JP7296172B2 - 粒子密度測定方法及びそのシステム - Google Patents

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Description

本発明は、分散媒中の微小粒子の粒子径分布及び粒子質量分布をそれぞれ測定して前記微小粒子の密度を算出する粒子密度測定方法及びそのシステムに関する。特に、本発明は、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいてもこれを分離して、密度を算出可能とする粒子密度測定方法及びそのシステムに関する。
分散媒中の粒子の密度測定は、製造ラインに組み込まれて、供給される原材料の管理や、製造物の検定などに用いられる。例えば、前記密度測定は、中空状の粒子の中空度や、合金粒子の特定成分の混合率、粒子中の異なる結晶の存在比率の各種情報を与え得る。また、分散媒中の粒子の沈降速度は粒子の密度に依存するため、前記密度測定は、製造ラインでの各種制御にも重要な情報を与え得る。粒子の密度は、単一(個々)の粒子の質量と粒子径とを測定して算出できる。
ここで、非特許文献1は、微小粒子の質量を測定する共振式粒子質量測定法について述べている。この方法は、微小粒子を含む分散媒をカンチレバー内の細管に導いて、前記カンチレバーの共振周波数の変化を検出することで、前記細管内の粒子の質量を高い精度で測定できる。つまり、体積一定の細管について、微小粒子を含まない分散媒(溶媒のみ)が満たした場合の質量と、微小粒子を含む分散媒が満たした場合の質量と、の差によってカンチレバーの共振周波数が変化し、これらの質量差となる微小粒子の質量は測定されることができる。細管の径を非常に小さくしたマイクロ流路のようなものを用いて単一の微小粒子だけを含む分散媒を導くことで、前記単一の微小粒子の質量であっても高精度に測定ができて、粒子径を別途、測定すれば、単一の微小粒子の密度を求め得る。
一方、例えば、特許文献1のように、単一の微小粒子の粒子径については、光照射された管路内に微小粒子を含む分散媒を導き、特定の微小粒子からの散乱光強度を測定して算出する方法などがある。また、近年、流動場であっても、これを補正して、粒子径を精度良く測定し得る方法なども提案されている。
国際公開第2016/159131号
T. P. Burg, M. Godin, S. M. Kundsen, W. Shen, G. Carlson, J. S. Foster, K. Babcock, and S. R. Manalis; Nature, 446, 1066-1069.
微小粒子を含む分散媒から単一の粒子を抽出し、粒子径を測定するとともに、上記したような共振式粒子質量測定法で測定を行うことは、操作上の手間が掛かる。そこで、分散媒中に含まれる多数の微小粒子の粒子径分布及び粒子質量分布をそれぞれ測定して、それぞれ平均粒子径及び平均粒子質量を求めて、密度を簡便に算出できる。一方で、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいると、これらを分離できず、密度を算出することができない。
本発明は、上記したような実情を鑑みてなされたものであって、その目的は、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいてもこれを分離して、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定する方法及びそのシステムを提供することにある。
本発明者らは、上記したような、粒子径分布及び粒子質量分布から、平均粒子径及び平均粒子質量を求めるのではなく、粒子径を揃えておいた上で質量測定を行うことで、粒子質量分布において密度差による分布に分離できることに想到した。
そこで、本発明による粒子密度測定方法は、分散媒中の微小粒子の粒子径分布及び粒子質量分布を測定して前記微小粒子の密度を算出する粒子密度測定方法であって、管路内に前記分散媒を導きながら前記微小粒子の前記粒子径分布を粒子径測定装置で測定する粒子径分布測定工程と、前記管路から送出されてくる前記分散媒を、振動子に設けられた細管路であって前記管路よりも細い細管路に順次導きながら前記振動子の共振周波数の変化から前記粒子質量分布を算出する質量分布測定工程と、を含み、前記粒子径分布測定工程は、前記管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記管路に前記分散媒を提供する分散媒調整工程を含み、前記細管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記細管路に前記分散媒を提供することを特徴とする。
この特徴によれば、微小粒子の粒子径の分布範囲を制御して質量測定を行うことで、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、粒子質量分布においてこれを分離できて、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記粒子径分布測定工程は、前記管路から送出されてくる前記分散媒中の前記微小粒子の個数濃度を調整して、前記分散媒を前記細管路に提供する工程を更に含んでもよい。この特徴によれば、微小粒子の粒子質量分布を精度良く得られ、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記粒子径分布測定工程は、前記管路から送出されてくる前記分散媒を、間欠させた状態で前記細管路に提供する工程を更に含んでもよい。この特徴によれば、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記粒子径測定装置は、光照射された前記管路内に前記分散媒を導きながら前記微小粒子からの散乱光強度から粒子径を測定し、前記粒子径分布を算出する装置であってもよい。この特徴によれば、粒子径分布を簡便に且つ精度よく測定できて、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記分散媒調整工程は、前記分散媒中を拡散する前記微小粒子に対して作用する力場を形成し、前記微小粒子を粒子径に従って前記分散媒中に配列させて前記管路に導いてもよい。また、前記力場は、前記分散媒の流路に沿った液送方向とこれに略直交する方向の流れ場であり、前記微小粒子を前記液送方向に交差するように配列させてもよい。この特徴によれば、流れ場によって簡便に微小粒子を粒子径に従って配列させ得て、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
また、本発明による粒子密度測定システムは、分散媒中の微小粒子の粒子径分布及び粒子質量分布を測定して前記微小粒子の密度を算出する粒子密度測定システムであって、管路内に前記分散媒を導きながら粒子径測定装置で前記微小粒子の前記粒子径分布を測定する粒子径分布測定部と、前記管路から送出されてくる前記分散媒を、振動子に設けられた細管路であって前記管路よりも細い細管路に順次導きながら前記振動子の共振周波数の変化から前記粒子質量分布を測定する質量分布測定部と、を含み、前記粒子径分布測定部は、前記管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記管に前記分散媒を提供する分散媒調整部を含み、前記細管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記細管路に前記分散媒を提供することを特徴とする。
この特徴によれば、微小粒子の粒子径の分布範囲を制御することで、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいてもこれを分離できて、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記粒子径分布測定部は、前記管路から送出されてくる前記分散媒中の前記微小粒子の個数濃度を調整して、前記分散媒を前記細管路に提供する機構を更に含んでもよい。この特徴によれば、微小粒子の粒子質量分布を精度良く得られ、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記粒子径分布測定部は、前記管路から送出されてくる前記分散媒を、間欠させた状態で前記細管路に提供する機構を更に含んでもよい。この特徴によれば、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記粒子径測定装置は、光照射された前記管路内に前記分散媒を導きながら前記微小粒子からの散乱光強度から粒子径を測定し、前記粒子径分布を算出する装置であってもよい。この特徴によれば、粒子径分布を簡便に且つ精度よく測定できて、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
前記分散媒調整部は、前記分散媒中を拡散する前記微小粒子に対して作用する力場を形成して、前記微小粒子を粒子径に従って前記分散媒中に配列させて前記管路に導いてもよい。また、前記力場は、前記分散媒の流路に沿った液送方向とこれに略直交する方向の流れ場であり、前記微小粒子を前記液送方向に交差するように配列させてもよい。この特徴によれば、流れ場によって簡便に微小粒子を粒子径に従って配列させ得て、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいても、分散媒中の微小粒子の密度を簡便且つ精度良く測定することができる。
本発明による粒子密度測定システムのブロック図である。 図1の要部のブロック図である。 分散媒調整部の例を示す原理図である。 分散媒調整部による粒子の流出時間と粒子数の関係を示す度数分布のグラフである。 混合試料を質量測定装置に導いた場合の質量分布のグラフである。 図5の質量分布に基づき粒子径を300nmと仮定した場合の密度分布のグラフである。 粒子密度測定システムでの混合試料の密度の算出結果(200nmピーク)のグラフである。 粒子密度測定システムでの混合試料の密度の算出結果(300nmピーク)のグラフである。
本発明の粒子密度測定システム及び粒子密度測定方法の1つの実施形態について図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すように、粒子密度測定システム10は、微小粒子を分散させた分散媒を用いて微小粒子の密度を測定するためのシステムである。粒子密度測定システム10は、分散媒中の微小粒子の粒子径分布を測定する粒子径分布測定部1と、微小粒子の粒子質量分布を測定する質量分布測定部2とを備える。また、最上流には、分散媒を導入する溶離液導入部11と、溶離液導入部11から導入された溶液に試料である微小粒子を導入して分散させて分散媒とする試料導入部12とを備える。
図2を併せて参照すると、粒子径分布測定部1は、管路内の粒子径を測定できる粒子径測定装置14を含む。粒子径測定装置14は、例えば、この管路内の分散媒にレーザー光を照射し、分散媒中をブラウン運動する微小粒子からの散乱光強度を測定することで、微小粒子の粒子径を算出することができる。典型的には、多角度光散乱検出器(MALS:Multi Angle Light Scattering)を用い得る。
質量分布測定部2には、共振式粒子質量計測法による公知の質量測定装置31を用い得る。すなわち、質量測定装置31は、振動子に設けられた細管路に分散媒を導き、振動子の共振周波数から細管路内の分散媒の質量を測定する装置である。つまり、質量測定装置31は、共振周波数の変化から分散媒の密度に基づき微小粒子の質量を測定でき、微小粒子の粒子質量分布を測定できる。振動子は、例えばカンチレバーからなり、このカンチレバーの固定端から自由端に延びて折り返して固定端に戻るように、細管路を配置させている。細管路は、前記管路よりも細い管路である。細管路の内径は、例えば500nm~300μmである。
ここで、微小粒子の密度が1種類であれば、粒子径分布測定部1によって得た粒子径分布と質量分布測定部2によって得た粒子質量分布とによって、分散媒中の微小粒子の密度が求められる。すなわち、粒子径の3乗が質量に比例するため、両分布は各粒子径、質量で1対1に対応し、対応する質量を粒子径から得られる体積で除することで密度が算出される。
ところが、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいる場合には、上記したような分布の対応が得られない。つまり、粒子径と質量とを対応させることが難しくなる。
そこで、粒子密度測定システム10では、粒子径分布測定部1は分散媒調整部13を備える。分散媒調整部13は、質量測定装置31の細管路に導かれる分散媒において単位時間内に流れる分散媒中の微小粒子の粒子径の分布範囲を、制御する。つまり、質量測定装置31の細管路に導かれる分散媒について、導入される時間を区切ること等をして、粒子径の分布範囲を限定する。
ここで、仮に粒子径の同じ微小粒子のみであった場合、粒子の体積は同一となる。一方、材料の固有値である密度は材料毎に異なる飛び飛びの値となるため、密度と体積の積である質量は飛び飛びの値となる。
実際には、粒子径が全く同じとなることはなく、粒子径の分布範囲を狭くなるように制御し、限定する。このように粒子径を揃えておけば、得られる粒子質量分布(質量-粒子数のグラフ)は、密度の種類に対応する数だけ分布の峰(ピーク)を持つことになり、密度差による分布に分離できる。換言すれば、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含む場合に、得られる粒子質量分布を密度差による分布に分離できる程度に粒子径の分布範囲を制御する。これによって、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含む場合であっても質量の分布を密度差による分布に分離できて、粒子径分布と粒子質量分布から対応する密度を求めることができる。
また、粒子径測定装置14においても管路に導入される分散媒に含まれる粒子径の分布範囲を制御することが好ましい。
つまり、光照射された管路内に分散媒を導きながら微小粒子からの散乱光強度から粒子径を測定する粒子径測定装置14において、粒子径分布の大きい分散媒では散乱光強度の分布範囲が非常に広範囲となる場合がある。例えば、ミー散乱の場合には粒子径の3乗、レイリー散乱の場合には粒子径の6乗に比例して、散乱光強度が変化するためである。その結果、散乱光強度を検出する検出器のレンジを大きく超えてしまい、1群の試料の中に粒子径によって検出できるものと検出できないものとが存在してしまう。つまり、粒子径によって検出漏れとなってしまう範囲が存在し、検出できる粒子径によってのみ試料の粒子径分布を推定すると誤差が非常に大きくなってしまう。
そこで、上記した分散媒調整部13を粒子径測定装置14の前段に配置し、単位時間内に流れる分散媒中の微小粒子の粒子径の分布範囲を制御する。つまり、粒子径測定装置14の管路に導かれる分散媒について、導入される時間を区切ること等をすることで粒子径の分布範囲を限定できるようにする。これによって、粒子径測定装置14は、限定された粒子径の分布範囲に合わせて照射するレーザー光の強度を調整することなどによって、散乱光の強度の分布範囲を制御でき、微小粒子の検出漏れを非常に少なくできる。
このような分散媒調整部13としては、分散媒中を拡散する微小粒子に対して作用する力場を形成し、微小粒子を粒子径に従って分散媒中に配列させ得る装置、例えば、流動場分離法(FFF:Field Flow Fractionation)による装置を用い得る。
図3に示すように、分散媒調整部13に用いるFFFとしては、例えば、交差力場を用いる非対称流れ場流動場分離法(AF4:Asymmetrical Flow Filed Flow Fractionation)を利用したAF4装置を用い得る。AF4装置は、流入口16から流出口18に向かう流路に沿った液送方向を有し、流路の一方の側壁に精密ろ過膜19を設けることで、分散媒17による液送方向に略直交する方向の流れ場50を、交差力場として形成できる。この液送方向に直交する流れ場50により、一旦、精密ろ過膜19の表面の1か所に集められた微小粒子51は、精密ろ過膜19から流路中心に向けて拡散して、その粒子径に基づく拡散速度の違いによって分級するように分散媒中に配列される。具体的には、流路の中心に近づくにつれて粒子径を小さくするように、液送方向に交差する方向に微小粒子51が配列される。さらに、液送方向に沿った層流においては流路外周から中心に向けて速くなる速度勾配がある。そのため、流路の中心近くの粒子径の小さな微小粒子51から順に流路を進み、液送方向にも粒子径によって微小粒子51が配列される。つまり、液送方向の流れとこれに直交する方向の流れとの流れ場50によって、微小粒子51をその粒子径によって配列させる。なお、流路を湾曲させて液送方向に対して略直交する方向に液送による遠心力を力場として付与する方法や、電場や磁場を利用する方法など、公知の粒子径によって微小粒子を配列させる装置を用いてもよい。
再び図1及び図2を参照すると、分散媒調整部13は、単位時間内に流路を流れる微小粒子の粒子径の分布範囲を制御できる。これを粒子径測定装置14の管路に導けば、単位時間内に管路に導かれる分散媒中の微小粒子の粒子径の分布範囲を制御することができる。なお、図示を省略したが、分散媒調整部13は、さらに粒子径測定装置14へ導く分散媒の個数濃度や流量を調整する機構を備えていてもよい。例えば、分散媒調整部13において粒子径分布を調整された分散媒を希釈したり、分散媒の一部分のみを取り分けて濃縮したりすること等をして、粒子径測定装置14で粒子径を測定し易いように調整する。また、分散媒を導出される時間毎に区切って分取する機構や、粒子径測定装置14に導入されるまでの時間を調整する機構を設けてもよい。
一方、粒子径分布測定部1には、質量測定装置31に分散媒を順次導くための接続部20を更に備えることが好ましい。接続部20は、質量測定装置31において質量測定を容易とするように、質量測定装置31に導入される分散媒中の微小粒子の個数濃度を調整する個数濃度調整部として機能する。例えば、スプリット21を用いて分散媒中の微小粒子の配列された部分を避けて、分散媒のみを(例えば、液送方向と直交する方向の流れの上流側のみを)仕切るようにして取り分けて、微小粒子の個数濃度を上昇(濃縮)させ、分散媒を間欠させた状態で質量分布測定部2へ送出することができる。また、流量制御機構22としてシリンジポンプまたはダイヤフラムポンプ等を用いることによって流量を調整することで、時間当たりの個数濃度を調整し、分散媒を質量分布測定部2へ送出することができる。また、希釈機構23として最初に微小粒子を加えた溶液を追加して、微小粒子の個数濃度を低下(希釈)させて、分散媒を送出させてもよい。また、分取機構24を用いて、分散媒を分割してオフラインにて質量測定装置31に導いてもよい。
なお、粒子径測定装置14及び質量測定装置31はそれぞれ図示しない演算装置に接続され、演算装置によって粒子径分布及び粒子質量分布を算出できる。また、演算装置は、得られた粒子径分布及び粒子質量分布から微小粒子の密度を算出できる。例えば、粒子径分布を測定した分散媒を希釈して質量分布を測定しても、微小粒子の粒子径の分布割合は一定であると仮定できるので、これに基づき粒子径分布と粒子質量分布を対応させて密度を算出できる。
なお、これらの処理は、分散媒調整部13の分散媒の個数濃度や流量を調整する機構や、接続部20の機構を適宜選択することで、オンライン又はオフラインのいずれかで行うことができる。
[測定例]
次に、上記した粒子密度測定システム10による粒子密度の測定結果について、図4~図8を用いて説明する。
市販のポリスチレンラテックス水分散液(藤倉化成社製W15E181:粒子径300nm)、市販のシリカ水分散液(MSP社製NS-0200A、Micromod社製43-00-302:粒子径300nm)を混合した混合試料を用いて、以下の検討を行った。
分散媒調整部13にはAF4:AF2000システム(Postnova Analytics社製)を用いた。メンブランとしてセルロース薄膜(Z-MEM-AQU-427N:分子量のカットオフ値は1000)を用い、そのチャネルを350μm厚さとした。溶液としては、0.1%NovaChem Surfactant 100:C-SUR-100分散剤(Postnova Analytics社製)水溶液を用い、希釈水としては超純水を用いた。なお、超純水には、イオン交換フィルター及び0.1μmフィルターで精製した、電気抵抗率18.2MΩ・cm以上で有機炭素濃度を5ppb以下とする微小粒子を含まない「ミリQ水」を用いた。
また、質量測定装置31には共振式質量測定装置Archimedes(Malvern Panalytical社製)を用い、質量測定にはNano sensor(Malvern Panalytical社製)を用いた。
図4に示すように、分散媒調整部13の液送方向の流速を1.0mL/minとして粒子径による微小粒子の配列をさせたところ、流出時間の2か所の位置にピークを有することが判った。20~25分の流出時間におけるピークは200nmの粒子径をもつ微小粒子であり、27~37分の流出時間におけるピークは300nmの粒子径を有する微小粒子である。
このような混合試料を、分散媒調整部13を経由させずに、直接、質量測定装置31の細管路に導入した。
図5に示すように3つの峰の質量分布が得られた。さらに、図6に示すように、分散媒中に分散している微小粒子の粒子径を300nmと仮定し、密度を算出すると3つの峰のそれぞれについて、平均密度として、1.05、1.28、2.00g/cmの密度が算出された。本来、上記した混合試料に含まれるポリスチレンラテックス及びシリカの密度はそれぞれ1.05g/cm、及び、2.00g/cmであるが、実際には、1.28g/cmという本来の密度とは異なる数値が算出されてしまった。
そこで、分散媒調整部13で微小粒子を配列させて本来の2つのピーク(それぞれ200nm及び300nm)の近辺をそれぞれ分取し、さらに各ピークにおいて粒子径測定装置14にて粒子径を測定し、粒子径分布を得た(粒子径分布測定工程の一例)。なお、粒子径測定装置14には、MALSを用いた。さらに、質量測定装置31によって粒子質量分布を得て(質量分布測定工程の一例)、微小粒子の密度を算出し直した。
図7に示すように、200nmピークについてはシリカの密度である2.00g/cmに合致する結果が得られた。また、図8に示すように、300nmピークについてはポリスチレンラテックス及びシリカの密度である1.05g/cm及びシリカの密度である2.00g/cmに合致する結果が得られた。
つまり、今回の試料ではシリカ水分散液に粒子径を200nm付近とするシリカの微小粒子が混在しており、この試料について分散媒調整部13を経由させずに粒子径を300nmと仮定した結果、不正確な値を密度として算出してしまった。これは、200nm付近の粒子径を有するシリカと300nm付近の粒子径を有するポリスチレンラテックスとの質量を分離できなかったために、両者の密度の間に位置する数値を密度として算出してしまったと考えられる。これに対し、分散媒調整部13で微小粒子を配列させて、粒子径の分布範囲を制御した(分散媒調整工程の一例)ことで、密度の異なる微小粒子の混在する試料でも、得られた粒子質量分布の中で質量を2つの密度のそれぞれに対応させて分離でき、粒子径分布から粒子密度を高い精度で求めることができた。
以上のように、粒子密度測定システム10は、密度を異にする複数種類の材質の微小粒子を含んでいてもこれを分離して、それぞれの粒子の密度の算出を可能である。よって、粒子密度測定システム10は、材料合成などにおける粒子材料のモニタリングや品質管理に用いることができ、中空状粒子の中空度、合金粒子の特定成分の混合率、粒子中の結晶性の異なる部分の存在比率などを推定することも可能となり、多様な応用が期待される。
ここまで本発明による代表的な実施例及びこれに基づく改変例について説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替的な実施例を見出すことができるだろう。

Claims (12)

  1. 分散媒中の微小粒子の粒子径分布及び粒子質量分布を測定して前記微小粒子の密度を算出する粒子密度測定方法であって、
    管路内に前記分散媒を導きながら前記微小粒子の前記粒子径分布を粒子径測定装置で測定する粒子径分布測定工程と、
    前記管路から送出されてくる前記分散媒を、振動子に設けられた細管路であって前記管路よりも細い細管路に順次導きながら前記振動子の共振周波数の変化から前記粒子質量分布を測定する質量分布測定工程と、を含み、
    前記粒子径分布測定工程は、前記管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記管路に前記分散媒を提供する分散媒調整工程を含み、前記細管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記細管路に前記分散媒を提供することを特徴とする粒子密度測定方法。
  2. 前記粒子径分布測定工程は、前記管路から送出されてくる前記分散媒中の前記微小粒子の個数濃度を調整して、前記分散媒を前記細管路に提供する工程を更に含むことを特徴とする請求項1記載の粒子密度測定方法。
  3. 前記粒子径分布測定工程は、前記管路から送出されてくる前記分散媒を、間欠させた状態で前記細管路に提供する工程を更に含むことを特徴とする請求項1記載の粒子密度測定方法。
  4. 前記粒子径測定装置は、光照射された前記管路内に前記分散媒を導きながら前記微小粒子からの散乱光強度から粒子径を測定し、前記粒子径分布を算出する装置であることを特徴とする請求項1記載の粒子密度測定方法。
  5. 前記分散媒調整工程は、前記分散媒中を拡散する前記微小粒子に対して作用する力場を形成し、前記微小粒子を粒子径に従って前記分散媒中に配列させて前記管路に導くことを特徴とする請求項1記載の粒子密度測定方法。
  6. 前記力場は、前記分散媒の流路に沿った液送方向とこれに略直交する方向の流れ場であり、前記微小粒子を前記液送方向に交差するように配列させることを特徴とする請求項5記載の粒子密度測定方法。
  7. 分散媒中の微小粒子の粒子径分布及び粒子質量分布を測定して前記微小粒子の密度を算出する粒子密度測定システムであって、
    管路内に前記分散媒を導きながら前記微小粒子の前記粒子径分布を粒子径測定装置で測定する粒子径分布測定部と、
    前記管路から送出されてくる前記分散媒を、振動子に設けられた細管路であって前記管路よりも細い細管路に順次導きながら前記振動子の共振周波数の変化から前記粒子質量分布を測定する質量分布測定部と、を含み、
    前記粒子径分布測定部は、前記管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記管路に前記分散媒を提供する分散媒調整部を含み、前記細管路内を単位時間内に流れる前記分散媒中の前記微小粒子の粒子径の分布範囲を制御し、前記細管路に前記分散媒を提供することを特徴とする粒子密度測定システム。
  8. 前記粒子径分布測定部は、前記管路から送出されてくる前記分散媒中の前記微小粒子の個数濃度を調整して、前記分散媒を前記細管路に提供する機構を更に含むことを特徴とする請求項7記載の粒子密度測定システム。
  9. 前記粒子径分布測定部は、前記管路から送出されてくる前記分散媒を、間欠させた状態で前記細管路に提供する機構を更に含むことを特徴とする請求項7記載の粒子密度測定システム。
  10. 前記粒子径測定装置は、光照射された前記管路内に前記分散媒を導きながら前記微小粒子からの散乱光強度から粒子径を測定し、前記粒子径分布を算出する機構であることを特徴とする請求項7記載の粒子密度測定システム。
  11. 前記分散媒調整部は、前記分散媒中を拡散する前記微小粒子に対して作用する力場を形成して、前記微小粒子を粒子径に従って前記分散媒中に配列させて前記管路に導くことを特徴とする請求項7記載の粒子密度測定システム。
  12. 前記力場は、前記分散媒の流路に沿った液送方向とこれに略直交する方向の流れ場であり、前記微小粒子を前記液送方向に交差するように配列させることを特徴とする請求項11記載の粒子密度測定システム。
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