JP7294606B2 - 電力供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力供給システムに関し、特に、U相電流センサおよびW相電流センサの誤取付けを診断する電力供給システムに関する。
再生可能エネルギーや蓄電池等からの電力を変換して負荷(家庭負荷)に電力供給を行う電力供給システムにおいては、商用電力系統(以下、単に「系統」という)への逆潮流が発生しないよう、系統から負荷に流れる電流を検出するための外付けの電流センサ(具体的には、U相電流センサおよびW相電流センサ)が用いられる。
U相電流センサおよびW相電流センサは、一般に施工者によって電力ラインのU相およびW相に取り付けられるが、作業ミス等により、正負逆向きに取り付けられたり、O相(中性線)に取り付けられたりする場合がある。このため、電力供給システムでは、U相電流センサおよびW相電流センサの誤取付けを検出する機能が必要となる。
誤取付け検出機能を備えた電力供給システムとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の電力供給システムは、負荷をU相-O相間に接続する前後のU相電流センサおよびW相電流センサの検出電流の変化量と、負荷をW相-O相間に接続する前後のU相電流センサおよびW相電流センサの検出電流の変化量とに基づいて、電力供給装置が誤取付けを診断する。
特開2011-160562号公報
図5に示すように、系統1と負荷2とを接続する単相3線式の電力ラインに、誤取付けの診断を行う第1電力供給装置21と、第2電力供給装置3とが接続される場合、従来の電力供給システム20では、U相電流センサ22およびW相電流センサ23が正常に取り付けられているにもかかわらず、誤取付けされていると診断(誤診)してしまうことがある。
図6に、誤取付けされていると診断してしまう場合の各電流波形を示す。最初の状態は、第1電力供給装置21の出力電流が0[A]、第2電力供給装置3の出力電流が40[A]、負荷2に供給される負荷電流が60[A]、U相電流センサ22に流れる電流(系統電流)が20[A]とする。
時刻tにおいて、第1電力供給装置21が電力供給を開始する一方、第2電力供給装置3が何らかの要因で出力を絞り始める。時刻tにおいて、第1電力供給装置21の出力電流が20[A]になり、第2電力供給装置3の出力電流が0[A]になると、不足分の20[A]が系統1から供給されるので、U相電流センサ22に流れる電流は40[A]まで増加する。
本来、第2電力供給装置3の出力電流が40[A]に維持されていれば、U相電流センサ22に流れる電流は0[A]となるので、第1電力供給装置21は、この0[A]という結果に基づいてU相電流センサ22が正常に取り付けられている(誤取付けされていない)と診断する。
しかしながら、上記のとおり第2電力供給装置3の出力電流が0[A]になり、U相電流センサ22に流れる電流が40[A]になると、第1電力供給装置21は、この40[A]という結果に基づいて、U相電流センサ22が誤取付けされていると誤診してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、U相電流センサおよびW相電流センサの取付け状態を正確に診断することが可能な電力供給システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電力供給システムは、
系統と負荷とを接続する単相3線式の電力ラインに接続され、前記電力ラインに対して入出力指令値に応じた電流の入出力を行う電力供給装置と、
前記電力供給装置の前記電力ラインへの接続点と前記系統との間において前記電力ラインのU相を流れる第1U相電流を検出するU相電流センサと、
前記接続点と前記系統との間において前記電力ラインのW相を流れる第1W相電流を検出するW相電流センサと、
を含む電力供給システムであって、
前記電力供給装置は、
前記電力ラインのU相における前記接続点と前記電力供給装置との間を流れる第2U相電流を検出するU相電流検出部と、
前記電力ラインのW相における前記接続点と前記電力供給装置との間を流れる第2W相電流を検出するW相電流検出部と、
前記U相電流センサおよび前記W相電流センサの誤取付けを診断する診断部と、
前記入出力指令値を制御する入出力制御部と、
を備え、
前記診断部は、前記第1U相電流および前記第2U相電流の変化量に基づいて前記U相電流センサの誤取付けを診断し、かつ前記第1W相電流および前記第2W相電流の変化量に基づいて前記W相電流センサの誤取付けを診断する1回目の診断処理を行い、
前記入出力制御部は、前記診断処理において前記U相電流センサまたは前記W相電流センサの少なくとも一方が誤取付けされていると診断された場合に、前記入出力指令値を変更し、
前記診断部は、前記入出力制御部が前記入出力指令値を変更した後に、2回目の前記診断処理を行うことを特徴とする。
この構成では、診断部は、1回目の診断処理において誤取付けされていると診断した場合、入出力制御部が入出力指令値を変更した後に、2回目の上記診断処理を行う。したがって、この構成によれば、U相電流センサおよびW相電流センサの取付け状態を正確に診断することができる。
上記電力供給システムでは、
前記診断部は、前記診断処理において、
前記電力供給装置の入出力電力の変化量が所定の第1閾値よりも大きい場合に、前記U相電流センサおよび前記W相電流センサの誤取付けの第1判定を行い、
前記第1判定において、
前記第1U相電流および前記第2U相電流の変化量に基づいて前記U相電流センサの逆向き取付けを判定し、かつ前記第1W相電流および前記第2W相電流の変化量に基づいて前記W相電流センサの逆向き取付けを判定するよう構成できる。
上記電力供給システムでは、
前記診断部は、前記第1判定において、
前記第1U相電流と前記第2U相電流との差分に相当する第3U相電流を算出し、前記第1U相電流および前記第3U相電流の変化量に基づいて前記U相電流センサのO相取付けを判定し、かつ前記第1W相電流と前記第2W相電流との差分に相当する第3W相電流を算出し、前記第1W相電流および前記第3W相電流の変化量に基づいて前記W相電流センサのO相取付けを判定するよう構成できる。
上記電力供給システムでは、
前記診断部は、
前記入出力電力の変化量が前記第1閾値以下の場合に、前記入出力電力が所定の第2閾値よりも大きいか否かを判定する第2判定を行い、
前記第2判定において、前記入出力電力が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記入出力電力を前記第2閾値よりも大きな一定値に固定するよう構成できる。
上記電力供給システムでは、
前記入出力制御部は、前記入出力電力の変化量が前記第1閾値よりも大きくなるように、前記入出力指令値を変更するよう構成できる。
本発明によれば、U相電流センサおよびW相電流センサの取付け状態を正確に診断することが可能な電力供給システムを提供することができる。
第1実施形態に係る電力供給システムのブロック図である。 第1実施形態に係る電力供給システムが実行する誤取付け診断方法のフローチャートである。 第1実施形態の電力供給装置における誤取付け診断時の各種電流波形図である。 第2実施形態に係る電力供給システムが実行する誤取付け診断方法のフローチャートである。 従来の電力供給システムのブロック図である。 従来の電力供給装置における誤取付け診断時の各種電流波形図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る電力供給システムの実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係る電力供給システム10を示す。電力供給システム10は、系統1と負荷2とを接続する単相3線式の電力ラインに接続された第1電力供給装置11と、U相電流センサ12と、W相電流センサ13とを含む。電力ラインには、さらに第2電力供給装置3(例えば、太陽光発電装置)が接続されている。
第1電力供給装置11は、U相電流検出部14と、W相電流検出部15と、電力変換部16と、入出力制御部17と、診断部18とを備える。第1電力供給装置11は、本発明の「電力供給装置」に相当する。
U相電流センサ12は、第1電力供給装置11の電力ラインへの接続点X1と系統1との間において、電力ラインのU相を流れる第1U相電流Iguを検出する。U相電流センサ12は、所定の周期で第1U相電流Iguの大きさおよび正負の方向を検出し、検出結果を診断部18に送信する。U相電流センサ12は、例えば、カレントトランスで構成される。
W相電流センサ13は、第1電力供給装置11の電力ラインへの接続点X2と系統1との間において、電力ラインのW相を流れる第1W相電流Igwを検出する。W相電流センサ13は、所定の周期で第1W相電流Igwの大きさおよび正負の方向を検出し、検出結果を診断部18に送信する。W相電流センサ13は、例えば、カレントトランスで構成される。
U相電流検出部14は、接続点X1と第1電力供給装置11との間を流れる第2U相電流Iuを検出する。U相電流検出部14は、所定の周期で第2U相電流Iuの大きさおよび正負の方向を検出し、検出結果を診断部18に出力する。U相電流検出部14は、例えば、カレントトランスで構成される。
W相電流検出部15は、接続点X2と第1電力供給装置11との間を流れる第2W相電流Iwを検出する。W相電流検出部15は、所定の周期で第2W相電流Iwの大きさおよび正負の方向を検出し、検出結果を診断部18に出力する。W相電流検出部15は、例えば、カレントトランスで構成される。
電力変換部16は、不図示の蓄電手段(例えば、電動車に搭載された蓄電池)に対して充放電動作(充電動作および/または放電動作)を行うとともに、放電動作時に蓄電手段の放電電力を系統1に逆潮流させることなく負荷2に供給する。また、電力変換部16は、充放電動作に、電力ラインに対して入出力指令値に応じた電流(第2U相電流Iuおよび第2W相電流Iw)の入出力を行う。電力変換部16は、例えば、パワーコンディショナで構成される。
入出力制御部17および診断部18は、例えば、マイコンおよび/または専用のICで構成される。入出力制御部17および診断部18の各機能は、例えば、マイコンおよび/または専用のICに含まれるCPUが所定のプログラムを実行すること等によって実現される。入出力制御部17は、入出力指令値を制御する機能を有し、診断部18は、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の誤取付けを診断する機能を有する。
入出力制御部17は、放電電力を系統1に逆潮流させることなく負荷2に供給するよう入出力指令値を制御する。また、入出力制御部17は、後述する第1判定(診断処理)において、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の少なくとも一方が誤取付けされていると診断された場合に、入出力指令値を変更する。
診断部18は、誤取付けを診断する際、第1U相電流Iguは系統1から流出する方向を正、第1W相電流Igwは系統1に流入する方向を正、第2U相電流Iuは第1電力供給装置11に流入する方向を正、第2W相電流Iwは第1電力供給装置11から流出する方向を正、第3U相電流ILoad1は負荷2に流入する方向を正、第3W相電流ILoad2は負荷2から流出する方向を正として、各電流の変化量を算出する。なお、上記各電流の方向をすべて負として各電流の変化量を算出してもよい。
第3U相電流ILoad1は、接続点X1と第2電力供給装置3の電力ラインへの接続点X3との間において電力ラインのU相を流れる電流であり、第1U相電流Iguから第2U相電流Iuを差し引くことで算出できる。また、第3W相電流ILoad2は、接続点X2と第2電力供給装置3の電力ラインへの接続点X4との間において電力ラインのW相を流れる電流であり、第1W相電流Igwから第2W相電流Iwを差し引くことで算出できる。
図2に、第1電力供給装置11が実行する誤取付け診断方法のフローチャートを示す。第1電力供給装置11は、電力変換部16が充放電動作を開始する際に、誤取付け診断方法を開始する。
誤取付け診断方法を開始した第1電力供給装置11は、診断部18において、第1電力供給装置11の入出力電力の変化量が所定の第1閾値よりも大きいか否かの判定を行う(S1)。ここで、入出力電力の変化が第1閾値よりも大きいか否かの判定は、第1閾値と等しい場合を含んでもよく、第1閾値以上であるか否かの判定に替えてもよい。
診断部18は、U相電流検出部14、W相電流検出部15、U相電圧検出部(図示略)およびW相電圧検出部(図示略)の検出結果に基づいて、第1電力供給装置11の入出力電力を算出する。なお、U相電圧検出部およびW相電圧検出部の代わりに、外付けの電圧検出手段の検出結果を用いてもよい。
第1電力供給装置11の入出力電力の変化量が第1閾値よりも大きい場合(S1でYES)、診断部18は、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の誤取付けの第1判定を行う(S2)。本実施形態では、この第1判定が本発明の「診断処理」に相当する。
診断部18は、第1判定において、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の逆向き取付け判定と、U相電流センサ12およびW相電流センサ13のO相取付け判定とを行う。逆向き取付け判定とO相取付け判定は、同時に行ってもよいし、どちらか一方を先に行ってもよい。
逆向き取付け判定について、診断部18は、第1U相電流Iguの変化量および第2U相電流Iuの変化量を算出し、以下の(1)式を用いてU相電流センサ12の逆向き取付けを判定するとともに、第1W相電流Igwの変化量および第2W相電流Iwの変化量を算出し、以下の(2)式を用いてW相電流センサ13の逆向き取付けを判定する。
Figure 0007294606000001
Figure 0007294606000002
診断部18は、(1)式が成立した場合にU相電流センサ12が逆向きに取付けられていると判定し、(2)式が成立した場合にW相電流センサ13が逆向きに取付けられていると判定する。なお、(1)式および(2)式における検出閾値は0に設定しているが、測定誤差等を考慮してある程度のマージンを含んだ値にしてもよい。
O相取付け判定について、診断部18は、第1U相電流Iguの変化量および第3U相電流ILoad1の変化量を算出し、以下の(3)式を用いてU相電流センサ12のO相取付けを判定するとともに、第1W相電流Igwの変化量および第3W相電流ILoad2の変化量を算出し、以下の(4)式を用いてW相電流センサ13のO相取付けを判定する。
Figure 0007294606000003
Figure 0007294606000004
診断部18は、(3)式が成立した場合にU相電流センサ12がO相に取付けられていると判定し、(4)式が成立した場合にW相電流センサ13がO相に取付けられていると判定する。なお、(3)式および(4)式における検出閾値は0に設定しているが、測定誤差等を考慮してある程度のマージンを含んだ値にしてもよい。
逆向き取付け判定およびO相取付け判定からなる第1判定において、逆向き取付け判定およびO相取付け判定の双方が不成立の場合、すなわちU相電流センサ12およびW相電流センサ13の双方に対して正常に取り付けられている(誤取付けされていない)と診断部18が診断した場合(S2でNO)、診断部18は誤取付け診断方法を終了させる。
第1判定において、逆向き取付け判定またはO相取付け判定の少なくとも一方が成立する場合、すなわち(1)~(4)式の少なくとも1つが成立する場合、診断部18は、U相電流センサ12および/またはW相電流センサ13が誤取付けされていると診断する(S2でYES)。
誤取付けされていると診断した診断部18は、第1判定(診断処理)の判定回数をカウントする(S3)。判定回数は、はじめは0回に設定されており、第1判定が1回成立すると1回加算される。また、判定回数は、診断部18で記憶され、誤取付け診断方法が終了するとリセットされて0回に戻る。
判定回数をカウントした診断部18は、判定回数が1回か2回かを判定する(S4)。判定回数が1回の場合(S4で1回目)、入出力制御部17は、入出力指令値を一定時間変更する(S5)。本実施形態では、入出力指令値を0[A]に変更する。
入出力指令値が一定時間0[A]に変更されると、電力変換部16から入出力される第2U相電流Iuおよび第2W相電流Iwは一定時間0[A]になる。このように、入出力制御部17が第2U相電流Iuおよび第2W相電流Iwを強制的に変動させた後、診断部18は、再度ステップS1の判定およびステップS2の第1判定を行う。
一方、判定回数が2回の場合(S4で2回目)、診断部18は、誤取付けエラーの通知を行い電力供給システム10のユーザに誤取付けを知らせ(S6)、誤取付け診断方法を終了させる。誤取付けエラーの通知は、例えば、視覚的および/または聴覚的な手段によって行うことができる。
結局、本実施形態に係る電力供給システム10では、診断部18は、1回目の第1判定において誤取付けされていると診断した場合(S2でYES)、入出力制御部17が入出力指令値を変更した後に(S5)、2回目の第1判定を行う(S2)。これにより、診断部18は、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の取付け状態を正確に診断することができる。
例えば図3に示すように、第1電力供給装置11の出力電流が0[A]、第2電力供給装置3の出力電流が40[A]、負荷2に供給される負荷電流が60[A]、U相電流センサ12に流れる第1U相電流Iguが20[A]とする。さらに、U相電流センサ12およびW相電流センサ13が、正常に取り付けられているものとする。
時刻tにおいて、第1電力供給装置11が電力供給を開始し、誤取付け診断方法が開始される一方、第2電力供給装置3が何らかの要因で出力を絞り始める。時刻tにおいて、第1電力供給装置11の出力電流が20[A](第2U相電流Iuが-20[A])になり、第2電力供給装置3の出力電流が0[A]になると、不足分の20[A]が系統1から供給されるので、U相電流センサ12に流れる第1U相電流Iguは40[A]まで増加する。
この場合、診断部18は時刻t~tにおける各種電流の変化量に基づいて1回目の第1判定を行うので、1回目の第1判定では、U相電流センサ12およびW相電流センサ13が誤取付けされていると診断(誤診)されてしまう。
しかしながら、時刻tにおいて、入出力制御部17は診断部18で誤取付けされていると診断されたことを受けて、入出力指令値を20[A]から0[A]に変更する。その結果、時刻t~tにかけて、第1電力供給装置11の出力電流が20[A]から0[A]に減少(第2U相電流Iuが-20[A]から0[A]に増加)する一方で、U相電流センサ12に流れる第1U相電流Iguが40[A]から60[A]まで増加する。
診断部18は、時刻t~tにおける各種電流の変化量に基づいて2回目の第1判定を行う。時刻t~tにおける各種電流の変化量では、第1判定の(1)~(4)式がいずれも不成立となる。したがって、診断部18は、2回目の第1判定において、U相電流センサ12およびW相電流センサ13が正常に取り付けられている(誤取付けされていない)と診断する。
なお、時刻tにおいて、入出力制御部17は、診断部18で誤取付けされていないと診断されたことを受けて入出力指令値を0[A]から20[A]に戻す。その結果、時刻t~tにかけて、第1電力供給装置11の出力電流が20[A]に戻り、U相電流センサ12に流れる第1U相電流Iguが40[A]に戻る。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る電力供給システムは、第1電力供給装置が実行する誤取付け診断方法を除いて、第1実施形態に係る電力供給システム10と共通する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を用いる。
図4に、本実施形態の第1電力供給装置11が実行する誤取付け診断方法のフローチャートを示す。本実施形態に係る誤取付け診断方法は、第1実施形態の誤取付け診断方法にステップS7、S8の処理を追加したものである。
U相電流センサ12および/またはW相電流センサ13が誤取付けされていると、第1電力供給装置11の入出力電力の変化量が第1閾値以下でも(S1でNO)、U相-O相間の負荷2とO相-W相間の負荷2とが1%程度の誤差で釣り合った場合や、U相電流センサ12とW相電流センサ13とで測定誤差が生じている場合に、第1電力供給装置11の入出力電力が徐々に増加して、逆潮流電力が徐々に増加することがある。
本実施形態では、第1電力供給装置11の入出力電力の変化量が第1閾値よりも小さい場合(S1でNO)、診断部18は、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の誤取付けの第2判定を行う(S7)。第2判定は、第1電力供給装置11の入出力電力(充放電電力)が所定の第2閾値(例えば、250[W])より大きいか否かを判定する。ここで、入出力電力が第2閾値よりも大きいか否かの判定は、第2閾値と等しい場合を含んでもよく、第2閾値以上であるか否かの判定に替えてもよい。
診断部18は、第2判定において、第1電力供給装置11の入出力電力と所定の第2閾値とを比較して、入出力電力が第2閾値より大きい場合、U相電流センサ12およびW相電流センサ13が誤取付けされている可能性があると判定(第2判定が成立)する(S7でYES)。
一方、第1電力供給装置11の入出力電力が第2閾値以下である場合(S7でNO)、入出力電力の変化量が第1閾値より大きいか否か再判定を行う(S1に戻る)。
第1電力供給装置11の入出力電力が第2閾値よりも大きい場合(S7でYES)、入出力制御部17は、第1電力供給装置11の入出力電力を一定値(例えば、500[W])で固定する(S8)。この一定値は第2閾値よりも大きな値に設定される。これは、S1において入出力電力の変化量を判定する際に変化量が第1閾値よりも大きくなるようにするためである。
次いで、診断部18は、診断処理の判定回数をカウントし(S3)、判定回数が1回か2回かを判定する(S4)。判定回数が1回の場合(S4で1回目)、入出力制御部17は入出力指令値を一定時間0[A]に変更し(S5)、診断部18は再度ステップS1の判定および診断処理(ステップS2の第1判定)を行う。ステップS8で入出力電力が一定値に固定された後は、ステップS1において入出力電力の変化量が第1閾値よりも大きくなるため、電流センサの誤取付けの第1判定(診断処理)が行われる。
結局、本実施形態に係る電力供給システム10では、診断部18は、1回目の診断処理において誤取付けされていると診断した場合(S2またはS7でYES)、入出力制御部17が入出力指令値を変更した後に(S5)、2回目の診断処理を行う(S2)。これにより、診断部18は、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の取付け状態を正確に診断することができる。
さらに、本実施形態に係る電力供給システム10では、第1電力供給装置11の入出力電力の変化量が第1閾値より小さい場合であっても(S1でNO)、U相電流センサ12および/またはW相電流センサ13の誤取付け診断を行うことができる。
以上、本発明に係る電力供給システムの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の電力供給システムは、系統1と負荷2とを接続する単相3線式の電力ラインに接続され、電力ラインに対して入出力指令値に応じた電流の入出力を行う電力供給装置と、接続点X1と系統1との間において第1U相電流Iguを検出するU相電流センサと、接続点X3と系統1との間において第1W相電流Igwを検出するW相電流センサと、を含むのであれば適宜構成を変更できる。
本発明の電力供給装置は、U相電流検出部、W相電流検出部、診断部および入出力制御部を備え、(1)診断部が、第1U相電流の変化量および第2U相電流の変化量に基づいてU相電流センサの誤取付けを診断し、かつ第1W相電流の変化量および第2W相電流の変化量に基づいてW相電流センサの誤取付けを診断する1回目の診断処理を行い、(2)入出力制御部が、診断処理においてU相電流センサまたはW相電流センサの少なくとも一方が誤取付けされていると診断された場合に、入出力指令値を変更し、(3)診断部が、入出力制御部が入出力指令値を変更した後に、2回目の診断処理を行うのであれば、適宜構成を変更できる。
上記実施形態に係る誤取付け診断方法では、ステップS5において、入出力制御部17が入出力指令値を一定時間0[A]変更しているが、0[A]以外の値に変更してもよい。例えば、入出力指令値変更後に第1電力供給装置11の入出力電力の変化量が第1閾値よりも大きくなるような、任意の値に変更できる。
上記実施形態では、第1判定において、U相電流センサ12およびW相電流センサ13の逆向き取付け判定と、U相電流センサ12およびW相電流センサ13のO相取付け判定とを行っているが、逆向き取付け判定とO相取付け判定のいずれか一方のみ、例えば逆向き取付け判定のみを行ってもよい。
上記実施形態では、U相およびW相の相電流の変化量を算出し、電流センサの誤取付けを診断しているが、U相およびW相の相電力の変化量を算出し、電流センサの誤取付けを診断してもよい。系統連系により電圧が一定値に制御されていることから、結局、相電力の変化量に基づいて電流センサの誤取付けを診断することは、U相およびW相の相電流の変化量に基づいて電流センサの誤取付けを診断していることにほかならない。
1 系統
2 負荷
3 第2電力供給装置
10 電力供給システム
11 第1電力供給装置
12 U相電流センサ
13 W相電流センサ
14 U相電流検出部
15 W相電流検出部
16 電力変換部
17 入出力制御部
18 診断部

Claims (5)

  1. 系統と負荷とを接続する単相3線式の電力ラインに接続され、前記電力ラインに対して入出力指令値に応じた電流の入出力を行う電力供給装置と、
    前記電力供給装置の前記電力ラインへの接続点と前記系統との間において前記電力ラインのU相を流れる第1U相電流を所定の周期で検出し、検出結果を前記電力供給装置に出力するU相電流センサと、
    前記接続点と前記系統との間において前記電力ラインのW相を流れる第1W相電流を所定の周期で検出し、検出結果を前記電力供給装置に出力するW相電流センサと、
    を含む電力供給システムであって、
    前記電力供給装置は、
    前記電力ラインのU相における前記接続点と前記電力供給装置との間を流れる第2U相電流を所定の周期で検出するU相電流検出部と、
    前記電力ラインのW相における前記接続点と前記電力供給装置との間を流れる第2W相電流を所定の周期で検出するW相電流検出部と、
    前記U相電流センサおよび前記W相電流センサの誤取付けを診断する診断部と、
    前記入出力指令値を制御する入出力制御部と、
    を備え、
    前記入出力指令値は、前記入出力制御部で設定される指令値であって、前記電力供給装置から入出力する前記第2U相電流の指令値または前記第2W相電流の指令値であり、
    前記第1U相電流の変化量は、所定時間経過する前と後の前記第1U相電流の電流値の差分であって、当該電流値は前記U相電流センサで検出されたものであり、
    前記第2U相電流の変化量は、所定時間経過する前と後の前記第2U相電流の電流値の差分であって、当該電流値は前記U相電流検出部で検出されたものであり、
    前記第1W相電流の変化量は、所定時間経過する前と後の前記第1W相電流の電流値の差分であって、当該電流値は前記W相電流センサで検出されたものであり、
    前記第2W相電流の変化量は、所定時間経過する前と後の前記第2W相電流の電流値の差分であって、当該電流値は前記W相電流検出部で検出されたものであり、
    前記診断部は、逆向き取付けの判定として、前記第1U相電流の変化量と前記第2U相電流の変化量との和の絶対値が予め設定された第1検出閾値よりも小さい場合に、前記U相電流センサが逆向きに取り付けられていると判定し、または、前記第1W相電流の変化量と前記第2W相電流の変化量との和の絶対値が予め設定された第2検出閾値よりも小さい場合に、前記W相電流センサが逆向きに取り付けられていると判定する、1回目の診断処理を行い、
    前記入出力制御部は、前記診断処理の前記逆向き取付けの判定において前記U相電流センサまたは前記W相電流センサの少なくとも一方が逆向きに取り付けられていると判定された場合に、前記入出力指令値を現在値から増加または減少させた値に変更し、
    前記診断部は、前記入出力制御部が前記入出力指令値を変更した後に、2回目の前記診断処理を行うことを特徴とする電力供給システム。
  2. 前記電力ラインのU相の電圧を検出するU相電圧検出部と、
    前記電力ラインのW相の電圧を検出するW相電圧検出部と、
    を含み、
    前記診断部は、前記診断処理において、
    前記U相電流検出部および前記U相電圧検出部の検出結果から前記電力供給装置の入出力電力を算出するか、または前記W相電流検出部および前記W相電圧検出部の検出結果から前記入出力電力を算出し、
    所定時間経過する前と後の前記入出力電力の電力値の差分である前記入出力電力の変化量が所定の第1閾値よりも大きい場合に、前記U相電流センサおよび前記W相電流センサの誤取付けの第1判定を行い、
    前記第1判定において、前記逆向き取付けの判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
  3. 前記診断部は、前記第1判定において、
    前記第1U相電流の変化量を算出し、前記第1U相電流と前記第2U相電流との差分に相当する第3U相電流を算出し、所定時間経過する前と後の前記第3U相電流の電流値の差分として前記第3U相電流の変化量を算出し、前記第1U相電流の変化量と前記第3U相電流の変化量との和の絶対値が予め設定された第3検出閾値よりも小さい場合に、前記U相電流センサが前記電力ラインのO相に取り付けられていると判定し、または、
    前記第1W相電流の変化量を算出し、前記第1W相電流と前記第2W相電流との差分に相当する第3W相電流を算出し、所定時間経過する前と後の前記第3W相電流の電流値の差分として前記第3W相電流の変化量を算出し、前記第1W相電流の変化量と前記第3W相電流の変化量との和の絶対値が予め設定された第4検出閾値よりも小さい場合に、前記W相電流センサが前記電力ラインのO相に取り付けられていると判定することを特徴とする請求項2に記載の電力供給システム。
  4. 前記診断部は、
    前記入出力電力の変化量が前記第1閾値以下の場合に、前記入出力電力が所定の第2閾値よりも大きいか否かを判定する第2判定を行い、
    前記第2判定において、前記入出力電力が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記入出力電力を前記第2閾値よりも大きな一定値に固定することを特徴とする請求項2または3に記載の電力供給システム。
  5. 前記入出力制御部は、前記入出力電力の変化量が前記第1閾値よりも大きくなるように、前記入出力指令値を現在値から増加または減少させた値に変更することを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の電力供給システム。
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