JP7300026B1 - 嚥下調整食及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】嚥下困難者にとって、安全においしく食べられることで、必要な栄養を十分摂取することが可能となる食品物性に調整されている嚥下調整食とそれらの製造方法を提供することにある。【解決手段】嚥下困難者が喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるように増粘剤、ゲル化剤を使用しないで調整された嚥下調整食であって、魚肉、畜肉類あるいは総菜から成り衣を有さない健常者が食べる完成品のおかずと、全体のふわふわとした食感を形成する生卵と、吸水性を有するパン粉と、食べやすさの助けとなる牛乳と、栄養価を高める生クリームと、全体を一体として取りまとめ粘度の調整の助けとなる里芋と、付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸とが含有されていることを特徴とするスフレ様ムース状食品。【選択図】図1

Description

本発明は、嚥下困難者用に調整された嚥下調整食、及びそれらの製造方法に関する。特に、嚥下困難者用に調整された嚥下調整食であるスフレ様ムース状食品に関し、本発明は、以前より馴染みのある食材を使用し、嚥下困難者が喫食し易い食品物性に調整されている嚥下調整食とそれらの製造方法に関する。
現在、高齢者の人口の増加に伴い、食物を飲み込む身体的機能が低下した嚥下困難者の人口も増加する傾向にある。また、人にとって食べることは楽しみの一つであり、嚥下困難者にとっても、経口喫食可能な食品を選ぶことは、重要なこととなっている。さらに、嚥下困難者にとって、水のようにさらっとした食物は、嚥下時に誤って気管に食物が入る所謂誤嚥が生じやすく、それが原因で誤嚥性肺炎をおこすことがしばしば認められる。また、粘着性のある食物は喉につかえ、窒息の危険性もある。
そこで特許文献1には、嚥下困難者が喫食し易い食品として、魚肉、畜肉類あるいは総菜に増粘剤、ゲル化剤を添加して加熱処理し、ゲル化あるいはゾル化するなどの工夫が行われている。しかし、増粘剤、ゲル化剤を添加した食品は喫食時に再加熱し一定温度を超えると、ゲル化した食品が再度液状化し誤嚥の恐れがあり、喫食時の温度が制限される問題がある。さらに、ゲル化剤を添加した従来の嚥下困難者用ムースは、製造工程で多量の水を加えるため味が薄くなり、美味しくないことから食欲が減退し、必要な栄養を十分に摂取できないという問題もあった。
嚥下困難者すなわち高齢者や病弱者などの咀嚼嚥下機能障害をもつ人も、経口喫食する食事で栄養分を摂取し、体力回復することが重要であり、嚥下調整食は、美味しく、そして効率よく栄養分を摂取できることも重要な要素ひとつである。そこで、本願出願人は鋭意研究の結果、喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるように、ゲル化剤や増粘剤を使用せずに、コーンスターチを使用し調整された食品組成物である嚥下困難者用ムース状食品を発明した。
一方、医療や介護の現場では、病院・施設・在宅における医療関係者や福祉関係者が連携して使用できる嚥下調整食の分類が求められ、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会が、「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」(非特許文献1)を提案し、現在では多くの現場においてこの分類が使用されている。
特開平7-250652号公報
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013,日摂食嚥下リハ会誌,17(3):255-267,2013
ここで、上述の嚥下困難者用ムース状食品は、再加熱して美味しく喫食可能ではあるが、咽頭での残留状況を考慮すると、咀嚼嚥下機能障害をもつ人の能力状況に合わせて、さらに嚥下し易い分類に属する嚥下調整食の要望もあった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その具体的目的は、嚥下困難者にとって、安全においしく食べられることで、必要な栄養を十分摂取することが可能であり、さらに詳しくは、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013におけるコード2(嚥下調整食2)に分類され、軽くふわふわとした食感を有する嚥下調整食であるスフレ様ムース状食品、及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、嚥下困難者が喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるように増粘剤、ゲル化剤を使用しないで調整された嚥下調整食であって、魚肉、畜肉類あるいは総菜から成り、衣を有さない健常者が食べる完成品のおかず例えば、豚肉の生姜焼き、肉じゃが、塩鮭焼きなどに、ふわふわとした食感を形成し全体を取り纏める生卵と、吸水性を有するパン粉と、食べやすさの助けとなる牛乳と、栄養価を高める生クリームと、全体を一体として取りまとめ粘度の調整の助けとなる里芋と、付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸とが含有されているスフレ様ムース状食品の発明が含まれる。
本発明のスフレ様ムース状食品は、ゲル化剤や増粘剤を使用していないので、喫食時に再加熱をしても、形態に変化は無く、離水することも無い安定した状態で喫食可能である。また、健常者が食べる完成品のおかずをミキシングする際に加水し、薄めることが無いので全体の味が薄まらず、おかずの味がよくわかり、全体として味や香りなどの嗜好性を満足させる感覚機能を有する美味しいスフレ様ムース状食品となる効果がある。
本発明には、前記スフレ様ムース状食品の全体100.0質量%に対して、前記生卵を8.0質量%~12.0質量%、前記パン粉を5.0質量%~8.0質量%、前記牛乳を12.0質量%~16.0質量%、前記生クリームを20.0質量%~36.0質量%、前記里芋を5.0質量%~13.0質量%、前記中鎖脂肪酸を1.0質量%~4.0質量%含有する構成が含まれる。
本発明のスフレ様ムース状食品は、上述した通り以前より馴れ親しんだ食材を使用し、嚥下困難者が喫食可能となるように、口腔内での付着度を抑えつつも一体性を保つふわふわとした食感と、嚥下時におけるのど越しの良さ、さらに再加熱時も離水しない保水力を備える配合で調整しているので、本発明品は熱々の状態でも喫食可能であり、例えば、豚肉の生姜焼きや塩鮭焼きなどの風味を有し、嚥下困難者の嗜好性を満足させる感覚機能を有する。
本発明には、嚥下困難者が喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるように増粘剤、ゲル化剤を使用しないで調整された嚥下調整食であって、魚肉、畜肉類あるいは総菜から成り、衣や皮など吸水性を有する食材を多く含む健常者が食べる完成品のおかず例えば、天ぷらや豚カツや餃子やシュウマイなどに、全体のふわふわとした食感を形成し取りまとめる生卵と、食べやすさの助けとなる牛乳と、栄養価を高める生クリームと、全体を一体として取りまとめ粘度の調整の助けとなる里芋と、付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸とが含有されているスフレ様ムース状食品の発明が含まれる。
本発明のスフレ様ムース状食品は、完成品のおかずに衣や皮など吸水性を有する食材が多く使用されているのでパン粉を加えなくても保水力を有し、さらに、ゲル化剤や増粘剤を使用していないので、喫食時に再加熱をしても、形態に変化は無く、離水することも無い安定した状態で喫食可能である。
本発明には、前記スフレ様ムース状食品の全体100.0質量%に対して、前記生卵を8.0質量%~12.0質量%、前記牛乳を12.0質量%~16.0質量%、前記生クリームを20.0質量%~36.0質量%、前記里芋を5.0質量%~13.0質量%、前記中鎖脂肪酸を1.0質量%~4.0質量%含有する構成が含まれる。
本発明のスフレ様ムース状食品は、上述した通り以前より馴れ親しんだ食材を使用し、熱々の状態でも喫食可能であり、嚥下困難者の嗜好性を満足させる感覚機能を有するだけではなく、中鎖脂肪酸が含有されることで口腔内での付着性を低減し、嚥下時ののど越しを助ける効果が期待できる。さらに、中鎖脂肪酸は通常の植物油と違い、水になじみやすい特長を持つことで、一般的な植物油に比べ4~5倍速く分解され、エネルギーとなり栄養補給効果を有することから、食が細くなり十分な栄養摂取が出来ない人に有効である。
本発明には、嚥下困難者が喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるようにゲル化剤や増粘剤を使用せずに調整された嚥下調整食の製造方法であって、健常者が食べる完成品のおかずを調理するおかず調理工程と、前記おかず調理工程で得られたおかずの粗熱をとる冷却工程と、前記おかず調理工程で得られたおかずにパン粉と卵と牛乳と生クリームと里芋と中鎖脂肪酸とを其々所要量加え混合し攪拌及び液状化する液状化工程と、前記液状化した混合物を網で濾して容器に小分けし所用温度にスチーム加熱しムース状にする加熱工程と、前記加熱工程で得られた物を冷凍する冷凍工程とからなることを特徴とするスフレ様ムース状食品の製造方法の発明が含まれる。
本発明のスフレ様ムース状食品は、健常者が食べる完成品のおかずに、以前より親しみのある食材を加え調整され、再加熱をしても水分と固形分が分離(離水)しないことなど嚥下困難者にとって喫食し易く、さらに詳しくは、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013におけるコード2(嚥下調整食2)に分類される食品物性でありながら、味や香りなどの嗜好性を満足させる感覚機能をも有し、食欲を減退することも無く、さらに、少量でも栄養補給効果が期待できる構成であることから、嚥下困難者が十分な栄養摂取が出来る効果もある。
本発明の豚肉の生姜焼きスフレ様ムース状食品を製造する材料配合量を示す表である。 本発明のトンカツスフレ様ムース状食品を製造する材料配合量を示す表である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
以下の実施形態で表記する各成分の含有量はスフレ様ムース状食品全体に対する割合で標記している。
本発明のスフレ様ムース状食品は、健常者が食べる完成品のおかず、例えば、豚肉の生姜焼き、肉じゃが、塩鮭焼き、ハンバーグなどに、全体のふわふわとした食感を形成し取りまとめる生卵と、水を吸収して保持するパン粉と、ミキサーで粉砕攪拌を可能にすると共に口当たりを良くし食べやすくするための牛乳と、栄養価を高めるための生クリームと、全体を一体として取りまとめる助けとなり全体の粘度調整になる里芋と、付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け、さらに、早期の栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸が含有されていれば良い。
本発明のスフレ様ムース状食品に使用する生卵は、全体のふわふわとした食感を形成し取りまとめるために使用するが、スフレ様ムース状食品の食品物性を安定させるために使用するには、スフレ様ムース状食品の全体100質量%に対して、生卵を8.0質量%~12.0質量%の範囲で使用することが好ましく、さらに、9.0質量%~11.0質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また、牛乳は本発明のスフレ様ムース状食品の製造工程において、ミキサーで全体を液状化するための粉砕攪拌を可能とすると共に、完成したスフレ様ムース状食品の口当たりを良くし、食べやすくするために使用するが、スフレ様ムース状食品の全体100質量%に対して、牛乳を12.0質量%~16.0質量%の範囲で使用することが好ましく、さらに、13.0質量%~15.0質量%の範囲で使用することがより好ましい。
本発明のスフレ様ムース状食品に使用する生クリームは、乳脂肪分42.0%の物を栄養分増強の目的で使用するが、スフレ様ムース状食品の全体100質量%に対して、生クリームを20.0質量%~36.0質量%の範囲で使用することが好ましく、さらに、23.0質量%~35.0質量%の範囲で使用することがより好ましい。
本発明においてパン粉は、健常者が食べる完成品のおかず、例えば、豚肉の生姜焼き、肉じゃが、塩鮭焼き、ハンバーグなどのスフレ様ムース状食品で水分を吸収して保持するために使用するが、スフレ様ムース状食品の全体100質量%に対して、パン粉を5.0質量%~8.0質量%の範囲で使用することが好ましく、さらに、6.5質量%~7.5質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また、健常者が食べる完成品のおかずの内、天ぷら、トンカツ、餃子やシュウマイなど衣や皮として、水を吸収して保持する素材の小麦粉や片栗粉やパン粉などを多く含むおかずのスフレ様ムース状食品の場合は、上述した衣や皮を有さないおかずの場合と違いパン粉を付加する必要は無い。
本発明において里芋は、加熱成形する食品の全体を取りまとめるつなぎとして使用されるが、生の里芋や冷凍の里芋を使用すれば良い。また、その割合は液状化した全体の粘度の程度を確認しながら、その使用量を適宜調整するが、その粘度の目安としては、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013におけるとろみの段階2中間とろみ程度に調整する。そのためには、スフレ様ムース状食品の全体100質量%に対して、里芋を5.0質量%~13.0質量%の範囲で使用することが好ましく、さらに、6.0質量%~7.5質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また、本発明のスフレ様ムース状食品には、口腔内での付着性を下げると共に、嚥下時の、のど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる食用油脂として、中鎖脂肪酸を採用すれば良い。中鎖脂肪酸は通常の植物油、所謂長鎖脂肪酸と違い、水になじみやすい特長を持ち、糖などと同様に小腸から吸収され直接肝臓で分解されるので、一般的な植物油に比べ4~5倍速く分解されエネルギーになる栄養補給効果を有することから、食が細くなり十分な栄養摂取が出来ない人に有効であるので中鎖脂肪酸のみを使用した。上記を考慮し、スフレ様ムース状食品の全体100質量%に対して中鎖脂肪酸を1.0質量%~4.0質量%含有することが好ましく、さらに、1.1質量%~2.0質量%含有することがより好ましい。
本発明のスフレ様ムース状食品の製造方法は、健常者が食べる完成品のおかず、例えば、豚肉の生姜焼き、肉じゃが、塩鮭焼き、ハンバーグ、天ぷら、トンカツ、餃子やシュウマイなどの内選択する一つのおかずの粗熱を取り、スフレ様ムース状食品の全体100質量%に対して、生卵を8.0質量%~12.0質量%、牛乳を12.0質量%~16.0質量%、生クリームを20.0質量%~36.0質量%、パン粉を0.0質量%~8.0質量%、里芋を5.0質量%~13.0質量%、中鎖脂肪酸を1.0質量%~4.0質量%の割合で配合し、ミキサーまたはブレンダーなどで、混合し攪拌及び液状化し、液状化した混合物を網で濾して容器に小分けし、スチームコンベクションオーブンを使用して95度で20分間加熱し、その後、ブラストチラーで冷却し急速冷凍機で冷凍する。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で適宜変更して実施できる。
スフレ様ムース状食品は図1、及び図2に記載の比率に従い製造した。なお、使用した主な原材料は下記の通りである。
牛乳:協同乳業株式会社製 農協牛乳 生乳100%
生クリーム:高梨乳業株式会社製 乳脂肪分42.0%
中鎖脂肪酸:日清オイリオグループ株式会社製
図1豚肉の生姜焼きスフレ様ムース状食品、及び図2トンカツスフレ様ムース状食品に記載した配合に従い、原料を調整、秤量し、以下に記載した手順で嚥下調整食であるスフレ様ムース状食品を製造した。
図1に記載の豚肉の生姜焼きスフレ様ムース状食品の場合、最初に豚肉を生姜焼きのたれに30分程度漬け込み、フライパンにサラダ油をひき、漬け込んだ豚肉を炒める。炒めた生姜焼きの粗熱をとり、図1に記載の配合で、生姜焼きと、生卵と、牛乳と、生クリームと、中鎖脂肪酸と、パン粉と、里芋のすべてをバイタミックス社製ハイパワーブレンダーに入れ、完全に混合され液状化するまで数分間攪拌する。次に液状化した物を網で濾した後、容器に小分けして蓋をして、スチームコンベクションオーブンを使用して95℃で20分間加熱する。生卵とパン粉と里芋のつなぎ効果で、全体が固形化すると共に殺菌もされた豚肉の生姜焼きスフレ様ムース状食品の完成品を得た。その後、ブラストチラーで冷却し急速冷凍機で冷凍する。
図2に記載のトンカツスフレ様ムース状食品の場合、先ず厚切りの豚肉を少し叩き、塩コショウで下味を付けます。次に、小麦粉、卵、パン粉で衣を付けて、170度から180度の油でカラッときつね色になるまで揚げてトンカツを完成させます。完成させたトンカツの粗熱をとり、図2に記載の配合で、トンカツと、生卵と、牛乳と、生クリームと、中鎖脂肪酸と、里芋のすべてをバイタミックス社製ハイパワーブレンダーに入れ完全に混合され液状化するまで数分間攪拌する。さらに、液状化した物を網で濾した後、容器に小分けして蓋をして、スチームコンベクションオーブンを使用して95℃で20分間加熱する。生卵と衣と里芋のつなぎ効果で、全体が固形化すると共に殺菌もされたトンカツスフレ様ムース状食品の完成品を得た。その後、ブラストチラーで冷却し急速冷凍機で冷凍する。
豚肉の生姜焼きスフレ様ムース状食品やトンカツスフレ様ムース状食品以外の他のメニューも、おかずの一般的な調理方法以外は、豚肉の生姜焼ムースやトンカツスフレ様ムース状食品と略同様の手順で製造できる。
また、本発明のスフレ様ムース状食品は、喫食時に電子レンジで再加熱して熱々の状態にして喫食できる。例えば、600Wの電子レンジで2分程度加熱すると約80℃~約90℃になるが、その状態でも、離水しないことが確認できた。一方、従来のゲル化剤を使用したムース食は再加熱の際に70℃を超えると液状化するために、熱々の状態で喫食することが出来ない。
さらに、本発明のスフレ様ムース状食品は、嚥下内視鏡検査(Videoendoscopic evaluation of swallowing:VE)で、咽頭内視鏡(カメラ)を鼻から挿入し、カメラの先端が咽頭に達する位置で、本発明のスフレ様ムース状食品を飲み込んだ後の咽頭内の残留物を観察して、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013におけるコード2(嚥下調整食2)に分類される食品物性であることが確認できた。
本発明の嚥下調整食であるスフレ様ムース状食品は、従来の人工的なゲル化剤を使用せず、以前より親しみのある食材を主要成分として調整され、再加熱をしても離水しないことなど、嚥下困難者にとって喫食し易い食品物性でありながら、味や香りなどの嗜好性を満足させる感覚機能をも有し、さらに、栄養補給効果が期待できる構成であるため、嚥下困難者が少量でも十分な栄養摂取が出来き、嚥下困難者の健康と福祉に資することが可能なものである。

Claims (5)

  1. 嚥下困難者が喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるように増粘剤、ゲル化剤を使用しないで調整された嚥下調整食であって、
    魚肉、畜肉類あるいは総菜から成り衣を有さない健常者が食べる完成品のおかずと、
    全体のふわふわとした食感を形成する生卵と、
    吸水性を有するパン粉と、
    食べやすさの助けとなる牛乳と、
    栄養価を高める生クリームと、
    全体を一体として取りまとめ粘度の調整の助けとなる里芋と、
    付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸とが含有されていることを特徴とするスフレ様ムース状食品。
  2. 前記スフレ様ムース状食品の全体100.0質量%に対して、
    前記生卵を8.0質量%~12.0質量%、
    前記パン粉を5.0質量%~8.0質量%、
    前記牛乳を12.0質量%~16.0質量%、
    前記生クリームを20.0質量%~36.0質量%、
    前記里芋を5.0質量%~13.0質量%、
    前記中鎖脂肪酸を1.0質量%~4.0質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のスフレ様ムース状食品。
  3. 嚥下困難者が喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるように増粘剤、ゲル化剤を使用しないで調整された嚥下調整食であって、
    魚肉、畜肉類あるいは総菜から成り衣を有する健常者が食べる完成品のおかずと、
    全体のふわふわとした食感を形成する生卵と、
    食べやすさの助けとなる牛乳と、
    栄養価を高める生クリームと、
    全体を一体として取りまとめ粘度の調整の助けとなる里芋と、
    付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸が含有されていることを特徴とするスフレ様ムース状食品。
  4. 前記スフレ様ムース状食品の全体100.0質量%に対して、
    前記生卵を8.0質量%~12.0質量%、
    前記牛乳を12.0質量%~16.0質量%、
    前記生クリームを20.0質量%~36.0質量%、
    前記里芋を5.0質量%~13.0質量%、
    前記中鎖脂肪酸を1.0質量%~4.0質量%含有することを特徴とする請求項3に記載のスフレ様ムース状食品。
  5. 嚥下困難者が喫食時に所要温度に再加熱して喫食可能となるようにゲル化剤や増粘剤を使用せずに調整された嚥下調整食の製造方法であって、
    健常者が食べる完成品のおかずを調理するおかず調理工程と、
    前記おかず調理工程で得られたおかずの粗熱をとる冷却工程と、
    前記おかず調理工程で得られたおかずに、パン粉と卵と牛乳と生クリームと里芋とを其々所要量加え混合し攪拌及び液状化する液状化工程と、
    前記液状化した混合物を網で濾して容器に小分けし所要温度に加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程で得られた物を冷凍する冷凍工程とからなることを特徴とするスフレ様ムース状食品の製造方法。
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