JP7289181B2 - 織物、及び、インテリア部材 - Google Patents

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Description

本発明は、2枚の生地が部分的に接結された二重組織などの織物、複数枚の生地が部分的に接結された多重組織などの織物、及び、これらの織物を用いたインテリア部材に関する。
従来、熱変色性布帛が知られている(特許文献1)。
この熱変色性布帛は、可視光の透過率が20乃至70%の範囲にある布帛から選ばれる布帛表面に図柄層を形成すると共に、前記図柄層を温度変化により隠顕させる熱変色性隠蔽層を重ね刷りしてなる、可視光の透過率が20乃至70%の範囲にある。
特開平9-95876号公報
しかしながら、特許文献1に記載された熱変色性布帛は、熱変色性隠蔽層が、ベタ印刷やスプレ―塗装等にて布帛表面の図柄層に重ね刷りする分だけ、製造効率が下がり、コストの上昇を招く。
又、特許文献1の熱変色性布帛は、熱変色性隠蔽層が重ね刷りされるため、当該布帛の使用中に脱落する虞れがあり、熱変色性隠蔽層が脱落した場合には変色しないため、図柄の変化が安定しない。
更に、特許文献1の熱変色性布帛は、その熱変色性隠蔽層に熱を加えなければ変色しないため、仮にカーテン等の内装材に用いたとしても、その内装材を用いた室内等全体を暖房・冷房する必要があり、実際には、人の体温にて暖め得る人形用ドレスなどに用途が限定される。
そこで、本発明は、一方の生地などに、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうち1つの組織と擬紗組織とを有したり、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうち1つの組織と擬紗組織との境界部に平織組織などを有したり、一方の生地などにおける高透過率部の高透過率と低透過率部の低透過率との透過率差を3%以上などとする等により、「製造効率の向上・コストの低減」、「図柄変化の安定性向上」等を実現できる織物、及び、インテリア部材を提供することを目的とする。
本発明に係る織物1は、2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物、又は、2枚の生地が部分的に接結された織物(擬紗組織の組織ズレ部分を表組織と裏組織で相反する位置にずらした2重織組織とした織物を除く)であって、前記2枚の生地のうち一方の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、前記2枚の生地のうち他方の生地は、擬紗組織を有していることを第1の特徴とする。
尚、本発明における「2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物」とは、後述する透過率について、2枚の生地における一方の生地と他方の生地を分けて、それぞれの透過率を測定できる織物(つまり、一方の生地と他方の生地それぞれが分かれている部分(連続して接結されていない部分)における高透過率部4及び/又は低透過率部5の少なくとも1つが、透過率を測定する測定装置において織物の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部(孔部の面積)全てを占められる織物)であり、一方の生地と他方の生地の2枚の生地が重なって見える2枚様の織物(二重組織の織物)であるとも言える(図14参照)。
一方、本発明における「2枚の生地が部分的に接結された織物」とは、上述した「2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物」を含む他、後述する透過率について、2枚の生地における一方の生地と他方の生地を分けて、高透過率部4と低透過率部5それぞれの透過率を測定できない織物(つまり、一方の生地と他方の生地それぞれが分かれている部分(連続して接結されていない部分)における高透過率部4及び/又は低透過率部5の何れもが、透過率を測定する測定装置において織物の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部(孔部の面積)全てを占められない織物)も含み、この場合、一方の生地と他方の生地があたかも1枚の生地のように見える1枚様の織物であるとも言える(図15参照)。
以下、本発明における「2枚の生地が部分的に接結された織物」とは、主に、2枚の生地における一方の生地と他方の生地を分けて、何れの高透過率部4や低透過率部5の透過率も測定できない織物として述べる。
本発明に係る織物1の第2の特徴は、2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物、又は、2枚の生地が部分的に接結された織物であって、前記2枚の生地のうち一方の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有し、前記2枚の生地のうち他方の生地は、擬紗組織を有している点にある。
本発明に係る織物1の第3の特徴は、2枚の生地が部分的に接結された1枚様の織物であって、前記2枚の生地のうち一方の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、又は、前記2枚の生地のうち一方の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有していて、前記2枚の生地のうち他方の生地は、擬紗組織を有している点にある。
本発明に係る織物1の第4の特徴は、上記第1~3の特徴に加えて、前記一方の生地は、高透過率部と低透過率部を備えていて、前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、3%以上である、当該織物の前記高透過率部と前記低透過率部の透過率を測定する測定装置において当該織物の把持治具には透過率測定用の孔部が設けられ、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記高透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記高透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記高透過率部の高透過率とした場合と、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記低透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記低透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記低透過率部の低透過率とした場合の少なくとも何れか一方となっていて、前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である、及び/又は、前記2枚の生地を重ねた状態における前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である点にある。
尚、この特徴とは、本発明に係る織物1が、「高透過率部の高透過率と低透過率部の低透過率との透過率差は、3%以上である」状態と、「当該織物の前記高透過率部と前記低透過率部の透過率を測定する測定装置において当該織物の把持治具には透過率測定用の孔部が設けられ、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記高透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記高透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記高透過率部の高透過率とした場合と、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記低透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記低透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記低透過率部の低透過率とした場合の少なくとも何れか一方となっていて、前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である」状態と、「2枚の生地を重ねた状態における高透過率部の高透過率と低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である」状態の3つの状態のうち、少なくとも何れか1つの状態となることを意味する。
本発明に係る織物1の第5の特徴は、上記第4の特徴に加えて、前記低透過率部の低透過率は、19.5%以下であり、前記2枚の生地のうち他方の生地は、そのカバーファクターが、1170以上5000以下である点にある。
本発明に係る織物1の第6の特徴は、複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物、又は、複数枚の生地が部分的に接結された織物(擬紗組織の組織ズレ部分を表組織と裏組織で相反する位置にずらした多重織組織とした織物を除く)であって、前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、前記複数枚の生地のうち最も他方外側の生地は、擬紗組織を有している点にある。
本発明に係る織物1の第7の特徴は、複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物、又は、複数枚の生地が部分的に接結された織物であって、前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有し、前記複数枚の生地のうち最も他方外側の生地は、擬紗組織を有している点にある。
本発明に係る織物1の第8の特徴は、複数枚の生地が部分的に接結され、且つ、前記複数枚の生地のうち少なくとも1組の隣接する2枚の生地が1枚様の織物であって、前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、又は、前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有していて、前記複数枚の生地のうち最も他方外側の生地は、擬紗組織を有している点にある。
尚、本発明における「複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物」とは、後述する透過率について、複数枚の生地のうち少なくとも隣接する2枚の生地を分けて、それぞれの透過率を測定できる織物(つまり、当該隣接する2枚の生地それぞれが分かれている部分(連続して接結されていない部分)における高透過率部4及び/又は低透過率部5の少なくとも1つが、透過率を測定する測定装置において織物の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部(孔部の面積)全てを占められる織物)であり、当該隣接する2枚の生地を含む複数枚の生地が重なって見える多数枚様の織物(多重組織の織物)であるとも言える(図14参照)。
一方、本発明における「複数枚の生地が部分的に接結された織物」とは、上述した「複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物」を含む他、後述する透過率について、複数枚の生地のうち少なくとも隣接する2枚の生地を分けて、高透過率部4と低透過率部5それぞれの透過率を測定できない織物(つまり、当該隣接する2枚の生地それぞれが分かれている部分(連続して接結されていない部分)における高透過率部4及び/又は低透過率部5の何れもが、透過率を測定する測定装置において織物の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部(孔部の面積)全てを占められない織物)も含み、この場合、少なくとも当該隣接する2枚の生地はあたかも1枚の生地のように見え、少なくとも1組の隣接する2枚の生地が1枚様の織物とも言える(図15参照)。
以下、本発明における「複数枚の生地が部分的に接結された織物」とは、主に、複数枚の生地のうち少なくとも隣接する2枚の生地を分けて、何れの高透過率部4や低透過率部5の透過率も測定できない織物として述べる。
本発明に係る織物1の第9の特徴は、上記第6~8の特徴に加えて、前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、高透過率部と低透過率部を備えていて、前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、3%以上である、当該織物の前記高透過率部と前記低透過率部の透過率を測定する測定装置において当該織物の把持治具には透過率測定用の孔部が設けられ、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記高透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記高透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記高透過率部の高透過率とした場合と、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記低透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記低透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記低透過率部の低透過率とした場合の少なくとも何れか一方となっていて、前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である、及び/又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも前記高透過率部と低透過率部を備えた生地とその他の生地の2枚の生地を重ねた状態における前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である点にある。
これらの特徴により、2枚の生地のうち一方の生地(裏地)2Aに、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを設けることによって、裏地2Aにおける擬紗組織が後述の高透過率部4を形成し、それ以外の組織が後述の低透過率部5を形成することが出来、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、低透過率部5となる組織が、2枚の生地のうち他方の生地(表地)2Bに投影される柄となって浮かび上がる。つまり、裏地2A側からの透過光の有無によって、表地2B側から見える柄を大きく変化させることが可能となり、織物1の意匠バリエーションを豊かなものとすることが出来る。
このため、特許文献1とは異なり、熱変色性隠蔽層を重ね刷りせずとも、柄を変化させることとが可能となって、熱変色性隠蔽層を重ね刷りしない分だけ工程が減るため、製造効率が上がり、コストの低減が図れる。
これと同時に、熱変色性隠蔽層が脱落する虞れがなく、図柄変化の安定性が向上すると共に、熱変色性隠蔽層のように熱を加える必要がないため、室内等の冷暖房や人の体温による暖め等の制限がなくなり、様々な種類のインテリア部材100に幅広く用いることが可能となる。
又、裏地2Aにおいて、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と擬紗組織との境界部3に、平織組織及び/又は繻子織組織を設けることによっても、裏地2Aにおける擬紗組織が後述の高透過率部4を形成し、それ以外の組織が後述の低透過率部5を形成することが出来、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、低透過率部5となる組織が表地2Bに投影されて、柄がより鮮明に浮かび上がる。このように、境界部3を持つことで、裏地2A側からの透過光の有無で、表地2B側から見える柄を更に大きく変化させ、織物1の意匠バリエーションをより豊かに出来る。
このため、特許文献1とは異なり、「製造効率の向上・コストの低減」、「図柄変化の安定性向上」、「用途の拡充」が図れる。
更に、2枚の生地のうち他方の生地(表地)2Bに、平織組織及び/又は擬紗組織を設けることによって、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、低透過率部5となる組織が表地2Bに投影されて、柄が鮮明に浮かび上がり易くなる。
尚、裏地2Aに設けた高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との透過率差ΔTを3%以上としても良い。
これらの特徴により、2枚の生地のうち一方の生地(裏地)2Aに設けた高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との透過率差ΔTを3%以上としたり、裏地2Aの何れの箇所においても把持治具の孔部全てを高透過率部4のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が高透過率部4で占められる際に孔部内の透過率Tを高透過率部4の高透過率TH とした場合と、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを低透過率部5のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる際に孔部内の透過率Tを低透過率部5の低透過率TL とした場合の少なくとも何れか一方となっていて、高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との透過率差ΔTを1%以上としたり、2枚の生地を重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との透過率差ΔTを1%以上とすることによって、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、低透過率部5が、2枚の生地のうち他方の生地(表地)2Bに投影された柄が浮かび上がる。つまり、裏地2A側からの透過光の有無によって、表地2B側から見える柄を大きく変化させることが可能となり、織物1の意匠バリエーションを豊かなものとすることが出来る。
このため、特許文献1とは異なり、「製造効率の向上・コストの低減」、「図柄変化の安定性向上」、「用途の拡充」が図れる。
又、低透過率部5の低透過率TL を19.5%以下とすることによって、織物1の裏地2A側から光が透過して、表地2Bに浮かび上がる裏地2Aの低透過率部5による柄が更に明瞭となり、表地2B側の柄の変化もより大きなものとなる。
更に、2枚の生地のうち他方の生地(表地)2BのカバーファクターCFを1170以上5000以下とすることによって、織物1の裏地2A側から光が透過しない際には、裏地2Aの柄(低透過率部5)が表地2Bに浮かび上がらず、裏地2A側から光が透過した際には、裏地2Aの低透過率部5により形成される柄が表地2Bに浮かび上がり易くなる。
この他、多重組織などの織物1についても、複数枚の生地のうち最も一方外側の生地(最も裏側の生地)2Aや、複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地において設けた高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との透過率差ΔTを3%以上としたり、裏地2Aの何れの箇所においても把持治具の孔部全てを高透過率部4のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が高透過率部4で占められる際に孔部内の透過率Tを高透過率部4の高透過率TH とした場合と、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを低透過率部5のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる際に孔部内の透過率Tを低透過率部5の低透過率TL とした場合の少なくとも何れか一方となっていて、高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との透過率差ΔTを1%以上としたり、2枚の生地を重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との透過率差ΔTを1%以上としても良い。
この他、多重組織などの織物1についても、複数枚の生地のうち最も一方外側の生地(最も裏側の生地)2Aや、複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地において、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを設けたり、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と擬紗組織との境界部3に、平織組織及び/又は繻子織組織を設けても良い。
本発明に係るインテリア部材100は、上述の織物のうちの少なくとも1つを用いており、カーテン、ブラインド、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、ローマンシェード、間仕切り、壁装、緞子張り、床、天井、タペストリー、舞台幕、額装品及び照明カバーのうちの何れか1つであることを第1の特徴とする。
この特徴により、カーテン等のインテリア部材100に、上述の織物1を用いることによって、特許文献1とは異なり、熱変色性隠蔽層のように熱を加える必要がないため、室内等の冷暖房や人の体温による暖め等の制限がなくなり、「用途の拡充」が図れる。
本発明に係る織物、及び、インテリア部材によると、一方の生地などに、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうち1つの組織と擬紗組織とを有したり、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうち1つの組織と擬紗組織との境界部に平織組織などを有したり、一方の生地などにおける高透過率部の高透過率と低透過率部の低透過率との透過率差を3%以上などとする等により、「製造効率の向上・コストの低減」等を実現できる。
本発明に係る織物(インテリア部材)を例示する図面代用写真であって、裏地側から光が透過していない際の表地側の柄を示す。 本発明に係る織物(インテリア部材)を例示する図面代用写真であって、裏地側から光が透過した際の表地側の柄を示す。 本発明に係る織物における平織組織の一完全組織の例を示す組織図である。 本発明に係る織物における繻子織組織(緯繻子織組織)の一完全組織の例を示す組織図である。 本発明に係る織物における繻子織組織(経繻子織組織)の一完全組織の例を示す組織図である。 本発明に係る織物における斜文織組織の一完全組織の例を示す組織図である。 本発明に係る織物における斜子織組織の一完全組織の例を示す組織図である。 本発明に係る織物における擬紗組織の一完全組織の例1を示す組織図である。 擬紗組織の例1における隙間を示す概要図である。 本発明に係る織物における擬紗組織の一完全組織の例2を示す組織図である。 本発明に係る織物における擬紗組織の一完全組織の例3を示す組織図である。 本発明に係る織物における擬紗組織の一完全組織の例4を示す組織図である。 本発明に係る織物における擬紗組織の一完全組織の例5を示す組織図である。 本発明に係る織物(インテリア部材)のうち、2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物(複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物であって、複数枚とは2枚である場合)を例示する図面代用写真である。 本発明に係る織物(インテリア部材)のうち、2枚の生地における一方の生地と他方の生地を分けて、何れの高透過率部や低透過率部の透過率も測定できない織物(複数枚の生地のうち少なくとも隣接する2枚の生地を分けて、何れの高透過率部や低透過率部の透過率も測定できない織物であって、複数枚とは2枚である場合)を例示する図面代用写真である。
<織物1等>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1、2、14、15には、本発明に係る織物(2枚の生地が部分的に接結された二重組織などの織物)1が例示されている。
一方、多重組織などの織物1とは、複数枚の生地が部分的に接結されたものであることから、当然に、2枚の生地が部分的に接結された二重組織などの織物1も含む。
ここで、上述したように、2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物(図14参照)と、2枚の生地における一方の生地と他方の生地を分けて、それぞれの透過率を測定できない織物(図15参照)は、共に2枚の生地が部分的に接結された織物に含まれ、これら2つの織物の違いは、2枚様に見える織物であるか、1枚様に見える織物であるか、であるが、これらの違いは、2枚の生地が部分的に接結する接結点の数の違いであるとも言える。
同様に、上述したように、複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物(図14参照)と、複数枚の生地のうち少なくとも隣接する2枚の生地を分けて、それぞれの透過率を測定できない織物(図15参照)は、共に複数枚の生地が部分的に接結された織物に含まれ、これら2つの織物の違いは、隣接する2枚の生地を含む複数枚の生地が多数枚に見える織物であるか、少なくとも1組の隣接する2枚の生地が1枚様に見える織物であるか、であるが、これらの違いは、当該隣接する2枚の生地が部分的に接結する接結点の数の違いであるとも言える。
従って、図1、2、14、15は、多重組織などの織物1も例示していると言える。
尚、図1、2の織物1はカーテン生地であり、図14、15の織物1はロールスクリーン生地であり、図1、2、14、15は後述するインテリア部材100であるとも言える。
以下、まずは、織物1について詳解する。
<織物1>
図1、2、14、15に示された織物1は、2枚の生地が重なった二重組織などの織物(二重織物など)であって、その2枚の生地のうち一方の生地を裏地2Aとし、2枚の生地のうち他方の生地を表地2Bとする。
これら2枚の生地2A、2Bは、互いに部分的に接結されており、この「接結」とは、2枚の生地(裏地2Aと表地2B)を連結するために、経糸又は緯糸のうちの一部を、2枚の生地にまたがって組織させることを意味し、この2枚の生地(裏地2Aと表地2B)を連結する糸を接結糸と言い、接結している箇所を接結点と言う。
裏地2Aと表地2Bを接結する接結点の位置や数は、特に限定されないが、例えば、表地2Bに投影される柄(後述の柄部)に奥行きを持たせたい場合には、投影される柄の部分の接結点を少なめにし、シャープな柄を投影させたい場合には、接結点を多めにしても良い。
又、裏地2Aと表地2Bによるモアレを発現させたい場合には、例えば、接結点を少なめにし、モアレを嫌う場合には、接結点を多めにしても良い。
織物1は、それを構成(織成、編成)する繊維としては、特に限定されないが、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
又、織物1を構成(織成)する繊維の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下であっても構わない。
織物1は、所望により、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料やフィラー(充填材)を任意に添加したり、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防汚剤、着色剤、香料、発泡剤等を添加した素材を用いても良い。
織物1の色彩についても、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系、黒色系、白色系など何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
その他、織物1を構成する糸(繊維)については、例えば、一方の生地(例えば、裏地2A)を構成する糸がレギュラーポリエステル糸(ポリエステル糸の一種)であり、他方の生地(例えば、表地2B)を構成する糸がカチオン可染ポリエステル糸(また別のポリエステル糸の一種)であり、分散染料やカチオン染料等によって、織物1における裏地2Aと表地2Bを染め分けても良い。
その他、織物1(裏地2A及び/又は表地2B)を構成する経糸は、例えば、白色であったり、ベージュ色であっても良い。
その他、織物1(裏地2A及び/又は表地2B)を構成する糸は、例えば、濃染糸や原着糸などであっても良い。
その他、織物1を構成する糸(繊維)は、一方の生地と他方の生地それぞれを構成する経糸(裏地2Aの経糸と表地2Bの経糸)の繊度差は、何れの値でも構わないが、例えば、当該繊度差が、100dtex以下、好ましくは80dtex以下、50dtex以下であっても構わない。尚、一方の生地と他方の生地それぞれを構成する経糸の繊度差が100dtexより大きくなった場合、1ビームで織成し難くなるとも言える。
<織物1の一方の生地(裏地)2A>
図1~15に示されたように、織物1における2枚の生地のうちの一方の生地である裏地2Aは、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有していても良い。
又、裏地2Aは、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有していると共に、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織との境界部3に、平織組織及び/又は繻子織組織を有していても良い。
ここで、図3に示したように、平織組織とは、経糸と緯糸を交互に浮き沈みさせて織成した組織である。
図4、5に示したように、繻子織組織とは、五本以上の経糸及び緯糸から構成されており、経糸又は緯糸の浮きを非常に少なく織成された組織であり、朱子織組織とも言う。繻子織組織には、経糸の浮き少ない(緯糸のみが表に表れているように見える)緯繻子織組織(図4の8枚緯繻子織組織を参照)と、緯糸の浮き少ない(経糸のみが表に表れているように見える)経繻子織組織がある(図5の8枚経繻子織組織を参照)。
尚、裏地2Aや境界部3に繻子織組織を有している場合、この場合における当該繻子織組織とは、変化した繻子織組織(変化繻子織組織)であっても良い。
図6に示したように、斜文織組織とは、経糸が、2本又は3本の緯糸の上を通過した後、1本の緯糸の下を通過することを繰り返して織成された組織であり、綾織組織とも言う。斜文織組織には、経糸が2本の緯糸の上を通過する2/1斜文織組織(三つ綾織組織)や、経糸が3本の緯糸の上を通過する3/1斜文織組織(四つ綾織組織)などがある。
図7に示したように、斜子織組織とは、経糸と緯糸を2本又は数本ずつ引き揃えて交互に浮き沈みさせて織成した組織であって、魚子織組織とも言う。
裏地2Aにおいては、ここまで述べた平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織や、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織が、当該裏地2Aの柄(織物1の裏地2A側から光が透過した際に見える表地2Bに投影される裏地2Aの柄部)を構成しており、後述する低透過率部5(柄部)であるとも言える。
一方、裏地2Aにおける柄以外の部分(地の部分)は、擬紗組織によって構成されるとも言える。
ここで、図8~13に示したように、擬紗組織とは、紗という織組織のように隙間をあけて織成される組織であって、模紗織組織とも言う。
特に、図8、9の擬紗組織の例1を詳解すると、この例1は、経糸8本・緯糸8本で一完全組織となる擬紗組織である。
まず、経糸について言及すれば、第4経糸と第5経糸、及び、第1経糸と第8経糸において、浮きが逆になっているため、第4経糸と第5経糸の間(図9中の隙間X1)、及び、第1経糸と第8経糸の間(図9中の隙間X2)で経糸が開く傾向にあり、更に、第2経糸と第3経糸、及び、第6経糸と第7経糸が、緯糸4本ごとに上下するため、隣接する経糸4本ずつで集まる(つまり、第1~4経糸で集まり、第5~8経糸で集まる)こととなる。
次に、緯糸について言及すれば、第4緯糸と第5緯糸、及び、第1緯糸と第8緯糸において、浮きが逆になっているため、第4緯糸と第5緯糸の間(図9中の隙間Y1)、及び、第1緯糸と第8緯糸の間(図9中の隙間Y2)で緯糸が開く傾向にあり、更に、第2緯糸と第3緯糸、及び、第6緯糸と第7緯糸が、経糸4本ごとに上下するため、隣接する緯糸4本ずつで集まる(つまり、第1~4緯糸で集まり、第5~8緯糸で集まる)こととなる。
図10の例2は、経糸6本・緯糸6本で一完全組織となり、経糸について言及すれば、第3経糸と第4経糸の間、及び、第1経糸と第6経糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にあり、第3緯糸と第4緯糸の間、及び、第1緯糸と第6緯糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にある。
図11の例3は、経糸10本・緯糸6本で一完全組織となり、経糸について言及すれば、第5経糸と第6経糸の間、及び、第1経糸と第10経糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にあり、第3緯糸と第4緯糸の間、及び、第1緯糸と第6緯糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にある。
図12の例4は、経糸10本・緯糸10本で一完全組織となり、経糸について言及すれば、第5経糸と第6経糸の間、及び、第1経糸と第10経糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にあり、第5緯糸と第6緯糸の間、及び、第1緯糸と第10緯糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にある。
図13の例5も、例4と同様に、経糸10本・緯糸10本で一完全組織となり、経糸について言及すれば、第5経糸と第6経糸の間、及び、第1経糸と第10経糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にあり、第5緯糸と第6緯糸の間、及び、第1緯糸と第10緯糸の間で経糸(隙間)が開く傾向にある。
裏地2Aにおいては、ここまで述べた擬紗組織が、当該裏地2Aの柄以外の部分(織物1の裏地2A側から光が透過した際に見える表地2Bに投影される裏地2Aの柄以外の部分、つまり、地部)を構成しており、後述する高透過率部4(地部)であるとも言える。
このような地部(高透過率部4)や柄部(低透過率部5)それぞれの個数は、1枚の裏地2Aにおいて、2つであっても、3つであっても、又は、それ以上であっても構わない。
裏地2Aを構成する糸については、上述したように、特に限定されないが、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、柄部(低透過率部5)が表地2Bに投影されて、柄が浮かび上がることから、裏地2Aを構成する糸としては、例えば、無機系添加剤を含む量が多い(つまり、浮かび上がる柄が透け難い)セミダル糸であったり、好ましくは無機系添加剤をより多く含むダル糸であり、更に好ましくはフルダル糸であっても良く、又、浮かび上がる柄が透け難いように、フィラメントカウントの大きな糸が好ましいとも言える。
裏地2Aを構成する糸の単糸繊度についても、特に限定されないが、例えば、1.1dtex以下であっても良く、好ましくは0.8dtex以下であり、更に好ましくは0.6dtex以下であっても良い。
裏地2Aを構成する糸の単糸断面形状についても、特に限定されないが、例えば、断面扁平度(単糸断面形状に外接する長方形を描き、この長辺を短辺で割った値)が1.2以上6.0以下となる断面形状であっても良い。
又、裏地2Aの色彩についても、織物1としての色彩(色調・彩度・明度)で上述したように、特に限定はないが、例えば、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、裏地2Aの柄部(低透過率部5)が、柄として表地2Bに投影されることから、裏地2Aの明度は低い方が好ましいとも言える。
<織物1の他方の生地(表地)2B>
図1、2、14、15に示したように、織物1における2枚の生地のうちの他方の生地である表地2Bは、その組織に限定はないが、例えば、図3で示したような平織組織及び/又は擬紗組織を有していても良い。
表地2Bを構成する糸についても、上述したように、特に限定されないが、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、柄部(低透過率部5)が表地2Bに投影されて、柄が浮かび上がることから、表地2Bを構成する糸としては、例えば、無機系添加剤を含む量が少ない(つまり、浮かび上がる柄が透け易い)ブライト糸であったり、好ましくは無機系添加剤を含まないスーパーブライト糸であっても良く、又、浮かび上がる柄が透け易いように、フィラメントカウントの小さい糸が好ましいとも言える。
表地2Bを構成する糸の単糸繊度についても、特に限定されないが、例えば、0.6dtex以上であっても良く、好ましくは1.1dtex以上であり、更に好ましくは2.2dtex以上であっても良い。
表地2Bを構成する糸の単糸断面形状についても、特に限定されないが、例えば、上述と同様の断面扁平度が1.2未満となる断面形状であっても良い。
又、表地2Bの色彩についても、織物1や裏地2Aの色彩(色調・彩度・明度)で上述したように、特に限定はないが、例えば、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、裏地2Aの柄部(低透過率部5)が、柄として表地2Bに投影されることから、表地2Bの明度は高い方が好ましいとも言える。
ここまで述べた織物1の裏地2Aと表地2Bにおける柄(図柄)については、花や草木などの植物、動物、幾何学模様、無地、表面凹凸等による柄など何れでも良い。
尚、図1に示すように、織物1の裏地2A側から光が透過していない際に見える表地2Bの柄は、直線と円などの幾何学模様の柄である。又、図2に示すように、裏地2A側から光が透過した際のみに浮かび上がる表地2Bに投影された裏地2Aの柄は、草木などの植物の柄である。
<織物1の一方の生地(裏地)2Aにおける境界部3>
図2に示したように、上述した裏地2Aの柄部が、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織である場合には、この柄部と、柄以外の部分で擬紗組織から構成される地部との間に境界部3を有していても良い。
この境界部3は、平織組織及び/又は繻子織組織で構成されていても良い。
ここで、境界部3を構成する平織組織及び/又は繻子織組織における経糸や緯糸の本数は、特に制限されないが、例えば、経糸及び緯糸それぞれが、1本以上30本以下、好ましくは2本以上24本以下、更に好ましくは4本以上24本以下(2本、4本、12本、18本、24本など)であっても良い。
<織物1の一方の生地(裏地)2Aにおける部分>
図1、2、14、15に示された織物1の2枚の生地のうちの一方の生地である裏地2Aは、上述したように、少なくとも後述する高透過率部4と低透過率部5を備えている。
裏地2Aにおける高透過率部4と低透過率部5は、透過率の異なる2つ以上の部分を便宜的に示すものであり、高透過率部4や低透過率部5それぞれの個数は、上述したように、1枚の裏地2Aにおいて、2つであっても、3つであっても、又は、それ以上であっても構わない。
尚、1枚の裏地2Aにおいて、透過率の異なる部分が3つ以上あっても良く、この場合は、3つ以上の透過率の異なる部分のうち、最も透過率が高い部分を高透過率部4とし、最も透過率が低い部分を低透過率部5としても良い。
<高透過率部4、高透過率TH
図2に示されたように、高透過率部4は、裏地2Aにおいて、所定の透過率を有し且つ当該透過率が後述する低透過率部5の透過率より高い部分のことであって、この高透過率部4の透過率が高透過率TH となる。
ここで、高透過率部4とは、具体的には、上述した擬紗組織の部分(地部)である。
<低透過率部5、低透過率TL
図2に示された低透過率部5は、裏地2Aにおいて、所定の透過率を有し且つ当該透過率が上述した高透過率部4の透過率(高透過率TH )より低い部分のことであって、この低透過率部5の透過率が低透過率TL となる。
ここで、低透過率部5とは、具体的には、上述した平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織や、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織(柄部)である。
低透過率部5の低透過率TL は、19.5%以下であっても良く、この低透過率TL が19.5%以下であるとは、後述する透過率差ΔTが3%以上となる高透過率部4と低透過率部5の組合せにおける(つまり、透過率差ΔTが3%以上となることを前提として)当該低透過率部5の低透過率TL が19.5%以下であることを示し、低透過率部5の低透過率TL が複数ある場合は、その中の少なくとも1つの低透過率TL が19.5%以下であれば良い。
更に、低透過率部5の低透過率TL は19.5%以下であれば、何れの値であっても良いが、例えば、19.0%以下であっても良く、好ましくは18.5%以下、更に好ましくは18.0%以下であっても良い。
尚、ここまで述べた織物1の高透過率部4や低透過率部5の透過率Tを測定する測定装置(後述する株式会社島津製作所製の自記分光光度計「UV-3150」など)において織物1の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部に対する、高透過率部4の高透過率TH や低透過率部5の低透過率TL の関係について言及する。
裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が高透過率部4で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを高透過率部4の高透過率TH とした場合と、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを低透過率部5のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを低透過率部5の低透過率TL とした場合の少なくとも何れか一方となっていても良い。
尚、「裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が高透過率部4で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを高透過率部4の高透過率TH とする」ことや、「裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを低透過率部5のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを低透過率部5の低透過率TL とする」ことについて更に言及する。
織物1の裏地2A側から光が透過する際に、低透過率部5(又は高透過率部4)となる組織が表地2Bに投影される柄となって浮かび上がるには、光の回析等もふまえれば、低透過率部5等は最低限の大きさ(例えば、幅3mm以上、長さ10mm以上など)がなければ、浮かび上がらないため、織物1の高透過率部4や低透過率部5の透過率Tを測定する測定装置として、後述する株式会社島津製作所製の自記分光光度計「UV-3150」を例とすれば、この「UV-3150」において織物1の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部の面積(100+25π≒約178.5mm2 )の15%以上(例えば、幅3mm、長さ10mmの低透過率部5等であれば、30÷約178.5≒約16.8%)は、低透過率部5等で占められている必要がある。
従って、「裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が高透過率部4で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを高透過率部4の高透過率TH とする」とは、換言すれば、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4のみで占められないケースにおいて、孔部を占める高透過率部4の面積が最も大きくなる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを高透過率部4の高透過率TH としているとも言え、「裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを低透過率部5のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを低透過率部5の低透過率TL とする」とは、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを低透過率部5のみで占められないケースにおいて、孔部を占める低透過率部5の面積が最も大きくなる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを低透過率部5の低透過率TL としているとも言える。
ここで、上述した「孔部の面積の15%以上が高透過率部4で占められる」とは、その孔部内において高透過率部4が1つだけ存在するケースであれば、当該1つだけ存在する高透過率部4の面積が孔部の面積の15%以上であることを含む他、その孔部内において高透過率部4が複数あるケースであっても、それぞれの高透過率部4の面積を全て合計した値が孔部の面積の15%以上であることも含む。同様に、上述した「孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる」とは、その孔部内において低透過率部5が1つだけ存在するケースであれば、当該1つだけ存在する低透過率部5の面積が孔部の面積の15%以上であることを含む他、その孔部内において低透過率部5が複数あるケースであっても、それぞれの低透過率部5の面積を全て合計した値が孔部の面積の15%以上であることも含む。
又、「裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4や低透過率部5のみで占められないケースでは、孔部の面積の15%以上が高透過率部4や低透過率部5で占められる」とは、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4や低透過率部5のみで占められないが、孔部内に高透過率部4や低透過率部5の全体が含まれる状態や、孔部内には高透過率部4や低透過率部5の一部のみ含まれる(高透過率部4や低透過率部5が、孔部より細長かったり、孔部より大きい)状態であっても良い。
更に、「裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4や低透過率部5のみで占められないケースでは、孔部の面積の15%以上が高透過率部4や低透過率部5で占められる」としたが、この「孔部の面積の15%以上」とは、好ましくは「孔部の面積の30%以上」であったり、更に好ましくは「孔部の面積の40%以上」であったり、より更に好ましくは「孔部の面積の50%以上」であっても良く、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、低透過率部5(又は高透過率部4)となる組織が表地2Bに投影される柄となって浮かび上がる最低限の大きさとして、上述した幅3mm以上、長さ10mm以上の他、幅5mm以上や、長さ15mm以上などであっても構わない。
その他、2枚の生地(裏地2Aと表地2B)を重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL を測定しても良い。(つまり、裏地2Aと表地2Bを重ねた状態にして、裏地2Aにある高透過率部4や低透過率部5を表地2Bごと測定した透過率Tの値を、それぞれ、高透過率部4の高透過率TH や、低透過率部5の低透過率TL としても良い)。
尚、上述した「2枚の生地を重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL を測定する」とは、高透過率部4だけが2枚の生地を重ねた状態にされて測定した透過率Tを高透過率部4の高透過率TH とする場合と、低透過率部5だけが2枚の生地を重ねた状態にされて測定した透過率Tを低透過率部5の低透過率TL とする場合と、高透過率部4と低透過率部5の両方が2枚の生地を重ねた状態にされて測定したそれぞれの透過率Tを高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL にする場合の何れかを意味する。
<透過率差ΔT>
透過率差ΔTとは、上述した高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との差であって、裏地2Aは、この透過率差ΔTが3%以上となる高透過率部4と低透過率部5を少なくとも1つずつは有している。
尚、透過率の異なる部分が3つ以上ある場合は、当該3つ以上の各部分間の透過率差ΔTが存在する。
ここで、透過率差ΔTが3%以上となる高透過率部4と低透過率部5を少なくとも1つずつは有しているとは、3つ以上の各部分間の透過率差ΔTにおいて、透過率差ΔTが3%以上となる高透過率部4と低透過率部5が少なくとも1組あれば良いということである。
つまり、1枚の裏地2Aにおける3つ以上の透過率の異なる部分のうち、最も透過率が高い部分(高透過率部4)と、最も透過率が低い部分(低透過率部5)との透過率差ΔTは、少なくとも3%以上となるとも言える。これは、透過率差ΔTが3%以上となる高透過率部4と低透過率部5が、裏地2Aの何れかに、少なくとも1つは存在していれば良いことを意味する。
尚、この場合、裏地2Aの何れかには上述した測定装置の孔部全てを高透過率部4のみで占められる箇所があり且つ裏地2Aの何れかには上述した測定装置の孔部全てを低透過率部5のみで占められる箇所がある場合であるとも言える。
又、1枚の裏地2Aにおける透過率差ΔTが大きいほど、織物1の裏地2A側から光が透過した際に表地2Bに浮かび上がる、裏地2Aの低透過率部5による柄が更に明瞭となり、表地2B側から見える柄の変化も大きなものとなる。
更に、1枚の裏地2Aにおける透過率差ΔTは、3%(3.0%)以上であれば、何れの値であっても良いが、例えば、3.5%以上であっても良く、好ましくは4.0%以上、更に好ましくは5.0%以上であっても良い。
尚、上述したように、測定装置において織物1の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部に対し、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを高透過率部4のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が高透過率部4で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを高透過率部4の高透過率TH とした場合と、裏地2Aの何れの箇所においても孔部全てを低透過率部5のみで占められない且つ孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる際に孔部内の織物1を測定して得られた透過率Tを低透過率部5の低透過率TL とした場合の少なくとも何れか一方となっていれば、これらの場合の高透過率部4の高透過率TH と、低透過率部5の低透過率TL との差を、透過率差ΔTとしても良い。
この場合の透過率差ΔTも、上述したように、3%(3.00%)以上であっても良いが、特に、1%(1.00%)以上であっても良く、好ましくは1.50%以上、更に好ましくは2.00%以上(2.13%など)であっても良い。これは、上記の場合の透過率差ΔTが1%以上となる高透過率部4と低透過率部5が、裏地2Aの何れかに、少なくとも1つは存在していれば良いことを意味する。
又、2枚の生地(裏地2Aと表地2B)を重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL を測定した(裏地2Aと表地2Bを重ねた状態にして、裏地2Aにある高透過率部4や低透過率部5を表地2Bごと測定した透過率Tの値を、それぞれ、高透過率部4の高透過率TH や、低透過率部5の低透過率TL とした)場合には、この場合の高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL との差を、透過率差ΔTとしても良い。
この場合の透過率差ΔTも、上述したように、3%(3.00%)以上であっても良いが、特に、1%(1.00%)以上であっても良く、好ましくは1.50%以上、更に好ましくは2.00%以上(2.13%など)であっても良い。これは、この場合の透過率差ΔTが1%以上となる高透過率部4と低透過率部5が、裏地2Aの何れかに、少なくとも1つは存在していれば良いことを意味する。
<カバーファクターCF>
ここまで述べた織物1における2枚の生地のうち他方の生地(表地)2Bは、上述したように、カバーファクターCFが所定の値となる。
ここで、カバーファクターCFとは、この表地2Bである織物を構成する糸の繊度と密度により、以下の式(1)又は式(2)より求められる。尚、後述する実施例1~16や、比較例1~3におけるカバーファクターCFは、式(2)により求めている。
Figure 0007289181000001
Figure 0007289181000002
この式(1)又は式(2)により算出したカバーファクターCFは、何れの値であっても良いが、表地2Bが織物である場合のカバーファクターCFは、例えば、1170以上5000以下であっても良く、好ましくは1300以上3100以下、更に好ましくは1400以上2400以下であっても良い。
この他、裏地2Aにおいても、カバーファクターCFは、表地2Bと同様に、上述した式(1)又は式(2)により算出される。
又、裏地2Aでも、式(1)又は式(2)により算出されたカバーファクターCFは、何れの値であっても良いが、例えば、表地2Bと同様に、上述した値の範囲であっても良い。
<多重組織などの織物1>
図1、2、14、15に示された織物1は、上述したように、生地が2枚である多重組織などの織物1であるとも言える。
この多重組織などの織物1は、複数枚(2枚以上)の生地が部分的に接結された多重織物などであって、その複数枚の生地のうち最も一方外側の生地を裏地2Aとし、この裏地2Aより他方側の生地(最も一方外側以外の生地)を、その他の生地とする。
尚、多重組織などの織物1における生地の数が2枚であれば、その他の生地は1枚であり(表地2Bのみとなり)、このとき、多重組織などの織物1は二重組織などの織物1であるとも言える。
又、多重組織などの織物1における生地の数が3枚以上であれば、その他の生地は2枚以上であり、これらその他の生地のうち、最も他方外側の生地を表地2Bとし、この表地2Bと、上述した裏地2Aの間の生地を中地2Cとし、この中地2Cは1枚以上となる。
尚、多重組織などの織物1で「複数枚の生地が部分的に接結される」とは、複数枚の生地において隣接する2枚の各生地は、互いに部分的に接結されることを意味する。
この「接結」とは、二重組織などの織物1と同様に、隣接する2枚の生地を連結するために、経糸又は緯糸のうちの一部を、2枚の生地にまたがって組織させることを意味し、この2枚の生地を連結する糸を接結糸と言い、接結している箇所を接結点と言う。
<多重組織などの織物1の最も一方外側の生地(裏地)2A>
図1、2、14、15に示されたように、多重組織などの織物1の複数枚の生地のうちの最も一方外側の生地である裏地2Aは、上述したように、少なくとも高透過率部4と低透過率部5を備えている。
多重組織などの織物1における裏地2Aにおいても、高透過率部4と低透過率部5は、透過率の異なる2つ以上の部分を便宜的に示すものであり、高透過率部4や低透過率部5それぞれの個数は、上述したように、1枚の裏地2Aにおいて、2つであっても、3つであっても、又は、それ以上であっても構わない。
<多重組織などの織物1のその他の生地(表地2B、中地2C)>
図1、2、14、15に示された多重組織などの織物1の複数枚の生地のうち最も一方外側の生地以外の生地とは、表地2Bと中地2Cであるが、これら表地2Bと中地2Cを重ねた状態で合計したカバーファクター(合計カバーファクター)CFも、上述した二重組織などの織物1における表地2Bと同様に、上述した式(1)又は式(2)により算出される。
又、表地2Bや中地2Cでも、式(1)又は式(2)により算出された合計カバーファクターCFは、何れの値であっても良いが、例えば、二重組織などの織物1における表地2Bと同様に、上述した値の範囲であっても良い。
その他の多重組織などの織物1の構成、作用効果及び使用態様は、上述した二重組織などの織物1と同様である。
<インテリア部材100>
図1、2、14、15に示したように、インテリア部材100は、上述した二重組織などの織物1や、多重組織などの織物1のうちの少なくとも1つを用いる。
インテリア部材100は、具体的には、カーテン、ブラインド、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、ローマンシェード、間仕切り、壁装、緞子張り、床、天井、タペストリー、舞台幕及び額装品などの内装材であったり、照明器具のカバー(照明カバー)などの何れか1つであっても良い。
上述した二重組織などの織物1や、多重組織などの織物1を、例えば、インテリア部材100の1つである窓際などに使用されるカーテンに用いた場合には、裏地2A側からの日差しの有無や強弱により、室内で見られる表地2B側の柄が変化し、従来にない柄の出方や日差しの移ろいを楽しめるものとなる。
又、この場合、リバーシブルカーテンのように表裏を吊り替える必要もなく、手間がかからないとも言える。
尚、インテリア部材100が、窓際などに使用されるカーテン(つまり、間仕切りカーテンを除くカーテン)であれば、インテリア部材100に用いられる二重組織などの織物1や、多重組織などの織物1の「裏」とは、窓に近い側となり、「表」とは、窓から遠い側となる。
この「裏」や「表」は、インテリア部材100であるブラインド、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、ローマンシェードが窓際に使用される場合も同様である。
上述した二重組織などの織物1や、多重組織などの織物1を、例えば、インテリア部材100の1つである照明器具を内蔵した額縁や壁面などに用いた(張設した)場合には、その照明器具の照度の変化で柄の出方を変化させ、楽しむこともできるものである。
尚、インテリア部材100が、照明器具を内蔵した額縁や壁面などや、照明カバーであれば、インテリア部材100に用いられる二重組織などの織物1や、多重組織などの織物1の「裏」とは、照明器具に近い側となり、「表」とは、照明器具から遠い側となる。
<試験1~4>
ここからは、まず本発明に係る織物1の実施例1~17と、比較例1~3について言及する。
これらの実施例と比較例を用いて、後述する試験1~4を行う。
尚、実施例1~17と比較例1~3の織物1等において、裏地2Aの高透過率部4の高透過率TH や低透過率部5の低透過率TL 、表地2B全体の透過率は、株式会社島津製作所製の自記分光光度計「UV-3150(謂わば、測定装置の1種であると言える。)」(φ60積分球装着)を用いて測定した400nm~700nm(可視光領域)の透過率の平均値を、それぞれの透過率とした。
尚、この平均値の具体例としては、例えば、上記「UV-3150」(φ60積分球装着)を用いて、サンプリングピッチ1.0nm、スリット幅(20nm)、スキャンスピード高速にて、400nm以上700nm以下(可視光領域)において測定した透過率の平均値(400nm以上700nm以下の波長における測定値の総和を、測定した波長ポイント数である301で除した値)などであっても良い。
又、上記「UV-3150」において織物1の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部(窓部とも言える)は、特に限定はないが、例えば、長径約20mmで短径約10mmの略楕円形(より詳しくは、約10mm角(縦約10mm×横約10mm)の略正方形における正対する辺それぞれに直径約10mmの略半円形が付いた略陸上トラック形状)であったり、その面積は、(100+25π)mm2 であっても良い。
上記「UV-3150」以外の測定装置において織物1の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部も、特に限定はないが、例えば、長径10mm以上40mm以下で短径5mm以上20mm以下の略楕円形(より詳しくは、5mm以上20mm以下角(縦5mm以上20mm以下×横5mm以上20mm以下)の略正方形における正対する辺それぞれに直径5mm以上20mm以下の略半円形が付いた略陸上トラック形状)であったり、20mm以上40mm以下角(縦20mm以上40mm以下×横20mm以上40mm以下)の略正方形、直径20mm以上40mm以下の略円形であったり、その面積は、(25+6.25π)mm2 以上(400+100π)mm2 以下であったり、400mm2 以上1600mm2 以下であったり、100πmm2 以上400πmm2 以下などであっても良い。
更に、実施例1~17と比較例1~3の各生地におけるカバーファクターCFは、上述の式(2)により算出した値を用いた。
<実施例1>
裏地2Aは、経糸をポリエステルマルチフィラメント糸(33dtexの2本撚り92.00本/インチ)とし、緯糸をポリエステルマルチフィラメント加工糸(167dtexの47.60本/インチ)とポリエステルスパン糸(綿番手40番双糸の47.67本/インチ)として、地部(高透過率部4)を構成する擬紗組織と、柄部(低透過率部5)を構成する8枚緯繻子組織と、地部と柄部を区切る境界部3を構成する平織組織(経糸及び緯糸は、それぞれ4本)で織成した。
表地2Bは、経糸をポリエステルモノフィラメント糸(22dtexの92.00本/インチ)とし、緯糸をポリエステルマルチフィラメント糸(167dtexの47.60本/インチ)とポリエステルマルチフィラメント糸(122dtexの15.80本/インチ)とポリエステルスパン糸(綿番手60番単糸の31.70本/インチ)として構成された平織組織で織成した。
これらの裏地2Aと表地2Bそれぞれを部分的に接結させた1枚の二重織物(つまり、2枚様に見える織物(図14参照))に対して仕上げをして、実施例1の織物1とした。
尚、実施例1の裏地2Aは、地部(高透過率部4)の高透過率TH が25.09%であり、柄部(低透過率部5)の低透過率TL が16.34%であり、透過率差ΔTが8.75%であり、カバーファクターCFが2181であった。
又、実施例1の表地2Bは、全体の透過率が41.61%であり、カバーファクターCFが1535であった。
更に、実施例1の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値は、上記仕上げ後における値である。
<実施例2>
実施例1の織物1について、裏地2Aが境界部3を有さない(つまり、境界部3を構成する平織組織の経糸及び緯糸は、それぞれ0本とする)ことで、実施例2の織物1を得た。
尚、実施例2の裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCF、表地2Bにおける全体の透過率、カバーファクターCF、裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度は、実施例1と同じ値であった。
<実施例3>
実施例1の織物1について、裏地2Aの境界部3を構成する平織組織において、その経糸及び緯糸をそれぞれ2本とすることで、実施例3の織物1を得た。
尚、実施例3の裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCF、表地2Bにおける全体の透過率、カバーファクターCF、裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度も、実施例1と同じ値であった。
<実施例4>
実施例1の織物1について、裏地2Aの境界部3を構成する平織組織において、その経糸及び緯糸をそれぞれ12本とすることで、実施例4の織物1を得た。
尚、実施例4の裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCF、表地2Bにおける全体の透過率、カバーファクターCF、裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度も、実施例1と同じ値であった。
<実施例5>
実施例1の織物1について、裏地2Aの境界部3を構成する平織組織において、その経糸及び緯糸をそれぞれ18本とすることで、実施例5の織物1を得た。
尚、実施例5の裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCF、表地2Bにおける全体の透過率、カバーファクターCF、裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度も、実施例1と同じ値であった。
<実施例6>
実施例1の織物1について、裏地2Aの境界部3を構成する平織組織において、その経糸及び緯糸をそれぞれ24本とすることで、実施例6の織物1を得た。
尚、実施例6の裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCF、表地2Bにおける全体の透過率、カバーファクターCF、裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度も、実施例1と同じ値であった。
<実施例7>
実施例1の織物1について、その裏地2Aと表地2Bを、より濃色に(つまり、明度等が低くなるように)染色加工を施した後、仕上げをして、実施例7の織物1を得た。
尚、実施例7の裏地2Aは、地部(高透過率部4)の高透過率TH が12.95%であり、柄部(低透過率部5)の低透過率TL が8.30%であり、透過率差ΔTが4.65%であったが、カバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、実施例7の表地2Bは、全体の透過率が33.77%であったが、カバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
更に、実施例7の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<実施例8>
実施例1の織物1について、裏地2Aの柄部(低透過率部5)の織組織を、平織組織とすることで、実施例8の織物1を得た。
ここで、実施例8では、柄部(低透過率部5)の織組織と境界部3の織組織が、同じ平織組織となったため、実施例10の織物1においては、裏地2Aに境界部3は設けられていないとも言える。
尚、実施例8の裏地2Aは、柄部(低透過率部5)の低透過率TL が19.56%であり、透過率差ΔTが5.53%であったが、地部(高透過率部4)の高透過率TH とカバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、実施例8の表地2Bも、全体の透過率、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
更に、実施例8の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、実施例1の上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<実施例9>
実施例1の織物1について、裏地2Aの柄部(低透過率部5)の織組織を、斜子織組織とすることで、実施例9の織物1を得た。
尚、実施例9の裏地2Aは、柄部(低透過率部5)の低透過率TL が18.58%であり、透過率差ΔTが6.51%であったが、地部(高透過率部4)の高透過率TH とカバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、実施例9の表地2Bも、全体の透過率、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
更に、実施例9の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、実施例1の上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<実施例10>
実施例1の織物1について、裏地2Aの柄部(低透過率部5)の織組織を、斜文織組織とすることで、実施例10の織物1を得た。
尚、実施例10の裏地2Aは、柄部(低透過率部5)の低透過率TL が17.13%であり、透過率差ΔTが7.96%であったが、地部(高透過率部4)の高透過率TH とカバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、実施例10の表地2Bも、全体の透過率、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
更に、実施例10の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、実施例1の上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<実施例11>
実施例1の織物1について、裏地2Aの柄部(低透過率部5)の織組織を、8枚経繻子組織とすることで、実施例11の織物1を得た。
尚、実施例11の裏地2Aは、柄部(低透過率部5)の低透過率TL が16.84%であり、透過率差ΔTが8.25%であったが、地部(高透過率部4)の高透過率TH とカバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、実施例11の表地2Bも、全体の透過率、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
更に、実施例11の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、実施例1の上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<実施例12>
実施例1の織物1について、表地2Bが、経糸をポリエステルモノフィラメント糸(33dtexの105.56本/インチ)とし、緯糸をポリエステルマルチフィラメント糸(22dtexの95.00本/インチ)として構成された平織組織を有することとした後に、仕上げをして、実施例12の織物1を得た。
尚、実施例12の裏地2Aは、地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
又、実施例12の表地2Bは、全体の透過率が45.87%であり、カバーファクターCFが1052であった。
更に、実施例12の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値は、上記仕上げ後における値である。
<実施例13>
実施例1の織物1について、表地2Bが、経糸をポリエステルマルチフィラメント糸(83dtexの69.42本/インチ)とし、緯糸をポリエステルマルチフィラメント糸(83dtexの70.10本/インチ)として構成された平織組織を有することとした後に、仕上げをして、実施例13の織物1を得た。
尚、実施例13の裏地2Aは、地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
又、実施例13の表地2Bは、全体の透過率が46.40%であり、カバーファクターCFが1271であった。
更に、実施例13の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値は、上記仕上げ後における値である。
<実施例14>
実施例1の織物1について、表地2Bが、経糸をポリエステルマルチフィラメント糸(83dtexの71.58本/インチ)とし、緯糸をポリエステルマルチフィラメント糸(83dtexの75.95本/インチ)として構成された平織組織を有することとした後に、仕上げをして、実施例14の織物1を得た。
尚、実施例14の裏地2Aも、地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
又、実施例14の表地2Bは、全体の透過率が51.00%であり、カバーファクターCFが1344であった。
更に、実施例14の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値は、上記仕上げ後における値である。
<実施例15>
実施例1の織物1について、実施例1の表地2Bを、当該表地2B側に、更にもう1枚重ねることで、実施例15を得た。
ここで、実施例15は、3枚の生地を重ねていることから、多重組織の織物1であるとも言え、更に重ねた1枚が表地2Bであり、この表地2Bと裏地2Aの間にある表地2Bが中地2Cであるとも言える。
尚、実施例15の裏地2Aは、地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
又、実施例15のその他の生地(1枚の表地2Bと、1枚の中地2Cを纏めたもの)は、2枚の表地2Bを重ねていることから計算すると、全体の透過率が17.31%であり、カバーファクターCFが3070であると言える。
更に、実施例15の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度の値も、実施例1と同じ値であった。
<実施例16>
実施例1の織物1について、実施例1の表地2Bを、当該表地2B側に、更にもう2枚重ねることで、実施例16を得た。
ここで、実施例16も、4枚の生地を重ねていることから、多重組織の織物1であるとも言え、更に2枚重ねた表地2Bのうち最も表側にある1枚が表地2Bであり、この表地2Bと裏地2Aの間にある2枚の表地2Bが中地2Cであるとも言える。
尚、実施例16の裏地2Aも、地部(高透過率部4)の高透過率TH や柄部(低透過率部5)の低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
又、実施例16のその他の生地(1枚の表地2Bと、2枚の中地2Cを纏めたもの)は、3枚の表地2Bを重ねていることから計算すると、全体の透過率が7.20%であり、カバーファクターCFが4605であると言える。
更に、実施例16の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度の値も、実施例1と同じ値であった。
<実施例17>
ここまで述べた実施例1~16は、全て2枚様に見える織物(二重織物)であったが、実施例17は、1枚様に見える織物(2枚の生地における一方の生地と他方の生地を分けて、何れの高透過率部や低透過率部の透過率も測定できない織物(図15参照))である。
裏地2Aは、経糸をポリエステルマルチフィラメントウーリー加工糸(84dtexの101.00本/インチ、セミダル)とし、緯糸をカチオン可染ポリエステルマルチフィラメントウーリー加工糸(167dtexの2本撚り52.00本/インチ、セミダル)として、地部(高透過率部4)を構成する擬紗組織と、柄部(低透過率部5)を構成する4枚変化繻子組織と、地部と柄部を区切る境界部3を構成する経変化繻子織組織(経糸及び緯糸は、それぞれ8本)で織成した。
表地2Bは、経糸をポリエステルマルチフィラメントウーリー加工糸(84dtexの101.00本/インチ、セミダル)とし、緯糸をポリエステルマルチフィラメントウーリー加工糸(330dtexの52.00本/インチ、セミダル)として構成された擬紗組織で織成した。
これらの裏地2Aと表地2Bそれぞれを部分的に接結して1枚様に見える織物とし、カチオン染料と非臭素系防炎剤を用いて染色防炎加工を施した後、仕上げをして、実施例17の織物1とした。
尚、実施例17の織物1は、上述したように、1枚様に見える織物であることから、裏地2Aと表地2Bを分けて、何れの高透過率部4や低透過率部5の透過率Tも測定できないため、2枚の生地(裏地2Aと表地2B)を重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL を測定した同時に、
実施例17の低透過率部5が、測定装置である上記「UV-3150」において実施例17の織物1の把持治具に設けられた透過率測定用の孔部全てを、低透過率部5で占められる箇所が裏地2Aの何れにもないため、孔部の面積の15%以上が低透過率部5で占められる際に孔部内の実施例17の織物1を測定して得られた透過率Tを、低透過率部5の低透過率TL とする場合のみとして測定している。
このようにして測定した実施例17における地部(高透過率部4)の高透過率TH が12.43%であり、柄部(低透過率部5)の低透過率TL が10.30%であり、透過率差ΔTが2.13%であった。
尚、実施例17の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値は、上記仕上げ後における値である。
<比較例1>
実施例1の織物1について、裏地2Aの柄部の織組織を、擬紗組織とすることで、比較例1の織物を得た。
ここで、比較例1では後述する値のように、実施例1~16とは逆に、高透過率部4であった地部の透過率が、低透過率部5であった柄部の透過率より低くなったため、比較例1の織物においては、地部が低透過率部5であり、柄部が高透過率部4であるとも言える。
尚、比較例1の裏地2Aは、柄部(高透過率部4)の高透過率TH が25.15%であり、透過率差ΔTが0.06%であったが、地部(低透過率部5)の透過率(低透過率TL )とカバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、比較例1の表地2Bは、全体の透過率、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
更に、比較例1の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、実施例1の上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<比較例2>
実施例1の織物1について、裏地2Aの地部の織組織を、平織組織とすることで、比較例2の織物を得た。
ここで、比較例2でも後述する値のように、実施例1~16とは逆に、高透過率部4であった地部の透過率が、低透過率部5であった柄部の透過率より低くなったため、比較例2の織物においても、地部が低透過率部5であり、柄部が高透過率部4であるとも言える。
更に、比較例2では、地部の織組織と境界部3の織組織が、同じ平織組織となったため、比較例2の織物においても、裏地2Aに境界部3は設けられていないとも言える。
尚、比較例2の裏地2Aは、地部(低透過率部5)の低透過率TL が17.81%であり、柄部(高透過率部4)の高透過率TH が17.95%であり、透過率差ΔTが0.14%であったが、カバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、比較例2の表地2Bも、全体の透過率、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
更に、比較例2の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、実施例1の上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<比較例3>
実施例1の織物1について、裏地2Aの地部の織組織を、8枚緯繻子組織とすることで、比較例3の織物を得た。
ここで、比較例3でも後述する値のように、実施例1~16とは逆に、高透過率部4であった地部の透過率が、低透過率部5であった柄部の透過率より低くなったため、比較例3の織物においても、地部が低透過率部5であり、柄部が高透過率部4であるとも言える。
尚、比較例3の裏地2Aは、地部(低透過率部5)の低透過率TL が17.88%であり、柄部(高透過率部4)の高透過率TH が18.72%であり、透過率差ΔTが0.84%であったが、カバーファクターCFは、実施例1と同じ値であった。
又、比較例3の表地2Bも、全体の透過率、カバーファクターCFが、実施例1と同じ値であった。
更に、比較例3の裏地2Aと表地2Bにおける経糸や緯糸それぞれの密度(本/インチ)の値も、実施例1の上記仕上げ後における値であり、実施例1と同じ値であった。
<試験1(境界部3の本数変化と柄)>
試験1では、上述した実施例1~16と比較例1~3のうち、境界部3の経糸及び緯糸の本数を変化させた実施例1~7に対して、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、裏地2Aの柄部(低透過率部5)が、表地2Bに投影される柄となって浮かび上がるかについて目視評価し、その結果を表1にて示す。
この目視評価の基準は、「×:裏地2A側から光を透過させても、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されず、柄となって浮かび上がらない」、「○:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がる」、「◎:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されて、より鮮明に柄となって浮かび上がる」とした。
尚、表1では、実施例1~7について、裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の組織とその高透過率TH 、境界部3の組織とその経糸及び緯糸の本数、柄部(低透過率部5)の組織とその低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCFや、表地2Bにおける組織、全体の透過率、カバーファクターCFも示している。
又、表1中の実施例1~7の表示順は、左から3つまでは実施例2、3、1とした後、残りは左から順に番号通りとした。
Figure 0007289181000003
<試験1(境界部3の本数変化と柄)の評価>
表1に示すように、境界部3の経糸及び緯糸の本数を変化させても、裏地2A側からの光が透過した際には、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され柄となって浮かび上がり、実施例1~7全ての評価が「○」以上であった。
これは、裏地2Aにおいて、境界部3の有無や、その経糸及び緯糸の本数(境界部3の幅)を問わず、試験2で後述する<1>、<2>の組織を有していれば、又は、透過率差ΔTが3%以上となれば、裏地2A側からの光が透過した際に、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がることを示しているとも言える。
尚、実施例1~7より、境界部3を構成する平織組織の経糸や緯糸の本数は、上述したように、経糸及び緯糸それぞれが、1本以上30本以下、好ましくは2本以上24本以下、更に好ましくは4本以上24本以下であっても良いこともわかる。
<試験2(地部・柄部の組織変化と柄)>
試験2では、上述した実施例1~16と比較例1~3のうち、地部や柄部の組織を変化させた実施例1、8~11と、比較例1~3に対して、織物1等の裏地2A側から光が透過する際に、裏地2Aの柄部(低透過率部5等)が、表地2Bに投影される柄となって浮かび上がるかについて目視評価し、その結果を表2にて示す。
この目視評価の基準は、試験1と同様に、「×:裏地2A側から光を透過させても、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されず、柄となって浮かび上がらない」、「○:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がる」、「◎:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されて、より鮮明に柄となって浮かび上がる」とした。
尚、表2でも、実施例1、8~11と、比較例1~3について、裏地2Aにおける地部(高透過率部4等)の組織とその透過率(高透過率TH 等)、境界部3の組織とその経糸及び緯糸の本数、柄部(低透過率部5等)の組織とその透過率(低透過率TL 等)、透過率差ΔT、カバーファクターCFや、表地2Bにおける組織、全体の透過率、カバーファクターCFも示している。
又、表2中の実施例1、8~11と、比較例1~3の表示順は、一番左に比較例1とし、次に実施例8~11を左から順に番号通り並べた後、残りは左から実施例1、比較例2、3とした。
Figure 0007289181000004
<試験2(地部・柄部の組織変化と柄)の評価>
表2に示すように、地部や柄部の組織を変化させることによって、裏地2Aにおいて、<1>地部(高透過率部4)が擬紗組織であり、柄部(低透過率部5)が平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織である場合(実施例8)、<2>地部(高透過率部4)が擬紗組織であり、柄部(低透過率部5)が繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織であり、地部と柄部との境界部3が平織組織である場合(実施例1、9~11)であれば、裏地2A側からの光が透過した際には、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がり、実施例1、8~11の評価は「○」以上であることがわかった。
一方、上記<1>、<2>の何れにも当てはまらない場合(比較例1~3)には、裏地2A側からの光を透過させても、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されず、柄となって浮かび上がらないため、比較例1~3の評価は全て「×」となった。
これは、裏地2Aにおいて、上記<1>、<2>の何れかの組織を有していなければ、裏地2A側からの光が透過しても、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されず、柄となって浮かび上がらないことを示しているとも言える。
又、上述した表1や表2、後述の表3でも示すように、評価が「○」以上となる実施例1~16のうち、透過率差ΔTが最も小さくなるのは実施例7の「4.65%」であるが、評価が「×」である比較例1~3のうち、透過率差ΔTが最も大きくなるのは比較例3の「0.84%」であることから、透過率差ΔTが「0.84%」から「4.65%」になる間に、評価が「×」から「○」に変わる透過率差ΔTの境界値が必ず存在する。
よって、透過率差ΔTの境界値は、「0.84%」と「4.65%」の中間値「2.845%」から余裕をとって「3%」であると言える。
これは、裏地2Aにおいて、高透過率部4の高透過率TH と、低透過率部5の低透過率TL の透過率差ΔTが「3%」以上であれば、裏地2A側からの光が透過した際に、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がることを示しているとも言える。
尚、実施例1~16より、透過率差ΔTは、上述したように、例えば、3.5%以上であっても良く、好ましくは4.0%以上、更に好ましくは5.0%以上であっても良いこともわかる。
更に、上述した表1や表2、後述の表3でも示すように、評価が「○」以上となる実施例1~16のうち(つまり、透過率差ΔTが3%以上となることを前提として)、低透過率部5の低透過率TL が最も大きくなるのは実施例8の「19.56%」であり、少なくとも「19.56%」以下であれば、評価は「○」以上となっている。
よって、低透過率TL の境界値は、余裕をとって「19.5%」であると言える。
これは、裏地2Aにおいて、透過率差ΔTが3%以上となり、且つ、低透過率TL が「19.5%」以下であれば、裏地2A側からの光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されて、更に鮮明な柄となって浮かび上がることを示しているとも言える。
尚、実施例1~16より、低透過率TL は、上述したように、例えば、19.0%以下であっても良く、好ましくは18.5%以下、更に好ましくは18.0%以下であっても良いこともわかる。
<試験3(表地2B等のカバーファクターCF等の変化と柄)>
試験3では、上述した実施例1~16と比較例1~3のうち、表地2B等(表地2Bや中地2C)のカバーファクターCFや全体の透過率を変化させた実施例1、12~16に対して、<A>織物1の裏地2A側から光を透過させない場合、及び、<B>織物1の裏地2A側から光を透過させた場合において、裏地2Aの柄部(低透過率部5)が、表地2Bに投影される柄となって浮かび上がるかについて目視評価し、<A>、<B>の結果を表3にて示す。
この目視評価の基準は、まず<A>の場合については、「×:裏地2A側から光を透過させないにも関わらず、裏地2Aの柄部が表地2B側から、柄となって見える」、「○:裏地2A側から光を透過させなければ、裏地2Aの柄部が表地2B側から、柄としては見えない」、「◎:裏地2A側から光を透過させなければ、裏地2Aの柄部が表地2B側から、柄として全く見えない」とした。
次に、<B>の場合における目視評価の基準については、試験1、2と同様に、「×:裏地2A側から光を透過させても、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されず、柄となって浮かび上がらない」、「○:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がる」、「◎:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されて、より鮮明に柄となって浮かび上がる」とした。
尚、表3でも、実施例1、12~16について、裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の組織とその高透過率TH 、境界部3の組織とその経糸及び緯糸の本数、柄部(低透過率部5)の組織とその低透過率TL 、透過率差ΔT、カバーファクターCFや、表地2B等における組織、全体の透過率、カバーファクターCFも示している。
又、表3中の実施例1、12~16の表示順は、左から順に実施例12、13、14、1、15、16とした。
Figure 0007289181000005
<試験3(表地2B等のカバーファクターCF等の変化と柄)の評価>
表3に示すように、表地2B等のカバーファクターCFや全体の透過率を変化させると、裏地2A側から光を透過させない<A>の場合では、裏地2A側から光を透過させなければ、裏地2Aの柄部が表地2Bの側から、柄としては見えず、実施例1、12~16全ての評価は「○」以上であった。
特に、評価が「◎」となる実施例1、13~16のうち、表地2B等のカバーファクターCFが最も小さいのは実施例13の「1271」である一方で、評価が「○」となるのは実施例12だけで、その表地2BのカバーファクターCFは「1052」であることから、この「1052」から「1271」の間に、評価が「○」から「◎」に変わるカバーファクターCFの値が必ず存在する。
よって、評価を「○」から「◎」に上げるカバーファクターCFの値は、「1052」と「1271」の中間値「1161.5」から余裕をとって「1170」であると言える。
又、裏地2A側から光を透過させる<B>の場合であっても、裏地2A側からの光が透過した際には、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されて、より鮮明に柄となって浮かび上がり、実施例1、12~16全ての評価は「◎」であった。
これらは、裏地2Aにおいて、基本的に、表地2B等のカバーファクターCFや全体の透過率によらず、試験2で上述した<1>、<2>の組織を有していれば、又は、透過率差ΔTが3%以上となれば、裏地2A側からの光が透過した際に、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がるが、表地2B等のカバーファクターCFを「1170」以上とすれば、透過光の有無による表地2Bに投影される柄の変化は大きくなることを示しているとも言える。
尚、実施例1、12~16や、表地2B等のカバーファクターCFが小さ過ぎると透過光無でも表地2B側から裏地2Aの柄が見え、且つ、表地2B等のカバーファクターCFが大きすぎると透過光有でも表地2B側から裏地2Aの柄が見えないことをふまえれば、表地2BのカバーファクターCFは、上述した式(2)により算出した値で、1170以上5000以下であっても良く、好ましくは1300以上3100以下、更に好ましくは1400以上2400以下であっても良いこともわかる。
<試験4(裏地2Aと表地2Bを分けて何れの高透過率部4や低透過率部5の透過率Tも測定できない場合や、何れ低透過率部5も測定装置(上記「UV-3150」)における測定可能最小範囲より小さい(又は、長細い)場合における透過率差ΔT)>
試験4では、上述した実施例17の織物1について、裏地2Aと表地2Bを重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL を測定し、且つ、低透過率部5の低透過率TL を、当該低透過率部5の全体を含み且つ高透過率部4の一部を含む測定可能最小範囲における透過率Tとして測定すると共に、実施例17に対して、織物1の裏地2A側から光が透過する際に、裏地2Aの柄部(低透過率部5)が、表地2Bに投影される柄となって浮かび上がるかについて目視評価し、その結果を表4にて示す。
この目視評価の基準は、試験1、2と同様に、「×:裏地2A側から光を透過させても、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されず、柄となって浮かび上がらない」、「○:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がる」、「◎:裏地2A側から光を透過させると、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影されて、より鮮明に柄となって浮かび上がる」とした。
尚、表4でも、実施例17について、裏地2Aにおける地部(高透過率部4)の組織とその高透過率TH 、境界部3の組織とその経糸及び緯糸の本数、柄部(低透過率部5)の組織とその低透過率TL 、透過率差ΔTも示している。
Figure 0007289181000006
<試験4(裏地2Aと表地2Bを分けて何れの高透過率部4や低透過率部5の透過率Tも測定できない場合や、何れ低透過率部5も測定装置(上記「UV-3150」)における測定可能最小範囲より小さい(又は、長細い)場合における透過率差ΔT)の評価>
表4に示すように、裏地2Aと表地2Bを分けて何れの高透過率部4や低透過率部5の透過率Tも測定できない場合や、何れ低透過率部5も測定装置における測定可能最小範囲より小さい場合であっても、裏地2Aと表地2Bを重ねた状態における高透過率部4の高透過率TH と低透過率部5の低透過率TL を測定したり、低透過率部5の低透過率TL を、当該低透過率部5の全体を含み且つ高透過率部4の一部を含む測定可能最小範囲における透過率Tとして測定することによって、裏地2A側からの光が透過した際には、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され柄となって浮かび上がり、実施例17の評価が「◎」となった。
又、評価が「◎」となった実施例17における透過率差ΔTは、「2.13%」であることから、透過率差ΔTが「0.00%」から「2.13%」になる間に、評価が「×」から「◎」に変わる透過率差ΔTの境界値が必ず存在するとも言える。
よって、試験4の上述した場合において、透過率差ΔTの境界値は、「0.00%」と「2.13%」の間の例えば「1%」であるとも言える。
これは、裏地2Aと表地2Bを分けて何れの高透過率部4や低透過率部5の透過率Tも測定できない場合や、何れ低透過率部5も測定装置(上記「UV-3150」)における測定可能最小範囲より小さい場合における透過率差ΔTが「1%」以上であれば、裏地2A側からの光が透過した際に、裏地2Aの柄部が表地2Bに投影され、柄となって浮かび上がることを示しているとも言える。
尚、この場合における透過率差ΔTは、上述したように、例えば、好ましくは1.5%以上、更に好ましくは2.0%以上であっても良いとも言える。
<その他>
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。織物1、及び、インテリア部材100等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
二重組織などの織物1における2枚の生地のうち一方の生地(裏地2A)は、<1>平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織や、<2>繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織と、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、前記擬紗組織との境界部3に有している平織組織及び/又は繻子織組織以外の組織を有していても良い。
二重組織などの織物1における2枚の生地のうち他方の生地(表地2B)も、平織組織及び/又は擬紗組織以外の組織を有していても良く、例えば、繻子織組織や、斜文織組織及び斜子織組織も有しても構わない。
これは、多重組織などの織物1においても同様で、複数枚の生地のうち最も一方外側の生地(裏地2A)が、上述した<1>、<2>の組織以外の組織を有していても良い。
同様に、多重組織などの織物1における複数枚の生地のうち最も一方外側以外の生地(その他の生地、表地2Bや中地2C)が、平織組織及び/又は擬紗組織以外の組織を有していても良く、例えば、繻子織組織や、斜文織組織及び斜子織組織も有していても構わない。
又、二重組織などの織物1における2枚の生地のうち他方の生地(表地2B)は、上述した高透過率部4と低透過率部4を有して(つまり、裏地2Aと表地2Bの両方が高透過率部4と低透過率部4を有して)いても良い。
更に、多重組織などの織物1における生地が3枚以上である場合には、その3枚以上の生地のうち少なくとも1枚の生地(裏地2Aと表地2Bと中地2Cのうち少なくとも1枚)が、高透過率部4と低透過率部5を備えていても良く、上述したように、裏地2Aだけに高透過率部4と低透過率部5を備える場合の他、中地2C(中地2Cが2枚以上であれば、そのうちの1枚)だけに高透過率部4と低透過率部5を備える場合や、裏地2Aと中地2C(中地2Cが2枚以上であれば、そのうちの1枚)に高透過率部4と低透過率部5を備える場合などであっても構わない。
本発明の織物は、上述したように、カーテン、ブラインド、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、ローマンシェード、間仕切り、壁装、緞子張り、床、天井、タペストリー、舞台幕及び額装品などの内装材や、照明カバーなどの他、様々なインテリア部材に幅広く利用可能である。
1 織物
2A 一方の生地(裏地、最も一方外側の生地)
2B 他方の生地(表地、最も一方外側以外の生地)
2C 中地(最も一方外側以外の生地)
3 境界部
4 高透過率部
5 低透過率部
100 インテリア部材
H 高透過率
L 低透過率
ΔT 透過率差
CF 他方の生地(表地、最も一方外側以外の生地)のカバーファクター

Claims (10)

  1. 2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物、又は、2枚の生地が部分的に接結された織物(擬紗組織の組織ズレ部分を表組織と裏組織で相反する位置にずらした2重織組織とした織物を除く)であって、
    前記2枚の生地のうち一方の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し
    前記2枚の生地のうち他方の生地は、擬紗組織を有していることを特徴とする織物。
  2. 2枚の生地が部分的に接結された二重組織の織物、又は、2枚の生地が部分的に接結された織物であって、
    前記2枚の生地のうち一方の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有し
    前記2枚の生地のうち他方の生地は、擬紗組織を有していることを特徴とする織物。
  3. 2枚の生地が部分的に接結された1枚様の織物であって、
    前記2枚の生地のうち一方の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、
    又は、
    前記2枚の生地のうち一方の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有していて、
    前記2枚の生地のうち他方の生地は、擬紗組織を有していることを特徴とする織物
  4. 前記一方の生地は、高透過率部と低透過率部を備えていて、
    前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、3%以上である、
    当該織物の前記高透過率部と前記低透過率部の透過率を測定する測定装置において当該織物の把持治具には透過率測定用の孔部が設けられ、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記高透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記高透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記高透過率部の高透過率とした場合と、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記低透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記低透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記低透過率部の低透過率とした場合の少なくとも何れか一方となっていて、前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である、
    及び/又は、
    前記2枚の生地を重ねた状態における前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の織物。
  5. 前記低透過率部の低透過率は、19.5%以下であり、
    前記2枚の生地のうち他方の生地は、そのカバーファクターが、1170以上5000以下であることを特徴とする請求項に記載の織物。
  6. 複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物、又は、複数枚の生地が部分的に接結された織物(擬紗組織の組織ズレ部分を表組織と裏組織で相反する位置にずらした多重織組織とした織物を除く)であって、
    前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し
    前記複数枚の生地のうち最も他方外側の生地は、擬紗組織を有していることを特徴とする織物。
  7. 複数枚の生地が部分的に接結された多重組織の織物、又は、複数枚の生地が部分的に接結された織物であって
    記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有し
    前記複数枚の生地のうち最も他方外側の生地は、擬紗組織を有していることを特徴とする織物。
  8. 複数枚の生地が部分的に接結され、且つ、前記複数枚の生地のうち少なくとも1組の隣接する2枚の生地が1枚様の織物であって、
    前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、平織組織、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、
    又は、
    前記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と、擬紗組織とを有し、且つ、前記繻子織組織、斜文織組織及び斜子織組織のうちの少なくとも1つの組織と前記擬紗組織との境界部に、平織組織及び/又は繻子織組織を有していて、
    前記複数枚の生地のうち最も他方外側の生地は、擬紗組織を有していることを特徴とする織物
  9. 記複数枚の生地のうち最も一方外側の生地、又は、前記複数枚の生地のうち少なくとも1枚の生地は、高透過率部と低透過率部を備えていて、
    前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、3%以上である、
    当該織物の前記高透過率部と前記低透過率部の透過率を測定する測定装置において当該織物の把持治具には透過率測定用の孔部が設けられ、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記高透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記高透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記高透過率部の高透過率とした場合と、当該織物の一方の生地の何れの箇所においても前記孔部全てを前記低透過率部のみで占められない且つ前記孔部の面積の15%以上が前記低透過率部で占められる際に前記孔部内の当該織物を測定して得られた透過率を前記低透過率部の低透過率とした場合の少なくとも何れか一方となっていて、前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上である、
    及び/又は、
    前記複数枚の生地のうち少なくとも前記高透過率部と低透過率部を備えた生地とその他の生地の2枚の生地を重ねた状態における前記高透過率部の高透過率と前記低透過率部の低透過率との透過率差は、1%以上であることを特徴とする請求項6~8の何れか1項に記載の織物。
  10. 請求項1~9の何れか1項に記載の織物のうちの少なくとも1つを用いており、
    カーテン、ブラインド、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、ローマンシェード、間仕切り、壁装、緞子張り、床、天井、タペストリー、舞台幕、額装品及び照明カバーのうちの何れか1つであることを特徴とするインテリア部材。
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