサンプル収集器154へのパージガスの流れを可能にするか又は阻止することができる。
排出物試験システム100は、排出物試験システム100の各種センサからの受信信号に基づいて排出物試験システム100の各種アクチュエータを制御する試験システム制御モジュール250をさらに含む。排出物試験システム100のアクチュエータは、送風機104,106、バルブ122,132,136,142,148,150,156,158,164,166,172,174,186,188,194,196,208,210,212,214,216,218,232,234,236,238,240,242、およびポンプ134,138,162,170,184,192,206,230を含む。排出物試験システム100のセンサは、排気温度センサ252、排気圧力センサ254、希釈ガス流量計256、希釈排気流量計258、希釈剤サンプル流量計260、クリーンサンプル流量計262、クリーンサンプル流量計262、およびダーティサンプル流量計264を含む。これらのうち希釈剤サンプル流量計260、クリーンサンプル流量計262、およびダーティサンプル流量計264は、それぞれ希釈剤回路108、クリーン回路110、およびダーティ回路112の一部と見なすことができる。
試験システム制御モジュール250は、排出物試験システム100のアクチュエータを制御するために種々の制御信号を出力する。すなわち試験システム制御モジュール250は、送風機104,106のそれぞれにブロワ制御信号(図2)を出力する。これらのブロワ制御信号は、それぞれの送風機の目標デューティサイクルまたは目標速度を示す。また、試験システム制御モジュール250は、バルブ122,132,136,142,148,150,156,158,164,166,172,174,186,188,194のそれぞれにバルブ制御信号(図2)を出力する。これらのバルブ制御信号はそれぞれのバルブの目標位置を示す。また、試験システム制御モジュール250は、ポンプ制御信号(図2)を各ポンプ134、138、162、170、184、192、206、230に出力する。これらのポンプ制御信号は、それぞれのポンプの目標デューティサイクルまたは目標速度を示す。
排気温度センサ252は、排気ガス供給ライン118を通って流れる排気ガスの温度を測定し、排気温度を示す排気温度信号(図2)を出力する。排気圧センサ254は、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの圧力を測定し、排気圧力を表す排気圧信号(図2)を出力する。排気温度センサ252および圧力センサ254は、排気温度信号および圧力信号を試験システム制御モジュール250にそれぞれ出力する。
希釈ガス流量計256は、希釈ガス供給ライン120内の希釈ガスの流量を測定し、希釈ガス流量を示す希釈ガス流量信号(図2)を出力する。希釈排気流量計258は、希釈トンネル排気ライン140内の希釈排気ガスの流量を測定し、希釈排気流量を示す希釈排気流量信号(図2)を出力する。希釈剤サンプル流量計260は、希釈剤回路供給ライン180を通って流れる希釈ガスサンプルの流量を測定し、希釈剤サンプル流量を示す希釈剤サンプル流量信号(図2)を出力する。クリーンサンプル流量計262は、クリーン回路供給ライン126を通って流れる希釈排気ガスサンプルの流量を測定し、クリーンサンプル流量を示すクリーンサンプル流量信号(図2)を出力する。ダーティサンプル流量計264は、ダーティ回路供給ライン130を流れる希釈排気ガスサンプルの流量を測定し、ダーティサンプル流量を示すダーティサンプル流量信号(図2)を出力する。希釈ガス流量計256、希釈排気流量計258、希釈剤サンプル流量計260、クリーンサンプル流量計262、およびダーティサンプル流量計264は、希釈ガス流量信号、希釈排気流量信号、希釈剤サンプル流量信号、クリーンサンプル流量信号、およびダーティサンプル流量信号を試験システム制御モジュール250へそれぞれ出力する。
排出物試験スケジュール中において、試験システム制御モジュール250は、上流側送風機104を制御して希釈排気ガス102を目標流量で希釈トンネル102に通すように、かつ/または下流側送風機106を制御して希釈排気ガス102を目標流量で希釈トンネル102に通すように制御する。さらに、試験システム制御モジュール250は、バルブ132,148,150を制御して希釈トンネル102からの希釈排気ガスの清浄なサンプルを抽出し、清浄なサンプルをクリーンサンプル収集器144,146に送る。さらに、試験システム制御モジュール250は、バルブ136、156、158を制御して、希釈トンネル102から希釈排気ガスのダーティサンプルを抽出し、ダーティサンプルをダーティサンプル収集器152,154に送る。さらに、試験システム制御モジュール250は、バルブ182,186,188を制御して、希釈ガス供給ライン120から希釈ガスのサンプルを抽出し、希釈剤サンプルを希釈剤サンプル収集器176,178に送る。試験システム制御モジュール250が希釈排気ガスをクリーン及びダーティサンプル収集器144,146,152,154のいずれかに振り向ける場合に、試験システム制御モジュール250は希釈ガスを希釈剤サンプル収集器176,178のうちの1つに振り向けることができる。
排出物試験スケジュールは複数の試験段階を含むことができる。例えば、米国環境保護庁(EPA)連邦試験手順は、低温始動段階、低温安定化段階、および高温始動段階を含む。各試験段階中において、試験システム制御モジュール250は、希釈排気ガスをクリーン及びダーティサンプル収集器144,146,152,154のうちの1つに向けることができ、希釈ガスを希釈剤サンプル収集器176,178のうちの1つに向けることができる。試験システム制御モジュール250は、エンジン116が始動されたかどうかに基づいて、希釈排気ガスをクリーンサンプル収集器144,146のうちの1つまたはダーティサンプル収集器152,154のうちの1つに向けるか否かを決定することができる。エンジン116が始動されると、エンジン116で発生する排出物の量は通常よりも多くなるので、希釈排気ガスサンプルを収集するために使用される機器(例えば、ポンプ、ライン、およびバルブ)を汚染する可能性がある。このため、試験システム制御モジュール250は、エンジン116が始動されるまで各試験段階中に希釈排気ガスをダーティサンプル収集器152,154のうちの1つに振り向け、直後に希釈排気ガスをエンジン116が始動される試験段階に続く次の試験段階中にクリーンサンプル収集器144,146のうちの1つに向けることができる。このようにして、試験システム制御モジュール250は、クリーン回路110の汚染を最小限に抑制し、それによってクリーン回路110によって収集された希釈排気ガスサンプル中の排出物を分析するときの排出物分析器114の精度が向上する。
加えて、試験スケジュールの試験段階中にサンプル収集器144,146,152,154,176,178のうちの1つにサンプルが収集された後に、試験システム制御モジュール250は、同じ試験スケジュールの別の試験段階中に別のサンプルを収集するために、そのサンプル収集器を再使用できるようにそのサンプル収集器をパージする。本明細書中で使用されるとき、「サンプル収集器をパージする」の語句または同様の語句は、サンプル収集器からサンプルを排出すること(またはサンプルを排出物分析器に送ること)、サンプル収集器にパージガスを送ること、およびサンプル収集器からパージガスを排出すること、を指し示すことがある。試験システム制御モジュール250は試験スケジュール中にサンプル収集器144,146,152,154,176,178をパージして再使用するので、試験スケジュールを実行するために必要とされるサンプル収集器144,146,152,154,176,178の数を減らすことができる。
ここで図2を参照してみると、試験システム制御モジュール250の実装例は、排気流量モジュール270、エンジン状態モジュール272、サンプリング制御モジュール274、送風機制御モジュール276、バルブ制御モジュール278、およびポンプ制御モジュール280を含んでいる。排気流量モジュール270は、排気ガス供給ライン118を通って流れる排気ガスの流量を決定し、排気ガス流量を示す信号282を出力する。一例では、排気流量モジュール270は、希釈排気流量計258によって測定された希釈排気流量から希釈ガス流量計256によって測定された希釈ガス流量を減算して、排気ガス供給ライン118を通って流れる排気ガスの流量を得る。
種々の実施態様では、排気ガス供給ライン118を通って流れる排気ガス流量は、エンジン116を制御するパワートレイン制御モジュール(図示せず)から得ることができ、および/または排気供給ライン118内で直接測定することができる。あるいは代替えとして、排気流量モジュール270は、(i)希釈排気流量計258によって測定された希釈排気流量の積に等しい排気流量、および(ii)希釈ガス排出ライン140内の同じ排出物濃度に対する排出ガス供給ライン118内の排出物(例えば二酸化炭素)の濃度比を設定するようにしてもよい。この濃度比を決定する前に、排気流量モジュール270は、希釈トンネル排気ライン140内の排出物の濃度から希釈供給ライン120内の排出物の濃度を減算することができる。排出物試験システム100は、希釈供給ライン120および/または希釈トンネル排出ライン140内の排出物の濃度を測定する1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含むことができる。あるいは代替えとして、希釈供給ライン120内の排出物の濃度を所定の(例えば、固定の)値とすることができる。
エンジン状態モジュール272は、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定し、そしてそれを示す信号284を出力する。エンジン状態モジュール272は、パワートレイン制御モジュールからの入力に基づいてエンジン116がオンであるかオフであるかを決定するようにしてもよい。追加的または代替的に、エンジン状態モジュール272は、排気圧センサ254によって出力される排気圧信号内の脈動の大きさおよび/または頻度に基づいて、エンジン116がオンであるかオフであるかを判断するようにしてもよい。一例では、エンジン状態モジュール272は、排気圧力信号内の脈動の大きさが第1の値よりも大きいときにエンジン116がオンであると判定する。他の一例では、エンジン状態モジュール272は、排気圧信号内の脈動の頻度が第1の頻度よりも大きいときにエンジン116がオンであると判定する。
エンジン116内のシリンダ数およびエンジン116のアイドル速度に基づいて第1の周波数を予め決定することができる。例えば、エンジン116の気筒数とエンジン116のアイドル回転数との積以下の値に第1の周波数を設定するようにしてもよい。第1の値もまた予め定められていてもよい。例えば、第1の値は、エンジン116のシリンダ内での燃焼事象のためにエンジン116で発生する排気ガスの圧力の予想される変化に設定されてもよい。
エンジン状態モジュール272は、排気圧力信号出力内の脈動の大きさと周波数の両方に基づいてエンジン116がオンであるかオフであるかを判定することができる。例えば、エンジン状態モジュール272は、第1の周波数以上の周波数(本明細書ではより高い周波数の脈動と呼ぶ)を有する排気圧信号出力内の脈動を識別し、識別した脈動の大きさの平均値を決定することができる。次いで、エンジン状態モジュール272は、より高い周波数の脈動の大きさの平均値が第1の値以上であるときにエンジン116がオンであると決定することができる。
ブロワ制御モジュール276は、上流側送風機104を制御して、希釈された排気ガスを目標流量で希釈トンネル102に通過させる。追加的に又は代替的に、ブロワ制御モジュール276は、下流側送風機106を制御して、目標流量で希釈トンネル102を通して希釈された排気ガスを引き込む。ブロワ制御モジュール276は、ブロワ制御信号を出力することによって上流側送風機104および/または下流側送風機106を制御する。上述のように、ブロワ制御信号は、それぞれの送風機の目標デューティサイクルまたは目標速度を示す。ブロワ制御モジュール276は、希釈排気流量計258によって測定された希釈排気流量と目標流量との間の差を最小にするように、上流側送風機104および/または下流側送風機106の目標デューティサイクルまたは目標速度を調整することができる。
ブロワ制御モジュール276は、試験スケジュールの全期間にわたって希釈排気流量を目標流量に維持するように上流側送風機104および/または下流側送風機106を制御することができる。このため、ブロワ制御モジュール276は、試験スケジュールの最初の試験段階が始まるときに上流側送風機104および/または下流側送風機106を作動させ、試験スケジュール終了の最後の試験段階のときに上流側送風機104および/または下流側送風機106を作動停止させる。ブロワ制御モジュール276は、試験スケジュールの各試験段階がいつ開始していつ終了するか、および試験段階の順序(例えば、最初、2番目、3番目、最後)を示す試験段階状態信号を受信することができるので、試験スケジュールの開始および終了のときを示すことができる。
バルブ制御モジュール278は、希釈トンネル102を通る希釈ガスの流量を調整するためにバルブ122の位置を調節することができる。追加的に又は代替的に、バルブ制御モジュール278は、希釈された排気ガスが希釈トンネル102を通って流れる速度を調整するためにバルブ142の位置を調節することができる。バルブ制御モジュール278は、試験スケジュールの全期間にわたって希釈排気流量を目標流量に維持するようにバルブ142の位置を調節することができる。例えば、バルブ制御モジュール278は、試験スケジュールの最初の試験段階が始まるときにバルブ142を開き、試験スケジュールの最後の試験段階が終了するときにバルブ142を閉じる。また、バルブ制御モジュール278は、試験スケジュールの各試験段階がいつ開始していつ終了するか、および各試験段階の順序を示す試験段階状態信号を受信することができる。
ユーザ入力(例えば、ユーザがボタンを押すか又はタッチスクリーン上のアイコンに触れる)に応答して試験スケジュールを実行する試験スケジュール実行モジュール(図示せず)によって試験段階状態信号を生成することができる。この試験スケジュール実行モジュールは、試験システム制御モジュールに含まれるようにしてもよく、あるいは試験システム制御モジュールと交信する別個のモジュールとしてもよい。試験スケジュール実行モジュールは、複数の試験スケジュールを記憶し、ユーザ入力に基づいて複数の試験スケジュールのうちから実行する試験スケジュールを選択することができるようになっている。各試験スケジュールは、所定数の試験段階を含むことができる。各試験段階は、所定の期間を有してもよく、および/または時間に対する目標車両速度を指定するようにしてもよい。
試験段階状態信号は、各試験段階がいつ開始していつ終了するのか、および各試験段階の順序をそれぞれ示すことに加えて、時間に対する目標車両速度を示すことができる。試験スケジュールモジュールは、試験段階ステータス信号をパワートレイン制御モジュールに出力することができ、パワートレイン制御モジュールは、試験スケジュールに従って車両(図示せず)を推進するようにエンジン116および/または電気モータ(図示せず)を制御することができる。また、試験スケジュールモジュールは、試験位相状態信号をダイナモメータ制御モジュール(図示せず)に出力することができ、ダイナモメータ制御モジュール(図示せず)を制御してエンジン116および/または車両の車輪に掛かる負荷を調整することができる。例えば、試験位相状態信号は、時間に対する道路等級(ロードグレード)の変化を示してもよく、ダイナモメータ制御モジュールは、道路等級におけるこれらの変化をシミュレーションするためにエンジン116および/または車輪に掛かる負荷を調整するようにしてもよい。
サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールの各試験段階中においてサンプルガスを各種サンプル収集器144、146、152、154、176、178に振り向けるために、バルブ制御モジュール278およびポンプ制御モジュール280の動作を調整する。加えて、サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールの様々な試験段階中においてサンプル収集器144、146、152、154、176、178のうちのいくつかからガスサンプルを排出させるために、バルブ制御モジュール278およびポンプ制御モジュール280の動作を調整する。さらに、サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールの様々な試験段階中においてパージガスをサンプル収集器144、146、152、154、176、178のうちのいくつかに送るために、バルブ制御モジュール278およびポンプ制御モジュール280の動作を調整する。サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールの各試験段階がいつ開始していつ終了するのかを決定するために、試験段階状態信号を使用することができる。
以下の説明では、サンプリング制御モジュール274は、バルブ132,136,148,150,156,158,164,166,172,174,186,188,194,196,208,210,212,214,216,218,232,234,236,238,240,242を開閉する。サンプリング制御モジュール274は、各バルブの所望の位置(例えば、開または閉)を示す信号286をバルブ制御モジュール278に出力することによって各バルブを所望の位置とすることができる。また、以下の説明では、サンプリング制御モジュール274は、ポンプ134,138,162,170,184,192,206,230を作動させ停止させる。サンプリング制御モジュール274は、各ポンプの所望の状態(例えば、始動または停止)を示す信号288をポンプ制御モジュール278に出力することによって各ポンプを所望の状態とすることができる。
ここで図3を参照すると、工程302で開始されるエンジン116始動中の試験スケジュールの期間中および試験スケジュールの試験段階の期間中においてエンジン116が始動される前に、サンプル収集器144,146,152,154,176,178へのサンプルガスの流れを制御する方法が示されている。図3の方法は、図2のモジュールに関連して説明されている。しかしながら、図3の方法の工程を実行する特定のモジュールは、以下に述べるものとは異なるものとしてもよく、および/または図3の方法を図2のモジュールとは別々に実施するようにしてもよい。
工程304では、サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールが開始したかどうかを判定する。サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールが試験段階信号で開始したことを、試験スケジュールの最初の試験段階が開始したことを示すと決定することができる。試験スケジュールが開始されていれば、方法は工程306へ続く。試験スケジュールが開始されていなければ、サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールが開始されているか否かの判断を繰り返し続ける。
工程306では、エンジン状態モジュール272は、エンジン116がオンかオフかを判定する。エンジン116が停止している場合、本方法は工程308へ進む。そうでない場合は、本方法は工程310に続く。
工程308では、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中において希釈排気ガスのサンプルを第1のダーティサンプル収集器152に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、ダーティ排出バルブ136および第1のダーティ充填バルブ156を開け、ダーティ排出ポンプ138を作動させることによって、希釈排気ガスのサンプルを第1のダーティサンプル収集器152に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中に、第1のクリーンサンプル収集器144、第2のクリーンサンプル収集器146、および第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスの流れを阻止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン充填弁148、第2のクリーン充填弁150、および第2のダーティ充填弁158を閉じることによって希釈排気ガス流の阻止を達成する。サンプリング制御モジュール274は、クリーン回路110への希釈排気ガスの流れを阻止するために、クリーン抽出弁132を閉じ、および/またはクリーン抽出ポンプ134を停止させることができる。
希釈排気ガスサンプルを第1のダーティサンプル収集器152に誘導している間に、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスのサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176へ誘導するようにしてもよい。サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182および第1の希釈剤充填弁186を開け、希釈剤抽出ポンプ184を作動させることによって希釈ガスサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中に第2の希釈剤充填弁188を閉じることによって第2の希釈剤サンプル収集器178への希釈ガスの流れを阻止する。
工程312では、サンプリング制御モジュール274は試験段階が終了したか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、試験段階がいつ終了したかを判定するために試験段階ステータス信号を用いることができる。試験段階が終了すると、本方法は工程314へ続く。そうでなければ、サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティサンプル収集器152への希釈排気ガスサンプルの誘導を続行する。
工程314では、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスを第1のダーティサンプル収集器152に振り向けるのを止め、第1のダーティサンプル収集器152をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティ充填弁156を閉じることにより、希釈排気ガスを第1のダーティサンプル収集器152に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、ダーティ抽出弁136を閉じてダーティ抽出ポンプ138を停止させることができる。また、サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティサンプル収集器152から希釈排気ガスサンプルを排出し、第1のダーティサンプル収集器152にパージガスを送り、第1のダーティサンプル収集器152からパージガスを排出することにより、第1のダーティサンプル収集器152をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティ通気弁216を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1のダーティサンプル収集器152から希釈排気ガスサンプルを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティ通気弁216を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第1のダーティサンプル収集器152からの希釈排気ガスサンプルの排出を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティパージ弁240を開けてパージポンプ230を作動させることにより、第1のダーティサンプル収集器152にパージガスを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティパージ弁240を閉じてパージポンプ230を停止することにより、第1のダーティサンプル収集器152へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティ通気弁216を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1のダーティサンプル収集器152からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティ通気弁216を閉じて通気ポンプ206を停止することにより、第1のダーティサンプル収集器152からのパージガスの排出を停止する。
第1のダーティサンプル収集器152をパージするとき、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを排出する代わりに、第1のダーティサンプル収集器152から排出物分析器114に希釈排気ガスサンプルを送ることができる。サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティリード弁172を開けてダーティリードポンプ170を作動させることにより、第1のダーティサンプル収集器152から排出物分析器114に希釈排気ガスサンプルを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1ダーティリード弁172を閉じてダーティリードポンプ170を停止させることにより、第1ダーティサンプル収集器152から排出物分析器114への希釈排気ガスサンプルの送給を停止する。
工程314において、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤サンプル収集器176への希釈ガスの誘導を停止し、第1の希釈剤サンプル収集器176をパージすることができる。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤充填弁186を閉じることにより、希釈ガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182を閉じて希釈剤抽出ポンプ184を停止させることができる。サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176から排出し、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に送り、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176から排出することによって、第1の希釈剤サンプル収集器176をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から希釈ガスサンプルを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からの希釈ガスサンプルの排出を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤パージ弁232を開けてパージポンプ230を作動させることにより、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤パージ弁232を閉じてパージポンプ230を停止させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からのパージガスの排出を停止する。
第1の希釈剤サンプル収集器176をパージする場合に、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを排出する代わりに、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114ヘ希釈ガスサンプルを送ることができる。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤リード弁194を開けて希釈剤リードポンプ192を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114に希釈ガスサンプルを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤リード弁194を閉じて希釈剤リードポンプ192を停止することにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114への希釈ガスサンプルの送給を停止する。
工程316では、サンプリング制御モジュール274は、最後の試験段階(すなわち、サンプリング制御モジュール274が希釈排気ガスサンプルを第1のダーティサンプル収集器152に振り向けたときの試験段階)が開始してからエンジン116がオンになったか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、エンジン116がオンであるかオフであるかを示すエンジン状態モジュール272によって出力される信号に基づいて、エンジン116がスイッチオンに切り替えられたか否かを判定する。エンジン116がスイッチオンされていれば、方法は工程310へ続く。エンジン116がスイッチオンされていなければ、方法は工程318へ続く。
工程318では、サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールの次の試験段階中において、希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、ダーティ排出弁136および第2のダーティ充填弁158を開けてダーティ排出ポンプ138を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中に、第1のクリーンサンプル収集器144、第2のクリーンサンプル収集器146、および第1のダーティサンプル収集器152への希釈排気ガスの流れを阻止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン充填弁148、第2の清浄充填弁150、および第1のダーティ充填弁156を閉じることによって希釈排気ガス流の阻止を達成する。また、サンプリング制御モジュール274は、クリーン回路110への希釈排気ガスの流れを阻止するために、クリーン抽出弁132を閉じ、および/またはクリーン抽出ポンプ134を停止させることができる。
希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154に誘導している間に、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを第2の希釈剤サンプル収集器178に誘導するようにしてもよい。サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182および第2の希釈剤充填弁188を開けて希釈剤抽出ポンプ184を作動させることにより、希釈ガスサンプルを第2の希釈剤サンプル収集器178に誘導する。さらに、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤充填弁186を閉じることによって次の試験段階中に第1の希釈剤サンプル収集器176への希釈ガスの流れを阻止する。
工程320では、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階が終了したか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、試験段階状態信号を用いて、次の試験段階がいつ終了するのかを判定することができる。次の試験段階が終了していれば、方法は工程322へ続く。そうでなければ、サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスサンプルの誘導を続行する。
工程322では、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスを第2のダーティサンプル収集器154に振り向けるのを停止し、第2のダーティサンプル収集器154をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティ充填弁158を閉じることにより、第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスの誘導を停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、ダーティ抽出弁136を閉じてダーティ抽出ポンプ138を停止させることができる。また、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154から排出し、パージガスを第2のダーティサンプル収集器154に送り、パージガスを第2のダーティサンプル収集器154から排出することにより、第2のダーティサンプル収集器154をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティ通気弁218を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第2のダーティサンプル収集器154から希釈排気ガスサンプルを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティ通気弁218を閉じて通気ポンプ206を停止することにより、第2のダーティサンプル収集器154からの希釈排気ガスサンプルの排出を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティパージ弁242を開けてパージポンプ230を作動させることにより、パージガスを第2のダーティサンプル収集器154に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティパージ弁242を閉じてパージポンプ230を停止させることにより、第2のダーティサンプル収集器154へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティ通気弁218を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第2のダーティサンプル収集器154からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティ通気弁218を閉じて通気ポンプ206を停止することにより、第2のダーティサンプル収集器154からのパージガスの排出を停止する。
第2のダーティサンプル収集器154をパージするとき、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを排出する代わりに、第2のダーティサンプル収集器154から排出物分析器114に希釈排気ガスサンプルを送給することができる。サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティリード弁174を開けてダーティリードポンプ170を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154から排出物分析器114に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2ダーティリード弁174を閉じてダーティリードポンプ170を停止させることにより、第2ダーティサンプル収集器154から排出物分析器114への希釈排気ガスサンプルの送給を停止する。
工程322では、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に向けるのを止め、第2の希釈剤サンプル収集器178をパージすることもできる。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤充填弁188を閉じることにより、希釈ガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182を閉じて希釈剤抽出ポンプ184を停止させることもできる。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤サンプル収集器178から希釈ガスサンプルを排出し、第2の希釈剤サンプル収集器178にパージガスを送り、第2の希釈剤サンプル収集器178からパージガスを排出することにより、第2の希釈剤サンプル収集器178をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤通気弁210を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178から希釈ガスサンプルを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤通気弁210を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178からの希釈ガスサンプルの排出を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2希釈剤パージ弁234を開けてパージポンプ230を作動させることにより、パージガスを第2希釈剤サンプル収集器178に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤パージ弁234を閉じてパージポンプ230を停止することにより、第2の希釈剤サンプル収集器178へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤通気弁210を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤通気弁210を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178からのパージガスの排出を停止する。
第2の希釈剤サンプル収集器178をパージする場合に、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを排出する代わりに、第2の希釈剤サンプル収集器178から排出物分析器114に希釈ガスサンプルを送ることができる。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤リード弁196を開けて希釈剤リードポンプ192を作動させることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178から排出物分析器114に希釈ガスサンプルを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤リード弁196を閉じて希釈剤リードポンプ170を停止させることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178から排出物分析器114への希釈ガスサンプルの送給を停止する。
工程324では、サンプリング制御モジュール274は、最後の試験段階(すなわち、サンプリング制御モジュール274が希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154に誘導したときの試験段階)が開始してからエンジン116がスイッチオンになったか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、エンジン116がオフであるかオンであるかを示すエンジン状態モジュール272によって出力される信号に基づいて、エンジン116がスイッチオンに切り替えられたか否かを判定する。エンジン116がスイッチオンになっていれば、本方法は工程310へ続く。そうでなければ、本方法は工程308へ続く。これに関して、本発明方法では、エンジン116が始動されるまで、第1のダーティサンプル収集器152または第2のダーティサンプル収集器152への希釈排気ガスの誘導を続行する。
工程310では、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中に希釈排気ガスサンプルをクリーン回路110に振り向ける。より具体的には、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中に、希釈排気ガスサンプルを第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146のうちの一方に振り向ける。工程326で、本方法は終了する。図4の方法は、図3の方法と併せて実施することができる。例えば、図4の方法は図3の工程310で実行されるようにしてもよい。
このように図3の方法によれば、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116がスイッチオンされたかどうかに基づいて、排気ガスをダーティ回路112に振り向けることからクリーン回路110のほうに振り向けることに切り替える。様々な実施態様では、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116が暖かい状態にある場合においてエンジン116がスイッチオンされる前に、排気ガスをクリーン回路110に振り向けることができる。サンプリング制御モジュール274は、エンジン冷却液温度が所定の温度より高いとき、排気温度が所定の温度より高いとき、および/またはエンジン116が最後に動作してからの時間量が所定の期間(例えば、30秒)未満であるときに、エンジン116が暖かい状態にあるものと判断することができる。サンプリング制御モジュール274は、エンジン116が暖かい状態にあると判断した場合に、図4の方法は試験スケジュールの第1の試験段階に対して実行することができるが、図3の方法はその試験スケジュールに対して実行されない場合があり得る。
サンプリング制御モジュール274は、パワートレイン制御モジュールからエンジン冷却液温度に関する情報を受け取ることができる。また、サンプリング制御モジュール274は、排気温度センサ252から排気温度に関する情報を受け取ることができる。サンプリング制御モジュール274は、エンジン状態モジュール272からの信号284に基づいて、エンジン116が最後に動作してからの時間量を追跡するためにタイマーを使用する。
ここで図4を参照すると、エンジン116が始動される試験段階に続く試験段階中においてサンプル収集器144,146,152,154,176,178へのサンプルガスの流れを制御する方法は工程332にて開始される。図4の方法は、エンジン116の1つ以上の動作条件が正常であるエンジン116で生じた排出物の量が以下のことを示しているときにサンプル収集器144,146,152,154,176,178へのサンプルガスの流れを制御するために使用することができる。図4の方法は、図2のモジュールに関連して説明されている。しかしながら、図4の方法の工程を実行する特定のモジュールは、以下に述べるものとは異なるものとすることができ、および/または図4の方法は図2のモジュールとはまったく別に実施することができる。
工程334では、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中に希釈排気ガスサンプルを第1のクリーンサンプル収集器144に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、クリーン抽出弁132および第1のクリーン充填弁148をそれぞれ開けてクリーン抽出ポンプ134を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第1のクリーンサンプル収集器144に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中において、第2のクリーンサンプル収集器146、第1のダーティサンプル収集器152、ならびに第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスの流れを阻止する。サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーン充填弁150、第1のダーティ充填弁156、および第2のダーティ充填弁158を閉じることによって希釈排気ガス流の阻止を達成する。また、サンプリング制御モジュール274は、ダーティ回路112への希釈排気ガスの流れを阻止するために、ダーティ抽出弁136を閉じ、および/またはダーティ抽出ポンプ138を停止させることができる。
サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスのサンプルを第1のクリーンサンプル収集器144に振り向ける一方で、希釈ガスのサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182および第1の希釈剤充填弁186を開いて希釈剤抽出ポンプ184を作動させることにより、希釈ガスサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中に第2の希釈剤充填弁188を閉じることによって第2の希釈剤サンプル収集器178への希釈ガスの流れを阻止する。
工程336では、サンプリング制御モジュール274は、試験段階が終了したか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、試験段階がいつ終了したかを判定するために試験段階ステータス信号を使用することができる。試験段階が終了していれば、方法は工程338へ続く。そうでなければ、サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーンサンプル収集器144への希釈排気ガスサンプルの誘導を続行する。
工程338では、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスを第1のクリーンサンプル収集器144に振り向けるのを止め、第1のクリーンサンプル収集器144をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン充填弁148を閉じることにより、第1のクリーンサンプル収集器144に希釈排気ガスを振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、クリーン抽出弁132を閉じてクリーン抽出ポンプ134を停止させることができる。サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを第1のクリーンサンプル収集器144から排出物分析器114に送り、パージガスを第1のクリーンサンプル収集器144に送り、パージガスを第1のクリーンサンプル収集器144から排出することにより、第1のクリーンサンプル収集器144をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーンリード弁164を開けてクリーンリードポンプ162を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第1のクリーンサンプル収集器144から排出物分析器114に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーンリード弁164を閉じてクリーンリードポンプ162を非作動にすることにより、第1のクリーンサンプル収集器144から排出物分析器114への希釈排気ガスサンプルの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーンパージ弁236を開けてパージポンプ230を作動させることにより、パージガスを第1のクリーンサンプル収集器144へ送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーンパージ弁236を閉じてパージポンプ230を停止することにより、第1のクリーンサンプル収集器144へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン通気弁212を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1のクリーンサンプル収集器144からパージガスを排出する。所定期間後に、サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン通気弁212を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第1のクリーンサンプル収集器144からのパージガスの排出を停止する。
工程338では、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤サンプル収集器176への希釈ガスの誘導を停止し、第1の希釈剤サンプル収集器176をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤充填弁186を閉じることにより、希釈ガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182を閉じて希釈剤抽出ポンプ184を停止させることができる。サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114に送り、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に送り、パージガスを第2の希釈剤サンプル収集器176から排出することにより、第1の希釈剤サンプル収集器176をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤リード弁194を開けて希釈剤リードポンプ192を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114へ希釈ガスサンプルを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤リード弁194を閉じて希釈剤リードポンプ192を停止することにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出ガス分析器114への希釈ガスサンプルの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤パージ弁232を開けてパージポンプ230を作動させることにより、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤パージ弁232を閉じてパージポンプ230を停止させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からのパージガスの排出を停止する。
工程340では、サンプリング制御モジュール274は、例えば試験段階状態信号を駆使して試験スケジュール内に他の試験段階が有るか無いかを判定する。試験スケジュールに他の試験段階が有る場合は、本方法は工程342へ続く。試験スケジュールに他の試験段階が無い場合は、本方法は工程344で終了する。
工程342では、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116の負荷が第1の負荷を超えているか否かを判定する。エンジン負荷が第1の負荷を超えている場合は、エンジン116によって生成される排出物の量は、通常よりも多い可能性がある。ここで、第1の負荷は予め定めておくことができる。サンプリング制御モジュール274は、エンジン制御モジュールからエンジン負荷に関する情報を受け取ることができる。エンジン負荷が第1の負荷を超えている場合は、本方法は工程346へ進む。そうでない場合は、本方法は工程348へ続く。
工程348では、サンプリング制御モジュール274は、排気温度センサ252によって測定された排気温度が第1の温度を超えているか否かを判定する。測定排気温度が第1の温度よりも高い場合は、エンジン116で発生した排出物の量は、通常よりも多い可能性がある。第1の温度は予め定めておくことができる。測定排気温度が第1の温度を超えている場合は、本方法は工程346へ続く。そうでない場合は、本方法は工程350へ続く。
工程350では、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中に希釈排気ガスサンプルを第2のクリーンサンプル収集器146に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、クリーン抽出弁132および第2のクリーン充填弁150を開けてクリーン抽出ポンプ134を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第2のクリーンサンプル収集器146に振り向ける。また、サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン充填弁148、第1のダーティ充填弁156、および第2のダーティ充填弁158を閉じる。
サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを第2のクリーンサンプル収集器146に振り向ける一方で、希釈ガスサンプルを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182および第1の希釈剤充填弁186を開けて希釈剤抽出ポンプ184を作動させることにより、希釈ガスサンプルを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向ける。加えて、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中に第2の希釈剤充填弁188を閉じることによって第2の希釈剤サンプル収集器178への希釈ガスの流れを阻止する。
工程352では、サンプリング制御モジュール274は、試験段階が終了したか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、試験段階がいつ終了したかを判定するために試験段階ステータス信号を使用することができる。試験段階が終了した場合は、本方法は工程354へ続く。試験段階が終了していない場合は、サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーンサンプル収集器146への希釈排気ガスサンプルの誘導を続行する。
工程354では、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスを第2のクリーンサンプル収集器146に振り向けるのを止め、第2のクリーンサンプル収集器146をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーン充填弁150を閉じることにより、希釈排気ガスを第2のクリーンサンプル収集器146に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、クリーン抽出弁132を閉じてクリーン抽出ポンプ134を停止させることができる。サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを第2のクリーンサンプル収集器146から排出物分析器114へ送り、パージガスを第2のクリーンサンプル収集器146へ送り、第2のクリーンサンプル収集器146からパージガスを排出することにより、第2のクリーンサンプル収集器146をパージする。
サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーンリード弁166を開けてクリーンリードポンプ162を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第2のクリーンサンプル収集器146から排出物分析器114へ送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーンリード弁166を閉じてクリーンリードポンプ162を非作動にすることにより、第2のクリーンサンプル収集器146からの排出物分析器114への希釈排気ガスサンプルの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーンパージ弁238を開けてパージポンプ230を作動させることにより、第2のクリーンサンプル収集器146にパージガスを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーンパージ弁238を閉じてパージポンプ230を停止させることにより、第2のクリーンサンプル収集器146へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーン通気弁214を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第2のクリーンサンプル収集器146からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2のクリーン通気弁214を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第2のクリーンサンプル収集器146からのパージガスの排出を停止する。
工程354では、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向けるのを止め、第2の希釈剤サンプル収集器178をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤充填弁188を閉じることにより、希釈ガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182を閉じて希釈剤抽出ポンプ184を停止させることもできる。サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを第2の希釈剤サンプル収集器178から排出物分析器114に送り、パージガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に送り、パージガスを第2の希釈剤サンプル収集器178から排出することにより、第2の希釈剤サンプル収集器178をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤リード弁196を開けて希釈剤リードポンプ192を作動させることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178から排出物分析器114に希釈ガスサンプルを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤リード弁196を閉じて希釈剤リードポンプ192を非作動とすることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178から排出物分析器114への希釈ガスサンプルの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤パージ弁234を開けてパージポンプ230を作動させることにより、パージガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤パージ弁234を閉じてパージポンプ230を停止することにより、第2の希釈剤サンプル収集器178へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤通気弁210を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤通気弁210を閉じて通気ポンプ206を非作動とすることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178からのパージガスの排出を停止する。
工程356では、サンプリング制御モジュール274は、例えば試験段階状態信号を駆使して試験スケジュール内に他の試験段階が有るか無いかを判定する。試験スケジュールに他の試験段階が有る場合は、本方法は工程358へ続く。試験スケジュールに他の試験段階が無い場合は、本方法は工程344で終了する。
工程358では、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116の負荷が第1の負荷を超えているか否かを判定する。エンジン負荷が第1の負荷を超えている場合は、本方法は工程346へ続く。そうではない場合は、本方法は工程360へ続く。
工程360では、サンプリング制御モジュール274は、排気温度センサ252によって測定された排気温度が第1の温度を超えているか否かを判定する。測定排気温度が第1の温度を超えている場合は、本方法は工程346へ続く。そうでない場合は、本方法は工程334へ続く。この点に関して、本方法は、エンジン負荷が第1の負荷よりも大きいか、または測定排気温度が第1の温度よりも高いか、または試験スケジュールが終了するまで、希釈排気ガスを第1のクリーンサンプル収集器144または第2のクリーンサンプル収集器144に誘導し続ける。
工程346では、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中に希釈排気ガスサンプルをダーティ回路112に振り向ける。より具体的には、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中において、希釈排気ガスサンプルを第1および第2のダーティサンプル収集器152,154のうちの一方に振り向ける。図5の方法は、図4の方法と併せて実施することができる。例えば、図4の工程346において図5の方法を実行することができる。
ここで図5を参照すると、エンジン116が始動される試験段階の後に続く試験段階中において、サンプル収集器144,146,152,154,176,178へのサンプルガスの流れを制御するための他の方法は工程362で開始される。図5の方法は、エンジン116の1つ以上の運転条件が通常よりも大きいエンジン116によって生じる排出物の量を示す場合に、サンプル収集器144,146,152,154,176,178へのサンプルガスの流れを制御するために使用することができる。図5の方法は、図2のモジュールに関連して説明されている。しかしながら、図5の方法の工程を実行する特定のモジュールは、以下に述べるものとは異なるものとすることができ、および/または図2のモジュールとは切り離して別に図5の方法を実施することができる。
工程364では、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中に希釈排気ガスのサンプルを第1のダーティサンプル収集器152に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、ダーティ排出弁136および第1のダーティ充填弁156を開けてダーティ排出ポンプ138を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第1のダーティサンプル収集器152に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中において、第1のクリーンサンプル収集器144、第2のクリーンサンプル収集器146、および第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスの流れを阻止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン充填弁148、第2のクリーン充填弁150、および第2のダーティ充填弁158をそれぞれ閉じることによって希釈排気ガス流の阻止を達成する。また、サンプリング制御モジュール274は、クリーン回路110への希釈排気ガスの流れを阻止するために、クリーン抽出弁132を閉じ、および/またはクリーン抽出ポンプ134を停止させることができる。
第1のダーティサンプル収集器152への希釈排気ガスサンプルの誘導中において、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向けることもできる。サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182および第1の希釈剤充填弁186を開けて希釈剤抽出ポンプ184を作動させることにより、希釈ガスサンプルを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、試験段階中に第2の希釈剤充填弁188を閉じることにより、第2の希釈剤サンプル収集器178への希釈ガスの流れを阻止する。
工程366では、サンプリング制御モジュール274は試験段階が終了したか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、試験段階がいつ終了したのかを判定するために試験段階ステータス信号を利用することができる。試験段階が終了すると、本方法は工程368へ進む。試験段階が終了していない場合は、サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティサンプル収集器152への希釈排気ガスサンプルの誘導を続行する。
工程368では、サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティサンプル収集器152への希釈排気ガスの誘導を停止して、第1のダーティサンプル収集器152をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第1のダーティ充填弁156を閉じることにより、希釈排気ガスを第1のダーティサンプル収集器152に誘導するのを止める。また、サンプリング制御モジュール274は、ダーティ抽出弁136を閉じてダーティ抽出ポンプ138を停止させてもよい。サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを排出し(または希釈排気ガスサンプルを排出物分析器114に送り)、パージガスを第1のダーティサンプル収集器152に送り、パージガスを第1のダーティサンプル収集器152から排出する。
工程368では、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤サンプル収集器176への希釈ガスの誘導を停止して、第1の希釈剤サンプル収集器176をパージすることもできる。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤充填弁186を閉じることにより、希釈ガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182を閉じて希釈剤抽出ポンプ184を停止させることができる。サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを排出し(またはサンプルを排出物分析器114に送り)、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に送り、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に排出することにより、第1の希釈剤サンプル収集器176をパージすることができる。
サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から希釈ガスサンプルを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を閉じて通気ポンプ206を非作動とすることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からの希釈ガスサンプルの排出を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤パージバルブ232を開けてパージポンプ230を作動させることにより、パージガスを第1の希釈剤サンプル収集器176に送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤パージ弁232を閉じてパージポンプ230を停止させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176へのパージガスの送給を停止する。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を開けて通気ポンプ206を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からパージガスを排出する。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤通気弁208を閉じて通気ポンプ206を非作動にすることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176からのパージガスの排出を停止する。
第1の希釈剤サンプル収集器176をパージするとき、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを排出する代わりに、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114に希釈ガスサンプルを送ることができる。サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤リード弁194を開けて希釈剤リードポンプ192を作動させることにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114に希釈ガスサンプルを送る。所定期間経過後に、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤リードバルブ194を閉じて希釈剤リードポンプ170を停止することにより、第1の希釈剤サンプル収集器176から排出物分析器114への希釈ガスサンプルの送給を停止する。
工程370では、サンプリング制御モジュール274は、例えば試験段階状態信号を駆使して試験スケジュール内に他の試験段階があるか否かを判定する。試験スケジュール内に他の試験段階がある場合は、本方法は工程372へ続く。そうでない場合は、本方法は工程374で終了する。
工程372では、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116の負荷が第1の負荷未満であるか否かを判定する。エンジン負荷が第1の負荷未満である場合は、本方法は工程378へ続く。そうでない場合は、本方法は工程376へ続く。
工程378では、サンプリング制御モジュール274は、排気温度センサ252によって測定された排気温度が第1の温度未満であるか否かを判定する。測定排気温度が第1の温度未満である場合は、本方法は工程380へ続く。そうでない場合は、本方法は工程376へ続く。
工程376では、サンプリング制御モジュール274は、試験スケジュールの次の試験段階中において、希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154に振り向ける。サンプリング制御モジュール274は、ダーティ排出弁136および第2のダーティ充填弁158を開けてダーティ排出ポンプ138を作動させることにより、希釈排気ガスサンプルを第2のダーティサンプル収集器154に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中において、第1のクリーンサンプル収集器144、第2のクリーンサンプル収集器146、および第1のダーティサンプル収集器152への希釈排ガスの流れを阻止する。サンプリング制御モジュール274は、第1のクリーン充填弁148、第2のクリーン充填弁150、および第1のダーティ充填弁156をそれぞれ閉じて、希釈排ガス流の阻止を達成する。サンプリング制御モジュール274は、クリーン回路110への希釈排気ガス流を阻止するために、クリーン抽出弁132を閉じ、および/またはクリーン抽出ポンプ134を停止させることもできる。
第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスサンプルの誘導中において、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向けてもよい。サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182および第2の希釈剤充填弁188を開けて希釈剤抽出ポンプ184を作動させることにより、希釈ガスサンプルを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向ける。さらに、サンプリング制御モジュール274は、第1の希釈剤充填弁186を閉じることにより、次の試験段階中に第1の希釈剤サンプル収集器176への希釈ガスの流れを阻止する。
工程382では、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階が終了したか否かを判定する。サンプリング制御モジュール274は、試験段階状態信号を駆使して次の試験段階がいつ終了するのかを判定することができる。次の試験段階が終了すると、本方法は工程384へ続く。そうでない場合は、サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスサンプルの振り向けを続行する。
工程384では、サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスを第2のダーティサンプル収集器154に振り向けるのを止め、第2のダーティサンプル収集器154をパージする。サンプリング制御モジュール274は、第2のダーティ充填弁158を閉じることにより、希釈排気ガスを第2のダーティサンプル収集器154に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、ダーティ抽出弁136を閉じてダーティ抽出ポンプ138を停止させることもできる。サンプリング制御モジュール274は、希釈排気ガスサンプルを排出し(または希釈排気ガスサンプルを排出物分析器114に送り)、パージガスを第2のダーティサンプル収集器154に送り、パージガスを第2のダーティサンプル収集器154から排出することにより、第2のダーティサンプル収集器154をパージすることができる。
工程384では、サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向けることを止めて、第2の希釈剤サンプル収集器178をパージすることができる。サンプリング制御モジュール274は、第2の希釈剤充填弁188を閉じることにより、希釈ガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に振り向けるのを停止する。また、サンプリング制御モジュール274は、希釈剤抽出弁182を閉じて希釈剤抽出ポンプ184を停止させることもできる。サンプリング制御モジュール274は、希釈ガスサンプルを排出し(または希釈ガスサンプルを排出物分析器114に送り)、パージガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に送り、パージガスを第2の希釈剤サンプル収集器178に排出することにより第2の希釈剤サンプル収集器178をパージすることもできる。
工程386では、サンプリング制御モジュール274は、例えば試験段階状態信号を駆使して試験スケジュール内に他の試験段階があるか否かを判定する。試験スケジュール内に他の試験段階がある場合は、本方法は工程388へ続く。そうでない場合は、本方法は工程374で終了する。
工程388では、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116の負荷が第1の負荷未満であるか否かを判定する。エンジン負荷が第1の負荷未満である場合は、本方法は工程390へ続く。そうでない場合は、本方法は工程364へ続く。
工程378では、サンプリング制御モジュール274は、排気温度センサ252によって測定された排気温度が第1の温度未満であるか否かを判定する。測定排気温度が第1の温度未満である場合は、本方法は工程380へ続く。そうでない場合は、本方法は工程364へ続く。この点に関して、本方法は、エンジン負荷が第1の負荷未満になるまで、または測定排気温度が第1の温度未満になるまで、または試験スケジュールが終了するまで、第1のダーティサンプル収集器152または第2のダーティサンプル収集器154への希釈排気ガスの誘導を続行する。
工程380では、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中において希釈排気ガスサンプルをクリーン回路110に振り向ける。より具体的には、サンプリング制御モジュール274は、次の試験段階中において、希釈排気ガスサンプルを第1および第2のクリーンサンプル収集器144,146のうちの一方に振り向ける。例えば、図4の方法は図5の工程380で実行されてもよい。
このようにして、図4および図5の方法では、サンプリング制御モジュール274は、エンジン負荷および/または排気温度に応じて、排気ガスをクリーン回路110に導くことと排気ガスをダーティ回路112に導くこととの間で切り替える。エンジン負荷および/または排気温度に加えて又はその代わりに、他の車両運転条件を利用することができる。例えば、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116が所定期間オンになるまで、排気ガスをダーティ回路112に振り向けることができる。次いで、サンプリング制御モジュール274は、前記所定期間が終了する試験段階の後の各試験段階中において、排気ガスをクリーン回路110に振り向けることができる。
他の例では、サンプリング制御モジュール274は、電気モータ(図示せず)に電力を供給するバッテリ(図示せず)の充電状態に基づいて、排気ガスをクリーン回路110に振り向けることと排気ガスをダーティ回路112に振り向けることとの間で切り替えることができる。例えば、エンジン状態モジュール272は、バッテリの充電状態が所定値よりも小さいときにエンジン116が始動しようとしていると予測することができる。次に、サンプリング制御モジュール274は、エンジン116が始動しようとするまで排気ガスをクリーン回路110に振り向けることができ、その時点でサンプリング制御モジュール274は排気ガスをダーティ回路112に振り向けることができる。一例では、サンプリング制御モジュール274は、バッテリの充電状態が所定値より小さくなる試験段階の前回の各試験段階中において、排気ガスをクリーン回路110に振り向ける。次いで、サンプリング制御モジュール274は、バッテリ充電状態が所定値を下回る試験段階後の試験段階中に、およびその後の各試験段階中において、エンジン116が始動されるまで、排気ガスをダーティ回路112に振り向ける。
また、サンプリング制御モジュール274は、診断トラブルコード(DTC)が設定されているか、または故障表示灯(MIL)が作動しているかに基づいて、排気ガスをクリーン回路110に振り向けることと排気ガスをダーティ回路112に振り向けることとを切り替える。例えば、サンプリング制御モジュール274は、DTCが設定されたとき、またはMILが起動されたときに、クリーン回路110への排気ガスの誘導を停止させ、ダーティ回路112への排気ガスの誘導を開始させることができる。
図3、図4、図5の方法はすべて、単一の試験スケジュール中に実行することができる。例えば、試験スケジュールが5つの段階を有する場合では、エンジン116は第2段階中に始動され、エンジン116の負荷は第3段階中に第1の負荷よりも大きくなり、エンジン負荷は第4段階中に第1の負荷よりも小さくすることができる。このようにして、図3の方法によれば、サンプリング制御モジュール274は、第1段階中に排気ガスを第1のダーティサンプル収集器152に導き、第2段階中に第2のダーティサンプル収集器154に排気ガスを誘導し、次いで、第3段階中に排気ガスをクリーン回路110に誘導する。また、図4の方法によれば、サンプリング制御モジュール274は、第3段階中に排気ガスを第1のクリーンサンプル収集器144に誘導し、次いで第4段階中に再び排気ガスをダーティ回路112に誘導するように切り替えることができる。さらに、図5の方法によれば、サンプリング制御モジュール274は、第4段階中に排気ガスを第1のダーティサンプル収集器152に誘導し、次いで第5段階中に再び排気ガスをクリーン回路110に誘導するように切り替えることができる。
上述の説明は、本質的に例示的なものであり、本開示、その用途、または使用を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むものではあるが、図面、明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すれば他の修正が明らかになるので、開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つまたは複数のステップを異なる順序で(または同時に)実行できることが理解されるであろう。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたこれらの特徴のうちの任意の1つ以上は他の実施形態の特徴において組み合わせることができる。その組み合わせは明示的には説明されていない。換言すれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態の互いの置換は、本開示の範囲内にとどまる。
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続」、「接続」、「結合」、「隣接」、「隣」、「隣」などの種々の用語を用いて説明される。「直接的」であると明示的に記載されていない限り、第1要素と第2要素との間の関係が上記の開示に記載されている場合に、その関係は第1要素と第2要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、第1要素と第2要素との間に(空間的または機能的に)1つ以上の介在要素が存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書中で用いられる場合に、A、B、およびCのうちの少なくとも1つの句は、非排他的論理ORを使用して、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
図中にて、矢印で示されるように、矢印の方向は、概して、図にとって重要な情報(データまたは命令など)の流れを示す。例えば、要素Aと要素Bが種々の情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信された情報が図に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指してもよい。この一方向の矢印は、他の情報が要素Aから要素Bに送信されないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送信された情報に対して、要素Bは、その情報に対する要求またはその受信確認を要素Aに送信することができる。
以下の定義を含む本出願では、「モジュール」または「コントローラ」の用語は「回路」の用語に置き換えられてもよい。ここで「モジュール」という用語は、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路;デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合集積回路;組み合わせ論理回路;フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA);コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、またはグループ);プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用、またはグループ);記載された機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント;あるいはシステムオンチップなどにおける上記のいくつかまたはすべての組み合わせを指すか、またはその一部であるか、またはそれらを含むものであることができる。
モジュールは、1つ以上のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせに接続されている有線または無線インターフェースを含むことができる。本開示の任意の所与のモジュール機能は、インターフェース回路を介して接続されている複数のモジュール間で分散させることができる。例えば、複数のモジュールが負荷分散を可能にすることができる。さらなる例では、サーバ(リモート、またはクラウドとしても知られる)モジュールは、クライアントモジュールに代わっていくつかの機能を達成することができる。
コードという用語は、上記で使用されているように、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指すことができる。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからのコードの一部または全部を実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。マルチプロセッサ回路に関しては、個別のダイ上のマルチプロセッサ回路、単一のダイ上のマルチプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路のマルチコア、単一のプロセッサ回路のマルチスレッド、またはこれらの組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからのコードの一部または全部を格納する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で用いられるコンピュータ可読媒体という用語は、(搬送波上などの)媒体を通って伝播する一時的な電気信号または電磁信号を含まない。非一時的で有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ回路、またはマスク読み取り専用メモリ回路など)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路またはダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、および光記憶媒体(CD、DVD、またはブルーレイディスクなど)である。
本願に記載されている装置および方法は、コンピュータプログラムで具現化された1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された特殊用途コンピュータによって部分的または完全に実施することができる。上述した機能ブロック、フローチャート構成要素、および他の要素は、当業者またはプログラマの日常業務によってコンピュータプログラムに変換することができるソフトウェア仕様として役立つ。
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの一時的でない有形のコンピュータ可読媒体に格納されているプロセッサ実行可能命令を含む。また、コンピュータプログラムは、格納されたデータを含むかまたはそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、特殊用途コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、特殊用途コンピュータの特定の装置と相互作用するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含むことができる。
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張マークアップ言語)、またはJSON(ジャバスクリプト・オブジェクト表記)などの解析されるべき記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによるソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)コンパイルおよびジャストインタイムコンパイラによる実行のためのソースコードなどを含むことができる。ソースコードは、単なる例として、C、C ++、C♯、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語の改訂第5版)、Ada、ASP(アクティブサーバーページ)、PHP(PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK、およびPython(登録商標)などの言語の構文を用いて記述することができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]エンジン(116)からの排気ガスおよび希釈ガス源からの希釈ガスを受け取るように構成された希釈トンネル(102)と、
前記希釈トンネル(102)からガスを受け取るように構成されたクリーン回路(110)と、
前記クリーン回路(110)とは独立して前記希釈トンネル(102)からガスを受け取るように構成されたダーティ回路(112)と、
前記希釈トンネル(102)から前記クリーン回路(110)および前記ダーティ回路(112)のうちの一方にガスを誘導させ、前記エンジン(116)の運転条件に基づいて、前記クリーン回路(110)および前記ダーティ回路(112)のうちの一方に対するガスの誘導を停止させ、前記クリーン回路(110)および前記ダーティ回路(112)のうちの他方に対するガスの誘導を開始させるサンプリング制御モジュール(274)と、
を有することを特徴とする排出物試験システム(100)。
[2]前記エンジンの運転条件は、前記エンジン(116)に掛かる負荷および前記エンジン(116)によって発生した排気の温度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする[1]に記載の排出物試験システム(100)。
[3]前記サンプリング制御モジュール(274)は、
前記エンジン(116)の負荷が第1の負荷より小さい場合には、前記希釈トンネル(102)から前記クリーン回路(110)にガスを誘導させ、
前記エンジン(116)の負荷が前記第1の負荷より大きい場合には、前記希釈トンネル(102)から前記クリーン回路(110)へのガスの誘導を停止させ、前記希釈トンネル(102)から前記ダーティ回路(112)へのガスの誘導を開始させるように構成されることを特徴とする[2]に記載の排出物試験システム(100)。
[4]前記サンプリング制御モジュール(274)は、
排気温度が第1の温度より低い場合には、前記希釈トンネル(102)から前記クリーン回路(110)にガスを誘導させ、
前記排気温度が前記第1の温度より高い場合には、前記希釈トンネル(102)から前記クリーン回路(110)へのガスの誘導を停止させ、前記希釈トンネル(102)から前記ダーティ回路(112)へのガスの誘導を開始させるように構成されることを特徴とする[2]に記載の排出物試験システム(100)。
[5]前記クリーン回路(110)は、クリーン収集器(144,146)と、前記希釈トンネル(102)から前記クリーン収集器(144,146)にガスを供給するように構成されたクリーン供給ライン(126)とを含み、
前記ダーティ回路(112)は、ダーティ収集器(152,154)と、前記希釈トンネル(102)から前記ダーティ収集器(152,154)にガスを供給するように構成されたダーティ供給ライン(130)とを含み、
前記ダーティ供給ライン(130)は、前記クリーン供給ライン(126)とは独立して前記希釈トンネル(102)に接続されていることを特徴とする[1]に記載の排出物試験システム(100)。
[6]前記サンプリング制御モジュール(274)は、
第1の試験段階の開始時においてエンジン(116)が停止している場合には、前記第1の試験段階中に前記希釈トンネル(102)から前記ダーティ回路(112)に向けてガスを誘導させ、
前記第1の試験段階中にエンジン(116)がスイッチオンされた場合には、前記第1の試験段階後の第2の試験段階中に前記希釈トンネル(102)から前記クリーン回路(110)に向けてガスを誘導させることを特徴とする[1]に記載の排出物試験システム(100)。
[7]前記ダーティ回路(112)は、第1のダーティ収集器(152)および第2のダーティ収集器(154)を含み、
前記サンプリング制御モジュール(274)は、前記第1試験段階の開始時においてエンジン(116)が停止している場合に、前記希釈トンネル(102)から前記第1のダーティ収集器(152)にガスを誘導するように構成され、
前記サンプリング制御モジュール(274)は、前記第1の試験段階中にエンジン(116)がスイッチオンされていない場合に、前記第2の試験段階の開始時に前記希釈トンネル(102)から前記第2のダーティ収集器(154)に向けてガスを誘導するように構成されることを特徴とする[6]に記載の排出物試験システム(100)。
[8]前記第2の試験段階中において、前記サンプリング制御モジュール(274)は、
前記第1のダーティ収集器(152)から排気ライン(140)へガスを排出し、
パージガス源(226)から前記第1のダーティ収集器(152)にパージガスを供給し、
パージガスを前記第1のダーティ収集器(152)から前記排気ライン(140)へ排出するように構成されることを特徴とする[7]に記載の排出物試験システム(100)。
[9]前記サンプリング制御モジュール(274)は、
前記第2の試験段階中にエンジン(116)がスイッチオンされた場合には、前記第2の試験段階の終了にて前記希釈トンネル(102)から前記クリーン回路(110)にガスを誘導し、
前記第2の試験段階中にエンジン(116)がスイッチオンされていない場合には、前記第2の試験段階後の第3の試験段階の開始時に前記希釈トンネル(102)から前記第1のダーティ収集器(152)にガスを誘導するように構成されることを特徴とする[8]に記載の排出物試験システム(100)。
[10]前記クリーン回路(110)は、クリーン収集器(144,146)と、前記希釈トンネル(102)から前記クリーン収集器(144,146)にガスを供給するように構成されたクリーン供給ライン(126)とを含み、
前記ダーティ回路(112)は、
前記希釈トンネル(102)から前記第1のダーティ収集器(152)にガスを供給するように構成された第1のダーティ供給ライン(130-1)と、
前記希釈トンネル(102)から前記第2のダーティ収集器(154)にガスを供給するように構成された第2のダーティ供給ライン(130-2)と、
をさらに含み、
前記第1および第2のダーティ供給ライン(130-1, 130-2)は、前記クリーン供給ライン(126)とは独立して前記希釈トンネル(102)に接続されていることを特徴とする[7]に記載の排出物試験システム(100)。
[11]前記クリーン回路(110)は、前記クリーン供給ライン(126)に配置されたクリーン充填弁(148,150)をさらに含み、
前記ダーティ回路(112)は、前記第1のダーティ供給ライン(130-1)に配置された第1のダーティ充填弁(156)と、前記第2のダーティ供給ライン(130-2)に配置された第2のダーティ充填弁(158)とを含むことを特徴とする[10]に記載の排出物試験システム(100)。
[12]前記サンプリング制御モジュール(274)は、
前記希釈トンネル(102)から前記第1のダーティ収集器(152)にガスを誘導する場合には、前記第1のダーティ充填弁(156)を開け、前記クリーン充填弁(148,150)を閉じ、前記第2のダーティ充填弁(158)を閉じ、
前記希釈トンネル(102)から前記第2のダーティ収集器(154)にガスを誘導する場合には、前記第2のダーティ充填弁(158)を開け、前記クリーン充填弁(148,150)を閉じ、前記第1のダーティ充填弁(156)を閉じ、
前記希釈トンネル(102)から前記クリーン収集器(144,146)にガスを誘導する場合には、前記クリーン充填弁(148,150)を開け、前記第1のダーティ充填弁(156)を閉じ、前記第2のダーティ充填弁(158)を閉じるように構成されることを特徴とする[11]に記載の排出物試験システム(100)。
[13]前記クリーン回路(110)は、前記クリーン供給ライン(126)に配置されたクリーンポンプ(134)をさらに含み、
前記ダーティ回路(112)は、前記第1および第2のダーティ供給ライン(130-1,130-2)の少なくとも一方に配置されたダーティポンプ(138)をさらに含むことを特徴とする[11]に記載の排出物試験システム(100)。
[14]前記サンプリング制御モジュール(274)は、
前記希釈トンネル(102)から前記第1および第2のダーティ収集器(152,154)のうちの少なくとも一方にガスを誘導する場合には、前記ダーティポンプ(138)を作動させ、前記クリーンポンプ(134)を非作動とし、
前記希釈トンネル(102)から前記クリーン収集器(144,146)にガスを誘導する場合には、前記クリーンポンプ(134)を作動させ、前記ダーティポンプ(138)を非作動とするように構成されることを特徴とする[13]に記載の排出物試験システム(100)。
[15]前記クリーン回路(110)は、
前記クリーン収集器(144,146)から排気ライン(140)へのガスの流れを制御するように構成されたクリーン通気弁(212,214)と、
パージガス源(226)から前記クリーン収集器(144,146)へのパージガスの流れを制御するように構成されたパージ弁(236,238)と、
前記クリーン収集器(144,146)から分析器(114)へのガスの流れを制御するように構成されたリード弁(164,166)と、
をさらに有し、
前記ダーティ回路(112)は、
前記第1のダーティ収集器(152)から前記排気ライン(140)へのガスの流れを制御するように構成された第1の通気弁(216)と、
前記第2のダーティ収集器(154)から前記排気ライン(140)へのガスの流れを制御するように構成された第2の通気弁(218)と、
前記パージガス源(226)から前記第1のダーティ収集器(152)へのパージガスの流れを制御するように構成された第1のパージ弁(240)と、
前記パージガス源(226)から前記第2のダーティ収集器(154)へのパージガスの流れを制御するように構成された第2のパージ弁(242)と、
をさらに有することを特徴とする[11]に記載の排出物試験システム(100)。