JP7294192B2 - 抵抗溶接装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リベットを用いて、異種金属部材を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置に関するものである。
従来から、笠部と軸部とを備える金属製のリベットを用いて、異種金属部材(例えばアルミニウム板と鉄板)を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置が知られている。この種の抵抗溶接装置では、例えば、笠部、軸部、アルミニウム板、鉄板の順で並ぶように、リベット、アルミニウム板および鉄板を2つの電極の間に挟み、これらを加圧通電して、アルミニウム板を貫通した軸部と鉄板との間にナゲットを生成し、笠部と鉄板との間にアルミニウム板を挟むことで、アルミニウム板と鉄板とを接合するのが一般的である。
しかしながら、かかる抵抗溶接装置では、溶融したアルミニウムがリベット側に噴き出すと、リベットの笠部とアルミニウム板とが十分に密着せず、製品である接合構造体の接合強度が低下したり、固化した溶融アルミニウムが所謂バリとして接合構造体に残存したりするという問題がある。
そこで、例えば特許文献1には、平板状の本体部(笠部)と、本体部から突出するパイロット部(軸部)と、本体部の外周に設けられた環状壁と、を有し、パイロット部と環状壁との間に形成された溝空間の体積が、パイロット部のうち溝空間よりも突出する部分の体積以上に設定された結合部材(リベット)を用いて、溶融したアルミニウムを溝空間に移動させる技術が開示されている。
特許6255600号公報
上記特許文献1のものでは、溶融アルミニウムを溝空間に移動させることで、溶融アルミニウムの噴出をある程度抑制することが可能となる。
しかしながら、特許文献1のものでは、ナゲットを大きくするために大熱量を加えると、溝空間に移動した溶融アルミニウムが高温になって膨張し、膨張した溶融アルミニウムが溝空間から外部に噴出することでバリが発生する可能性があり、この点で、特許文献1の技術には改良の余地がある。
ここで、溶融アルミニウムの噴出を抑えるべく、溶融アルミニウムの噴出の起点となる、軸部とアルミニウム板との境界付近に、エアノズルからエアを吹き付けながら加圧通電を行うことで、境界から噴出する溶融アルミニウムを逐次吹き飛ばすことも考えられるが、このような手法には以下のような問題がある。
すなわち、かかる手法では、リベットを保持するためのホルダーの他に、エアノズルが常に溶接対象箇所の近傍に位置することから、例えば同じ溶接対象箇所の近傍で別作業を行う他のロボット等との干渉領域が増大するという問題がある。また、エアの吹付け角度や笠部の形状・大きさ等によってはエアブローが阻害されるため、噴出する溶融アルミニウムを効率良く吹き飛ばすことが困難となり、吹き飛ばせなかった溶融アルミニウムがバリとして残存するという問題もある。
さらに、エアを吹き付ける・吹き付けないに関係なく、リベットを用いる手法自体にも、溶接時に発生した溶融アルミニウムの粒(スパッタ)が、リベットを保持するホルダーに付着し、付着したスパッタがホルダー上で蓄積することでアルミニウム塊となり、かかるホルダー上で成長したアルミニウム塊が、抵抗溶接の際にワーク(被接合金属部材)に付着するという問題がある。
なお、これらの問題は、アルミニウム板と鉄板とを接合する場合に限らず、材質の異なる金属部材を接合する場合全般に生じ得る。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、抵抗溶接装置において、溶接時の干渉領域の増大を抑えつつ、溶融金属によるバリの発生や金属塊のワークへの付着を抑える技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る抵抗溶接装置では、エアノズルを用いることなく、ホルダーの内部に形成されたエア通路を通じて、ホルダーから溶接対象箇所にエアを直接吹き付けるとともに、ホルダーにおけるスパッタが付着し易い部位を溶接対象箇所から遠ざけるようにしている。
具体的には、本発明は、リベットを用いて、異種金属部材を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置を対象としている。
そして、この抵抗溶接装置は、上記リベットおよび材質の異なる2以上の金属部材を間に挟んで、これらを加圧通電する2つの電極と、上記リベットを一方側の端部で保持する円筒状のホルダーと、を備え、上記ホルダーには、エアを導入するエア導入口が複数形成されているとともに、上記一方側の端部を切り欠いたエア抜け口が複数形成されており、上記ホルダーの上記一方側の端部における、複数の上記エア抜け口の間の部位には、当該ホルダーの内部に形成された軸方向に延びるエア通路を介して上記エア導入口と連通する、筒径方向内側および軸方向一方側に開口するエア噴出し口がそれぞれ形成されており、上記エア抜け口の切欠き高さが、上記リベットの高さの1/2以上に設定されていることを特徴とするものである。
この構成では、リベットを保持するホルダーの一方側の端部を、溶接の際に溶接対象となる金属部材(例えばアルミニウム板)に当てると、一方側の端部を切り欠いたエア抜け口は、当該金属部材と接触しない一方、エア抜け口の間の部位(以下、「切欠き間部位」ともいう。)は当該金属部材と接触することになる。そうして、エア導入口から導入されたエアは、ホルダーの内部に形成された軸方向に延びるエア通路を通ってホルダーの一方側の端部に至る。
ここで、金属部材と接触する切欠き間部位には、エア通路を介してエア導入口と連通するエア噴出し口が形成されていて、このエア噴出し口は筒径方向内側および軸方向一方側に開口している。それ故、エア通路を通ってホルダーの一方側の端部に至ったエアは、エア噴出し口が軸方向一方側に開口していることから、金属部材に当たって方向が変わるとともに、エア噴出し口が筒径方向内側に開口していることから、エア噴出し口から筒径方向内側に噴き出すことになる。
このように、エア噴出し口から筒径方向内側にエアが噴き出すことによって、リベットと金属部材との境界から噴出する溶融金属を逐次吹き飛ばすことができるとともに、吹き飛ばされた溶融金属をエアと共にエア抜け口から排出することができ、これにより、溶融金属によるバリの発生を抑えることができる。
しかも、エアノズルを用いることなく、ホルダーの内部に形成されたエア通路を通じて、リベットと金属部材との境界付近にホルダーからエアを直接吹き付けることから、溶接対象箇所の近傍における干渉領域の増大を抑えることができる。
ところで、ホルダーにおける、溶接時に発生した溶融金属の粒(スパッタ)が付着し易い部位は、ホルダーの一方側端であるが、本発明では、ホルダーの一方側の端部のうち切欠き間部位は金属部材と接触することから、スパッタが付着しない。一方、ホルダーの一方側の端部のうちエア抜け口は、金属部材と接触しないため、エア抜け口の天面はスパッタが付着し易い部位となる。もっとも、本発明では、エア抜け口の切欠き高さが、リベットの高さの1/2以上に設定されていることから、換言すると、スパッタが付着し易いエア抜け口の天面を溶接対象箇所から遠ざけていることから、スパッタがホルダーに付着するのを抑えることができる。したがって、スパッタが蓄積することで発生する金属塊が、抵抗溶接の際にワークへ付着するのを抑えることができる。
以上説明したように、本発明に係る抵抗溶接装置によれば、溶接時の干渉領域の増大を抑えつつ、溶融金属によるバリの発生や金属塊のワークへの付着を抑えることができる。
本発明の実施形態に係る抵抗溶接装置の要部を模式的に説明する図である。 ホルダーを模式的に示す斜視図である。 図2のIII-III線の矢視断面図である。 図2のIV-IV線の矢視断面図である。 図2のV-V線の矢視断面図である。 溶接プロセスを模式的に説明する図である。 溶接プロセスを模式的に説明する図である。 溶接プロセスを模式的に説明する図である。 従来の異種金属部材の接合方法を模式的に説明する図である。 図9の接合方法によって成形される接合構造体を模式的に示す図である。 従来の抵抗溶接装置を模式的に示す図である。 リベットを用いる場合の異種金属部材の接合方法を模式的に説明する図である。 図12の接合方法によって成形される接合構造体を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
-抵抗溶接装置-
図1は、本実施形態に係る抵抗溶接装置1の要部を模式的に説明する図である。なお、抵抗溶接装置1による接合方向(溶接方向)は、例えば水平方向や鉛直方向や斜め方向でもよく特に限定されないが、以下では、便宜上、図1の上側を上下方向上側とし、図1の下側を上下方向下側とし、異種金属部材を上下方向に接合する場合について説明する。
この抵抗溶接装置1は、リベット20を用いて、異種金属部材を抵抗溶接により接合するものである。抵抗溶接装置1は、図1に示すように、リベット20および金属部材30,40を挟んで、これらを加圧通電する第1および第2電極3,5と、リベット20を下端部10aで保持する円筒状のホルダー10と、エア供給管(図示せず)と接続される高圧エアホース(図示せず)と、を備えている。
この抵抗溶接装置1を用いて異種金属部材を接合する場合には、リベット20と、接合対象である異種金属部材(材質の異なる2つの金属部材30,40)と、を用意する。
リベット20としては、図1に示すように、笠部21と軸部23とを備える鉄製のものを用意する。軸部23は、円柱状に形成されていて、円盤状に形成された笠部21の中央部から下方に延びている。また、笠部21の外周縁部には、軸部23が延びる方向に突出する環状壁25が全周に亘って設けられている。このような環状壁25を設けることにより、軸部23の外周面と笠部21の下面と環状壁25の内周面とで区画される環状溝27が、軸部23の周りに形成されている。
異種金属部材としては、アルミニウム板30と、鉄板40と、を用意する。なお、本実施形態では、リベット20と鉄板40とが共に鉄製であるが、リベット20と下側の金属部材40とが互いに溶融してナゲットを生成することが可能であれば、必ずしもリベット20と下側の金属部材40とを同じ金属としなくてもよい。
そうして、鉄板40の上側に重ねられたアルミニウム板30に対して、ホルダー10の下端部10aにより保持されたリベット20の軸部23の先端(下端)を当てることで、図1に示すように、笠部21、軸部23、アルミニウム板30および鉄板40の順で上から下に並んだ状態で、リベット20、アルミニウム板30および鉄板40を、第1電極3と第2電極5との間に挟む。
次いで、リベット20、アルミニウム板30および鉄板40を加圧通電して、アルミニウム板30を貫通した軸部23と鉄板40との間にナゲット50(図8参照)を生成し、笠部21と鉄板40との間にアルミニウム板30を挟むことで、アルミニウム板30と鉄板40とを接合する。
-ホルダー-
次に、抵抗溶接装置1のホルダー10について説明するが、本発明を理解し易くするために、これに先立ち、従来の異種金属部材の接合方法について説明する。
図9は、従来の異種金属部材の接合方法を模式的に説明する図であり、図10は、図9の接合方法によって成形される接合構造体160を模式的に示す図であり、図11は、従来の抵抗溶接装置101を模式的に示す図である。リベット120を用いてアルミニウム板130と鉄板140とを抵抗溶接により接合する接合方法では、リベット120の軸部123をアルミニウム板130に貫通させることから、軸部123と置き換えられる溶融アルミニウム131が、軸部123とアルミニウム板130との境界130aから噴出し、固化した溶融アルミニウム131が接合構造体160に所謂バリとして残存する場合がある。
そこで、本実施形態と同様に、リベット120の軸部123の周りに環状溝127を形成し、溶融アルミニウム131を環状溝に移動させて、溶融アルミニウム131の噴出を抑制することが考えられる。もっとも、このような手法では、接合強度を高めるべく、ナゲットを大きくするために大熱量を加えると、環状溝127に移動した溶融アルミニウム131が高温になって膨張し、膨張した溶融アルミニウム131が環状溝127から外部に噴出することで、リベット120の周りにバリが発生する可能性がある。このようなバリの発生を抑えるべく、環状溝127を大きくして、溶融アルミニウム131の噴出を抑えることも考えられるが、これでは、リベット120自体が大きくなってしまい、見映えや歩留まりが悪化するという問題がある。
このため、従来の接合方法では、図9の白抜き矢印で示すように、エアノズル107からのエアで溶融アルミニウム131を吹き飛ばしながら、電極103,105を用いて加圧通電を行うようにしている。しかしながら、この接合方法では、図9に示すように、エアの吹付け角度や笠部121の形状・大きさ等によってはエアブローが阻害されるため、噴出する溶融アルミニウム131を効率良く吹き飛ばすことが困難となり、吹き飛ばせなかった溶融アルミニウム131が固化することで、図10に示すように、接合構造体160の周りにバリ133が発生するという問題がある。また、図11に示す従来の抵抗溶接装置101では、リベット120を保持するためのホルダー110の他に、エアノズル107が常に溶接対象箇所WSの近傍に位置することから、例えば同じ溶接対象箇所WSの近傍で別作業を行う他のロボット等との干渉領域が増大するという問題がある。
さらに、エアを吹き付ける・吹き付けないに関係なく、リベット120を用いる手法自体にも、以下のような問題が生じる場合がある。
図12は、リベット120を用いる場合の異種金属部材の接合方法を模式的に説明する図であり、図13は、図12の接合方法によって成形される接合構造体161を模式的に示す図である。リベット120を用いる手法では、通常、円筒状のホルダー110の下端部110aでリベット120を保持する。ホルダー110の下端には、図11および図12に示すように、周方向に間欠的に脚部111が設けられているが、この脚部111はリベット120の高さの1/4程度に設定されることが多い。
ところで、溶接時には、溶融アルミニウム131の粒(「スパッタ131」ともいう。)が発生することが多い。このようなスパッタ131が付着し易い部位は、ホルダー110の下端であるが、従来のホルダー110では、脚部111がリベット120の高さの1/4程度にしか設定されていないことから、換言すると、スパッタ131の発生位置からホルダー110の下端までの距離が短いことから、図12に示すように、溶接時に発生したスパッタ131が、リベット120を保持するホルダー110の下端における、脚部111が設けられていない部位に付着し易い。このようにして付着したスパッタ131がホルダー110上で蓄積することでアルミニウム塊135となり、図13に示すように、かかるホルダー110上で成長したアルミニウム塊135が、抵抗溶接の際に接合構造体161に付着するという問題がある。
そこで、本実施形態に係る抵抗溶接装置1では、エアノズルを用いることなく、円筒状のホルダー10の内部に形成されたエア通路19を通じて、ホルダー10から溶接対象箇所にエアを直接吹き付けるとともに、ホルダー10におけるスパッタが付着し易い部位を溶接対象箇所から遠ざけるようにしている。
図2は、ホルダー10を模式的に示す斜視図である。また、図3、図4および図5は、それぞれ図2のIII-III線、IV-IV線およびV-V線の矢視断面図である。円筒状のホルダー10には、図2および図4に示すように、エアを導入するエア導入口11が、軸方向(上下方向)における中央よりも上側に、筒周方向に等間隔をあけて(120°間隔で)3つ形成されている。エア導入口11は、断面長円形状に形成されていて、図3および図4に示すように、ホルダー10の外周面からホルダー10の肉厚の略中央まで、筒径方向に延びている。このエア導入口11は、ニップル口となっていて、エア供給管と接続される高圧エアホースを接続可能となっている。
また、ホルダー10の下端部(一方側の端部)10aにおける、エア導入口11と周方向にずれた位置には、図2に示すように、当該下端部10aを矩形状に切り欠いたエア抜け口13が3つ形成されている。つまり、エア導入口11とエア抜け口13とは千鳥配置となっている。矩形状のエア抜け口13の切欠き高さ、換言すると、ホルダー10の下端からエア抜け口13の上端(天面13a)までの高さは、図3に示すように、リベット20の高さTの1/2以上に設定されている。
さらに、ホルダー10の下端部10aにおける、3つのエア抜け口13の間に位置する3つの部位15(以下、「切欠き間部位15」ともいう。)には、図3および図5に示すように、筒径方向内側および軸方向下側(一方側)に開口するエア噴出し口17がそれぞれ形成されている。つまり、3つのエア噴出し口17は、筒周方向に等間隔をあけて、3つのエア導入口11の下方に形成されている。
また、ホルダー10には、その内部で軸方向に延びるエア通路19が形成されている。より詳しくは、エア通路19は、3つのエア導入口11および3つのエア噴出し口17に対応して3つ形成されており、図3および図4に示すように、ホルダー10の肉厚の略中央の位置で、エア導入口11からエア噴出し口17まで、軸方向に延びている。つまり、各エア噴出し口17は、エア通路19を介して、対応するエア導入口11と連通している。これにより、高圧エアホースからエア導入口11に導入された高圧エアが、エア通路19を通じて、エア噴出し口17へ送られるようになっている。
-溶接プロセス-
次に、以上のように構成されたホルダー10を備える抵抗溶接装置1を用いた溶接プロセスについて説明する。図6~図8は、溶接プロセスを模式的に説明する図である。なお、図6~図8では、エアの流れをドットハッチング矢印で示している。
溶接を開始するに先立ち、リベット20をホルダー10で保持するとともに、エア導入口11に高圧エアホースを接続し、エア供給管からホルダー10にエアを供給して、エアブローを開始する。
その後、図6に示すように、リベット20を保持するホルダー10の下端およびホルダー10に保持されたリベット20の軸部23の先端を、鉄板40の上側に重ねられたアルミニウム板30に当てる。このように、ホルダー10の下端をアルミニウム板30に当てると、下端部10aを切り欠いたエア抜け口13は、アルミニウム板30と接触しない一方、切欠き間部位15の先端はアルミニウム板30と接触することになる。このとき、エア導入口11から導入されたエアは、ホルダー10内部のエア通路19を通ってホルダー10の下端部10aに至る。
ここで、アルミニウム板30と接触する切欠き間部位15に形成されたエア噴出し口17は、上述の如く、筒径方向内側および軸方向下側に開口している。それ故、エア通路19を通ってホルダー10の下端部10aに至ったエアは、図6のドットハッチング矢印で示すように、エア噴出し口17が軸方向下側に開口していることから、アルミニウム板30に当たって方向が変わるとともに、エア噴出し口17が筒径方向内側に開口していることから、筒径方向内側に噴き出すことになる。
ところで、3つのエア噴出し口17から筒径方向内側に噴き出されたエアが、ホルダー10の中心Cで互いにぶつかる(干渉する)と、エアの流れが乱れるおそれがある。そこで、本実施形態では、図5に示すように、エア噴出し口17(より正確には、切欠き間部位15におけるエア噴出し口17を周方向に区画する部位)に爪部17aを設け、爪部17aの角度を適宜の角度に設定することで、エア噴出し口17から筒径方向内側に噴き出されるエアに所定の方向性を与えるようにしている。これにより、各エア噴出し口17から筒径方向内側に噴き出されたエアは、図5の白塗り矢印で示すように、ホルダー10の中心Cからずれた位置を流れて、互いに干渉することなく、各エア噴出し口17に対応する(各エア噴出し口17と径方向に対向する)エア抜け口13から排出されるようになっている。
このような状態で、第1電極3と第2電極5を相互に接近させ、リベット20の笠部21と鉄板40とに加圧力を作用させるとともに第1および第2電極3,5間にパルス電流を印加して、リベット20、アルミニウム板30および鉄板40を加圧通電し、発生するジュール熱でアルミニウム板30を溶融させながら軸部23をアルミニウム板30に貫通させる。その際、軸部23と置き換えられることで、軸部23とアルミニウム板30との境界30aから溶融アルミニウム31が噴出する。
もっとも、本実施形態の抵抗溶接装置1では、図7に示すように、エア噴出し口17から筒径方向内側に高圧のエアが噴き出すことによって、リベット20とアルミニウム板30との境界30aから噴出する溶融アルミニウム31を逐次吹き飛ばすことができるとともに、吹き飛ばされた溶融アルミニウム31をエアと共にエア抜け口13から排出することができる。
ここで、ホルダー10における、溶接時に発生する溶融アルミニウム31の粒(「スパッタ」ともいう。)が付着し易い部位は、ホルダー10の下端であるが、本実施形態では、ホルダー10の下端部10aのうち切欠き間部位15は、その先端がアルミニウム板30と接触することから、スパッタが付着しない。一方、ホルダー10の下端部10aのうちエア抜け口13の天面13aは、アルミニウム板30と接触しないため、スパッタが付着し易い部位となる。もっとも、本実施形態では、上述の如く、エア抜け口13の切欠き高さが、リベット20の高さTの1/2以上に設定されていることから、換言すると、スパッタが付着し易いエア抜け口13の天面13aを境界30aから遠ざけていることから、スパッタがエア抜け口13に付着するのを抑えることができる。
このように、スパッタの付着を抑えつつ、溶融アルミニウム31をエアと共にエア抜け口13から排出しながら、リベット20の軸部23をアルミニウム板30に貫通させて、図8に示すように、軸部23と鉄板40との間にナゲット50を生成し、リベット20と鉄板40とを抵抗溶接する。これにより、笠部21と鉄板40との間にアルミニウム板30が挟まれて、アルミニウム板30と鉄板40とが接合される。
-作用・効果-
以上のように、本実施形態の抵抗溶接装置1によれば、エア噴出し口17から筒径方向内側に噴き出すエアによって、溶融アルミニウム31を逐次吹き飛ばすことができるとともに、吹き飛ばされた溶融アルミニウム31をエアと共にエア抜け口13から排出することができるので、溶融アルミニウム31によるバリの発生を抑えることができる。
しかも、エアノズルを用いることなく、ホルダー10の内部に形成されたエア通路19を通じて、リベット20とアルミニウム板30との境界30a付近に、ホルダー10からエアを直接吹き付けることから、溶接対象箇所の近傍における干渉領域の増大を抑えることができる。
さらに、エア抜け口13の切欠き高さを、リベット20の高さTの1/2以上に設定することで、スパッタがエア抜け口13に付着するのを抑えることができるので、付着したスパッタが蓄積することで発生するアルミニウム塊がワークへ付着するのを抑えることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、2つの金属部材30,40を接合する場合に本発明を適用したが、これに限らず、3つ以上の金属部材を接合する場合に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、1つのホルダー10につき、エア導入口11、エア抜け口13、エア噴出し口17およびエア通路19を3つずつ形成したが、これに限らず、1つのホルダー10につき、エア導入口11、エア抜け口13、エア噴出し口17およびエア通路19を4つ以上形成してもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、溶接時の干渉領域の増大を抑えつつ、溶融金属によるバリの発生や金属塊のワークへの付着を抑えることができるので、リベットを用いて、異種金属部材を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置に適用して極めて有益である。
1 抵抗溶接装置
3 第1電極
5 第2電極
10 ホルダー
10a 一方側の端部
11 エア導入口
13 エア抜け口
15 部位
17 エア噴出し口
19 エア通路
20 リベット
30 アルミニウム板(金属部材)
40 鉄板(金属部材)
T リベットの高さ

Claims (1)

  1. リベットを用いて、異種金属部材を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置であって、
    上記リベットおよび材質の異なる2以上の金属部材を間に挟んで、これらを加圧通電する2つの電極と、
    上記リベットを一方側の端部で保持する円筒状のホルダーと、を備え、
    上記ホルダーには、エアを導入するエア導入口が複数形成されているとともに、上記一方側の端部を切り欠いたエア抜け口が複数形成されており、
    上記ホルダーの上記一方側の端部における、複数の上記エア抜け口の間の部位には、当該ホルダーの内部に形成された軸方向に延びるエア通路を介して上記エア導入口と連通する、筒径方向内側および軸方向一方側に開口するエア噴出し口がそれぞれ形成されており、
    上記エア抜け口の切欠き高さが、上記リベットの高さの1/2以上に設定されていることを特徴とする抵抗溶接装置。
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Citations (2)

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