JP7297500B2 - 撮像装置及びその制御方法並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置及びその制御方法並びにプログラムに関し、特に撮像素子の被写体側に搭載される光学部材に対する除塵機能及び撮影画像のライブビュー表示機能を搭載する撮像装置及びその制御方法並びにプログラムに関する。
一般に、被写体の光学像を電気信号に変換して、撮像するデジタルカメラ等の撮像装置は、撮影光束を撮像素子で受光し、撮像素子から出力される光電変換信号(撮像信号)を画像データに変換してメモリカード等の記録媒体に記録する。かかる撮像素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOSセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が用いられる。
また、撮像素子の被写体側には光学ローパスフィルタや赤外線フィルタ等の光学部材が搭載されている場合がある。このような光学部材の表面に塵埃等の異物が付着すると、付着した部分が黒点となって撮影画像に写り込んでしまい、画像の画質が劣化するという問題があった。
かかる問題を回避するためにかかる光学部材を圧電素子で振動させ、塵埃等の異物を除去する除塵機能が知られている。
一方、近年のデジタルカメラには、連続的に撮像素子が露光により電荷を蓄積して撮像信号として読み出し、液晶モニタ等の表示装置がその撮像信号に基づくライブビュー画像を表示するライブビュー表示機能が搭載されている場合がある。
このようなデジタルカメラでは光学式ファインダーが搭載されていなくても、ライブビュー表示機能を使用することで撮影者が被写体を確認できる。このため、光学式ファインダーを廃止したレンズ交換式デジタルカメラ、いわゆるミラーレスカメラでは、ライブビュー表示機能が搭載されている場合が多い。
一方、除塵機能及びライブビュー表示機能が両方搭載されているカメラにおいては、除塵機能の多くは超音波振動を利用したものであるため、ライブビュー表示機能と除塵機能を並行して実行するとライブビュー表示が乱れるという問題があった。
この問題は、圧電素子に供給する電圧が高電圧のため、昇圧トランスが発生するノイズがライブビュー画像を生成する撮像信号に重畳することが原因である。
このような問題を回避するために特許文献1には、ライブビュー画像を生成する撮像信号にノイズを重畳させないようにブランキング期間中に除塵機能を実行する技術が開示されている。ここで、ブランキング期間とは、1フレーム分の撮像素子による撮像信号の読み出し時間と次の1フレーム分の撮像素子による撮像信号の読み出し時間の間の期間を指す。
一方、ブランキング期間中にのみ除塵機能を実行するようにした場合、その実行時間が短時間となってしまい、確実に塵埃等の異物を除去することができない可能性がある。そこで除塵機能の実行時間を確保するため、特許文献1ではさらに、ライブビュー画像を生成する撮像信号の読み出し時間を短くすべく、撮像素子から撮像信号を読み出す際の読み出しライン数を減らす技術が開示されている。
また、特許文献1では、撮像素子から画像信号を読み出す際、圧電素子に供給する電圧を低電圧とし、ライブビュー画像を生成する画像信号に重畳される、昇圧トランスが発生するノイズを小さくする技術が開示されている。
一方、従来の除塵機能においては、環境温度の変化、振動対象の形状の個体差などにより、振動対象を振動させる共振周波数が変動し、確実に振動対象に付着した塵埃等の異物を除去することができないという問題が生じていた。
この問題を回避するために特許文献2では、複数の周波数帯域に区分し、区分されたそれぞれの周波数帯域を組み合わせて振動対象を効率的に振動させ、効果的にその表面に付着した塵埃等の異物を除去する技術が開示されている。
更に、従来の除塵機能においては、塵埃等の異物を除去する際に用いる圧電素子の加工精度、製造工程などのばらつき発生要因により、振動対象の共振周波数が変動するという問題が生じていた。但し、圧電素子を貼り付けた光学部材の複数の共振周波数の間隔はかかるばらつき発生要因があっても変化しない。
そこで特許文献3では、振動対象の複数の共振周波数を検出し、検出された共振周波数のうち、上記間隔だけずらした周波数に検出された別の共振周波数が存在する共振周波数で振動部材を駆動する技術が開示されている。
特開2018-74564号公報 特開2013-85022号公報 特開2015-231173号公報
しかしながら、特許文献1のように、除塵機能の実行中において撮像素子から撮像信号を読み出す際の読み出しライン数を減らすと、生成されたライブビュー画像の画質が劣化することが考えられる。
また、特許文献1のように、撮像素子から画像信号を読み出す際、圧電素子に供給する電圧を低電圧にすると、圧電素子の振動する際の振幅が小さくなり、除塵機能による除塵効果が低下することが考えられる。さらに、圧電素子に供給する電圧を低電圧としても昇圧トランスが発生するノイズ等がまったくなくなるわけではない。
更に特許文献2や特許文献3に開示された除塵機能を用いた場合、効率的に塵埃等の異物を除去できるが、昇圧トランスが発生するノイズ等によるライブビュー表示の画質低下は抑制できない。
そこで、本発明は、ライブビュー表示中にその画質を確保しながら、確実且つ短時間に撮像素子の被写体側に搭載される光学部材の除塵を行うことができる撮像装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る撮像装置は、被写体の光学像を光電変換して電荷を蓄積し、撮像信号として読み出す撮像素子と、前記撮像素子の被写体側に配置された光学部材と、前記光学部材に固着され、電圧の印加により伸縮する圧電素子と、表示手段と、前記撮像素子及び前記表示手段の駆動を制御し、フレームレートに応じた時間間隔で前記撮像素子から順次、撮像信号を読み出し、前記撮像信号に基づき前記フレームレートに応じた更新間隔で連続的にライブビュー画像を前記表示手段で表示するライブビュー表示機能を実行する第1の制御手段と、前記圧電素子への電圧の印加を制御し、前記圧電素子を伸縮させることにより前記光学部材を振動させ、前記光学部材の除塵を行う除塵機能を実行する第2の制御手段とを備える撮像装置であって、前記第2の制御手段は、前記第1の制御手段によるライブビュー表示機能の実行と並行して前記除塵機能を実行する第1の場合、前記撮像素子の駆動中におけるブランキング期間に前記圧電素子への電圧印加を行い、前記圧電素子への電圧の印加を制御する際のパラメータを、前記第1の制御手段によるライブビュー表示機能の実行と並行せず単独で前記除塵機能を実行する場合と、前記第1の場合とで異ならせ、前記単独で前記除塵機能を実行する場合には、ユーザの指示に応じて前記光学部材の除塵を実行する第2の場合、及び前記撮像装置に電源が投入される前に前記光学部材の除塵を実行する第3の場合が含まれることを特徴とする。
本発明によれば、ライブビュー表示中にその画質を確保しながら、確実且つ短時間に撮像素子の被写体側に搭載される光学部材の除塵を行うことができる。
本発明の実施例1に係る撮像装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。 従来のライブビュー(LV)表示の際の撮像素子からの撮像信号の読み出しタイミングと圧電素子への電圧印加タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例1に係る、撮像素子、液晶モニタ、及び圧電素子の動作タイミングの関係を示すタイミングチャートである。 図3における動作タイミングで圧電素子が振動する際の振幅を説明するための図である。 図3における動作タイミングで圧電素子に印加する電圧の周波数の掃引時間を説明するための図である。 本発明の実施例1に係るLV表示機能と除塵機能の並行実行処理のフローチャートである。 本発明の実施例2に係る撮像装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る、撮像素子、液晶モニタ、画像解析回路、及び圧電素子の動作タイミングの関係を示すタイミングチャートである。 図8における動作タイミングで圧電素子に印加する電圧の周波数の掃引時間を説明するための図である。 本発明の実施例2に係るLV表示機能と除塵機能の並行実行処理のフローチャートである。 本発明の実施例3に係る、撮像素子、液晶モニタ、及び圧電素子の動作タイミングの関係を示すタイミングチャートである。 図11における動作タイミングで圧電素子に印加する電圧の周波数の掃引時間を説明するための図である。 本発明の実施例3に係るLV表示機能と除塵機能の並行実行処理のフローチャートである。
(実施例1)
図1は、本実施例に係る撮像装置1の主要な電気的構成を示すブロック図である。ここで、本実施例において撮像装置1は、デジタルカメラであるが、撮像素子より被写体側に配置された光学部材から異物を除去するための振動部材を有する装置であればよい。具体的には、ビデオカメラ、スマートフォン等のカメラ部であってもよい。
撮像装置1は、マウント接点106、シャッタ107、シャッタ駆動回路108、撮像ユニット109、圧電素子駆動回路114、撮像制御回路118、映像信号処理回路119、MPU120、液晶駆動回路123、及び電力供給回路128を備える。ここで撮像ユニット109は、詳細は後述するが、赤外線カットフィルタ110、圧電素子111、光学ローパスフィルタ112、及び撮像素子113が後述する他の部品と共にユニット化された部品である。
また、マウント接点106を介して撮像装置1に脱着可能な撮影レンズユニット2は、撮影レンズ101、絞り102、AF駆動回路103、絞り駆動回路104、及びレンズ制御回路105を備える。
MPU120は、撮像装置1の本体に内蔵されたマイクロコンピュータから構成される中央処理装置である。MPU120は、撮像装置1の動作全体を制御するものであり、各要素に対して様々な処理や指示を実行する。
MPU120には、シャッタ駆動回路108、映像信号処理回路119が接続されている。また、液晶駆動回路123、電力供給回路128、圧電素子駆動回路114、撮像制御回路118もMPU120に接続されている。これらの回路はMPU120の制御により動作する。
また、MPU120は、撮影レンズユニット2内に配置されたレンズ制御回路105と、マウント接点106を介して通信を行う。
マウント接点106は、撮影レンズユニット2が接続されるとMPU120へ信号を送信する機能も備えている。
これにより、レンズ制御回路105は、MPU120との間で通信を行い、撮影レンズユニット2内の撮影レンズ101および絞り102の駆動を、AF駆動回路103および絞り駆動回路104を介して行うことが可能となる。
尚、本実施形態では撮影レンズ101を便宜上1枚の撮影レンズで示しているが、実際はフォーカスレンズを含む多数のレンズ群により構成されている。
AF駆動回路103は、ステッピングモータによって構成され、レンズ制御回路105の制御によって撮影レンズ101内のフォーカスレンズの位置を変化させることにより、被写体にフォーカスが合うように調整する。
MPU120は撮像素子113が受光した撮影光束から、デフォーカス量およびデフォーカス方向を求める。
求められた情報に基づきレンズ制御回路105およびAF駆動回路103を介して、撮影レンズ101内のフォーカスレンズを合焦位置まで駆動する。
絞り駆動回路104は、たとえばオートアイリスなどによって構成され、レンズ制御回路105によって絞り102を変化させ、光学的な絞り値を得るように構成されている。
シャッタ107は、機械フォーカルプレーンシャッタであり、ライブビュー(以下、LV)表示中は開放状態となり、撮影光軸100を有する撮影光束を撮像素子113へ導く。また、撮像時にはレリーズ信号に応じて、不図示の先羽根群と後羽根群の走行する時間差により所望の露光時間を得るように構成されている。
シャッタ107は、MPU120の指令を受けたシャッタ駆動回路108によって制御される。
撮像素子113は、本実施例においては撮像デバイスであるCMOSが用いられる。尚、撮像素子113は撮影光束を光電変換可能な2次元に配列される複数の画素からなる撮像デバイスであれば他の撮像デバイス、例えばCCD、CIDなどであってもよい。
撮像素子113は、水平ライン毎に時間をずらしながら順次電荷の蓄積し、撮像信号として読み出す。
撮像装置1は、さらに、クランプ/CDS(相関二重サンプリング)回路115、AGC(自動利得調整装置)116、A/D変換器117、メモリコントローラ121、バッファメモリ122、液晶モニタ(表示部)124、及び電源部129を備える。なお、メモリ125は、撮像装置1に対して着脱可能なフラッシュメモリなどであり、動画像・静止画像データを格納する。
クランプ/CDS回路115は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うとともに、クランプレベルの変更も可能である。
AGC116は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うとともに、AGC基本レベルの変更も可能である。
A/D変換器117は、撮像素子113から出力された撮像信号をデジタル化する。
赤外線カットフィルタ110は、撮影光束から高い空間周波数、具体的には赤外線の領域の波長の光を取り除く矩形のフィルタであり、後述するように異物の付着を防止するために、表面に導電性のコーティングがなされている。
光学ローパスフィルタ112は、水晶からなる複屈折板および位相板を複数枚貼り合わせて積層されている。光学ローパスフィルタ112は、撮像素子113に入射される撮影光束を複数に分離し、偽解像信号や偽色信号の発生を効果的に低減させる。
圧電素子駆動回路114は、赤外線カットフィルタ110に固着された圧電素子111を屈曲振動させる回路である。圧電素子駆動回路114は、MPU120の指示に従って、圧電素子111を振動させ赤外線カットフィルタ110に振動する際の振幅を発生させる。
尚、本実施例では、圧電素子111で屈曲振動を励起する光学部材を赤外線カットフィルタ110としたが、撮像ユニット109内にあって、撮像素子113より被写体側に配置された光学部材であればこれに限定されない。例えば、複屈折板、位相板の貼り合わせによって構成される光学ローパスフィルタ112や、光学ローパスフィルタ112を構成する複屈折板もしくは位相板の一方を圧電素子111で屈曲振動を励起する光学部材としてもよい。
尚、圧電素子111の駆動の仕方については後述する。
撮像制御回路118は、MPU120の指示に従って、撮像素子113の電荷の蓄積と撮像信号の読み出しを制御する。
映像信号処理回路119は、A/D変換器117によりデジタル化された撮像信号に対してガンマ/ニー処理、フィルタ処理、モニタ表示用の情報合成処理など、ハードウェアによる画像処理全般を実行する。これにより、映像信号処理回路119において、液晶モニタ124に表示されるモニタ表示用の動画像・静止画像データや、メモリ125に格納される動画像・静止画像データが生成され、出力される。
バッファメモリ122は、映像信号処理回路119からのモニタ表示用の動画像・静止画像データを一時格納したのち、液晶駆動回路123を介して液晶モニタ124に出力する。
液晶駆動回路123は、MPU120の指示に従って、液晶モニタ124を駆動する。
LV表示機能は、以下の動作を撮像装置1において行う機能である。まず、MPU120の指示に従って、撮像制御回路118が撮像素子113に対しフレームレートに応じた時間間隔で順次被写体の光学像を光電変換して連続的に電荷を蓄積し、アナログの撮像信号として読み出すよう制御する。そして、クランプ/CDS回路115、AGC116、A/D変換器117、及び映像信号処理回路119によりこの連続的に読み出された撮像信号からデジタルの動画像データが生成され、バッファメモリ122に一次保存される。その後、液晶駆動回路123は、バッファメモリ122から読み出した動画像データをフレームレートに応じた更新間隔で連続的にLV画像として液晶モニタ124に表示する。
また、映像信号処理回路119は、JPEGなどの画像データ圧縮処理を行う機能も有している。
連写撮影など連続して撮影が行われる場合は、一旦バッファメモリ122に画像データを格納し、メモリコントローラ121を通して未処理の画像データを順次読み出すことも可能である。これにより映像信号処理回路119は、A/D変換器117から入力されてくる画像データの速度に関わらず、画像処理や圧縮処理を順次行うことが可能となる。
電力供給回路128は、クリーニングモード等の各種モードに応じた必要な電力をMPU120に供給すると共に、電源部129を介して図1に示す撮像装置1の各部へ必要な電力を供給する。
MPU120は、クリーニングモード開始の信号を受け取ると、シャッタ駆動回路108を介してシャッタ107を撮影光束から退避する位置へ駆動する。
このクリーニングモードにおいて使用者は、綿棒、シルボン紙、ゴムなどを用いて赤外線カットフィルタ110上の異物を直接クリーニングすることが可能となる。
また、撮像装置1は、SW126、及びモード設定部127を備える。
モード設定部127は、不図示の操作部からのユーザ指示をうけて、撮影モードや上記クリーニングモード等の各種モードを設定する。
SW126は、レリーズスイッチであり、ユーザによる半押し操作を受けて、AF指示をMPU120に送信し、ユーザによる全押し操作を受けて、撮影開始の指示をMPU120に送信する。
次に、撮像装置1における除塵機能について説明する。
除塵機能の実行を開始すると、MPU120はまず、赤外線カットフィルタ110に固着された圧電素子111に所定の周波数の電圧を印加するよう圧電素子駆動回路114に指示する。圧電素子111はかかる電圧が印加されると光軸と直角方向に伸縮し、赤外線カットフィルタ110を屈曲振動させる。これにより、赤外線カットフィルタ110上の異物の除去が行われる。以下、かかる電圧印加による圧電素子111の伸縮動作を異物除去動作という。
尚、赤外線カットフィルタ110の固有モードの共振周波数の近傍帯で圧電素子111に印加する電圧の周波数の掃引を行うと振動効率をよくすることができる。
但し、図2(b)に示す様に、撮像素子113が撮像信号を読み出している間に異物除去動作を行うと、撮像信号にノイズが重畳してしまい、LV画像の画質が低下する。
これは、撮像素子113の撮像信号の読み出しと、圧電素子111への電圧印加が同時に起こるためである。
そして、圧電素子111への電圧印加によって発生した高圧トランスノイズが撮像素子113から映像信号処理回路119を通る画像データの信号に重畳してしまうためである。
上述の高圧トランスノイズの重畳を防ぐには、図2(a)に示す様に、異物除去動作を、撮像素子113が撮像信号の読み出しを開始する前に完了させることが望ましい。
しかし、この場合、図2(b)の場合と比べて、液晶モニタ124にLV画像が送信されるまでに時間を要し、LV表示に遅延が発生する。
特に、撮像装置1が光学式ファインダーを廃止したミラーレスカメラの場合、撮影前にLV表示を見て被写体の確認やSW126の半押しによる合焦状態の確認をするため、LV表示に遅延が発生すると、シャッターチャンスを逃す場合がある。
このような状況を回避するためにLV表示を遅延させることなく、かつLV画像の画質低下を抑制し、異物除去動作を完了させ、LV表示機能と除塵機能を両立させる必要がある。
ここで、LV画像の画質低下を抑制するには、撮像素子113による撮像信号の読み出しのタイミングを避けて圧電素子111への電圧印加を実行する必要がある。その上で、LV表示するまでの時間遅延を抑制するには、圧電素子111への電圧印加を短時間で完了させ、かつ塵埃等の異物除去を確実に行う必要がある。
そこで本実施例においては、圧電素子111への電圧印加を、撮像素子113が撮像信号の読み出しを行っている時間以外、すなわちブランキング期間に実行する。ここで、ブランキング期間とは、1フレーム分の撮像素子113による撮像信号の読み出し時間と次の1フレーム分の撮像素子113による撮像信号の読み出し時間の間の期間を指す。
図3は、本実施例に係る、撮像素子113、液晶モニタ124、及び圧電素子111の動作タイミングの関係を示すタイミングチャートである。
図3において、垂直同期信号V0、V1、V2、V3は、撮像素子113による電荷の蓄積と撮像信号の読み出しの動作タイミングとなる基準信号である。
本実施例においては、撮像素子113は、電荷の蓄積と撮像信号の読み出しをフレームレート(V周期)に応じたタイミングで繰り返し実行する。
また、液晶モニタ124は、そのフレームレートに応じた更新間隔で、各V周期で読み出された撮像信号に基づくLV画像を液晶モニタ124に表示する。
さらに、圧電素子111は、ブランキング期間、すなわち図3の点線部の期間(撮像素子113による撮像信号の読み出し期間)以外の期間に異物除去動作を行う。具体的には、本実施例では、圧電素子111は、撮像素子113による電荷の蓄積期間に異物除去動作を行う。尚、本実施例では1フレーム分の撮像信号の読み出しが終了してから次の垂直同期信号のタイミングまでの間に撮像素子113が動作していない期間が存在していないが、存在する場合は、その期間もブランキング期間に含まれる。
すなわち、本実施例では、撮像素子113、液晶モニタ124、圧電素子111は以下のようなタイミングで動作を行う。
蓄積A、B、Cは、垂直同期信号V0、V1、V2のタイミングでそれぞれ開始する撮像素子113による電荷の蓄積期間を示す。また、読出A,B,Cは、蓄積A、B、Cの夫々の終了時に開始する撮像素子113による撮像信号の読み出し期間を示す。
LV表示A、B、Cは、垂直同期信号V0、V1、V2に同期して、液晶モニタ124にフレームレートに応じた更新間隔で連続的に液晶モニタ124により表示されるLV画像の表示期間を示す。
異物除去1、2、3は、蓄積A、B、Cの期間において圧電素子111により実行される異物除去動作の実行期間を示す。
以上、図3に示すように、異物除去動作が行われる異物除去1、2、3の期間は、撮像素子113による撮像信号の読み出しが行われる読出A,B,Cの期間に重複しない。すなわち、圧電素子111への電圧印加によって発生した高圧トランスノイズが撮像素子113から映像信号処理回路119を通る撮像信号に重畳しない。従って、本実施例においては、LV表示A、B、Cの期間に表示されるLV画像の画質が、かかる高圧トランスノイズにより低下することを防止できる。
このように、図3に示す異物除去1、2、3の期間で異物除去動作を行った場合、LV表示A、B、Cの期間に表示されるLV画像の画質低下は防止できる。しかしながら、ブランキング期間という短い期間での異物除去動作により赤外線カットフィルタ110の除塵をしなくてはならない。
そこで、本実施例では、LV表示機能の実行と並行して除塵機能を実行する場合、除塵機能を単独で実行する場合よりも異物除去動作中に圧電素子111へ印加する電圧レベルを高くする。こうすることで圧電素子111の振動する際の振幅(腹部の振幅)が大きくなり、赤外線カットフィルタ110上の塵埃等の異物を除去しやすくなる。
更に、異物除去動作中に、圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引させる際の掃引時間を変更する。具体的には、図5に示すように、LV表示機能と並行して除塵機能を実行する場合は、除塵機能を単独で実行する場合(図5中、太線)よりも図4の期間ta、tb、tcにおけるその掃引時間を小さくする(図中、細線)。
次に本実施例の撮像装置1における、LV表示機能と除塵機能の並行実行処理の手順を図6のフローチャートを用いて説明する。本処理はMPU120により実行される。
まず、撮像装置1の不図示の電源SWがユーザによりONにされ、撮像装置1に電源が投入された場合(ステップS600でYES)、ステップS601に進む。
ステップ601では、電力の供給により撮像素子113の駆動が開始したか、すなわち、LV表示機能の動作が開始したか否かを判定する。この判定の結果、撮像素子113がまだ駆動していない場合はステップS611へ進み、撮像素子113の駆動が開始した場合はステップS602へ進む。
ステップS611では、ユーザから異物除去指示があった場合(ステップS611でYES)、この指示をうけてモード設定部127がクリーニングモードを設定すると、MPU120は除塵機能を単独で実行すべく、ステップS612に進む。一方、かかる指示がなかった場合はステップS600に戻る。尚、本フローチャートにおいては、ステップS611の判定はLV表示機能の動作の開始前にのみ行われているが、LV表示機能の動作が開始した後においても、ユーザから異物除去指示があった場合は、ステップS612に進む。
ステップS612にて圧電素子111へ印加する電圧レベルVxを圧電素子駆動回路114に対して設定する。
次にステップS613にて圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引させる際の掃引時間txを圧電素子駆動回路114に対して設定する。
次に、ステップS605にて圧電素子駆動回路114に対し、ステップS612で設定された電圧レベル及びステップS613で設定された掃引時間で圧電素子111に電圧を印加するよう指示し、異物除去動作を開始する。
その後、異物除去動作が完了すると(ステップS606でYES)、ユーザの撮影指示を待つ撮影待機状態に移行し、本処理を終了する(ステップS607)。
一方、撮像装置1の電源が投入されていない場合(ステップS600でNO)、MPU120は除塵機能を単独で実行すべく、ステップS614に進む。ここで、撮像装置1の電源が投入されていない場合とは、電源SWをOFFにするユーザ操作があり、撮像装置1への電源が遮断された場合や、電源SWはユーザによりONにされたが、撮像装置1への電源の投入前である場合を指す。
ステップS614にて圧電素子111へ印加する電圧レベルVxを圧電素子駆動回路114に対して設定する。
次にステップS615にて圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引させる際の掃引時間txを圧電素子駆動回路114に対して設定する。
次に、ステップS616にて圧電素子駆動回路114に対し、ステップS614で設定された電圧レベル及びステップS615で設定された掃引時間で圧電素子111に電圧を印加するよう指示し、異物除去動作を開始する。
その後、異物除去動作が完了すると(ステップS617でYES)、ステップS600に戻り、撮像装置1の電源が投入されるのを待つ。
また、ステップS600で撮像装置1の電源の投入が完了した後(ステップS600でYES)、撮像素子113の駆動が開始した場合(ステップS601でYES)、ブランキング期間か否かを判定する(ステップS602)。ブランキング期間でないと判定した場合(ステップS602でNO)、撮像素子113による撮像信号の読み出し動作を行う(ステップS608)。その後、映像信号処理回路119にて、その読み出された撮像信号から、LV画像として液晶モニタ124に表示される、各種画像処理を施されたデジタル化された動画像データを生成する(ステップS609)。その後、液晶駆動回路123を介してその生成された動画像データをLV画像として液晶モニタ124に表示すると(ステップS610)、撮影待機状態に移行し、本処理を終了する(ステップS607)。
一方、ブランキング期間であると判定した場合(ステップS602でYES)、ステップS603で圧電素子111に印加する電圧レベルVyを圧電素子駆動回路114に対して設定する。ここで設定される電圧レベルVyは、ステップS612,S614にて設定される電圧レベルVxより大きい。すなわち、Vy>Vxとなるように圧電素子111に印加する電圧レベルを設定する。
次に、ステップS604にて、ステップS613又はステップS615において設定された圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引させる際の掃引時間tyを設定する。ここで設定される掃引時間tyは、ステップS613,S615にて設定される掃引時間txより小さい。すなわち、tx>tyとなるように設定する。
次に、ステップS605にて圧電素子駆動回路114に対し、ステップS603で設定された電圧レベル及びステップS604で設定された掃引時間で圧電素子111に電圧を印加するよう指示し、異物除去動作を開始する。
その後、異物除去動作が完了すると(ステップS606でYES)、撮影待機状態に移行し、本処理を終了する(ステップS607)。尚、ここでの異物除去動作の完了は、SW126のユーザによる半押し又は全押し操作があった時点である。すなわち、SW126のユーザによる半押し又は全押し操作があるまで、図3に示す様に、ブランキング期間における異物除去動作が繰り返し実行される。
以上、本実施例では、撮像素子113の駆動中において、そのブランキング期間に圧電素子111へ印加する電圧レベルを高くし、更に圧電素子111へ印加する電圧の掃引時間を小さくする。これにより、電源SWがONとなってからのLV表示に遅延が生じることなく、LV画像の画質の低下を防ぎ、且つ、ブランキング期間という限られた時間の中で効率よく、赤外線カットフィルタ110上の塵埃等の異物を除去することできる。
(実施例2)
次に、図7~10を用いて、実施例2に係る撮像装置1aにおけるLV表示機能と除塵機能の並行実行処理を説明する。
図7は、本実施例に係る撮像装置1aの主要な電気的構成を示すブロック図である。
本実施例の撮像装置1aは、画像解析回路700を有する点で実施例1の撮像装置1と異なる。尚、前述の図1のブロック図と共通する構成は同じ付番で示し、重複した説明は省略する。
図7において、画像解析回路700は、液晶モニタ124において表示されるLV画像に映りこんだ、赤外線カットフィルタ110上に存在する塵埃等の異物の位置を検出する。具体的には、画像解析回路700は、LV表示機能の動作中に撮像信号から生成された動画像データに基づき、x座標、y座標の2次元座標で赤外線カットフィルタ110上の異物の位置情報を取得し、その位置情報をMPU120に供給する。
MPU120はその供給された位置情報に基づき、圧電素子駆動回路114に対し、異物除去動作時のパラメータを変更する。
図8は、本実施例に係る撮像素子113、液晶モニタ124、画像解析回路700、及び圧電素子111の動作タイミングの関係を示すタイミングチャートである。
図8に示すように、LV表示A,B,Cの開始と同一のタイミングに、画像解析回路700が異物位置検出動作を行う異物位置検出A,B,Cを開始するタイミングを設定する。
異物位置検出Aの期間において、画像解析回路700はLV表示Aの期間にLV画像として表示される動画像データから異物の位置情報を取得し、その位置情報をMPU120に供給する。
MPU120は、その供給された位置情報に基づき、次の垂直同期信号V2に同期して開始する異物除去3の期間に圧電素子駆動回路114に対して設定する異物除去動作時のパラメータを変更する。
同様に、異物位置検出Bの期間において、画像解析回路700はLV表示Bの期間にLV画像として表示される動画像データから異物の位置情報を取得し、その位置情報をMPU120に供給する。
MPU120は、その供給された位置情報に基づき、次の垂直同期信号V3に同期して開始する異物除去4(不図示)の期間に圧電素子駆動回路114に対して設定する異物除去動作時のパラメータを変更する。
例えば、図9に示す様に、異物除去1、2の期間(ta、tb期間)は圧電素子111へ印加する電圧の周波数を図5に示す細線の掃引時間と同様の掃引時間で掃引させながら異物除去動作を行う。一方、tb期間での異物除去動作と並行してLV表示Aの期間にLV画像として表示される動画像データ中に存在する塵埃等の異物の位置を画像解析回路700にて異物位置検出Aの期間に検出する。
ここで、画像解析回路700による異物位置検出Aの期間に検出された異物を最も効率的に除去できる電圧の周波数がtb期間中に掃引された周波数f1であった場合を考える。また、垂直同期信号V3及び次の垂直同期信号V4における異物除去動作の実行期間をそれぞれ期間td、teとする。
この場合、MPU120は次の異物除去2の期間(期間tc)以降における圧電素子111へ印加する電圧の周波数の掃引を、図9に示す様に図5とは異なる掃引時間で行うよう変更する。具体的には、周波数f1が含まれるtb期間の次の期間tcおよびその次の期間tdでは圧電素子111へは一定の周波数f1の電圧を印加するようにする。その後の期間te以降は、図5の細線で示す掃引時間と同様の掃引時間で圧電素子111の電圧の周波数を周波数f1から順次低周波数側に掃引させる。
すなわち、本実施例では、LV画像中に映り込んだ、赤外線カットフィルタ110上の塵埃等の異物の位置を画像解析回路700にて検出し、その検出された位置にある異物の除去効果が最も高くなるようにパラメータを設定する。
次に本実施例の撮像装置1aにおける、LV表示機能と除塵機能の並行実行処理の手順を図10のフローチャートを用いて説明する。本処理はMPU120により実行される。尚、本処理は、図6と同一のステップについては同一の符号を付し、重複した説明は省略する。また、ステップS600,S601、S611~S617までのステップは図6と同一であるため、これらのステップについての説明は省略すると共に、図10において不図示とする。
撮像素子113の駆動が開始した後(ステップS601でYES)、ブランキング期間でないと判定した場合(ステップS602でNO)、撮像素子113による撮像信号の読み出し動作を行う(ステップS608)。その後、映像信号処理回路119にて、その読み出された撮像信号から、LV画像として液晶モニタ124に表示される、各種画像処理を施されたデジタル化された動画像データを生成する(ステップS609)。その後、液晶駆動回路123を介してその生成された動画像データをLV画像として液晶モニタ124に表示すると(ステップS610)、撮影待機状態に移行し、本処理を終了する(ステップS607)。このとき並行して、映像信号処理回路119から直接、ステップS609で生成された動画像データを画像解析回路700に供給し、画像解析回路700にてLV画像中の塵埃等の異物の位置を検出し(ステップS1001)、ステップS1002に進む。一方、ブランキング期間と判定した場合も(ステップS602でYES)、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、ステップS1001における異物の位置検出結果に基づき、圧電素子駆動回路114に対する異物除去動作時のパラメータを変更する。尚、ステップS1002にて変更するパラメータは、圧電素子111へ印加する電圧の周波数、あるいは該印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引する際の各周波数帯での掃引時間である。
その後、ステップS605で異物除去動作を実行する。具体的には、図6の期間tcの異物除去動作は、異物位置検出Aの期間における異物の位置検出結果に基づき変更されたパラメータで実行される。一方、図6の期間ta、tbの異物除去動作は、その前又は同時に画像解析回路700による異物位置検出が行われるため、実施例1と同様にステップS603,S604で設定されるパラメータで実行される。
尚、図10においては不図示であるが、異物除去動作が完了する(ステップS606でYES)までの間にステップS605で開始した異物除去動作がブランキング期間の終了に伴い中断した場合、ステップS602に戻る。
また、ステップS1002で変更された掃引時間に関するパラメータでステップS605における異物除去動作を実行しても、ステップS1001で検出された塵埃等の異物の位置が変化しない場合がある。この場合、次のタイミングで実行されるステップS1002では、圧電素子111へ印加する電圧のレベルを上げるようパラメータを変更してもよい。
また、ステップS1001で塵埃等の異物の位置が複数検出される場合、すなわち、赤外線カットフィルタ110上に異物が複数付着している場合がある。この場合、LV画像に映り込んでいる異物のうち、LV画像における被写体により近い位置にある異物が優先的に除去されるようにステップS1002にてパラメータを変更する。また、この場合、LV画像に映り込んでいる異物のうち、LV画像における合焦位置により近い位置にある異物が優先的に除去されるようにステップS1002にてパラメータを変更する。
以上、本実施例では、LV画像として液晶モニタ124に表示される動画像データから塵埃等の異物の位置情報を検出し、その検出結果に基づきブランキング期間に圧電素子111を駆動する際のパラメータを変更する。これにより、LV表示の遅延を生じさせず、LV画像の画質を確保しながら、確実且つ短時間に除塵機能による除塵を行うことができる。
(実施例3)
次に、図11~13を用いて、実施例3に係る撮像装置1におけるLV表示機能と除塵機能の並行実行処理を説明する。尚、本実施例は、図1に示す撮像装置1により実行される。
図11、12に示すように、本実施例では、撮像装置1の電源SWがONとなり、撮像装置1に電源が投入されてから期間t0が経過した後、電源部129を介して撮像素子113への電力供給が開始する。また、かかる撮像素子113への電力供給の開始と同時に、フレームレート(V周期)に応じた撮像素子113による電荷の蓄積と撮像信号の読み出しが開始する。
そこで、本実施例では、期間t0において圧電素子111を駆動する際のパラメータと、期間t0が経過し、撮像素子113への電力供給の開始後のブランキング期間(期間ta、tb)において圧電素子111を駆動する際のパラメータを変更する。
具体的には、期間t0における圧電素子111へ印加する電圧の周波数を、期間ta、tbにおける場合より圧電素子111の振動の腹部が粗くなるようにパラメータを設定する。これにより、期間t0においては赤外線カットフィルタ110全体に対し、万遍なく塵埃等の異物が除去することができる。
また、図12に示す様に、圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引させる際、期間t0におけるステップ間での周波数の差分が、期間ta、tbにおける差分より大きくなるよう設定される。
尚、撮像装置1への電源投入から撮像素子113への電源供給開始までの時間が早ければ(期間t0が短ければ)、図12の(2)に示す周波数掃引を実行しなくてもよい。
一方、期間t0で設定した圧電素子111へ印加する電圧のレベルより期間ta、tbにおける電圧レベルが大きくなるようにパラメータを設定する。また、期間ta、tbにおける圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引させる際の掃引時間を、期間t0における場合より短く設定する。これにより、撮像素子113への電力供給開始後、ブランキング期間においてのみ除塵機能を実行しても、短時間で効率よく異物除去動作を完了させることができる。
次に本実施例の撮像装置1における、LV表示機能と除塵機能の並行実行処理の手順を図13のフローチャートを用いて説明する。本処理はMPU120により実行される。尚、本処理は、図6と同一のステップについては同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず、撮像装置1の不図示の電源SWがユーザによりONにされ、撮像装置1に電源が投入された後(ステップS1300でYES)、撮像素子113への電力供給が開始されたか否かを判定する(ステップS1301)。
この判定の結果、撮像素子113への電力供給が開始されていない場合(ステップS1301でNO)、圧電素子111へ印加する電圧レベルVxを圧電素子駆動回路114に対して設定する(ステップS1312)。また、ステップS1313にて圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引させる際の掃引時間txを圧電素子駆動回路114に対して設定する。
次に、ステップS1314にて圧電素子駆動回路114に対し、ステップS1312で設定された電圧レベル及びステップS1313で設定された掃引時間で圧電素子111に電圧を印加するよう指示し、異物除去動作を開始する。
その後、異物除去動作が完了すると(ステップS1315でYES)、ステップS1301に戻り、撮像素子113への電力供給が開始されるのを待つ。
一方、撮像素子113への電力供給が開始され(ステップS1301でYES)、撮像素子113の駆動が開始した場合(ステップS1302)、ブランキング期間か否かを判定する(ステップS602)。ブランキング期間でないと判定した場合(ステップS602でNO)、撮像素子113による撮像信号の読み出し動作を行う(ステップS608)。その後、映像信号処理回路119にて、その読み出された撮像信号から、LV画像として液晶モニタ124に表示される、各種画像処理を施されたデジタル化された動画像データを生成する(ステップS609)。その後、液晶駆動回路123を介してその生成された動画像データをLV画像として液晶モニタ124に表示すると(ステップS610)、撮影待機状態に移行し、本処理を終了する(ステップS607)。
一方、ブランキング期間であると判定した場合(ステップS1303でYES)、ステップS1304で圧電素子111に印加する電圧レベルVyを圧電素子駆動回路114に対して設定する。ここで設定される電圧レベルVyは、ステップS1312にて設定された電圧レベルVxより大きい。すなわち、Vy>Vxとなるように設定する。
また、ステップS1305にて圧電素子111へ印加する電圧の周波数を高周波数側から低周波数側へと掃引する掃引時間tyを設定する。ここで設定される掃引時間tyは、ステップS1313にて設定された掃引時間txよりも小さい、すなわち、tx>tyとなるように設定する。
次に、ステップS605にて圧電素子駆動回路114に対し、ステップS1312で設定された電圧レベル及びステップS1313で設定された掃引時間で圧電素子111に電圧を印加するよう指示し、異物除去動作を開始する。
その後、異物除去動作が完了すると(ステップS606でYES)、撮影待機状態に移行し、本処理を終了する(ステップS607)。尚、ここでの異物除去動作の完了は、SW126のユーザによる半押し操作があった時点である。すなわち、SW126のユーザによる半押し操作があるまで、図11に示す様に、各V周期におけるブランキング期間での異物除去動作が繰り返し実行される。
以上、本実施例では、撮像装置1への電源投入後、撮像素子113への電力供給の開始までの期間t0での異物除去動作が、ブランキング期間(期間ta,tb)における場合より圧電素子111による振動の腹部が粗くなるようにパラメータを設定する。
また、ブランキング期間である期間ta,tbに対するパラメータは、期間t0の場合より、圧電素子111へ印加する電圧のレベルを高くなり、かつ圧電素子111へ印加する電圧の周波数の掃引時間が短くなるように設定する。
これにより、LV表示の遅延を生じさせず、LV画像の画質低下を抑制し、且つブランキング期間という限られた時間の中で効率よく、塵埃等の異物を除去することが可能となる。また、圧電素子111へ印加する電圧のレベルを適宜切り替えるため、電力供給回路128内の不図示のバッテリーの消費を抑制することも可能となる。
尚、実施例2と同様に、上記各種パラメータを設定する際にLV画像の情報を用いてもよい。
[その他の実施例]
本発明の目的は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、装置に供給することによっても、達成されることは言うまでもない。このとき、供給された装置の制御部を含むコンピュータ(またはCPUやMPU)は、記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、上述のプログラムコードの指示に基づき、装置上で稼動しているOS(基本システムやオペレーティングシステム)などが処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、装置に挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれ、前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。このとき、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行う。
1,1a 撮像装置
110 赤外線カットフィルタ(光学部材)
111 圧電素子
113 撮像素子
114 圧電素子駆動回路
118 撮像制御回路
119 映像信号処理回路
120 MPU
124 液晶モニタ
700 画像解析回路

Claims (14)

  1. 被写体の光学像を光電変換して電荷を蓄積し、撮像信号として読み出す撮像素子と、
    前記撮像素子の被写体側に配置された光学部材と、
    前記光学部材に固着され、電圧の印加により伸縮する圧電素子と、
    表示手段と、
    前記撮像素子及び前記表示手段の駆動を制御し、フレームレートに応じた時間間隔で前記撮像素子から順次、撮像信号を読み出し、前記撮像信号に基づき前記フレームレートに応じた更新間隔で連続的にライブビュー画像を前記表示手段で表示するライブビュー表示機能を実行する第1の制御手段と、
    前記圧電素子への電圧の印加を制御し、前記圧電素子を伸縮させることにより前記光学部材を振動させ、前記光学部材の除塵を行う除塵機能を実行する第2の制御手段とを備える撮像装置であって、
    前記第2の制御手段は、前記第1の制御手段によるライブビュー表示機能の実行と並行して前記除塵機能を実行する第1の場合、前記撮像素子の駆動中におけるブランキング期間に前記圧電素子への電圧印加を行い、前記圧電素子への電圧の印加を制御する際のパラメータを、前記第1の制御手段によるライブビュー表示機能の実行と並行せず単独で前記除塵機能を実行する場合と、前記第1の場合とで異ならせ
    前記単独で前記除塵機能を実行する場合には、ユーザの指示に応じて前記光学部材の除塵を実行する第2の場合、及び前記撮像装置に電源が投入される前に前記光学部材の除塵を実行する第3の場合が含まれることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記ブランキング期間には、前記撮像素子により前記電荷を蓄積する期間が含まれることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記第1の制御手段によるライブビュー表示機能の実行中に、前記光学部材の除塵を実行するユーザの指示があった場合、前記圧電素子への電圧の印加を制御する際のパラメータを前記単独で前記除塵機能を実行する場合と同様とすることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
  4. 前記第2の制御手段は、前記第1の場合に前記光学部材を振動させる場合の振幅を、前記単独で前記除塵機能を実行する場合より大きくなるように前記パラメータを設定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記第2の制御手段は、前記第1の場合に前記圧電素子に印加する電圧の周波数を掃引する際の掃引時間を、前記単独で前記除塵機能を実行する場合より短くなるように前記パラメータを設定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像素子から読み出された撮像信号に基づき、前記光学部材に付着した異物の位置を検出する検出手段を更に備え、
    前記第2の制御手段は、前記検出手段にて検出された前記異物の位置に基づき、前記圧電素子による前記光学部材の振動を制御することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記検出手段により複数の異物が前記光学部材に付着していることが検出された場合、前記複数の異物の夫々の前記光学部材における位置に応じて前記圧電素子による前記光学部材の振動を制御することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  8. 前記検出手段にて検出された異物の前記光学部材における位置と前記ライブビュー画像における合焦位置とに基づいて前記圧電素子による前記光学部材の振動を制御することを特徴とする請求項又は記載の撮像装置。
  9. 前記単独で前記除塵機能を実行する場合には、前記圧電素子への電圧の印加を制御する際のパラメータを、前記撮像装置に電源が投入されてから前記撮像素子への電力供給が開始するまでの間に前記光学部材の除塵を実行する第4の場合がさらに含まれることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 前記第2の制御手段は、前記第4の場合に前記光学部材を振動させる場合の振動の腹部が、前記第1の場合より粗くなるように前記パラメータを設定することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  11. 前記第2の制御手段は、前記第1の場合に前記光学部材を振動させる場合の振幅を、前記第4の場合より大きくなるように前記パラメータを設定することを特徴とする請求項又は10記載の撮像装置。
  12. 前記第2の制御手段は、前記第1の場合に前記圧電素子に印加する電圧の周波数を掃引する際の掃引時間を、前記第4の場合より短くなるように前記パラメータを設定することを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 被写体の光学像を光電変換して電荷を蓄積し、撮像信号として読み出す撮像素子と、前記撮像素子の被写体側に配置された光学部材と、前記光学部材に固着され、電圧の印加により伸縮する圧電素子と、表示部とを備える撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像素子及び前記表示部の駆動を制御し、フレームレートに応じた時間間隔で前記撮像素子から順次、撮像信号を読み出し、前記撮像信号に基づき前記フレームレートに応じた更新間隔で連続的にライブビュー画像を前記表示部で表示するライブビュー表示機能を実行する第1の制御ステップと、
    前記圧電素子への電圧の印加を制御し、前記圧電素子を伸縮させることにより前記光学部材を振動させ、前記光学部材の除塵を行う除塵機能を実行する第2の制御ステップとを有し、
    前記第2の制御ステップは、前記第1の制御ステップにおけるライブビュー表示機能の実行と並行して前記除塵機能を実行する第1の場合、前記撮像素子の駆動中におけるブランキング期間に前記圧電素子への電圧印加を行い、前記圧電素子への電圧の印加を制御する際のパラメータを、前記第1の制御ステップでのライブビュー表示機能の実行と並行せず単独で前記除塵機能を実行する場合と、前記第1の場合とで異ならせ
    前記単独で前記除塵機能を実行する場合には、ユーザの指示に応じて前記光学部材の除塵を実行する第2の場合、及び前記撮像装置に電源が投入される前に前記光学部材の除塵を実行する第3の場合が含まれることを特徴とする制御方法。
  14. コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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