JP7289690B2 - 扁平形電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、扁平形電池及びその製造方法に関する。
一般的に、ボタン形電池などの扁平形電池は、底部及び筒状側壁部を有する有底筒状の外装缶と、平面部及び周壁部を有する有底筒状の封口缶とを備え、封口缶が逆皿状に外装缶の開口を覆って内部空間を形成し、この内部空間に電極体を配置した構成となっている。また、扁平形電池は、外装缶と封口缶とを封止することによって内部空間が気密及び液密になっており、外部から内部空間へ水分が侵入することを防止し、また、内部空間に注入されている電解液が外部へ漏洩することも防止している。
このような外装缶と封口缶とを封止する方法として、以下のものが挙げられる。
例えば、従来、特開2017-143071号公報(特許文献1)は、外装缶の筒状側壁部の内方に封口缶の周壁部を嵌め込む際、筒状側壁部と周壁部との間に絶縁ガスケットを挟み込んでカシメる方法を開示している。カシメによる封止をより強化するため、封口缶の周壁部は、周壁部の先端側の内径が基端側の内径よりも大きくなるように段状に形成されている。すなわち、筒状側壁部と周壁部は、段状に形成された周壁部121の水平面に対して筒状側壁部の先端側を押し付けながらカシメられている。これにより、外装缶と封口缶は、強力に固定され、電極体が収容された内部空間の封止性(気密性及び液密性)を確保するとともに、内部空間のガス膨張等による互いの脱落を防止している。
また、特開平7-272703号公報(特許文献2)は、絶縁ガスケットの底部を外装缶の底面に向かって凸形に形成することにより、電池を液密に封口して耐漏液性及び放電特性を向上させたボタン形空気電池を開示している。
しかしながら、特許文献1に記載の絶縁ガスケットと特許文献2に記載の絶縁ガスケットとは、外装缶の筒状側壁部と封口缶の周壁部との間に挟み込まれる前に、予め成形しておく必要があった。すなわち、従来の扁平形電池は、その製造工程において、事前に、絶縁ガスケットを成形する工程を含む必要があった。また、扁平形電池は、種々の形状やサイズのものがある。そのため、絶縁ガスケットも、扁平形電池の形状やサイズに応じて各種成形する必要があった。さらに、各絶縁ガスケットを成形するための成形用金型も、各種準備する必要があった。このように、従来の扁平形電池は、その製造工程において、事前に絶縁ガスケットを成形しておく必要があったため、扁平形電池の製造効率を低下させるだけでなく、扁平形電池の製造に掛かるコスト負担を増大させていた。
また、外装缶の筒状側壁部と封口缶の周壁部とをカシメる際、そのカシメ圧力が不足すると、扁平形電池の内部空間の封止性が不十分になってしまう。そのため、扁平形電池の外部から内部空間に水分が侵入して電解液などの構成要素と反応し、電池の特性を劣化させたり、扁平形電池の内部空間から外部に電解液が漏れたりするという問題があった。
また、外装缶の筒状側壁部と封口缶の周壁部とをカシメる際、そのカシメ圧力が強すぎると、封口缶を必要以上に変形させてしまう。そのため、封口缶内に収容された電極体が、封口缶によって圧迫され、欠けや割れなどの損傷を生じるおそれがあるという問題があった。
特開2017-143071号公報 特開平7-272703号公報
そこで、本開示は、十分な封止性を確保できる扁平形電池及びその製造方法を提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、本開示は次のように構成した。すなわち、本開示に係る扁平形電池は、底部と、筒状側壁部とを有する外装缶と、周壁部を有し、外装缶の開口を覆う封口缶と、外装缶と封口缶との間に配置され、正極材及び負極材を有する電極体と、外装缶と封口缶との間を封止する封止樹脂層とを備える。外装缶は、底部の内面側に、底部と一体的に形成され、底部を外装缶の内側に凸状に湾曲させた堤部を備えている。堤部は、外装缶の底部の内面側に配置した電極体の外側を囲んでいる。封口缶の周壁部は、外装缶の開口を覆った状態で、周壁部の先端部が外装缶の筒状側壁部と堤部との間に位置付けられ、周壁部の先端部が堤部の頂点よりも低くなるように位置付けられる。封止樹脂層は、筒状側壁部及び周壁部の間隙から周壁部及び前記堤部の間隙にかけて形成されている。
かかる構成により、本開示に係る扁平形電池は、筒状側壁部及び周壁部の間隙から周壁部及び堤部の間隙にかけて形成された封止剤により、十分な封止性を確保することができる。
また、好ましくは、扁平形電池は、堤部が、外装缶の底部の厚みに対し、底部内面から2~3倍の高さを有する。
かかる構成により、外装缶の底部の厚みに対して無理なく底部を湾曲させ、容易に堤部を形成することができる。
また、好ましくは、扁平形電池は、堤部と周壁部との径方向における重なりが、堤部の高さに対して30~70%の幅を有する。
かかる構成により、周壁部の先端側の内側面及び外側面を覆うように封止剤を形成することができるため、より確実な封止性を確保することができる。
また、好ましくは、扁平形電池は、封口缶の周壁部が、周壁部の基端側から先端側にかけて外側に開くテーパ状である。
かかる構成により、周壁部と、その外側で形成された封止剤との間で、テーパ嵌合によるいわゆるくさび作用が生じる。したがって、外装缶及び封口缶をより強力に固定でき、封口缶が外装缶から脱落するのを防止できる。
さらに、本開示に係る扁平形電池の製造方法は、底部と、筒状側壁部とを有する外装缶と、周壁部を有し、外装缶の開口を覆う封口缶と、外装缶と封口缶との間に配置され、正極材及び負極材を有する電極体と、を備える扁平形電池の製造方法である。扁平形電池の製造方法は、外装缶の底部内面側に、電極体の外側を囲む凸状の堤部を底部と一体的に形成する工程と、堤部と外装缶の筒状側壁部との間に形成された凹状の溝部に液状乃至ゲル状の封止剤を塗布する工程と、筒状側壁部と堤部との間に周壁部の先端部を位置付けて外装缶と封口缶とを嵌め合わせ、筒状側壁部の内側面と周壁部の外側面との間に封止剤を伸展させる工程と、封止剤を硬化させ封止樹脂層を形成する工程と、を含む。
これにより、十分な封止性を確保した扁平形電池を製造することができる。
図1は、本実施形態に係る扁平形電池の構造を示す断面図である。 図2は、扁平形電池の周壁部と封止剤層との関係を示す断面図である。 図3は、扁平形電池の製造工程を示す断面図である。 図4は、扁平形電池の製造工程を示す断面図である。 図5は、扁平形電池の製造工程を示す断面図である。 図6は、扁平形電池の製造工程を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態に係る扁平形電池1を図1及び2を用いて具体的に説明する。図1に示すように、扁平形電池1は、基本的には、外装缶2と、外装缶2の開口を覆う封口缶3と、外装缶2と封口缶4との間に配置された電極体4と、外装缶と封口缶との間を封止する封止樹脂層5とを備えている。
外装缶2は、ステンレスなどの金属材料からなり、プレス成形によって有底筒状に形成されている。外装缶2は、円形状の底部21と、底部21の外周から連続して形成される円筒状の筒状側壁部22と、底部21から内面側に凸状となるように形成された堤部23とを備える。筒状側壁部22は、縦断面視で、底部21に対して略垂直に延びるように設けられている。
堤部23は、外装缶2をプレス成形する際に、外装缶2の底部21を内側に湾曲させて底部21から凸状となるように形成される。堤部23は、外装缶2の底部21の内面側に載置された電極体4の外側を囲む円環状である。外装缶2は、その底部21の周縁部に、筒状側壁部22と底部21と堤部23によって囲まれた凹状の溝部24が形成されている。
また、堤部23は、底部21の内面から所定の高さHを有する。堤部23の高さHは、凹状の溝部24に塗布された液状乃至ゲル状の封止剤が堤部23よりも電極体4が配置された内側に流出しない程度の高さであり、且つ、堤部23をプレス成形するのを容易にする高さである。具体的には、堤部23の高さHは、外装缶2の厚みtに対して、下限が2倍、好ましくは2.2倍、より好ましくは2.4倍とするのがよく、上限が3倍、好ましくは2.8倍、より好ましくは2.6倍とするのがよい。なお、液状乃至ゲル状の封止剤についての詳細は後述する。
封口缶3は、ステンレスなどの金属材料からなり、プレス成形によって有底円筒状に形成されている。封口缶3は、円形状の平面部31と、平面部31の外周から連続して形成される円筒状の周壁部32とを備える。
周壁部32は、封口缶3が外装缶2の開口を覆った状態で、外装缶2の筒状側壁部22と堤部23の間に位置付けられている。また、周壁部32の先端部は、堤部23の頂点よりも低く位置付けられている。このため、封口缶2の周壁部32の先端側は、径方向において堤部23との重なりを有している。この重なりの幅Wは、堤部23の高さHに対して30%~70%の幅である。また、重なりの幅Wは、下限が、堤部23の高さHに対して、好ましくは35%、より好ましくは40%とするのがよく、上限が、堤部23の高さHに対して、好ましくは65%、より好ましくは60%とするのがよい。
また、周壁部32は、平面部31側の基端側から先端側にかけて外側に開くテーパ状に形成されている。周壁部32は、基端側から先端側にかけて、周壁部32全体の先端部から4/5程度の範囲がテーパ状に形成されている。
電極体4は、発電要素として、正極材41、負極材42並びに正極材41及び負極材42に挟まれた電解質43を備える。正極材4は、正極活物質等を円柱状に成形した正極ペレットであり、正極活物質として、例えばリチウム一次電池の場合には二酸化マンガン、フッ化黒鉛、硫化鉄などを含有している。正極材41は、外装缶2の底部21の内面に載置されている。よって、外装缶2は、正極缶として機能する。負極材42は、例えばリチウム一次電池の場合には負極活物質の金属リチウム又はリチウム合金を円柱状に成形した箔状物である。よって、封口缶2は、負極缶として機能する。電解質43は、図示されていないセパレータの空孔内に保持された電解液であってもよく、また、固体電解質やポリマー電解質であってもよい。電解質43は、セパレータの保持された状態で、あるいは、それ単独で正極材41と負極材42との間に挟み込まれている。なお、電極体4は、扁平形電池1(一次電池または二次電池)に収容される周知の電極体4であってもよい。そのため、電極体4の詳細な説明は、省略する。
封止樹脂層5は、外装缶2の筒状側壁部22及び封口缶2の周壁部32の間隙から周壁部32及び外装缶2の堤部23の間隙にかけて、液状乃至ゲル状の封止剤が硬化して形成されている。封止樹脂層5を形成するための封止剤には、封止性に優れ水分透過性の低い樹脂層を形成可能な、所定の粘度を有する樹脂組成物が用いられる。封止剤としては、溝部24に塗布したのち硬化させることができるものであれば特に限定はされず、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、自然硬化性樹脂など硬化性の樹脂組成物が例示され、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂などの組成物を用いることができる。
なお、外装缶2及び封口缶3は、上述の通り、通常、ステンレス等の金属素材によって形成されている。加熱時、金属製の外装缶2及び封口缶3に熱が伝わりやすく、樹脂組成物を硬化させやすいため、封止剤は、熱硬化樹脂組成物とするのが好ましく、耐水性や硬化後の接着性などの点から、耐硫化シリコーンRTVゴムが好ましく用いられる。これにより、封止剤は、均一に硬化され、より優れた封止性を実現することができる。
また、電解質43が固体電解質である場合には、イオン伝導性が高い硫化物系の固体電解質が好ましく用いられる。この硫化物系の固体電解質は、水分との反応性が高い。そのため、外部から水分が侵入するのを防止すべく、より高い封止性が扁平形電池1に要求される。本開示に係る扁平形電池1は、優れた封止性を実現することができるため、電解質43として硫化物系の固体電解質を用いる場合に好ましく適用することができる。
また、封止剤は、外装缶2の凹状の溝部24に液状乃至ゲル状の状態で塗布されたのち、外装缶2に封口缶3を嵌め合わせる際、封口缶3の周壁部32の先端部によって圧迫され、周壁部32と筒状側壁部22との間に押し出されるように流れ込む。この状態で、さらに封止剤を硬化することによって、封止樹脂層5が形成される。なお、扁平形電池1の製造工程については、後に詳述する。
かかる構成の扁平形電池1によれば、封止樹脂層5は、筒状側壁部22及び周壁部32の間隙から周壁部32及び堤部23の間隙までを液状乃至ゲル状の状態の封止剤で満たしてから硬化することによって形成されるため、十分な封止性を確保することができる。そのため、筒状側壁部22を底面21に対して略垂直に延びるように形成し、外装缶2と封口缶3とを敢えてカシメる必要がなく、過剰なカシメ圧力による電極体4の損傷を防止することができる。また、事前に、予め絶縁ガスケットを形成しておく必要がなく、扁平形電池1の形状やサイズに応じた封止樹脂層5を形成することができる。また、凸状の堤部32を設けたことにより、封止剤が電極体4の方向へ流出するのを防止するとともに、封止を要する外装缶2の筒状側壁部22と封口缶3の周壁部32との間に適切に封止樹脂層5を位置付けさせることができる。また、外装缶2は、通常、金属製の板材をプレス加工によって形成されるが、その際、外装缶2の底部21を湾曲させて凸状の堤部23をプレス加工すればよく、効率的に堤部23を形成することができる。
また、堤部の高さHを外装缶2の底部21の厚みtに対して2~3倍の高さとしたことにより、外装缶2の底部21の厚みtに対して無理なく底部21を湾曲させ、容易に堤部23を形成することができる。また、堤部23は、液状乃至ゲル状の封止剤が堤部23を越えて電極体4が配置された内側へ流出しない十分な高さHを得ることができる。
また、周壁部32の先端側と堤部23と間に径方向における重なり(幅W)を設けたことにより、周壁部32の先端側の内側面及び外側面を覆うように封止剤を形成することができるため、より確実な封止性を確保することができる。
また、周壁部32を外側に開くテーパ状としたことにより、外装缶2と封口缶3とをより強力に固定することができる。具体的には、図2に示すように、扁平形電池1の内部空間でガスが発生した際、ガス膨張による径方向(矢印Aの方向)の力が生じる。周壁部32の外側面は、外側に傾斜する斜面であり、封止樹脂層5の内側面と接している。そのため、周壁部32と封止剤5とがテーパ嵌合していることにより、周壁部32と封止樹脂層5との間にいわゆるくさび作用が生じる。これにより、ガス膨張によって封口缶3が外装缶2から上方(矢印Bの方向)に脱落することをより強力に防止することができる。
その結果、カシメ作業を不要とすることができる。したがって、その分、扁平形電池1の製造効率を向上させることができる。また、扁平形電池1の製造コストを削減することができる。また、過剰なカシメ圧力によって周壁部32が必要以上に変形することがないため、電極体4の損傷を防止することができる。
また、周壁部32を周壁部32の基端側から先端側にかけて外側に開くテーパ状としたことにより、仮に周壁部32が縦断面視で垂直方向に延びている場合に比べ、周壁部32の先端側よりも内側に位置する堤部23から周壁部32の先端側までの距離間隔を広げることができる。したがって、外装缶2と封口缶3との接触による短絡を防止することができる。
また、扁平形電池1の製造方法については後述するが、液状乃至ゲル状の封止剤は、外装缶2に封口缶3を嵌め合わせる前に、外装缶2の筒状側壁部22と堤部23との間に予め塗布される。周壁部32は、外側に開くテーパ状であるため、周壁部22の先端側から基端側に向かって筒状側壁部22と周壁部32との距離間隔が徐々に広がっている。また、筒状側壁部22と周壁部32との距離間隔は、周壁部22の先端部のところで最も狭くなっている。そのため、封止剤に向けて封口缶2の周壁部32の先端側を挿入すると、この最も狭くなっている周壁部22の先端部と筒状側壁部22との間で封止剤が圧迫されて周壁部32の基端側へと勢いよく流れ込む。これにより、液状乃至ゲル状の封止剤は、周壁部32の基端側に向かって伸展しやすくなる。逆に、液状乃至ゲル状の封止剤は、堤部23が形成された方向には流れにくくなり、堤部23を越えて電極体4が配置された内側へ流出されにくくなる。このように、周壁部23は、外側に開くテーパ状に形成されたことにより、筒状側壁部22及び周壁部32の間隙並びに周壁部32及び堤部23の間隙に封止剤を適切に充填させることができる。
(変形例)
外装缶2の堤部23は、円環状に限られず、扁平形電池1の平面視による形状又は電極体4の形状に応じて種々変更可能である。例えば、扁平形電池1が四角柱状である場合、堤部23も平面視において四角環状に形成することができる。なお、堤部23の平面視形状は、凹状の溝部24と電極体4を載置する内側とを仕切ることができれば、扁平形電池1の平面視形状に沿う必要もなく、特に限定されない。
また、堤部23は、液状乃至ゲル状の封止剤が堤部23よりも内側へ流出するのを防止するため、底部21から凸状に突出し、底部21と一体的に形成されていればよく、外装缶2の底部21を湾曲して形成された堤部23に限定されるものではない。例えば、底部21が湾曲せずに平面となるように形成され、その内面側に別体で突起を設ける等であってもよい。
封口缶3の周壁部32は、先端側の内径が基端側の内径よりも大きくなるように段状に形成してもよい。かかる構成によっても、周壁部32の先端側と堤部23との距離間隔を広げることができ、外装缶2と封口缶3との接触による短絡を防止することができる。この段状に形成された周壁部32には、段状の水平面を介して上側垂直面と下側垂直面とが形成される。上側垂直面と下側垂直面は、その両方を外側に開くテーパ状としてもよく、上面垂直面又は下側垂直面の一方のみを外側に開くテーパ状としてもよい。この際、少なくとも、液状乃至ゲル状の封止剤に挿入される下側垂直面のみを外側に開くテーパ状に形成すれば、周壁部32をテーパ状に形成したことによる上述の効果を得ることができる。なお、周壁部32を段状に形成した場合、選択的に、外装缶2と封口缶3とをカシメることも可能である。また、周壁部32は、テーパ状に形成せずに、基端部から先端部にかけて略垂直に延びるように形成してもよい。これによっても、筒状側壁部22と周壁部32との間隙に封止剤5を形成することにより、外装缶2と封口缶3とを十分に封止することができる。
また、周壁部32は、基端部から先端部まで全体をテーパ状にしてもよく、上述の実施形態のように、先端側の一部をテーパ状にしてもよい。周壁部32をテーパ状に形成したことによる上述の効果を得るという観点からすれば、周壁部23全体のうち、周壁部23の先端部から少なくとも1/2までの範囲をテーパ状とするのが好ましく、少なくとも2/3までの範囲をテーパ状とするのがより好ましい
正極材41は、発電要素のうち正極として機能することができれば、上述の構成に限定されない。例えば、正極材41は、リチウム二次電池の場合には、正極活物質として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム複合酸化物が例示される。
負極材5は、発電要素のうち負極として機能することができれば、上述の構成に限定されない。例えば、負極材42は、リチウム二次電池の場合には、負極活物質として、ソフトカーボンやハードカーボンといった低結晶性の炭素材料や、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料などの炭素質材料、Si、Snなどのリチウムと合金化する元素やその酸化物などが例示される。
また、外装缶2側に負極材42を配置し、封口缶3側に正極材41を配置してもよい。この場合、外装缶2が負極缶として機能し、封口缶3が正極缶として機能する。
次に、扁平形電池1の製造方法について、図3~6を用いて具体的に説明する。
(第1工程)
まず、外装缶2をプレス加工する際、凸状の堤部23を外装缶2の底部21内面側に形成する。堤部23は、底部21を内面方向に湾曲させて凸状にし、底部21内面の外周端に沿って平面視円環状に形成される。堤部23の高さは、上述の通りである。これにともない、外装缶2の筒状側壁部22と堤部23との間に、底部21内面の外周端に沿う凹状の溝部24が形成される。なお、上述の通り、堤部23の平面視形状は、円環状に限定されない。
(第2工程)
次に、図3に示すように、外装缶2の溝部24に液状乃至ゲル状の封止剤Xを塗布する。この際、液状乃至ゲル状の封止剤Xは、堤部23から内側に越えないように塗布される。液状乃至ゲル状の封止剤Xは、ディスペンサーから射出されて塗布される。液状乃至ゲル状の封止剤Xは、溝部24の方向にディスペンサーの射出孔を向け、平面視において円環状の溝部24に沿うように回転させながら、或いは、ディスペンサーの射出孔を溝部24の方向に向けて固定し、外装缶2を径方向に回転させながら、塗布される。
(第3工程)
次に、図4に示すように、電極体4を配置する。電極体4は、外装缶2の開口側から挿入され、堤部23の内側に位置付けられながら、底面21の内面に載置される。電極体4は、外装缶2の底部21側に正極体41が配置され、封口缶3の平面部31側に負極体42が配置される。また、電極体4は、正極体41と負極体42との間に電解質43を挟み込んで積層されている。ここで、堤部23は、電極体4が底面21の上面で径方向に移動するのを抑止する保持部として、位置決め機能も有している。
(第4工程)
次に、図5に示すように、外装缶2の内側に封口缶3を嵌め込む。周壁部32、特に周壁部32の先端側は、筒状側壁部22と堤部23との間に位置付けられている。周壁部22の先端部が堤部23の頂点よりも低くなるまで封口缶3を押し込む。この際、外装缶2の下方(図中、矢印Cの方向)と封口缶3の上方(図中、矢印Dの方向)から押圧しながら、筒状側壁部22と周壁部32との間隙に液状乃至ゲル状の封止剤Xを伸展させる。なお、周壁部32を外側に開くテーパ状としたことにより、封止剤Xが筒状側壁部22と周壁部32との間隙に伸展しやすくなるのは、上述の通りである。
(第6工程)
最後に、図6に示すように、筒状側壁部22と周壁部23との間隙において、周壁部23の基端側にまで液状乃至ゲル状の封止剤Xを伸展させる。その後、外装缶2の下方(図中、矢印Cの方向)と封口缶3の上方(図中、矢印Dの方向)から適切な押圧力を加えた状態で、扁平形電池1を乾燥炉内に入れ、封止剤Xを硬化させる。なお、外装缶2の上方及び封口缶3の下方から押圧するのは、粘性を有する封止剤Xの反発によって封口缶3が浮き上がるのを防止するためである。この際、短絡を防止するため、周壁部23の先端部が外装缶2の底部21の内面に接触しない程度に、適切に押圧力を加えることを要する。また、本実施形態において、乾燥炉は、温度管理ができる恒温槽である。扁平形電池1は、乾燥炉内で、およそ80~200℃の温度環境下において、60~180分程度保持される。これにより、封止剤Xが硬化され、封止樹脂層5が形成される。なお、封止剤Xを硬化させる方法は、これに限定されず、液状乃至ゲル状の封止剤Xを硬化させることができればよい。
かかる扁平形電池1の製造方法によれば、予め絶縁ガスケットを形成しておく必要がなく、また、扁平形電池1の形状やサイズに応じた封止樹脂層5を容易に形成することができる。したがって、従来の製法に比べ、扁平形電池1の製造効率を向上させることができ、また、製造コストを削減することができる。また、カシメ作業が不要でありながら、十分な封止性を確保した扁平形電池1を製造することができる。また、外装缶2をプレス加工によって形成する際に凸状の堤部23も形成することができ、堤部23を形成するために別途作業工程を設ける必要がない。
なお、第2工程と第3工程において、電極体4を配置する前に液状乃至ゲル状の封止剤Xを塗布するのは、ディスペンサーの射出孔から溝部24に向けて液状乃至ゲル状の封止剤Xを塗布しやすくするためである。そのため、電極体4を配置したあとに液状乃至ゲル状の封止剤Xを塗布することができれば、第2工程と第3工程の手順を入れ替えることは可能である。
また、第2工程において塗布される液状乃至ゲル状の封止剤Xの量は、扁平形電池1の形状又はサイズに応じて種々変更されるものであって、特に限定されるものではない。
また、液状乃至ゲル状の封止剤Xは、ディスペンサーによる塗布だけでなく、例えば、スタンプによって塗布することもできる。液状乃至ゲル状の封止剤Xを溝部24に塗布することができれば、その方法は限定されない。
1 扁平形電池
2 外装缶、21 底部、22 筒状側壁部、23 堤部、24 溝部
3 封口缶、31 平面部、32 周壁部
4 電極体、41 正極材、42 負極材、43 電解質
5 封止樹脂層

Claims (5)

  1. 底部と、前記底部の外周から連続して形成される筒状側壁部とを有する外装缶と、
    周壁部を有し、前記外装缶の開口を覆う封口缶と、
    前記外装缶と前記封口缶との間に配置され、正極材及び負極材を有する電極体と、
    前記外装缶と前記封口缶との間を封止する封止樹脂層とを備え、
    前記外装缶は、前記底部の内面側に、前記底部と一体的に形成され、該底部を外装缶の内側に凸状に湾曲させた堤部を備え、
    前記堤部は、前記外装缶の底部の内面側に配置した電極体の外側を囲み、
    前記封口缶の周壁部は、前記外装缶の開口を覆った状態で、該周壁部の先端部が前記外装缶の筒状側壁部と堤部との間に位置付けられ、該周壁部の先端部が前記堤部の頂点よりも低くなるように位置付けられ、
    前記封止樹脂層は、前記筒状側壁部及び前記周壁部の間隙から前記周壁部及び前記堤部の間隙にかけて形成されていることを特徴する扁平形電池。
  2. 請求項1に記載の扁平形電池であって、
    前記堤部は、前記外装缶の底部の厚みに対し、該底部内面から2~3倍の高さを有する扁平形電池。
  3. 前記請求項1又は2に記載の扁平形電池であって、
    前記堤部と前記周壁部との径方向における重なりは、該堤部の高さに対して30%~70%の幅を有する扁平形電池。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の扁平形電池において、
    前記封口缶の周壁部は、該周壁部の基端側から先端側にかけて外側に開くテーパ状である扁平形電池。
  5. 底部と、前記底部の外周から連続して形成される筒状側壁部とを有する外装缶と、
    周壁部を有し、前記外装缶の開口を覆う封口缶と、
    前記外装缶と前記封口缶との間に配置され、正極材及び負極材を有する電極体と、を備える扁平形電池の製造方法であって、
    前記外装缶の底部内面側に、前記電極体の外側を囲む凸状の堤部を該底部と一体的に形成する工程と、
    前記堤部と前記外装缶の筒状側壁部との間に形成された凹状の溝部に液状乃至ゲル状の封止剤を塗布する工程と、
    前記筒状側壁部と前記堤部との間に前記周壁部の先端部を位置付けて前記外装缶と封口缶とを嵌め合わせ、前記筒状側壁部の内側面と前記周壁部の外側面との間に前記封止剤を伸展させる工程と、
    前記封止剤を硬化させ封止樹脂層を形成する工程と、を含む扁平形電池の製造方法。
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