JP7294335B2 - 滑り検出装置 - Google Patents

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Description

本開示は、滑り検出装置に関する。
従来、下記の特許文献1には、接触面の圧力の中心位置の変化量と、対象物体を把持する把持部の把持力に基づいて、接触面に滑りが発生しているか否かを判定することが記載されている。
特開2008-55540号公報
ロボットなどによる物体の把持には、部分滑りの検出が有効的である。部分滑りとは,物体との相対位置がずれて滑り落ちる全体滑りに先立って発生し、接触面の一部が滑り出す現象である。このとき、部分滑りの状態では、物体との相対位置のずれは発生していない。
しかしながら、上記特許文献に記載された技術は、物体が滑り始めた際の全体滑りを検出する手法であるため、物体が滑り出さないと把持力を制御することができない。このため、上記特許文献に記載された技術では、物体が滑り出す前に把持力を制御して、安定した把持を行うことは困難である。また、そもそも、部分滑りを検出するための有効な技術は存在しないのが実情である。部分滑りを検出しようとすると、部分滑りに先立って発生する接触部のせん断変形が検出されてしまい、部分滑りに基づいて最小限度の把持力を決定することが困難になる。更に、硬い物体や物体表面が平面の場合など圧力分布が平坦な場合は、部分滑りの進行が速くなり、部分滑りを検出することは困難である。
そこで、部分滑りを検出することで、物体の滑りを高精度に検出することが求められていた。
本開示によれば、接触した物体が滑る際の滑り特性が異なる複数の接触部と、前記接触部のそれぞれの圧力分布を検出するセンサと、を備える、滑り検出装置が提供される。
以上説明したように本開示によれば、部分滑りを検出することで、物体の滑りを高精度に検出することが可能となる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係るロボットのハンドの構成を示す模式図である。 第1及び第2の柔軟層と物体が接触している様子を示す模式図である。 図2に示すモデルにおいて、物体を把持してから物体が滑り出すまでの間に柔軟層と物体との接触状態が状態aから状態fまで時系列に変化する様子を模式的に示す図である。 図3Aの状態a~fにおいて、第1の柔軟層と第2の柔軟層のそれぞれの領域で圧力中心位置が変化する様子を示す特性図である。 図3Bとの比較のため、第1の柔軟層と第2の柔軟層の摩擦係数を同一にした場合を示す特性図である。 柔軟層の分割方向を示す模式図である。 柔軟層の分割方向を示す模式図である。 柔軟層の分割方向を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係るロボットの制御システムの構成例を示す模式図である。 変形例1に係る把持力算出部の構成を示す模式図である。 柔軟層が物体に接触する際の圧力分布の例を示す特性図である。 柔軟層が物体に接触する際の圧力分布の例を示す特性図である。 柔軟層が物体に接触する際の圧力分布の例を示す特性図である。 変形例2に係る把持力算出部の構成を示す模式図である。 ハンドの具体的な制御を示す模式図である。 柔軟層の分割の例を示す模式図である。 物体と接触する位置に依存しない分割の例を示す平面図である。 2つの分布型圧力センサのノードのピッチ幅を疑似的に小さくするために、分布型圧力センサをずらして層に配置する例を示す模式図である。 分布型圧力センサの上下に柔軟層を配置する例を示す模式図である。 柔軟層の厚みの違いに応じた、分布型圧力センサによる検出感度を示す模式図である。 図15Aに示す例(a)~(c)及び変形例4について、図3Bと同様に圧力中心位置が変化する様子を示す特性図である。 変形例4の圧力中心位置の移動方向が例(a)~(c)と逆方向となる理由を示す模式図である。 変形例4の圧力中心位置の移動方向が例(a)~(c)と逆方向となる理由を示す模式図である。 柔軟層の表面積を変えた例を示す模式図である。 分布型圧力センサの上部の柔軟層の摩擦力を変えるため、分布型圧力センサの下部の柔軟層の硬度を変える例を示す模式図である。 変形例6に係る線状の柔軟層を用いた構成例を示す模式図である。 図19に示す線状の柔軟層を用いた把持力算出部の構成を示す模式図である。 図19に示す線状の柔軟層を用いた構成において、柔軟層の向きを多方向に配置した例を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の概要
2.ハンドの構成
3.柔軟層に対する物体の滑り
3.1.「全体滑り」と「部分滑り」
3.2.柔軟層と物体との接触状態の変化
3.3.圧力中心位置に基づく滑りの判定
3.4.柔軟層毎に全体滑りの発生タイミングを異ならせるパラメータ
3.5.柔軟層の分割方向
4.ロボットの制御システムの構成例
5.本実施形態の変形例
5.1.変形例1(物体の剛性に応じて把持力制御ゲインを調整する例)
5.2.変形例2(全体滑りの発生タイミングの差を大きくするために、指の位置、姿勢を制御する例)
5.3.変形例3(柔軟層、分布型圧力センサの配置のバリエーション)
5.4.変形例4(分布型圧力センサの上下に柔軟層を配置する例)
5.5.変形例5(柔軟層の摩擦係数を変える手法)
5.6.変形例6(線状の柔軟層を用いた例)
1.本開示の概要
例えばロボットのハンドで物体を把持する場合、物体がハンドから滑り落ちない程度の適度な力で把持することが望ましい。これにより、把持の力で物体を破壊することがなく、その一方で物体を確実に把持することができる。特に、柔軟性のある物体を把持する際に、物体の破壊や変形を抑制できる。本開示は、物体を把持する際に、物体が滑り出す「全体滑り」の状態が発生する前の「部分滑り」の状態を検出し、物体を最適な把持力で把持する技術に関する。
2.ハンドの構成
図1は、本開示の一実施形態に係るロボットのハンド500の構成を示す模式図である。ハンド500は、ロボットのアーム506の先端に設けられている。図1に示すように、ハンド500は、本体501、第1の指502を構成するリンク512及びリンク514、第2の指504を構成するリンク516及びリンク518、を有する。また、各関節520,522,524,526には、アクチュエータが設けられている。リンク512は関節520のアクチュエータの駆動力によりリンク514に対して回動し、リンク514は関節522アクチュエータの駆動力により本体501に対して回動する。同様に、リンク516は関節524のアクチュエータの駆動力によりリンク518に対して回動し、リンク518は関節526のアクチュエータの駆動力により本体501に対して回動する。
また、アーム506は、一例として、多関節を有し、複数のリンクが各関節により回動可能に連結されている。各関節に設けられたアクチュエータの駆動力により、各リンクは相互に回動する。これにより、所定の自由度を有し、ハンド500を所望の位置に移動可能な多関節のアーム506が構成されている。
図1では、第1の指502と第2の指504が物体(把持対象物)600を把持している状態を示している。第1の指502のリンク512の内側(物体600側)には、分布型圧力センサ530,532が設けられている。分布型圧力センサ530の内側には第1の柔軟層540が設けられ、分布型圧力センサ532の更に内側には第2の柔軟層542が設けられている。同様に、第2の指504のリンク516の内側(物体600側)には、分布型圧力センサ530,532が設けられている。分布型圧力センサ530の内側には第1の柔軟層540が設けられ、分布型圧力センサ532の内側には第2の柔軟層542が設けられている。第1の柔軟層540、第2の柔軟層542は、粘性もしくは弾性、もしくはその両方を有する弾性材料で構成されており、外部からの荷重により容易に変形が可能である材料から構成され、例えばウレタンゲルやシリコンゲルのような材料から構成されている。第1の柔軟層540は、第2の柔軟層542よりも摩擦係数の小さい素材で構成されている。本実施形態に係る滑り検出装置は、第1及び第2の柔軟層540,542と分布型圧力センサ530,532から構成される。なお、第1及び第2の柔軟層540,542と分布型圧力センサ530,532は、アーム506に直接装着されていても良い。また、第1及び第2の柔軟層540,542と分布型圧力センサ530,532は、ロボットの足に装着され、足と地面(床)との間の滑り状態を検出するものであっても良い。このように、第1及び第2の柔軟層540,542と分布型圧力センサ530,532は、ロボットが物体に作用する作用部に装着することができる。
図2は、第1の指502の第1及び第2の柔軟層540,542と物体600が接触している様子を示す模式図である。なお、図1では球状の物体600を示したが、図2では直方体形状の物体600を示している。物体600の形状は特に限定されるものではない。図2に示すx軸の方向は、物体600が第1及び第2の柔軟層540,542に対して相対的に滑る方向(又は、滑ろうとする方向)である。図2に示すように、2つの柔軟層540,542は、物体600が滑る方向に対して、第2の柔軟層542、第1の柔軟層540の順に配置されており、この配置により、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542における全体滑りの発生タイミングの差をより大きくすることが可能である。図1の例では、x軸方向は重力方向に相当する。
図2に示すように、物体600には、x軸方向に力Ftが加わる。x軸方向が重力方向であれば、力Ftは重力に相当する。また、物体600には、x軸方向と直交するy方向に力Fnが加わる。力Fnは、第1の指502と第2の指504で物体600を把持した際の反力に相当する。
3.柔軟層に対する物体の滑り
3.1.「全体滑り」と「部分滑り」
図2に示すように、物体600にはx軸方向に力Ftがかかる。x軸方向が重力方向の場合、第1の指502と第2の指504が物体600を把持する把持力が弱いと、物体600が重力方向に滑り落ちる。物体600が停止した状態から滑り始めるまでの状態の遷移は、「全体滑り」と「部分滑り」の現象で説明することができる。
「全体滑り」は、物体600と柔軟層との相対位置がずれて、物体が滑り落ちている状態である。「部分滑り」は、「全体滑り」に先立って発生し、物体600と柔軟層540,542との接触面の一部が滑る現象である。本実施形態では、物体600を把持する際に、物体600が滑り落ちない程度の最小限の力で物体600を把持する、「部分滑り」を検出する。
3.2.柔軟層と物体との接触状態の変化
図3Aは、図2に示すモデルにおいて、物体600を把持してから物体600が滑り出すまでの間において、柔軟層540,542と物体600との接触状態が状態aから状態fまで時系列に変化する様子を模式的に示す図である。図3Aでは、柔軟層540,542の上面を複数の矩形領域に分割し、各矩形領域に付した2種類のドットにより、物体600との接触状態を、「固着」、「滑り」の2つに分類して示している。「固着」の矩形領域では、物体600と柔軟層540,542との間に滑りが発生しておらず、両者が固着している。一方、「滑り」の矩形領域では、物体600と柔軟層540,542との間に滑りが発生している。なお、各矩形領域の状態は、例えばシミュレーションによる解析から得ることができる。以下では、図3Aに基づいて、物体600を把持してから物体600が滑り出すまでの間において、「部分滑り」と「全体滑り」が発生する様子を説明する。
分布型圧力センサ530,532の上に設けられた柔軟層は、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の2つに等分割されており、分割により、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542は物体600の滑り方向(x軸方向)に並べて配置されている。図3Aに示す状態aでは、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の上面の全ての矩形領域が「固着」の状態である。次に、状態bでは、第1の柔軟層540の上面の矩形領域であって、第2の柔軟層542に近い矩形領域が「滑り」の状態に変化している。その他の領域は「固着」の状態である。
次に、図3Aの状態cでは、第1の柔軟層540の上面において、「滑り」の状態の矩形領域が拡大している。次の状態dでは、第1の柔軟層540の上面の矩形領域の全てが「滑り」の状態となり、第2の柔軟層542の上面の矩形領域の一部が「滑り」の状態に変化している。次の状態eでは、第2の柔軟層542の上面において、「滑り」の状態の矩形領域が拡大している。次の状態fでは、第2の柔軟層542の上面の矩形領域の全てが「滑り」の状態となる。
第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれにおいて、全ての矩形領域が「滑り」の状態となると、「全体滑り」の状態となる。第1の柔軟層540は、状態dで「全体滑り」の状態となり、以降の状態e,fにおいても「全体滑り」の状態である。一方、第2の柔軟層542は、第1の柔軟層540よりも遅れて、状態fで「全体滑り」の状態となる。
以上のように、第1の柔軟層540及び第2の柔軟層542のそれぞれにおいて、時間の経過に伴い「滑り」の領域が拡大し、「全体滑り」の状態になるが、摩擦係数の低い第1の柔軟層540の方が「全体滑り」の状態になるタイミングが早いことが判る。換言すれば、2つの柔軟層540,542の摩擦係数を異ならせることで、全体滑りが発生するタイミングに差を生じさせることができる。
第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の2つの領域で同時に全体滑りが発生した状態fでは、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で全体滑りが発生している。この状態では、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の双方に対して物体600が相対的に移動しており、図2において、物体600がx軸方向に滑っている状態である。
また、本実施形態において、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のいずれかの一方の領域で全体滑りが発生し、他方の領域で全体滑りが発生していない状態d,eを、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で「部分滑り」が発生している状態として定義する。「部分滑り」が発生している状態d,eでは、物体600は、第1の柔軟層540及び第2の柔軟層542に対して物体600は相対的に移動しない。なお、図3Aでは、状態d,eが「部分滑り」の状態であることを示すため、状態d,eを太線で囲って示している。
なお、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のいずれかの一方の領域に着目した場合、状態b,cにおける第1の柔軟層540の領域、または状態d,eにおける第2の柔軟層542の領域では、部分滑りが発生していると捉えることもできる。しかし、本実施形態では、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域に着目し、柔軟層540,542のいずれかの一方の領域で全体滑りが発生し、他方の領域で全体滑りが発生していない状態d,eを、全体の領域で「部分滑り」が発生している状態として定義する。
また、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のいずれにおいても全体滑りが発生していない状態a~cは、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域が物体600と固着している状態である。
従って、「部分滑り」が発生している状態d,eは、物体600が滑り出す直前の状態であり、物体600は、第1の柔軟層540及び第2の柔軟層542に対して相対的に移動していない。従って、「部分滑り」の状態を検出し、部分滑りが生じる程度の把持力で物体を把持することで、物体600の変形や破壊を抑制するとともに、物体600が滑らない最適の力で把持することができる。
3.3.圧力中心位置に基づく滑りの判定
本実施形態では、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で「部分滑り」または「全体滑り」が発生していることを、分布型圧力センサ530,532から得られる圧力中心位置に基づいて判定する。
図3Bは、図3Aの状態a~fにおいて、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれの領域で圧力中心位置が変化する様子を示す特性図である。圧力中心位置Xcopは、以下の式(1)から求まる。分布型圧力センサ530,532のそれぞれは、マトリクス状に形成された、圧力を検出するための複数のノードを備えている。式(1)において、Nは分布型圧力センサ530,532のセンサノード数、xはi番目のノードの座標、p(x)はi番目のノードが検出した圧力である。圧力中心位置Xcopは、圧力と座標の乗算値の合計を圧力の合計で除算した値であり、分布型圧力センサ530,532における圧力の中心を示す値である。
Figure 0007294335000001
図3Bでは、左から順に、第2の柔軟層542の圧力中心位置の変化、第1の柔軟層540の圧力中心位置の変化、第1及び第2の柔軟層540,542の圧力中心位置の変化をそれぞれ示している。3つの特性図において、横軸は時間のステップ数を示す番号、縦軸は圧力中心位置を示している。縦軸の圧力中心位置は、図2のx軸方向の位置に対応している。第1の柔軟層540の特性では縦軸の原点は図2の原点に相当し、第2の柔軟層542の特性では縦軸の原点は図2の-Lの座標に相当する。なお、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のx軸方向の長さは同一(=L)であるものとする。
また、図3Bにおいて、圧力中心位置の特性に付したa~fは、図3Aの状態a~fにそれぞれ対応している。
図3Bに示すように、時間の経過に伴い、第1及び第2の柔軟層540,542の圧力中心位置は、いずれも図2のx軸方向に移動している。この際、摩擦係数がより小さい第1の柔軟層540の方が、第2の柔軟層542よりも圧力中心位置の移動が速い。第1の柔軟層540では、時間のステップ数が15を過ぎた時点で圧力中心位置の移動が停止し、圧力中心位置が一定値となる定常状態となっている。一方、第2の柔軟層542では、時間のステップ数が25を過ぎた時点で圧力中心位置の移動が停止し、圧力中心位置が一定値となる定常状態となっている。
図3Bに示すように、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれにおいて、圧力中心位置の移動が停止した状態が「全体滑り」の状態に相当する。一方、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれにおいて、圧力中心位置の移動が停止していない状態は、第1の柔軟層540又は第2の柔軟層542のせん断変形と部分的な滑りにより、圧力中心位置が移動している状態である。圧力中心位置の移動が停止していない状態では、物体600と1の柔軟層540及び第2の柔軟層542との間に相対的な移動は生じていない。一方、圧力中心位置の移動が停止していない状態では、第1の柔軟層540又は第2の柔軟層542のせん断変形により、物体600の絶対位置が変化する場合がある。上述したように、2つの柔軟層540,542の摩擦係数を異ならせることで、全体滑りが発生するタイミングに差を生じさせることができ、図3Bからも明らかなように、第2の柔軟層542の方が第1の柔軟層540よりも全体滑りが発生するタイミングが遅くなっている。
図3Bの右側に示す特性図は、図3Bの左側に示す特性図と中央に示す特性図を重ねて示したものである。本実施形態では、圧力中心位置の変化に基づき、全体滑りが先に発生する第1の柔軟層540で全体滑りが発生し、第2の柔軟層542では全体滑りが発生していない状態を、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で「部分滑り」が発生している状態と判定する。また、圧力中心位置の変化に基づき、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の双方で全体滑りが発生している状態を、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で「全体滑り」が発生している状態と判定する。更に、圧力中心位置の変化に基づき、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の双方で全体滑りが発生していない状態を、固着状態と判定する。
以上により、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれの領域において圧力中心位置を計算することで、各領域における全体滑りを検出できる。上記の例では領域数が2つであるため、2つの領域で同時に全体滑りが発生した場合、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で全体滑りが発生していると判定する(状態f)。また、いずれかの領域で全体滑りが発生した場合、全体の領域では部分滑りが発生していると判定する(状態d,e)。いずれの領域でも全体滑りが発生していない場合、全体の領域は「固着状態」であると判定する(状態a,b,c)。
そして、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域(対象物600の接触領域)に対する「全体滑り」の未検出領域の割合を固着率とする。図3Bにおいて、状態fでは、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域に対して、第1の柔軟層540の領域と第2の柔軟層542の領域のいずれも全体滑りの状態であるため、固着率は0%である。また、状態d,eでは、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域に対して、第1の柔軟層540の領域が全体滑りの状態であるため、固着率は50%である。また、状態a,b,cでは、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域に対して、第1の柔軟層540の領域と第2の柔軟層542の領域のいずれも全体滑りの状態でないため、固着率は100%である。
本実施形態では、固着率に応じてハンド500による把持力を制御する。固着率が大きいほど、ハンド500による把持力を小さくし、固着率が小さいほどハンド500による把持力を大きくする。これにより、必要最小限の力で物体600を把持することができ、物体600の破壊や変形を抑止することができる。
柔軟層の領域の分割数が増えるほど固着率の分解能は上がり、把持力制御の精度は高くなる。また、柔軟層の領域の分割数が増えるほど、より小さい物体や凹凸のある物体に対しても固着率の検出が可能となる。例えば、柔軟層の分割数を3つにした場合、上述と同様の方法で固着率を求めると、0%、33%、66%、100%の4段階で固着率を算出可能である。
例えば、柔軟層の分割数を3つとし、それぞれの柔軟層の摩擦係数を異ならせた場合、全ての柔軟層のそれぞれで全体滑りが発生している状態であれば、固着率は0%となる。また、最も摩擦係数の小さな柔軟層の領域と次に摩擦係数の小さな柔軟層の領域で全体滑りが発生し、最も摩擦係数の大きな柔軟層の領域で全体滑りが発生していない場合、固着率は33%となる。また、最も摩擦係数の小さな柔軟層の領域で全体滑りが発生し、次に摩擦係数の小さな柔軟層の領域と最も摩擦係数の大きな柔軟層の領域で全体滑りが発生していない場合、固着率は66%となる。更に、全ての柔軟層の領域で全体滑りが発生している場合、固着率は0%となる。同様の観点から、柔軟層の領域の分割数を増やすほど、部分滑りの状態をより精度良く検出することが可能である。
図4は、図3Bとの比較のため、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の摩擦係数を同一にした場合を示す特性図である。摩擦係数以外の条件と、特性図の表示方法は、図3Bと同様である。図4に示すように、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の摩擦係数が同じ場合、第1の柔軟層540の領域と第2の柔軟層542のそれぞれの領域で全体滑りが発生するタイミングに差がないため、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で部分滑りを検出することは困難である。従って、図3Bに示す本実施形態のように、固着率が50%の状態、すなわち、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で「部分滑り」が発生している状態、を検出することができない。本実施形態によれば、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域で「部分滑り」が発生している状態を検出することができるため、部分滑りの状態に相当する固着率に基づいて把持力を高精度に制御することが可能である。
従って、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の摩擦係数を異ならせることにより、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542で全体滑りが発生するタイミングが異なり、第1及び第2の柔軟層540,542を含む全体の領域で部分滑りを検出することが可能となる。そして、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542で全体滑りが発生するタイミングの差が大きいほど、第1及び第2の柔軟層540,542を含む全体の領域で部分滑りが発生する時間が増加するため、把持力の制御を容易に行うことができる。
3.4.柔軟層毎に全体滑りの発生タイミングを異ならせるパラメータ
以上の説明では、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の摩擦係数を相違させて、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の全体滑りの発生タイミングを異ならせるようにした。一方、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の摩擦係数以外のパラメータを相違させて、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542の全体滑りの発生タイミングを異ならせるようにしても良い。摩擦係数以外のパラメータとして、ヤング率、ポアソン比,厚み、曲率半径等を挙げることができる。
摩擦係数の場合は、摩擦係数を小さくするほど全体滑りの発生タイミングが早くなる。ヤング率の場合は、ヤング率を大きくするほど全体滑りの発生タイミングが早くなる。ポアソン比の場合は、ポアソン比を小さくするほど全体滑りの発生タイミングが早くなる。厚みの場合は、厚みを小さくするほど全体滑りの発生タイミングが早くなる。曲率半径の場合は、曲率半径を大きくするほど全体滑りの発生タイミングが早くなる。
また、上記パラメータにおいて、全体滑りが発生するタイミングが早い条件同士、または全体滑りが発生するタイミングが遅い条件同士を組み合わせることで、全体滑りが発生するタイミングの差をさらに広げることが可能である。例えば、摩擦係数が小さくかつ厚みが小さい第1の柔軟層と、摩擦係数が大きくかつ厚みが大きい第2の柔軟層を設けることで、第1の柔軟層と第2の柔軟層の全体滑りが発生するタイミングを更に広げることが可能となる。
3.5.柔軟層の分割方向
図5A~図5Cは、柔軟層の分割方向を示す模式図である。図5A及び図5Bは、図1及び図2と同様に、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542が滑り方向に2つに分割されている例を示している。また、図5Cは、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542が滑り方向と直交する方向に2つに分割されている例を示している。
把持される物体600について、物体600の滑り方向に対して垂直軸(図5A~5Cにおけるz軸)が拘束されている場合、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれで完全滑りが発生するタイミングの差に違いはない。一方、垂直軸が拘束されていない場合、摩擦分布があるためわずかに軸回転が発生し、滑り方向に対し垂直に分割されている場合の方が、完全滑りが発生するタイミングの差が大きくなる。実環境においては、物体の軸が拘束されている状況は起こりえないため、図5A及び図5Bに示すように、滑り方向に対して分割されている場合の方がより好適である。更に、物体600が滑る方向に対して第2の柔軟層542、第1の柔軟層540の順に配置した図5Aの方が、物体600が滑る方向に対して第1の柔軟層540、第2の柔軟層542の順に配置した図5Bよりも全体滑りの発生するタイミングに差を生じさせることができる。換言すれば、摩擦係数のより大きな第2の柔軟層542を滑り方向の上流側に配置することで、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542における全体滑りの発生タイミングの差をより大きくすることが可能である。図5Bの配置の場合、滑り方向で上流側に位置する第1の柔軟層540の滑り力が下流側の第2の柔軟層542によって堰き止められることから、第1の柔軟層540における全体滑りの発生タイミングが比較的遅くなる。従って、図5Bの配置の場合、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542における全体滑りの発生タイミングの差が比較的小さくなる。一方、図5Aの配置の場合、滑り方向で上流側に位置する第2の柔軟層542の滑り力が下流側の第1の柔軟層540によって堰き止められることがなく、下流側の第1の柔軟層540において比較的早いタイミングで全体滑りが生じる。従って、図5Aの配置の場合、全体滑りの発生するタイミングに差をより大きくすることができる。
また、複数の柔軟層は、隣接して設けられていなくても良い。例えば、後述する図10に示すように、ハンド500の異なる指に第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を別々に設けても良い。
4.ロボットの制御システムの構成例
図6は、本開示の一実施形態に係るロボットの制御システム(制御装置)1000の構成例を示す模式図である。図6に示すように、制御システム1000は、認識・計画部100、把持力算出部200、制御部300を有して構成されている。認識・計画部100は、認識部102、指令部104、把持位置決定部106、動作計画部108、を有している。把持力算出部200は、圧力取得部202、接触検出部204、圧力中心位置演算部206、圧力中心移動量演算部208、全体滑り検出部210、固着率演算部212、把持力制御部214、を有している。制御部300は、全体制御部302、ハンド制御部304、を有している。
認識・計画部100は、ロボットが把持する物体600を認識し、物体600を把持する計画を立てる。認識部102は、カメラ、ToFセンサ等から構成され、物体600の3次元形状を認識する。指令部104には、ユーザからの指令が入力される。把持位置決定部106は、認識部102による対象物の認識結果を用い、指令部104に入力されたユーザの指令に基づいて、ロボットが物体600を把持する位置を決定する。動作計画部108は、把持位置決定部106が決定した把持位置に基づいて、ロボットのアーム506の動作、及びアーム506の先端に設けられたハンド500の動作を計画する。
把持力算出部200は、物体600を把持するハンド500の把持力を算出し、把持力の制御を行う。圧力取得部202は、分布型圧力センサ530,532が検出した圧力を取得する。接触検出部204は、圧力取得部202が取得した分布圧力値を用いて、第1及び第2の柔軟層540,542と物体600との接触を検出する。例えば、接触検出部204は、分布圧力値が所定値以上の場合に、第1及び第2の柔軟層540,542と物体600との接触を検出する。圧力中心位置演算部206は、圧力取得部202が取得した分布圧力値を用いて、第1及び第2の柔軟層540,542のそれぞれの領域において、上述した式(1)より圧力中心位置XCOPを演算する。
圧力中心移動量演算部208は、圧力中心位置演算部206が演算した圧力中心位置を用いて、第1及び第2の柔軟層540,542のそれぞれの領域において、圧力中心位置の移動量を演算する。圧力中心移動量演算部208は、以下の式(2)より圧力中心位置の移動量ΔXCOPを演算する。なお、式(2)の右辺は、時刻t+1における圧力中心位置XCOPと時刻tにおける圧力中心位置XCOPとの差分を示している。
Figure 0007294335000002
全体滑り検出部210は、圧力中心移動量演算部208が演算した圧力中心位置の移動量を用いて、予め設定した時間窓において圧力中心位置の移動に変化があるか否かを検出する。時間窓は予め定めた所定時間である。全体滑り検出部210は、この所定時間の間に圧力中心位置の移動がなければ、圧力中心位置に変化がなく、全体滑りが発生していることを検出する。全体滑り検出部210は、2つの分布型圧力センサ530,532のそれぞれの領域毎に圧力中心位置の変化を監視することで、各領域で全体滑りが発生していることを検出する。
固着率演算部212は、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542を含む全体の領域に対する、全体滑りの未検出領域の割合を演算し、算出した割合を固着率とする。上述したように、柔軟層が2分割の場合、固着率は0%、50%、100%の3種類の値として算出される。
把持力制御部214は、固着率が一定の値となるように把持力を決定する。把持力制御部214は、フィードバック制御により、固着率演算部212が演算した固着率が所定の値となるように把持力の制御を行う。一例として、把持力制御部214は、固着率が50%となるように把持力を制御する。
制御部300は、ロボットの動作を制御する。全体制御部302は、動作計画部108が計画した動作計画に基づいて、ロボットのアーム506を制御する。ハンド制御部304は、把持力制御部214の制御に基づき、ハンド500を制御する。なお、把持力制御部214とハンド制御部304は一体に構成されていても良い。
なお、図6に示す制御システム1000の認識・計画部100、把持力算出部200、制御部300の各構成要素は、回路(ハードウェア)、またはCPUなどの中央演算処理装置とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)から構成することができる。このプログラムは、制御システム1000が備えるメモリ、または制御システム1000に外部から接続されるメモリ等の記録媒体に格納されることができる。後述する図7、図9、図20においても同様である。
5.本実施形態の変形例
以下では、本実施形態のいくつかの変形例について説明する。
5.1.変形例1(物体の剛性に応じて把持力制御ゲインを調整する例)
変形例1では、物体600に柔軟層が接触し、物体600に柔軟層が押し込まれた瞬間のハンド500の位置、または柔軟層と物体600の接触面積と接触力の情報から、物体600の物理情報(剛性)を計算する。そして、物体600の物理情報に基づいて、把持力制御ゲインを調整する。ここで、把持力制御ゲインとは、固着率がある一定の値となるように把持力を増加させる際の増加割合である。
図7は、変形例1に係る把持力算出部200の構成を示す模式図である。図7に示すように、変形例1に係る把持力算出部200は、図6に示した構成に加えて、接触力演算部216、接触ノード数取得部(接触半径演算部)218、物理情報演算部220を有する。
接触力演算部216は、物体600が第1及び第2の柔軟層540,542と接触する際の接触力を演算する。接触力は、分布型圧力センサ530,532の全ノードのうち接触ノードの数と、各接触ノードにかかる力(圧力)を乗算すること得られる。接触ノードは、第1の柔軟層540または第2の柔軟層542を介して物体600に接触している分布型圧力センサ530,532のノードである。換言すれば、接触ノードは、圧力の検出値が得られた(検出値が0でない)ノードである。
接触ノード数取得部218は、接触検出部204が検出した第1及び第2の柔軟層540,542と物体600との接触に基づき、接触ノード数を取得する。接触ノード数は、接触面積に相当する。物理情報演算部220は、接触ノード数取得部218から得られる接触面積の情報と接触力演算部216から得られる接触力の情報から、物体600の物理情報として剛性を演算する。
また、物体600が柔軟層と接する際の接触半径aから、物体600の物理情報として剛性を演算することができる。この場合、接触ノード数取得部218の代わりに、接触半径演算部を機能させる。Hertzの接触理論より、ロボットフィンガ(第1の指502、第2の指504)と物体の接触半径aは、以下の式(3)で表すことができる。
Figure 0007294335000003
なお、rはロボットフィンガの半径、Eは有効弾性係数である。
また、以下の式(4)に示すように、有効弾性係数Eは、ロボットフィンガおよび物体の弾性係数Ef,Eoとそれぞれのポアソン比vf,voによって与えられる。
Figure 0007294335000004
ポアソン比はたかだか0.5程度の値であり、通常はさらに小さい値であるから、その2乗の値はEには大きく影響しないとして、式(5)に示すように、ポアソン比を無視することができる。
Figure 0007294335000005
従って、ロボットフィンガ半径r、ロボットフィンガのヤング率Efは既知であるため、接触半径演算部218より算出される接触半径a、接触力Fnの情報に基づいて、式(3)より物体600の物理情報(ヤング率Eo)を計算することができる。
物体600の物理情報としての剛性は、把持力制御部214に送られる。把持力制御部214は、物理情報に基づいて、把持力制御ゲインを調整する。上述したように、把持力制御ゲインとは、固着率がある一定の値となるように把持力を増加させる際の増加割合である。把持力制御部214は、物体600の剛性が高い場合は、物体600に変形、破壊が生じる蓋然性が比較的低いことから、固着率を目標値に制御する際に、把持力の増加割合を高くする。一方、把持力制御部214は、物体600の剛性が低い場合は、物体600に変形、破壊が生じる蓋然性が比較的高いことから、固着率を目標値に制御する際に、把持力の増加割合を低くする。
変形例1によれば、上述した部分滑りの状態を検出することで、物体600が滑らない程度の必要最小限の力で把持力を制御できることに加え、物体600の硬さに応じて把持力の増加割合を制御することができる。従って、把持する際の物体600の変形、破壊を確実に抑制可能である。
なお、物体600の剛性を求める際に、物体600に柔軟層が押し込まれた際のハンド500の位置(押し込み量)と、分布型圧力センサ530,532から得られる接触力おとの関係から剛性を求めても良い。
5.2.変形例2(全体滑りの発生タイミングの差を大きくするために、指の位置、姿勢を制御する例)
変形例2では、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれにおける全体滑りの発生タイミングの差を大きくするために、指の位置、姿勢を制御する。ここで、柔軟層540,542が物体600と接触する際の圧力分布が急峻であるほど、全体滑りの発生タイミングは遅くなる。図8A~図8Cは、柔軟層540,542が物体600に接触する際の圧力分布の例を示す特性図である。図8C、図8B、図8Aの順で圧力分布が急峻になっている。ここで、圧力分布が急峻である、とは、柔軟層540,542と物体600が接触している領域の端部(図8A~図8Cに示す領域A1)の圧力勾配が大きいことを意味する。
図8A~図8Cのそれぞれにおいて、圧力が高い領域は、柔軟層540,542と物体600が接触している領域である。柔軟層540,542と物体600が接触している領域の端部では、圧力に勾配が生じている。この圧力勾配が大きい程、全体滑りが発生するタイミングは遅くなる。
例えば、柔軟層540,542と物体600が接触している領域において、物体600の形状が凸面であり、凸面の曲率半径が小さいほど、圧力勾配が急峻になり、全体滑りが発生するタイミングは遅くなる。
変形例2では、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542のそれぞれにおいて、圧力勾配が異なる位置に第1の柔軟層540と第2の柔軟層542が配置されるように、ハンド500を制御する。
図9は、変形例2に係る把持力算出部200の構成を示す模式図である。図9に示すように、変形例2に係る把持力算出部200は、図6に示した構成に加えて、圧力勾配演算部222、アクチュエータ制御部224を有する。
圧力勾配演算部222は、接触検出部204により第1及び第2の柔軟層540,542と物体600との接触が検出されると、分布型圧力センサ530,532が検出した圧力に基づき、図8A~図8Cに示す特性を取得する。そして、圧力勾配演算部222は、図8A~図8Cに示す領域A1の圧力勾配を演算する。なお、分布型圧力センサ530,532が検出した圧力は、圧力取得部202によって取得され、圧力勾配演算部222に送られる。
アクチュエータ制御部224は、圧力勾配演算部222が演算した圧力勾配に基づいて、ハンド500またはアーム506を制御するアクチュエータを制御する。アクチュエータ制御部224は、第1の柔軟層540及び第2の柔軟層542と物体600との接触部において、圧力勾配の差がより大きくなる位置で物体600を把持するようにアクチュエータを制御する。
図10は、ハンド500の具体的な制御を示す模式図である。図10では、圧力勾配に応じて指の位置、姿勢を制御する前の状態を左図に示し、圧力勾配に応じて指の位置、姿勢を制御した後の状態を右図に示している。図10では、第1の指502に第1の柔軟層540及び分布型圧力センサ530を設け、第2の指504に第2の柔軟層542及び分布型圧力センサ532を設けている。従って、図10では、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542が、物体600の滑り方向に分割されていない例を示している。
指の位置、姿勢を制御する前は、第1の柔軟層540、第2の柔軟層542のいずれに対しても、物体の600の接触面は曲面である。一方、指の位置、姿勢を制御した後は、第2の柔軟層542に対しては物体の600の接触面は曲面であるが、第1の柔軟層540に対しては物体の600の接触面は平面となる。
上述したように、第1の柔軟層540の摩擦係数の方が第2の柔軟層542の摩擦係数よりも小さいため、第2の柔軟層542の方が全体滑りの発生タイミングは遅くなる。これに加え、指の位置、姿勢を制御した後は、第1の柔軟層540に対しては物体の600の接触面は平面となり、第2の柔軟層542に対しては物体の600の接触面は曲面となる。従って、第2の柔軟層542における圧力分布は第1の柔軟層540における圧力分布よりも急峻になり、第2の柔軟層542における全体滑りの発生タイミングがより遅くなる。従って、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542との間で、全体滑りの発生タイミングの差をより大きくすることができる。
なお、上述した例では、圧力勾配に応じてハンド500の指の位置、姿勢を制御する例を示したが、認識部102により物体600の形状を観察して得られる物体600の3次元情報に基づいて、ハンド500の指の位置、姿勢を制御しても良い。この場合も、3次元情報に基づいて、圧力勾配が小さい箇所に第1の柔軟層540を接触させ、圧力勾配が大きい箇所に第2の柔軟層542を接触させることが可能である。
5.3.変形例3(柔軟層、分布型圧力センサの配置のバリエーション)
上述したように、第1の柔軟層540と第2の柔軟層542は、物体600が滑る方向に分割されていることがより好適である。変形例3では、ハンド500やアーム506の姿勢に応じて、物体600の複数の異なる滑り方向が想定される場合、滑り方向に依存しない分割を行う。
図11は、柔軟層の分割の例を示す模式図である。図11に示す例では、複数の柔軟層544,546,548,550毎にヤング率が異なる例を示している。各柔軟層544,546,548,550は、円状の境界によって分割されており、中心ほどヤング率が小さい。このような分割方法によれば、図11中に複数の矢印で示すような多方向の滑りに対応することができ、いずれの滑り方向に対しても、柔軟層は滑り方向に分割されていることになる。
また、上述したように、全体滑りの発生タイミングを異ならせる柔軟層のパラメータについては、全体滑りが発生するタイミングが早い条件同士、または遅い条件同士を組み合わせることで、全体滑りが発生するタイミングの差をさらに広げることが可能である。
このため、図11に示す例では、厚さとヤング率の条件を組み合わせ、中心に近い柔軟層ほど厚さが大きく、且つヤング率が小さくなるように、各柔軟層544,546,548,560の厚さとヤング率を設定した。これにより、ヤング率を大きくするほど全体滑りの発生タイミングが早くなり、厚みを小さくするほど全体滑りの発生タイミングが早くなることから、図11に示す周辺の柔軟層ほど全体滑りの発生タイミングが早くなり、中心に近い柔軟層ほど全体滑りの発生タイミングが遅くなる。
また、全体滑りの発生タイミングを異ならせるパラメータに関し、厚さとヤング率を組み合わせることで、大きい把持力が必要な重い物体600には周辺のヤング率の大きい柔軟層550が使われるが、大きな把持力を必要としない軽く壊れやすいような物体600の把持には中心のヤング率の小さい柔軟層544のみが使われることになる。従って、把持物体に応じて適切な柔軟層を使うことが可能となる。
また、図12は、物体600と接触する位置に依存しない分割の例を示す平面図である。図12に示す例では、ヤング率の小さい柔軟層552と、ヤング率の大きい柔軟層554が用いられている。平面図に示すように、柔軟層552と柔軟層554は交互に千鳥状に配置されている。なお、図12では、2つの異なるヤング率の柔軟層552,554を示したが、3つ以上の異なるヤング率の柔軟層を配置しても良い。この場合に、図中で行方向又は列方向に隣接する柔軟層のヤング率が異なるように配置することで、3つ以上の異なるヤング率の柔軟層を配置する場合においても、千鳥状の配置を行うことができる。また、2つの異なるヤング率の柔軟層552,554を配置する場合に、図12中で同じ列又は同じ行の柔軟層のヤング率が同じとなるように配置し、列毎、又は行毎にヤング率が異なるようにしても良い。
また、上述の通り、領域の分割数が増えるほど、固着率の分解能は上がり、把持力制御の精度は高くなる。また、領域の分割数が増えるほど、より小さい物体や凹凸のある物体に対しても固着率の検出が可能となる。しかし、分割数は、分布型圧力センサのノードのピッチ幅に依存してしまい、分割数をより増やそうとした場合に、ハード面での限界が生じる。そこで、図13に示すように、2つの分布型圧力センサ560,562のノードのピッチ幅を疑似的に小さくするために、分布型圧力センサ560,562をずらして層に配置する。
図13に示す例では、上から順に、2つの分布型圧力センサ560,562をノードの配列方向(x方向)にずらして重ねた場合(例(a))、ノードの配列方向(x方向、y方向)にずらして重ねた場合(例(b))、一方の分布型圧力センサ562を45°回転させて重ねた場合(例(c))、の3通りの方法を示している。
図13に示す例(a)では、分布型圧力センサ560,562をノードの幅の1/2だけx方向に互いにずらして配置している。図13に示す例(b)では、分布型圧力センサ560,562をノードの幅の1/2だけx方向及びy方向に互いにずらして配置している。なお、分布型圧力センサの配置、重ね方は、図13の例に限定されるものではない。
以上のように、分布型圧力センサ560,562をずらし、重ねて配置することで、ノードのピッチ幅を疑似的に小さくすることができ、領域の分割数を増やすことが可能となる。
5.4.変形例4(分布型圧力センサの上下に柔軟層を配置する例)
上述したように、全体滑りの発生タイミングを遅くする方法として、柔軟層の厚みを大きくする方法がある。一方で、柔軟層の厚みを大きくすると、分布型圧力センサの感度が低下する弊害がある。
変形例4では、図14に示すように、分布型圧力センサ564の上部の柔軟層570の厚みの一部を分布型圧力センサ564の下部に配置することで、分布型圧力センサ564の上下に柔軟層572,574を配置する。圧力中心位置の移動は柔軟層572,574の厚さの合計に依存する一方、検出感度は分布型圧力センサ564の上部の柔軟層574に依存するため、分布型圧力センサ564の検出感度を低下することなく、全体滑りの発生タイミングを遅くすることが可能となる。
図15Aは、柔軟層の厚みの違いに応じた、分布型圧力センサ564による検出感度を示す模式図である。図15Aでは、分布型圧力センサ564の上に厚さの異なる3種類の柔軟層570を配置した場合(例(a)~(c))の検出感度と、分布型圧力センサ564の上下に柔軟層572,574を配置した場合(変形例4)の検出感度を示している。
図15Aに示す例(a)は、分布型圧力センサ564の上に厚さ1mmの柔軟層570を配置した例を示している。また、図15Aに示す例(b)は、分布型圧力センサ564の上に厚さ3mmの柔軟層570を配置した例を示しており、例(c)は、分布型圧力センサ564の上に厚さ5mmの柔軟層570を配置した例を示している。
また、図15Aに示す変形例4は、分布型圧力センサ564の上に厚さ1mmの柔軟層574を配置し、分布型圧力センサ564の下に厚さ4mmの柔軟層572を配置した例を示している。
また、図15Aでは、例(a)~(c)と変形例4について、分布型圧力センサ564が検出した圧力とその標準偏差を示している。例(a)~(c)に示すように、分布型圧力センサ564の上の柔軟層570の厚さが大きいほど、圧力の検出値の標準偏差が大きくなり、分布型圧力センサ564の検出感度が低下していることが判る。
一方、図15Aに示すように、変形例4では、柔軟層572と柔軟層574の合計の厚さは例(c)と同じであるが、分布型圧力センサ564の上の柔軟層574の厚さが1mmであるため、圧力の検出値の標準偏差が抑えられている。このため、変形例4によれば、少なくとも例(a)と同等の検出感度を得ることができる。
図15Bは、図15Aに示す例(a)~(c)、変形例4について、図3Bと同様に圧力中心位置が変化する様子を示す特性図である。図15Bの例(a)~(c)に示すように、分布型圧力センサ564の上の柔軟層570の厚さが大きいほど、全体滑りの発生タイミングは遅くなる。
また、図15Bに示すように、変形例4では、全体滑りの発生タイミングは、例(c)と同様のタイミングである。従って、変形例4によれば、分布型圧力センサ564の上の柔軟層574の厚さを例(a)の柔軟層570と同等にしたことで、例(a)と同等の検出感度を確保できる。また、変形例4によれば、分布型圧力センサ564の上下の柔軟層572,574の合計の厚さを例(c)の柔軟層570と同等にしたことで、全体滑りの発生タイミングを例(c)と同等にすることができる。
なお、図15Bに示す変形例4の特性では、圧力中心位置の移動方向が例(a)~(c)と逆方向となっている。これは、分布型圧力センサ564にかかる上下の圧力が影響していることに起因する。
図16A及び図16Bは、変形例4の圧力中心位置の移動方向が例(a)~(c)と逆方向となる理由を示す模式図である。図16A及び図16Bのそれぞれでは、物体600を把持していない状態(左図)と、物体600を把持している状態(右図)を示しており、物体600を把持することで各柔軟層が変形する様子を示している。また、図16A及び図16Bにおいて、矢印A11は、物体600が滑ろうとする方向を示している。なお、説明の便宜上、図16A及び図16Bにおいて、物体600の図示は省略している。
図16Aは、例(a)を示しており、物体600が矢印A11方向に滑ろうとすることで、柔軟層570が矢印A11方向に変形している様子を示している。この際、分布型圧力センサ564の圧力検出値は、図16Aに示す領域A3で柔軟層570が存在せず、圧力が小さくなることから、分布型圧力センサ564の左端で圧力が小さくなり、右端で圧力が大きくなる。従って、図15Bに示したように、圧力中心位置はx軸の正方向に向けて移動する。
一方、図16Bは、変形例4を示しており、物体600が矢印A11方向に滑ろうとすることで、柔軟層572及び柔軟層574が矢印A11方向に変形している様子を示している。この際、分布型圧力センサ564の圧力検出値は、図16Bに示す領域A4に柔軟層572が存在せず、圧力が小さくなることから、分布型圧力センサ564の右端で圧力が小さくなり、左端で圧力が大きくなる。従って、図15Bに示したように、圧力中心位置はx軸の負方向に向けて移動する。図15Bでは、圧力中心位置の移動方向が、図3B、図15Aの例(a)~(c)と異なるが、圧力中心位置の移動が停止した時点で全体滑りが生じていると判定する手法自体は、図3B、図15Aの例(a)~(c)と同様である。
5.5.変形例5(柔軟層の摩擦力を変える手法)
柔軟層の摩擦係数を変える手法として、材料を変える方法の他、柔軟層の表面に微細な加工を施すことや、柔軟層の表面にコーティングをする方法が考えられる。これにより、複数の柔軟層を同一材料で構成した場合でも、多様な摩擦係数の分布を生成することが可能となる。
また、柔軟層の摩擦力を変えるため、各柔軟層の領域の表面積を変える手法が挙げられる。柔軟層の表面積が大きくなるほど摩擦力は大きくなる。図17は、柔軟層の表面積を変えた例を示す模式図である。中央の柔軟層580の面積が周囲の柔軟層582の面積よりも大きいことから、中央の柔軟層580の摩擦力は周囲の柔軟層582の摩擦力よりも大きくなる。従って、柔軟層580と柔軟層582との間で全体滑りの発生タイミングを異ならせることができる。
また、図18は、図14の変形例4と同様に、分布型圧力センサ564の上下に柔軟層572,574を配置した例を示しており、分布型圧力センサ564の上部の柔軟層574の摩擦力を変えるため、分布型圧力センサ564の下部の柔軟層572の硬度を変える手法を示している。図18では、分布型圧力センサ564の下部の柔軟層572の硬度を、低(柔軟層572a)、中(柔軟層572b)、高(柔軟層572c)の3通りとしている。
柔軟層572a~572cの変位量が一定の場合、各柔軟層572a~572cで発生する反力Fnが異なり、各柔軟層574a~574cで発生する摩擦力Ft(=Fn×μ・Fn)の分布を生じさせることができる。これにより、表面の柔軟層の取り換えも楽になる。
5.6.変形例6(線状の柔軟層を用いた例)
変形例6では、柔軟層を分割する代わりに、線状の柔軟層を配置する。図19は、変形例6に係る線状の柔軟層590,592を用いた構成例を示す模式図である。図19に示すように、分布型圧力センサ594,596の上には、線状の柔軟層590,592が設けられている。柔軟層590は分布型圧力センサ594の上に設けられ、柔軟層592は分布型圧力センサ596の上に設けられている。柔軟層592は、柔軟層590よりも摩擦係数の大きい材料から構成されている。
図19では、柔軟層590,592を用いて物体600を把持している状態を示している。このため、柔軟層590,592の上には、物体600が接触している。
また、図19では、時刻t1、時刻t2、時刻t3における時系列の動きを示している。時刻t1は、固着状態を示している。この状態では、柔軟層590,592の先端は一様に左を向いている。
次に、時刻t2は、物体600に部分滑りが生じている状態を示している。この状態では、摩擦係数の小さい柔軟層590の先端が右に向いている。一方、摩擦係数の大きい柔軟層592の先端は、左を向いた状態が維持される。部分的に滑りが発生すると、滑り領域部分である柔軟層590の向きが変わる際に、その領域の圧力が小さくなり、その変化を分布型圧力センサ594で検出できる。
次に、時刻t3は、物体600に全体滑りが生じている状態を示している。この状態では、物体600が右方向に滑り、柔軟層590,592の先端は一様に右を向いている。
図20は、図19に示す線状の柔軟層590,592を用いた把持力算出部200の構成を示す模式図である。圧力取得部202は、分布型圧力センサ594,596が検出した圧力を取得する。全体滑り検出部210は、線状の柔軟層590,592における圧力の変化を監視し、各柔軟層590,592での滑りを検出する。上述したように、図19の時刻t2では、柔軟層590に対応する分布型圧力センサ594の圧力検出値のみが低下するため、部分滑りの状態を検出できる。固着率演算部212は、全領域のうちの部分滑りの未検出領域の割合を演算する。把持力制御部214は、固着率演算部212が演算した固着率が一定の値になるよう、把持力を決定する。
圧力検出値が低下すると全体滑りを検出できる。圧力取得部202が取得した各線状の柔軟層590,592における圧力の変化を監視し、圧力があるしきい値を超えた場合に全体滑りを検出する。固着率演算部212は、全領域のうちの全体滑り未検出領域の割合を演算する。図19の例では,時刻t2において柔軟層590でのみ全体滑りが発生しており、柔軟層592は固着状態である。柔軟層590,592の数の合計は7であり、柔軟層592の数が4であることから、固着率は57%(=(4/7)×100)となる。
図21は、図19に示す線状の柔軟層590,592を用いた構成において、柔軟層590,592の向きを多方向に配置した例を示す模式図である。図19の時刻t1の状態に示したように、固着状態では、柔軟層590,592の先端は同じ方向を向いている。図21に示すように、固着状態における柔軟層590,592の向きを多方向に配置することで、多数の滑り方向に対応できる構成とすることが可能である。
以上説明したように本実施形態によれば、簡素な構成及び演算処理のみに基づいて、物体の部分滑りを検出することができ、物体の把持力を最適に制御することが可能となる。また、複数の柔軟層における全体滑りの発生タイミングを相違させることで、固い物体や、表面が平面の物体、圧力分布が平坦な場合など様々な条件下においても、部分滑りの検出を精度良く行うことが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、物体600を把持するハンド500に柔軟層及び分布型圧力センサが配置された例を示したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、歩行するロボットの足先の接地面に柔軟層及び分布型圧力センサを配置し、足先の滑りを検出しても良い。このように、本実施形態は、滑りを検出する際に広く適用することが可能である。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1) 接触した物体が滑る際の滑り特性が異なる複数の接触部と、
前記接触部のそれぞれの圧力分布を検出するセンサと、
を備える、滑り検出装置。
(2) 複数の前記接触部は、前記物体の滑り方向に並べて配置され、滑り方向の上流側に前記物体が滑りにくい前記接触部が配置された、前記(1)に記載の滑り検出装置。
(3) 複数の前記接触部は、前記滑り特性として、摩擦係数、ヤング率、ポアソン比、厚さ、及び曲率の少なくともいずれかが異なる、前記(1)又は(2)に記載の滑り検出装置。
(4) 前記センサは、前記圧力分布を検出する複数のノードを有する、前記(1)~(3)のいずれかに記載の滑り検出装置。
(5) 前記センサは、前記物体が複数の前記接触部に接触した際に、前記圧力分布に基づいて複数の前記接触部のそれぞれの圧力中心位置の変化を検出する、前記(4)に記載の滑り検出装置。
(6) 前記物体を把持する把持部に装着された、前記(1)~(5)のいずれかに記載の滑り検出装置。
(7) ロボットのハンド又はロボットが前記物体に作用する作用部に装着された、前記(1)~(6)のいずれかに記載の滑り検出装置。
(8) 前記ハンドに装着され、複数の前記接触部が前記ハンドの1つの指に装着された、前記(7)に記載の滑り検出装置。
(9) 前記ハンドに装着され、1の前記接触部が前記ハンドの第1の指に装着され、他の前記接触部が前記ハンドの第2の指に装着された、前記(7)に記載の滑り検出装置。
(10) 1の前記接触部を中心として他の前記接触部が前記1の前記接触部の周囲に同心円状に配置された、前記(1)~(9)のいずれかに記載の滑り検出装置。
(11) 前記滑り特性が異なる複数の前記接触部が千鳥状に配置された、前記(1)~(9)のいずれかに記載の滑り検出装置。
(12) 複数の前記センサが、前記物体の接触方向に対して重ねて配置され、前記接触部の接触面の方向に複数の前記ノードの位置をずらして配置された、前記(4)に記載の滑り検出装置。
(13) 前記接触部は柔軟層から構成される、前記(1)~(12)のいずれかに記載の滑り検出装置。
(14) 前記センサに対して前記接触部の反対側にも前記柔軟層が配置された、前記(13)に記載の滑り検出装置。
(15) 前記接触部を構成する第1の柔軟層の厚さに対して、前記センサに対して前記接触部と反対側に配置された第2の柔軟層の厚さの方が厚い、前記(14)に記載の滑り検出装置。
(16) 前記センサに対して複数の前記接触部の反対側に配置された複数の柔軟層の硬さが異なる、前記(14)に記載の滑り検出装置。
(17) 複数の前記接触部は、線状部材から構成される、前記(1)~(16)のいずれかに記載の滑り検出装置。
(18) 前記線状部材の摩擦係数は、前記物体が接触する領域毎に異なる、前記(17)に記載の滑り検出装置。
530,532 分布型圧力センサ
540,542 柔軟層
600 物体

Claims (4)

  1. 接触した物体が滑る際の滑り特性が異なる複数の接触部と、
    前記接触部のそれぞれの圧力分布を検出するセンサと、
    を備え、
    前記センサは、前記圧力分布を検出する複数のノードを有し、
    複数の前記センサが、前記物体の接触方向に対して重ねて配置され、前記接触部の接触面の方向に複数の前記ノードの位置をずらして配置された、
    滑り検出装置。
  2. 接触した物体が滑る際の滑り特性が異なる複数の接触部と、
    前記接触部のそれぞれの圧力分布を検出するセンサと、
    を備え、
    前記接触部は柔軟層から構成され、
    前記センサに対して前記接触部の反対側にも前記柔軟層が配置された、
    滑り検出装置。
  3. 前記接触部を構成する第1の柔軟層の厚さに対して、前記センサに対して前記接触部と反対側に配置された第2の柔軟層の厚さの方が厚い、
    請求項に記載の滑り検出装置。
  4. 前記センサに対して複数の前記接触部の反対側に配置された複数の柔軟層の硬さが異なる、
    請求項に記載の滑り検出装置。
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