JP7297691B2 - 流体機械、及び、そのメンテナンス方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流体機械のメンテナンスに関する。
流体機械として、例えば、空気等の気体を圧縮する圧縮機では、各部の流体の温度や圧力等が予め設定された正常値であるかどうかを検出する検出手段を内蔵しており、ある検出手段が検出した値が正常値を逸脱する場合に、前記圧縮機の制御装置が故障発生と判断し、その故障から復旧させるための操作方法を前記圧縮機に搭載の表示装置に表示させる技術が知られている。この種の従来技術としては、例えば、特許文献1がある。
特許文献1においては、エアフィルタの目詰まりを検出するエアフィルタ検出手段と、吐出温度検出手段と、吐出圧力検出手段と、オイルフィルタの目詰まりを検出するオイルフィルタ検出手段と、モータ電流を検出する電流検出手段と、スクリュー圧縮機に故障が発生したときに各検出手段が検出したデータと故障原因とを記憶する記憶装置と、圧縮機の運転を制御する制御装置と、入力手段と、表示手段を備える。記憶装置は圧縮機の操作手順フローを記憶しており、トラブルシューティング時には記憶手段に記憶した故障データと操作手順フローとが表示された表示手段の出力に基づいて入力手段から対話形式で操作信号を入力する。
特開平2-157486号公報
特許文献1は、主に圧縮機に不具合が発生した場合の不具合原因探索と復旧方法に関して記載されており、圧縮機の表示装置に操作手順や故障対策手順が表示され、操作者は表示された手順に従って圧縮機を操作することができる。しかしながら、例えば、ある故障対策を完了させるための操作の主体者は操作者であり、あくまで、圧縮機は操作者が入力した操作に従って運転を行うため、操作者が誤った入力を行った場合でもその通りに圧縮機は運転し、結果として、故障対策が完了できなかったり、完了までより長い時間がかかったりする可能性がある。
また、特許文献1においては、メンテナンスを行う場合も、操作手順が表示装置に表示される点で前述の不具合発生時の原因探索方法と同じ問題がある。また、メンテナンスのために多くの操作手順を必要とする場合も想定されるが、操作者の負担と作業時間を低減する方法や、操作者の感覚、慣熟度、経験によって操作方法にばらつきが生じ、それによって目的とするメンテナンスが不完全であったり、非効率的になったりする可能性への対策に関する具体的な言及はなされていない。
本発明の目的は、操作者の感覚や慣熟度、経験といった影響を可能な限り低減しつつ、流体機械のメンテナンスをより安全に、確実に、効率良く実施できるようにすることである。
本発明、その一例を挙げるならば、圧縮機本体と、圧縮機本体を駆動する駆動装置と、表示兼入力装置を備えた流体機械であって、制御装置と、流体機械の状態を検出する検出装置を有し、制御装置は、表示兼入力装置を介して所定のメンテナンスモードが選択されると、表示兼入力装置に、第1作業の指示と、第1作業の完了を確認する入力部を表示し、入力部を介し第1作業の完了が入力されると、流体機械が第1所定運転を実施し、検出装置の検出した物理量と表示兼入力装置への入力操作によって、第1所定運転が完了したかどうかを判断する一連の順序動作の最初を第1ステップとし、予め設定された第nステップまで1番目から順に行うように構成する。
本発明によれば、操作者の感覚や慣熟度、経験といった影響を可能な限り低減しつつ、メンテナンスをより安全に、確実に、効率良く実施できる流体機械、及びそのメンテナンス方法を提供できる。
実施例1における圧縮機の構成要素を示す系統図である。 実施例1における圧縮機に表示されるメンテナンスメニュー画面である。 実施例1における圧縮機に表示される油交換モード画面である。 実施例1における圧縮機が備える油交換モードのフローチャートの前半部分である。 実施例1における圧縮機が備える油交換モードのフローチャートの後半部分である。 実施例2における圧縮機に表示される試運転モード画面である。 実施例2における圧縮機が備える試運転モードのフローチャートの前段部分である。 実施例2における圧縮機が備える試運転モードのフローチャートの中間部分である。 実施例2における圧縮機が備える試運転モードのフローチャートの後段部分である。
以下、図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、流体機械として空冷式の無給油式二段スクリュー圧縮機を用いて説明する。図1は本実施例における圧縮機の構成要素を示す系統図である。
図1に示す無給油式二段スクリュー圧縮機は、気体(本実施例では空気)を吸入して圧縮し、吐出するように構成されている。図1の圧縮機100は、空気を二段階に分けて圧縮する構成となっており、低圧段圧縮機本体101と、高圧段圧縮機本体102が駆動されることで、空気を吸入し、圧縮、吐出する。
低圧段圧縮機本体101と、高圧段圧縮機本体102と、モータ103と、オイルポンプ105は、増速装置ケース104に固定される。低圧段圧縮機本体101の駆動軸先端部に低圧段ピニオン107が、高圧段圧縮機本体102の駆動軸先端部に高圧段ピニオン108が取り付けられており、モータ103の駆動軸には、駆動軸の根元側からブルギヤ106、オイルポンプピニオン109が嵌合されている。ブルギヤ106は、低圧段ピニオン107と高圧段ピニオン108と相互に噛み合い、また、オイルポンプピニオン109はオイルポンプギヤ110と噛み合っており、モータ103が駆動し、ブルギヤ106が回転することで、低圧段圧縮機本体101、高圧段圧縮機本体102、及び、オイルポンプ105が駆動される。
モータ103によって、低圧段圧縮機本体101と高圧段圧縮機本体102が駆動されると、周囲大気よりエアフィルタ601を介して空気を吸い込み、吸い込まれた空気は吸込空気経路401を介して、低圧段圧縮機本体101に流入する。低圧段圧縮機本体101は、所定の圧力まで空気を圧縮し、圧縮空気は低圧段吐出空気経路402を通って、インタークーラ201に流入する。インタークーラ201は空冷式の熱交換器であり、冷却ファン204で生起された冷却風で高温の圧縮空気が冷却される。インタークーラ201で冷却後の圧縮空気は、高圧段吸込空気経路403を通り、高圧段圧縮機本体102へ流入し、そこでより高い圧力に空気を圧縮する。高圧段圧縮機本体102から吐出された高圧の圧縮空気は、高圧段吐出空気経路404を通り、アフタークーラ202へ流入する。アフタークーラ202もインタークーラ201と同様の空冷式の熱交換器であり、冷却ファン204の冷却風によって圧縮空気を冷却する。アフタークーラ202で冷却された圧縮空気は、吐出空気経路405を通り、圧縮空気の需要先へと供給される。
低圧段圧縮機本体101、高圧段圧縮機本体102、増速装置ケース104、オイルポンプ105には、図示しない内部の回転体を支持する軸受が内蔵されており、また、ブルギヤ106、低圧段ピニオン107、高圧段ピニオン108、オイルポンプピニオン109、オイルポンプギヤ110はそれぞれ噛み合いながら回転することから、これらの機械部品には一般的に潤滑剤が必要であり、本実施例では潤滑油が増速装置ケース104の下部に貯留されている。潤滑油は給油口111を介して補給することができる。以降、潤滑油を省略して単に油と称することもある。
モータ103によって、オイルポンプ105が駆動されると、潤滑油が、増速装置ケース104の下部に設置されたストレーナ602より吸い込まれ、吸込油配管412を通り、オイルポンプ105に流入し、吐出される。オイルポンプ105より吐出された潤滑油は吐出油経路413を通り、空冷式の熱交換器であるオイルクーラ203で冷却された後、主給油経路414へ送出される。主給油経路414の途中にはオイルフィルタ603が設置されている。また、主給油経路414は低圧段給油経路415と、高圧段給油経路416と、増速装置給油経路417とに分岐し、低圧段圧縮機本体101、高圧段圧縮機本体102、増速装置ケース104へと潤滑油を供給する。また、潤滑油を排出する場合は、増速装置ケースの最下部に配置された第1排油経路411、及び、主給油経路414から分岐する第2排油経路418を介し、排油弁309を開放することで排出できる。
圧縮空気経路上には、圧縮機が無負荷運転を行う場合や、運転を停止した際に圧縮空気経路に残留する圧縮空気を外部に放出するための放気装置があり、放気弁301及び放気弁302は低圧段圧縮機本体101の吐出側から、高圧段圧縮機本体102の吸込側までの、インタークーラ201を含む空気経路上の圧縮空気を放出し、放気弁303及び放気弁304は高圧段圧縮機本体102の吐出側から逆止弁305までの空気経路上の圧縮空気を外部に放出する。
吐出空気経路405上には、圧縮機の運転、停止と連動して開閉する吐出自動弁306が設置され、その下流には圧縮機と圧縮空気需要先の境界となる仕切り弁308が設置され、圧縮機のメンテナンス時を除き、仕切り弁308は常時開放される。吐出自動弁306と仕切り弁308の途中から、メンテナンス用放気経路406が分岐し、その先にメンテナンス弁307が設置され、メンテンナンス時を除き、メンテナンス弁307は常時閉鎖される。
圧縮機内部の各所には、制御装置703が圧縮機の運転状態が正常であるか判断したり、圧縮機の運転を制御したりするために、各種検出器が設置されており、吸込空気経路401上に吸込圧力センサ501、低圧段吐出空気経路402上に低圧段吐出空気温度センサ505、高圧段吸込空気経路403上に高圧段吸込空気圧力センサ502と、高圧段吸込空気温度センサ506、高圧段吐出空気経路404上に高圧段吐出空気温度センサ507、吐出空気経路405上に吐出空気圧力センサ503を備える。また、主給油経路414上に、油圧センサ504と油温センサ508を備える。
さらに、増速装置ケース104内に貯留される潤滑油の油面位置を検出するために、油面位置検出器509を内包する油面計ケース112が下側連通路113と上側連通路114を介して増速装置ケース104に接続されており、これらの連通路を介することで、増速装置ケース104内の油面位置と油面計ケース112内の油面位置は同じ高さとなるため、油面位置検出器509は増速装置ケース104と同じ油面位置を検出できる。なお、OLは実際の油面高さであって、HH、HM、HLは、後述する基準となる所定の油面高さであって、それぞれ、高、中、低の基準油面高さを示す。
圧縮機の操作は、表示兼入力装置701に入力され、入力値に基づき、制御装置703が圧縮機の全ての電気電子装置の制御出力をする。また、制御装置703には圧縮機内部の各種検出器からの入力を受け、予め記憶装置702に設定されたプログラムに基づき、圧縮機の運転状態を監視、判断して、制御を行う。なお、図1においては、制御装置703と各種電気電子装置及び各種検出器との制御線は、省略している。
アンテナ704は、圧縮機100に内蔵の各種検出機器が検出している値や記憶装置702に保存されている情報を、通信ネットワーク801を介して、外部のサーバ802に対し、送受信するための無線送受信装置である。
図示しない遠隔地の閲覧者は、外部のサーバ802に保存された圧縮機の情報を、各種情報端末を介して閲覧することができる。
図2は、本実施例における圧縮機の操作者が表示兼入力装置701で使用するメンテナンスメニュー画面である。図2において、メンテナンスメニュー画面900では、その中に油交換モードボタン902a、試運転モードボタン902b、その他のメンテナンスAモードボタン902c、その他のメンテナンスBモードボタン902d、等の複数のボタンが同時に表示される。メンテナンスメニュー画面900には、現在の吐出空気圧力の表示901も表示され、メンテンナンスメニューの操作中でも操作者は現在の吐出空気圧力を確認できる。潤滑油の交換を行う場合は、操作者が油交換モードボタン902aを選択することで図3の油交換モード画面910が表示され、以下に示す、油交換モードの処理フローが開始される。
図4A及び図4Bは、本実施例における、図1の圧縮機が行う油交換モードのフローチャートである。なお、図4Aと図4Bは接続点Aで接続されており、一連のフローチャートであるが、紙面の都合で2分割している。
圧縮機は一般的に駆動部品に潤滑油が必要であり、潤滑油は運転時間の増加や経年的に劣化が進むことから定期的な交換が必要となる。本実施例で実行する油交換モードは、圧縮機の使用者やメンテナンス作業者の経験、慣熟度によらず、容易にかつ確実に適切な潤滑油の交換を可能にする機能である。
図4Aと図4Bにおいて、油交換モードは、大まかに圧縮機内部の潤滑油の排出動作を行う第1ステップST1と、潤滑油の補給動作を行う第2ステップST2から構成される。
まず、図4Aにおける第1ステップST1を説明する。図4Aにおいて、手順S101として、圧縮機は表示兼入力装置701に図3に示す油交換モード画面910を表示し、その表示上に第1作業指示である「排油弁を開けよ」という油交換モードのメッセージ903aと、作業完了ボタン905と、中止ボタン906を同時に表示し、操作者にどちらかのボタンの選択を求める。作業完了ボタン905、または、中止ボタン906は、それらが表示された部分に操作者が触れることで所定の選択が可能である。
手順S102は、手順S101の入力結果に応じて判断する手順である。操作者が作業完了ボタン905を選択すると、第1作業指示、即ち、排油弁操作作業が完了したと判断し、次の手順S103へ進む。もし、操作者が中止ボタン906を選択すれば、油交換モードは中止と判断し、最初のメンテナンスメニュー画面900に戻る。
手順S103では、圧縮機は潤滑油の排出を促進するための排油促進動作を行う。圧縮機の構造によっては、潤滑油の排出に時間がかかる場合があり、劣化した古い潤滑油が十分に排出されない状態で新しい潤滑油を補給すると、新しい潤滑油も劣化が促進される可能性がある。そういった状況を防止するために、圧縮機が短時間運転することで、潤滑油の排出を促進し、排出完了までの時間を短縮することができる。
本実施例では、圧縮機は制御装置703内に図示しないインバータなどの周波数変換装置を内蔵する可変速形の圧縮機であり、手順S103を実行すると、インバータが最低運転周波数fminを持つ電力を排油動作時間to秒間だけモータ103に供給し、モータ103は最低運転周波数fminに応じた回転速度で回転する。モータ103の回転によって、オイルポンプピニオン109とオイルポンプギヤ110を介して、オイルポンプ105が駆動されるため、排油弁309のみを開放する場合よりも短時間で圧縮機内部の潤滑油を排出することができる。
最低運転周波数fminは、圧縮機が運転可能な運転周波数の中でもっとも小さい値であるが、潤滑油の排出を促すだけであり、また、排油動作中は圧縮機内部の駆動部品への潤滑油の供給はほとんど行われないため、高速で運転する必要はないし、また出来る限り避けたほうがよい。同じ理由で排油動作時間toは十数秒程度の短時間でよい。
一方で、インバータなどの周波数変換装置で制御されず、電源設備の常時一定の周波数で電力が供給される一定速形の圧縮機の場合は、手順S103の排油動作であっても、圧縮機のモータ103は電源設備の周波数(50Hzまたは60Hz)に応じた回転速度で回転されることから、一定速形の圧縮機の排油動作時間toは、可変速形の場合よりも短く設定されるのが望ましい。
手順S103を実行後は、サブルーチンSR1を実行し、潤滑油の排出が問題なく行われたかどうか判断を行う。サブルーチンは、メインプログラムとは別に定義された関数であり、これをメインプログラム中に適宜読み込んでサブルーチン内の手順を実行するためのものである。
サブルーチンSR1内の手順SR101では、モータ103の停止後に表示兼入力装置701上に、排油完了を確認したことを操作者に入力させるための「排油完了確認」ボタンを表示する。次の手順SR102では、排油完了確認の入力があり、かつ、油面位置検出器509で検出した実際油面高さOLが、低油面高さHLよりも低い場合に、手順SR103に進む条件判断を行う。もし、実際油面高さOLが低油面高さHL以上である場合は、手順SR104にて、表示兼入力装置701に圧縮機の状態を示す表示として「排油不完全」を表示すると同時に、排油運転動作を再度実行させるための排油運転再実行ボタン、及び、排油運転動作を中止させるための中止ボタンを表示し、操作者にどちらかを選択させる。手順SR105において、もし、中止ボタンが選択された場合は、手順SR106にて排油運転動作を中止し、メンテナンスメニュー画面900に戻る。排油運転再実行ボタンが選択された場合は、手順S101へと戻り、再度、油交換モードの最初から前述の手順を再開する。
手順SR103では、表示兼入力装置701に「他のメンテナンスを行う場合は電源遮断が必要」という表示を行うと同時に、操作者に対し、油交換作業を継続する意思確認を行う「油交換作業を継続」ボタン、及び、油交換作業を一時中断し、他のメンテナンスを実施する意思確認を行う「他のメンテンナンスを実施」ボタンを表示する。一般的に、潤滑油の交換の際に、ストレーナ602の清掃・交換や、オイルフィルタ603の交換など定期的なメンテナンスも同時に行われることが多く、それらの定期メンテナンスは、潤滑油の排出後に行うほうが作業の効率がよい。
手順SR107で「油交換作業を継続」ボタンの選択があるかどうかを判断し、あれば、第1ステップST1を完了し、次の第2ステップST2へと進む。ない場合、即ち、「他のメンテナンスを実施」ボタンの選択がなされた場合、手順SR108へ進み、表示兼入力装置701に「電源を遮断せよ」という指示を表示し、同時に、圧縮機の状態フラグFSを油交換作業の一時中断を示す“1”に設定して保存する。状態フラグFSは電源遮断後であっても、保存された値を保持できるように記憶装置702内部の不揮発性メモリに格納される。手順SR109にて操作者の手で電源遮断及び再投入がされたと判定すると次の手順SR110に進み、手順SR110で状態フラグFS=1と判定すれば、第1ステップST1を完了し、次の第2ステップST2へと進む。FS=1でない場合は、手順SR111にて圧縮機の電源投入時に表示される通常モニタ画面を表示し、油交換モードは中止される。
次に、図4Bを用いて第2ステップST2を説明する。図4Bにおいて、手順S201で、圧縮機は表示兼入力装置701に第2所定作業指示である「油面が油面計の上限線に達するまで給油せよ」を表示し、同時に、操作者に前述の給油作業が完了したことを確認させる作業完了ボタン905と、油交換モードを中止する中止ボタン906を表示する。油面位置は、油面計ケース112の一部が透明となっている目視用油面計を通して、目視で確認することができ、目視した油面位置と油面位置検出器509が検出する実際油面高さOLはほぼ一致する。手順S202では作業完了ボタン905が選択されたかどうかを判断し、作業完了ボタン905が選択された場合は、手順S203へ進む。中止ボタン906が選択された場合は、手順S204へ進み、油交換モードを中止し、メンテナンスメニュー画面900へ戻る。
手順S203では、制御装置703がインバータに最低運転周波数fminでの電力供給を指示し、モータ103を最低運転周波数fminに応じた回転速度で駆動するとともに、オイルポンプ105を駆動する。モータ103の運転を油充填運転時間ti秒間だけ行い、その後、停止させる。これにより、増速装置ケース104の下部に貯留された潤滑油を圧縮機内部の潤滑油系統に充満させることができる。
次に給油量が十分かどうかを判断するためのサブルーチンSR2を実行する。手順S203を実施後は、増速装置ケース104に貯留されていた潤滑油量が減るため、実際油面高さOLは、前記第2所定作業指示に従って実施した給油直後の油面高さよりも下がる場合がある。手順SR201では、手順S203による油充填運転動作後の実際油面高さOLが、中油面高さHMより高い(OL>HM)場合は、累積の給油量が十分と判断し、手順SR203へ進み、そうでない場合は、給油量が不足していると判断されることから、手順S201の直前に手順を戻す。
手順SR203で、実際油面高さOLが高油面高さHHより高い(OL>HH)場合は、累積の給油量が多すぎることを意味し、手順SR204で、表示兼入力装置701に「排油弁を開き、油面計の上限線より油面を下げよ」等の作業指示を表示する。この表示に従って、操作者が排油弁309を開放し、余分な潤滑油を排出してゆき、手順SR205で、実際油面高さOLが高油面高さHHより低い(OL<HH)ことを検出すれば、手順SR206へ進み、表示兼入力装置701に「排油弁を閉じよ」という作業指示を表示し、続いて手順SR207へ進み、表示兼入力装置701に「油交換完了」を表示して、第2ステップST2を終了し、油交換モードを完了とする。
手順SR203でOL>HHを満たさない場合は、HH≧OL>HMであり、給油量が適量であると判断し、手順SR207へ進み、「油交換完了」を表示して、油交換モードを完了とする。
このように、第2ステップST2によって、適正な潤滑油量の状態で油交換作業を完了させることが可能となり、潤滑油の充填量不足による圧縮機の駆動部品の潤滑不良や給油温度上昇による不具合、または、充填量過剰による潤滑油の攪拌に伴う消費電力の増加といった好ましくない現象の発生を防ぐことができ、表示兼入力装置701に表示される作業指示に従って作業を行えるため、圧縮機の操作者やメンテナンスの作業者は別の取扱説明者等のマニュアルで逐一参照せずとも油交換が可能である。加えて、油面位置検出器509によって検出された油面位置に基づいて制御装置703が表示兼入力装置701上に作業指示を表示できることから、作業者は油面計を目視で確認する回数が低減されるため、作業能率向上に寄与できる。
このように、本実施例によれば、作業手順と共に、運転した結果の物理量を基に作業の完了を判断し、実際に運転した状態を確認しながら処理を進めることができる。よって、操作者の感覚や慣熟度、経験といった影響を可能な限り低減しつつ、流体機械のメンテナンスをより安全に、確実に、効率良く実施できる流体機械を提供できる。
本実施例は、圧縮機が実行する試運転モードについて説明する。
図5は、本実施例における試運転モード画面である。この試運転モード画面920は、図2におけるメンテナンスメニュー画面900において、試運転モードボタンを選択することで表示され、以下に示す、試運転モードの処理フローが開始される。
図6A、図6B、及び、図6Cは、本実施例における、図1で示した圧縮機が実行する試運転モードのフローチャートである。なお、図6A、図6B、及び、図6Cは接続点A、Bで接続されており、一連のフローチャートであるが、紙面の都合で3分割している。
試運転モードは、例えば、低圧段圧縮機本体101、または、高圧段圧縮機本体102、若しくはその両方を交換後、初めて圧縮機の運転を行う場合に好適な機能である。
本実施例における試運転モードは第1から第n番目の第1ステップST1~第nステップSTnを実施する。ここで、nは自然数を表す。各ステップの概要は、表示兼入力装置701にメンテナンス弁307の操作の作業指示を表示し、メンテナンス弁307の操作が完了したことを確認した後、ある所定の圧力で圧縮機を一定時間連続運転し、一定時間経過後に次ステップへ進んでも問題ないかどうかのサブルーチンSRを実行する構成となっている。
低圧段圧縮機本体101、または、高圧段圧縮機本体102、若しくはその両方を、新しいものに交換した後、初めて運転する場合、即ち、試運転を行う場合は、新しい圧縮機本体内部の部品のなじみが不十分な可能性があり、予期しない不具合の発生を防ぐために、吐出空気圧力センサ503が検出する吐出空気圧力Pdを大気圧から少しずつ上昇させ、最終的に、その圧縮機の定格の吐出空気圧力に到達させるのが好ましい。
本実施例において、圧縮機の定格吐出空気圧力Pdrが0.93MPa(以下断らない限り圧力はゲージ圧力を意味する)であるとすると、試運転モードで実行するステップの数nは、例えば、1ステップ間の仮定の圧力上昇値△Paを0.2MPaとすると、
n=Pdr/△Pa=0.93/0.2=4.65≒5
として求められる。よって、必要なステップ数は5となり、第1ステップST1から第5ステップST5まで、段階的に吐出空気圧力Pdをあげて圧縮機本体のなじみ運転を行う方法が考えられる。なお、前記nは、定格吐出流体圧力を仮定の圧力上昇値で除し、小数点以下を切り上げたが、四捨五入、または、切り捨てた後の自然数としてもよい。
前記のステップ数nの計算には、仮定の圧力上昇値△Pa=0.2MPaを用いたが、実際の圧力上昇値△Pは、前記ステップ数n=5を用いると、
△P=Pdr/n=0.93/5=0.186MPa
となり、この実際の圧力上昇△Pを用いると、各ステップで目標とする第1~第5所定圧力P1~P5は、
P1=0+△Pd=0+0.186≒0.19MPa
P2=Pd1+△Pd=0.186+0.186=0.372≒0.37MPa
P3=Pd2+△Pd=0.372+0.186=0.558≒0.56MPa
P4=Pd3+△Pd=0.558+0.186=0.744≒0.74MPa
P5=Pd4+△Pd=0.744+0.186=0.93MPa
と求められる。
まず、図6Aにおける第1ステップST1を説明する。図6Aにおいて、まず、図2のメンテナンスメニュー画面900にて試運転モードボタン902bが選択されると、最初のステップである第1ステップST1を開始し、手順S101にて表示兼入力装置701に図5に示す試運転モード画面920を表示し、第1作業指示として「メンテンナンス弁を全開にせよ」といった試運転モードのメッセージ903bを表示すると同時に、第1作業指示の確認を入力させる作業完了ボタン905、ならびに、試運転モードを中止する中止ボタン906を表示する。次に、手順S102にて、作業完了ボタン905の選択があれば、次の手順S103へと進み、ない場合、即ち、中止ボタン906の選択があった場合は、手順S104で試運転モードを中止し、メンテナンスメニュー画面900に戻る。
手順S103では、第1所定運転として、制御装置703がインバータより定格運転周波数frの電力をモータ103へ供給し、定格運転周波数frに応じた回転速度でモータ103が回転し、低圧段圧縮機本体101及び高圧段圧縮機本体102を駆動する。これと同時に、制御装置703内部のタイマtcをゼロクリアし、カウントを開始し、次のサブルーチンSR1へと進む。
図6AのサブルーチンSR1内の手順SR101では、吐出空気圧力センサ503が検出する吐出空気圧力Pdが第1所定圧力P1以下(Pd≦P1)であれば、手順SR102へ進み、手順SR102では前記タイマtcの値が判定時間ttよりも大きい(tc>tt)場合は第1ステップST1を終了し、次の第2ステップST2へと進む。これは、吐出空気圧力Pdがいきなり大きな圧力であるとなじみ運転にならないので、吐出空気圧力Pdが最初は最低圧である第1所定圧力P1よりも低い圧力かを判断するためである。
手順SR101において、吐出空気圧力Pdが第1所定圧力P1よりも大きい(Pd>P1)場合は手順SR103へと進む。手順SR103では、表示兼入力装置701に「異音、異常振動無きことを確認せよ」等の注意を促す表示を行うとともに、異常ないことを確認したことを入力させる「確認」ボタン、及び、異常が発生している状況であることを入力させる「異常あり」ボタンを表示させる。手順SR104にて、前記「確認」ボタンが選択されたと判断すれば、手順SR102に進み、前記タイマtcの値が判定時間ttよりも大きい(tc>tt)場合は、第1ステップST1を終了し、次の第2ステップST2へ進む。手順SR104で「確認」ボタンが選択されなかった場合、即ち、「異常あり」ボタンが選択された場合は、手順SR105へ進み、モータ103の運転を停止すると同時に、表示兼入力装置701に警報表示を行う。
吐出空気圧力Pdが第1所定圧力P1よりも大きい(Pd>P1)場合に手順SR103で異音や異常振動が無いこと確認させる注意表示を行う理由は、試運転モード時に段階的に上昇させる吐出空気圧力が所定の空気圧力よりも上昇してしまったことで異音や異常振動が発生するようであれば、直ちに圧縮機の運転を停止させることが機械を保護する観点で好ましいからである。
試運転モード時の吐出空気圧力は可能な限り大気圧力に近い圧力から開始させるのが好ましいため、最初のステップであるST1においてメンテナンス弁307を全開に操作者に指示する。メンテナンス弁307を全開にするため、このときの吐出空気圧力Pdは圧縮機内部の吐出空気経路からメンテナンス弁307までの圧力損失分を加えた吐出空気圧力となる。一般的に、メンテナンス弁307全開時の吐出空気圧力Pdはおおよそ0.05~0.15MPa程度となると予想されるが、メンテナンス弁307の位置は圧縮機の設置環境によって異なり、メンテナンス弁307が圧縮機から比較的離れた位置に設置された場合は前記圧力損失が増加するため、メンテナンス弁307全開時の吐出空気圧力Pdは上昇し、場合によっては第1所定圧力P1よりも高くなる可能性がある。そういった状況では、手順SR103において試運転モードを継続させるかどうか判断材料として異音や異常振動の有無を操作者に確認を促すことは有効である。
サブルーチンSR1において、第1所定圧力P1は、前述した計算方法により0.19MPaに設定しておく。判定時間ttは当該吐出空気圧力Pdにおける圧縮機の最低連続運転時間を意味し、例えば、tt=10分とする。この判定時間だけ連続運転すれば、低圧段圧縮機本体101及び高圧段圧縮機本体102内部の部品の温度がおおよそ安定し、所定圧力でのなじみ運転は十分であると判断する。また、前述の通り手順SR103から手順SR105は、もし吐出空気圧力Pdが第1所定圧力P1よりも高くなった場合に試運転モードを継続すべきかどうか判断するもので、作業者に異音や異常振動の有無を確認させ、試運転モードを継続するか圧縮機を停止させるか判断を行う手順である。
図6Bにおいて第2ステップST2へ進むと、手順S201では、第2作業指示として、表示兼入力装置701に「吐出空気圧力を“P2”MPaに調整せよ」等の指示を表示し、同時に、前記作業の完了を作業者に入力させるための作業完了ボタン905、及び、試運転モードの中止を入力させるための中止ボタン906を表示する。次の手順S202において、作業完了ボタン905が選択されたと判断すれば、その次の手順S203へと進み、中止ボタン906が選択された場合は、手順S204へ進み、そこで試運転モードを中止し、メンテナンスメニュー画面900へ戻る。
手順S203では、第2所定運転として定格運転周波数frでモータ103を駆動するが、第1ステップST1の手順S103で運転を開始以降、停止せずに連続運転となっている。また、ここでタイマtcを一旦ゼロクリアし改めてカウントを開始することで第2所定圧力でのなじみ運転に必要な時間を確保する。
手順S203の次にサブルーチンSR2を実行するが、図6AのサブルーチンSR1に対し、吐出空気圧力Pdに関する条件判断部分のみが異なる。
手順SR201では、なじみ運転の目標圧力として予め設定された第2所定空気圧力P2として、吐出空気圧力Pdが、P2-0.01以上、P2+0.01以下(P2-0.01≦Pd≦P2+0.01)となる条件を満たす場合は、手順SR202に進み、前記タイマtcの値が判定時間ttよりも大きい(tc>tt)場合に第2ステップST2を終了し、次のステップへと進む。吐出空気圧力Pdが前記条件を満たさない場合は手順SR203へと進む。
手順SR203では、吐出空気圧力Pdが第2所定圧力P2+0.01よりも大きい場合は、手順SR204へと進み、そうでない場合は、手順SR201の直前に戻る。手順SR204では、前記ステップST1と同様に、表示兼入力装置701に「異音、異常振動無きことを確認せよ」等の注意を促す表示を行うとともに、異常ないことを確認したことを入力させる「確認」ボタン、及び、異常が発生している状況であることを入力させる「異常あり」ボタンを表示させる。手順SR205にて、前記「確認」ボタンが選択されたと判断すれば、手順SR202に進み、前記タイマtcの値が判定時間ttよりも大きい(tc>tt)場合は、第2ステップST2を終了し、次の第3ステップST3へ進む。手順SR205で「確認」ボタンが選択されなかった場合、即ち、「異常あり」ボタンが選択された場合は、手順SR206へ進み、モータ103の運転を停止すると同時に、表示兼入力装置701に警報表示を行う。
ここで、手順SR201、手順SR203における圧力値の条件判断では、目標とする第2所定圧力P2に対し、圧力調整の誤差吸収として0.01MPaの裕度を持たせている。これは、吐出空気圧力センサ503や、作業者の手動によるバルブ操作の感度の問題により、所定圧力P2に全く誤差なく合わせようとすると、調整に時間がかかったり、一旦所定圧力に合わせたとしても、大気圧や周囲温度の変化によって吐出空気圧力の値が若干ずれたりすることがあるためである。±0.01MPa程度の裕度であれば、圧縮機本体のなじみ運転には特段影響がなく、調整代として裕度を設けることで作業時間の短縮に寄与できる。
この構成によれば、吐出空気圧力Pdが第2所定圧力P2と概略等しい状態でなじみ運転をさせる時間が判定時間ttより長くなれば、第2所定圧力P2でのなじみ運転を確保できたと判断することができる。
前述の通り、定格吐出空気圧力Pdr=0.93MPaの場合、段階上に吐出空気圧力Pdを定格吐出空気圧力Pdrまで昇圧させるのに、第5ステップST5まで必要である。ここで、第2ステップST2以降の、各ステップST3、ST4、ST5は、第2ステップST2において目標圧力となる所定圧力をP3、P4、P5に変えるのみであり、手順自体は同じである。また、各ステップ内のサブルーチンSR3、SR4、SR5についても、所定圧力P3、P4、P5が変更である以外、サブルーチンSR2と同一である。
図6Cは、第nステップSTnについて、一般形で示しており、手順SRn02でタイマtcの値が判定時間ttよりも大きい(tc>tt)場合は、手順S105へ進み、「試運転完了」を表示して、試運転モードを完了とする。
本実施例における効果としては、定格吐出空気圧力Pdrまで段階的に圧力上昇させる操作に関する作業者による違いの影響を可能な限り排除することができる。
例えば、ある作業者の場合、段階的な圧力上昇値△Pを小さくしすぎて、試運転の完了までに長時間を要したり、一方で、別の作業者の場合は圧力上昇値△Pを大きくしすぎたり、または、各所定圧力下でのなじみ運転時間が不十分なまま圧力を上昇していくことで圧縮機本体の予期しない故障の発生リスクを生じさせる可能性があった。
これに対して、本実施例によれば、各作業の指示、確認の入力受け付け、圧縮機の運転動作、及び、条件判断を行う一連の順序動作をひとつのステップとし、吐出空気圧力Pdが定格吐出空気圧力Pdrとなるまで前記ステップを繰り返すことで、作業者としては、圧縮機の表示兼入力装置701に表示される作業指示に従って弁の操作を行い、圧力調整をするのみで、所定圧力下での低圧段圧縮機本体101及び高圧段圧縮機本体102のなじみ運転の時間を十分に確保でき、より確実に試運転を完了させることができる。
このように、本実施例によれば、実施例1と同様に、作業手順と共に、運転した結果の物理量を基に作業の完了を判断し、実際に運転した状態を確認しながら処理を進めることができる。よって、操作者の感覚や慣熟度、経験といった影響を可能な限り低減しつつ、流体機械のメンテナンスをより安全に、確実に、効率良く実施できる流体機械を提供できる。
以上、実施例について説明したが、各実施例で説明した所定のメンテナンスモード実行中に圧縮機とは別に存在する遠方操作装置から圧縮機に対して操作入力があったとしても、非常停止入力以外の流体機械への入力は受け付けず、流体機械に設置の入力装置(表示兼入力装置)を介してのみ全般的な操作入力を受け付けるようにするとよい。
例えば、油交換モードの実行中で作業者が排油弁309を開放し排油作業を行っている場合に、遠方操作装置から圧縮機に対して運転信号が入力され、圧縮機が運転を開始すると、大量の潤滑油が排油弁309から噴出することで圧縮機の周囲を潤滑油で汚したり、圧縮機内部の駆動部品の潤滑が不足したりすることによって、圧縮機が故障する可能性がある。よって、油交換モードを実行中に、万が一、遠方操作装置からの操作入力があったとしても、その入力は受け付けないようにするほうが作業者はより安全に作業でき、かつ、製品故障の可能性を排除することができるため、好ましい。
また、実施例1において、油面位置検出器509が検出した油面高さと、作業者が目視する油面高さが異なる場合は、油面位置検出器509の機能を無効とするかどうかの選択肢を表示兼入力装置701に表示し、前記機能を無効とした場合は、規定量の油の充填を指示する作業指示と、前記油充填動作と、目視による油面高さが所定の条件を満たすかどうか確認するメッセージ、及び、前記確認の入力部を表示兼入力装置701に表示する一連の順序動作を前記所定の条件を満たすまで繰り返すようにしてもよい。
また、本発明は前述の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、実施例1で説明した流体機械は、2段式オイルフリー式スクリュー空気圧縮機を例に説明したが、この形式の流体機械に限定するものではなく、圧縮機本体を一つのみ備える単段式圧縮機であってもよいし、圧縮空気の冷却と封止、及び、図示しない雄雌一対のスクリューロータの摺動面の潤滑を目的として、圧縮機本体内部の圧縮室に潤滑油を注入する給油式圧縮機にも適用が可能である。
一般的に、給油式圧縮機ではオイルポンプが不要であるが、これは、圧縮空気の圧力によって潤滑油を油貯留部から潤滑油経路を介してオイルクーラで潤滑油を冷却後、再度、潤滑油経路を介して、空気を外気より吸い込む際に圧縮機本体内部で負圧となっている空間に戻し、圧縮機本体内部へ給油することができるためである。給油式圧縮機では、実施例1で説明した2段式オイルフリー式スクリュー空気圧縮機とは前記の構造的な違いがあるものの、各実施例で説明した各メンテナンスモードは問題なく適用が可能である。
同様に圧縮方式も実施例1における雄雌一対のスクリューロータを内包するツインスクリュー式に限らず、一本のスクリューロータと複数のゲートロータで構成されるシングルスクリュー式や、ツース式、レシプロ式等のあらゆる容積型圧縮機、及び、遠心式、軸流式のターボ圧縮機にも適用可能である。
また、実施例では、油交換モードと試運転モードを例に説明したが、それ以外のメンテナンス作業にも同様のプログラム構造を適用させることで実施することができる。
また、図3、図3、図5で示した各々の画面構成は、あくまで一例であり、各項目の表示位置、表示内容、文字の大きさ、言語の種類、色彩の組み合わせ等の視覚表現は様々の形態、組み合わせが想定可能である。油交換モードのメッセージ903aや、試運転モードのメッセージ903bは、所定の手順、条件が満たされた場合に予めプログラミングされた適切な内容が表示される。作業完了ボタン905や、中止ボタン906のほかにも、前述の通り油交換モードにおける排油運転再実行ボタンや、試運転モードにおける確認ボタン等が所定の手順、条件が満たされた場合に画面に表示されるものであり、特定の機能のボタンに限定するものではない。
100:圧縮機、101:低圧段圧縮機本体、102:高圧段圧縮機本体、103:モータ、104:増速装置ケース、112:油面計ケース、307:メンテナンス弁、509:油面位置検出器、701:表示兼入力装置、702:記憶装置、703:制御装置、900:メンテナンスメニュー画面、902a:油交換モードボタン、902b:試運転モードボタン、902c:メンテナンスAモードボタン、902d:メンテナンスBモードボタン、903a:油交換モードのメッセージ、903b:試運転モードのメッセージ、905:作業完了ボタン、906:中止ボタン、910:油交換モード画面、920:試運転モード画面、HH:高油面高さ、HM:中油面高さ、HL:低油面高さ、OL:実際の油面高さ。

Claims (6)

  1. 圧縮機本体と、前記圧縮機本体を駆動する駆動装置と、表示兼入力装置を備えた流体機械であって、
    前記流体機械の動作を制御する制御装置と、
    前記流体機械の状態を検出する検出装置を有し、
    前記制御装置は、前記表示兼入力装置を介して所定のメンテナンスモードが選択されると、前記表示兼入力装置に、1番目となる第1作業の指示と、該第1作業の完了を確認する入力部を表示し、前記入力部を介し前記第1作業の完了が入力されると、前記流体機械が第1所定運転を実施し、前記検出装置の検出した物理量と前記表示兼入力装置への入力操作によって、前記第1所定運転が完了したかどうかを判断する一連の順序動作の最初を第1ステップとし、予め設定されたn番目の第nステップまで1番目から順に行い、
    さらに、油貯留容器内の油面高さを検出する油面位置検出器を有し、
    前記制御装置は、前記表示兼入力装置で油交換モードが選択されると、排油作業指示と、該排油作業の完了を入力させるための入力部を前記表示兼入力装置に表示し、排油作業完了が入力されると、排油促進動作を実行後停止する一連の順序動作を第1ステップとし、次に、給油作業指示と、該給油作業の完了を入力させるための入力部を前記表示兼入力装置に表示し、給油作業の完了が入力されると、油充填動作を実行後停止し、前記油面位置検出器が検出した油面高さが所定の油面高さの条件を満たすかどうかの条件判断を行う一連の順序動作を第2ステップとし、前記油面位置検出器の検出した油面高さが所定の油面高さの条件を満たすまで、前記第2ステップの順序動作を繰り返すことを特徴とする流体機械。
  2. 圧縮機本体と、前記圧縮機本体を駆動する駆動装置と、表示兼入力装置を備えた流体機械であって、
    前記流体機械の動作を制御する制御装置と、
    前記流体機械の状態を検出する検出装置を有し、
    前記制御装置は、前記表示兼入力装置を介して所定のメンテナンスモードが選択されると、前記表示兼入力装置に、1番目となる第1作業の指示と、該第1作業の完了を確認する入力部を表示し、前記入力部を介し前記第1作業の完了が入力されると、前記流体機械が第1所定運転を実施し、前記検出装置の検出した物理量と前記表示兼入力装置への入力操作によって、前記第1所定運転が完了したかどうかを判断する一連の順序動作の最初を第1ステップとし、予め設定されたn番目の第nステップまで1番目から順に行い、
    さらに、前記制御装置は、前記表示兼入力装置で試運転モードが選択されると、弁の全開を指示する第1作業指示と、第1作業完了を入力させるための入力部を前記表示兼入力装置に表示し、前記第1作業完了が入力されると、運転を開始すると同時にタイマのカウントを開始し、タイマの値が所定時間を超え、かつ、吐出流体圧力が第1所定圧力以下かどうかの条件判断を行う一連の順序動作を第1ステップとし、次に、吐出流体圧力が第2所定圧力となるように弁の操作を指示する第2作業指示と、第2作業完了を入力させるための入力部を前記表示兼入力装置に表示し、前記第2作業完了が入力されると、運転を継続すると同時に前記タイマのカウントを再度ゼロから開始し、前記タイマの値が所定時間を超え、かつ、吐出流体圧力が前記第2所定圧力に概略等しいかどうかの条件判断を行う一連の順序動作を第2ステップとし、次ステップ以降、前記吐出流体圧力が前記流体機械の定格圧力と概略等しくなるまで、前記第2ステップと同様の順序動作を繰り返すことを特徴とする流体機械。
  3. 請求項1に記載の流体機械であって、
    不揮発性の記憶装置を有し、
    前記制御装置は、前記油交換モードの進行状況の情報を前記記憶装置に格納し、油交換モードの途中の手順において、前記流体機械への電力供給が遮断され、その後、電力供給の再開時には、前記進行状況の情報を再読み込みし、油交換モードを継続するかどうかの意思確認を求める文章、ならびに、前記意思確認の入力部を前記表示兼入力装置に表示し、前記意思確認の入力がなされる場合は、次に必要な作業指示と入力部の表示をするか、もしくは、油交換に必要な動作を実行することを特徴とする流体機械。
  4. 圧縮機本体と、前記圧縮機本体を駆動する駆動装置と、表示兼入力装置を備えた流体機械であって、
    前記流体機械の動作を制御する制御装置と、
    前記流体機械の状態を検出する検出装置を有し、
    前記制御装置は、前記表示兼入力装置を介して所定のメンテナンスモードが選択されると、前記表示兼入力装置に、1番目となる第1作業の指示と、該第1作業の完了を確認する入力部を表示し、前記入力部を介し前記第1作業の完了が入力されると、前記流体機械が第1所定運転を実施し、前記検出装置の検出した物理量と前記表示兼入力装置への入力操作によって、前記第1所定運転が完了したかどうかを判断する一連の順序動作の最初を第1ステップとし、予め設定されたn番目の第nステップまで1番目から順に行い、
    さらに、前記制御装置は、前記所定のメンテナンスモードの実行中は、前記流体機械とは別に存在する遠方操作装置からの非常停止入力以外の前記流体機械への入力は受け付けず、前記流体機械に設置の前記表示兼入力装置を介してのみ全般的な操作入力を受け付けることを特徴とする流体機械。
  5. 請求項1に記載の流体機械であって、
    前記制御装置は、前記油面位置検出器が検出した油面高さと、目視可能な油面高さが異なる場合は、前記油面位置検出器の機能を無効とするかどうかの選択肢を前記表示兼入力装置に表示し、前記機能を無効とした場合は、規定量の油の充填を指示する作業指示と、前記油充填動作と、目視による油面高さが所定の条件を満たすかどうか確認するメッセージ、及び、前記確認の入力部を前記表示兼入力装置に表示する一連の順序動作を、所定の条件を満たすまで繰り返すことを特徴とする流体機械。
  6. 請求項2に記載の流体機械であって、
    前記試運転モードを実行する場合、一連の前記順序動作の第nステップまで繰り返すための回数nは、前記流体機械の定格吐出流体圧力を仮定の圧力上昇値で除し、小数点以下を切り上げ、または、四捨五入、または、切り捨てた後の自然数とすることを特徴とする流体機械。
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