以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準とする。各矢印の方向は、異なる図面同士で互いに整合している。図面によっては、簡便な図示を目的として、後述する回路基板CBの図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、ケーブル60が挿入された状態で、アクチュエータ50が閉位置にあるときの第1実施形態に係るコネクタ10を示す上面視による外観斜視図である。図2は、ケーブル60が挿入されている状態で、アクチュエータ50が第1開位置にあるときの図1のコネクタ10を示す上面視による外観斜視図である。図3は、ケーブル60が挿入された状態で、アクチュエータ50が第2開位置にあるときの図1のコネクタ10を示す上面視による外観斜視図である。図4は、ケーブル60単体を示す上面視による外観斜視図である。図1乃至図4を参照しながら、ケーブル60及び第1実施形態に係るコネクタ10の構成について主に説明する。
第1実施形態に係るコネクタ10は、大きな構成要素として、インシュレータ20と、コンタクト30と、金具40と、アクチュエータ50と、を有する。図1乃至図3に示すとおり、第1実施形態に係るコネクタ10は、回路基板CBに実装されている。コネクタ10は、コンタクト30を介して、コネクタ10に挿入されたケーブル60と回路基板CBとを電気的に接続する。回路基板CBは、リジッド基板であってよいし、又はそれ以外の任意の回路基板であってもよい。
コネクタ10に挿入されたケーブル60は、一例として、フレキシブルプリント回路基板(FPC)である。しかしながら、これに限定されず、ケーブル60は、コネクタ10を介して回路基板CBと電気的に接続されるものであれば、任意のケーブルであってよい。例えば、ケーブル60は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)であってもよい。
以下、ケーブル60は、コネクタ10が実装されている回路基板CBに対して平行方向にコネクタ10に挿入されるとして説明する。すなわち、ケーブル60は、一例として前後方向に沿ってコネクタ10に挿入される。これに限定されず、ケーブル60は、コネクタ10が実装されている回路基板CBに対して直交方向にコネクタ10に挿入されてもよい。すなわち、ケーブル60は、上下方向に沿ってコネクタ10に挿入されてもよい。
以下で使用する「閉位置」は、インシュレータ20に対して閉じるアクチュエータ50の位置を意味する。閉位置では、コネクタ10は、ケーブル60の挿入状態においてケーブル60を保持する。「第1開位置」は、インシュレータ20に対して所定の角度で傾斜するアクチュエータ50の位置を意味する。「第2開位置」は、インシュレータ20に対して第1開位置よりも大きな角度で傾斜するアクチュエータ50の位置を意味する。アクチュエータ50は、例えば、閉位置と第1開位置との間で後述する回転軸54bを中心にインシュレータ20に対して回転可能である。
以下で使用する「アクチュエータ50の開き方向」は、アクチュエータ50が回転により開く方向を意味し、一例として、右方向からコネクタ10を視認したときに、アクチュエータ50が時計回りに描く軌跡に沿った方向を意味する。「アクチュエータ50の閉じ方向」は、アクチュエータ50が回転により閉じる方向を意味し、一例として、右方向からコネクタ10を視認したときに、アクチュエータ50が反時計回りに描く軌跡に沿った方向を意味する。「ケーブル60を挿入する挿入方向」は、一例として後方向を意味する。「ケーブル60を抜去する抜去方向」は、一例として前方向を意味する。
図4を参照すると、ケーブル60は、複数の薄膜材を互いに接着して構成した積層構造を有する。ケーブル60は、ケーブル60の延長方向、すなわち前後方向の先端に位置しかつ閉位置においてコネクタ10に収容される先端部61を有する。ケーブル60は、前後方向に沿って直線的に延びかつ先端部61の先端まで延びる複数の信号線62を有する。信号線62は、ケーブル60の前側ではケーブル60の外装によって覆われているが、先端部61において下方に露出している。
ケーブル60は、先端部61における後部の左右両側に形成されている保持部63を有する。ケーブル60は、保持部63と前側で隣接し、先端部61の左右両側縁部を切り欠いて形成されている被ロック部64を有する。ケーブル60は、保持部63の後側の角部においてR形状として形成されている誘い込み部65を有する。
図5は、図1のコネクタ10を上面視によって示す分解斜視図である。図6は、図5のインシュレータ20単体を示す上面視による外観斜視図である。図5及び図6を参照しながら、インシュレータ20の構成について主に説明する。
インシュレータ20は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した左右対称の部材である。インシュレータ20は、下端部全体を構成する底壁部21aと、底壁部21aの後部から上方に向けて立ち上がっている後壁21bと、を有する。インシュレータ20は、底壁部21aと、底壁部21a及び後壁21bによって囲まれている空間と、を含む挿入部22を有する。挿入部22に対して、ケーブル60が挿入及び抜去される。挿入部22は、ケーブル60の挿入性を向上させるために、底壁部21aの前部中央の上面において前側から後側に向けて上方に傾斜する第1傾斜面22aを有する。挿入部22は、挿入部22の入口側で後方に沿って挿入部22の左右方向の幅を徐々に狭める第2傾斜面22bを有する。
インシュレータ20は、後壁21bの後面から底壁部21aの中央部まで前後方向に延設されている複数の第1取付溝23を有する。第1取付溝23は、後壁21bにおいて所定の上下幅で前後方向に貫設され、底壁部21aの中央部において第1傾斜面22aの後端部まで凹設されている。複数の第1取付溝23は、互いに所定の間隔で離間して左右方向に配列されている。複数の第1取付溝23には、複数のコンタクト30がそれぞれ圧入される。
インシュレータ20は、左右両側で挿入部22を挟むように凹設されている一対の第2取付溝24を有する。一対の第2取付溝24には、一対の金具40がそれぞれ圧入される。インシュレータ20は、後壁21bにおいて複数の第1取付溝23を左右両側で挟むように貫設されている一対の貫通孔25aを有する。一対の貫通孔25aには、一対の第2取付溝24に圧入されている一対の金具40の一部がそれぞれ収容される。
インシュレータ20は、第1傾斜面22aの左右両側において、底壁部21aを上下方向に貫通するように形成されている一対の貫通孔25bを有する。一対の貫通孔25bには、閉位置にあるアクチュエータ50の一部がそれぞれ収容される。
インシュレータ20は、左右方向の両端において板ばね状に形成されている一対の弾性部26を有する。インシュレータ20は、弾性部26においてインシュレータ20の内側に突設されている規制部27を有する。規制部27は、前後方向に沿った弾性部26の延出方向に延在する突起として形成されている。インシュレータ20は、後壁21bの中央部において左右方向にわたり延在する第3傾斜面28aと、第3傾斜面28aと隣接する後壁21bの上面28bの一部と、第3傾斜面28aを左右両側で挟むように形成されている一対の第4傾斜面28cと、を含む規制部28を有する。
図5を参照すると、コンタクト30は、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含むばね弾性を備えた銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図5に示す形状に成形加工したものである。コンタクト30は、例えば抜き加工のみによって形成されている。より具体的には、コンタクト30は、左右方向に対して直交する面において平坦に形成されている。コンタクト30の加工方法はこれに限定されず、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含んでもよい。コンタクト30の表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等による表層めっきが施されている。コンタクト30は、左右方向に沿って複数配列されている。
コンタクト30は、インシュレータ20の第1取付溝23に対して係止する係止部31を有する。コンタクト30は、係止部31の下端部からL字状に後方に延出する実装部32を有する。コンタクト30は、係止部31の上半部から前方に延出する弾性変形可能なアーム部33を有する。コンタクト30は、係止部31の下半部から前方に延出する弾性変形可能な弾性部34を有する。コンタクト30は、弾性部34の先端に位置する接触部35を有する。
図5を参照すると、金具40は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図5に示す形状に成形加工したものである。金具40は、例えば金属材料を左右方向に抜く抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させることで形成されている。金具40は、コネクタ10の左右両端に一対配置されている。
金具40は、断面視において円弧状となる基部41を有する。金具40は、基部41から後方に延出して、インシュレータ20の第2取付溝24に対して係止する係止部42を有する。金具40は、基部41の内側縁部から後方に向けて延出するケーブル押さえ片43を有する。ケーブル押さえ片43は、その板厚方向が上下方向である平板状部である。その下面は、自身の板厚面、すなわち左右両側面よりも面積が広くかつ上下方向に対して直交する平面により構成される。ケーブル押さえ片43の機械的強度は、アーム部33より大きい。したがって、ケーブル押さえ片43は、アーム部33よりも上下方向に弾性変形し難い。金具40がインシュレータ20に取り付けられると、ケーブル押さえ片43の先端は、インシュレータ20の貫通孔25aに収容される。
金具40は、基部41の下縁部から左右方向の外側に延びる実装部44を有する。金具40は、係止部42の上面から逆L字状に突設した回転軸押さえ片45を有する。金具40は、回転軸押さえ片45の上部において水平に形成されている押さえ部46を有する。金具40は、係止部42の前部の上面に水平面として形成されている支持面47を有する。金具40は、基部41の内側縁部の前部とケーブル押さえ片43の前端面との間に形成されている逃げ用凹部48を有する。
図7は、図5のアクチュエータ50単体を示す上面視による外観斜視図である。図8は、図5のアクチュエータ50単体を示す下面視による外観斜視図である。図7及び図8を参照しながら、アクチュエータ50の構成について主に説明する。
アクチュエータ50は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した、図7及び図8に示すような左右方向に延びる左右対称の板状部材である。アクチュエータ50は、左右方向に板状に延びる基部51と、基部51の前端部の左右両側から下方に向けて突出する一対のロック部52と、を有する。ロック部52は、下面から下方に向けて突出する突部52aを有する。
アクチュエータ50は、基部51の後縁部の中央から後方に向けて突出する第1突出部53を有する。第1突出部53は、所定の間隔で左右方向に互いに離間するように形成されている複数の切欠部53aを有する。第1突出部53は、切欠部53aにおいて、切り欠かれている空間の一部を埋めるように配置されているカム部53bを有する。第1突出部53は、平面状に形成されている内面53cを有する。第1突出部53は、その外面を構成し、前方から後方に向かうにつれて内面53cとの距離を縮める対向面53dを有する。第1突出部53は、内面53cと対向面53dとによって挟まれ、前方から後方に向かうにつれてテーパ状となるように形成されている先端部53eを有する。
アクチュエータ50は、基部51の後縁部の左右両端から後方に向けて突出する一対の第2突出部54を有する。第2突出部54は、その中央において前後方向にわたり形成されている切欠部54aを有する。第2突出部54は、切欠部54aにおいて、切り欠かれている空間の一部を埋めるように配置されている回転軸54bを有する。
アクチュエータ50は、アクチュエータ50の長手方向、すなわち左右方向の両端に形成されている一対の被規制部55を有する。被規制部55は、アクチュエータ50の左右方向の側面から外側に向けて突設されている突起として形成されている。アクチュエータ50は、基部51の中央部において左右方向にわたり延在する傾斜面56aと、傾斜面56aと後側で隣接する基部51の上面56bの一部と、第2突出部54の上面56cと、を含む被規制部56を有する。アクチュエータ50は、基部51の前縁部の中央において左右方向にわたり延在する操作部57を有する。
図1乃至図3を参照すると、コネクタ10は、上下方向に対して直交する面において平坦に配置されている回路基板CBの上面に形成された回路形成面に実装される。より具体的には、コンタクト30の実装部32は、回路基板CB上のパターンに塗布したはんだペーストに載置される。金具40の実装部44は、回路基板CB上のパターンに塗布したはんだペーストに載置される。リフロー炉等において各はんだペーストを加熱溶融することで、実装部32及び実装部44は、上記パターンにはんだ付けされる。結果、コネクタ10の回路基板CBへの実装が完了する。
図9は、アクチュエータ50が第1開位置にあるときの図1のコネクタ10の正面図である。図10は、図9の破線囲み部Xを拡大した拡大正面図である。図11は、図2のXI-XI矢線に沿う断面図である。図12は、図2のXII-XII矢線に沿う断面図である。図9乃至図12を参照しながら、アクチュエータ50が第1開位置にあるときのコネクタ10の機能について主に説明する。
図10に示すとおり、第1開位置において、アクチュエータ50の被規制部55は、アクチュエータ50の閉じ方向側でインシュレータ20の規制部27と接触する。すなわち、第1開位置において、被規制部55は、規制部27によって下方から支持されている。また、図11に示すとおり、第1開位置において、アクチュエータ50の回転軸54bは、金具40の支持面47によって下方から面接触により支持されている。回転軸54bと支持面47との接触状態は、面接触に限定されない。回転軸54bは、点接触及び線接触を含む任意の態様で支持面47と接触してもよい。
被規制部55と規制部27との接触部分は、回転軸54bと支持面47との接触部分よりも左右方向の外側に位置し、かつ前方に向けて斜め上方に位置する。したがって、アクチュエータ50は、第1開位置において、前方から後方に向けて下方に傾斜する。図11及び図12に示すとおり、アクチュエータ50は、第1開位置において、底壁部21aに対して例えば鋭角で傾斜する。
図12に示すとおり、コンタクト30がインシュレータ20の第1取付溝23に圧入されると、コンタクト30は、上下方向に沿って弾性変形可能となる。コンタクト30が弾性変形していない自由状態にあっては、接触部35は第1取付溝23から露出して挿入部22の内部に位置する。インシュレータ20に対して圧入されたコンタクト30のアーム部33は、上側からアクチュエータ50のカム部53bと接触する。これにより、インシュレータ20に対するアクチュエータ50の上方への抜けが規制される。一方で、アーム部33は、上方へ弾性変形することにより、アクチュエータ50の上方への移動を許容する。
以上のように、アクチュエータ50は、インシュレータ20の規制部27によって被規制部55が下方から支持され、金具40の支持面47によって回転軸54bが下方から支持され、及びコンタクト30のアーム部33によってカム部53bが上方から押さえられることで、第1開位置を維持する。このような第1開位置において、アクチュエータ50の第1突出部53における底壁部21a側の先端部53eと底壁部21aとの間の距離Lが、ケーブル60の板厚Tよりも小さい。
コネクタ10では、ケーブル60が挿入される前の初期状態において、アクチュエータ50は第1開位置にある。このとき、コネクタ10は、インシュレータ20の挿入部22に対してケーブル60の挿入を可能にする。
第1開位置においてケーブル60がコネクタ10に挿入されるとき、例えば、ケーブル60の先端部61の先端が挿入部22の第1傾斜面22aに沿って挿入部22内に侵入する。このとき、仮にケーブル60の挿入位置が挿入部22に対して下方に若干ずれていたとしても、先端部61の先端が挿入部22の第1傾斜面22a上を摺動することで、ケーブル60が挿入部22の内部に誘い込まれる。同様に、仮にケーブル60の挿入位置が挿入部22に対して左右方向に若干ずれていたとしても、ケーブル60の誘い込み部65が挿入部22の第2傾斜面22b上を摺動することで、ケーブル60が挿入部22の内部に誘い込まれる。
ケーブル60が挿入部22の内側へとさらに移動すると、図12に示すとおり、ケーブル60の先端部61の後縁部がアクチュエータ50の第1突出部53の内面53cと接触する。このとき、内面53cを介した第1突出部53とケーブル60との接触により生じる力によって、第1開位置から閉位置に向けて回転軸54bを中心にアクチュエータ50を回転させる力の回転モーメントが発生する。挿入部22のさらに内側へとケーブル60が移動して、先端部61が第1突出部53の内面53cに対して摺動することで、閉位置に向けた力の回転モーメントによってアクチュエータ50が閉位置に向けて回転する。
このとき、アクチュエータ50は、内面53cを介した第1突出部53とケーブル60との接触により生じる力によって、適宜のタイミングで、コンタクト30のアーム部33を弾性変形させながら上方へと移動してもよい。仮に、アクチュエータ50が上方へと大きく移動した場合であっても、回転軸54bが例えば回転軸押さえ片45の押さえ部46に接触することで、アクチュエータ50の上方へのさらなる移動が規制される。これにより、インシュレータ20に対するアクチュエータ50の上方への抜け及びコンタクト30のアーム部33の破損が抑制される。
図13は、図3のXIII-XIII矢線に沿う断面図である。図14は、図3のXIV-XIV矢線に沿う断面図である。図13及び図14を参照しながら、アクチュエータ50が第2開位置にあるときのコネクタ10の機能について主に説明する。
例えば作業者は、第1開位置にあるアクチュエータ50の操作部57に指を引っ掛けてアクチュエータ50を第2開位置側に回転させることができる。アクチュエータ50は、第1開位置と第2開位置との間で回転軸54bを中心にインシュレータ20に対して回転可能である。
図13及び図14に示すとおり、第2開位置において、アクチュエータ50の被規制部56は、アクチュエータ50の開き方向側でインシュレータ20の規制部28と接触する。すなわち、第2開位置において、被規制部56は、規制部28によって下方から支持されている。より具体的には、被規制部56の傾斜面56aは、規制部28の上面28bによって下方から支持されている。被規制部56の上面56bの一部は、規制部28の第3傾斜面28aによって下方から支持されている。被規制部56の上面56cは、規制部28の第4傾斜面28cによって下方から支持されている。
また、図13に示すとおり、第2開位置において、アクチュエータ50の回転軸54bは、金具40の支持面47によって下方から面接触により支持されている。回転軸54bと支持面47との接触状態は、面接触に限定されない。回転軸54bは、点接触及び線接触を含む任意の態様で支持面47と接触してもよい。
被規制部56と規制部28との接触部分は、回転軸54bと支持面47との接触部分よりも後方に向けて斜め上方に位置する。したがって、アクチュエータ50は、第2開位置において、前方から後方に向けて上方に傾斜する。図13及び図14に示すとおり、アクチュエータ50は、第2開位置において、底壁部21aに対して例えば鈍角で傾斜する。アクチュエータ50は、第2開位置において、第1開位置よりも大きな角度で底壁部21aに対して傾斜する。
図14に示すとおり、第1開位置と同様に第2開位置においても、インシュレータ20に対して圧入されたコンタクト30のアーム部33は、上側からアクチュエータ50のカム部53bと接触する。これにより、インシュレータ20に対するアクチュエータ50の上方への抜けが規制される。一方で、アーム部33は、上方へ弾性変形することにより、アクチュエータ50の上方への移動を許容する。
以上のように、アクチュエータ50は、インシュレータ20の規制部28によって被規制部56が下方から支持され、金具40の支持面47によって回転軸54bが下方から支持され、及びコンタクト30のアーム部33によってカム部53bが上方から押さえられることで、第2開位置を維持する。このような第2開位置において、アクチュエータ50の第1突出部53における対向面53dは、底壁部21a又は挿入状態にあるケーブル60の先端部61の上面と対向する。例えば、対向面53dは、ケーブル60の先端部61の上面と平行に配置されている。第2開位置において、対向面53dと底壁部21aとの間の距離L’が、ケーブル60の板厚Tよりも大きい。
コネクタ10は、初期状態である第1開位置に加えて、アクチュエータ50が第2開位置にあるときであっても、インシュレータ20の挿入部22に対してケーブル60の挿入を可能にする。
第2開位置においてケーブル60がコネクタ10に挿入されるとき、例えば、ケーブル60の先端部61の先端が挿入部22の第1傾斜面22aに沿って挿入部22内に侵入する。このとき、仮にケーブル60の挿入位置が挿入部22に対して下方に若干ずれていたとしても、先端部61の先端が挿入部22の第1傾斜面22a上を摺動することで、ケーブル60が挿入部22の内部に誘い込まれる。同様に、仮にケーブル60の挿入位置が挿入部22に対して左右方向に若干ずれていたとしても、ケーブル60の誘い込み部65が挿入部22の第2傾斜面22b上を摺動することで、ケーブル60が挿入部22の内部に誘い込まれる。
ケーブル60が挿入部22の内側へとさらに移動すると、図14に示すとおり、ケーブル60の先端部61の後縁部がインシュレータ20の後壁21bと接触する。例えば作業者は、先端部61の後縁部が後壁21bと接触してケーブル60がインシュレータ20に対して完全に挿入されている状態で、アクチュエータ50の操作部57を閉位置側へと押し込んでアクチュエータ50を閉位置に向けて回転させる。
図15は、図1のXV-XV矢線に沿う断面図である。図16は、図1のXVI-XVI矢線に沿う断面図である。図15及び図16を参照しながら、アクチュエータ50が閉位置にあるときのコネクタ10の機能について主に説明する。
上述した力の回転モーメントによってアクチュエータ50が第1開位置から閉位置に向けて回転すると、アクチュエータ50の被規制部55がインシュレータ20の規制部27を乗り越えて、当該規制部27と完全に係合する。同様に、上述した押し込みによってアクチュエータ50が第2開位置から閉位置に向けて回転すると、アクチュエータ50の被規制部55が、回転の途中でインシュレータ20の規制部27と閉じ方向側で接触し、当該規制部27を乗り越える。その結果、被規制部55と規制部27とが互いに完全に係合する。アクチュエータ50は、閉位置と第2開位置との間でも回転軸54bを中心にインシュレータ20に対して回転可能である。
図16に示すとおり、閉位置において、アクチュエータ50の基部51の内面及び第1突出部53の内面53cは、ケーブル60の先端部61の上面と接触する。一方で、第1開位置及び第2開位置と同様に閉位置においても、インシュレータ20に対して圧入されたコンタクト30のアーム部33は、上側からアクチュエータ50のカム部53bと接触する。これにより、アーム部33は、下方に向けてアクチュエータ50を付勢する。したがって、アクチュエータ50は、挿入状態にあるケーブル60を下方へと押圧して、ケーブル60の先端部61の下面の少なくとも一部をインシュレータ20の底壁部21aに接触させる。
図15に示すとおり、閉位置において、アクチュエータ50の回転軸54bは、金具40の支持面47によって下方から支持されている。回転軸54bは、点接触、線接触、及び面接触を含む任意の態様で支持面47と接触してもよい。
以上のように、アクチュエータ50は、ケーブル60を介して底壁部21aによって下方から支持され、金具40の支持面47によって回転軸54bが下方から支持され、及びコンタクト30のアーム部33によってカム部53bが上方から押さえられることで、閉位置を維持する。
このようなアクチュエータ50の閉位置において、ロック部52はケーブル60の被ロック部64と係合する。これにより、アクチュエータ50は、挿入部22に挿入されたケーブル60を抜止保持する。このような状態で、仮にケーブル60を無理に抜去しようとしても、ケーブル60の保持部63がロック部52に接触する。したがって、ケーブル60がより効果的に抜止保持される。図1にも示すとおり、アクチュエータ50が閉位置にあるとき、アクチュエータ50の突部52aは、インシュレータ20の貫通孔25bに収容されている。
コネクタ10は、アクチュエータ50が初期状態として第1開位置にあるときに、作業者又は組立装置等によるアクチュエータ50の任意の操作を必要とすることなく、ケーブル60を挿入するという1つの動作のみによって閉位置においてケーブル60を抜止保持する。又は、コネクタ10は、作業者又は組立装置等による操作部57の操作に基づいて、第1開位置から第2開位置を経て、閉位置においてケーブル60を抜止保持する。
ケーブル60が挿入部22に完全に挿入されると、ケーブル60の信号線62の下面がコンタクト30の接触部35と接触してコンタクト30を第1取付溝23の内部にて弾性変形させる。これにより、コネクタ10が実装された回路基板CBとケーブル60とがコンタクト30を介して互いに電気的に接続される。
再度図13及び図14を参照しながら、ケーブル60がコネクタ10から抜去されるときのコネクタ10の機能について主に説明する。
コネクタ10では、ケーブル60が挿入部22に完全に挿入されている状態で、作業者又は組立装置等が操作部57を操作してアクチュエータ50を例えば第2開位置まで回転させる。例えば、作業者は、操作部57に指を引っ掛けて、アクチュエータ50の被規制部55とインシュレータ20の規制部27との係合に逆らって、操作部57を第2開位置側へ引き上げる。これにより、操作部57と前後方向の同一側に位置するアクチュエータ50のロック部52が上方へと引き上げられ、ケーブル60の被ロック部64とアクチュエータ50のロック部52との係合が解除される。
作業者又は組立装置等は、アクチュエータ50が第2開位置を維持している状態で、挿入部22に挿入されているケーブル60を前方に抜去する。作業者又は組立装置等は、ケーブル60を抜去した後、アクチュエータ50を第2開位置から第1開位置へと復帰させてもよい。
以上のような第1実施形態に係るコネクタ10によれば、ケーブル60の挿入に関する作業性を向上できる。コネクタ10では、初期状態においてアクチュエータ50が第1開位置にあることで、例えば特許文献2に記載のような従来のコネクタのように初期状態においてアクチュエータが閉位置にあるときよりも、挿入部22の入口側の挿入可能領域が大きくなる。したがって、コネクタ10は、ケーブル60の挿入をより大きな領域で許容することができる。また、アクチュエータ50が第1開位置にあるときに、第1突出部53の先端部53eとインシュレータ20の底壁部21aとの間の距離が、ケーブル60の板厚よりも小さいことで、挿入部22に挿入されているケーブル60の先端部61が第1突出部53に確実に接触する。したがって、第1突出部53とケーブル60との接触により生じる力の回転モーメントによって、アクチュエータ50が第1開位置から閉位置へと自動的に回転可能である。このように、コネクタ10は、アクチュエータ50が初期状態として第1開位置にあるときに、作業者又は組立装置等によるアクチュエータ50の任意の操作を必要とすることなく、ケーブル60を挿入するという1つの動作のみによって閉位置においてケーブル60を抜止保持することができる。結果として、ケーブル60の挿入に関する作業性が向上する。
アクチュエータ50が、第2開位置において、アクチュエータ50の開き方向側でインシュレータ20の規制部28と接触する被規制部56を有することで、アクチュエータ50は、第2開位置を維持可能である。例えば、作業者は、回路基板CBにおける周囲の電子部品の配置状況に応じて、ケーブル60を挿入するために必要なアクチュエータ50の位置を第1開位置及び第2開位置の間で選択することができる。例えば、回路基板CBの端面に沿って挿入部22の入口が配置されており、挿入部22の入口側の周辺に電子部品が配置されていないような場合、作業者は、ケーブル60を回路基板CBの実装面に対して平行に挿入部22に挿入することができる。したがって、作業者は、初期状態としての第1開位置のまま、ケーブル60を挿入部22に挿入することができる。例えば、回路基板CBの中央にコネクタ10が実装され、挿入部22の入口側の周辺に電子部品が配置されているような場合、作業者は、ケーブル60を回路基板CBの実装面に対して斜めに傾けた状態で挿入部22に挿入する必要がある。このような場合でも、作業者は、第1開位置から第2開位置へとアクチュエータ50を移動させてから、ケーブル60を挿入部22に容易に挿入することができる。このように、コネクタ10は、アクチュエータ50の第1開位置及び第2開位置の間の切り替えを可能にし、回路基板CBの実装位置によって影響を受けることなくケーブル60の容易な挿入を実現可能とする。
第2開位置において、アクチュエータ50の対向面53dとインシュレータ20の底壁部21aとの間の距離が、ケーブル60の板厚よりも大きいことで、コネクタ10は、ケーブル60の挿入を容易とする。例えば、コネクタ10は、ケーブル60が挿入されているときのケーブル60とアクチュエータ50との接触を抑制して、ケーブル60の容易な挿入を実現可能である。
被規制部55が、アクチュエータ50の長手方向の両端に一対形成されていることで、閉位置におけるアクチュエータ50とインシュレータ20との間の係合がより強固になり、コネクタ10によるケーブル60の保持力が向上する。
インシュレータ20の規制部27がインシュレータ20の内側に突設されていることで、インシュレータ20の長手方向、すなわち左右方向におけるインシュレータ20の小型化が可能である。したがって、左右方向におけるコネクタ10の小型化が可能となる。規制部27がインシュレータ20の弾性部26に形成されていることで、規制部27と被規制部55との間の係合力が調整可能である。
アクチュエータ50が閉位置にあるとき、突部52aがインシュレータ20の貫通孔25bに収容されていることで、コネクタ10の低背化を実現しつつ、コネクタ10によるケーブル60の保持力が向上する。例えば、突部52aがロック部52の下面から下方に向けて突出することで、ロック部52に突部52aが形成されていない場合と比較して、被ロック部64とロック部52との係合を解除するために必要なロック部52の移動量がより大きくなる。したがって、ケーブル60が意図せずインシュレータ20から引き抜かれてしまう可能性が効果的に抑制される。
第2開位置において、アクチュエータ50の被規制部56が、アクチュエータ50の開き方向側でインシュレータ20の規制部28と接触することで、アクチュエータ50の過度な回転が抑制される。すなわち、アクチュエータ50が第2開位置側に回転したときに、被規制部56が規制部28と接触することで、アクチュエータ50の第2開位置が決定され、アクチュエータ50のさらなる回転が規制される。
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
コネクタ10の組立方法は、それぞれの機能が発揮されるように組み立てることができるのであれば、任意の方法であってもよい。例えば、コンタクト30及び金具40は、圧入ではなくインサート成形によってインシュレータ20と一体的に成形されてもよい。
例えば、アクチュエータ50の回転軸54bは、金具40の支持面47ではなく、インシュレータ20によって支持されていてもよい。これにより、アクチュエータ50の回転軸54bは、同じく合成樹脂材料によって形成されているインシュレータ20と接触する。したがって、金属材料によって形成されている金具40と接触するときと比較して、例えば回転軸54bの回転に伴うアクチュエータ50の破損が抑制される。
インシュレータ20は、弾性部26を有さなくてもよい。このとき、規制部27は、インシュレータ20における対応する内壁に突設されていてもよい。
アクチュエータ50の被規制部55は、コネクタ10によるケーブル60の保持力を維持できるのであれば、アクチュエータ50の長手方向の一端に形成されていてもよい。
図17は、図1のコネクタ10の第1変形例を示す上面視による外観斜視図である。図18は、図17の破線囲み部XVIIIを拡大した拡大図である。
図17及び図18に示すとおり、インシュレータ20の規制部27は、上下方向に沿って配置されている一対の突起として形成されていてもよい。例えば、アクチュエータ50が閉位置にあるとき、アクチュエータ50の被規制部55は、規制部27における下側の突起と完全に係合する。例えば、アクチュエータ50が第1開位置にあるとき、アクチュエータ50の被規制部55は、アクチュエータ50の閉じ方向側で規制部27における下側の突起と接触し、アクチュエータ50の開き方向側で規制部27における上側の突起と接触してもよい。これにより、コネクタ10は、アクチュエータ50の第1開位置を維持しながら、第2開位置側への開きを規制することができる。このとき、アクチュエータ50は、操作部57を用いた作業者等の操作によって、規制部27における上側の突起を被規制部55が乗り越えて、第2開位置へと移行することも可能である。
図19は、図2のコネクタ10の第2変形例を示す上面視による外観斜視図である。図20は、図19の破線囲み部XXを拡大した拡大図である。
図19及び図20に示すとおり、アクチュエータ50の被規制部55は、上下方向に沿って配置されている一対の突起として形成されていてもよい。同様に、インシュレータ20の規制部27は、上下方向に沿って配置されている一対の突起として形成されていてもよい。例えば、アクチュエータ50が閉位置にあるとき、被規制部55における下側の突起は、規制部27における下側の突起と完全に係合する。被規制部55における上側の突起は、規制部27における上側の突起と完全に係合する。
例えば、アクチュエータ50が第1開位置にあるとき、被規制部55における下側の突起は、アクチュエータ50の閉じ方向側で規制部27における下側の突起と接触し、アクチュエータ50の開き方向側で規制部27における上側の突起と接触してもよい。被規制部55における上側の突起は、アクチュエータ50の閉じ方向側で規制部27における上側の突起と接触してもよい。以上により、コネクタ10は、アクチュエータ50の第1開位置を維持しながら、第2開位置側への開きを規制することができる。このとき、アクチュエータ50は、操作部57を用いた作業者等の操作によって、規制部27における上側の突起を被規制部55における下側の突起が乗り越えて、第2開位置へと移行することも可能である。
図21は、図2のコネクタ10の第3変形例を示す、図2のXXI-XXI矢線に沿う断面図である。
図21に示すとおり、金具40は、係止部42の前部の外面において突設されている突起を含む規制部49を有してもよい。アクチュエータ50は、第1開位置においてアクチュエータ50の開き方向側で金具40の規制部49と接触する被規制部58を有してもよい。被規制部58は、被規制部55よりもケーブル60を挿入する挿入方向に配置され、第1開位置から開き方向にアクチュエータ50が回転するときに規制部49と接触可能である。より具体的には、被規制部58は、第1開位置において前方から後方に向けて下方に傾斜するアクチュエータ50の下端部に位置し、その下斜め前方において規制部49と接触する。例えば、被規制部58は、第2突出部54の後下端部から後方に向けて突出する突部として形成されている。コネクタ10は、金具40の規制部49及びアクチュエータ50の被規制部58によって、アクチュエータ50が第1開位置にあるときに、第2開位置側への開きを規制することができる。このとき、アクチュエータ50は、操作部57を用いた作業者等の操作によって、被規制部58が規制部49を乗り越えて、第2開位置へと移行することも可能である。
図22は、図2のコネクタ10の第4変形例を示す、図2のXI-XI矢線に沿う断面図である。
図22に示すとおり、金具40の支持面47は、前部において水平面として形成され、中央部において傾斜面として形成され、後部において前部の水平面よりも一段下方に位置する水平面として形成されていてもよい。アクチュエータ50の回転軸54bは、第1開位置にあるときに、支持面47の前部の水平面及び中央部の傾斜面に連続的に接触するような形状で形成されていてもよい。これにより、コネクタ10は、アクチュエータ50が第1開位置にあるときに、第2開位置側への開きを規制することができる。このとき、アクチュエータ50は、操作部57を用いた作業者等の操作によって、支持面47の中央部の傾斜面を回転軸54bの対応する部分が乗り越えて、第2開位置へと移行することも可能である。
図23は、図2のコネクタ10の第5変形例を示す、図2のXII-XII矢線に沿う断面図である。
図23に示すとおり、アクチュエータ50は、第1突出部53の内面53cにおいて先端部53e側に形成され、第1開位置において内面53cの他の部分よりも底壁部21aに向けて急峻に傾斜する傾斜面53fを有してもよい。傾斜面53fは、例えば、図23における断面視において、カム部53bの中心点から内面53cの他の部分に沿った直線に向けて描いた垂線と当該直線との交点Pを基準として任意の位置から形成されていてもよい。例えば、傾斜面53fが、内面53cにおいて交点Pよりも後側から形成されている場合、内面53cを介した第1突出部53とケーブル60との接触により生じる力の回転モーメントがより大きくなる。したがって、アクチュエータ50は、回転の勢いを増加させるので、インシュレータ20の規制部27を被規制部55がより確実に乗り越えて、第1開位置から閉位置へとより滑らかに移行する。
以上のようなコネクタ10は、電子機器に搭載される。電子機器は、例えば、パーソナルコンピュータ、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、及び複合機等の任意の情報機器を含む。電子機器は、液晶テレビ、レコーダ、カメラ、及びヘッドフォン等の任意の音響映像機器を含む。電子機器は、例えば、カメラ、レーダ、ドライブレコーダ、及びエンジンコントロールユニット等の任意の車載機器を含む。電子機器は、例えば、カーナビゲーションシステム、先進運転支援システム、及びセキュリティシステム等の車載システムにおいて使用される任意の車載機器を含む。その他、電子機器は、任意の産業機器を含む。
このような電子機器では、上述したコネクタ10による作業性向上により、電子機器の組立作業が効率的に行われる。すなわち、電子機器の製造が容易になる。
(第2実施形態)
図24は、第2実施形態に係るコネクタ10を示す、図10に対応する拡大正面図である。図25は、図24のコネクタ10を示す、図21に対応する断面図である。
図24及び図25を参照しながら、本開示の第2実施形態について主に説明する。第2実施形態に係るコネクタ10は、以下の点で第1実施形態と相違する。例えば、第1実施形態において第1規制部及び第1被規制部は、規制部27及び被規制部55にそれぞれ対応する一方で、第2実施形態では、第1規制部及び第1被規制部は、規制部49及び被規制部58にそれぞれ対応する。例えば、第2実施形態において第2規制部及び第2被規制部は、規制部49及び被規制部58にそれぞれ対応する一方で、第2実施形態では、第2規制部及び第2被規制部は、規制部27及び被規制部55にそれぞれ対応する。その他の構成、機能、効果、及び変形例等については、第1実施形態と同様であり、対応する説明が、第2実施形態に係るコネクタ10においても当てはまる。以下では、第1実施形態と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図25に示すとおり、第1開位置において、アクチュエータ50の被規制部58は、アクチュエータ50の閉じ方向側で金具40の規制部49と接触する。被規制部58は、被規制部55よりもケーブル60を挿入する挿入方向に配置され、第1開位置から閉じ方向にアクチュエータ50が回転するときに規制部49と接触可能である。より具体的には、被規制部58は、第1開位置において前方から後方に向けて下方に傾斜するアクチュエータ50の下端部に位置し、その下斜め後方において規制部49と接触する。また、第1実施形態と同様に、第1開位置において、アクチュエータ50の回転軸54bは、金具40の支持面47によって下方から支持されている。
図24に示すとおり、アクチュエータ50の被規制部55は、第1開位置において、アクチュエータ50の開き方向側でインシュレータ20の規制部27と接触又は近接する。被規制部55は、被規制部58よりもケーブル60を抜去する抜去方向に配置され、第1開位置から開き方向にアクチュエータ50が回転するときに規制部27と接触可能である。コネクタ10は、インシュレータ20の規制部27及びアクチュエータ50の被規制部55によって、アクチュエータ50が第1開位置にあるときに、第2開位置側への開きを規制することができる。
以上のように、アクチュエータ50は、被規制部58が金具40の規制部49と接触し、被規制部55がインシュレータ20の規制部27と接触又は近接し、金具40の支持面47によって回転軸54bが下方から支持され、及びコンタクト30のアーム部33によってカム部53bが上方から押さえられることで、第1開位置を維持する。
このとき、アクチュエータ50は、ケーブル60の挿入に伴って生じる、第1実施形態において上述した力の回転モーメントによって、被規制部58が規制部49を乗り越えて、閉位置へと移行することも可能である。同様に、アクチュエータ50は、操作部57を用いた作業者等の操作によって、被規制部55が規制部27を乗り越えて、第2開位置へと移行することも可能である。