JP2013103306A - 把持方法 - Google Patents

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良一 米山
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Abstract

【課題】把持装置を用いた把持方法で安全確実な把持方法を提供する。
【解決手段】把持装置3000は、対象物3010を押圧する把持部3001をM個(Mは2以上の整数)と、力ベクトルを検出する力検出部100をN個(Nは2以上の整数)と、を備えている。力検出部100は把持部3001に設けられ、把持部3001が押圧パラメーターを用いて対象物3010を押圧する第一工程と、力ベクトルをN個検出する第二工程と、N個の力ベクトルから定まる演算結果を閾値と比較する第三工程とを含む。演算結果に基づいて現在の押圧パラメーターが対象物3010の把持に適しているか否かを判定する事ができる。即ち、対象物3010を落下させる事無く、把持を確実に行う事ができるかどうかを判定する事ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、把持方法に関する。
対象物を把持する把持機構として、特許文献1が知られている。特許文献1に記載される把持機構は、一対のハンドと制御部と力覚センサーとを備えている。力覚センサーは各ハンド先端部に設けられ、一対のハンドが把持する対象物(以降、対象物と略記する)を挟んで把持する際に加える押圧力と、ハンドと対象物との間に生ずる摩擦力とを計測している。計測結果は制御部に出力され、制御部はこの計測結果に基づいて対象物を把持する把持力と対象物を移動させる速度とを定めている。
特開2010−5732号公報
しかしながら、従来の把持方法では、対象物に依っては把持できない場合があると云う課題があった。これは、特許文献1の図4に示されている様に、従来の把持方法は、対象物の重心がそのほぼ中央に位置する事を前提にしている為である。例えば、対象物の重心位置が一対のハンドの一方に偏っている場合などに、把持に失敗していた。又、一対のハンドを結ぶ線の回りに、対象物がトルクを有する場合、対象物が回転して滑り落ちる事態が生じていた。こうした把持の失敗を防ぐには、押圧力を著しく強めて、対象物が滑り落ちない様にしていた。この場合には、把持装置機構が大きな駆動系を持たねばならず、大きなエネルギーを必要とすると云う課題があった。更に、対象物がガラスコップの様に壊れ易い物の場合には、強く押圧して対象物を破壊してしまうと云う課題があった。この様に、従来の把持方法では確実な把持と簡易で安全な把持とが両立できないと云う課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる把持方法は、把持装置を用いた対象物の把持方法であって、把持装置は、対象物を押圧する把持部をM個(Mは2以上の整数)と、力ベクトルを検出する力検出部をN個(Nは2以上の整数)と、を備え、力検出部は把持部に設けられ、把持部が押圧パラメーターを用いて対象物を押圧する第一工程と、力ベクトルをN個検出する第二工程と、N個の力ベクトルから定まる演算結果を閾値と比較する第三工程とを含む事を特徴とする。
この構成によれば、演算結果に基づいて現在の押圧パラメーターが対象物の把持に適しているか否かを判定する事ができる。即ち、対象物を落下させる事無く、把持を確実に行う事ができるかどうかを判定する事ができる。
(適用例2) 上記適用例に係わる把持方法において、演算結果は、力ベクトルの任意の2個の差である事が好ましい。
把持する対象物の重心が偏っている場合に、N個の力検出部の内の少なくとも2個では異なった力ベクトルを検出する。従って、この構成によれば、任意の2個の力ベクトルの差がゼロから著しく逸脱している場合に、対象物の重心が偏っており、押圧パラメーターを見直す必要があると判断する事ができる。
(適用例3) 上記適用例に係わる把持方法において、演算結果は、力ベクトルを用いたトルクの和である事が好ましい。
この構成によれば、対象物にトルクが発生しているかどうかを検知する事ができる。即ち、現在の押圧パラメーターで、対象物が回転して落下する可能性があるかどうかを判定する事ができる。
(適用例4) 上記適用例に係わる把持方法において、演算結果が閾値を超えなかった場合に、押圧パラメーターを維持して対象物を把持する第四工程を含む事が好ましい。
演算結果が閾値を超えない事は、現在の押圧パラメーターで対象物を把持しても、対象物が落下する可能性が低い事を意味している。従って、この構成によれば、大がかりな把持装置でなくとも、比較的弱い把持力であっても、落下事故の可能性を最少にして、対象物を確実に把持する事ができる。即ち、確実な把持と簡易で安全な把持とを両立させる事ができる。
(適用例5) 上記適用例に係わる把持方法において、演算結果が閾値を超えた場合に、押圧パラメーターを変更して再度第一工程と第二工程と第三工程とを行う事が好ましい。
演算結果が閾値を超えた事は、現在の押圧パラメーターで対象物を把持すると、対象物が落下する可能性が高い事を意味している。従って、この構成によれば、落下する可能性がより低い押圧パラメーターを探す事ができる。即ち、対象物の形状や重心位置などに最も適した把持方法を探す事ができ、その結果、確実な把持と簡易で安全な把持とを両立させる事ができる。
(適用例6) 上記適用例に係わる把持方法において、押圧パラメーターを変更する際には、一旦、対象物を押圧する力を解除する事が好ましい。
この構成によれば、対象物に適した押圧パラメーターを探し出すまで、対象物を把持し直す事ができる。
(適用例7) 上記適用例に係わる把持方法において、押圧パラメーターは、対象物に対して把持部が作用させる力で有る事が好ましい。
この構成によれば、把持部が対象物を押圧する力を選択的に変更しうるので、力ベクトルの大きい場所を選択的に強く押す事ができる。
(適用例8) 上記適用例に係わる把持方法において、押圧パラメーターは、対象物に対して把持部が作用させる場所で有る事が好ましい。
この構成によれば、対象物の重心近傍を把持する事ができるので、確実な把持と簡易で安全な把持とを両立させる事ができる。
(適用例9) 上記適用例に係わる把持方法において、押圧パラメーターは、対象物に対して把持部がなす角度で有る事が好ましい。
この構成によれば、把持部を基準とした対象物の重量に関するトルクをほぼゼロにする事ができるので、対象物が回転して落下する可能性を著しく小さくできる。
(適用例10) 上記適用例に係わる把持方法において、角度が90°である事が好ましい。
この構成によれば、最初に把持部が対象物の重心近傍を把持してない状態であっても、把持部を基準とした対象物の重量に関するトルクをほぼゼロにする事ができるので、対象物が回転して落下する可能性を著しく小さくできる。
(適用例11) 上記適用例に係わる把持方法において、把持装置はデータベースを備え、押圧パラメーターの変更は演算結果をデータベースに照合して定める事が好ましい。
この構成によれば、押圧パラメーターを最適に定める事ができるので、確実な把持と簡易で安全な把持とを両立させる事ができる。
把持装置の概略構成を示す模式図。 把持装置を用いた把持方法を説明するフローチャート図。 把持装置の構成を示すブロック図。 把持部が対象物を把持した状態を示す正面図。 力検出部を説明する図で、(a)は断面図、(b)は平面図。 基準点に作用する力の方向と大きさを検出する方法の説明する断面図。 基準点に作用する力の方向と大きさを検出する方法の説明する平面図。 単位検出領域の座標系を示す図。 把持部が対象物を適切に把持した状態を示す正面図。 把持部が対象物を適切に把持した状態を示す正面図。 実施形態2に係る把持部の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は平面図。 把持部が対象物を把持した状態を示す側面図。 把持部が対象物を適切に把持した状態を示す側面図。 把持部が対象物を適切に把持した状態を示す側面図。 把持部が対象物を把持した状態を示す側面図。 把持部が対象物を適切に把持した状態を示す側面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。又、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにする為、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
図1は、把持装置の概略構成を示す模式図である。図1(a)に示す様に、把持装置3000は、本体部3003及び一対のアーム部3002、並びに力検出部100(図5参照)を備えた把持部3001を有している。本実施形態では把持部3001は二ヶ所設けられており、第一把持部3001−1と第二把持部3001−2とからなっている。把持装置3000は、一般には、M個(Mは2以上の整数)の把持部3001を備え、ロボットハンドやロボット指として動作する。こうした把持装置3000は、リモコン等の制御装置からアーム部3002に駆動信号が送信され、一対のアーム部3002が開閉動作を行う。把持部3001は対象物3010を押圧して、これを把持する。
把持部3001の少なくとも一つには、力ベクトルを検出する力検出部100が設けられている。一台の把持装置3000には、N個(Nは2以上の整数)の力検出部100が備えられており、本実施形態では各把持部3001が一つずつの力検出部100を備えている。即ち、第一把持部3001−1と第二把持部3001−2とが其々一つずつの力検出部100を備えている。力検出部100は把持部3001の把持面(表面)に備えられている。把持面とは、把持部の内で対象物3010に当接しうる部位である。尚、以降の説明を容易にする為にxyz直交座標系を、図1に示す様に、導入する。z軸を第一把持部3001−1の把持面の法線方向とし、第一把持部3001−1の把持面にx軸とy軸とが含まれる様にxyz直交座標系を定める。z軸と重力方向とが一致する場合を除いて、出来る限り、x軸を重力方向と一致させる。図1(b)では、対象物3010の重力ベクトルWの方向がx軸に沿っている。
図1(b)に示す様に、把持装置3000でコップ等の対象物3010を把持する場合、対象物3010に作用する力は把持部3001の力検出部100にて把持力と滑り力として検出される。把持力とは、把持面に垂直な方向の力(把持面が対象物3010に及ぼす力Fのz成分Fz)であり、滑り力とは把持面に平行な方向の力(把持面が対象物3010に及ぼす力Fのx成分Fxやy成分Fy)である。尚、後述する様に、一つの把持部に2個以上の力検出部100が備えられると、この他にz軸の回りの回転力を検出する事が可能となる。力検出部100で検出された力は演算部600(図3参照)にて処理され、柔らかい物体を変形させたり滑り易い物体を落としたりしない様、対象物3010の質感に応じて、把持力を加減しながら対象物3010を把持する。
図2は、把持装置を用いた把持方法を説明するフローチャート図である。次に図2を参照して、把持方法を説明する。把持工程を開始すると、まず押圧準備を行う。押圧準備とは、対象物3010の位置や形状を確認し、押圧パラメーターを初期設定する事である。押圧パラメーターとは、対象物3010を把持する場所(把持位置と略す)や、対象物3010に対する把持部の角度(対象物3010の重力ベクトル方向と把持面の法線との角度で、把持角度と略す)、把持力などである。例えば、対象物3010のほぼ中央付近を重力方向と直交する方向に把持面の法線を合わせて把持する。初期設定時の把持力はゼロでない設定可能な最少の力とする。
押圧パラメーターが定まった後に第一工程Step1を実行する。第一工程Step1では、把持部3001が、先に定められた押圧パラメーターを用いて対象物3010を実際に押圧する。次に第二工程Step2としてN個の力検出部100が力ベクトルをN個検出する。力ベクトルとは把持面が対象物3010に及ぼす力Fの大きさと方向とである。各力検出部100が其々一つずつの力ベクトルを検出し、合計N個の力ベクトルが第二工程Step2の結果として得られる。次にこれらのN個の力ベクトルを演算処理する。演算処理により演算結果が得られるが、演算結果は、力ベクトルの任意の2個の差、又は、力ベクトルを用いたトルクの和である。力ベクトルの任意の2個の差からは対象物3010の重心位置を計測する事ができる。又、トルクの和からは今の把持方法で対象物3010が回転落下する可能性の大小を判断する事ができる。
次に得られた演算結果を閾値と比較する第三工程Step3を実行する。第三工程Step3は比較判断工程でもある。ここでは演算結果が定められた閾値よりも大きいか小さいかを比較する。併せて現在の把持力で対象物3010を把持可能かどうかも判断する。即ち、把持部3001が対象物3010に把持力を及ぼす結果、把持部3001から対象物3010には滑り力の反作用となる力(摩擦力)が加えられる。各把持部で生ずるこの摩擦力の和が、対象物3010の重力ベクトルWと釣り合っているか否かを判断する。
第三工程Step3の結果、演算結果が閾値を超えず、且つ摩擦力の和が重力ベクトルWと釣り合っている場合に(図2のYesに相当)、現在の押圧パラメーターを維持して対象物3010を把持する第四工程Step4を実行する。それ以外の場合(図2のNoに相当)は把持パラメーターを見直す。ここでのそれ以外の場合とは、演算結果が閾値を超えた場合や、或いは摩擦力の和が重力ベクトルWと釣り合っていない場合である。こうした場合、押圧パラメーターを変更して再度第一工程Step1と第二工程Step2と第三工程Step3とを行う。押圧パラメーターを変更する際には、一旦、対象物3010を押圧する力を解除する。即ち、対象物3010に及ぼす把持力をゼロにする。次いで、データベースを参照して、現在の対象物3010に適したと考えられる把持方法を実現する様に押圧パラメーターを変更する。例えば、回転力が検出されている場合、把持力や把持位置、把持角度をどの程度変更すれば回転力を軽減できるかを、データベースを参照して定める。この場合、作業目的を勘案して押圧パラメーター変更の選択基準を適宜変更する。例えば、最少の把持力で安定的に把持や作業を行う事を最優先にして押圧パラメーターを変更しても良いし、或いは確実に把持して高速作業を行う事を最優先にして、把持力が強めになる様に押圧パラメーターを変更しても良い。変更された押圧パラメーターを用いて、再度第一工程Step1に戻り、以下第四工程Step4に進める状態になるまで、この第一工程Step1から第三工程Step3を経て第一工程Step1に戻るサイクルを繰り返す。把持力は、こうしたサイクルを繰り返す中で、1サイクル毎に徐々に増加させて行き、対象物3010が滑り落ちない強さとする。この様にして第四工程Step4で対象物3010が把持された後に、対象物3010を移動させる等の各種作業が行われ、把持工程は終了する。尚、各種作業が行われる際には、把持部3001や対象物3010に加速力や遠心力が加えられ、把持部3001や対象物3010に対する重力方向が変わる。従って、これらの作業中も第一工程Step1から第三工程Step3を含むサイクルと第四工程Step4とを実行し、作業中も随時押圧パラメーターを変更して行っても良い。これにより、作業中に対象物3010が落下する可能性を低める事ができる。
図3は把持装置の構成を示すブロック図である。次に図3を参照して把持装置3000の構成を説明する。把持装置3000は、把持部3001と力検出部100とアーム部3002と第一駆動部201と第二駆動部202と演算部600とを有する。演算部600は制御部300と比較判定部400と記憶部500とを有している。記憶部500には前述のデータベース等が記憶されている。第二駆動部202は、制御部300からの指令に基づき、アーム部3002を駆動させる。即ち、第二駆動部202は、把持部3001を対象物3010の所までアーム部3002を移動させたり、或いは対象物3010を把持した後に作業を行ったりする様にアーム部3002を動かす。第一駆動部201は、制御部300からの指令に基づき、把持部3001を駆動させる。即ち、把持部3001の開閉動作などを行い、対象物3010を把持したり、開放したりする。把持動作中に力検出部100は把持力や滑り力などを検出し、検出信号を比較判定部400に出力する。比較判定部400は前述の第三工程Step3を実行し、演算部600として図2に示すフローチャートを実行する。
図4は把持部が対象物3010を把持した状態を示す正面図である。次に図4を参照して、第一把持部3001−1と第二把持部3001−2とで其々検出された2個の力ベクトルの差から、対象物3010の重心位置を計測する方法を説明する。図4に示す様に、第一把持部3001−1の把持面をz=0のxy平面とし、重力方向をx軸とする。対象物3010の重心を3010Gにて表し、対象物3010のz軸方向の長さをLとする。従って、第二把持部3001−2の把持面はz=Lである。対象物3010の重心3010Gの位置をzGとし、そこに働く重力をWにて表す。又、第一把持部3001−1が対象物3010に及ぼす摩擦力をF1にて表し、第二把持部3001−2が対象物3010に及ぼす摩擦力をF2にて表す。力の釣り合いは数式1となる。
Figure 2013103306
又、トルクの釣り合いは数式2となる。
Figure 2013103306
数式(1)と数式(2)とから数式(3)の関係式が得られる。
Figure 2013103306
数式3から判る様に、摩擦力F1もF2も重心3010Gの位置zGに比例する。それ故に第一把持部3001−1と第二把持部3001−2とで其々滑り力を検出し、滑り力の反作用であるF1とF2とから、重心3010Gの位置zGを数式(3)に従って定める事ができる。
図5は力検出部を説明する図で、(a)は断面図で、(b)は平面図である。次に、力検出部100を説明する。図5(a)に示す様に、把持部3001の把持面に力検出部100が設けられる。力検出部100は、第一基板11と第二基板12とを備える。第一基板11と第二基板12とは把持面にほぼ平行の関係にある。即ち、第一基板11と第二基板12の法線はz軸に沿っている。第一基板11は、例えばガラスや石英、プラスチック等の材料で構成された矩形板状で、その大きさ(平面視のサイズ)は、縦6mm×横6mm程度になっている。第一基板11の表面には基準点Pが設定され、基準点Pの回りに圧力センサー2が複数個設けられている。一方、第二基板12の裏面には、基準点Pと重なる位置に重心Gが位置すると共に、先端部が第一基板11の表面に当接した状態で外力Fによって弾性変形する弾性体突起3が設けられている。基準点Pとは、滑り力が作用していない状態で、弾性体突起3の中心(重心G)が平面的に位置するポイントである。第二基板12は所定の弾性力を有する弾性体からなり、第二基板12は第一基板11とのXY平面に沿った相対位置を変える事ができる。即ち、把持面に沿って、第二基板12は第一基板11に対してその位置をずらし得る。
図5(b)に示す様に、平面視にて、基準点Pの回りには圧力センサー2が複数個行列状に設けられている。各圧力センサー2の面積はほぼ等しい。図5(b)では、一つの基準点Pの回りに圧力センサー2が4行4列に、合計16個配置されている。基準点Pはこれら行列状に配置された圧力センサー2の群の平面的な中心(力検出部100の平面中心)に、ほぼ一致する様に定められる。複数の圧力センサー2は、基準点Pに対して点対称に配置されている。例えば、複数の圧力センサー2は、互いに直交する二方向(X方向及びY方向)に行列状に配置されている。これにより、基準点Pと各圧力センサー2との間の距離が互いに等しくなるので、弾性体突起3の変形と各圧力センサー2で検出される圧力値との関係が互いに等しくなる。よって、各圧力センサー2の圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー2で検出された圧力値の差分を演算する事が容易となる。尚、圧力値の差分の演算方法については後述する。
隣り合う圧力センサー2の間隔は、0.1mm程度になっている。この為、外乱や静電気等の影響により隣り合う位置の圧力センサー2で検出される圧力値にノイズがのらない様になっている。圧力センサー2としては、例えばダイアフラムゲージ等の感圧素子を用いる事ができる。圧力センサー2は、接触面に外力Fが作用した時にダイアフラムに加わる圧力を電気信号に変換する。
第二基板12は矩形板状をなしており、第二基板12の裏面には複数の弾性体突起3が配置されている。第二基板12は外力Fを直接受ける部分である。第二基板12は、例えばシリコーンゴムなどの弾性体を用いて構成されている。本実施形態では、第二基板12と弾性体突起3とを接着剤により接着しているが、第二基板12及び弾性体突起3を金型で一体形成してもよい。第二基板12の表面には表面弾性層5が設けられ、力検出部100の表面での摩擦係数を大きくしている。
第二基板12の裏面には、弾性体突起3が設けられている。弾性体突起3の重心Gは、初期的に基準点Pと重なる位置に配置されている。即ち、各弾性体突起3は、平面視に於いて、先の基準点Pと重なる位置に重心Gが位置する様に設けられる。弾性体突起3の先端部は、球面の錐状となっており、力検出部100に外力Fが掛けられない状態で、第一基板11の表面に設けられた圧力センサー2に当接している。力検出部100に外力Fが加えられた状態では、外力Fによって弾性体突起3は弾性変形する。尚、第一基板11も第二基板12も一方の面を表面と称し、その反対の他方の面を裏面と称している。本明細書では、Z軸の正の方向(図5(a)の上向き)に面する方を表面と称し、Z軸の負の方向(図5(a)の下向き)に面する方を裏面と称する。
弾性体突起3のサイズは任意に設定する事ができる。ここでは、弾性体突起3の基部の径(弾性体突起3が第二基板12に接する部分の直径)は4mm程度になっている。弾性体突起3の高さ(弾性体突起3のZ方向の距離)は2mm程度になっている。弾性体突起3のデュロメーター硬さ(タイプA、ISO7619準拠のデュロメーターによる硬さ測定値)は30程度になっている。
次に、図6乃至8を参照して、力検出部100にて外力FのX成分FxやY成分Fyを検出する方法を説明する。図6は、一つの基準点に作用する力の方向と大きさを検出する方法の説明する断面図である。又、図7は、図6に対応して、一つの基準点に作用する力の方向と大きさを検出する方法の説明する平面図である。図6(a)及び図7(a)は第二基板12の表面に外力Fが付加される前の状態(外力Fの作用がない時)を示している。図6(b)及び図7(b)は第二基板12の表面に垂直方向(滑り力がない状態)の外力Fが付加された状態を示している。図6(c)及び図7(c)は第二基板12の表面に斜め方向(滑り力がある状態)の外力Fが付加された状態を示している。又、図7(a)〜(c)において、符号Gは弾性体突起3の重心G(圧力中心)を示している。更に、説明を分かり易くする為に圧力センサー2は基準点Pの回りの2行2列分を描いてある。
図6(a)及び図7(a)に示す様に、第二基板12の表面に外力Fが付加される前においては、弾性体突起3は変形しない。これにより、第一基板11と第二基板12との間の距離は一定に保たれる。この時、弾性体突起3の重心Gは基準点Pと重なる位置に配置されている。この時の各圧力センサー2の圧力値は記憶部500に記憶されている。記憶部500に記憶された各圧力センサー2の圧力値を基準として外力Fの作用する方向や大きさが求められる。
図6(b)及び図7(b)に示す様に、第二基板12の表面に垂直方向の外力Fが付加された時には、弾性体突起3は先端部が第一基板11の表面に配置された複数の圧力センサー2に当接した状態でZ方向に圧縮変形する。これにより、第二基板12が−Z方向に撓み、第一基板11と第二基板12との間の距離が外力Fの作用がない時に比べて小さくなる。この時の圧力センサー2の圧力値は、外力Fの作用がない時に比べて大きくなる。又、その変化量は各圧力センサー2ともほぼ同じ値となる。
図6(c)及び図7(c)に示す様に、第二基板12の表面に斜め方向の外力Fが付加された時には、弾性体突起3は先端部が第一基板11の表面に配置された複数の圧力センサー2に当接した状態で斜めに傾いて圧縮変形する。これにより、第二基板12が−Z方向に撓み、第一基板11と第二基板12との間の距離が外力Fの作用がない時に比べて小さくなる。この時、例えば、弾性体突起3の重心Gは基準点Pから+X方向及び+Y方向にずれる。その為に、弾性体突起3の先端部と4つの圧力センサー2との重なる面積は互いに異なる様になる。この例の場合には、弾性体突起3の先端部と4つの圧力センサー2との重なる面積は、4つの圧力センサー2のうち−X方向及び−Y方向に配置された部分と重なる面積よりも+X方向及び+Y方向に配置された部分と重なる面積のほうが大きくなる。
弾性体突起3は、斜め方向の外力Fにより変形に偏りが生じる。即ち、弾性体突起3の重心Gは基準点Pからずれて滑り方向(X方向及びY方向)に移動する。すると、各圧力センサー2で異なる値の圧力値が検出される。具体的には、弾性体突起3の重心Gと重なる位置の圧力センサー2では相対的に大きい圧力値が検出され、弾性体突起3の重心Gと重ならない位置の圧力センサー2では相対的に小さい圧力値が検出される事となる。そして、後述する差分の演算方法に基づいて外力Fが加えられた方向と大きさが求められる。
図8は、単位検出領域の座標系を示す図である。図8に示す様に、4個の圧力センサーS1(2)〜S4(2)は、基準点Pの回りに2行2列に配置されている。ここで、各圧力センサーS1(2)〜S4(2)が検出する圧力値(検出値)をそれぞれPS1、PS2、PS3、PS4とすると、外力FのX方向成分Fxは以下の式4で表される。
Figure 2013103306
又、外力FのY方向成分Fyは以下の式5で表される。
Figure 2013103306
又、外力FのZ方向成分Fz(把持力)は以下の式6で表される。
Figure 2013103306
本実施形態では、外力Fによって弾性体突起3が弾性変形する事により4つの圧力センサーS1(2)〜S4(2)で検出された圧力値のうち任意に組み合わされた各圧力センサー2で検出された圧力値の差分を演算し、その差分に基づいて外力Fが加えられた方向が演算される。
式4に示す様に、外力FのX方向成分Fxにおいては、4つの圧力センサーS1(2)〜S4(2)で検出された圧力値のうち+X方向に配置された圧力センサーS2(2)及びS4(2)で検出された値が組み合わされると共に、−X方向に配置された圧力センサーS1(2)及びS3(2)で検出された値が組み合わされる。この様に、+X方向に配置された圧力センサーS2(2)及びS4(2)の組み合わせによる圧力値と−X方向に配置された圧力センサーS1(2)及びS3(2)の組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力FのX方向成分が求められる。
式5に示す様に、外力FのY方向成分Fyにおいては、4つの圧力センサーS1(2)〜S4(2)で検出された圧力値のうち+Y方向に配置された圧力センサーS1(2)及びS2(2)で検出された値が組み合わされると共に、−Y方向に配置された圧力センサーS3(2)及びS4(2)で検出された値が組み合わされる。この様に、+Y方向に配置された圧力センサーS1(2)及びS2(2)の組み合わせによる圧力値と−Y方向に配置された圧力センサーS3(2)及びS4(2)の組み合わせによる圧力値との差分に基づいて外力FのY方向成分が求められる。
式6に示す様に、外力FのZ方向成分Fzにおいては、4つの圧力センサーS1(2)〜S4(2)の圧力値を足し合わせた合力で求められる。ただし、外力FのZ方向成分Fzは、外力FのX方向成分Fx及び外力FのY方向成分Fyに比べて検出値が大きく検出される傾向がある。例えば、弾性体突起3の材質として硬いものを用いたり、先端部の形状を先鋭にしたりすると、外力FのZ方向成分Fzの検出感度が高くなる。しかしながら、弾性体突起3の材質として硬いものを用いると弾性体突起3が変形しにくくなり外力Fの面内方向の検出値が小さくなってしまう。又、弾性体突起3の先端部の形状を先鋭にすると接触面を指で触ったときのタッチ感に強い感度(違和感)を与える場合がある。この為、外力FのZ方向成分Fzの検出値を、外力FのX方向成分Fx及び外力FのY方向成分Fyの検出値と揃えるには、弾性体突起3の材質や形状によって決定される補正係数で検出値を適宜補正する必要がある。
図9及び図10は把持部が対象物3010を適切に把持した状態を示す正面図である。次に図9と図10とを参照して、把持部3001が対象物3010を適切に把持する方法を説明する。図4に示す様に、最初の把持で力ベクトルに大きな差が認められた場合、図2を用いて説明したプログラムに則し、押圧パラメーターを変更し、把持方法を変える。図9では、押圧パラメーターとして把持角度と把持位置とを選んでいる。即ち、2度目の把持では、最初の把持角度を90°回転させる。具体的には対象物3010を90°回転させて、把持する。これにより力ベクトルの差はなくなる(F1=F2となる)。この際に、最初の把持で対象物3010の重心3010Gの位置が分かるので、重心3010Gが把持面に含まれる位置を把持する。即ち重心3010GのXY座標が少なくとも2つの把持面(第一把持部3001−1の把持面と第二把持部3001−2の把持面)に入る様に把持する。
一方、図10では、最初の把持角度と把持位置とは同一であるが、図10に示す2度目の把持では、最初に把持したまま把持部3001と対象物3010とを90°回転させる。この様に押圧パラメーターとして、対象物3010の重力方向と把持力方向との関係を選んでも良い。図4に示す最初の把持では対象物3010の重力ベクトルWと把持力ベクトル(把持部3001が対象物3010に及ぼす力のz成分)とが直交していたが、図9に示す2度目の把持では対象物3010の重力ベクトルWと把持力ベクトルとがほぼ平行になる様に押圧パラメーターは変えられている。言い換えると、少なくとも一つの把持部3001において、滑り力がほぼゼロになる様に把持する。図9では、第一把持部3001−1でも第二把持部3001−2でも滑り力はほぼゼロとなっている。或いは、押圧パラメーターは、一つの把持部3001(図9では第一把持部3001−1)において、把持力が対象物3010の重力ベクトルWと向きが反対で大きさがほぼ等しくなる様に設定する。この場合、他の把持部3001(図9では第二把持部3001−2)において、把持力がほぼゼロなる様に押圧パラメーターは設定されている。
以上述べた様に、本実施形態に係わる把持方法に依れば、以下の効果を得る事ができる。
演算結果に基づいて現在の押圧パラメーターが対象物3010の把持に適しているか否かを判定する事ができる。例えば、任意の2個の力ベクトルの差がゼロから著しく逸脱している場合には、対象物3010の重心3010Gが偏っており、押圧パラメーターを見直す必要があると判断する事ができる。演算結果が閾値を超えた事は、現在の押圧パラメーターで対象物3010を把持すると、対象物3010が落下する可能性が高い事を意味しているので、落下する可能性がより低い押圧パラメーターを探す事ができる。具体的には、対象物3010の形状や重心3010Gの位置などに最も適した把持方法や、対象物3010の重心3010Gの近傍を押圧する把持方法、等を選択する事ができる。その結果、大がかりな把持装置でなくとも、比較的弱い把持力であっても、落下事故の可能性を最少にして、対象物3010を確実に把持する事ができる。即ち、確実な把持と簡易で安全な把持とを両立させる事ができる。
又、頻繁に対象物3010や把持方法が変わる作業や、外観からは対象物3010の重心3010Gの位置が特定出来ない把持作業においても、作業の目的や内容と力検出部100の出力信号より、最も適した把持動作を選択しながら個々の作業を行う事ができる。更に、把持装置3000は力検出部100を備えているので、対象物3010の適正な把持姿勢をモニターしながら把持や搬送する事が可能となる。こうした結果、形状や重心3010Gを一定にし得ない液体などを収納した容器の搬送や、湯で卵の様な転がる食品を乗せたトレーの搬送などが容易に安全確実に実行する事が可能になる。例えば、卵の位置等を重心3010Gの変化で捉え、トレーの姿勢を変化させて、常にトレーの中央に卵が位置するように制御する事も可能になる。更には、ジャイロの様な姿勢制御センサーだけでは制御できない対象物3010(例えば、柔らかく形状が定まらない食品等)を搬送する際にも、押圧パラメーターとしての把持姿勢を変えて、対象物3010が変形しない様に制御する事も可能となる。
尚、圧力センサー2の方式は、ダイアフラムゲージの他に静電容量方式や抵抗膜方式等が利用でき、特定の圧力センサー2に限定されるものではない。更に、本実施形態においては、圧力センサー2が単位検出領域当たり縦4行横4列に計16個配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。圧力センサー2は、一つの力検出部100に3個以上配置されていれば良く、一つの力検出部100に設けられる圧力センサー2の別の構成例は、縦2行横2列の計4つである。又、本実施形態ではロボットハンドやロボット指を用いて説明してきたが、これ以外にもロボット自身を把持するとの意味で、ロボットの足の裏に力検出部100を設け、予め摩擦係数が分らない傾斜のある面を安全に歩行する場合に適用しても良い。この場合、ロボットが滑りそうな場合には、動作を停止したり、或いは人の動作と同様に、つま先に荷重を高めて歩行したりするなどの動作を選択する。
(実施形態2)
図11は、実施形態2に係る把持部の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は平面図である。図11(b)に示す様に、本実施形態では、一つの把持部3001に複数個(2行2列の行列状に4個)の力検出部100が設けられている。こうする事で回転力(トルク)発生の有無を検出でき、対象物3010が回転して落下する可能性を低くする事ができる。
図12は、把持部が対象物3010を把持した状態を示す側面図である。図12に示す様に、対象物3010の重心3010Gを外して把持した場合、把持面の中心Oの回りにトルクが発生し、このまま把持すると対象物3010を回転落下させる恐れがある。本実施形態の把持部3001は複数個の(4個)の力検出部100を備えるので、トルクを検出し、図2にて説明したプログラムに則し、回転力を最少とする事ができる。
図12では、対象物3010の重心3010Gを外して把持した結果、時計回りの滑り力F11〜F14が発生している状態が描かれている。力検出部100は把持面の中心Oの回りに複数(4個)の基準点P(P11〜P14)を有し、各基準点Pで滑り力(FxやFy)を独立に検出する。検出されたFxやFyから、高い精度で回転力の方向と大きさとを特定する。具体的には把持面の中心Oの回りのトルクベクトル和(本実施形態の場合、N1+N2+N3+N4)を計算する。トルクベクトル(例えばN1)とは、把持面の中心Oから基準点P(例えばP11)までの位置ベクトルr(例えばr1)と基準点P(例えばP11)における滑り力ベクトル(例えばF11)とのベクトル積(例えばN1=r1×F11)である。又、各基準点Pで滑り力の成分を独立に検出できるので、各基準点Pで検出された滑り力のベクトル和(F11+F12+F13+F14)を取る事で並進力も容易に検出できる。この様に、複数個の(4個)の力検出部100を備えると、把持力と共に、把持面に沿った並進力と把持面の中心Oの回りの回転力(トルク)とを検出できる。
図13及び図14は把持部が対象物3010を適切に把持した状態を示す側面図である。次に図13と図14とを参照して、把持部3001が対象物3010を適切に把持する方法を説明する。図12に示す様に、最初の把持で大きなトルクが認められた場合、図2を用いて説明したプログラムに則し、押圧パラメーターを変更し、把持方法を変える。図13では、押圧パラメーターとして把持角度と把持位置とを選んでいる。即ち、2度目の把持では、最初の把持角度を変えて、重心3010GのY座標がほぼゼロになるように、対象物3010を回転させて、把持する。ここでY軸とはX軸とZ軸とに直交する軸で、X軸は重力方向の軸で、Z軸は把持面の法線方向の軸である。これにより力ベクトルは皆ほぼ等しくなり(F11=F12=F13=F14)、トルクベクトル和は実質的にゼロとなる。この際に、最初の把持で対象物3010の重心3010Gの位置が分かるので、重心3010Gが把持面に含まれる位置を把持する。即ち重心3010GのXY座標が少なくとも2つの把持面(第一把持部3001−1の把持面と第二把持部3001−2の把持面)に入る様に把持する。
図14では、押圧パラメーターとして把持位置を選んでいる。即ち、2度目の把持では、重心3010GのY座標がほぼゼロになる様に、把持する位置を、図12に比べて、平行移動させて、把持する。この際に、重心3010GのX座標もほぼゼロになる様にする。これにより4つの力ベクトルは皆ほぼ等しくなり(F11=F12=F13=F14)、トルクベクトル和は実質的にゼロとなる。この様に複数の力ベクトルの少なくとも2個がほぼ等しくなる様に押圧パラメーターを変更した後に、各種作業を行う。これにより、作業中に対象物3010が回転して落下する事故の可能性を著しく小さくできる。
以上述べた様に、本実施形態に係わる把持方法に依れば、実施形態1で説明した効果に加え、対象物3010にトルクが発生しているかどうかを検知する事ができる。検知後に把持方法を変更する事で、把持部3001を基準とした対象物3010の重量に関するトルク和をほぼゼロにし得るので、最初に把持部3001が対象物3010の重心3010G近傍を把持してない状態であっても、対象物3010が作業中に回転して落下する可能性を著しく小さくできる。
尚、本実施形態では一つの把持部3001に4個の力検出部100が設けられたが、一つの把持部に2個以上力検出部100が設けられれば、本実施形態の効果は得られる。
(実施形態3)
実施形態3では把持部3001がM個(Mは2以上の整数)あり、各把持部3001−1〜3001−Mが其々L個(Lは2以上の整数)の力検出部100を備えている。従って、把持装置3000としてはN個(N=M×L)の力検出部100を備えている。一例としては、把持部3001は実施形態1と同様に第一把持部3001−1と第二把持部3001−2とを備え、各把持部3001は実施形態2と同様に4個の力検出部100を備えている。
図15は把持部が対象物を把持した状態を示す側面図である。図15では対象物3010を把持部3001が上下から挟んで把持している。尚、第一把持部3001−1の把持面の法線方向をZ軸とするので、重力方向は−Z方向となる。又、アーム部3002が延伸する方向をY軸方向としている。
図15では、対象物3010の重心3010Gが把持部3001から左(−Y方向)に外れている。こうした場合、対象物3010が作業中に折れるなどの損傷を被る恐れがある。本実施形態では、第一把持部3001−1に配置された力検出部100と第二把持部3001−2に配置された力検出部100とでこうした恐れを事前に検知できる。即ち、第一把持部3001−1の把持面で、左側に配置されている2つの力検出部100(基準点P11を有する力検出部100とP13を有する力検出部100)は+Z方向に大きな把持力F11+F13を及ぼす。一方、第二把持部3001−2の把持面で、右側に配置されている2つの力検出部100(基準点P22を有する力検出部100とP24を有する力検出部100)は−Z方向に把持力F22+F24を及ぼす。これらを検出する事で重心3010Gが把持面から外れている事が分かる。
図16は把持部が対象物3010を適切に把持した状態を示す側面図である。図15の様な状態が検出された場合、図2を用いて説明したプログラムに則し、押圧パラメーターを変更し、把持方法を変える。図16では、押圧パラメーターとして把持位置を選んでいる。即ち、2度目の把持では、把持位置を変えて、重心3010GのX座標とY座標とがほぼゼロになるように、把持位置を変えて把持する。即ち、重心3010Gが把持面のほぼ中央なる様に把持する。重心3010Gがほぼ中央に来ると、第一把持部3001−1が計測する力ベクトルは皆ほぼ等しくなり(F11=F12=F13=F14〜W/4)、これらの和は対象物3010の重量Wにほぼ等しくなる。その一方で、第二把持部3001−2が計測する力ベクトルも皆ほぼ等しくなり(F21=F22=F23=F24〜0)、これらはいずれも非常に小さくなる。この様に各把持面の中で力検出部100が検出する把持力や滑り力が皆ほぼ等しくなる様に対象物3010を把持する。こうする事で把持を失敗する事故の可能性を小さくできる。
尚、把持部3001の数Mは2に限られず、3、4、5、6などとして、ロボット指に適応しても良い。又、各把持部3001が有する力検出部100の数Lも2以上で有れば幾つであっても良い。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加える事が可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図5を用いて変形例1を説明する。上述の実施形態では第一基板11に圧力センサー2が4行4列の16個配置されていたが、圧力センサーの数と配置はこれに限られない。第一基板11に3個以上の圧力センサー2が配置されて居れば、把持力と滑り力とを検出できるので、上述の把持方法を適応できる。
2…圧力センサー、3…弾性体突起、5…表面弾性層、11…第一基板、12…第二基板、100…力検出部、201…第一駆動部、202…第二駆動部、300…制御部、400…比較判定部、500…記憶部、600…演算部、3000…把持装置、3001…把持部、3001−1…第一把持部、3001−2…第二把持部、3002…アーム部、3003…本体部、3010…対象物、3010G…重心。

Claims (11)

  1. 把持装置を用いた対象物の把持方法であって、
    前記把持装置は、前記対象物を押圧する把持部をM個(Mは2以上の整数)と、力ベクトルを検出する力検出部をN個(Nは2以上の整数)と、を備え、
    前記力検出部は前記把持部に設けられ、
    前記把持部が押圧パラメーターを用いて前記対象物を押圧する第一工程と、
    前記力ベクトルをN個検出する第二工程と、
    前記N個の力ベクトルから定まる演算結果を閾値と比較する第三工程とを含む事を特徴とする把持方法。
  2. 前記演算結果は、前記力ベクトルの任意の2個の差である事を特徴とする請求項1に記載の把持方法。
  3. 前記演算結果は、前記力ベクトルを用いたトルクの和である事を特徴とする請求項1に記載の把持方法。
  4. 前記演算結果が前記閾値を超えなかった場合に、前記押圧パラメーターを維持して前記対象物を把持する第四工程を含む事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の把持方法。
  5. 前記演算結果が前記閾値を超えた場合に、前記押圧パラメーターを変更して再度前記第一工程と前記第二工程と前記第三工程とを行う事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の把持方法。
  6. 前記押圧パラメーターを変更する際には、一旦、前記対象物を押圧する力を解除する事を特徴とする請求項5に記載の把持方法。
  7. 前記押圧パラメーターは、前記対象物に対して前記把持部が作用させる力で有る事を特徴とする請求項5又は6に記載の把持方法。
  8. 前記押圧パラメーターは、前記対象物に対して前記把持部が作用させる場所で有る事を特徴とする請求項5又は6に記載の把持方法。
  9. 前記押圧パラメーターは、前記対象物に対して前記把持部がなす角度で有る事を特徴とする請求項5又は6に記載の把持方法。
  10. 前記角度が90°である事を特徴とする請求項9に記載の把持方法。
  11. 前記把持装置はデータベースを備え、前記押圧パラメーターの変更は前記演算結果を前記データベースに照合して定める事を特徴とする請求項5乃至10に記載の把持方法。
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