JP7291051B2 - 負荷駆動装置 - Google Patents
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Description
前記給電制御装置は、電気負荷に直列接続された上流開閉素子に給電指令信号を与え、下流開閉素子に通電指令信号を与える制御回路部を備え、上流及び下流位置に設けられた過電流検出回路に応動する合成過電流判定記憶回路によって上流・下流開閉素子を開路するとともに、電気負荷に対する電圧監視回路が発生する1つの可変分圧電圧Vxの値を監視して、負線天絡・正線地絡・負荷短絡などの配線異常を識別記憶する。
なお、以下では、負荷駆動装置の一態様として、4輪駆動車の動力伝達系を構成するデファレンシャル装置の差動機構をロック状態とロック解除状態とに切換えるデフロック装置への適用例を説明する。
但し、本発明に係る負荷駆動装置は、デフロック装置以外にも適用可能であることは明らかである。
図1に示す4輪駆動車50は、デファレンシャル装置としてのリヤデファレンシャル装置1を、後輪2,3の間に備え、フロントデファレンシャル装置4を前輪5,6の間に備える。
そして、リヤデファレンシャル装置1から左右のアクスルシャフト13,14を介して左右の後輪2,3にトルクが伝達される。
リヤデファレンシャル装置1はデフケース21を備え、デフケース21のリングギヤ22にドライブピニオンギヤ12が噛み合っている。
左右のサイドギヤ23,24は、アクスルシャフト13,14に連結している。
サイドギヤ24とプランジャ27との間には、プランジャ27をサイドギヤ24から離間する方向に弾性付勢するリターンスプリング(図示省略)が介装されている。
デフロック検出スイッチ45は、プレート30の移動位置を検出することで、リヤデファレンシャル装置1の差動機構のロック及びロック解除を検出する。
図2は、デフロック制御装置40の内部構成及び入出力信号を示すブロック図である。
前述のように、デフロック装置41は、ソレノイド29によってプランジャ27を移動させ、このプランジャ27の移動位置によってリヤデファレンシャル装置1の差動機構をロック状態とロック解除状態とに切換える装置である。
デフロック制御装置40のマイクロコンピュータ40bは、MPU(Microprocessor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含み、入力された情報に基づいて演算を行い、演算した結果を出力する演算処理装置である。
また、デフロック制御装置40、ABSコントロールユニット35、及び、エンジンコントロールユニット36は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークに接続され、車載ネットワークを介して相互に各種情報を送受信する。
そして、ロック操作指令を入力したデフロック制御装置40は、ソレノイド29の通電制御(PWM制御)を行って、差動機構がロックされる位置にプランジャ27を移動させる。
通電制御回路60は、ソレノイド電源回路61、第1電圧モニタ回路62、第2電圧モニタ回路63、ソレノイド駆動回路64を備える。
PチャンネルMOSFET61aは、バッテリ65とソレノイド駆動回路64とを結ぶ電源ライン66に、バッテリ65側をソースSとし、ソレノイド駆動回路64側をドレインDとして接続される。
NPN型トランジスタ61bのベースBは、マイクロコンピュータ40bの出力ポート40b1に接続される。
逆に、マイクロコンピュータ40bがNPN型トランジスタ61bのベースBにロー信号を出力すると、NPN型トランジスタ61b及びPチャンネルMOSFET61aがオフ状態になって、バッテリ65からソレノイド駆動回路64への電力供給が遮断される。
マイクロコンピュータ40bは、アナログ電圧信号Vout1をA/D変換して電圧Vps1のデータを取得する。
マイクロコンピュータ40bは、アナログ電圧信号Vout2をA/D変換して電圧Vps2のデータを取得する。
電流検出回路64bは、ソレノイド29とグランドGNDとの間に設けたシャント抵抗64b1と、検出回路64b2とを有し、検出回路64b2は、アナログ電流検出信号をマイクロコンピュータ40bのアナログ入力ポート40b4に出力する。
マイクロコンピュータ40bは、アナログ電流検出信号をA/D変換してソレノイド29に流れる電流のデータを取得する。
マイクロコンピュータ40bは、NチャンネルMOSFET64cのゲートGに出力する信号の切り替えによって、NチャンネルMOSFET64cのオン/オフ、つまり、ソレノイド29とグランドGNDとを結ぶラインの断続を制御する。
また、マイクロコンピュータ40bの制御部40b11は、出力ポート40b7から駆動IC64aに向けて、ソレノイド29の駆動許可、駆動停止の指令信号を出力する。
駆動IC64aは、制御デューティに応じたスイッチング動作を行ってソレノイド29に供給する電力を調整するPWM制御を実施する。
駆動IC64aは、ゲート信号出力部64a1、ハイサイドのPチャンネルMOSFET64a2とローサイドのNチャンネルMOSFET64a3とからなるドライバとしてのハーフブリッジ回路64a4、PチャンネルMOSFET64a2を駆動するハイサイドドライバ64a5、NチャンネルMOSFET64a3を駆動するローサイドドライバ64a6、PチャンネルMOSFET64a2の上流で電流を検出する電流検出器64a7、過電流検出部64a8を有する。
そして、電流検出器64a7、過電流検出部64a8、及びゲート信号出力部64a1は、過電流保護回路64a9を構成する。
ゲート信号出力部64a1は、駆動許可信号が駆動の不許可を指令するとき、換言すれば、ソレノイド29の駆動停止指令を入力したとき、ハイサイドドライバ64a5及びローサイドドライバ64a6へのゲート信号の出力を停止することで、PチャンネルMOSFET64a2及びNチャンネルMOSFET64a3をオフに保持する。
ここで、ハイサイドドライバ64a5は、ゲート信号に応じてPチャンネルMOSFET64a2をオンオフ駆動し、ローサイドドライバ64a6は、ゲート信号を反転処理してNチャンネルMOSFET64a3をオンオフ駆動する。
そして、過電流検出部64a8は、電流値RECが閾値TH1を上回ると、つまり、REC>TH1が成立すると、ゲート信号の出力停止指令、換言すれば、PチャンネルMOSFET64a2及びNチャンネルMOSFET64a3のオフ指令をゲート信号出力部64a1に出力する。
これにより、ソレノイド29への電力供給が断たれて電流値RECは低下に転じる。
これにより、ソレノイド29に流れる電流が許容上限値を超える過電流状態を速やかに解消し、ハーフブリッジ回路64a4などに熱損傷が発生することを抑制する。
例えば、駆動IC64aに備えられる過電流保護機能は、REC>TH1が成立してから100μsec内でソレノイド29への電力供給を停止する。
過電流検出部64a8は、ソレノイド29の短絡故障が発生して電流値RECが閾値TH1を上回るようになるとソレノイド29への電力供給を断ち、電力供給の遮断によって電流値RECが閾値TH1以下になるとゲート信号の出力(電力供給)を再開させ、電力供給の再開によって電流値RECが閾値TH1を上回るとソレノイド29への電力供給を断つことを繰り返す。
そして、係る通電、遮断が繰り返される状態では、ソレノイド29の平均印加電圧が、短絡故障が発生していない正常時に比べて低下することになる。
なお、マイクロコンピュータ40bは、図5のフローチャートに示すルーチンを所定時間毎に割り込み実行する。
マイクロコンピュータ40bは、例えば、デフロック作動スイッチ42がオン操作されていて、かつ、4Lモード(4輪駆動低速)で、かつ、車速が所定車速以下であるときに、システム作動条件が成立していると判断する。
マイクロコンピュータ40bは、システム作動条件が成立していない場合、ステップS101からステップS102に進んで、駆動IC64aへのゲート信号(制御信号)の出力を停止する。
次いで、マイクロコンピュータ40bは、ステップS104で、電圧Vps1が、第1閾値Vth1と第2閾値Vth2(Vth1>Vth2)とで挟まれる電圧領域内(Vth2≦Vps1≦Vth1)であるか否かを判断する。
第1閾値Vth1は、正常電圧Vnoよりも低い電圧である。また、第2閾値Vth2は、第1閾値Vth1よりも低い電圧であって、0Vよりも高い電圧である(Vno>Vth1>Vth2>0)。
ソレノイド29が短絡すると電圧Vps1は正常電圧Vnoを下回り、また、電源ライン66が断線したときも電圧Vps1は正常電圧Vnoを下回るが、ソレノイド29が短絡故障し駆動IC64aの過電流保護機能によってソレノイド29への電力供給、遮断が繰り返されるときは、電源ライン66が断線したときに比べて電圧Vps1が高くなる。
また、第2閾値Vth2は、ソレノイド29の短絡が発生したときに電圧Vps1が上回る電圧であって、かつ、電源ライン66の断線が発生したときに電圧Vps1が下回る電圧に設定してある。
マイクロコンピュータ40bは、ステップS105で、Vth2>Vps1≧0が成立していないと判断した場合は、Vps1>Vth1が成立していることになり、ソレノイド29の短絡及び電源ライン66の断線が発生していない正常状態と判断して、ステップS106に進む。
更に、マイクロコンピュータ40bは、ステップS106で、ソレノイド29の短絡発生の可能性を判断した回数(換言すれば、短絡判定信号の生成回数)を計数するためのカウンタCscを零にリセットし、電源ライン66の断線発生の可能性を判断した回数(換言すれば、断線判定信号の生成回数)を計数するためのカウンタCdcを零にリセットする。
次いで、マイクロコンピュータ40bは、ステップS107に進み、駆動IC64aへのゲート信号(制御信号)の出力を通常に実施する。
マイクロコンピュータ40bは、ステップS108で、ソレノイド29の短絡発生の判断回数を計数するためのカウンタCscをインクリメントし、かつ、電源ライン66の断線発生の判断回数を計数するためのカウンタCdcを零にリセットする。
そして、カウンタCscの値が所定値CTH1を下回っているとき、マイクロコンピュータ40bは、そのまま本ルーチンを終了させることで、ソレノイド29の短絡発生の判断を確定させずに保留する。
つまり、マイクロコンピュータ40bは、Vth2≦Vps1≦Vth1の成立を判断しても直ちにソレノイド29の短絡発生の判断を確定させず、所定値CTH1だけ連続して(換言すれば、所定期間継続して)Vth2≦Vps1≦Vth1の成立を判断したときに、最終的に、ソレノイド29における短絡の発生判断を確定させる。
なお、マイクロコンピュータ40bは、ステップS114でソレノイド29への通電を遮断したときに、4輪駆動車50の運転者に対してデフロック装置41の異常発生をランプ、ブザーなどの警告装置によって警告することができる。
マイクロコンピュータ40bは、ステップS111で、電源ライン66の断線発生の判断回数を計数するためのカウンタCdcをインクリメントし、かつ、ソレノイド29の短絡発生の判断回数を計数するためのカウンタCscを零にリセットする。
そして、カウンタCdcの値が所定値CTH2を下回っているとき、マイクロコンピュータ40bは、そのまま本ルーチンを終了させることで、電源ライン66の断線発生の判断を確定させずに保留する。
つまり、マイクロコンピュータ40bは、Vth2>Vps1≧0の成立を判断しても直ちに電源ライン66の断線発生の判断を確定させず、所定値CTH2だけ連続して(換言すれば、所定期間継続して)Vth2>Vps1≧0の成立を判断したときに、最終的に、電源ライン66における断線の発生判断を確定させる。
なお、フラグFsc及びフラグFdcの情報、換言すれば、ソレノイド29の短絡の有無及び電源ライン66の断線の有無に関する情報は、車両整備のときに電子診断機をマイクロコンピュータ40bに接続することで読み出せるよう構成することができる。
これにより、車両整備の作業者は、デフロック装置41(ソレノイド29)の異常がソレノイド29の短絡であるか電源ライン66の断線であるかを認識でき、整備作業を効率よく行える。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
Claims (4)
- 負荷を駆動するドライバと、
前記ドライバに制御信号を出力する制御部と、
電源ラインを介して前記負荷に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、
前記負荷に流れる電流が閾値より高いときに前記ドライバへの前記制御信号の出力を遮断する過電流保護回路と、
前記電圧検出回路による検出電圧と、正常電圧より低い第1閾値及び前記第1閾値より低い第2閾値と、を比較する電圧モニタ部であって、
前記第1閾値と前記第2閾値とで挟まれる電圧領域は、前記負荷が短絡したときに前記過電流保護回路によって前記負荷への電力供給、遮断が繰り返されるときの電圧を含み、前記電源ラインが断線したときの電圧を含まず、
前記電圧検出回路による検出電圧が前記第1閾値を下回りかつ前記第2閾値より高いときに前記負荷の短絡を示す短絡判定信号を生成し、前記電圧検出回路による検出電圧が前記第2閾値より低いときに前記電源ラインの断線を示す断線判定信号を生成する、
前記電圧モニタ部と、
を有する、負荷駆動装置。 - 前記電圧モニタ部は、
前記電圧検出回路による検出電圧が前記第1閾値を下回りかつ前記第2閾値より高い状態が所定期間継続したときに前記短絡判定信号を生成し、
前記電圧検出回路による検出電圧が前記第2閾値より低い状態が所定期間継続したときに前記断線判定信号を生成する、
請求項1記載の負荷駆動装置。 - 前記短絡判定信号、前記断線判定信号それぞれについて生成の履歴を記憶する記憶部を更に有する、
請求項1又は請求項2に記載の負荷駆動装置。 - 前記制御部は、前記短絡判定信号又は前記断線判定信号が生成されたときに、前記ドライバへの制御信号の出力を停止する、
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の負荷駆動装置。
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