JP7296756B2 - ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステンレス鋼板およびステンレス鋼板の製造方法に関する。
フォトエッチング加工とは、フォトレジスト法によって金属板表面に所望のパターンを形成した後に不要部分の金属をエッチング液により溶解し、金属板を前記パターンに沿った形状に加工する方法である。当該加工法は、集積回路等を形成する際に用いられるメタルマスクや、高精細ディスプレイに用いられるシャドーマスク等の製造に使用されている。
フォトエッチング加工に好適なステンレス鋼板として、例えば特許文献1には、エッチング面の平滑性を向上させたステンレス鋼板が開示されている。また特許文献2には、エッチング速度の向上とエッチング面の平滑性とを兼ね備えたステンレス鋼板が開示されている。
特開2005-314772号公報 特開2003-3244号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているステンレス鋼板は、平滑な表面を得るためにエッチング加工が均一に施されるため、エッチング速度の向上は望めない。また、特許文献2に開示されているステンレス鋼板は、粗大炭化物の生成と結晶粒の成長抑制を目的としてNbを添加し、粒界のエッチング速度を速めている。しかし、粒界が優先的にエッチングされても母材のエッチング速度は変わらないと考えられるため、ステンレス鋼板全体としてのエッチング速度の向上は望めない可能性がある。また、Nb添加が必須となることから、ステンレス鋼板の製造コストも上昇してしまう。
これらの問題点を鑑み、本発明の一態様は、エッチング性に優れたステンレス鋼板を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るステンレス鋼板は、Niが偏析した偏析層を有し、前記偏析層において、Ni濃度が最大となる部分と、Ni濃度が最小となる部分とのNi濃度差が1.5質量%以上である。
本発明の一態様に係るステンレス鋼板は、下記(1)式により定まるX値が3未満である化学組成を有していてもよい;
X=30(C+N)+0.5Mn+Ni-1.3Cr+11.8 (1)
ここで、(1)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量が代入され、無添加の元素については0(ゼロ)が代入される。
本発明の一態様に係るステンレス鋼板は、質量%で、C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:7.00~15.00%、およびCr:16.00~20.00%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物を含むものであってもよい。
本発明の一態様に係るステンレス鋼板は、質量%で、Mo:2.00~3.00%、Cu:2.50~4.00%、N:0.06%以下、およびB:0.01%以下のいずれか2種以上をさらに含有していてもよい。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るステンレス鋼板の製造方法は、Niが偏析した偏析層を有し、前記偏析層において、Ni濃度が最大となる部分と、Ni濃度が最小となる部分とのNi濃度差が1.5質量%以上であるステンレス鋼板の製造方法であって、巻取り温度を400℃以上700℃以下とし、圧延率を97%以下とする熱間圧延工程と、焼鈍温度を900℃以上1000℃以下とする焼鈍工程と、を含む。
本発明の一態様によれば、エッチング性に優れたステンレス鋼板を実現できる。
一実施形態に係るステンレス鋼板の表面のマッピング分析結果を示す図である。 一実施形態に係るステンレス鋼板の表面のNi濃度ライン分析結果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の記載は発明の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上B以下」を意味する。
〔Niの偏析層〕
本実施形態に係るステンレス鋼板は、Niが偏析したNi偏析層を有する。本発明におけるNi偏析層とは、Ni濃度が最大となる部分と、Ni濃度が最小となる部分とのNi濃度差が1.5質量%以上であるステンレス鋼板の層と定義される。ここで、Ni濃度が最大となる部分と、Ni濃度が最小となる部分との間の直線距離は300μm以下であることが好ましい。
このようなNi偏析層を有するステンレス鋼板であれば、エッチング加工におけるエッチング性が優れている。なぜならば、Ni偏析層を有するステンレス鋼板は、3次元的には当該偏析層が複数積層しているとともに、Ni濃度の濃度差が存在する領域はずれるように積層している。したがって、Ni濃度が高い部分(すなわち、Cr濃度が低い部分)が優先的にエッチングされるに際して、ステンレス鋼板の板厚方向に比較的速くエッチングが進行するためである。なお、「エッチング性に優れる」とは、エッチング加工による加工速度が速いことを示す。
本実施形態に係る、エッチング性に優れるステンレス鋼板は、例えばメタルマスクまたはシャドーマスク等の製造において使用することにより、エッチング加工に要する時間を短縮できる。したがって、本実施形態に係るステンレス鋼板をこれらのエッチング加工品に使用すれば、製造時間を低減し生産性を向上できる。
〔化学組成〕
(凝固組織の形態)
本実施形態に係るステンレス鋼板は、凝固組織の形態の指標となる下記(1)式により定まるX値が3未満である化学組成を有することが好ましく、X値が0以下である化学組織を有することがより好ましい。
X=30(C+N)+0.5Mn+Ni-1.3Cr+11.8 (1)
ここで、(1)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量が代入され、無添加の元素については0(ゼロ)が代入される。
ステンレス鋼板の凝固組織の形態は、Cr当量およびNi当量の関係から表すことができ、オーステナイト単相凝固組織(Aモード)、初晶オーステナイト+δフェライトの二相凝固組織(AFモード)、初晶δフェライト+オーステナイトの二相凝固組織(FAモード)に大別される。
エッチング性の向上に重要なNiの成分偏析には、凝固組織がFAモードまたはAモードであることが好ましい。凝固組織中のNiの拡散速度は、オーステナイトとδフェライトとで異なり、オーステナイトの方が当該拡散速度が遅い。FAモードでは、初晶フェライトの晶出によりNiの成分偏析が生じ、その後拡散速度が遅いオーステナイトが晶出することで、Niの成分偏析が保たれやすい。またAモードでは、液相からオーステナイト層が凝固するときに生じるNiの成分偏析が、そのまま保持されやすい。
したがって、上述のX値が3未満となるようなFAモードまたはAモードを有するステンレス鋼板は、Niの成分偏析に好適である。このように、上述の(1)式は本発明者等により調査検討の結果から導き出された関係式であり、ステンレス鋼板の凝固組織を形態制御する上で有効な指標である。
以下に、本実施形態に係るステンレス鋼板において好ましい成分の含有量を示す。なお、化学組成における「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
(C)
C(炭素)は、鋼の強度を向上させる元素である。ただし、C含有量が高くなりすぎると延性・靱性が低下する。また、多量のC添加はエッチング液に溶解しないスマット発生の原因となり、エッチング性を低下させる。そのため、C含有量は0.08%以下に制限されることが好ましい。
(Si)
Si(ケイ素)は、製鋼での脱酸作用を有する元素である。ただし、多量のSi含有はSi酸化物を主体とする硬質な介在物の形成を招き、強度、疲労特性、およびエッチング性に悪影響を及ぼす。したがって、Si含有量は1.00%以下に制限されることが好ましい。
(Mn)
Mn(マンガン)は、製鋼での脱酸作用を有する元素である。ただし、多量のMn含有はMn系の硬質な介在物の形成を招き、強度およびエッチング性が低下する要因となるため、Mn含有量は2.50%以下に制限されることが好ましい。
(P、S)
P(リン)およびS(硫黄)は、ステンレス鋼板の靱性を低下させる元素である。そのため、Pは0.045%以下に、Sは0.030%以下にそれぞれ制限されることが好ましい。
(Ni)
Ni(ニッケル)は、偏析によってステンレス鋼板のエッチング性を向上させる元素である。また、靱性向上にも有効である。Ni濃度の偏析を大きくするため、Ni含有量は7.00%以上であることが好ましい。ただし、Niは高価な元素であるため、製造コストの観点から15.00%以下に制限されてもよい。
(Cr)
Cr(クロム)は、ステンレス鋼板の耐食性向上に有効な元素である。Crの含有量は、16.00%以上であることが好ましい。ただし多量のCrは靱性低下の要因となるため、Crの含有量は20.00%以下に制限されることが好ましい。
(Mo)
Mo(モリブデン)は、耐食性向上に有効な元素である。Mo含有量は、2.00%以上であること好ましい。ただし、Moは高価な元素であるためコスト上昇を招くことから、Mo含有量は3.00%以下に制限されることが好ましい。
(Cu)
Cu(銅)は、オーステナイト層の安定化に有効な元素である。Cu含有量は、2.50%以上であることが好ましい。ただし、過度のCu添加は製造性の低下を招くので、Cu含有量は4.00%以下であることが好ましい。
(N)
N(窒素)は、Cと同様、鋼の強度向上に寄与する元素である。ただし、過度にNを含有させると表面欠陥が生じやすくなるため、N含有量は0.06%以下に制限されることが好ましい。
(B)
B(ホウ素)は、熱間加工性向上に有効な元素である。ただし、多量の添加は延性に悪影響を及ぼすので、B含有量は0.01%以下に制限されることが好ましい。
本実施形態に係るステンレス鋼板は、上述の式(1)によって定まるX値が3未満であり、好適な態様としてはC、Si、Mn、P、S、Ni、およびCrを含有し、残部がFeからなるものである。さらに別の態様では、上述の式(1)によって定まるX値が3未満であり、C、Si、Mn、P、S、Ni、およびCrを含有し、さらに、Mo、Cu、N、およびBのうちのいずれか2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物を含むものである。
〔ステンレス鋼板の製造方法〕
本実施形態に係るステンレス鋼板の製造方法について説明する。当該製造方法は、熱間圧延工程と、焼鈍工程とを含む。なお、熱間圧延工程および焼鈍工程以外の工程については、従来一般的なステンレス鋼板の製造方法に従って実施してよい。
(熱間圧延工程)
熱間圧延工程では、ステンレス鋼板の素材となる素材スラブに熱間圧延処理を施した後に、得られた熱延鋼板をコイル状に巻取る。ここで、熱間圧延処理における圧延率は97%以下とする。このような圧延率であれば、熱間圧延処理において発生するひずみの蓄積が緩和され、Ni偏析消失のための駆動力が低下する。そのため、熱延鋼板が有するNi偏析が熱間圧延処理によって消失しにくい。
また、熱延鋼板の巻取りは、400℃以上700℃以下の巻取り温度まで冷却した後に行う。巻取り温度がこのような温度であれば、熱による熱延鋼板のNi偏析消失を低減できる。また、熱間圧延後における巻取り温度までの冷却は水冷であることが好ましい。水冷によって熱延鋼板を熱間圧延終了時の温度から巻取り温度まで急速に冷却することで、熱間圧延処理後に熱延鋼板が熱を保持する時間がより短くなる。そのため、熱延鋼板のNi偏析消失をより低減できる。
(焼鈍工程)
次に、熱延鋼板を軟質化するために、当該熱延鋼板に焼鈍を施す焼鈍工程を実施する。焼鈍工程における焼鈍温度は、900℃以上1000℃以下とする。このように、焼鈍温度を金属組織の再結晶に必要な最低限の温度範囲に設定することにより、焼鈍工程におけるNi偏析消失を低減できる。
〔エッチング処理〕
本実施形態に係るステンレス鋼板をエッチング加工する場合に用いられるエッチング液の種類および濃度には特に制限がない。エッチング液は例えば、通常用いられる塩化第二鉄水溶液または塩化第二鉄を含む塩酸溶液等であってよい。また、エッチング加工の方法についても、ステンレス鋼板表面へのエッチング液のスプレーまたはステンレス鋼板のエッチング液への浸潤等、通常用いられる方法を用いてよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例について、図1および図2を参照して以下に説明する。
〔鋼種および製造方法〕
以下の表1に示す化学成分を有する素材スラブを用いてステンレス鋼板を製造した。このとき、熱間圧延工程における巻取り温度および焼鈍工程における焼鈍温度については、以下の表2に示す巻取り温度および焼鈍温度を用いた。
なお、鋼種AおよびCについては、2種類の仕上げ条件を試行した。表2に示す仕上げ条件における「熱延焼鈍鋼板」は、熱間圧延工程および焼鈍工程を実施したステンレス鋼板である。また、「冷延焼鈍鋼板」はこれらの工程の後にさらに従来一般的な冷間圧延工程を実施したステンレス鋼板である。なお、鋼種Bは熱延焼鈍鋼板条件のみ実施した。
Figure 0007296756000001
Figure 0007296756000002
実施例1~4は本発明の規定範囲内の製造方法によって得られたステンレス鋼板であるのに対し、比較例1は巻取り温度が700℃より高く、焼鈍温度が1000℃より高い条件であり、本発明の規定範囲外の製造方法によって得られたステンレス鋼板である。
〔偏析層のマッピング分析〕
実施例1~4および比較例1のステンレス鋼板表面における偏析層を把握するために、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)によって各ステンレス鋼板表面の分析を行った。EPMAは、日本電子株式会社製のJXA-8530F Plusを使用した。より具体的には、各ステンレス鋼板におけるFe、Cr、Ni、およびCuの濃度について、EPMAを使用した各ステンレス鋼板表面のマッピング分析を行った。マッピング分析の測定範囲は1000μmとした。
図1に示すように、実施例1~4および比較例1のステンレス鋼板の表面について、それぞれFe、Cr、Ni、およびCuの濃度分布を分析した。いずれの条件においても、Niの偏析が確認された。特に、実施例1~4のステンレス鋼板については、Niの強い偏析が見られた。
〔Ni濃度ライン分析〕
次に、実施例1~4および比較例1のステンレス鋼板の表面におけるNi濃度のライン分析を行った。ライン分析にも、上述のEPMAを用いた。ライン分析では、上述のマッピング分析によりNiの偏析が確認された部分について、ステンレス鋼板の圧延方向に対し垂直方向に300μmの直線を設定し、当該直線上におけるNi濃度を分析した。同様の分析を10視野について行い、各視野について、得られたNi濃度が最大となる部分と、Ni濃度が最小となる部分とのNi濃度差を求め、当該Ni濃度差について10視野の平均値を算出した。得られた平均値を、表2の「偏析層の濃度差(質量%)」に示した。
図2および表2に示すように、実施例1~4のステンレス鋼板については、Ni濃度差が1.5質量%以上のNi偏析層が確認された。一方、比較例1のステンレス鋼板では、Ni濃度差が1.5質量%未満であった。
〔エッチング速度〕
実施例1~4および比較例1のステンレス鋼板に対して、エッチング処理を実施し、各ステンレス鋼板のエッチング性を調査した。まず、各ステンレス鋼板を5質量%オルソケイ酸ナトリウムに浸漬し、60℃条件下でアノード電流を5A/dmとなるように10秒流すことで、アルカリ電解脱脂処理を行った。その後、各ステンレス鋼板を30℃条件下で5質量%塩酸に10秒浸漬して中和処理を行った。そして、40g/L塩酸を含む14質量%塩化第二鉄溶液をエッチング液として、中和処理後の各ステンレス鋼板を当該エッチング液に浸漬し、55℃条件下で4時間反応させることでエッチング処理を行った。エッチング処理後の各ステンレス鋼板について、板厚の減少量(μm)を測定した。
表2に示すように、Ni濃度差が1.5質量%以上のNi偏析層が確認された実施例1~4のステンレス鋼板における板厚減少量と、当該Ni偏析層が確認されなかった比較例1の板厚減少量とは、少なくとも5倍以上の大きな差が見られた。また、実施例1~4の中でも上述のX値が0以下である鋼種AまたはBを用いた実施例1~3と、X値が0以上3未満である実施例4との間には、2倍以上の板厚減少量の差が見られた。
以上の結果から、Ni偏析層を有するステンレス鋼板は、エッチング性に優れることが示された。また、Ni偏析層を有するステンレス鋼板の中でも、上述のX値が0以下であれば、より優れたエッチング性が得られることが示された。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.08%以下、N:0.06%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、Ni:7.00~15.00%、およびCr:16.00~20.00%を含有し、かつ
    下記(1)式により定まるX値が3未満であり、残部がFeおよび不可避的不純物である化学組成を有するステンレス鋼板であって、
    Niが偏析した偏析層を有し、
    前記偏析層は、前記ステンレス鋼板の表面について、前記ステンレス鋼板の圧延方向に対して垂直な方向に設定した直線上でNi濃度をライン分析した結果において、Ni濃度が最大となる部分と、Ni濃度が最小となる部分とのNi濃度差が1.5質量%以上であり、
    前記Ni濃度が最大となる部分と、前記Ni濃度が最小となる部分との間の距離が300μm以下である、ステンレス鋼板。
    X=30(C+N)+0.5Mn+Ni-1.3Cr+11.8 (1)
    ここで、(1)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量が代入され、無添加の元素については0(ゼロ)が代入される。
  2. 質量%で、Mo:2.00~3.00%、Cu:2.50~4.00%、P:0.045%以下、S:0.030%以下、およびB:0.01%以下からなる群から選択される1種以上をさらに含有する、請求項に記載のステンレス鋼板。
  3. Niが偏析した偏析層を有るステンレス鋼板の製造方法であって、
    前記ステンレス鋼板は、質量%で、C:0.08%以下、N:0.06%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、Ni:7.00~15.00%、およびCr:16.00~20.00%を含有し、かつ
    下記(1)式により定まるX値が3未満であり、残部がFeおよび不可避的不純物である化学組成を有し、
    前記偏析層は、前記ステンレス鋼板の表面について、前記ステンレス鋼板の圧延方向に対して垂直な方向に設定した直線上でNi濃度をライン分析した結果において、Ni濃度が最大となる部分と、Ni濃度が最小となる部分とのNi濃度差が1.5質量%以上であり、
    前記Ni濃度が最大となる部分と、前記Ni濃度が最小となる部分との間の距離が300μm以下であり、
    巻取り温度を400℃以上700℃以下とし、圧延率を97%以下とする熱間圧延工程と、
    焼鈍温度を900℃以上1000℃以下とする焼鈍工程と、を含む、ステンレス鋼板の製造方法。
    X=30(C+N)+0.5Mn+Ni-1.3Cr+11.8 (1)
    ここで、(1)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量が代入され、無添加の元素については0(ゼロ)が代入される。
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