本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態に係るポイントシステムおよび受像機は、以下のような構成を備える。
[項目1]
テレビ放送で放送されるコンテンツの視聴に応じてポイントを付与するポイントシステムであって、
視聴者が前記コンテンツを視聴したことを検出する視聴検出部と、
前記視聴者が前記コンテンツを視聴したことに応じてポイントを前記視聴者に付与するポイント付与部と、
前記視聴者が保有する、前記付与されたポイントを利用することが可能な店舗に関連する店舗関連ポイントと、前記付与されたポイントとを合算するポイント統合部と、
前記コンテンツに対応付けて、前記合算された前記ポイントを記憶するポイント記憶部と、
を備えることを特徴とするポイントシステム。
[項目2]
項目1に記載のポイントシステムであって、
前記ポイント付与部は、店舗関連ポイントを保有する視聴者と、当該店舗関連ポイントを保有しない視聴者とで、付与するポイントを異ならせること、を特徴とするポイントシステム。
[項目3]
項目2に記載のポイントシステムであって、
前記ポイント付与部は、店舗関連ポイントを保有する視聴者に対し、当該店舗関連ポイントを保有しない視聴者より高いポイントを付与すること、を特徴とするポイントシステム。
[項目4]
項目2に記載のポイントシステムであって、
前記ポイント付与部は、店舗関連ポイントを保有する視聴者に対し、当該店舗関連ポイントを保有しない視聴者より低いポイントを付与すること、を特徴とするポイントシステム。
[項目5]
項目1に記載のポイントシステムであって、
前記視聴者が利用した前記ポイントの利用数を取得する利用ポイント取得部と、
前記利用数に応じた金額を前記ポイントの利用先に課金し、前記金額の分配に係る計算を行う利用料出力部と、
をさらに備え、
前記利用料出力部は、前記店舗関連ポイントを保有する利用者が前記ポイントを利用した場合と、前記店舗関連ポイントを保有しない視聴者が前記ポイントを利用した場合とで、前記金額の分配を異ならせること、を特徴とするポイントシステム。
==概要==
以下、本発明の一実施形態に係るポイントシステムについて説明する。本実施形態のポイントシステムは、テレビ放送により放送されるコンテンツの視聴者に対して店舗(実店舗およびオンラインの仮想店舗が含まれ、形態を問わず商品またはサービスを提供するものであれば広く含まれる。)で利用可能なポイントを付与しようとするものである。コンテンツには、テレビ番組および広告の少なくともいずれかが含まれる。また、本実施形態のポイントシステムでは、視聴者によるテレビ放送の視聴態様に応じた数のポイントが付与される。本実施形態のポイントシステムは、視聴者が予め店舗のポイントを保有しているときは、その店舗のポイントに視聴によって付与するポイントを加算することができる。本実施形態では、視聴時間が長くなるほど付与されるポイント数が増加するようにポイントを付与するものとするが、視聴態様には、視聴時間(どれだけ長く視聴したか)だけでなく、何人で視聴したか(単独で視聴したのか、複数人で視聴したのか)、テレビ番組の特定のコーナーを視聴したか、特定の広告をしたか、テレビ番組および広告を両方とも視聴したか、特定のテレビ番組または広告を視聴した後に、他の特定のテレビ番組または広告を視聴したかなど、1人または複数人の視聴者がテレビ放送を視聴する態様を任意に含めることができる。ポイントの原資は店舗における販促費である。視聴者はどのコンテンツを観ていたかの視聴ログを提供することになり、その視聴ログの提供対価としてポイントが発行されるものと把握することができる。さらに、放送局は、コンテンツの提供対価として、販促費に応じた利用料が支払われることになる。
==全体構成==
図1は、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成例を示す図である。
受像機2は、いわゆるテレビジョンであり、テレビ放送の電波(ケーブルテレビなどの電気信号を含む。)を受信し(11)、受信した電波をデコードして、テレビ番組や広告などのコンテンツに係る映像および音声を出力することができる。また、本実施形態の受像機2は、通信機能を有しており、ユーザ端末3、ログサーバ4、キャンペーン管理サーバ5、ユーザ管理サーバ6などとの間で通信を行うことができる。なお、受像機2とユーザ装置3との間の通信は、たとえばBlueTooth(登録商標)やWiFiなどの無線通信とすることができる。
ユーザ端末3は視聴者が携帯するスマートフォンやタブレットコンピュータなどの携帯端末を想定する。受像機2は、ユーザ端末3からメッセージを受信していること(21)をもって、受像機2が再生しているコンテンツ(テレビ番組または広告)を視聴者が視聴していると判断することができる。視聴者によるコンテンツの視聴ログは受像機2からログサーバ4に送られ(24)、ログサーバ4で管理される。
放送局1では、コンテンツごとに付与するポイント数を算出するための情報(以下、キャンペーン情報という。)を設定し(12)、このキャンペーン情報はキャンペーン管理サーバ5に管理される。キャンペーン管理サーバ5は、たとえば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、クラウドコンピュータなどにより実現することができる。
受像機2は、キャンペーン管理サーバ5に視聴者に対して付与するポイントを問い合わせ(22)、そのポイントをユーザ管理サーバ6に通知する(23)。視聴者に付与されたポイントはユーザ管理サーバ6において管理される。ユーザ管理サーバ6は、たとえば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、クラウドコンピュータなどにより実現することができる。受像機2から通知されたポイントは、ユーザ管理サーバ6においてポイントの残高に加算される。ポイントの残高は、ユーザ端末3からも参照される(31)。このとき、ユーザ管理サーバ6は、ポイントの利用対象となる店舗端末7に対し、視聴者が、その店舗が独自に発行するポイントまたは他の事業者によって発行され、その店舗において利用可能なポイント(以下、「店舗関連ポイント」)を既に保有しているか、を確認し、店舗端末7は、店舗ポイントDB(データベース)8に対して、視聴者が保有するポイントの有無を参照(70)し、視聴者がポイントを保有する場合は、店舗端末7からユーザ管理サーバ6に対してポイントの更新要求(71)を発行し、ユーザ管理サーバ6がポイントの合算処理を行う。
視聴者は店舗においてポイントを利用することが可能である。ポイントが利用された場合、ユーザ端末3から店舗端末7に利用するポイントが通知される(32)。店舗端末7は、たとえば、タブレットコンピュータやパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどにより実現することができる。店舗端末7からは、利用されたポイントがユーザ管理サーバ6に通知され(71)、ユーザ管理サーバ6ではポイントの残高が減算される。また、ポイントの利用ログは店舗端末7からログサーバ4に送信され(72)、ログサーバ4において蓄積される。これにより、ログサーバ4では、どのコンテンツを視聴したことによりどれだけポイントが付与され、そのポイントがどれだけ店舗で利用されたかを解析することができる。また、視聴者が店舗関連ポイントを店舗端末7にて利用した場合は、店舗端末7は、ログサーバ4またはユーザ管理サーバ6に、ポイント利用を通知することができる。
==受像機2==
図2は、受像機2のハードウェア構成例を示す図である。受像機2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信装置204、放送受信モジュール205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、たとえばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信装置204は、通信を行うための装置であり、たとえばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。受像機2は通信装置204を複数備えることもできる。放送受信モジュール205は、テレビ放送の電波を受信し、受信した電波から映像および音声をデコードするモジュールである。なお、放送受信モジュール205には、一般的なテレビ放送の受信およびデコードに係るハードウェアを用いることができる。出力装置206は、データを出力する、ディスプレイおよびスピーカを含む。
図3は、受像機2のソフトウェア構成例を示す図である。受像機2は、映像音声処理部211、視聴検出部212、視聴ログ登録部213、視聴ログ送信部214、ポイント取得部215、およびポイント加算部216の各機能部と、視聴ログデータベース231を備える。なお、上記各機能部は、受像機2が備えるCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、視聴ログデータベース231は、メモリ202および記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
映像音声処理部211は、放送受信モジュール205を制御して、コンテンツの映像および音声を出力装置206から出力する。映像音声処理部211による映像および音声の出力処理(テレビ放送の再生処理)については、一般的な手法を採用することが可能であり、ここでは説明を省略する。
視聴検出部212は、視聴者がテレビ放送を視聴していることを検出する。視聴検出部212は、ユーザ端末3との間で通信ができている間は、視聴者が受像機2が出力しているコンテンツを視聴しているものと推定する。本実施形態では、ユーザ端末3から定期的にメッセージを受像機2に送信し、視聴検出部212は、ユーザ端末3がメッセージを受信している間、ユーザ端末3との間で通信ができていると判断し、ユーザ端末3から最後にメッセージを受信した後に所定時間が経過したタイムアウトが発生した場合に、ユーザ端末3との間の通信が不可能となったことを検出し、これをもって視聴者がコンテンツの視聴を終了したことを検出することができる。
視聴ログデータベース231は、視聴者によるコンテンツの視聴に係るログ(以下、視聴ログという。)を記憶する。図4は、視聴ログデータベース231の構成例を示す図である。視聴ログデータベース231は、視聴ログを記憶しており、視聴ログには、日時、イベント、視聴種別、チャンネル/コンテンツ、再生位置、および1つ以上のユーザID(ユーザID1、ユーザID2、ユーザID3…)を含む。これらのユーザID1、ユーザID2、ユーザID3…には、複数人の視聴者が同時に視聴する場合に、当該複数人の視聴者のそれぞれを示すユーザIDを記録することができる。イベントは、受像機2において発生したイベントであり、たとえば、最初にユーザ端末3からメッセージを受信した(スマホログイン)、受像機2の電源がONになった(受信機電源OK)、視聴者によりチャンネルが選択された、2回目以降にユーザ端末3からのメッセージを受信した(視聴継続)、ユーザ端末3との通信が切断された(スマホログオフ)などがある。受像機2における動作や処理、ユーザ端末3と受信機2との間の通信などを示す情報が設定される。視聴区別は、コンテンツの視聴方法を示し、たとえば、リアルタイム(RT)、タイムシフト(TS)、ビデオオンデマンド(VOD)などである。チャンネル/コンテンツは、視聴されたコンテンツを特定するための情報である。本実施形態では、どのチャンネルまたはどのコンテンツが視聴されたかを示す。再生位置は、リアルタイム視聴の場合には「日時」欄の日時と同じ値が設定され、タイムシフトやビデオオンデマンドの場合には、コンテンツが最初に放送された日時が設定される。ユーザIDは、コンテンツを視聴した視聴者を示す情報である。
視聴ログ登録部213は、視聴ログを視聴ログデータベース231に登録する。視聴ログ登録部213は、受像機2においてイベントが発生したことを契機として、当該イベントに係る視聴ログを作成し、作成した視聴ログを視聴ログデータベース231に登録することができる。ここで視聴ログ登録部213は、イベントが視聴の開始または終了に関するもの(「スマホログイン」または「スマホログオフ」)である場合には、当該イベントに係るユーザID(メッセージを送信した視聴者または通信がタイムアウトした視聴者を示すユーザID)のみを新規の視聴ログに含め、それ以外の場合には、視聴ログデータベース231に登録されている視聴ログのうち認証に関するものを除くものの中で最新のものに設定されているユーザIDを、新規の視聴ログのユーザIDにコピーする。また、視聴ログデータベース231に登録されている最新の視聴ログのイベントが「スマホログオフ」である場合には、当該視聴ログのユーザIDから当該最新の視聴ログのユーザIDを新規の視聴ログから削除することができる。
視聴ログ送信部214は、視聴ログをログサーバ4に送信する。視聴ログ送信部214は、たとえば、視聴ログデータベース231を監視し、視聴ログデータベース231に新規に登録された視聴ログをログサーバ4に送信するようにすることができる。
ポイント取得部215は、視聴者に付与するポイントを取得する。本実施形態では、ポイント取得部215は、ポイントを取得するためのリクエスト(以下、ポイント取得要求という。)をキャンペーン管理サーバ5に送信し、キャンペーン管理サーバ5から応答される、視聴者に付与されたポイント数を取得することができる。ポイント取得要求には、視聴者が視聴しているチャンネルおよび視聴ログの日時が設定される。上述したように、リアルタイムのテレビ放送を視聴している場合には、現在日時が設定され、タイムシフトやビデオオンデマンドによる視聴が行われている場合には、最初にコンテンツが放送された日時が設定されることになる。
ポイント加算部216は、視聴者にポイントを付与する。ポイント加算部216は、ポイント取得部215が取得したポイントを、視聴者のポイント残高に加算するように、ユーザ管理サーバ6にリクエスト(以下、ポイント加算要求という。)を送信する。ユーザ管理サーバ6では、後述するように、ポイント加算要求に応じて視聴者のポイント残高が増加される。ポイント加算部216は、ポイントを付与する視聴者、すなわち、コンテンツを視聴している視聴者を示すユーザIDおよび日時と、視聴者が視聴したチャンネルと、ポイントを利用可能な店舗と、当該視聴者に付与するポイント数とを含むポイント加算要求をユーザ管理サーバ6に送信する。なお、ポイント加算部216は、重複したポイントの加算がないように、重複したポイント加算要求を排除するようにしてもよい。たとえば、ユーザ管理サーバ6が、ポイント加算履歴としてポイント加算要求の内容(少なくともユーザID、日時およびチャンネル)を記憶しておき、ポイント加算部216は、同一内容のポイント加算要求(ユーザID、日時およびチャンネルが同一であるもの。)が送信されてきた場合には、これに応じたポイント加算を行わないようにすることができる。
図5は、ユーザ端末3、ログサーバ4、キャンペーン管理サーバ5、ユーザ管理サーバ6、および店舗端末7として用いられるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータは、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
==ログサーバ4==
図6は、ログサーバ4のソフトウェア構成例を示す図である。ログサーバ4は、視聴ログ登録部411、ポイント利用ログ登録部412、および解析処理部413の各機能部と、視聴ログデータベース431、およびポイント利用ログデータベース432の各記憶部とを備える。
視聴ログデータベース431は、視聴ログを記憶する。図7は、視聴ログデータベース431に記憶される視聴ログの構成例を示す図である。視聴ログデータベース431に登録される視聴ログは、上述した図4の視聴ログデータベース231に記憶される視聴ログに、視聴ログを作成した受像機2を示す受信機IDを追加したものである。
視聴ログ登録部411は、視聴ログを視聴ログデータベース431に登録する。視聴ログ登録部411は、受像機2から送信される視聴ログを受信し、受信した視聴ログに、送信元の受像機2を示す受信機IDを追加して視聴ログデータベース431に登録する。
ポイント利用ログデータベース432は、店舗におけるポイントの利用に係るログ(以下、ポイント利用ログという。)を記憶する。図8は、ポイント利用ログデータベース432に記憶されるポイント利用ログの構成例を示す図である。ポイント利用ログには、ポイントが利用された店舗、ポイントの利用に係る処理を示す処理ID、ポイントが利用された日時、ポイントを利用した視聴者を示すユーザID、ポイントの利用に係る商品(サービスを含む。以下同じ。)を示す商品ID、当該商品の価格、利用されたポイントの数、販促率、および支払費用が含まれる。支払費用は、ポイントの利用に係る販促費であり、販促率は、ポイント数に応じて支払われるべき販促費(支払費用)を算出するための情報である。本実施形態では、利用されたポイント数(「ポイント利用」)に販促率を乗じることにより、支払費用を算出することができるものとする。
ポイント利用ログ登録部412は、ポイント利用ログをポイント利用ログデータベース432に登録する。ポイント利用ログ登録部412は、後述する店舗端末7から送信されてくるポイント利用ログを受信して、受信したポイント利用ログに、店舗を示す店舗IDを追加してポイント利用ログデータベース432に登録する。
解析処理部413は、視聴ログおよびポイント利用ログに基づいて、コンテンツの視聴と購買活動との関係を分析する。解析処理部413は、たとえば、視聴ログとポイント利用ログとをユーザIDにより紐付け、紐付けた視聴ログおよびポイント利用ログに基づいて、どのコンテンツを視聴した視聴者がどんな商品を購入したか、どの商品を購入した視聴者がどんなコンテンツを視聴していたかなどを解析することができる。
==キャンペーン管理サーバ5==
図9は、キャンペーン管理サーバ5のソフトウェア構成例を示す図である。キャンペーン管理サーバ5は、キャンペーン情報入力部511、ポイント発行部513、ポイント通知受信部514、およびコンテンツ利用料出力部515の各機能部と、キャンペーンデータベース531とを備える。
キャンペーンデータベース531は、視聴者に付与するポイントを決定するための情報(以下、キャンペーン情報という。)を記憶する。図10は、キャンペーンデータベース531に登録されるキャンペーン情報の構成例を示す図である。キャンペーン情報には、キャンペーン情報を特定するキャンペーンIDに対応付けて、テレビ放送のチャンネル、キャンペーンの開始日時、キャンペーンの終了日時、会社名、販促率、ポイント付与率、上限、付与ポイントおよび利用ポイントを含む。チャンネルは、視聴者にポイントを付与するキャンペーンの対象となるチャンネル(オンデマンド配信のビデオコンテンツやオーディオコンテンツを特定してもよい。)である。なお、チャンネルには、特定のテレビ番組や広告などのコンテンツを特定する情報を含めるようにしてもよい。たとえば、チャンネルに付帯させて、コンテンツの開始日時およびコンテンツの終了日時を含めるようにすることができる。会社名は、ポイントを利用可能な店舗を特定する情報である。全ての店舗を示す情報(図10の例では「※」)を設定してもよい。販促率は、ポイントの利用に対して店舗側が支払うべき販促費を計算するための情報である。本実施形態では、利用されたポイントに対する係数であるものとし、利用されたポイント数に販促率を乗じて販促費が計算可能であるものとする。ポイント付与率は、視聴者の視聴時間に応じて発行するポイント数を決定するための情報である。本実施形態では、ポイント付与率には、単位時間(図10の例では5分、15分および10分が設定されている。)と、その単位時間あたりに付与されるポイント数とが設定されるものとする。上限は、発行可能なポイント数の上限である。利用ポイントは、店舗において実際に使用されたポイント数(すなわちポイントの利用実績)である。キャンペーン情報は、「開始日時」から「終了日時」までの間に、「チャンネル」のコンテンツを視聴していた視聴者に対して、視聴者に付与した「付与ポイント」が「上限」に達するまで、「ポイント付与率」に応じて、「会社名」が示す会社(店舗)で利用可能な数のポイントを発行することを示すことになる。ここで、視聴者が対象会社の店舗に関連する店舗関連ポイントを保有している場合、その会社は視聴者に対して一定の販促活動を行っている可能性が高いことから、ポイント利用による上記販促費を図10に示すものより低く設定したり、また、その視聴者の、会社(店舗)に対するロイヤリティも既に一定程度高まっていることも想定されることから、ポイント付与率を高く(または、新規顧客獲得を目的とする場合には低く)設定することができる。
キャンペーン情報入力部511は、キャンペーン情報の新規登録または更新を行う。キャンペーン情報入力部511は、ポイントを付与するキャンペーンに関するチャンネル、キャンペーンの開始日時および終了日時、ポイントを利用可能な店舗(会社名)、ポイント利用に係る販促費を計算するための販促率、ポイントの付与率、および上限の入力を受け付け、これらを設定したキャンペーン情報を作製してキャンペーンデータベース531に登録する。なお、キャンペーン情報入力部511は、キャンペーン情報の1つ以上の項目の内容を受け付けて、キャンペーンデータベース531に登録されているキャンペーン情報を更新することもできる。キャンペーン情報入力部511は、たとえば、放送局1のユーザが使用するコンピュータからこれらの情報を受信することができる。
ポイント発行部513は、視聴者に対してポイントを発行する。ポイント発行部513は、受像機2から送信されるポイント取得要求に応じて、視聴者に発行するポイントを計算して応答するものとする。ポイント発行部513は、たとえば、ポイント取得要求に含まれているチャンネルに対応し、ポイント取得要求に含まれている日時が開始日時から終了日時までに入るキャンペーン情報をキャンペーンデータベース531から検索し、検索したキャンペーン情報のポイント付与率をポイント数として応答することができる。ポイント発行部513は、ポイントを利用可能な店舗(キャンペーン情報の会社名)を併せて応答することができる。また、キャンペーン情報に、ポイントの取得可能期間を設定しておき、ポイント発行部513は、ポイント取得要求を受信した日時が当該取得可能期間内にある場合にはポイントを発行し、受信した日時が取得可能期間外の場合にはポイントを発行しないようにしてもよい。
ポイント通知受信部514は、利用されたポイントの通知(以下、ポイント利用通知という。)を受け付ける。本実施形態では、ポイント通知受信部514は、ユーザ管理サーバ6からポイント利用通知を受信する。ポイント利用通知には、ポイントを利用した店舗(会社名)と、ポイントの利用日時と、利用されたポイント数とが含まれる。ポイント通知受信部514は、キャンペーンデータベース531から、受信したポイント利用通知に含まれる会社名に対応し、ポイント利用通知に含まれる利用日時が開始日時から終了日時までのキャンペーン情報の利用ポイントに、ポイント利用通知に含まれるポイント数を加算する。
コンテンツ利用料出力部515は、放送局に対して支払うべきコンテンツの利用料を出力する。コンテンツ利用料出力部515は、放送局ごとに、キャンペーンデータベース531から対応するチャンネルのキャンペーン情報を読み出し、読み出したキャンペーン情報に含まれる利用ポイントに基づいて利用料を決定する。コンテンツ利用料出力部515は、たとえば、利用ポイントの数に一定のまたは放送局ごとに事前に設定された係数を乗じて利用料を算出するようにしてよい。また、コンテンツ利用料出力部515は、ポイントの利用に対して店舗(販売促進を行う者)が支払うべき販促費を出力することもできる。コンテンツ利用料出力部515は、対象となる店舗の指定を受け付け、指定された店舗に対応するキャンペーン情報をキャンペーンデータベース531から読み出し、読み出したキャンペーン情報の販促率を、利用ポイントに乗じることにより販促費を計算することができる。店舗の指定は、キーボード等の入力装置から入力を受け付けるようにしてもよいし、店舗を特定する情報を含む販促費のリクエスト(以下、販促費取得要求という。)を外部から受信するようにしてもよい。販促費取得要求を受信した場合、コンテンツ利用料出力部515は、計算した販促費を、販促費取得要求に対する応答として送出することもできる。さらに、受像機2に関するサービサー(たとえば、受像機2のメーカー、受像機2を配布して運用する事業者など)に対して販促費の配分を行う場合には、コンテンツ利用料出力部515は、サービサーへのサービス対価を算出するようにしてもよい。この場合、コンテンツ利用料出力部515は、たとえば、受像機2がログサーバ4に送信したログの量に応じた利用料を算出し、これを出力することができる。すなわち、コンテンツ利用料出力部515は、店舗(広告主)からの販促費を、本実施形態のポイントシステムの利用料、コンテンツ利用料、サービサーへのサービス対価などに分配するように、販促費の分配に係る計算を行うことができる。コンテンツ利用料出力部515は、計算したコンテンツの利用料(ならびにシステムの利用料およびサービサーへのサービス対価)の支払い処理を行うようにしてもよい。
==ユーザ端末3==
図11は、ユーザ端末3のソフトウェア構成例を示す図である。ユーザ端末3は、ログイン処理部311、ポイント残高表示部312、接続処理部313およびポイント利用部314の各機能部を備える。
ログイン処理部311は、利用者の認証を受けるログイン処理を行う。ログイン処理部311は、後述するユーザ管理サーバ6と通信を行ってログイン処理を行う。本実施形態では、接続処理部313は、ユーザIDおよびパスワードをキャンペーン管理サーバ5に送信し、ユーザ管理サーバ6においてパスワードの照合が行われることを想定している。
ポイント残高表示部312は、ユーザ管理サーバ6が管理している、視聴者のポイント残高を取得して表示する。ポイント残高表示部312は、ポイントの残高のリクエスト(以下、ポイント残高要求という。)をユーザ管理サーバ6に送信し、ユーザ管理サーバ6から応答される残高を受信することができる。ポイント残高要求にはユーザIDが設定される。
接続処理部313は、受像機2に対してメッセージを送信する。接続処理部313は、定期的に(たとえば、15秒ごと、1分毎、5分毎など任意の時間を設定することができる。)メッセージを受像機2に対して送信する。上述したように、受像機2では、接続処理部313から送信されてくるメッセージを受信している間、視聴者が受像機2から出力されるコンテンツを視聴しているものと推定している。
ポイント利用部314は、ポイントの利用に関する処理を行う。ポイント利用部314は、たとえば、商品の決済時に、上述したポイント残高表示部312が取得したポイントの残高を上限として、利用するポイント数の指定を受け付け、指定されたポイント数とユーザIDとを指定したリクエスト(以下、ポイント利用要求という。)を店舗端末7に送信することにより、ポイントを利用することができる。店舗端末7では、商品価格から、ポイント利用要求に設定されていたポイント数に応じた金額を減算して決済処理が行われる。
==ユーザ管理サーバ6==
図12は、ユーザ管理サーバ6のソフトウェア構成例を示す図である。ユーザ管理サーバ6は、ユーザ情報登録部611、認証処理部612、ポイント送信部613、ポイント加算要求受信部614、ポイント減算要求受信部615、およびポイント通知送信部616の各機能部と、ユーザデータベース631、およびユーザ履歴データベース632の各記憶部とを備える。
ユーザデータベース631は、視聴者(ユーザ)に関する情報(以下、ユーザ情報という。)を記憶する。図13は、ユーザデータベース631の構成例を示す図である。ユーザデータベース631に登録されるユーザ情報は、視聴者を特定するユーザIDに対応付けて、認証情報(パスワード)と、ポイントの残高とを含む。認証情報は、パスワードに変えて、指紋や虹彩などの特徴量や公開鍵など、視聴者(またはユーザ端末3)を認証するために用いられる情報であればよい。また、図13の例では、ユーザ情報には、メインポイント残高、A社ポイント残高、およびB社ポイント残高が含まれている。すなわち、ユーザ情報は、店舗ごとに、当該店舗で利用可能なポイントの残高を含んでいる。メインポイント残高は、どの店舗でも利用可能なポイントの残高である。なお、図13の例では、ユーザ情報の中に店舗ごとのポイント残高をカラムとして追加しているが、店舗と残高とを対応付けた残高情報を1つまたは複数含めるようにしてもよい。
ユーザ情報登録部611は、ユーザ情報をユーザデータベース631に登録する。ユーザ情報登録部611は、ユーザIDおよびパスワードの入力を受け付け、受け付けたユーザIDおよびパスワードを設定したユーザ情報を作成し、ポイントの残高は0に設定してユーザデータベース631に登録することができる。
認証処理部612は、視聴者を認証する。認証処理部612は、ユーザ情報に含まれている認証情報(たとえばパスワード)を用いて視聴者を認証することができる。認証処理部612は、たとえば、ユーザ端末3からユーザIDおよびパスワードを受け付け、受け付けたユーザIDに対応するユーザ情報のパスワードと、受け付けたパスワードとを照合することで認証を行うことができる。なお、ユーザの認証手法については一般的なものを採用することができるものとして、ここでは説明を省略する。
ポイント送信部613は、ポイント残高要求に応じて、ポイントの残高を応答する。上述したように、ユーザ端末3から送信されるポイント残高要求にはユーザIDが設定される。ポイント送信部613は、ポイント残高要求に含まれているユーザIDに対応するポイントの残高をユーザデータベース631から読み出して応答することができる。
ユーザ履歴データベース632は、視聴者よるポイントの利用履歴を記憶する。図14は、ユーザ履歴データベース632の構成例を示す図である。ユーザ履歴データベース632に含まれる各利用履歴は、ユーザIDおよび日時に対応付けて、視聴されたチャンネル、ポイントの加算数(加算内容)、ポイントの利用数(減算内容)、ポイント残高、ポイントが付与または利用された店舗(処理対象)を記憶する。
ポイント加算要求受信部614は、ポイント加算要求に応じて、ポイントの利用履歴を登録するとともに、視聴者のポイント残高を増加させる。ポイント加算要求受信部614は、ポイント加算要求を受信すると、新規の利用履歴を生成し、受信したポイント加算要求に含まれているユーザID、日時、チャンネル、店舗、およびポイント数を、生成した利用履歴のユーザID、日時、視聴チャンネル、処理内容、および加算内容にそれぞれ設定する。また、ポイント加算要求受信部614は、ユーザIDに対応するユーザ情報の当該店舗に対応する残高に当該ポイント数を加算するようにユーザデータベース631を更新する。また、ポイント加算要求受信部614は、更新後のユーザ情報の残高を、生成した利用履歴のポイント残高に設定してユーザ履歴データベース632に登録する。
ポイント減算要求受信部615は、視聴者のポイント残高から利用されたポイント数を減じるように指示するリクエスト(以下、ポイント減算要求という。)に応じて、ポイントの利用履歴を登録するとともに、視聴者のポイント残高を減少させる。ポイント減算要求受信部615は、店舗端末7からポイント減算要求を受信する。ポイント減算要求には、ユーザID、ポイントの利用日時、利用されたポイント数、およびポイントが利用された店舗が含まれる。ポイント減算要求受信部615は、ポイント減算要求を受信すると、新規の利用履歴を生成し、受信したポイント減算要求に含まれているユーザID、日時、ポイント数および店舗を、生成した利用履歴のユーザID、日時、減算内容、および処理対象にそれぞれ設定する。また、ポイント減算要求受信部615は、ユーザIDに対応するユーザ情報の当該店舗に対応する残高から当該ポイント数を減算するようにユーザデータベース631を更新する。また、ポイント減算要求受信部615は、更新後のユーザ情報の残高を、生成した利用履歴のポイント残高に設定してユーザ履歴データベース632に登録する。
ポイント通知送信部616は、ポイント利用通知をキャンペーン管理サーバ5に送信する。ポイント通知送信部616は、ポイント減算要求が受信される度に、対応するポイント利用通知を送信する。ポイント通知送信部616は、ポイント減算要求に応じて登録された利用履歴の処理対象(店舗)、日時、および減算内容を、それぞれ会社名、利用日時およびポイント数として含めたポイント利用通知をキャンペーン管理サーバ5に送信する。上述したように、キャンペーン管理サーバ5では、発行されたポイント数に対応付けて、利用されたポイント数が管理される。
==店舗端末7==
図15は、店舗端末7のソフトウェア構成例を示す図である。店舗端末7は、ポイント処理部711、決済処理部712、ポイント更新要求送信部713、ポイント利用ログ送信部714、および販促費出力部715の各機能部と、ポイント利用ログデータベース731の記憶部とを備える。なお、上記各機能部は、店舗端末7が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、上記記憶部は、店舗端末7が備えるメモリ102および記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。
ポイント利用ログデータベース731は、店舗における利用されたポイントに係るポイント利用ログを記憶する。図16は、ポイント利用ログデータベース731に記憶されるポイント利用ログの構成例を示す図である。ポイント利用ログは、図8に示した、ポイント利用ログデータベース432に記憶されるポイント利用ログから店舗IDを除いたものである。
決済処理部712は、商品の決済に係る処理を行う。ここで決済処理部712は、ユーザ端末3からポイント利用要求が送信されてきた場合には、ポイント利用要求を受信し、ポイント利用要求に設定されていたポイント数に応じた金額を商品価格から減算して決済処理を行う。
ポイント処理部711は、ポイントの利用に係る処理を行う。ポイント処理部711は、上記決済処理部712による決済処理を特定する処理ID、決済処理が行われた日時、ポイント利用要求に含まれていたユーザID、決済処理を行った商品を示す商品ID、当該商品の価格、ポイント利用要求に含まれていたポイント数、商品について事前に設定されていた販促率、およびポイントに販促率を乗じた支払費用を設定したポイント利用ログを生成して、ポイント利用ログデータベース731に登録する。
ポイント更新要求送信部713は、ポイント加算要求またはポイント減算要求をユーザ管理サーバ6に送信する。ポイント加算要求には、視聴者を示すユーザIDと、ポイントを加算した日時と、ポイントを加算した店舗と、加算したポイント数とが含まれる。また、ポイント減算要求には、視聴者を示すユーザIDと、ポイントを利用した日時と、ポイントを利用した店舗と、利用したポイント数とが含まれる。ここでいうポイント加算要求とは、視聴者が予め店舗関連ポイントを保有する場合または視聴者が視聴行為によらない形態で店舗関連ポイントを増加させたような場合(例えば、特定店舗が独自に開催するキャンペーン等を通じてポイントを増やしたような場合)に、そのポイントを加算するようユーザ管理サーバ6に要求する処理をいう。
ポイント利用ログ送信部714は、ポイント利用ログデータベース731に登録されたポイント利用ログを外部に送信する。本実施形態では、ポイント利用ログ送信部714は、ポイント利用ログをログサーバ4に送信する。ポイント利用ログ送信部714は、新しいポイント利用ログが登録される度に、新たに登録されたポイント利用ログを特定してログサーバ4に送信するようにしてもよいし、一定期間ごとに、現在日時から一定期間前より後の日時が含まれるポイント利用ログをポイント利用ログデータベース731から読み出して、ログサーバ4に送信することができる。ここで、視聴者がポイントを店舗関連ポイントとして利用したような場合(店舗関連ポイント限定キャンペーン等)は、利用ログを送信しなくてもよい。
販促費出力部715は、支払うべき販促費を計算する。販促費出力部715は、たとえば、ポイント利用に販促率を乗じた支払費用の合計を計算し、販促費として出力することができる。なお、販促費出力部715は、販促費を支払う処理を行うようにしてもよい。支払先は、本実施形態に係るポイントシステムの運営者とすることができる。また、販促費の計算は、キャンペーン管理サーバ5において行うようにしてもよい。この場合、販促費出力部715は、店舗端末7に対応する店舗を特定する情報を設定した販促費取得要求をキャンペーン管理サーバ5に送信し、キャンペーン管理サーバ5から応答される販促費を受信することができる。ここで、視聴者がポイントを店舗関連ポイントとして利用したような場合(店舗関連ポイント限定キャンペーン等)は、本販促出力処理は省略されてもよい。
以下、本実施形態に係るポイントシステムにおいて実行される処理について説明する。
==キャンペー情報の登録処理==
図17は、キャンペーン情報の登録処理の流れを示す図である。放送局1では、コンピュータが、ポイントを付与するキャンペーンに関するチャンネル、キャンペーンの開始日時および終了日時、ポイントを利用可能な店舗(会社名)、ポイントの付与率、および上限の入力を受け付け、これらを設定したキャンペーン情報登録要求をキャンペーン管理サーバ5に送信することができる(S821)。これはたとえば、キャンペーン情報入力部511が、フォーム情報を設定した入力画面を放送局1のユーザが操作するコンピュータに送信し、この入力画面に入力されたデータを設定したリクエストをキャンペーン管理サーバ5が受け付けることにより実現することができる。キャンペーン情報入力部511は、受信したキャンペーン情報登録要求に設定されている各種情報を設定したキャンペーン情報を生成してキャンペーンデータベース531に登録し(S822)、登録が完了した旨のメッセージをキャンペーン情報登録要求に対する応答として送出することができる(S823)。
==ログイン処理==
図18は、視聴者によるポイントシステムへのログイン処理の流れを示す図である。
ユーザ端末3のログイン処理部311は、ログインを行うためのログイン画面を取得するためのリクエスト(ログイン画面要求)をユーザ管理サーバ6に送信する(S801)。ユーザ管理サーバ6の認証処理部612は、ログイン画面を表示するための情報(たとえば、HTMLにより記述された画面データ)をユーザ端末3に応答する(S802)。ユーザ端末3のログイン処理部311は、視聴者からユーザIDおよびパスワードの入力を受け付ける(S803)。なお、ログイン処理部311は、ユーザIDおよびパスワードをユーザ端末3の記憶装置103などに記憶しておき、記憶されているユーザIDおよびパスワードを読み出すようにしてもよい。ログイン処理部311は、受け付けたユーザIDおよびパスワードを設定したログイン要求をユーザ管理サーバ6に送信し(S804)、ユーザ管理サーバ6の認証処理部612は、ログイン要求に含まれているユーザIDおよびパスワードを用いて視聴者の認証を行う(S805)。認証処理部612は、たとえば、ユーザ履歴データベース632に登録されているユーザ情報のユーザIDおよびパスワードと、ログイン要求に含まれているユーザIDおよびパスワードとを照合することにより認証処理を行うことができる。認証処理部612は、認証の結果をユーザ端末3に応答する(S806)。
認証に成功した場合には、ユーザ端末3のポイント残高表示部312は、ポイント残高要求をユーザ管理サーバ6に送信し(S807)、ユーザ管理サーバ6のポイント送信部613は、ポイント残高要求に含まれているユーザIDに対応するポイントの残高をユーザデータベース631から読み出し(S808)、読み出したポイントの残高をユーザ端末3に応答する(S809)。ユーザ端末3のポイント残高表示部312は、応答されたポイントの残高を出力することができる(S810)。
==視聴検出処理==
図19は、視聴者によるコンテンツの視聴を検出する処理の流れを示す図である。
ユーザ端末3の接続処理部313は、受像機2に対して最初のメッセージ(チェックインメッセージ)を送信し(S841)、受像機2の視聴検出部212は、ユーザ端末3との間の通信が確立したことを、視聴者が視聴を開始したこととして検出することができる(S842)。
ユーザ端末3の接続処理部313からは、定期的にメッセージが受像機2に送信され(S843)、接続処理部313は、タイムアウトしないうちにメッセージをユーザ端末3から受信することで、視聴者によるコンテンツの視聴が継続していると判断することができる(S844)。接続処理部313は、ユーザ端末3から最後にメッセージを受信してから所定時間が経過し、タイムアウトが発生した場合、視聴が終了したと判定することができる(S845)。
==ポイント付与処理==
図20は、視聴者にポイントを付与する処理の流れを示す図である。
ユーザ端末3の接続処理部313から受像機2には継続的にメッセージが送信され(S861)、図19にも示したように、受像機2の視聴検出部212は、視聴が継続されていると判定されているものとする。
受像機2のポイント取得部215は、現在視聴されているチャンネルを設定したポイント取得要求をキャンペーン管理サーバ5に送信し(S862)、キャンペーン管理サーバ5のポイント発行部513は、ポイント取得要求に対応するキャンペーン情報を取得する(S863)。具体的には、ポイント発行部513は、ポイント取得要求に含まれているチャンネルに対応し、ポイント取得要求に含まれている日時が開始日時から終了日時までに入るキャンペーン情報をキャンペーンデータベース531から検索することができる。ポイント発行部513は、取得したキャンペーン情報に応じてポイント数を決定し、決定したポイント数と店舗(会社名)を応答する(S864)。ポイント発行部513は、たとえば、キャンペーン情報に含まれているポイント付与率をポイント数として決定することができる。
受像機2のポイント加算部216は、最新の視聴ログに含まれているユーザID、日時およびチャンネルと、キャンペーン管理サーバ5から受信した店舗およびポイント数とを設定したポイント加算要求をユーザ管理サーバ6に送信する(S865)。ユーザ管理サーバ6のポイント加算要求受信部614は、ポイント加算要求に応じて視聴者のポイント残高に、付与されたポイントを加算する(S866)。ポイント加算要求受信部614は、たとえば、ポイント加算要求に含まれているユーザIDに対応するユーザ情報に含まれているポイント残高のうち、ポイント加算要求に含まれている店舗に対応するものに、ポイント加算要求に含まれているポイント数を加算するようにユーザデータベース631を更新することができる。また、本実施形態では、ポイント加算要求受信部614は、新規の利用履歴を生成し、受信したポイント加算要求に含まれているユーザID、日時、チャンネル、店舗、およびポイント数、ならびに更新したユーザ情報のポイント残高を、生成した利用履歴のユーザID、日時、視聴チャンネル、処理内容、加算内容、およびポイント残高にそれぞれ設定し、ユーザ履歴データベース632に登録するものとする。ここで、ポイント加算要求が初回の場合、ユーザ管理サーバ6のポイント統合処理部617は、ポイントの利用対象となる店舗端末7に対し、視聴者が店舗関連ポイントを既に保有しているか、を確認し、店舗端末7は、店舗ポイントDB(データベース)8に対して、視聴者が保有する店舗関連ポイントの有無を参照し、視聴者がポイントを保有する場合は、店舗端末7からユーザ管理サーバ6に対してポイントの更新(加算)要求を発行し、ユーザ管理サーバ6のポイント統合処理部617は、店舗関連ポイントと上記視聴によって付与されたポイントとの合算処理を行うこともできる。また、ポイント加算要求受信部614は、視聴者が店舗関連ポイントを増加させる都度、または、所定のタイミングで、店舗関連ポイントと上記視聴によって付与されたポイントとを加算させる処理を行うこともできる。
ポイント通知送信部616は、利用履歴の処理対象(店舗)、日時、および減算内容を、それぞれ会社名、利用日時およびポイント数として含めたポイント利用通知をキャンペーン管理サーバ5に送信する(S867)。キャンペーン管理サーバ5のポイント通知受信部514は、ポイント通知に応じて、キャンペーン情報の付与ポイントに、付与されたポイント数を加算する(S868)。ポイント通知受信部514は、たとえば、キャンペーンデータベース531から、受信したポイント利用通知に含まれる会社名に対応し、ポイント利用通知に含まれる利用日時が開始日時から終了日時までのキャンペーン情報の利用ポイントに、ポイント利用通知に含まれるポイント数を加算することができる。
ポイント通知送信部616は、更新されたポイントの残高をユーザ端末3に通知するようにしてもよい(S869)。ユーザ端末3のポイント残高表示部312は、受信したポイント残高により表示を更新することができる。
==ポイント利用処理==
図21は、ポイントの利用処理の流れを説明する図である。ここでは、視聴者が店舗に訪問して商品を購入するに際してポイントを利用することを想定している。
視聴者は店舗に訪問したときに、ユーザ端末3を操作して利用するポイント数を指定する。ユーザ端末3のポイント利用部314は、指定されたポイント数を設定したポイント利用要求を店舗端末7に送信する(S881)。
店舗端末7の決済処理部712は、ポイント利用要求に設定されていたポイント数に応じた金額を商品価格から減算して決済処理を行う(S882)。ポイント処理部711は、視聴者を示すユーザIDと、ポイントを利用した日時と、ポイントを利用した店舗と、利用したポイント数とを設定したポイント更新(減算)要求をユーザ管理サーバ6に送信する(S883)。
ユーザ管理サーバ6のポイント減算要求受信部615は、受信したポイント減算要求に応じて利用者のポイント残高からポイントを減算する(S884)。ポイント減算要求受信部615は、ポイント減算要求に設定されているユーザIDに対応するユーザ情報の当該店舗に対応する残高から当該ポイント数を減算するようにユーザデータベース631を更新するとともに、ポイント減算要求に含まれているユーザID、日時、ポイント数および店舗、ならびに更新後のユーザ情報のポイント残高を設定した利用履歴を生成して、ユーザ履歴データベース632に登録することができる。ポイント通知送信部616は、ポイント減算要求に応じて登録された利用履歴の処理対象(店舗)、日時、および減算内容を設定したポイント利用通知をキャンペーン管理サーバ5に送信する(S885)。
キャンペーン管理サーバ5のポイント通知受信部514は、ユーザ管理サーバ6から受信したポイント利用通知に応じて、キャンペーン情報の利用ポイントに加算する(S886)。ポイント通知受信部514は、キャンペーンデータベース531から、受信したポイント利用通知に含まれる会社名に対応し、ポイント利用通知に含まれる利用日時が開始日時から終了日時までのキャンペーン情報の利用ポイントに、ポイント利用通知に含まれるポイント数を加算することができる。キャンペーン管理サーバ5ではまた、コンテンツ利用料出力部515が、キャンペーン情報の利用ポイントに応じたコンテンツ利用料を算出して出力し、コンテンツ利用料の支払いが行われる(S887)。コンテンツ利用料出力部515が支払処理を行ってもよい。
店舗端末7のポイント利用ログ送信部714は、ポイント利用ログデータベース731に登録されたポイント利用ログをログサーバ4に送信し(S888)、ログサーバ4のポイント利用ログ登録部412は、受信した利用ログに店舗を示す店舗IDを追加してポイント利用ログデータベース432に登録する(S889)。店舗端末7では、販促費出力部715が、ポイントの利用に応じて支払うべき販促費を計算して出力し、販促費の支払いが行われる(S890)。販促費の計算は、たとえば、販促費出力部715が利用ログのポイント利用の値に販促率の係数を乗じて行うことができる。販促費出力部715は、販促費の支払いに関する処理を行ってもよい。
以上のようにして、本実施形態のポイントシステムによれば、視聴者が受像機2から出力されるコンテンツを視聴した時間に応じて、店舗で利用可能なポイントを付与することができる。したがって、店舗における販売促進に係る広告として、テレビ放送で提供されるコンテンツを利用することが可能になる。一方で、視聴者のユーザ端末3を用いて、ユーザIDにより、テレビの視聴とポイントの利用とを紐付けることができるので、マス広告の媒体であるテレビ放送を利用したポイントの発行による広告活動の効果を正確に把握することができる。
また、本実施形態のポイントシステムによれば、ユーザ端末3と受像機2とを通信させることにより、視聴者がテレビ放送を視聴している時間を推定することができる。従来マス放送であるテレビの視聴の様子を把握することは困難であったが、本実施形態のポイントシステムでは、視聴者による視聴の有無を精度良く推定することができる。
また、ユーザ端末3をスマートフォンのように視聴者が常に携帯していることが期待されているデバイスとし、ユーザ端末3と受像機2との間の通信を、たとえば、Bluetooth(登録商標)のような比較的近距離での通信に限られる方法で行う場合には、少なくとも視聴者が受像機2の近傍に存在していることが明らかとなるため、受像機2からの出力を視聴している蓋然性は高く、少なくとも音声については聞いている可能性が高いため、視聴者による視聴時間を精度良く推定することができる。 また、本実施形態のポイントシステムでは、テレビの視聴ログとポイントの利用ログとがログサーバ4に蓄積されるので、どのチャンネル(コンテンツ)の視聴に関して発行されたポイントがどの店舗でどのような商品の購入に用いられたかを解析することができる。したがって、精度よく広告効果を測定しながら、次の販促活動に役立てることが可能となる。
また、本実施形態のポイントシステムによれば、ユーザ端末3ではなく受像機2からサーバにアクセスを行うことから、少なくともコンテンツが再生されていたことを担保した状況でポイントを発行することができる。
また、本実施形態のポイントシステムによれば、店舗における販促費を、コンテンツを提供した放送局1に還流させることができる。したがって、従来のテレビ番組やチャンネルに対するスポンサーに加えた新たなスポンサーを付けることが可能となるうえに、本実施形態では、視聴時間に応じたポイント数が付与されることから、長時間視聴されるようにコンテンツの質が向上されることが期待される。
また、本実施形態のポイントシステムによれば、特に、視聴者が店舗関連ポイントを既に保有している場合は、ポイントを統合することで、視聴者の、その店舗に対するロイヤリティをさらに高めることができる。または、その店舗(会社)が新規顧客獲得を目的とする場合は、本ポイントシステムによれば、その視聴者が既存顧客であるか否かを確認することができるので、ポイント付与率を調整すること等により、効率的に新規顧客を獲得することもできる。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
たとえば、本実施形態では、ポイントの管理をキャンペーン管理サーバ5およびユーザ管理サーバ6で分散して行っていたが、キャンペーン管理サーバ5およびユーザ管理サーバ6を単一のサーバとして運用することもできる。同様に、ログサーバ4、キャンペーン管理サーバ5およびユーザ管理サーバ6の3つを、単一または2つのサーバとして運用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ポイントの利用時には、ユーザ端末3から店舗端末7にポイント利用要求が送信されるものとしたが、ユーザ端末3および店舗端末7の間での通信を行わずにポイントの利用を行うようにしてもよい。たとえば、ユーザ端末3にバーコードやQRコード(登録商標)などを表示し、これを店舗端末7が備えるコードリーダにより読み取ることで、ポイントの利用を行うようにしてもよい。この場合、店舗端末7は、決済処理前に、ユーザ管理サーバ6に対してポイント残高の確認やポイント利用の承認などを行うようにすることができる。また、ユーザ端末3がクーポンコードやパスコードなどを表示し、これを視聴者が店舗の店員に口頭で伝達して店員が店舗端末7に入力し、あるいは視聴者が店舗端末7に入力して、ポイントの利用を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、受像機2はポイント取得要求をキャンペーン管理サーバ5に送信して、視聴者に付与するポイントはキャンペーン管理サーバ5が決定するものとしたが、受像機2において決定するようにしてもよい。この場合、受像機2は、キャンペーン管理サーバ5からキャンペーン情報を取得するキャンペーン情報取得部と、キャンペーン情報を記憶するキャンペーン情報記憶部と、ポイント発行部とを備えるようにし、ポイント発行部がキャンペーン情報に基づいて発行するポイントを決定するようにすることができる。
また、本実施形態では、キャンペーン情報は放送局1から入力されるものとしたが、放送局1以外から登録するようにしてもよい。たとえば、広告主(店舗の運営者や広告代理店、店舗で提供する商品のメーカー、商品の認知獲得や販売促進等のキャンペーンを企画する広告代理店等の企画会社など)がキャンペーン情報を登録するようにしてもよい。この場合、放送局1に手間をかけさせることなく、ポイントを付与するサービスを行うことが可能となる。