JP7298317B2 - 電子時計の制御方法および電子時計 - Google Patents
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Description
このため、前記メータの1目盛で1m単位の水深を表示する場合、水深の表示単位は1分の目盛当たりの表示が0mから30mまでは1m、30mから80mまでは2mとなる。これにより、時刻の目盛をメータの目盛として利用する場合に比べて、分解能を保ちながら表示範囲を拡張することができる。
図1は、第1実施形態の電子時計1を示す正面図である。
電子時計1は、ユーザーの手首に装着されるダイバーズクオーツウィッチであり、外装ケース2と、カバーガラスと、裏蓋とを備えている。外装ケース2内には、文字板3と、図2に示すムーブメント10と、ムーブメント10で駆動される指針60とが設けられている。また、外装ケース2の側面には、操作部であるAボタン5およびBボタン6が設けられている。
ムーブメント10は、圧力センサー11、水検知センサー12、制御装置20、モーター駆動回路30、モーター40、輪列50を備えている。また、図示を略すが、ムーブメント10には、水晶振動子を用いた発振回路や、電源となる電池なども設けられる。
水検知センサー12は、水検知センサー12に水が接触すると導通し、電子時計1が水中に入水したことや、水中から退水したことを検知するセンサーである。
環境推定部21は、圧力センサー11の測定値に基づいて、潜水中であるか否かと、潜水中であればその深度、つまり水深を推定する処理部である。環境推定部21は、水検知センサー12から電子時計1が入水したと判断できる検出信号が入力されると、圧力センサー11を起動して圧力を測定する。環境推定部21は、圧力センサー11の起動中は、所定時間間隔、例えば1秒毎に圧力測定を行う。
環境推定部21は、圧力センサー11の測定値が、予め設定した水深に相当する所定値を超えた場合に潜水開始と判断する。本実施形態の電子時計1では、後述するように、潜水モードとして、比較的浅い水深で潜るシュノーケリングモードと、シュノーケリングモードに比べてより深い水深まで潜るダイバーモードとを選択できる。このため、潜水開始を判断する前記所定値も、シュノーケリングモードでは水深50cmの閾値を設定し、ダイバーモードでは水深1.5mの閾値を設定している。
環境推定部21は、水検知センサー12によって電子時計1が退水したことを検知した場合、圧力センサー11を停止する。環境推定部21は、再度、水検知センサー12によって電子時計1の入水を検知すれば、圧力センサー11を再度起動し、退水を検知すれば圧力センサー11を再度停止する。
モーター40は、時計用に用いられるステッピングモーターであり、本実施形態では、第1モーター41、第2モーター42、第3モーター43、第4モーター44を備える。
輪列50は、モーター40のローターの回転力を伝達して各指針を運針するものであり、本実施形態では、第1モーター41で駆動される第1輪列51と、第2モーター42で駆動される第2輪列52と、第3モーター43で駆動される第3輪列53と、第4モーター44で駆動される第4輪列54とを備える。
図1に示すように、時針61、分針62、秒針63は、文字板3の平面中心位置に文字板3を貫通して設けられる3本の指針軸にそれぞれ取り付けられたセンター針である。
副針64は、文字板3の平面中心位置に対して10時方向に設けられたサブダイヤル3Aの位置に設けられている。
サブダイヤル3Aの外周には、バッテリー残量ゲージ72と、潜水モードを指示する目盛S、目盛Dとが設けられている。副針64は、時針61、分針62、秒針63で現在時刻を表示する通常モードでは、バッテリー残量ゲージ72を指示し、潜水モードでは、目盛Sまたは目盛Dを指示する。このため、副針64およびサブダイヤル3Aを備えるアナログ表示部は、電子時計1の動作モードを表示するモード表示部として機能し、副針64はアナログ表示部のモード針である。
目盛Sは、潜水モードにおいて、シュノーケリングやスキンダイビングのように比較的浅い水深で潜る場合のモードを示す目盛である。
目盛Dは、潜水モードにおいて、ダイビングのようにスキンダイビングなどに比べてより深い水深で潜る場合のモードを示す目盛である。
以下、副針64が目盛Sを指示する状態をシュノーケリングモードあるいはSモードとし、目盛Dを指示する状態をダイバーモードあるいはDモードとする。
これらの潜水モードの違いは、水深を指針で指示する場合に、表示分解能が異なり、指針を1周させた際に表示可能な水深範囲が異なる点にある。
例えば、時針61で水深を指示する場合で説明すると、Sモードでは、1目盛つまり1分の目盛が指示する水深は10cmであり、時針61が12時位置つまり0分の目盛71から1周つまり360°回転すると、水深0cmから水深600cmつまり水深6mまでの水深を指示できる。
一方、Dモードでは、1目盛つまり1分の目盛が指示する水深は1mであり、時針61が0分の目盛71から1周つまり360°回転すると、水深0mから水深60mまでの水深を指示できる。
すなわち、Sモードを第1モード、Dモードを第2モードとすると、時針61が6°回転した際の第1モードの第1表示分解能は10cmであり、第2モードの第2表示分解能は1mである。つまり、第1表示分解能は、時針61が6°回転して1つの目盛71分だけ移動した場合の水深の変化量が10cmであることを示す。また、第2表示分解能は、時針61が6°回転した場合の水深の変化量が1mであることを示す。
このため、第2表示分解能は、第1表示分解能よりも大きく、第1表示分解能の10倍の値である。また、前述したように、第1モードでは、潜水開始と判断する閾値HS1は50cmであり、第2モードでは、潜水開始と判断する閾値HD1は1.5mである。したがって、閾値HS1が第1モードの潜水開始を判断する第1閾値であり、閾値HD1が第2モードの潜水開始を判断する第2閾値であり、第2閾値は第1閾値よりも大きな値である。
Dモードにおいて、水深60mを超えた場合、つまり時針61が1周した場合も、針位置制御部23は、1m深くなる毎に1分毎の目盛71を時針61で指示する制御を継続する。このため、時針61が、例えば、5分の目盛71を指示する場合に、1周目であり5mを指示しているのか、2周目であり65mを指示しているのかは、時針61のみでは区別できない。そこで、時針61が2周目、つまり60m以上になった場合は、副針64を一定範囲で往復運針する、いわゆるスワイプ動作を行うことで、ユーザーが時針61が2周目の水深を指示することを把握できるようにしている。なお、副針64を一定範囲で往復運針する代わりに、サブダイヤル3Aに2周目であることを示す目盛「D2」を新たに設け、この目盛を副針64で指示することで指示してもよい。また、電子時計1を振動させたり、音を鳴らしたり、発光ダイオードを設けて点灯させることで、時針61が2周目であることを指示してもよい。
また、Sモードにおいて、水深6mを超えた場合にDモードに移行せずに、Sモードのままで水深を指示するようにした場合も、Dモードと同様に、副針64を往復運針させたり、サブダイヤル3Aに新たな目盛「S2」を設けたりして指示すればよい。これにより、ユーザーは、時針61が5分の目盛71を指示している場合に、水深50cmであるか、水深650cmであるかを判別できる。
さらに、時針61が3周目以上回転する可能性がある場合も同様に対応すれば良い。
電子時計1の制御装置20は、電子時計1の入水前は、モーター駆動回路30を介して、第1モーター41、第2モーター42、第3モーター43を制御し、時針61、分針62、秒針63で現在時刻を指示するステップS1の通常モードを実行する。
制御装置20は、通常モードの実行中に、ステップS2を実行し、電池電圧Vが第1閾値V1を超えているか否かを判断する。制御装置20は、ステップS2でNOと判定すると、ステップS2の判定処理を継続する。このステップS2の判定を行うのは、電池電圧が低いレベルで、圧力センサー11や水検知センサー12を作動させたり、後述する潜水モードを実行すると、電池電圧の低下で制御装置20が停止し、水深や潜水時間などの潜水情報をユーザーに提供できなく恐れがあるためである。ステップS2でNOの場合は、電子時計1を入水しても通常モードのままであるため、ユーザーは電池電圧が低いことを把握でき、電池交換や電池充電などで対応できる。
環境推定部21は、作動された水検知センサー12によって、ステップS4の入水が検知されたか否かの判定処理を実行する。制御装置20は、ステップS4でNOと判定した場合、電池電圧Vが第1閾値V1以下に低下したかを判定するステップS5の処理を実行する。
制御装置20は、ステップS5でYESと判定した場合、環境推定部21によって水検知センサー12の電源をオフするステップS6の処理を実行し、ステップS1の通常モードに戻る。
環境推定部21は、ステップS5でNOと判定した場合は、ステップS4の判定処理を継続する。
このプレ潜水モードを設定した理由は以下の通りである。
例えば、電子時計1を腕に装着したユーザーが、川遊びなどで電子時計1を装着した腕を水の中に入れた場合も、水検知センサー12は入水を検知する。このため、入水検知のみで潜水モードに移行すると、潜水時間の計時などの無駄な処理を実行してしまう。
一方、入水検知時には通常モードを維持し、圧力センサー11で測定した水圧が所定の水深条件に該当した場合に、通常モードから潜水モードに移行するように設定することも考えられる。この場合は、実際にダイビングなどを行っている場合でも、水深が浅い状態では潜水モードに切り替わらないため、電子時計1が故障しているとユーザーが誤認する可能性がある。
このため、本実施形態の電子時計1では、入水検知時に直ちに潜水モードに移行せず、一旦、プレ潜水モードに移行し、圧力センサー11で測定した水圧が所定の水深条件、具体的には前述したように水深が閾値HS1、閾値HD1以上になった場合に、潜水モードに移行して潜水時間の計時を開始するようにしている。
プレ潜水モードの処理について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
[プレダイバーモード]
制御装置20は、ステップS10のプレ潜水モードを実行すると、初期設定であるステップS11のプレダイバーモードを実行する。ステップS11では、針位置制御部23は、図5に示すように、時針61、分針62、秒針63による時刻表示を継続し、第4モーター駆動回路34を介して第4モーター44を制御し、副針64で目盛Dを指示する。
制御装置20がステップS12でNOと判定した場合、環境推定部21は、圧力センサー11で測定した水圧に基づいて推定した水深Hが、第2モードであるダイバーモードへの移行条件である閾値HD1以上になったか否かを判定するステップS13を実行する。閾値HD1は、例えば、水深1.5mであるが、この閾値HD1は1.5mに限定されず、1.2mや2.0m等、他の値を設定してもよい。
制御装置20は、環境推定部21がステップS13でYESと判定した場合、ステップS10のプレ潜水モードを終了し、第2モードであるダイバーモードに設定した状態で後述するステップS30の潜水モードを実行する。
環境推定部21は、ステップS14でYESと判定した場合、水検知センサー12の電源をオフするステップS15の処理を実行し、ステップS1の通常モードに戻る。
制御装置20は、環境推定部21がステップS14でNOと判定した場合、ステップS11のプレダイバーモードに戻る。
制御装置20は、ステップS12でYESと判定した場合、ステップS16のプレシュノーケリングモードを実行する。ステップS16では、針位置制御部23は、図示は略すが、時針61、分針62、秒針63による時刻表示を継続し、第4モーター駆動回路34を介して第4モーター44を制御し、副針64で目盛Sを指示する。
制御装置20は、環境推定部21がステップS18でYESと判定した場合、ステップS10のプレ潜水モードを終了し、第1モードであるシュノーケリングモードに設定した状態で後述するステップS30の潜水モードを実行する。
環境推定部21は、ステップS19でYESと判定した場合、水検知センサー12の電源をオフするステップS20の処理を実行し、ステップS1の通常モードに戻る。
制御装置20は、環境推定部21がステップS19でNOと判定した場合、ステップS16のプレシュノーケリングモードに戻る。
したがって、プレ潜水モードでは、ダイバーモードやシュノーケリングモードへの移行条件に該当した場合と、退水を検知した場合に、プレ潜水モードから他のモードに移行する。また、制御装置20は、プレ潜水モード時に、ユーザーが操作部であるAボタン5を長押ししたことを検知すると、潜水モードを、第1モードであるシュノーケリングモードと、第2モードであるダイバーモードとに交互に切り替える。このため、ユーザーは、Aボタン5を長押しすることで、第1モードおよび第2モードを選択できる。また、以下に説明する潜水モードの実行中は、制御装置20は、ユーザーがAボタン5を長押ししても第1モードおよび第2モードの変更を制限している。
制御装置20は、プレ潜水モードのステップS13、S18でYESと判定し、潜水モードへの移行条件に該当した場合、図3に示すように、ステップS30の潜水モードを実行する。
制御装置20は、潜水モードを実行すると、図6に示すように、ステップS31の潜水時間表示処理と、ステップS40の水深表示処理とを1秒毎に実行する。
なお、プレ潜水モードでは、時針61、分針62、秒針63は現在時刻を指示しているため、針位置制御部23は、潜水モードの開始時に、モーター駆動回路30、モーター40、輪列50を介して、時針61、分針62、秒針63を初期位置である0分位置つまり12時の目盛71を指示する位置に移動する。
また、針位置制御部23は、潜水時間が1時間を超えた場合も、そのまま分針62および秒針63を正転させて潜水時間を表示し続ける。このため、潜水時間が10分の場合と70分の場合とで、分針62および秒針63の指示は同じである。
制御装置20は、現在の潜水モードがダイバーモードであるかシュノーケリングモードであるかを判定するステップS41を実行する。なお、図7では、第2モードであるダイバーモードをDモード、第1モードであるシュノーケリングモードをSモードと表示する。
制御装置20は、シュノーケリングモードに設定されている場合、圧力センサー11の測定値に基づく水深Hがダイバーモードへの移行閾値HD3以上であるか否かを判定するステップS42を実行する。本実施形態では、移行閾値HD3は6m、つまり10cm毎に時針61が1目盛つまり6°回転するシュノーケリングモードにおいて、時針61が1周360°回転すること、つまり水深Hが6mに達したことをダイバーモードへの移行条件としている。ただし、移行閾値HD3は6mに限定されず、ダイバーモードで潜水モードに移行する1.5mに設定しても良いし、1.5m~6mの間で設定してもよいし、6m以上で設定してもよい。この移行閾値HD3は、第1モードから第2モードに移行する水深を判定する第3閾値である。
ステップS44の実行後、あるいは、ステップS41でダイバーモードと判定された場合、針位置制御部23は、ステップS45を実行し、時針61でダイバーモードでの水深表示を行う。すなわち、1目盛71毎に1mのスケールで指示される水深の位置に時針61を移動し、水深を時針61によって第2表示分解能で表示する。例えば、図9に示す例では、時針61が15分の目盛71を指示しているため、水深15mを指示していることになる。また、図9では、分針62および秒針63で表示する潜水時間は、24分35秒経過している状態を示す。
制御装置20は、ステップS32でYESの場合は、時針61、分針62、秒針63で現在時刻を表示するステップS33の時刻表示処理を実行する。この際、時針61、分針62、秒針63は、それぞれ独立した第1モーター41、第2モーター42、第3モーター43で駆動されるため、水深および潜水時間の指示位置から現在時刻を指示するために、各指針の移動量が少ない方向に移動し、移動後は通常の時刻表示の運針を行う。
制御装置20は、ステップS34でYESの場合は、ステップS31に戻り、潜水時間表示処理と、水深表示処理とを継続して実行する。
制御装置20は、ステップS35でYESと判定した場合は、水深が浅い位置まで浮上しているため、図3に示すステップS10のプレ潜水モードを実行する。プレ潜水モードに移行すると、潜水時間計時部22による潜水時間の計時は終了し、針位置制御部23は、時針61、分針62、秒針63で現在時刻を表示する。
制御装置20は、ステップS36でYESと判定すると、ステップS1の通常時刻表示処理を実行する。制御装置20は、ステップS36でNOと判定した場合、ステップS31に戻り、潜水時間表示処理および水深表示処理を実行する。
プレ潜水モードを実行せずに退水を検知する判定条件を設定したのは、例えば、水深1m程度の浅瀬の海底でシュノーケリングを行っている状態からユーザーが立ち上がって水面から出ることで、圧力センサー11で水圧の変化を検出する前に、水検知センサー12が退水を検知するような場合である。
また、潜水モードで水深が閾値未満になるとプレ潜水モードに戻り、プレ潜水モードまたは潜水モードで退水を検知すると、通常モードに戻る。
電子時計1は、シュノーケリングモードとダイバーモードとの2つのモードを選択でき、各モードに応じて水深を指示する時針61の表示分解能を、第1表示分解能または第2表示分解能に切り替えるので、時針61が指示する水深を視認し易くでき、水深の変化も容易に把握できる。
すなわち、シュノーケリングモードの場合は、第1表示分解能を10cmと小さくでき、水深の変化が小さい場合でも、その変化を時針61で指示することができる。このため、0mから6m程度の範囲で潜水することが多い、シュノーケリングやスキンダイビング時に適した水深表示ができる。
また、ダイバーモードの場合は、第2表示分解能を1mと大きくでき、時針61が1周する間に0mから60mの範囲まで水深を表示できる。このため、深く潜水するユーザーが必要とする水深情報を表示できる。すなわち、電子時計1は、水深を表示できる範囲と指針の読み取りやすさとを両立できる。
圧力センサー11で測定した水圧に基づいて、水深を推定する環境推定部21を備え、潜水モードでは、時針61によって水深を指示するため、潜水時間に加えて水深も表示できる。
時針61、分針62、秒針63を独立して駆動できる構成を採用したので、通常モード時に時刻表示を行う指針と、潜水モード時に水深および潜水時間を表示する指針とを兼用できる。このため、指針の数を少なくでき、電子時計1の表示部のデザインをシンプルにできる。
潜水時間計時部22は、圧力センサー11で測定した圧力に基づき、環境推定部21が推定した水深が所定値以上となった場合、具体的には、ダイバーモードでは閾値HD1以上となった場合であり、シュノーケリングモードでは閾値HS1以上になった場合に、潜水時間の計時を開始している。このため、例えば、ユーザーが水面に浮かんでいる場合や、日常生活時に電子時計1に水がかかった場合のように、入水を検知しても実際に潜水していない状態で潜水時間の計時を開始することを防止でき、潜水時間を正確に測定できる。
また、環境推定部21は、第1モードであるシュノーケリングモードに設定されている場合、水深が第1閾値である閾値HS1以上の場合に潜水開始と判断し、第2モードであるダイバーモードに設定されている場合、水深が第1閾値よりも大きな第2閾値である閾値HD1以上の場合に潜水開始と判断しているので、各モードに応じて潜水開始を適切に判断できる。
また、分針62で潜水時間の分を表示し、秒針63で潜水時間の秒を表示しているため、秒針63が正常に運針していることをユーザーは容易に確認でき、これにより電子時計1が正常に機能していることを容易に認識できる。すなわち、秒針63は1秒運針であるため、5秒毎に運針する分針62や、水深を指示するため一定間隔で運針しない時針61に比べて、異常運針した場合にユーザーは容易に確認できる。このため、秒針63が正常に運針していることで、電子時計1が正常であることをユーザーは容易に認識できる。
さらに、時刻表示に切り替えてから、一定時間無操作で経過すれば、自動的に潜水情報の表示に戻るため、ユーザーの利便性を向上できる。
第1実施形態では、潜水モード時にAボタン5を操作してもモードの切り替えを制限していたが、Aボタン5でモードを切り替えるようにしてもよい。
また、第1実施形態では、時針61が2周目に入る場合に、副針64を往復運針していたが、水深Hがモードに応じて予め設定した閾値以上となった場合に、副針64を往復運針することで、ユーザーに対してそれ以上は潜水しないように通知してもよい。この潜水防止を通知する閾値は、モードに応じて予め設定した値、例えば、ダイバーモードでは60mと設定してもよいし、ユーザーが閾値を設定できるようにしてもよい。
なお、シュノーケリングモードでは水深が第3閾値になるとダイバーモードに移行するため、潜水防止を通知する閾値を設けなくてもよい。
第1実施形態では、秒針63は、潜水モード時に潜水時間の秒を指示していたが、現在時間の秒の指示を継続してもよい。すなわち、通常モードでは、現在時刻を時針61、分針62、秒針63で表示し、潜水モードでは、時針61で水深を指示し、分針62で潜水時間の分を表示し、秒針63で現在時刻の秒を表示してもよい。
この場合、潜水時間の秒を確認することができないが、実用上は潜水時間の分を確認できればよく、潜水時間の秒を確認できなくても潜水時間の把握に大きな影響を与えることはないためである。
また、分針62で潜水時間の分を表示し、秒針63が現在時刻の秒を表示している場合も、秒針63が正常に運針し続けることで、ユーザーは電子時計1が正常に機能していることを容易に認識できる。
次に、第2実施形態の電子時計1Bについて説明する。電子時計1Bは、潜水モード時の潜水時間および水深の表示方法が第1実施形態の電子時計1と相違する。このため、潜水モード時の潜水情報の表示について以下に説明する。
電子時計1Bは、潜水モードに移行すると、Aボタン5やBボタン6の操作によって、潜水時間表示モード、水深表示モード、時刻表示モードを切り替える。電子時計1Bのサブダイヤル3Bには、図10に示すように、バッテリー残量ゲージ72と、シュノーケリングモードでの潜水時間表示モードを示す目盛STと、シュノーケリングモードでの水深表示モードを示す目盛SHと、ダイバーモードでの潜水時間表示モードを示す目盛DTと、ダイバーモードでの水深表示モードを示す目盛DHとが表示されている。
ここで、最大水深とは、現在の潜水時、つまり潜水モードに移行後、潜水モードを抜けてプレ潜水モードや通常モードに移行するまでの間で最も水深が大きい値である。ただし、時針61で表示する最大水深を、当日の潜水モードでの最大水深の表示に切り替えたり、過去の最大水深の表示に切り替えることができるように設定してもよい。
時刻表示モードの実行中に、ユーザーがAボタン5を押すと、潜水時間表示モードに切り替わり、針位置制御部23は、時針61、分針62、秒針63で潜水時間を表示する。すなわち、潜水情報を表示するモードから時刻表示モードへはBボタン6の操作で切り替わり、時刻表示モードでAボタン5を押すと、潜水情報の初期表示モードである潜水時間表示モードに切り替わる。
その他の構成や動作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
電子時計1Bは、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、潜水モード時に、潜水時間表示モードと、水深表示モードとを切り替えるので、潜水時間を時針61、分針62、秒針63で表示でき、潜水時間が1時間以上になった場合でもユーザーは潜水時間を容易に把握できる。また、水深表示モードでは、分針62による現在の水深表示に加えて、時針61によって最大水深の表示を行うことができるので、水深に関するより多くの情報を表示でき、ユーザーの利便性を向上できる。例えば、ユーザーは、最大水深に対する現在の水深を把握することで、潜水状況を容易に判断できる。
また、時刻表示モード時は、副針64はバッテリー残量ゲージ72を指示するため、時針61、分針62、秒針63で現在時刻を表示していることをユーザーは容易に把握できる。
電子時計1Bは、3種類の表示モード、つまり潜水時間表示モード、水深表示モード、時刻表示モードの切り替えに、Aボタン5およびBボタン6の2つのボタンを用いていたが、いずれか1つのボタンのみで切り替えてもよい。
例えば、潜水モードに移行した場合の初期モードが潜水時間表示モードであり、潜水時間表示モード中にAボタン5を押すと水深表示モードに切り替わり、水深表示モード中にAボタン5を押すと時刻表示モードに切り替わり、時刻表示モード中にAボタン5を押すと潜水時間表示モードに切り替わるように構成してもよい。この場合、Aボタン5を押すだけで3種類のモードを切り替えることができるので、切替時の操作性を向上できる。なお、各モードの切替時に副針64が指示する目盛が切り替わる点は第2実施形態と同じである。
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、図11に示す電子時計1Cのように、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等を用いたデジタル表示部4を設け、このデジタル表示部4で時針61、分針62、秒針63が指示する情報の種類を示す表示モードを表示してもよい。
例えば、第1実施形態の電子時計1において、モード表示部としてサブダイヤル3Aおよび副針64の代わりにデジタル表示部4を設ける場合は、デジタル表示部4で「Dモード」や「Sモード」を表示すればよい。また、第2実施形態の電子時計1Bにおいて、サブダイヤル3Bおよび副針64の代わりにデジタル表示部4を設ける場合は、デジタル表示部4に「DTモード」、「DHモード」、「STモード」、「SHモード」を表示すればよい。また、各表示モードにおいて、水深が所定の閾値、例えば60m以上となった場合に、前記閾値を超えたことを示すメッセージをデジタル表示部4に表示してもよい。
電子時計1Cでは、サブダイヤル3A、3Bおよび副針64を不要にできるので、第4モーター駆動回路34、第4モーター44、第4輪列54も無くすことができ、電子時計1Cの小型化、薄型化を実現しやすい。
なお、電子時計1Cにおいて、潜水モードやプレ潜水モードに移行していない通常モードや、潜水モード時にボタン操作で切り替わる時刻表示モード時には、デジタル表示部4でバッテリー残量を表示してもよいし、デジタル表示部4の表示をオフしてもよい。
また、前記各実施形態では、潜水モードとして、ダイバーモードとシュノーケリングモードとの2つのモードを設けていたが、3種類以上のモードを設けても良い。この場合、水深を指示する時針61や分針62の表示分解能も3段階以上に設定することで、時針61が1周360°移動する場合の水深表示範囲を3段階以上に設定できる。
前記実施形態では、水検知センサー12を設け、水検知センサー12で入水を検知した場合に圧力センサー11を作動するようにしていたが、水検知センサー12を設けずに圧力センサー11のみを設けてもよい。なお、圧力センサー11のみを設けた場合は、圧力センサー11を常時作動させるために消費電力が増加するため、例えば、ダイバーモードのみを設けた電子時計において、水深1.5mに相当する圧力が加わるまでは、圧力センサー11の動作間隔を例えば5分間隔などと長く設定し、水深1.5m以上になったと推定できた場合に圧力センサー11の動作間隔を1秒毎などに短く設定することで、消費電力の低減を図ってもよい。
ダイバーモードにおいても、1目盛(1分)で50cmの表示分解能とし、時針61が360°回転した場合に、50cm×60分=30mとなるように設定してもよいし、1目盛(1分)で2mの表示分解能とし、時針61が360°回転した場合に、2m×60分=120mとなるように設定してもよい。
Claims (7)
- 第1指針と、
前記第1指針を移動する第1モーターと、
第2指針と、
前記第2指針を移動する第2モーターと、
圧力を測定する圧力センサーと、
ユーザーが操作可能な操作部と、
モードを表示するモード表示部と、を備える電子時計の制御方法であって、
表示分解能が異なる複数のモードから前記操作部の操作に応じてモードを選択し、
前記圧力センサーで測定した圧力に基づいて潜水開始を検知すると、前記第1モーターおよび前記第2モーターを制御し、
前記圧力から推定した水深を、選択された前記モードで前記第1指針を用いて表示し、
前記潜水開始を検知して計時を開始した潜水時間を、前記第2指針を用いて表示し、
選択された前記モードを前記モード表示部に表示し、
前記操作部によって前記モードを選択した後に、前記潜水開始を検知した場合は、前記操作部の操作によるモード変更を制限する
ことを特徴とする電子時計の制御方法。 - 第1指針と、
前記第1指針を移動する第1モーターと、
第2指針と、
前記第2指針を移動する第2モーターと、
圧力を測定する圧力センサーと、
モードを表示するモード表示部と、を備える電子時計の制御方法であって、
前記圧力センサーで測定した圧力に基づいて潜水開始を検知すると、前記第1モーターおよび前記第2モーターを制御し、
前記圧力から推定した水深を、表示分解能が異なる複数のモードから選択されたモードで前記第1指針を用いて表示し、
前記潜水開始を検知して計時を開始した潜水時間を、前記第2指針を用いて表示し、
選択された前記モードを前記モード表示部に表示し、
前記複数のモードは、前記表示分解能が第1表示分解能である第1モードと、前記表示分解能が前記第1表示分解能に比べて大きい第2表示分解能である第2モードとを備え、
前記第1モードに設定されている場合、前記水深が第1閾値以上の場合に前記潜水開始と判断し、
前記第2モードに設定されている場合、前記水深が前記第1閾値よりも大きな第2閾値以上の場合に前記潜水開始と判断する
ことを特徴とする電子時計の制御方法。 - 第1指針と、
前記第1指針を移動する第1モーターと、
第2指針と、
前記第2指針を移動する第2モーターと、
前記第1モーターを駆動する第1モーター駆動回路と、
前記第2モーターを駆動する第2モーター駆動回路と、
圧力を測定する圧力センサーと、
ユーザーが操作可能な操作部と、
前記圧力センサーで測定した圧力に基づいて水深を推定して潜水開始を検知する環境推定部と、
前記環境推定部で前記潜水開始を検知すると、潜水時間の計時を開始する潜水時間計時部と、
前記第1モーター駆動回路および前記第2モーター駆動回路を介して前記第1モーターおよび前記第2モーターを制御し、前記環境推定部で推定した水深を、表示分解能が異なる複数のモードから選択されたモードで前記第1指針を用いて表示し、前記潜水時間計時部で計時された潜水時間を、前記第2指針を用いて表示させる針位置制御部と、
選択された前記モードを表示するモード表示部と、
を備え、
前記針位置制御部は、
前記操作部の操作に応じて前記モードを選択し、
前記操作部によって前記モードを選択した後に、前記環境推定部で前記潜水開始を検知した場合は、前記操作部の操作によるモード変更を制限する
ことを特徴とする電子時計。 - 第1指針と、
前記第1指針を移動する第1モーターと、
第2指針と、
前記第2指針を移動する第2モーターと、
前記第1モーターを駆動する第1モーター駆動回路と、
前記第2モーターを駆動する第2モーター駆動回路と、
圧力を測定する圧力センサーと、
前記圧力センサーで測定した圧力に基づいて水深を推定して潜水開始を検知する環境推定部と、
前記環境推定部で前記潜水開始を検知すると、潜水時間の計時を開始する潜水時間計時部と、
前記第1モーター駆動回路および前記第2モーター駆動回路を介して前記第1モーターおよび前記第2モーターを制御し、前記環境推定部で推定した水深を、表示分解能が異なる複数のモードから選択されたモードで前記第1指針を用いて表示し、前記潜水時間計時部で計時された潜水時間を、前記第2指針を用いて表示させる針位置制御部と、
選択された前記モードを表示するモード表示部と、
を備え、
前記複数のモードは、前記表示分解能が第1表示分解能である第1モードと、前記表示分解能が前記第1表示分解能に比べて大きい第2表示分解能である第2モードとを備え、
前記環境推定部は、
前記第1モードに設定されている場合、前記水深が第1閾値以上の場合に前記潜水開始と判断し、
前記第2モードに設定されている場合、前記水深が前記第1閾値よりも大きな第2閾値以上の場合に前記潜水開始と判断する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項3または請求項4に記載の電子時計において、
前記複数のモードは、前記表示分解能が第1表示分解能である第1モードと、前記表示分解能が前記第1表示分解能に比べて大きい第2表示分解能である第2モードとを備え、
前記針位置制御部は、前記第1モードに設定され、前記環境推定部で推定した水深が第3閾値以上の場合、前記第2モードに移行する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記モード表示部は、
モードを表す目盛および前記目盛を指示するモード針とを備えるアナログ表示部、または、モードを表示するデジタル表示部で構成される
ことを特徴とする電子時計。 - 第1指針と、
前記第1指針を移動する第1モーターと、
第2指針と、
前記第2指針を移動する第2モーターと、
前記第1モーターを駆動する第1モーター駆動回路と、
前記第2モーターを駆動する第2モーター駆動回路と、
圧力を測定する圧力センサーと、
前記圧力センサーで測定した圧力に基づいて水深を推定して潜水開始を検知する環境推定部と、
前記環境推定部で前記潜水開始を検知すると、潜水時間の計時を開始する潜水時間計時部と、
前記第1モーター駆動回路および前記第2モーター駆動回路を介して前記第1モーターおよび前記第2モーターを制御し、
潜水時間表示モードでは、前記潜水時間計時部で計時された潜水時間を、前記第1指針および前記第2指針を用いて表示させ、
水深表示モードでは、表示分解能が異なる複数のモードから選択されたモードで、潜水開始後の最大水深を前記第1指針を用いて表示し、前記環境推定部で推定した水深を前記第2指針を用いて表示させる針位置制御部と、
選択された前記モードを表示するモード表示部と、
を備え、
前記水深表示モードは、前記表示分解能が第1表示分解能である第1モードと、前記表示分解能が前記第1表示分解能に比べて大きい第2表示分解能である第2モードとを備え、
前記環境推定部は、
前記第1モードに設定されている場合、前記水深が第1閾値以上の場合に前記潜水開始と判断し、
前記第2モードに設定されている場合、前記水深が前記第1閾値よりも大きな第2閾値以上の場合に前記潜水開始と判断する
ことを特徴とする電子時計。
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