JP7301333B2 - キャップ付き容器 - Google Patents

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Description

本発明は、キャップ付き容器に関し、特に、多条テーパネジを備えたキャップ付き容器に関する。
キャップに設けられたスクリュー状の内ネジと、容器に設けたスクリュー状の外ネジとを噛み合わせてキャップで容器を閉栓するキャップ付き容器において、キャップを少ない回転数で開閉できるように、容器の口部をテーパ形状にし、テーパネジで脱着を行うキャップ付き容器が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このようなテーパネジでは、容器の開口部の側壁が平行な平行ネジに比較して、外ネジと内ネジを接触させるまでに、ネジを数段飛ばすことができ、外ネジと内ネジを接触させてから容器を開栓/閉栓するまでのキャップの回転数を少なくできる。
特開2004-224367号公報 特開2004-331229号公報
しかしながら、1条テーパネジは、送り距離によって、外ネジと内ネジが接触するネジのかかり幅が異なり、噛み合わせ初期におけるネジのかかり幅は平行ネジに比べて小さいため、容器に対してキャップが傾いて固定されて、キャップの裏面と容器の開口部が均一に接触せず、気密性が低下し、また美観が悪くなるという問題があった。
また、1条ネジを多条ネジに置き換えるだけでは、容器に対するキャップの傾きは防止できるが、一方で、回転軸に垂直な面とネジの旋回方向との間のリード角αが大きくなり、斜面の原理によって力の伝達効率が悪くなり、特に、キャップや容器が樹脂材料から形成される場合は、弾性等でキャップが緩みやすくなる。
一方、リード角αが大きくなるほど、キャップの開閉に必要なキャップの回転数xが小さくなり、キャップが開けやすくなる。例えば、1条テーパネジを多条ネジに置き換えずに、リード角αを小さくしたまま、開閉に必要な回転数xを小さくするには、ネジ部テーパの勾配角θを大きくすればよい。しかしながら、容器の設計上、勾配角θの大きさには上限があり、勾配角θが設計値の上限を超える場合は、当然1条ネジを採用できない。特に、回転数xを、キャップを持ち替えずに開栓でき、開けやすいとされる0.5回転以下にしようとすると、勾配角θは大きくなり、最もリード角αを小さくできる1条ネジの採用は難しくなる。このようにリード角αと勾配角θとは、互いにトレードオフの関係にあり、最適なリード角αと勾配角θを決定するのは困難であった。
これに対して、1条ネジを多条ネジに置き換えた場合であっても、容器を開閉するまでのキャップの回転数を減らしつつ、キャップの傾きを防止できるとともに、キャップの緩みも防止できること、特に、リード角αと勾配角θとを関係づける数式を用いることで、容器の重要な設計要因であるリード角αをある程度犠牲にしつつ、開けやすくかつ緩みにくい容器を設計できること、を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、キャップの開閉が容易で、かつ気密性の高いキャップ付き容器を提供することを目的とする。
本発明の1つの態様は、
キャップに設けられたスクリュー状の内ネジと、容器に設けたスクリュー状の外ネジとを噛み合わせてキャップと容器とを固定するキャップ付き容器において、
前記容器の外ネジはn条テーパネジ(ただしn≧2)であることを特徴とするキャップ付き容器である。
本発明の他の態様は、
前記外ネジのネジ部高さh、合計かかり巻数Q、およびピッチPは、
h=Q
の関係にあり、
前記外ネジと前記内ネジとのかかり幅の水平成分f、ネジかかり距離B、およびフランク角γは、
f=B・cosγ
の関係にあり、
前記外ネジの条数n、合計かかり巻数Q、および前記キャップの必要回転数xは、
n=floor((Q/x)・k)
ただし、kは0<k<1の係数
の関係にあることを特徴とするキャップ付き容器である。
本発明の他の態様は、
前記外ネジと前記内ネジとの単位ネジあたりのかかり巻数qは、
q=Q/n
で表されることを特徴とするキャップ付き容器である。
本発明の他の態様は、
前記外ネジのリードLは、
L=P・n
で表されることを特徴とするキャップ付き容器である。
本発明の他の態様は、
前記キャップが1回転した場合の、回転軸に垂直な方向のネジの移動距離eは、
e=f/x
で表されることを特徴とするキャップ付き容器である。
本発明の他の態様は、
前記外ネジのリード角αは、
α=Arctan(L/(π・d)
dは前記外ネジのテーパ部の台形円錐の底面直径
πは円周率
で表されることを特徴とするキャップ付き容器である。
本発明の他の態様は、
前記テーパネジの勾配角θは、
θ=Arctan(f/(L・x))
Lは外ネジのリード
で表されることを特徴とするキャップ付き容器である。
本発明によれば、容器を開閉するのに必要なキャップの回転数を減らし容器の開閉を容易にできると共に、キャップの傾きや緩みのない気密性の高いキャップ付き容器を提供することができる。
本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器を示す。 本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器の容器を示す。 本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器のキャップを示す。 本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器の一部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器の上部を示す。 本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器の一部の拡大断面図である。 テーパネジと平行ネジの比較を示す断面図である。 テーパネジと平行ネジの比較を示す断面図である。 テーパネジと平行ネジの比較を示す断面図である。 1条テーパネジのキャップ付き容器の閉栓状況を示す。 1条テーパネジのキャップ付き容器の閉栓状況を示す。 1条テーパネジのキャップ付き容器の閉栓状況を示す。 キャップ付き容器の保持時間と透湿量との関係を示す。 キャップ付き容器の保持時間と開栓トルクとの関係を示す。
図1は、全体が100で表される、本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器であり、(a)は平面図、(b)は一部を断面で表した正面図である。キャップ付き容器100は、キャップ10と容器20からなる。図1中、Y軸方向は容器20の中心軸方向であり、Y軸と直交するX軸は容器20の底面に平行な方向である。
図2はキャップ付き容器100の容器20であり、(a)は平面図、(b)は一部を断面で表した正面図を示す。容器20は、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)から形成され、上部に開口部23が設けられている。また容器20の上部は側面がテーパ状のテーパ部25を有し、開口部23に向かってY軸に垂直な方向の断面積が小さくなる。テーパ部25にはスクリュー状の外ネジ21が設けられている。図2(a)から分かるように、外ネジ21は、Y軸を中心に回転対称に配置された2条ネジからなる。テーパ部25には、キャップ10の傾きを防止する傾き止め部27が設けられている。
このように、2条ネジ構造では、2つのネジが、Y軸を中心に回転対称に配置されるため、容器20にキャップ10を被せた場合の、キャップ10の傾きを防止できる。
ここでは2条ネジについて説明するが、ネジの条数nは複数であれば良く、例えば2以上で4以下の整数、好適には2である。
図3はキャップ付き容器100のキャップ10であり、(a)は平面図、(b)は一部を断面で表した正面図、(c)は底面図を示す。キャップ10の周囲には、滑り止めのためにローレットが設けられているが、ローレットは他の形状でも良く、またローレットは無い場合もある。キャップ10は、例えばポリプロピレン(PP)から形成される。(b)に示すように、キャップ10の内側には、容器20の外ネジ21と噛み合う、スクリュー状の内ネジ11が設けられている。また、キャップ10の裏にはパッキン30が設けられている。
図4は、キャップ付き容器100のテーパ部25近傍の部分断面図である。キャップ10を容器20に締め込んだ状態では、容器20の上端、即ち開口部23の周囲が、キャップ10の裏面に配置されたパッキン30に押しつけられた状態で固定される。これにより、キャップ付き容器100が閉栓される。
キャップ付き容器100の外ネジ21は、Y軸を中心に回転対称に配置された2つのネジ(第1ネジ、第2ネジ)からなる2条ネジであり、図4において、ネジ21aは第1ネジであり、ネジ21bは第2ネジとなる。ここで、Y軸方向に見た場合の、隣り合ったネジの間隔をピッチP、隣り合った第1ネジ同士(または第2ネジ同士)の間隔をリードLと呼ぶ。リードLは、キャップ10を1回転した場合の、Y軸方向のキャップ10の移動距離(送り距離)に相当する。リードLとピッチPの関係は、
P=L/n......(1)
となる(nは条数)。
図5は、容器20の上部の正面図であり、図5に示すように、X軸方向(水平方向)と外ネジ21との間の角度をリード角α、外ネジ21の上端から下端までの距離をネジ部高さhと呼ぶ。
次に、図6を用いて、本発明の実施の形態にかかるキャップ付き容器100、特に、ネジの形状について詳しく述べる。図6はキャップ付き容器100のテーパ部25の拡大断面図であり、図4を更に拡大したものである。
図6中、図1~4と同一符合は同一または相当箇所を示し、また、他の符号は、以下の内容を表す。
P:ピッチ。Y軸方向に見た場合の、隣り合ったネジの間隔。
L:リード。Y軸方向に見た場合の、同一ネジ同士の間隔。キャップを1回転した場合の送り距離。
θ:テーパ部25の、Y軸方向からの勾配。
γ:外ネジのフランク角。
B:内ネジと外ネジのかかり距離(曲線(R)部分を含む)。
f:かかり幅の水平成分(X軸成分)。
e:キャップが1回転した場合の、X軸方向(回転軸に垂直な方向)のネジの移動距離。
なお、フランク角γは、好ましくは0°より大きく30°未満(0<γ<30)、より好ましくは5°より大きく20°未満(5<γ<20)である。また、ネジかかり距離Bは、好ましくは0.1mmより大きく2.0mm未満、より好ましくは0.4mmより大きく1.0mm未満である。
ここで、キャップ付き容器100が締め切った状態から、キャップ10を廻して開く場合について考える。上述のように、テーパネジでは、キャップ10を1回転させると、X軸方向にeだけ、外ネジ21と内ネジ11の間隔が大きくなる。図6に示すように、外ネジ21と内ネジ11の、X軸方向のかかり幅がfなので、キャップ10を開放するのに必要なキャップ10の回転数(必要回転数)をxとすると、
x=f/e......(2)
となる。即ち、f/e周より多くキャップ10を回転することにより、外ネジ21と内ネジ11のかかりが無くなり、キャップ10を外すことができる。
ここで、ネジの設計値を見ると、図6より、
e=L・tanθ......(3)
f=B・cosγ......(4)
となるため、(3)、(4)を(2)に代入すると、
x=(B・cosγ)/(L・tanθ)......(5)
となる。
ここで、平行ネジを考えた場合、回転数xと単位ネジかかり巻き数qは等しくなるため、
x=q......(6)
となる。
これに対して、図6に示すようなテーパネジの場合、容器を開栓するのに必要なキャップの回転数を減らすには、上記式(3)は、不等式:
x<q......(6)’
である必要がある。
(6)’に(5)を代入すると、
(B・cosγ)/(L・tanθ)<q......(7)
を得られる。
また、n条ネジにおいて、ネジの総かかり巻数(各ネジのかかり巻数の合計)をQとした場合、
q=Q/n......(8)
となる。
式(6)’に式(8)を代入すると、
floor(Q/x)>n......(9)
の関係が得られる。例えば、平行ネジにおいて、ネジの総かかり巻数Qが3巻き、開栓に必要な回転数xが0.5回転の条件を満たす条数nは6となる。なお、floorは床関数を表し、例えば、実数rに対して、floor(r)はr以下の最大の整数を表す。
式(9)は、係数k(0<k<1)を用いると、等式:
floor((Q/x)・k)=n......(9)’
で表わすこともできる。(9)’より、
なお、条数nは2≦n≦4の範囲が好ましく、好適には2である。
このように、必要回転数x、ネジの総かかり巻数Q、および係数kを設定すれば、式(9)’を用いて条数nを算出することができる。なお、係数kが1に近づくほど平行ネジの条件に近づく。従って、係数kが0に近づくほど、テーパネジの効果が発揮でき、総かかり巻き数/必要回転数の値は高くなる。
ここで、リード角αおよび勾配角θの関係について説明する。
まず、リード角αについて説明すると、一般的にネジは斜面の原理によってリード角αが低い方がY軸方向の力の伝達効率が良くなり、ネジ付き容器についてはリード角αが小さい方が少ない締めトルクで気密性を担保できるようになる。
リード角αは、上述のリードL、テーパ部25の底面の直径(台形円錐の底面の直径)dを用いて、
L=π・d・tanα......(10)
で表される。
(1)を変形すると
L=P・n......(11)
となるため、(10)を(11)に代入すると
P・n=π・d・tanα
となり、即ち、
n=(π・d・tanα)/P......(12)
となる。
さらに(12)に(9)’を代入すると
floor((Q/x)・k)=(π・d・tanα)/P
となり、即ち、
α=Arctan(floor((Q/x)・k)・P)/(π・d)......(13)
となる。
例えば、ネジの総かかり巻数Qが3巻き、開栓に必要な回転数xが0.5回転、ピッチPが2.0mm、底面直径dが40.0mmの条件を満たすリード角αは、式(13)から、
・k=1の場合
α=5.46°(n=6)
・k=0.4の場合
α=1.82°(n=2)
となる。即ち、条数nが3分の1になるので、リード角αは3分の1になる。
なお、底面直径dが80.0mmの場合は、k=0.4の条件において、
α=0.91°(n=2)
となる。即ち、直径の比が1:2なので、リード角αは2分の1になる。
なお、リード角αは、例えば0.4°<α<20.0°の範囲であり、好適には0.9°<α<10.0°の範囲である。
ただし、リード角αが大きくなるほど、キャップ10を廻してネジを締め付ける際に発生する締付け力(軸力)は小さくなる。
次に、勾配角θについて説明すると、式(5)にあるように、勾配角θが大きくなれば、キャップを開放するのに必要なキャップの回転数(必要回転数)が少なくなり、容器に接続するキャップの開閉が容易となる。
(5)を変形すると、
θ=Arctan((B・cosγ)/(L・x))......(14)
となる。(13)に(8)を代入すると、
θ=Arctan((B・cosγ)/(P・n・x))......(15)
となる。
(14)の式に(5)”を代入すると、
θ=Arctan((B・cosγ)/(P・floor((Q/x)・k)・x)......(16)
となる。
例えば、ネジの総かかり巻数Qが3巻き、開栓に必要な回転数xが0.5回転、ピッチPが2.0mm、フランク角γが15°、ネジかかり距離Bが0.7mmの条件を満たす勾配角θは、式(16)から、
・k=1の場合
θ=6.42°(n=6)
・k=0.4の場合
θ=18.67°(n=2)
となる。即ち、条数nが3分の1になるので、勾配角θは約3倍になる。
なお、底面直径dが80.0mmの場合は、k=0.4の条件において、
θ=18.67°(n=2)
となる。底面直径dが変わっても勾配角θは変わらない。
なお、勾配角θは、例えば5°<θ<45°の範囲であり、好適には15°<θ<25°の範囲である。
また、台形円錐の上面直径d2は、
d2=d-(2・e・q)
で表される。
ここで、式(13)と式(15)にはkが含まれるため、係数kが大きくなれば、リード角αが大きくなる分、勾配角θは小さくなり、係数kが小さくなれば、勾配角θが大きくなる分、リード角αが小さくなる。即ち、リード角αと勾配角θはトレードオフの関係にあり、係数kを変えることで、リード角αと勾配角θの値が調整できる。
例えば、キャップ付き容器の設計時には、容器の気密性を上げたい場合は、係数kを小さく設定することにより、リード角αを小さくする。
容器やキャップを設計するうえで、例えば、容器の直径dが小さくて、勾配角θを大きくできない場合や、ピッチPが小さくて、ネジを所定の勾配角θで作製できない場合、さらには、ネジの総かかり巻数Qが大きいために、ネジが設けらている部分のY軸方向の高さ(ネジ部高さ)hが大きく、勾配角θを設けてテーパネジにすると容器の口が塞がる場合などのように、勾配角θが大きすぎることによる弊害がある場合は、係数kを大きくすることにより、勾配角θを小さくすることできる。
特に、回転数xが、一般にキャップを持ちかえずに開栓できるとされる0.5回転以下になるように、kの値を小さくする場合には、勾配角θに注意が必要である。なお、リード角αと勾配角θはトレードオフの関係にあるため、もし、よりkの値を小さくして、1条ネジを選択すれば、その分リード角αを低くできるが、リード角αを小さくした分だけ勾配角θは大きくなるため、1条ネジの採用は難しい。
即ち、係数kがあれば、実際に必要となる様々な設計条件に対応しながら、かつ欲しい必要回転数xと欲しいネジの総かかり巻数Qに合った、最適なリード角αと最適な勾配角θを算出できるようになる。
次に、図7~9を用いて、本発明の実施の形態にかかるテーパネジ構造と、通常の平行ネジとの、開閉に必要なキャップの回転数を比較する。図7~9において、(a)は本発明の実施の形態にかかるテーパネジ構造で、勾配角θは20°で2条ネジが形成されている。一方(b)は通常の平行ネジ構造で、勾配角θは0°(即ち、開口部の側壁はY軸に平行)で、1条ネジが形成されている。
図7は、キャップ10、50を、それぞれ容器20、60に被せる前の断面図である。ネジ部(テーパ部)25、65の、Y軸方向の長さは等しい。
図8は、キャップ10、50を容器20、60に被せた状態の断面図であり、内ネジ11、51と外ネジ21、61がそれぞれ接触した状態を示す。テーパネジでは、平行ネジに比べて、外ネジ21と内ネジ11を接触させるまでに、ネジを数段飛ばすことができ、Y軸方向に距離tだけ、内ネジと外ネジの噛み合い量が大きくなる。
図9は、キャップ10、50を容器20、60に締めた状態の断面図である。テーパネジでは、平行ネジに比べて、距離tだけ内ネジと外ネジの噛み合い量が大きくなるため、外ネジと内ネジを固定するまでのキャップの回転数も小さくなる。
次に、図10~12を用いて、キャップの傾斜について説明する。図10、11は1条ネジ、図13は2条ネジである。図10~13において、いずれもテーパネジ構造とし、各図において、(a)は平面図、(b)はX-X、Y-Y、Z-Z方向に見た場合の断面図である。
図10に示すように、1条ネジでは、キャップ10を容器20に被せた場合、リード角α(図5参照)とフランク角γ(図6参照)があるため、キャップ10を廻してネジを締め付ける際に発生する締付け力(軸力)が、Y軸方向から傾く。
このため、軸力が傾いたままキャップ10を締めると、図11に示すように、キャップ10の位置が容器20の中心からずれて、キャップ10が傾く。この結果、容器20の上端と、パッキン30との密着が均一とならない。さらに、軸力が傾いているため、平面図で見た場合に、キャップが楕円形に変形する(L1<L1’、L2>L2’)。図8では、キャップ10が容器20の傾き止め部27に接触して変形が抑えられているが、傾き止め部27が無い構造であればキャップ10の傾きや変形はより大きくなる。
これに比べて、図12に示す2条ネジ構造では、2つのネジがY軸を中心に回転対称の位置に設けられているため、キャップ10を容器20に被せた場合にキャップ10は傾かない。このため、2条以上であれば、軸力はY軸方向にまっすぐ働き、キャップ10が傾くことなく容器20を締め切ることができる。この結果、力の効率がよくなるので、キャップ10が緩みにくくなり、気密性が高くなる。
次に、(A)1条平行ネジ、(B)2条平行ネジ、(C)本発明の実施の形態にかかる2条テーパネジ、を有するキャップ付き容器について、開閉回転角度測定、透湿量試験、落下試験、および経時開栓トルク測定を行った結果について説明する。
[開閉回転角度測定]
(A)1条平行ネジ、(B)2条平行ネジ、(C)本発明の実施の形態にかかる2条テーパネジに対して、開栓および閉栓に必要なキャップの回転角度を測定した。開栓回転角度の測定は、閉栓した状態からキャップを開栓するまでの回転角度を測定して行った。一方、閉栓回転角度の測定は、容器に対して、キャップを90°ずつ回転させた4つの位置(位置A、位置B、位置C、位置D)から開始して、閉栓までのキャップの回転角度を測定して行った。この時の締めトルクは250N・cmとした。測定結果を以下の表1に示す。
表1
Figure 0007301333000001
表1から分かるように、開栓に必要な回転角度は、(A)1条平行ネジでは450°、(B)2条平行ネジでは300°、(C)本実施の形態にかかる2条テーパネジでは150°となり、本発明の2条テーパネジを用いることにより、容器の開栓が容易(キャップを持ちかえずに開栓できる、0.5回転(180°)以下)に行えることがわかる。
一方、閉栓に必要な回転角度は、(C)本実施の形態にかかる2条テーパネジを用いることにより、(A)1条平行ネジ、(B)2条平行ネジに比較して、表1の位置Aおよび位置Cで閉栓に必要な回転角度を小さくできた。なお、回転角度が最小となる位置は、n条ネジに対して回転角度が360°/n毎に表れる。
[透湿量試験]
図13は、キャップ付き容器の透湿量試験の結果である。110℃で1時間乾燥させた塩化カルシウムを容器に充填し、締めトルク100N・cmでキャップを締め、40℃、75%RHの環境に保存した。この状態で、0日、7日、14日、21日、28日経過後の重量を測定して透湿量(水分の減少量)(g)を算出した。
図13中、(A)は1条平行ネジ、(B)は2条平行ネジ、(C)は本発明の実施の形態にかかる2条テーパネジである。本発明の実施の形態にかかる(C)2条テーパネジを用いることで、1条平行ネジ、2条平行ネジと同等以下の透湿量が得られており、2条テーパネジでは、その他のネジに比べてキャップが傾きにくいため、キャップが均一に閉められていることがわかる。
[落下試験]
(A)1条平行ネジ、(B)2条平行ネジ、(C)本発明の実施の形態にかかる2条テーパネジに対して、落下試験を行った。落下試験では、容器に着色水を充填し、締めトルク450N・cmでキャップを締め、20℃で12時間正立保存した後に、100cmの高さから容器をコンクリート面上に落下させた。測定結果を以下の表2に示す。
表2
Figure 0007301333000002
表2から分かるように、15回落下を繰り返した結果、(A)、(B)、(C)いずれの容器も破損はなく、落下後のキャップを開栓するのに必要なトルク(開栓トルク)は、1条平行ネジ、2条平行ネジに比べて開栓に必要な回転数xが少ないにもかかわらず同等以上の値であった。また、1条平行ネジでは落下時に液漏れが確認された。これにより、(C)本発明の実施の形態にかかる2条テーパネジでは、開栓に必要な回転数xが少ないにもかかわらず、従来の(A)1条平行ネジ、(B)2条平行ネジと同等以上の気密性および緩みにくさが得られることがわかる。
[経時開栓トルク測定]
(A)1条平行ネジ、(B)2条平行ネジ、(C)本発明の実施の形態にかかる2条テーパネジに対して、キャップを所定の締めトルク(100N・cmと300N・cm)で閉栓した後、室温で正立保存し、開栓トルクを0日、7日、14日、28日、56日後に測定した。なお、測定した試料は開栓完了時点で終了とする。
図14に示すように(A)1条平行ネジ、(B)2条平行ネジ、(C)本発明の実施の形態にかかる2条テーパネジの間で、100N・cmで閉栓したキャップ(図14に実線で表示)の間で、28日経過後以降の開栓トルクに大きな違いは認められなかった。同様に、300N・cmで閉栓したキャップ(図14に破線で表示)の間でも、28日経過後以降の開栓トルクに大きな違いは認められなかった。これにより、キャップを開栓するのに必要な回転数が少ない2条テーパネジを採用しても、開栓トルクの経時変化に問題がないことがわかる。
本発明は、医薬品等を保管するためのキャップ付き容器に利用することができる。
10 キャップ
11 内ネジ
20 容器
21 外ネジ
23 開口部
25 テーパ部
27 傾き止め部
30 パッキン
100 キャップ付き容器

Claims (6)

  1. キャップに設けられたスクリュー状の内ネジと、容器に設けたスクリュー状の外ネジとを噛み合わせてキャップと容器とを固定するキャップ付き容器において、
    前記容器の外ネジはn条テーパネジ(ただしn≧2)であり、
    前記外ネジのネジ部高さh、合計かかり巻数Q、およびピッチPは、
    h=Q・P
    の関係にあり、
    前記外ネジと前記内ネジとのかかり幅の水平成分f、ネジかかり距離B、およびフランク角γは、
    f=B・cosγ
    の関係にあり、
    前記外ネジの条数n、合計かかり巻数Q、および前記キャップの必要回転数xは、
    n=floor((Q/x)・k)
    ただし、kは0<k<1の係数
    の関係にあることを特徴とするキャップ付き容器。
  2. 前記外ネジと前記内ネジとの単位ネジあたりのかかり巻数qは、
    q=Q/n
    で表されることを特徴とする請求項に記載のキャップ付き容器。
  3. 前記外ネジのリードLは、
    L=P・n
    で表されることを特徴とする請求項に記載のキャップ付き容器。
  4. 前記キャップが1回転した場合の、回転軸に垂直な方向のネジの移動距離eは、
    e=f/x
    で表されることを特徴とする請求項に記載のキャップ付き容器。
  5. 前記外ネジのリード角αは、
    α=Arctan(L/(π・d)
    dは前記外ネジのテーパ部の台形円錐の底面直径
    πは円周率
    で表されることを特徴とする請求項に記載のキャップ付き容器。
  6. 前記テーパネジの勾配角θは、
    θ=Arctan(f/(L・x))
    Lは外ネジのリード
    で表されることを特徴とする請求項に記載のキャップ付き容器。
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