以下、本発明の第1実施形態である車両用灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
図1は、車両用灯具10の斜視図である。
図1に示す車両用灯具10は、テールランプとして機能する車両用信号灯具である。車両用灯具10は、自動車等の車両(図示せず)の後端部の左右両側にそれぞれ搭載される。左右両側に搭載される車両用灯具10は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両の後端部の左側(車両前方に向かって左側)に搭載される車両用灯具10について説明する。以下、説明の都合上、「前方」とは車両後方の意味で用い、「後方」とは車両前方の意味で用いる。なお、以下、説明の便宜のため、XYZ軸を定義する。X軸は車両前後方向に延びており、Y軸は車幅方向に延びており、Z軸は鉛直方向に延びている。
図2は車両用灯具10の正面図、図3は図2のA-A断面図、図4(a)図2のB-B断面図、図4(b)は図2のC-C断面図、図5は図2のD-D断面図(第2導光体40B、第1光源モジュール50A、インナーレンズ60省略)、図6は車両用灯具10の分解斜視図である。
図2~図6に示すように、車両用灯具10は、リフレクタ30、第1導光体40A、第2導光体40B、第1光源モジュール50A、第2光源モジュール50B、インナーレンズ60等を備える。車両用灯具10は、アウターレンズ(図示せず)とハウジング70(図6参照)とによって構成される灯室内に配置され、ハウジングに固定される。
図2に示すように、車両用灯具10は、第1~第3棒状導光部42A~42Cを備える。第1~第3棒状導光部42A~42Cはそれぞれ棒状発光領域を形成する。第1~第3棒状導光部42A~42Cはそれぞれ同様の構成である。以下、第1~第3棒状導光部42A~42Cを特に区別しない場合、棒状導光部42と記載する。
また、車両用灯具10は、第1~第5板状導光部41A~41Eを備える。第1~第5板状導光部41A~41Eはそれぞれ面状発光領域を形成する。第1~第5板状導光部41A~41Eはそれぞれ同様の構成である。以下、第1~第5板状導光部41A~41Eを特に区別しない場合、板状導光部41と記載する。
棒状導光部42(直径)と板状導光部41(厚さ)との関係は、棒状導光部42(直径:例えば8mm)>板状導光部42(厚さ:例えば2mm)である。
図2、図6に示すように、リフレクタ30は、正面側に曲線部32a1を含むT字状の開口端部32aを有するランプケースである。リフレクタ30の材料は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂である。
具体的には、リフレクタ30は、背面側に配置されたT字状の底部31と、当該T字状の底部31の外周縁から前方に向かって延びて正面側に開口端部32aを有する壁部32(図3、図4(a)参照)と、底部31と壁部32とで取り囲まれて正面側がT字状に開口したT字状空間S1と、を含む。
図2に示すように、T字状空間S1は、正面視で左に略90度回転したT字状の空間である。T字状空間S1は、Y軸方向(本発明の第1方向の一例)に延びた第1空間S1aとZ軸方向(本発明の第2方向の一例)に延びた第2空間S1bとを含む。
リフレクタ30の開口端部32aは、正面視で左に略90度回転したT字状の開口端部で、正面視でT字状空間S1を取り囲んでいる。
図4に示すように、リフレクタ30は、当該リフレクタ30の開口端部32aから当該リフレクタ30(壁部32)との間に空間S2を保った状態で後方に向かって延びた延長部33を備える。空間S2には、第1光源モジュール50Aが配置される。
リフレクタ30の延長部33は、空間S2に配置された第1光源モジュール50Aが正面側から視認されないように、当該空間S2に配置された第1光源モジュール50Aを覆う。
図9に示すように、リフレクタ30の壁部32(内側面)には、複数のローレット32bが設けられる。ローレット32bは、例えば、円柱軸がX軸方向に延びたシリンドリカル面(又はシリンドリカル状の面)である。
リフレクタ30の内側面(T字状の底部31及び壁部32)には、アルミ蒸着を施すことで、反射面が形成される。
以下、T字状の底部31に形成された反射面のことを底部反射面31aといい、壁部32(複数のローレット32b)に形成された反射面のことをローレット反射面32b1という。
図3、図4に示すように、底部反射面31aは、第1導光体40Aの背面側に当該第1導光体40Aの後面が対向した状態で配置される。また、ローレット反射面32b1は、第1導光体40Aの延長終端部43の第1面43aが空間S4を挟んで対向した状態で配置される。
底部反射面31aは、例えば、第1導光体40Aの裏面及び第2導光体40Bの裏面から出射する光を反射する。また、ローレット反射面32b1は、例えば、第1導光体40Aの延長終端部43から出射する光を反射(拡散)する。延長終端部43については後述する。
図7(a)は第1導光体40Aの正面図、図7(b)は背面図である。
図7に示すように、第1導光体40Aは、棒状導光部42(第1棒状導光部42A、第2棒状導光部42B)、板状導光部41(第1板状導光部41A、第2板状導光部41B、第3板状導光部41C)を含む。第1導光体40Aの材料は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂である。
第1棒状導光部42A、第2棒状導光部42Bは、間隔をあけて並列に配置されている。
棒状導光部42(第1及び第2棒状導光部42A、42B)は、正面側に配置される前面42a(図7(a)参照)とその反対側の背面側に配置される後面42b(図7(b)参照)とを含み、図7(a)に示すように、一端部42c(以下、左端部42cともいう)から他端部42d(以下、右端部42dともいう)に向かって概ねY軸方向に延びた長尺の棒状導光部である。
図3に示すように、棒状導光部42のY軸方向に直交する平面(図3中XZ平面)による断面形状は、前面42aと後面42b(一対の側面42b1及び最後面42b2)とで囲まれた概ね銀杏形状に構成されている。具体的には、次のように構成されている。
棒状導光部42の前面42aは、当該棒状導光部42の長手方向に直交する平面(図3中XZ平面)による断面形状が正面側(図3中右側)に向かって凸の円弧形状となる曲面、例えば、円柱軸がY軸方向に延びたシリンドリカル面である。
棒状導光部42の前面42aには、当該前面42aから出射する光を制御してテールランプの配光規格を満たすように、レンズカットが施される。なお、レンズカットを施さなくてもテールランプの配光規格を満たす場合、レンズカットは省略してもよい。
棒状導光部42の後面42bは、当該棒状導光部42の長手方向に直交する平面(図3中XZ平面)による断面形状が棒状導光部42内部に向かって凸で背面側(図3中左側)に向かうに従って間隔が狭くなるように配置された一対の円弧形状となる一対の側面42b1と、当該棒状導光部42の長手方向に直交する平面による断面形状が一対の円弧形状の端部(図3中左端部)同士を連結する直線形状となるように一対の側面42b1同士を連結する最後面42b2と、を含む。
図7(b)に示すように、棒状導光部42の後面42b(最後面42b2)は、第1導光体40A内を導光される第1光源モジュール50Aからの光を拡散させて棒状導光部42の前面42aから出射させるための複数の第1構造物LC1を含む。第1構造物LC1は、例えば、V溝等のレンズカットである。
なお、棒状導光部42の左端面42c1(入光面)から棒状導光部42内に入光した第1光源モジュール50Aからの光RayA(図4(b)参照)は棒状導光部42の左端面42c1(入光面)から遠くなるに従って減少するが、例えば、第1光源モジュール50Aから遠くなるに従って第1構造物LC1の数(密度)を増やすことで、棒状導光部42を均一(又は略均一)に発光させることができる。
図7(a)に示すように、棒状導光部42の左端部42cは、板状導光部41の左端部から突出している。棒状導光部42の左端面42c1(入光面)は、例えば、XZ平面に対して平行な平面である。棒状導光部42の右端部42dは、板状導光部41の右端部まで延びている。
図8は、棒状導光部42の変形例の断面図である。
断面形状が概ね銀杏形状の棒状導光部42に代えて、図8に示すように、断面形状が円形状の一般的な棒状導光部を用いてもよいが、断面形状が概ね銀杏形状の棒状導光部42を用いることで、断面形状が円形状の一般的な棒状導光部を用いる場合と比べ、棒状導光部42をより明るく発光させることができる。
板状導光部41は、正面側に配置される前面41a(図7(a)参照)とその反対側の背面側に配置される後面41b(図7(b)参照)とを含む板状の導光部である。図3に示すように、板状導光部41の前面41a及び後面41bは、それぞれ、平面又は平面形状の面で、互いに平行に配置されている。
板状導光部41の前面41aには、当該前面41aから出射する光を制御してテールランプの配光規格を満たすように、レンズカットが施される。なお、レンズカットを施さなくてもテールランプの配光規格を満たす場合、レンズカットは省略してもよい。
図7に示すように、第1板状導光部41Aは、第1棒状導光部42Aの外周面に連結された一端縁41Acと、その反対側の他端縁41Ad(外周縁)と、を含む。
図2に示すように、第1板状導光部41Aの他端縁41Ad(少なくとも一部)は、正面視でリフレクタ30の開口端部32aとの間に均一(又は略均一)な隙間(例えば、図2中の符号L1が示す隙間参照)を保った状態でリフレクタ30の開口端部32aに沿って延びている。
図7に示すように、第2板状導光部41Bは、第1棒状導光部42Aの外周面に連結された一端縁41Bcと、第2棒状導光部42Bの外周面に連結された他端縁41Bdと、を含む。
第3板状導光部41Cは、第2棒状導光部42Bの外周面に連結された一端縁41Ccと、その反対側の他端縁41Cd(外周縁)と、を含む。
図2に示すように、第3板状導光部41Cの他端縁41Cd(少なくとも一部)は、正面視でリフレクタ30の開口端部32aとの間に均一(又は略均一)な隙間(例えば、図2中の符号L2が示す隙間参照)を保った状態でリフレクタ30の開口端部32aに沿って延びている。
図7(b)に示すように、板状導光部41の後面41bは、第1導光体40A内を導光される第1光源モジュール50Aからの光を拡散させて板状導光部41の前面41aから出射させるための複数の第2構造物LC2を含む。第2構造物LC2は、例えば、V溝等のレンズカットである。
なお、棒状導光部42の左端面42c1(入光面)から棒状導光部42内に入光した第1光源モジュール50Aからの光RayA(図4(b)参照)は棒状導光部42の左端面42c1(入光面)から遠くなるに従って減少するが、例えば、第1光源モジュール50Aから遠くなるに従って第2構造物LC2の数(密度)を増やすことで、板状導光部41を均一(又は略均一)に発光させることができる。
図7(a)に示すように、第1導光体40Aの板状導光部41は、第1導光体40Aをリフレクタ30に固定するために、リフレクタ30に形成された開口H1周囲が係合する第1係合部44a(例えば、溝部。図4(a)参照)を備える。第1係合部44aは、第2板状導光部41Bの左端部から左側に延びた第1固定部44(以下、第1フック部44ともいう)に設けられる。
また、図5に示すように、第1導光体40Aの板状導光部41は、第1導光体40Aをリフレクタ30に固定するために、リフレクタ30に設けられた爪部34(図5、図6参照)が係合する第2係合部45a(例えば、開口部)を備える。第2係合部45aは、板状導光部41の右端部から後方に向かって延びた第2固定部45(図7(b)参照)に設けられる。
本発明者らが検討したところ、第2固定部45を設けた場合、第1導光体40Aの右端部(例えば、棒状導光部42(第1及び第2棒状導光部42A、42B)の右端部42d)に達した第1光源モジュール50Aからの光により当該第1導光体40Aの右端部(例えば、第2固定部45)で点光りが発生することが判明した。また、第1導光体40A内を導光される第1光源モジュール50Aからの光が当該板状導光部41の右端部から直接出射してリフレクタ30の壁部32(ローレット反射面32b1)で反射されることに起因し、点光りが発生する場合もある。
この点光りを抑制するため、図4(b)に示すように、第1導光体40A(板状導光部41)は、当該第1導光体40A内を導光され当該第1導光体40Aの右端部に達した第1光源モジュール50Aからの光RayAを拡散光として出射する延長終端部43を含む。延長終端部43は、本発明の終端部の一例である。
延長終端部43は、板状導光部41の右端部42dから前方に向かって延びた板状の導光部で、リフレクタ30の壁部32(ローレット反射面32b1)が対向する第1面43aとその反対側の第2面43bとを含む。第1面43aは、延長終端部43内を導光される第1光源モジュール50Aからの光RayAを拡散させて第2面43bから出射させるための複数の第3構造物LC3を含む(図12(a)参照)。第3構造物LC3は、例えば、V溝等のレンズカットである。
延長終端部43は、板状導光部41の右端部42dに達した第1光源モジュール50Aからの光が全反射されて当該延長終端部43内に入光するように、板状導光部41に対して角度θ(図4(a)参照)傾斜した方向に延びている。
上記構成の第1導光体40Aは、第1固定部44及び第2固定部45をリフレクタ30に固定することで、リフレクタ30の第1空間S1aに配置される。
具体的には、第1導光体40Aは、図4(a)に示すように、第1固定部44に設けられた第1係合部44a(例えば、溝部)にリフレクタ30に形成された開口H1周囲を係合させ、かつ、図5に示すように、第2固定部45に設けられた第2係合部45a(例えば、開口部)にリフレクタ30に設けられた爪部34を係合させる。
これにより、図2に示すように、第1導光体40Aは、第1導光体40Aの棒状導光部42が延びている方向がY軸方向に一致した状態で、リフレクタ30の第1空間S1aに配置される。
その際、図4(a)に示すように、第1導光体40Aの後面から後方に向かって延びたリブ46(図4(a)中、2箇所を例示)がリフレクタ30の底部31に突き当たるため、第1導光体40Aの後面は、空間S3を挟んだ状態でリフレクタ30の底部反射面31aと対向する。また、延長終端部43も、空間S4を挟んだ状態でリフレクタ30のローレット反射面32b1と対向する。図9は、第1空間S1aに第1導光体40Aが配置された状態のリフレクタ30の斜視図である。
図6に示すように、第1光源モジュール50Aは、第1光源51aと、第2光源51bと、第1及び第2光源51a、51bが実装された第1基板52Aと、を備える。第2光源モジュール50Bは、第3光源51cと、第3光源51cが実装された第2基板52Bと、を備える。
第1~第3光源51a~51cはそれぞれ同様の構成である。以下、第1~第3光源51a~51cを特に区別しない場合、光源51と記載する。
光源51は、例えば、赤色光を発光するLED等の半導体発光素子である。
図4(a)に示すように、第1光源モジュール50Aは、第1導光体40A(第1固定部44)に固定される。
具体的には、第1基板52Aは、当該第1基板52Aに形成された貫通穴53Aに第1導光体40Aの第1固定部44を挿入(例えば、嵌合)し、当該第1基板52Aに形成された貫通穴53Aの周囲を第1固定部44に形成された溝部44bに係合させる。
これにより、図4(b)に示すように、第1光源モジュール50Aは、第1基板52Aに実装された光源51が第1導光体40Aの棒状導光部42の左端部42c(左端面42c1)に対向した状態で、第1導光体40A(第1固定部44)に固定される。
図10は、第2導光体40Bの正面図である。
図10に示すように、第2導光体40Bは、棒状導光部42(第3棒状導光部42C)、板状導光部41(第4板状導光部41D、第5板状導光部41E)を含む。第2導光体40Bの材料は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂である。
棒状導光部42(第3棒状導光部42C)は、正面側に配置される前面42a(図4、図10参照)とその反対側の背面側に配置される後面42b(図4参照)とを含み、一端部42c(以下、上端部42cともいう)から他端部42d(以下、下端部42dともいう)に向かって概ねZ軸方向に延びた長尺の棒状導光部である。棒状導光部の下端部42dは、板状導光部41の下端部まで延びている。
第2導光体40B(第3棒状導光部42C)の下端部(終端部)には、丸みがつけられている。例えば、第2導光体40B(第3棒状導光部42C)の下端面42d1は、凸円弧状(例えば、下方に向かって凸の凸面)である。これにより、光の直進性が抑制され、拡散効果が向上する。その結果、点光り(例えば、第2導光体40B内を導光される第2光源モジュール50Bからの光が第2導光体40Bの下端部から直接出射してリフレクタ30の壁部32(ローレット反射面32b1)で反射されることに起因する点光り)が低減される。なお、点光りを抑制するため、第1導光体40Aと同様、第2導光体40B(第3棒状導光部42C)の下端部に延長終端部43を設けてもよい。
図10に示すように、第4板状導光部41Dは、第3棒状導光部42Cの外周面に連結された一端縁41Dcと、その反対側の他端縁41Dd(外周縁)と、を含む。
図2に示すように、第4板状導光部41Dの他端縁41Dd(少なくとも一部)は、正面視でリフレクタ30の開口端部32aとの間に均一(又は略均一)な隙間(例えば、図2中の符号L3が示す隙間参照)を保った状態でリフレクタ30の開口端部32aに沿って延びている。
図10に示すように、第5板状導光部41Eは、第3棒状導光部42Cの外周面に連結された一端縁41Ecと、その反対側の他端縁41Ed(外周縁)と、を含む。
図2に示すように、第5板状導光部41Eの他端縁41Ed(少なくとも一部)は、正面視でリフレクタ30の開口端部32aとの間に均一(又は略均一)な隙間(例えば、図2中の符号L4、L5が示す隙間参照)を保った状態でリフレクタ30の開口端部32aに沿って延びている。
図10に示すように、第2導光体40Bの板状導光部41は、第1導光体40Aをリフレクタ30に固定するために、板状導光部41の上端部に設けられた第3固定部47(以下、第2フック部47もいう)と、板状導光部41の下端部に設けられた第4固定部(図示せず)と、を含む。
上記構成の第2導光体40Bは、第3固定部47及び第4固定部をリフレクタ30に固定することで、図2に示すように、第2導光体40Bの棒状導光部42が延びている方向がZ軸方向に一致した状態で、リフレクタ30の第2空間S1bに配置される。
その際、図4(a)に示すように、第2導光体40Bの後面は、第1導光体40Aを挟んだ状態でリフレクタ30の底部反射面31aと対向する。
第2光源モジュール50Bは、第2導光体40B(第3固定部47)に固定される。
具体的には、図示しないが、第2光源モジュール50Bは、第1光源モジュール50Aと同様、第2基板52Bに実装された光源51が第2導光体40Bの棒状導光部42の上端部42c(上端面42c1)に対向した状態で、第2導光体40B(第3固定部47)に固定される。
図4に示すように、上記のように第1及び第2導光体40A、40Bが固定されたリフレクタ30には、インナーレンズ60が溶着される。
インナーレンズ60は、外形がリフレクタ30のT字状の開口端部32aと同一形状のレンズ本体61(図6参照)と、その裏面の外周部全周に設けられた脚部62(図4(a)参照)と、を含む。
図4(a)に示すように、インナーレンズ60は、脚部62とリフレクタ30の開口端部32aとを突き合わせ、全周に渡って溶着することで、リフレクタ30との間に灯室(T字状空間S1)を構成する。
上記構成の車両用灯具10においては、第1光源モジュール50A及び第2光源モジュール50Bそれぞれの光源51を点灯することでテールランプが実現される。
すなわち、第1光源モジュール50Aの光源51を点灯すると、図4(b)に示すように、第1光源モジュール50Aの光源51からの光RayAは、第1導光体40Aの棒状導光部42の左端面42c1(入光面)から棒状導光部42に入光し、第1導光体40A内で内面反射(全反射)を繰り返しつつ第1導光体40Aの左端部から右端部に向けて第1導光体40A内を導光され、図11に示すように、一部が第1構造物LC1で内面反射(拡散反射)されて棒状導光部42の前面42aから出射し(図11中の符号RayA1が表す光参照)、他の一部が第2構造物LC2で内面反射(拡散反射)されて板状導光部41の前面41aから出射する(図11中の符号RayA2が表す光参照)。図11は、第1光源モジュール50Aからの光RayAの光路図である。
図12(a)は図5中、円で囲った範囲のXY平面による断面図、図12(b)は図5中、円で囲った範囲のYZ平面による断面図である。図12に示すように、第1導光体40A内を導光され、板状導光部41の右端部に達した第1光源モジュール50Aからの光RayAは、延長終端部43に入光し、延長終端部43内で内面反射(全反射)を繰り返しつつ延長終端部43の先端部に向けて延長終端部43内を導光される。そして、一部が第3構造物LC3で内面反射されて延長終端部43の第2面43bから出射し、他の一部が第1面43aから出射し、さらに、リフレクタ30の壁部32(ローレット反射面32b1)で反射(拡散反射)され、延長終端部43を透過する。
このように、板状導光部41の右端部42dに達した第1光源モジュール50Aからの光RayAが延長終端部43(及びローレット反射面32b1)によって拡散されるため、第1導光体40Aの他端部(例えば、第2固定部45)で発生する点光りが抑制される。
また、第2光源モジュール50Bの光源51を点灯すると、図示しないが、第2光源モジュール50Bの光源51からの光は、第2導光体40Bの棒状導光部42の上端面42c1(入光面)から棒状導光部42に入光し、第2導光体40B内で内面反射(全反射)を繰り返しつつ第2導光体40Bの上端部から下端部に向けて第2導光体40B内を導光され、一部が第1構造物LC1で内面反射(拡散反射)されて棒状導光部42の前面42aから出射し、他の一部が第2構造物LC2で内面反射(拡散反射)されて板状導光部41の前面41aから出射する。
以上のように、第1導光体40Aの棒状導光部42の前面42a及び板状導光部41の前面41aそれぞれから出射する第1光源モジュール50Aからの光、並びに、第2導光体40Bの棒状導光部42の前面42a及び板状導光部41の前面41aそれぞれから出射する第2光源モジュール50Bからの光によりテールランプ用配光パターンが形成される。
また、上記のように第1光源モジュール50Aからの光が第1導光体40Aの棒状導光部42の前面42aから出射し、かつ、第2光源モジュール50Bからの光が第2導光体40Bの棒状導光部42の前面42aから出射することで、棒状導光部42(第1~第3板状導光部42A~42C)が均一又は略均一に発光(線発光)する。すなわち、棒状発光領域が形成される。また、板状導光部41の右端部42dに達した第1光源モジュール50Aからの光RayAが延長終端部43から出射することで、延長終端部43が均一又は略均一に発光(面発光)する。
また、上記のように第1光源モジュール50Aからの光が第1導光体40Aの板状導光部41の前面41aから出射し、かつ、第2光源モジュール50Bからの光が第2導光体40Bの板状導光部41の前面41aから出射することで、板状導光部41(第1~第5板状導光部41A~41E)が均一又は略均一に発光(面発光)する。すなわち、板状発光領域が形成される。
棒状導光部42(棒状発光領域)は、板状導光部41(板状発光領域)より相対的に明るく発光する。これは、光源51の光軸と棒状導光部42の延びている方向とが概ね一致しているため、棒状導光部42内においては相対的に強度が強い光(例えば、半値角内の光)が導光されるのに対して、板状導光部41内においては相対的に強度が弱い光が導光されることによるものである。
このため、板状発光領域(面発光)の中に棒状発光領域(線発光)が浮かび上がる極めて意匠性の高い発光見栄えを実現することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1導光体40Aの他端部(例えば、第2固定部45)で発生する点光りを抑制することができる車両用灯具10を提供することができる。
これは、点光りの原因となる光、すなわち、第1導光体40Aの他端部に達した第1光源モジュール50Aからの光が延長終端部43によって拡散されることによるものである。
また、本実施形態によれば、面発光している延長終端部43の背後で、延長終端部43から後方に漏れ出る光を反射することで発光するローレット反射面32b1が視認される、奥行き感のある立体的な発光見栄えを実現することができる。
また、本実施形態によれば、第1及び第2導光体40A、40Bの外周縁とリフレクタ30(ランプケース)の開口端部32aとの間の隙間(図2中の符号L1~L5が示す隙間参照)が不均一となるのを抑制し、かつ、棒状導光部42及び板状導光部41それぞれを均一(又は略均一)に発光させることができる車両用灯具10を提供することができる
。
これは、図2に示すように、第1及び第2導光体40A、40Bの外周縁が棒状導光部42ではなく板状導光部41の他端縁41Ad~41Edであること、そして、当該板状導光部41の他端縁41Ad~41Edがリフレクタ30の開口端部32aに沿って延びていること、によるものである。
また、本実施形態によれば、断面形状が概ね銀杏形状の棒状導光部42を用いているため、断面形状が円形状(図8参照)の一般的な棒状導光部を用いる場合と比べ、棒状導光部42をより明るく発光させることができる。
また、本実施形態によれば、面発光(板状導光部41)及び線発光(棒状導光部42)している第1及び第2導光体40A、40Bの背後で、第1及び第2導光体40A、40Bから後方に漏れ出る光を反射することで発光する底部反射面31aが視認される、奥行き感のある立体的な発光見栄えを実現することができる。
また、本実施形態によれば、第1導光体40Aと第2導光体40Bとが重なった箇所が相対的に明るい新規発光見栄えを実現することができる。例えば、図2に示すように、正面視で、第1導光体40Aと第2導光体40Bとが重なっている場合、棒状導光部42同士が重なった箇所(図2中符号C1、C2が示す箇所参照)が最も明るく、棒状導光部42と板状導光部41とが重なった箇所(図2中符号C3~C6が示す箇所参照)、板状導光部41同士が重なった箇所(図2中符号C7~C9が示す箇所参照)符号C1~C9以外の箇所がこの順に暗くなる、つまり、明るさがグラデーション状に変化する、奥行き感のある立体的な新規発光見栄えを実現することができる。
また、本実施形態によれば、光源51が実装された基板52A、52Bを導光体40A、40B自体に固定することができるため(図4参照)、光源51を導光体40A、40B以外のハウジング等に固定する場合と比べ、光源51の棒状導光部42の一端面42c1に対する位置決めを精度良く行うことができる。
また、本実施形態によれば、第1光源モジュール50Aがリフレクタ30の延長部33で覆われる形となるため(図4参照)、第1光源モジュール50A(光源51が実装された第1基板52A)が正面側から視認されるのを防止することができる。
次に、第2実施形態の車両用灯具10Aについて説明する。
図13は、車両用灯具10Aの分解斜視図である。
図13に示すように、本実施形態の車両用灯具10Aは、上記第1実施形態の車両用灯具10と比べ、さらに、ブラケット80を備える。また、本実施形態の車両用灯具10Aは、第1導光体40Aの入光面42c1(図13中2箇所)と第1基板52Aに実装された第1及び第2光源51a、51bとを互いに位置決めした状態で対向させる第1位置決め構造と、第2導光体40Bの入光面42c1(図13中1箇所)と第2基板52Bに実装された第3光源51cとを互いに位置決めした状態で対向させる第2位置決め構造と、を備える。それ以外、上記第1実施形態と同様の構成である。以下、上記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
まず、第1位置決め構造について説明する。
第1位置決め構造は、主に、第1導光体40A及び第1基板52Aによって構成される。
まず、第1基板52Aについて説明する。
図14は、図13中の矢印AR1方向から見た第1基板52Aを表す。
図14に示すように、第1基板52Aは、貫通穴H2、H3、及び、切欠き部N1を含む。貫通穴H2、H3は、第1基板52Aの表面52A1と裏面52A2とを貫通している。なお、図14中、第1及び第2光源51a、51bは、第1基板52Aの裏面に実装されているため、点線で描かれている。
貫通穴H2は、ブラケット80に設けられたフック部81が係合する貫通穴である。貫通穴H3は、第1基板52Aをブラケット80に固定するためのネジ(図示せず)が挿入されるネジ穴である。切欠き部N1は、第1導光体40Aの第1フック部44(係合部44c)が係合する矩形の切欠き部である。切欠き部N1は、第1導光体40Aの第1フック部44が対向する第1基板52Aの端部に形成される(図21参照)。
上記構成の第1基板52Aは、次のようにしてブラケット80に取り付けられる。
図15は、第1基板52A及び第2基板52Bが取り付けられた状態のブラケット80の斜視図である。図16は、図15に示すブラケット80の正面図である。図17は図16に示すブラケット80のG-G断面図、図18はH-H段面図である。
図15~図18に示すように、第1基板52Aは、XZ平面に対して概ね平行の姿勢でブラケット80に取り付けられる。
具体的には、まず、ブラケット80に設けられたフック部81(図17及び図18参照)を第1基板52Aに形成された貫通穴H2に係合させる。これにより、第1基板52Aは、ブラケット80に仮止めされる。次に、ブラケット80に形成された貫通穴H3(図18参照)に挿入されたネジ(図示せず)をブラケット80にネジ止めする。これにより、第1基板52Aは、XZ平面に対して概ね平行の姿勢でブラケット80に取り付けられる。
次に、第1導光体40A(主に第1フック部44)について説明する。
図19(a)は図7(a)に示す第1導光体40AのE-E断面図、図19(b)は図19(a)中の一点鎖線で描いた円内の拡大図である。図20は、図19(b)のP-P断面図である。図21は、図7(b)中の一点鎖線で描いた円内の拡大斜視図である。
図19~図21に示すように、第1導光体40Aは、溝部44bが形成された第1フック部44を含む。第1フック部44は、例えば、第2板状導光部41Bの右端部(図21中の右端部)に設けられる。
図21に示すように、第1フック部44は、後方に向かってU字型に開いたフック部である。第1フック部44に形成された溝部44bは、Z軸方向に延びている。つまり、溝部44bは、第1基板52A(切欠き部N1)の厚み方向(Y軸方向)に交差する方向に延びている(貫通している)。
第1フック部44は、第1基板52Aに形成された切欠き部N1に係合する係合部44cと、第1基板52Aの表面52A1及び裏面52A2それぞれが当接する一対の第1当接部44d、44eと、を含む。
係合部44cは、第1フック部44の底部(U字の底部)に設けられる(図21参照)。
一対の第1当接部44d、44eは、係合部44cのY軸方向の両端部からそれぞれ後方に向かって延びている。
係合部44c及び一対の第1当接部44d、44eが、溝部44bを形成する。
また、第1フック部44は、一対のガイド面44f、44gを含む。一対のガイド面44f、44gは、一対の第1当接部44d、44eの後端部にそれぞれ設けられる。一対のガイド面44f、44gは、後方に向かってV字型に開いた傾斜面である(図19(b)参照)。
切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N1の底部52A3。図21参照)は、溝部44bに係合する。その際、切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N1の底部52A3)は、ガイド面44f(又はガイド面44g)に当接し、当該当接したガイド面44f(又はガイド面44g)に沿って案内されて溝部44bに係合する。この点については、後述する。
また、第1フック部44は、当該第1フック部44が対向する第1基板52Aの端部52A4、52A5(切欠き部N1の両側の端部)が当接する一対の第2当接部44h、44jを含む(図21参照)。一対の第2当接部44h、44jは、係合部44cの上下にそれぞれ設けられる。
上記構成の第1導光体40Aは、第1実施形態で説明したとおり、第1固定部44及び第2固定部45をリフレクタ30に固定することで、リフレクタ30に取り付けられる(図4(a)等参照)。
次に、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとを互いに位置決めした状態で対向させる動作の一例について説明する。
図22は、第1導光体40Aが取り付けられたリフレクタ30及び第1基板52Aが取り付けられたブラケット80の横断面図(XY平面による断面図)である。図22は、ブラケット80とリフレクタ30を組み合わせるため、リフレクタ30を相対的にブラケット80に近づけている様子を表す。図22中の矢印AR2は、リフレクタ30の相対的な移動方向を表す。
図23は、図22から第1導光体40Aの第1フック部44及び第1基板52Aを抜き出して描いた拡大図である。図23は、第1フック部44が破線で示す位置から実線で示す位置に移動することを表す。
図24は、図22のK-K断面図である。図24は、第1フック部44が破線で示す位置から実線で示す位置に移動することを表す。
リフレクタ30を相対的にブラケット80に近づけると(図22参照)、図23に示すように、やがて切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N1の底部52A3)がガイド面44f(又はガイド面44g)に当接する(図23中、破線で描いた第1フック部44参照)。そして、さらに、リフレクタ30を相対的にブラケット80に近づけると、切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N1の底部52A3)がガイド面44f(又はガイド面44g)に沿って案内されて溝部44bに係合する(図23中、実線で描いた第1フック部44参照)。
その際、第1フック部44の第1当接部44d、44eが第1基板52Aの表面52A1及び裏面52A2にそれぞれ当接する(図23参照)。これにより、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとが、Y軸方向に関し、互いに位置決めされる。
これとともに、図24に示すように、第1フック部44が破線で示す位置から移動して当該第1フック部44の係合部44cが第1基板52Aの切欠き部N1に係合する(図24中、実線で描いた第1フック部44参照)。
その際、切欠き部N1に係合した係合部44cの上下面44c1、44c2がそれぞれ切欠き部N1に当接する(図24参照)。これにより、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとが、Z軸方向に関し、互いに位置決めされる。
また、その際、第1フック部44が対向する第1基板52Aの端部(切欠き部N1の両側の端部52A4、52A5)が第1フック部44の第2当接部44h、44jにそれぞれ当接する(図24参照)。又は、第1フック部44が対向する第1基板52Aの端部(切欠き部N1の底部52A3)が第1フック部44の係合部44cに当接する。これにより、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとが、X軸方向に関し、互いに位置決めされる。
以上のように、第1導光体40Aが取り付けられたリフレクタ30と第1基板52Aが取り付けられたブラケット80を組み合わせることで、切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N1の底部52A3)がガイド面44f(又はガイド面44g)に当接し、当該ガイド面44f(又はガイド面44g)に沿って案内されて溝部44bに係合し、第1フック部44の少なくとも一部(係合部44c)が切欠き部N1に係合し、第1フック部44が対向する第1基板52Aの端部(切欠き部N1の両側の端部52A4、52A5)が第1フック部44の第2当接部44h、44jに当接し、かつ、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとが対向する(図4(b)参照)。
すなわち、第1導光体40Aが取り付けられたリフレクタ30と第1基板52Aが取り付けられたブラケット80を組み合わせることで、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとを、XYZ軸方向に関し、自動的に、互いに位置決めした状態で対向させることができる。つまり、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとを設計どおりの位置関係で配置することができる。その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる。
次に、第2位置決め構造について説明する。
第2位置決め構造は、主に、第2導光体40B及び第2基板52Bによって構成される。
まず、第2基板52Bについて説明する。
図25は、図13中の矢印AR3方向から見た第2基板52Bを表す。
図25に示すように、第2基板52Bは、貫通穴H4~H8、及び、切欠き部N2を含む。貫通穴H4~H8は、第2基板52Bの表面と裏面とを貫通している。なお、図25中、第3光源51cは、第2基板52Bの裏面に実装されているため、点線で描かれている。
貫通穴H4~H5は、ブラケット80に設けられたフック部82(図15中2つを例示)が係合する貫通穴である。貫通穴H6~H8は、ブラケット80に設けられた熱かしめピン83(図15中3つを例示)が挿入される熱かしめピン用穴である。切欠き部N2は、第2導光体40Bの第2フック部47が係合する矩形の切欠き部である。切欠き部N2は、第2導光体40Bの第2フック部47が対向する第2基板52Bの端部に形成される(図31参照)。
上記構成の第2基板52Bは、次のようにしてブラケット80に取り付けられる。
図26は、図16に示すブラケット80のM-M断面図である。
図16、図26に示すように、第2基板52Bは、XY平面に対して概ね平行の姿勢でブラケット80に取り付けられる。
具体的には、まず、ブラケット80に設けられたフック部82を第2基板52Bに形成された貫通穴H4、H5に係合させ(図15及び図26参照)、かつ、ブラケット80に設けられた熱かしめピン83を第2基板52Bに形成された熱かしめピン用穴H6~H8に挿入する(図15参照)。これにより、第2基板52Bは、ブラケット80に仮止めされる。次に、ブラケット80に形成された熱かしめピン用穴H6~H8に挿入された熱かしめピン83の先端に熱を加えて当該熱かしめピン83をかしめる。これにより、第2基板52Bは、XY平面に対して概ね平行の姿勢でブラケット80に取り付けられる。
次に、第2導光体40B(主に第2フック部47)について説明する。
図27(a)は図10に示す第2導光体40BのL-L断面図、図27(b)は図27(a)中の一点鎖線で描いた円内の拡大図である。図28は、図27(b)のQ-Q断面図である。
図27に示すように、第2導光体40Bは、溝部47bが形成された第2フック部47を含む。第2フック部47は、例えば、第3棒状導光部42Cの上端部に設けられる。
第2フック部47は、後方に向かってU字型に開いたフック部である。第2フック部47に形成された溝部47bは、Y軸方向に延びている。つまり、溝部47bは、第2基板52B(切欠き部N2)の厚み方向(Z軸方向)に交差する方向に延びている(貫通している)。
第2フック部47は、第2フック部47が対向する第1基板52Aの端部(切欠き部N2の底部52B3。図25参照)に当接する当接部47cと、第2基板52Bの表面52B1及び裏面52B2それぞれが当接する一対の第1当接部47d、47eと、を含む。
当接部47cは、第2フック部47の底部(U字の底部)に設けられる(図27(b)参照)。
一対の第1当接部47d、47eは、当接部47cのZ軸方向の両端部からそれぞれ後方に向かって延びている。
当接部47c及び一対の第1当接部47d、47eが、溝部47bを形成する。
また、第2フック部47は、ガイド面47fを含む。ガイド面47fは、第1当接部47dの後端部に設けられる。ガイド面47fは、後方斜め上方に傾斜した傾斜面である。
切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N2の底部52B3。図25参照)は、溝部47bに係合する。その際、切欠き部N2周囲の第2基板52B(切欠き部N2の底部52B3)は、ガイド面47fに当接し、当該当接したガイド面47fに沿って案内されて溝部47bに係合する。この点については、後述する。
上記構成の第2導光体40Bは、第1実施形態で説明したとおり、第3固定部47及び第4固定部(図示せず)をリフレクタ30に固定することで、リフレクタ30に取り付けられる(図2等参照)。
次に、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとを互いに位置決めした状態で対向させる動作の一例について説明する。
図29は、第2導光体40Bが取り付けられたリフレクタ30及び第2基板52Bが取り付けられたブラケット80の縦断面図(XZ平面による断面図)である。図29は、ブラケット80とリフレクタ30を組み合わせるため、リフレクタ30を相対的にブラケット80に近づけている様子を表す。図29中の矢印AR4は、リフレクタ30の相対的な移動方向を表す。
図30は、図29から第2導光体40Bの第2フック部47及び第2基板52Bを抜き出して描いた拡大図である。図30は、第2フック部47が破線で示す位置から実線で示す位置に移動することを表す。
図31は、図29のN-N断面図である。図31は、第2フック部47が破線で示す位置から実線で示す位置に移動することを表す。
リフレクタ30を相対的にブラケット80に近づけると(図29参照)、図30に示すように、やがて切欠き部N2周囲の第2基板52B(切欠き部N2の底部52B3)がガイド面47fに当接する(図30中、破線で描いた第2フック部47参照)。そして、さらに、リフレクタ30を相対的にブラケット80に近づけると、切欠き部N2周囲の第2基板52B(切欠き部N2の底部52B3)がガイド面47fに沿って案内されて溝部47bに係合する(図30中、実線で描いた第2フック部47参照)。
その際、第2フック部47の第1当接部47d、47eが第2基板52Bの表面52B1及び裏面52B2にそれぞれ当接する(図30参照)。これにより、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとが、Z軸方向に関し、互いに位置決めされる。
これとともに、図31に示すように、第2フック部47が破線で示す位置から移動して当該第2フック部47が第2基板52Bの切欠き部N2に係合する(図31中、実線で描いた第2フック部47参照)。
その際、切欠き部N2に係合した第2フック部47の左右両面47c1、47c2がそれぞれ切欠き部N2に当接する(図31参照)。これにより、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとが、Y軸方向に関し、互いに位置決めされる。
また、その際、第2フック部47の当接部47cが第2基板52Bに形成された切欠き部N2の底部52B3に当接する(図31参照)。これにより、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとが、X軸方向に関し、互いに位置決めされる。
以上のように、第2導光体40Bが取り付けられたリフレクタ30を第2基板52Bが取り付けられたブラケット80を組み合わせることで、切欠き部N2周囲の第2基板52B(切欠き部N2の底部52B3)がガイド面47fに当接し、当該ガイド面47fに沿って案内されて溝部47bに係合し、第2フック部47が切欠き部N2に係合し、第2フック部47が対向する第2基板52Bの端部(切欠き部N2の底部52B3)が第2フック部47の当接部47cに当接し、かつ、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとが対向する(図32参照)。図32は、第2導光体40Bが取り付けられたリフレクタ30と第2基板52Bが取り付けられたブラケット80と組み合わせた状態の縦断面図である。
すなわち、第2導光体40Bが取り付けられたリフレクタ30と第2基板52Bが取り付けられたブラケット80を組み合わせることで、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとを、XYZ軸方向に関し、自動的に、互いに位置決めした状態で対向させることができる。つまり、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとを設計どおりの位置関係で配置することができる。その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、導光体支持部材を用いることなく、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとを互いに位置決めした状態で対向させることができる。
これは、第1導光体40A及び第1基板52Aは、切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N1の底部52A3)が溝部44bに係合し(図23参照)、第1フック部44の少なくとも一部(係合部44c)が切欠き部N1に係合し(図24参照)、第1フック部44が対向する第1基板52Aの端部(切欠き部N1の両側の端部52A4、52A5)が第1フック部44に当接し(図24参照)、かつ、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとが対向した状態(図4(b)等参照)で配置されることによるものである。
また、本実施形態によれば、導光体支持部材を用いることなく、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとを互いに位置決めした状態で対向させることができる。
これは、第2導光体40B及び第2基板52Bは、切欠き部N2周囲の第2基板52B(切欠き部N2の底部52B3)が溝部47bに係合し(図30参照)、第2フック部47が切欠き部N2に係合し(図31参照)、第2フック部47が対向する第2基板52Bの端部(切欠き部N2の底部52B3)が第2フック部47の当接部47cに当接し(図31参照)、かつ、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとが対向した状態(図32参照)で配置されることによるものである。
また、本実施形態によれば、第1導光体40Aが取り付けられたリフレクタ30と第1基板52Aが取り付けられたブラケット80を組み合わせることで、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとを、XYZ軸方向に関し、自動的に、互いに位置決めした状態で対向させることができる。つまり、第1導光体40Aの入光面42c1と第1及び第2光源51a、51bとを設計どおりの位置関係で配置することができる。その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる。
これは、第1導光体40Aが取り付けられたリフレクタ30と第1基板52Aが取り付けられたブラケット80を組み合わせる際、切欠き部N1周囲の第1基板52A(切欠き部N1の底部52A3)は、ガイド面44f(又はガイド面44g)に当接し、当該当接したガイド面44f(又はガイド面44g)に沿って案内されて溝部44bに係合することによるものである。
また、本実施形態によれば、第2導光体40Bが取り付けられたリフレクタ30と第2基板52Bが取り付けられたブラケット80を組み合わせることで、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとを、XYZ軸方向に関し、自動的に、互いに位置決めした状態で対向させることができる。つまり、第2導光体40Bの入光面42c1と第3光源51cとを設計どおりの位置関係で配置することができる。その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる。
これは、第2導光体40Bが取り付けられたリフレクタ30と第2基板52Bが取り付けられたブラケット80を組み合わせる際、切欠き部N2周囲の第2基板52B(切欠き部N2の底部52B3)は、ガイド面47fに当接し、当該当接したガイド面47fに沿って案内されて溝部47bに係合することによるものである。
また、本実施形態によれば、第1導光体40Aと第1基板52A(第2導光体40Bと第2基板52Bも同様)がリジッド(強固)に固定されないため、車両用灯具10Aが搭載された車両が走行中に振動したとしても(例えば、上下のピッチングが発生したとしても)、車両用灯具10A内部に発生する応力を分散することができる。
次に、変形例について説明する。
上記各実施形態では、本発明の車両用灯具をテールランプに適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、ストップッランプ、ポジションランプ、ターンランプ、バックランプ、DRL(Daytime Running Lamps)ランプにも本発明の車両用灯具を適用してもよい。
また、上記各実施形態では、第1導光体40Aとして、板状導光部41A、41Cを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、第1導光体40Aとして、板状導光部41A、41Cの少なくとも一方を省略したものを用いてもよい。同様に、第2導光体40Bとして、板状導光部41D、41Eの少なくとも一方を省略したものを用いてもよい。また、第1導光体40Aとして、板状導光部41を省略し棒状導光部42のみを用いてもよいし、逆に、棒状導光部42を省略し板状導光部41のみ用いてもよい。同様に、第2導光体40Bとして、板状導光部41を省略し棒状導光部42のみを用いてもよいし、逆に、棒状導光部42を省略し板状導光部41のみ用いてもよい。
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。