<写真シール作成装置の外観>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にしたりすることで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、ゲームセンターなどのアミューズメント施設や店舗に設置される。
写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、写真作成ゲームを提供する写真作成ゲーム機ということができる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。
撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有し、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離して設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、撮影空間の空き状況に応じて、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。
撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置される。なお、事前選択部20が、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよい。
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
撮影空間の床には、板状の部材である床材27が敷かれる。
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の天井の一部には、ビニル素材の部材や板状の部材からなる天井シート24が設けられる。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結して設けられる。
図1に示す編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。
3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ固定される。
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにするためのカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って事前選択作業を行う。例えば、利用者は、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2-1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2-2に移動する。
編集空間A2-1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2-2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2-1と編集空間A2-2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2-1または編集空間A2-2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2-1の利用者と、編集空間A2-2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。編集空間A2-1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2-1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2-2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2-2から印刷待ち空間A3に移動する。
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終わるのを待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各装置の構成について説明する。
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、利用者の人数の選択に用いられる画面などが表示される。
タッチパネルモニタ71の下方にはスピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音などを出力する。スピーカ72の隣に、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
事前選択部20のタッチパネルモニタ71の上には、表面が透明の板状部材で覆われた収納部74が形成される。収納部74には、例えば、写真シール作成装置1で作成されるシールのサンプルが収納される。商品のサンプルや商品説明用の写真(ポスター)を掲示することなどにも収納部74は用いられる。
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。
撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
正面パネル42の略中央には箱状のカメラユニット81が設けられる。カメラユニット81の正面には、カメラ91とタッチパネルモニタ92が設けられる。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91は、利用者を被写体として撮影を行う撮影部として機能する。
カメラ91により取り込まれた動画像に基づいて生成されたライブビュー画像は、タッチパネルモニタ92に表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は撮影画像として保存される。
タッチパネルモニタ92はカメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれたライブビュー画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示して利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。
カメラユニット81の上方には、撮影部21の横幅と略同じ幅の上ストロボユニット82が設置される。上ストロボユニット82の正面は、乳白色の板状の部材であるパネル86-1乃至86-3から構成される。パネル86-1乃至86-3は、斜め下方を向く面を構成するように、正面パネル42に対して略45度の角度を有するように設置される。上ストロボユニット82は、利用者の正面上方から、利用者の顔と上半身に光を照射する。
カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボユニット83が設けられる。
上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、照明用の電球とストロボ発光可能な照明機器とにより構成される。上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、利用者の操作性や安全性を確保するために撮影空間内を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために撮影タイミングで発光し、被写体となる利用者にストロボ光を照射する。
足元ストロボユニット83と側面パネル41Aとの間には箱状部84が設けられる。また、足元ストロボユニット83と側面パネル41Bとの間には箱状部85が設けられる。箱状部84,85の上面は、写真シール作成装置1の設置面と略水平な面であり、撮影作業を行う利用者が手荷物などを置くための荷物置き場として用いられる。
なお、正面パネル42の天井付近にはスピーカが設けられる。スピーカからは、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などが出力される。スピーカが背景部22に設けられるようにしても良い。
<背景部の構成>
図6は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方には、背面ストロボ101-1と背面ストロボ101-2が設置される。背面ストロボ101-1と背面ストロボ101-2は、撮影空間A1にいる利用者の後方かつ上方から光を照射する。
背面ストロボ101-1と背面ストロボ101-2の間に、スピーカ102-1とスピーカ102-2が設けられる。スピーカ102-1とスピーカ102-2は、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。
背面パネル51には白色のシート121が貼り付けられる。シート121は、ビニル素材やファブリック素材のシートである。シート121の色は、白色に限らず、明るい灰色などの、反射率の高い他の色であってもよい。
背面パネル51の撮影空間A1側の面にシート121が貼り付けられるものとしたが、面自体が白色で塗られていたり、シート状ではなく、白色の板状のパネルが貼り付けられていたりするようにしてもよい。
また、白色のカーテンを巻き取って収納可能なカーテンユニットが設置されるようにしてもよい。例えば撮影時、白色のカーテンがカーテンユニットから降ろされる。
<編集ユニットの構成>
図7は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2-1側)の構成例を示す図である。
斜面62のほぼ中央にはタブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
なお、タッチペン132Aを用いた操作とタッチペン132Bを用いた操作は識別される。適宜、タブレット内蔵モニタ131の左側の表示に対してはタッチペン132Aを用いた操作のみが可能とされ、右側の表示に対してはタッチペン132Bを用いた操作のみが可能とされる。以下、適宜、タッチペン132Aとタッチペン132Bを区別する必要がない場合、まとめてタッチペン132という。
図8は、編集ユニット12の左側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の左側面の下側にはシール紙排出口161が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。プリンタにより、編集空間A2-1において編集作業を行った利用者が写る画像、または、編集空間A2-2において編集作業を行った利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口161から排出される。
図9は、編集画像のレイヤ構造の例を示す図である。
左端の編集画像P11が編集によって生成される画像である。編集画像P11は、撮影画像P21と前景画像P22の各レイヤの画像から構成される。
図9の例において、撮影画像P21は、クロマキ処理が施されていない画像である。
前景画像P22は、「Love my friend」の手書き文字の画像とハート型の画像を含む画像である。「Love my friend」の手書き文字の画像は、ペンツールを用いて利用者によって入力されたペン画像である。また、ハート型の画像は、スタンプツールを用いて利用者によって入力されたスタンプ画像である。
編集画像P11は、撮影画像P21の上に前景画像P22を重ねることによって生成される。
このように、アップ画像である撮影画像P21の編集は、人物領域の周りに、撮影空間A1の実際の背景がそのまま写る画像を対象として行われる。アップ画像は、上半身が大きく写る画像である。写真シール作成装置1においては、適宜、アップ画像の他に、利用者の全身が写る全身画像の撮影も行われる。
<写真シール作成装置の内部構成>
図10は、写真シール作成装置1の構成例を示すブロック図である。図10において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図10に示すように、写真シール作成装置1は、PC(Personal Computer)部301に対して、事前選択部302、撮影部304、編集部305A,305B、および印刷部306が外部入出力インタフェース303を介して接続されることによって構成される。情報処理部であるPC部301は、例えば編集ユニット12の筐体内部に搭載される。
PC部301を構成するCPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、RAM(Random Access Memory)313は、バス314により相互に接続される。
CPU311は、所定のプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311が実行するプログラムやデータを記憶する。RAM312は、CPU311が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
バス314には、さらに、入出力インタフェース315が接続される。入出力インタフェース315には、記憶部316、通信部317、およびドライブ318が接続される。
記憶部316は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部316は、CPU311から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部316に記憶されている情報はCPU311により適宜読み出される。
通信部317は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部317は、CPU311による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部317は、利用者により選択された画像を、例えば写真シール作成装置1のメーカーが管理する画像管理サーバに送信する。通信部317から送信された画像は、所定の記憶領域が割り当てられて保存され、画像管理サーバにアクセスしてきた携帯端末上で表示されたり、携帯端末にダウンロードされたりする。
ドライブ318には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア319が適宜装着される。ドライブ318によりリムーバブルメディア319から読み出されたプログラムやデータは、CPU311に供給され、記憶部316に記憶されたり、インストールされたりする。
入出力インタフェース315には外部入出力インタフェース303が接続される。PC部301による各部の制御が、外部入出力インタフェース303を介して行われる。
事前選択部302は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を行う。事前選択部302は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部321から構成される。
タッチパネルモニタ71は、PC部301による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、各種の設定が行われる。
硬貨処理部321は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部321は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号をPC部301に出力する。
撮影部304は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を行う。撮影部304は、照明装置331、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ332から構成される。
照明装置331は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、PC部301から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ91は、PC部301によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)をPC部301に出力する。
スピーカ332は、スピーカ102-1とスピーカ102-2を含む、撮影空間A1の各位置に設けられたスピーカにより構成される。
編集部305Aは、編集空間A2-1にいる利用者を対象とした編集処理を行う。編集部305Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ341から構成される。編集部305Bは、編集空間A2-2にいる利用者を対象とした編集処理を行い、編集部305Aと同一の構成を有する。以下、適宜、編集部305A,305Bをまとめて編集部305という。
タブレット内蔵モニタ131は、PC部301による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
印刷部306は、プリンタ351を含むように構成される。プリンタ351にはシール紙ユニット352が装着される。
プリンタ351は、内蔵するヘッド361を駆動し、PC部301から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット352に収納されているロール状のシール紙363に画像を印刷する。また、プリンタ351は、画像を印刷したシール紙363をカッター362によって所定のカット位置でカットして、シール紙排出口161に排出する。
<写真シール作成装置の機能構成例>
図11は、写真シール作成装置1の機能構成例を示すブロック図である。図11に示す機能部のうちの少なくとも一部は、CPU311により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
写真シール作成装置1においては、事前選択処理部401、撮影処理部402、編集処理部403、および印刷処理部404が実現される。
事前選択処理部401は、事前選択部302の各部を制御することで、事前選択処理を実行する。事前選択処理により、利用者の人数の選択などが行われる。利用者による選択内容を表す情報は撮影処理部402に供給される。
撮影処理部402は、撮影部304の各部を制御することで撮影処理を行う。撮影処理部402は、撮影処理を行うことによって得られた撮影画像のデータを編集処理部403に出力する。撮影処理部402から編集処理部403に対しては、撮影を複数回行うことによって得られた複数枚の撮影画像のデータが供給される。
編集処理部403は、編集部305の各部を制御することで編集処理を行う。編集処理には、撮影画像に写る利用者の目の大きさを調整するための画像処理、撮影画像に対して編集を施すための画像処理などが含まれる。
撮影画像の編集後、編集処理部403は、分割数の選択に用いられる画面、画像管理サーバに送信する画像の選択に用いられる画面などの各種の画面をタブレット内蔵モニタ131に表示する。編集処理部403は、利用者により選択された分割数に従って各編集画像を配置することによって印刷データを生成し、印刷処理部404に出力する。また、編集処理部403は、利用者により選択された編集画像を画像管理サーバに送信する。
印刷処理部404は、プリンタ351に印刷データを出力し、編集画像の印刷を行う。
<編集処理部の詳細構成>
図12は、図11の編集処理部403の構成例を示すブロック図である。
編集処理部403は、選択受付部431、レタッチ処理部432、編集制御部433、表示制御部434、印刷データ生成部435、および通信制御部436から構成される。
選択受付部431は、タブレット内蔵モニタ131に表示された画面に対する利用者の選択操作を受け付ける。選択受付部431は、撮影画像のレタッチ時に受け付けた利用者の選択内容を表す情報をレタッチ処理部432に出力し、撮影画像の編集時に受け付けた利用者の選択内容を表す情報を編集制御部433に出力する。
レタッチ処理部432は、選択受付部431から出力された情報に基づいて、撮影処理部402から出力された撮影画像のそれぞれに対してレタッチ処理を施す。レタッチ処理は、目の大きさの調整、目の濃さの調整などの、撮影画像に写る利用者の特定の部位に対する画像処理である。
レタッチ処理が施された撮影画像は、編集制御部433と表示制御部434に出力される。この例においては、レタッチ処理後の撮影画像が、編集の対象として用いられることになる。
編集制御部433には、編集画像生成部441とフィルタ処理部442が含まれる。
編集画像生成部441は、選択受付部431から出力された情報に基づいて、レタッチ処理部432においてレタッチ処理が施された撮影画像の編集を行う。編集は、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を、編集対象となっている撮影画像に合成する画像処理である。
上述したレタッチ処理が、利用者による選択内容に応じた画像処理を複数の撮影画像のそれぞれに一括して施す処理であるのに対して、編集は、利用者による選択内容に応じた画像処理を、そのとき編集対象となっている1枚の撮影画像に施す処理である。レタッチ処理時、目の大きさなどを撮影画像毎に選択することができるようにしてもよい。
編集画像生成部441は、編集結果を表す情報を表示制御部434に出力し、編集画面の表示に反映させる。
編集画像生成部441は、編集が終了した場合、編集を施して得られた撮影画像である編集画像を印刷データ生成部435と通信制御部436に出力する。
フィルタ処理部442は、編集画像に対してフィルタ処理を施すことによって、インスタントカメラで撮影した写真の雰囲気を表現した画像を生成する。
フィルタ処理は、インスタントカメラで撮影した写真の雰囲気を表現するために、例えば編集画像全体に対して施される画像処理である。例えば、編集画像全体に対して施される画像処理として、所定のトーンカーブを用いて色味を調整する処理が施される。このように、処理の対象となる範囲が画像全体(画像を構成する画素全体)という点で、フィルタ処理は、上述したレタッチ処理や編集処理とは異なる処理となる。
また、フィルタ処理部442は、フィルタ処理を施すことによって得られた加工済み画像を、所定のデザインが施されたテンプレート画像に合成することによって、インスタントカメラの出力物を表現した画像を生成する。インスタントカメラの出力物としてのカード状のフィルムには、通常、写真周りの縁が形成されている。テンプレート画像は、このようなフィルムの縁を表現する画像である。
以下、適宜、編集画像をテンプレート画像に合成することによって得られた画像を、プリントシール機(プリ)としての写真シール作成装置1により撮影された、写真(フォト)風の画像という意味でフォトプリ画像という。1枚のフォトプリ画像は、名刺程度のサイズでシール紙363に印刷される。
この例においては、編集画像に対してフィルタ処理が施されるものとしたが、他の画像処理によってフォトプリ画像が生成されるようにしてもよい。すなわち、編集処理が施された画像(編集画像)に対してさらに施される画像処理であれば、各種の画像処理をフィルタ処理に代えて用いることが可能である。
フィルタ処理部442は、編集画像に基づいて生成したフォトプリ画像を印刷データ生成部435にのみ出力する。すなわち、フォトプリ画像は、通信制御部436に対しては出力されない。後述するように、フォトプリ画像は、シール紙363への印刷にだけ用いられる画像であり、画像管理サーバに対する送信には用いられない。
このように、編集制御部433は、編集処理やフィルタ処理などの各種の画像処理を撮影画像に対して施す画像処理部として機能する。
表示制御部434は、利用者による操作に用いられる操作画面をタブレット内蔵モニタ131に表示し、利用者の操作に応じて操作画面の表示を制御する。表示制御部434には、レタッチ処理部432から出力されたレタッチ済みの撮影画像、編集制御部433から出力された編集画像などが供給される。表示制御部434に供給される各種の画像は操作画面の表示に用いられる。
印刷データ生成部435は、編集制御部433から供給された編集画像やフォトプリ画像を所定のレイアウトで配置することによって印刷データを生成する。印刷データ生成部435は、印刷データを印刷処理部404に出力し、シール紙363に印刷させる。
通信制御部436は、通信部317を制御し、編集制御部433から供給された編集画像を画像管理サーバに送信する。
印刷データ生成部435と通信制御部436により、編集制御部433から供給された画像の出力を制御する出力制御部451が実現される。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図13のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。図13の処理は、例えば、所定の金額分の硬貨が投入されたときに開始される。
ステップS1において、事前選択処理部401は、事前選択部302を制御することで事前選択処理を行う。事前選択処理により、例えば、利用者の人数の選択、撮影コースの選択などが行われる。いずれの選択も、タッチパネルモニタ71に表示される選択画面を用いて行われる。
ステップS2において、撮影処理部402は、撮影部304を制御することで撮影処理を行う。
例えば、撮影処理部402は、立ち位置の誘導を行った後、カメラ91により取り込まれた動画像に基づいて、ライブビュー画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。また、撮影処理部402は、ライブビュー画面を表示させた後、撮影空間A1にいる利用者を被写体として静止画像の撮影を行う。
静止画像の撮影は例えば5回行われる。5回の撮影が、アップ画像の撮影と全身画像の撮影を組み合わせて行われるようにしてもよいし、アップ画像だけ、または全身画像だけを撮影するようにして行われるようにしてもよい。
ステップS3において、編集処理部403は、編集空間A2-1と編集空間A2-2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部305を制御することで編集処理を行う。
例えば、編集処理部403は、タブレット内蔵モニタ131に編集画面を表示させ、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせる。編集画面には、編集対象の撮影画像とともに、撮影画像に合成する合成用画像を選択するときに操作されるボタンなどが表示される。編集処理の詳細については図14のフローチャートを参照して後述する。
ステップS4において、印刷処理部404は、プリンタ351を制御することで、印刷処理を行う。印刷処理部404は、編集処理部403により生成された印刷データをプリンタ351に出力してシール紙363に印刷させる。
印刷が終了した場合、ステップS5において、プリンタ351は、カッター362で切り離したシール紙363をシール紙排出口161に排出する。
写真シール作成装置1の利用者の各グループに対しては、以上のような一連の処理からなる写真作成ゲームが提供される。あるグループの利用者に続けて他のグループの利用者が写真シール作成装置1の利用を開始した場合、写真シール作成装置1の利用を先に始めた利用者の写真シール作成ゲームと、後から始めた利用者の写真シール作成ゲームとが適宜並行して行われることになる。適宜、写真シール作成ゲームを単にゲームともいう。
<編集処理>
次に、図14のフローチャートを参照して、図13のステップS3において行われる編集処理について説明する。
ステップS11において、表示制御部434は、盛れ感選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
盛れ感選択画面は、撮影画像に写る利用者の目の大きさと目の濃さの選択に用いられる画面である。画像処理によって特定の部位などを強調することを「盛る」という。盛れ感選択画面は、目を強調させる程度の選択に用いられる画面となる。
盛れ感選択画面には、目の大きさと目の濃さの調整に用いられるスライドバーが表示され、利用者の操作が選択受付部431により受け付けられる。
ステップS12において、レタッチ処理部432は、盛れ感選択画面に対する利用者の操作に応じてパラメータを設定し、パラメータにより規定される大きさになるように、撮影画像に写る利用者の目の大きさを調整する(レタッチを行う)。目の大きさの調整は、例えば、撮影画像に写る利用者の目の領域を検出し、目の領域の大きさを調整することによって行われる。
また、レタッチ処理部432は、盛れ感選択画面に対する利用者の操作に応じてパラメータを設定し、パラメータにより規定される濃さになるように、撮影画像に写る利用者の目の濃さを調整する。目の濃さの調整は、例えば、撮影画像に写る利用者の目を検出し、目の色の濃度を調整することによって行われる。
レタッチ処理部432による目の大きさの調整と目の濃さの調整は、それぞれの撮影画像を対象として行われる。このようなレタッチ処理後の撮影画像が編集制御部433に対して出力される。
この例においては、目の大きさの調整と目の濃さの調整がレタッチ処理として行われるものとしたが、肌の明るさの調整、髪の毛の色の調整などの、他の特定の部位に対する画像処理がレタッチ処理として行われるようにしてもよい。
ステップS13において、表示制御部434は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。編集画面には、編集対象となる撮影画像とともに、編集に用いられるスタンプ画像やペン画像などの各種の編集ツール(合成用画像)を選択するときに押下されるボタンなどが表示される。
編集画面が表示された後、ステップS14において、編集制御部433は、利用者の操作に応じて、編集対象となる撮影画像に編集を施す。編集が施されることによって生成された編集画像は印刷データ生成部435に供給される。
終了ボタンが操作されるなどして編集が終了した場合、ステップS15において、表示制御部434は、分割数選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
分割数選択画面は、シールレイアウトの選択に用いられる画面である。シールレイアウトは、1枚のシール紙363に配置される編集画像の枚数や位置、大きさを決定するレイアウト(配置パターン)である。シール紙363には、利用者により選択されたシールレイアウトに従って配置された編集画像が印刷される。
分割数選択画面を用いて、フォトプリ画像を印刷するシールレイアウトが選択された場合、ステップS16において、表示制御部434は、加工選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。加工選択画面は、上述したフィルタ処理の内容の選択に用いられる画面である。分割数選択画面と加工選択画面の詳細については後述する。
ステップS17において、フィルタ処理部442は、加工選択画面を用いて選択された内容のフィルタ処理を、フォトプリ画像に用いる画像として選択された編集画像に対して施し、加工済み画像を生成する。例えば、それぞれの利用者により、編集画像が1枚ずつ、フォトプリ画像に用いる画像として選択される。
また、フィルタ処理部442は、フィルタ処理を施すことによって生成した加工済み画像をテンプレート画像に合成することによってフォトプリ画像を生成する。
編集画像生成部441により生成された編集画像は印刷データ生成部435と通信制御部436に対して供給され、フィルタ処理部442により生成されたフォトプリ画像は印刷データ生成部435に対して供給される。通信制御部436に対しては、適宜、レタッチ処理後の撮影画像も編集制御部433から供給される。
ステップS18において、表示制御部434は、送信画像選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
利用者は、画像管理サイトを利用するためには会員登録を行う必要があり、会員には有料会員と無料会員がある。有料会員は画像管理サーバに送信された全ての画像を自分の携帯端末にダウンロードすることができるのに対して、無料会員は1枚の画像だけを自分の携帯端末にダウンロードすることができる。送信画像選択画面は、無料会員が、自分の携帯端末にダウンロードする画像を選択するのに用いられる画面である。
ステップS19において、編集処理部403は、メールアドレス入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
メールアドレス入力画面は、利用者の所有する携帯端末のメールアドレスの入力に用いられる画面である。メールアドレス入力画面には、メールアドレスに用いることが可能なアルファベットや記号、携帯電話機のキャリアを選択するためのボタンと、選択されたボタンに対応する文字列が表示されるテキストボックスが表示される。
ステップS20において、通信制御部436は、編集画像を画像管理サーバに送信する。画像管理サーバに対しては、適宜、撮影画像も送信される。すなわち、編集画像だけでなく、編集画像の元になった撮影画像も画像管理サーバに対して送信される。
また、画像管理サーバに対しては、後述するように、写真シール作成装置1の機器ID、撮影日時、送信画像選択画面からどの画像が選択されたのかを表す情報なども送信される。
ステップS21において、印刷データ生成部435は、利用者により選択されたレイアウトで編集画像とフォトプリ画像を配置することによって印刷データを生成する。印刷データは印刷処理部404に供給され、編集画像の印刷に用いられる(図13のステップS4)。
ステップS22において、表示制御部434は、案内画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させることによって、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、スピーカ341から音声を出力することによっても行われる。
その後、図13のステップS3に戻り、それ以降の処理が行われる。
<分割数選択画面の表示>
図15は、図14のステップS15において表示される分割数選択画面の例を示す図である。
分割数選択画面の中央上方には、フォトプリ画像を含むレイアウトを選択するときに押下されるボタン501と、フォトプリ画像を含まないレイアウトを選択するときに押下されるボタン502が表示される。
ボタン501が押下されている場合、分割数選択画面の中央には、図15に示すようにフォトプリ画像を含むレイアウトのサンプルであるレイアウト画像511が表示される。レイアウト画像511の上にはボタン503が表示される。
ボタン503は、レイアウト画像511の表示を、他のレイアウトのサンプルに切り替えるときに押下されるボタンである。ボタン503が押下される毎に、例えば、テンプレート画像の部分のデザインが異なるレイアウト画像511が表示される。
レイアウト画像511の左側には、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側に立つ利用者が用いる画像選択領域512Lが表示される。レイアウト画像511の右側には、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側に立つ利用者が用いる画像選択領域512Rが表示される。
画像選択領域512Lと画像選択領域512Rのそれぞれには、フォトプリ画像に用いる画像の選択を促すメッセージとともに、5枚の編集画像である編集画像521-1乃至521-5が表示される。画像選択領域512Lと画像選択領域512Rの下には、編集画像の選択を確定させるときに押下されるOKボタン522が表示される。
利用者は、例えば、ボタン503を押下することによって、フォトプリ画像を含む好みのレイアウトを選択し、レイアウトを選択した後、フォトプリ画像に用いる編集画像を選択する。図15の例においては、編集画像521-1が左側の利用者により選択され、編集画像521-2が右側の利用者により選択されている。
レイアウト画像511のフォトプリ画像の部分には、左側の利用者と右側の利用者により選択された編集画像521-1、編集画像521-2と同じ画像が配置される。画像選択領域512Lと画像選択領域512Rの吹き出しの形状により、左側の利用者により選択された編集画像と右側の利用者により選択された編集画像のそれぞれの配置先が表される。
図16は、レイアウト画像511を拡大して示す図である。
図16に示すように、レイアウト画像511は、2つの縦長長方形の部分であるフォトプリ画像部分と、右端のおまけ部分とから構成される。
左側のフォトプリ画像部分は、左側の利用者用のフォトプリ画像(フォトプリ画像#1)が表示される部分である。中央のフォトプリ画像部分は、右側の利用者用のフォトプリ画像(フォトプリ画像#2)が表示される部分である。分割数選択画面においては、レイアウト画像511が左辺を上向きにした状態で表示される。
フォトプリ画像#1は、テンプレート画像P101と編集画像P102を組み合わせることによって構成される。図16の例においては、左側の利用者が選択した編集画像521-1と同じ画像が編集画像P102として表示されている。テンプレート画像P101は、編集画像P102の周りに、写真シール作成装置1の機種名を表す文字やドット柄などを配置するデザインの画像である。
テンプレート画像P101に対して編集画像P102を組み合わせることにより、縦長長方形のカード状のフォトプリ画像#1が構成される。
フォトプリ画像#2も同様に、テンプレート画像P111と編集画像P112を組み合わせることによって構成される。図16の例においては、右側の利用者が選択した編集画像521-2と同じ画像が編集画像P112として表示されている。
右端のおまけ部分には、5枚の編集画像のセットが2セット分印刷される。おまけ部分に印刷されるそれぞれの編集画像のサイズは、フォトプリ画像として印刷される編集画像のサイズと比べて小さいサイズとなる。
フォトプリ画像を含むレイアウトが選択されている場合、フォトプリ画像などのそれぞれの画像が、レイアウト画像511によって表されるレイアウトでシール紙363に印刷される。画像の印刷後に排出されるシール紙363の形状は、横長長方形のシート状となる。
利用者は、それぞれの画像が印刷されたシール紙363を受け取った後、図17に示すように、フォトプリ画像の部分とおまけ部分とをはさみでなど切り分けることができる。フォトプリ画像の部分はカード状の形状を有しているから、利用者は、フォトプリ画像の部分をカードフォルダなどに収納して収集することができる。
このように、写真シール作成装置1においては、1枚の編集画像が大きく配置されたフォトプリ画像の印刷が行われるレイアウトを選択することが可能とされる。
以上のような表示を用いてレイアウトが選択され、適宜、フォトプリ画像に用いる編集画像が選択された後、分割数選択画面に代えて、加工選択画面がタブレット内蔵モニタ131に表示される(図14のステップS16)。
<加工選択画面の表示>
図18は、図14のステップS16において表示される加工選択画面の例を示す図である。
加工選択画面においては、フィルタ処理の内容の選択に用いられる表示が左右対称に設けられる。2人の利用者は、フィルタ処理の内容をそれぞれ同時に選択することができる。
左側の操作領域551Lが、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側に立つ利用者が用いる領域となり、右側の操作領域551Rが、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側に立つ利用者が用いる領域となる。操作領域551Lと操作領域551Rの間には、それぞれの領域に表示されている画像を入れ替えるときに押下される入れ替えボタン552が表示される。
操作領域551Lの中央上方には画像表示部561が設けられる。画像表示部561には、左側の利用者により選択された編集画像を用いたフォトプリ画像(フォトプリ画像#1)が表示される。
画像表示部561の下には、フィルタ処理の選択に用いられるボタンである選択ボタン562-1乃至562-6が横に並べて表示される。それぞれの選択ボタンは、それぞれの選択ボタンに割り当てられたフィルタ処理のイメージを表す略正方形の画像によって構成される。
6種類のフィルタ処理の内容は、例えば、ゲーム毎にランダムに選択される。写真シール作成装置1には、6種類以上のフィルタ処理が用意されている。ゲーム毎に、異なる種類のフィルタ処理が提示される。右端には、例えば季節に応じて選択されたフィルタ処理が割り当てられた選択ボタンが表示される。
選択ボタン562-1乃至562-6の下には、フィルタ処理の内容を確定するときに押下されるOKボタン563が表示される。OKボタン563の右方には、フィルタ処理のOFF(フィルタ処理を施さない)を選択するときに押下されるOFFボタン564が表示される。
操作領域551Rにも、操作領域551Lの表示と同様の表示が設けられる。図18の操作領域551Rの画像表示部561には、右側の利用者により選択された編集画像を用いたフォトプリ画像(フォトプリ画像#2)が表示されている。
利用者は、いずれかの選択ボタンを押下することによって、好みのフィルタ処理を選択することができる。フィルタ処理の選択結果は、画像表示部561の表示に反映される。
上述したように、フォトプリ画像は、シール紙363への印刷にだけ用いられる画像であり、画像管理サーバに対する送信には用いられない。ここで選択されるフィルタ処理が、画像管理サーバに対して送信される編集画像に対しては反映されないことを通知するためのメッセージが加工選択画面に表示されるようにしてもよい。
図19は、フィルタ処理の例を示す図である。
図19の左側に示す画像は、フォトプリ画像に用いる画像として左側の利用者により選択された編集画像である。選択ボタン562-1乃至562-6のうちのいずれかの選択ボタンが押下された場合、矢印の先に示すように、押下された選択ボタンに割り当てられたフィルタ処理が、フィルタ処理部442によって編集画像に対して施される。
図19の右側に示す画像は、フィルタ処理が施されることによって生成された加工済み画像である。図19の例においては、画像全体にグラデーションをつける処理が施されている。
図20は、加工選択画面の表示例を示す図である。
図20の例においては、左側の利用者と右側の利用者によりそれぞれ所定のフィルタ処理が選択されることによって、加工済み画像を用いたフォトプリ画像が画像表示部561に表示されている。
左側の利用者により、選択ボタン562-2に割り当てられたフィルタ処理が選択され、右側の利用者により、選択ボタン562-3に割り当てられたフィルタ処理が選択されている。選択ボタン562-3に割り当てられたフィルタ処理は、編集画像全体に格子を重ねる処理である。
このような加工選択画面を用いて、編集画像に施すフィルタ処理の内容が選択される。OKボタン563が押下され、フィルタ処理の内容が確定された場合、加工済み画像とテンプレート画像を組み合わせることによってフォトプリ画像が生成され、選択済みのレイアウトで配置することによってシール紙363に印刷される。説明の便宜上、上述した図17のフォトプリ画像を構成する編集画像にはフィルタ処理が施されていないが、実際には、フィルタ処理が施された編集画像(加工済み画像)がフォトプリ画像の印刷に用いられる。
以上のように、フィルタ処理の内容の選択時、テンプレート画像を含めて、フォトプリ画像全体が見本として加工選択画面上に表示される。利用者は、シール紙363に印刷されるフォトプリ画像をイメージしながら、フィルタ処理の内容を選択することができる。
図21は、画像の用途をまとめて示す図である。
図21の左端に示す画像は、撮影処理によって得られた撮影画像である。撮影画像は、適宜、矢印#11に示すように、画像管理サーバに対して送信される。画像管理サーバに対して送信される撮影画像は、レタッチ処理後の撮影画像、または、レタッチ処理が施されていない撮影画像である。
撮影画像に対して編集処理が施されることによって、矢印#1の先に示すように、編集画像が生成される。図16を参照して説明したようなおまけ部分を含むレイアウトが選択されている場合、編集画像は、矢印#12に示すように、おまけ画像としてシール紙363に印刷される。また、撮影画像と同様に、画像管理サーバに対して送信される。
フォトプリ画像を含むレイアウトが選択されている場合、編集画像に対してフィルタ処理が施されることによって、矢印#2の先に示すように、加工済み画像が生成される。加工済み画像は、矢印#13示すように、テンプレート画像と組み合わせることによって、フォトプリ画像としてシール紙363に印刷される。加工済み画像は、画像管理サーバに対しては送信されない。
このように、編集画像に対して適宜施される画像処理であるフィルタ処理は、シール紙363に印刷する画像に対しては反映され、画像管理サーバに対して送信する画像に対しては反映されない。
フィルタ処理は、インスタントカメラで撮影された写真の雰囲気を表現することによって、シール紙363に印刷したときの見栄えをよくするために施される画像処理である。このため、画像管理サーバに送信される編集画像に対してフィルタ処理が施されるとした場合、利用者にとって使い勝手が悪くなることがある。画像管理サーバに対して送信された編集画像は、ゲームの終了後、携帯端末に取り込んで加工したりすることに用いられるが、この際、フィルタ処理が施されていると、加工しづらいなどの弊害が生じることがある。
フィルタ処理が、画像管理サーバに対して送信する編集画像に対して反映されないようにすることにより、携帯端末に取り込んだときに使い勝手のよい編集画像を利用者に提供することが可能となる。
写真シール作成装置1は、見栄えのよい画像をフォトプリ画像としてシール紙363に印刷して提供することできるとともに、使い勝手のよい編集画像をデータとして提供することができる。
<画像提供システムについて>
図22は、写真シール作成装置1からアップロードされる情報の例を示す図である。
図22に示すように、写真シール作成装置1によるゲームによって生成された撮影画像と、フィルタ処理が反映されていない編集画像は、管理情報が付加された状態で画像管理サーバ2に対してアップロードされる。
管理情報は、アップロードされた画像を管理するために写真シール作成装置1において生成され、画像管理サーバ2に対して送信される情報である。画像管理サーバ2においては、アップロードされた画像が、管理情報に含まれる各情報と紐付けて管理される。
管理情報には、シールID、画像選択フラグ、およびメールアドレスが含まれる。
シールIDは、1回のゲーム毎に、所定の規則に従って写真シール作成装置1により発行されるIDである。
例えば、シールIDは、編集画像などを印刷したシール紙の縁などに印刷した形で利用者にも通知される。画像提供サービスに対するログイン操作を行った携帯端末3(図23)のユーザがシール紙の縁を見てシールIDを入力した場合、画像管理サーバ2においては、携帯端末3のユーザがゲームで作成した画像が特定される。このように、シールIDは、それぞれのユーザの画像を特定するために用いられる。なお、携帯端末3のユーザは、写真シール作成装置1のゲームを行った利用者と同じ人物である。
画像選択フラグは、マイページ画面に保存する画像としてゲーム中に利用者により選択された画像を表すフラグである。マイページ画面は、会員登録を行ったユーザ毎に割り当てられるユーザ専用の画面であり、画像管理サーバ2において管理されている画像の閲覧などに用いられる。
メールアドレスは、ゲーム中に入力された利用者のメールアドレスである。
利用者のメールアドレスは、例えば、画像の保存先として割り当てられたURLをメールで通知するために画像管理サーバ2により用いられる。利用者が2人である場合、それぞれの利用者のメールアドレスが管理情報に含まれる。
図23は、画像提供システムの構成例を示す図である。
画像提供システムは、写真シール作成装置1、画像管理サーバ2、および携帯端末3が、インターネット601を介して接続されることによって構成される。
図23の例においては、写真シール作成装置1が1台しか示されていないが、実際には、同じメーカーが販売する複数台の写真シール作成装置1が設けられる。携帯端末3は、写真シール作成装置1を利用した利用者のスマートフォンであり、例えば、写真シール作成装置1を利用した利用者の数だけ設けられる。
画像管理サーバ2は、写真シール作成装置1からアップロードされた画像を受信し、所定のURLを割り当てるなどして保存する。画像管理サーバ2は、携帯端末3を操作してアクセスしてきた利用者に対して画像を提供するサービスである画像提供サービスを提供する。
画像提供サービスは、携帯端末3上で画像を閲覧したり、携帯端末3に画像をダウンロードしたりすることが可能とされる会員制のサービスである。画像の編集などを、画像提供サービスを利用して行うことができるようにしてもよい。
携帯端末3の利用者は、写真シール作成装置1を利用したゲームの終了後、携帯端末3を操作して画像管理サーバ2にアクセスし、画像提供サービスを利用して画像の閲覧などを行うことになる。
携帯端末3には、画像管理サーバ2が提供する画像提供サービスの画面を表示させるためのアプリケーションがインストールされている。
タブレット端末などの他の携帯端末や、インターネット601上のサーバとの間で各種の情報の送受信を行うことができるPC、TV(テレビジョン受像機)などの端末が、画像提供サービスを利用するための情報処理端末として用いられるようにしてもよい。
<サービスの利用形態>
図24は、画像提供サービスの利用形態の例を示す図である。
図24A、図24Bに示すように、画像提供サービスの利用形態としては、携帯端末3にインストールされた、専用アプリケーション3Aを利用する形態と、Webブラウザ3Bを利用する形態とがある。専用アプリケーション3Aは、画像提供サービスを利用するための専用のアプリケーションである。専用アプリケーション3Aは、例えば、画像提供サービスのサービス事業者(写真シール作成装置1のメーカー)によって用意される。
図24Aに示すように、ユーザが専用アプリケーション3Aを起動させた場合、専用アプリケーション3Aによって画像管理サーバ2に対するアクセスが行われる。携帯端末3のディスプレイには、適宜、ログイン画面が専用アプリケーション3Aにより表示される。
ユーザIDとパスワードを用いたログイン操作が行われた場合、携帯端末3のディスプレイには、画像管理サーバ2から送信されてきた情報に基づいて、画像提供サービスを利用するためのマイページ画面などの画面が表示される。
一方、図24Bに示すように、ユーザがWebブラウザ3Bを起動させ、所定のURLを入力するなどして画像管理サーバ2に対するアクセスが行われた場合、携帯端末3のディスプレイには、適宜、ログイン画面がWebブラウザ3Bにより表示される。
ユーザIDとパスワードを用いたログイン操作が行われた場合、携帯端末3のディスプレイには、画像管理サーバ2から送信されてきた情報に基づいて、画像提供サービスを利用するためのマイページ画面などの画面が表示される。
このように、ユーザは、専用アプリケーション3A経由で、または、Webブラウザ3B経由で、画像提供サービスを利用し、ゲーム中に作成した編集画像や、編集画像の元になった撮影画像を受け取ることができる。
<変形例>
フォトプリ画像を構成する画像のうち、編集画像の部分だけが画像管理サーバ2に対して送信され、利用者に対して提供されるものとしたが、フォトプリ画像のまま、利用者に対して提供されるようにしてもよい。
この場合、フィルタ処理が施された編集画像を用いたフォトプリ画像は、シール紙363に対して印刷する場合にのみ用いられ、画像管理サーバ2に対して送信する画像としては用いられない。画像管理サーバ2に対しては、フィルタ処理が施されていない編集画像を用いたフォトプリ画像が送信される。
6種類のフィルタ処理の内容が、ゲーム毎にランダムに選択されるようにしてもよいし、予め決められた順に選択されるようにしてもよい。
図18に示す加工選択画面においては、画像表示部561に1枚のフォトプリ画像が表示されるものとしたが、各フィルタ処理の内容が反映されたフォトプリ画像が一覧表示されるようにしてもよい。利用者は、それぞれのフォトプリ画像を見て、好みのフィルタ処理を選択することができる。
フィルタ処理の内容を選択する代わりに、編集コンテンツ(メイクの内容)、画像サイズ、背景コンテンツ、画像の写り、レタッチ処理の内容(目の大きさ)、画像の明るさを選択するようにしてもよい。
フォトプリ画像の印刷に用いられる印刷媒体がシール紙363であるものとしたが、紙製のカード、樹脂製のカードなどの、シール紙以外の印刷媒体に対してフォトプリ画像が印刷されるようにしてもよい。
フィルタ処理の選択内容がシール紙363に印刷する画像に対して反映され、画像管理サーバ2に対して送信する画像に対して反映されないものとしたが、反対に、フィルタ処理の選択内容がシール紙363に印刷する画像に対して反映されず、画像管理サーバ2に対して送信する画像に対して反映されるようにしてもよい。
フィルタ処理の選択内容についての反映のあり/なしが、シール紙363を出力先とする場合と画像管理サーバ2を出力先とする場合とで切り替えられるものとしたが、シール紙363を出力先とする場合と、タブレット内蔵モニタ131などのディスプレイを出力先とする場合とで切り替えるといったように、他の出力先に応じて切り替えられるようにしてもよい。
フィルタ処理の選択内容について、シール紙363を出力先とする場合と画像管理サーバ2を出力先とする場合とのいずれの場合にも反映されるようにしてもよい。
この場合、例えば、シール紙363を出力先とする場合と画像管理サーバ2を出力先とする場合とで、フィルタ処理に用いるトーンカーブが切り替えられるといったように、フィルタ処理の内容が出力先に応じて切り替えられる。また、シール紙363を出力先とする場合とディスプレイを出力先とする場合とで、フィルタ処理の内容が切り替えられる。
このように、フィルタ処理の内容を規定するパラメータを、出力先に応じて切り替えるようにすることも可能である。
フィルタ処理の内容を規定するパラメータについては出力先に応じて切り替え、編集に用いる合成用画像(コンテンツ)の色味などを規定するパラメータについては、出力先に応じて切り替えないようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる図10に示されるリムーバブルメディア319に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM312や記憶部316に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。