JP7288225B2 - 換気量推定装置、換気量推定方法およびプログラム - Google Patents

換気量推定装置、換気量推定方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7288225B2
JP7288225B2 JP2022107216A JP2022107216A JP7288225B2 JP 7288225 B2 JP7288225 B2 JP 7288225B2 JP 2022107216 A JP2022107216 A JP 2022107216A JP 2022107216 A JP2022107216 A JP 2022107216A JP 7288225 B2 JP7288225 B2 JP 7288225B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ventilation volume
target space
carbon dioxide
ventilation
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022107216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023050088A (ja
Inventor
絢音 石田
羽峰 王
武彦 樋江井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Publication of JP2023050088A publication Critical patent/JP2023050088A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7288225B2 publication Critical patent/JP7288225B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F11/00Control or safety arrangements
    • F24F11/62Control or safety arrangements characterised by the type of control or by internal processing, e.g. using fuzzy logic, adaptive control or estimation of values
    • F24F11/63Electronic processing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F7/00Ventilation
    • F24F7/007Ventilation with forced flow
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/70Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fuzzy Systems (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Ventilation (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本開示は、換気量推定装置、換気量推定方法およびプログラムに関する。
特許文献1に記載の換気量推定装置は、所定の閉空間内に設置され所定の二酸化炭素の濃度を測定する二酸化炭素濃度測定手段と、第一時刻の閉空間における二酸化炭素の濃度を、当該閉空間における換気量を考慮した、前記第一時刻よりも前の第二時刻における二酸化炭素の濃度からの影響と前記閉空間における二酸化炭素の発生からの影響、に基づいて表す関係式に、前記所定の二酸化炭素の発生量が既知の時間帯において前記二酸化炭素濃度測定手段によって測定された異なる2時刻における前記所定の二酸化炭素の濃度を、前記第一時刻と前記第二時刻の濃度として代入して、前記換気量を求める演算手段とを有する。
特開2010-19484号公報
しかし、換気量が未知の状態で二酸化炭素の濃度変化のみから在室人数を決定するため、人数精度が低い。そのため、算出される換気量の精度も低かった。
本開示の目的は、対象空間の換気量を精度よく推定することができるようにすることにある。
本開示の第1の態様は、室内の対象空間の換気量を推定する換気量推定装置において、前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する制御部(50)を備える。
第1の態様では、対象空間の換気量を精度よく推定することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果は、前記複数の計算結果のうち前記実測値に関する値に最も近くなる計算結果を示す。
第2の態様では、複数の計算結果のうち実測値に関する値に最も近くなる計算結果から対象空間の換気量の推定値を出力することができる。
本開示の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記条件は、前記対象空間がとり得る換気量である候補換気量と、前記対象空間内の残留人数との組み合わせを含む。
第3の態様では、対象空間がとり得る換気量である可能換気量と、対象空間内の残留人数との組み合わせを含む条件の変化を考慮して、対象空間の換気量を推定することができる。
本開示の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のうちのいずれか1つの態様において、前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値は、時間が経過することに伴って前記対象空間内の二酸化炭素濃度が減衰する減衰区間における前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値を示す。
第4の態様では、減衰区間の二酸化炭素濃度の実測値を用いて対象空間の換気量を精度よく推定することができる。
本開示の第5の態様は、第4の態様において、複数の前記減衰区間の実測値が用いられる。
第5の態様では、複数の減衰区間の二酸化炭素濃度の実測値を用いることで、窓、ドア開け等の外乱による影響を抑制しつつ、対象空間の換気量を精度よく推定することができる。
本開示の第6の態様は、第5の態様において、前記制御部(50)は、前記複数の減衰区間の各々について、換気量の推定値を出力し、前記換気量の推定値を前記実測値と所定条件の前記計算結果との誤差で重みづけした平均を、前記対象空間の換気量の推定値として出力する。
第6の態様では、複数の減衰区間の各々の実測値に最も近くなる条件での前記対象空間内の二酸化炭素濃度の経時変化の計算結果と、複数の減衰区間の各々の二酸化炭素濃度の経時変化の実測値との誤差で重みづけした平均を、対象空間の換気量の推定値として出力することで、窓、ドア開け等の外乱による影響を効果的に抑制できる。
本開示の第7の態様は、第1の態様において、前記実測値に関する値は、互いに異なる複数の第1濃度差を示し、前記複数の第1濃度差の各々は、前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値と、室外の二酸化炭素濃度との差であり、前記複数の計算結果の各々は、一人の二酸化炭素発生量を考慮して得られる前記対象空間内の二酸化炭素濃度と前記室外の二酸化炭素濃度との第2濃度差を示す。
第7の態様では、対象空間の換気量を精度よく推定することができる。
本開示の第8の態様は、第7の態様において、前記複数の第1濃度差の各々は、経時的に出力された前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値と、前記室外の二酸化炭素濃度との濃度差のうち前記濃度差が安定的に推移するときの前記濃度差に基づく値を示す。
第8の態様では、経時的に出力された対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値と、室外の二酸化炭素濃度との濃度差のうち濃度差が安定的に推移するときの濃度差に基づく値を第1濃度差とすることができる。
本開示の第9の態様は、第7の態様または第8の態様において、前記条件は、前記対象空間がとり得る換気量である候補換気量を示す。
第9の態様では、対象空間がとり得る換気量である候補換気量を含む条件の変化を考慮して、対象空間の換気量を推定することができる。
本開示の第10の態様は、第9の態様において、前記制御部(50)は、複数の前記第2濃度差のうち前記複数の第1濃度差と対応する対応濃度差を出力し、前記対応濃度差と対応する前記候補換気量を前記対象空間の換気量の推定値をとして出力する。
第10の態様では、対応濃度差と対応する候補換気量を対象空間の換気量の推定値をとして出力することができる。
本開示の第11の態様は、第1の態様から第10の態様のうちのいずれか1つの態様において、前記制御部(50)は、前記対象空間の換気量の推定値を示す換気量推定結果の度数分布のうち度数のピークを含む山領域を特定する。
第11の態様では、運用される特定の換気条件で対象空間の換気処理が行われるときの換気量の推定値を求めることができる。
本開示の第12の態様は、第11の態様において、前記度数分布は、複数の前記ピークを含み、前記山領域は、複数の前記ピークのうち最大の前記ピークを含む。
第12の態様では、主に運用される換気条件で対象空間の換気処理が行われるときの換気量の推定値を求めることができる。
本開示の第13の態様は、第11の態様において、前記度数分布は、複数の前記ピークを含み、前記山領域は、複数の前記ピークのうち対応する前記換気量推定結果が最大となる前記ピークを含む。
第13の態様では、機械換気で対象空間の換気処理が行われるときの換気量の推定値を求めることができる。
本開示の第14の態様は、第11の態様から第13の態様のうちのいずれか1つの態様において、前記制御部(50)は、前記山領域における前記換気量推定結果の平均を、特定の換気条件で前記対象空間の換気処理が行われるときの前記対象空間の換気量の推定値として出力することができる。
第14の態様では、山領域における換気量推定結果の平均を、運用される換気条件での換気量として出力することができる。
本開示の第15の態様においては、換気量推定方法は、コンピュータに備えられる制御部(50)により、対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する。
第15の態様では、対象空間の換気量を精度よく推定することができる。
本開示の第16の態様においては、プログラムは、対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する処理をコンピュータに実行させる。
第16の態様では、対象空間の換気量を精度よく推定することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る換気量推定装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態の制御部の動作を示すフロー図である。 図3は、第1データ収集処理により収集された濃度情報を示す図である。 図4は、制御部が外気濃度を推定する手順を示す図である。 図5は、経時変化の実測値と複数の条件を変化させた経時変化の計算結果を示す図である。 図6は、各減衰区間の、換気量と、残留人数と、誤差を示す図である。 図7は、第2実施形態の制御部の動作を示すフロー図である。 図8は、第2濃度情報を示す図である。 図9は、第1濃度差の分布を示す図である。 図10は、対応情報を示す図である。 図11は、第1濃度差の分布と第2濃度差との関係を示す図である。 図12は、第2実施形態の制御部の動作を示すフロー図である。 図12は、プロット情報を示す図である。 図14は、第1グラフを示す図である。 図15は、第2グラフを示す図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明及びそれに付随する効果等の説明は繰り返さない。
―第1実施形態―
室内の空間である対象空間の換気量を推定する構成の第1実施形態を説明する。図1を参照して、本発明の実施形態に係る換気量推定装置(1)について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る換気量推定装置(1)の構成を示すブロック図である。換気量推定装置(1)は、PC(Personal Computer)を含む。換気量推定装置(1)は、室内の空間である対象空間の換気量を推定する。
―全体構成―
図1に示すように、換気量推定装置(1)は、入力部(10)と、表示部(20)と、検出部(30)と、記憶部(40)と、制御部(50)とを備える。
入力部(10)は、換気量推定装置(1)に対する外部からの指示を受け付ける。入力部(10)は、例えば、キーボード、または、タッチパネルを含む。
表示部(20)は、例えば、換気量推定装置(1)により推定された対象空間の換気量のような情報を表示する。表示部20は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、またはELD(Electro Luminescenc Displaye)を含む。
検出部(30)は、対象空間内の二酸化炭素濃度を検出するセンサーである。
記憶部(40)は、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリ)を含み、補助記憶装置(例えば、ハ-ドディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、SD(Secure Digital)メモリカード、又は、USB(Universal Seral Bus)フラッシメモリ)をさらに含んでもよい。記憶部(40)は、制御部(50)によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
制御部(50)は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部(50)は、記憶部(40)に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、換気量推定装置(1)の各要素を制御する。
―第1実施形態の制御部の動作―
図1~図6を参照して、第1実施形態の制御部(50)の動作について説明する。
図1および図2に示すように、ステップS10において、制御部(50)は、第1データ収集処理を行う。第1データ収集処理は、所定期間(例えば、1週間)の間、制御部(50)が検出部(30)により検出された対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値を示す第1濃度情報(100)を収集する処理である。図3は、第1データ収集処理により収集された第1濃度情報(100)を示す。第1濃度情報(100)は、検出部(30)により検出された対象空間内の二酸化炭素濃度と、二酸化炭素濃度が検出された時間とを対応付けた情報である。第1濃度情報(100)は、経時的に出力された対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値を示す。
図1~図3に示すように、ステップS20において、制御部(50)は、第1濃度情報(100)から減衰区間を抽出する。減衰区間は、時間が経過することに伴って二酸化炭素濃度が減衰する区間である。減衰後に大きく変化しない安定部分がある場合、安定部分も減衰区間に含める。図3に示すように、本実施形態では、減衰区間1~減衰区間5が抽出される。減衰区間1~減衰区間5の各々における対象空間内の二酸化炭素の実測値(検出部により検出された値)は、対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値の第1例である。
図1、図2に示すように、ステップS30において、制御部(50)は、減衰区間毎に外気濃度を推定する。外気濃度は、室外の二酸化炭素濃度である。
図4を参照して、制御部(50)が外気濃度を推定する手順について説明する。
図4の減衰区間P1及び減衰区間P4のように、減衰区間内に安定部分が存在する場合で、安定部分の最小濃度が全区間の最小濃度+100ppm以下かつ、1人が在室する時の定常濃度以下となるような二酸化炭素の濃度条件が満たされるとき、減衰区間内の二酸化炭素の最小濃度が外気濃度に推定される。図4の減衰区間P1では430ppmが外気濃度に推定され、減衰区間P4では410ppmが外気濃度と推定される。安定部分は、減衰区間内において、室内空間内の二酸化炭素濃度(検出部(30)の検出値)が、所定期間の間、所定の範囲内でしか変化しなかった部分を示す。
図4の減衰区間P2および減衰区間P3は減衰区間内に安定部分が存在せず、上記濃度条件が満たされない。上記濃度条件が満たされないとき、第1データ収集処理が行われた全区間内のうちの二酸化炭素の最小濃度が外気濃度と推定される。減衰区間P2および減衰区間P3では、全区間内の最小濃度である410ppmが外気濃度と推定される。
上記のように減衰区間P1~減衰区間P4の各々の外気濃度を推定したときと同様の手順で、図3に示す減衰区間1~減衰区間5の各々について外気濃度が推定される。
図1~図3に示すように、ステップS40において、制御部(50)は、減衰区間1~減衰区間5の各々について、現実的にとり得る対象空間の候補換気量Qと、減衰区間の終了時における対象空間内の残留人数Nの範囲とを推定する。
―候補換気量の範囲―
候補換気量Qの範囲は、予め設定される対象空間の設計換気量(設計qm/h)から推定される。本実施形態では、候補換気量Qの範囲は下記数1に示す範囲の値に推定される。
[数1]
1≦Q≦2・設計q
対象空間の設計換気量が未知の場合、対象空間が設けられる建物の用途、対象空間の床面積等から算出された基準換気量が設計換気量の代わりに用いられる。
また、候補換気量Qの間隔は、設計q/10m/hまたは5m/hのうちの小さい方の値に設定される。
候補換気量Qは、上記数1で推定された範囲内の値のうち上記の間隔で選択された値に推定される。これにより、複数の候補換気量Qが推定される。
―残留人数の範囲―
残留人数Nの範囲は、減衰区間の始点の二酸化炭素濃度と設計換気量から推定される。残留人数Nが推定される手順について説明する。
下記数2に示すように、減衰区間の始点時における対象空間内の二酸化炭素濃度Cpppmと設計換気量(設計qm/h)から、減衰区間の始点時における対象空間内の二酸化炭素の発生量Mが算出される。Coは、上記ステップS30において推定された外気濃度を示す。
[数2]
発生量M=設計q・(Cp-Co)
人の呼吸(二酸化炭素の排出量)と二酸化炭素の発生量Mとの相関を示す所定の式から減衰区間の始点時における室内空間の在室人数のとり得る最大値Npが算出され、残留人数Nの範囲が下記数3のように推定される。
[数3]
0≦N≦Np-1
例えば、減衰区間の始点時における室内空間の在室人数のとり得る最大値Npが10人と算出された場合、室内空間内の残留人数Nは減衰区間の始点時の在室人数Npより少ないことが推定されるので、残留人数Nが0以上、9以下の整数の値に推定される(N=0、1、2...、9)。これにより、複数の残留人数Nが推定される。候補換気量Qと、残留人数Nとの組み合わせは、条件の第1例である。
図1および図2に示すように、ステップS50において、制御部(50)は、減衰区間1~減衰区間5の各々について、ステップS40において推定した複数の候補換気量Qと複数の残留人数Nとの全組み合わせについて、実測による減衰区間の始点の二酸化炭素濃度からの複数の濃度衰退データを作成する。複数の濃度衰退データの各々は、候補換気量Qおよび残留人数Nのときの対象空間内の二酸化炭素濃度の減衰の経時変化をシミュレーションにより出力した計算結果である。複数の濃度衰退データは、候補換気量Qおよび残留人数Nの条件を上記で求めた範囲内で変化させることによって作成される。濃度衰退データを出力するためのシミュレーションは、対象空間の容積を示す情報、候補換気量Qを示す情報、残留人数Nを示す情報等を用いて行われる。濃度衰退データは、減衰区間毎に作成される。例えば、減衰区間2(図3参照)については、図5の点線に示すように、濃度衰退データA~濃度衰退データDが作成される。濃度衰退データA~濃度衰退データDは、条件を変化させて計算した対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果の第1例である。
制御部(50)は、減衰区間1~減衰区間5の各々について、複数の濃度衰退データのうち、検出部(30)による実測値との誤差である平均二乗誤差が最も小さい濃度衰退データ(所定条件の計算結果)で採用されるQとNの組み合わせを求める。例えば、減衰区間2(図3参照)において、図5の実線で示す実測値との平均二乗誤差が一番小さい濃度衰退データで採用されるQとNの組み合わせは、濃度衰退データA~濃度衰退データDのうちの濃度衰退データAで採用されるQ(=450)およびN(=0)である。
減衰区間1、および減衰区間3~減衰区間5(図3参照)の各々についても、減衰区間2のときと同様の処理が行われ、平均二乗誤差が一番小さい濃度衰退データで採用されるQとNの組み合わせが求められる。その結果、図6に示すように、減衰区間1~減衰区間5の各々について、QとNの組み合わせが求められる。
図1~図3、および図6に示すように、ステップS60において、制御部(50)は、減衰区間1~減衰区間5の各々の換気量を、ステップS50においてそれぞれ求めた候補換気量Qと推定する。制御部(50)は、減衰区間1~減衰区間5の各々について、換気量の推定値Qを上記実測値と上記所定条件の計算結果との誤差で重みづけした平均である重みづけ平均Wmを、対象空間の換気量の推定値として出力する。以下では、対象空間の換気量の推定値を算出する手順について説明する。
下記数4に示すように、各減衰区間の重みWiが算出される。iは、各減衰区間を示す。本実施形態では、iは、1(減衰区間1)~5(減衰区間5)を示す。Eiは、各減衰区間における、上記実測値と上記所定条件の計算結果(実測値との誤差が最も小さい濃度衰退データ)との誤差を示す。
[数4]
Wi=(1/Ei)/Σ(1/Ei)
本実施形態では、Σ(1/Ei)は、下記数5のようになる。
[数5]
Σ(1/Ei)=1/7.642+1/11.519+....+1/12.945=1.573
下記数6に示すように、重みづけ平均Wmが算出される。Qiは、各減衰区間の換気量の推定値を示す。
[数6]
Wm=Σ(Qi×Wi)
本実施形態では、重みづけ平均Wmは、下記数7のようになる。
[数7]
Wm=650×(1/7.642)/1.573+....+450×(1/12.945)/1.573=605
―第1実施形態の効果―
以上のように、制御部(50)は、対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する。対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値は、第1濃度情報(100)を示す。条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果は、ステップS50において、候補換気量Qおよび残留人数Nの条件を変化させることによって作成された複数の濃度衰退データ(濃度衰退データA~濃度衰退データD)を示す。複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果は、複数の計算結果のうち前記実測値に関する値に最も近くなる計算結果を示す。これにより、複数の濃度衰退データのうちから、実測値と比較して誤差が最も少ない濃度衰退データを用いて対象空間の換気量を推定することができるので、対象空間の換気量を精度よく推定することができる。また、制御部(50)は、対象空間の容積と、対象空間内の二酸化炭素濃度の経時変化の実測値と、条件を変化させた前記対象空間内の二酸化炭素濃度の経時変化の計算結果とに基づいて、実測値に最も近くなる計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する。対象空間の容積は、ステップS50において、制御部(50)が濃度衰退データを出力するためのシミュレーションを行う際に用いられる。条件を変化させた前記対象空間内の二酸化炭素濃度の経時変化の計算結果は、ステップS50において、候補換気量Qおよび残留人数Nの条件を変化させることによって作成された複数の濃度衰退データ(濃度衰退データA~濃度衰退データD)を示す。これにより、複数の濃度衰退データのうちから、実測値と比較して誤差が最も少ない濃度衰退データを用いて対象空間の換気量を推定することができるので、対象空間の換気量を精度よく推定することができる。また、対象空間の換気量を推定する際に、窓開け、ドア開け等の外乱による影響の低減できる。また、対象空間の照明ON/OFFなどの在室者数推定のための追加情報を用いることなく、対象空間の換気量を推定することができる。
―第2実施形態―
室内の空間である対象空間の換気量を推定する構成の第2実施形態を説明する。第2実施形態においても、図1に示す換気量推定装置(1)を用いて対象空間の換気量が推定される。
―第2実施形態の制御部の動作―
第2実施形態の制御部(50)の動作について説明する。
図1および図7に示すように、ステップS110において、制御部(50)は、第2データ収集処理を行う。第2データ収集処理は、所定期間(例えば、1週間)の間、制御部(50)が検出部(30)により検出された対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値を収集し、収集した二酸化炭素濃度の実測値を用いて、第2濃度情報(200)を取得する処理である。図8に示すように、第2濃度情報(200)は、経時的に出力された対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値と、室外の二酸化炭素濃度との濃度差ΔC(ppm)を表す。濃度差ΔCは、詳細には、対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値と、室外の二酸化炭素濃度との絶対差を示す。第2濃度情報(200)は、濃度差ΔCと、対象空間内の二酸化炭素濃度の検出時間とを対応付けた情報である。
濃度差ΔCを算出するために用いられる対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値は、例えば、検出部(30)(図1参照)により検出される。
濃度差ΔCを算出するために用いられる室外の二酸化炭素濃度は、室外に設けられ、室外の二酸化濃度濃度を検出するセンサーにより検出された室外の二酸化炭素濃度の実測値でもよい。
濃度差ΔCを算出するために用いられる室外の二酸化炭素濃度は、制御部(50)により算出された値でもよい。この場合、例えば、制御部(50)は、第2濃度情報(200)を得るために検出部(30)により検出された対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値のうちの最小値を、室外の二酸化炭素濃度として算出する。また、制御部(50)は、上記ステップS30(図2および図4参照参照)に示す処理と同様の処理を行うことで、室外の二酸化炭素濃度を算出してもよい。
ステップS120において、制御部(50)は、第2濃度情報(200)に基づいて、複数の第1濃度差ΔC1を決定する。第1濃度差ΔC1は、第2濃度情報(200)に示す濃度差ΔCのうち濃度差ΔCが安定的に推移するときの濃度差ΔCに基づく値を示す。濃度差ΔCが安定的に推移することは、例えば、所定期間の間、濃度差ΔCの最大と最小との差が所定範囲内の値となることを示す。濃度差ΔCが安定的に推移するときの濃度差ΔCに基づく値は、例えば、濃度差ΔCが安定的に推移するときの濃度差ΔCの最頻値を示す。
図8を参照して、制御部(50)が複数の第1濃度差ΔC1を決定する手順の一例について具体的に説明する。図8において、第2濃度情報(200)の下側の図は、第2濃度情報(200)のうちの領域(U)の部分を拡大したものである。
図8に示すように、制御部(50)は、例えば、第2濃度情報(200)の濃度差ΔCの度数分布から、第2濃度情報(200)の経時的に出力された濃度差ΔCに対して谷で区切る、クラスター分析を行う等の処理を行うことで、濃度差ΔCが安定的に推移する複数の塊(V)を抽出する。塊(V)は、第2濃度情報(200)において、濃度差ΔCが略一定となる定常点を示す。
第2実施形態では、塊(V1)、塊(V2)、および塊(V3)が抽出される。制御部(50)は、複数の塊(V)の各々について塊(V)内の濃度差ΔCの最頻値を第1濃度差ΔC1として出力する。第2実施形態では、塊(V1)についてはΔC1aが最頻値となることから第1濃度差ΔC1aが出力され、塊(V2)についてはΔC1bが最頻値となることから第1濃度差ΔC1bが出力され、塊(V3)についてはΔC1cが最頻値となることから第1濃度差ΔC1cが出力される。その結果、複数の第1濃度差ΔC1a(第1濃度差ΔC1a、第1濃度差ΔC1b、および第1濃度差ΔC1c)が決定される。
図9に示すように、第2実施形態では、第1濃度差ΔC1a~第1濃度差ΔC1cは、第1濃度差ΔC1a、第1濃度差ΔC1b、および第1濃度差ΔC1cの順番に大きくなるように分布している。第2実施形態では、第1濃度差ΔC1aは60ppmであり、第1濃度差ΔC1bは120ppmであり、第1濃度差ΔC1cは240ppmである。
ステップS130において、制御部(50)は、現実的にとり得る対象空間の候補換気量Rの範囲とを推定する。候補換気量Rの範囲は、予め設定される対象空間の設計換気量(設計qm/h)から推定される。本実施形態では、候補換気量Rの範囲は下記数8に示す範囲の値に推定される。
[数8]
0.5・設計q≦R≦2・設計q
対象空間の設計換気量が未知の場合、対象空間が設けられる建物の用途、対象空間の床面積等から算出された基準換気量が設計換気量の代わりに用いられる。候補換気量Rの間隔は、設計q/10m/hまたは5m/hのうちの小さい方の値に設定される。候補換気量Rは、上記数8で推定された範囲内の値のうち上記の間隔で選択された値に推定される。これにより、複数の候補換気量Rが推定される。
ステップS140において、対象空間内に一人の人がいるとしたときの、対象空間内の二酸化炭素濃度と、室外の二酸化炭素濃度との差のとり得る値の最小値ΔCminと最大値ΔCmaxとを算出する。最小値ΔCminは下記数9より求められる。kは、一人の人の二酸化炭素発生量であり、予め決められた値である。
[数9]
ΔCmin=k・1/(2・設計q)
最大値ΔCmaxは下記数10より求められる。
[数10]
ΔCmax=k・1/(0.5・設計q)
図7および図10に示すように、ステップS150において、制御部(50)は、対応情報(W)を作成する。対応情報(W)は、複数の候補換気量Rと、複数の第2濃度差ΔC2とを対応付けた情報である。複数の第2濃度差ΔC2の各々は、制御部(50)の計算により出力される対象空間内の二酸化炭素濃度と前記室外の二酸化炭素濃度との差を示す。
複数の第2濃度差ΔC2の各々は、最小分解能、すなわち、対象空間内に一人の人がいるとしたときの、対象空間内の二酸化炭素濃度と、室外の二酸化炭素濃度との差である。
複数の第2濃度差ΔC2の各々は、下記数11より求められる。
[数11]
ΔC2=k・1/R
複数の第2濃度差ΔC2は、それぞれ、複数の候補換気量Rと対応する。図10に示す対応情報(W)において、左右に並ぶ第2濃度差ΔC2と候補換気量Rとが対応している。複数の第2濃度差ΔC2の各々は、対応する候補換気量Rを数11に代入することによって求められる。
対応情報(W)に含まれる第2濃度差ΔC2は、ΔCmin以上、ΔCmax以下の範囲内の値に制限される。これにより、対応情報(W)において、第2濃度差ΔC2と対応する候補換気量Rの値も制限される。第2実施形態では、対応情報(W)において、第2濃度差ΔC2は、20ppm以上、80ppm以下の範囲内の値に制限され、候補換気量Rは、50m/h以上、200m/h以下の範囲内の値に制限される。これにより、対象空間の換気量を推定する際の制御部(50)の演算負荷を低減できる。
上記数11に示すように、第2濃度差ΔC2が算出される際、一人の人の二酸化炭素発生量kが用いられ、一人の人の二酸化炭素発生量kが考慮されていることから、第2濃度差ΔC2は一人の二酸化炭素発生量を考慮して得られる対象空間内の二酸化炭素濃度と前記室外の二酸化炭素濃度との差を示す。
図7および図11に示すように、ステップS160において、制御部(50)は、複数の第2濃度差ΔC2の各々について、最小分解能である第2濃度差ΔC2を基に、離散的な分解能を算出する。離散的な分解能は、第2濃度差ΔC2に対して自然数を乗じた値(ΔC2×J(Jは自然数(1、2、3、・・・・))の集合体である。制御部(50)は、複数の第2濃度差ΔC2の各々について、離散的な分解能と、複数の第1濃度差ΔC1(第1濃度差ΔC1a~第1濃度差ΔC1c)との二乗誤差を計算する。制御部(50)は、複数の第2濃度差ΔC2のうち二乗誤差が最も小さくなる第2濃度差ΔC2を対応濃度差として出力する。
第2実施形態では、複数の第2濃度差ΔC2のうち、第2濃度差ΔC2a(=60ppm)の離散的な分解能(ΔC2a×1=60ppm、ΔC2a×2=120ppm、およびΔC2a×4=240ppm、)と、複数の第1濃度差ΔC1(第1濃度差ΔC1a~第1濃度差ΔC1c)(図9参照)との二乗誤差が最も小さくなる。その結果、第2実施形態では、第2濃度差ΔC2a(=60ppm)が、対応濃度差として出力される。
図7および図10に示すように、ステップS170において、制御部(50)は、対応情報(W)において、対応濃度差と対応する候補換気量Rを、対象空間の換気量の推定値をとして出力する。第2実施形態では、対応濃度差が第2濃度差ΔC2a(=60ppm)となる。その結果、第2実施形態では、対応情報(W)において、第2濃度差ΔC2a(=60ppm)と対応する候補換気量R(=140m/h)が対象空間の換気量の推定値をとして出力される。
―第3実施形態―
第3実施形態では、制御部(50)は、主に運用される換気条件(自然換気、機械換気等)での換気量を推定する。
―第3実施形態の制御部の動作―
第3実施形態の制御部(50)の動作について説明する。
図1および図12に示すように、ステップS210において、制御部(50)は、第1換気量推定処理を複数回行うことで、複数の換気量推定結果を取得する。第1換気量推定処理は、上記第1実施形態に示す対象空間の換気量を推定値を出力する処理である(図2参照)。なお、制御部(50)は、第2換気量推定処理を複数回行うことで、複数の換気量推定結果を取得してもよい。第2換気量推定処理は、上記第2実施形態に示す対象空間の換気量を推定値を出力する処理である(図7参照)。また、制御部(50)は、上記第1換気量推定処理と上記第2換気量推定処理とを行うことで、複数の換気量推定結果を取得してもよい。換気量推定結果は、対象空間の換気量を推定値を示す。
ステップS210において、複数の換気量推定結果を取得するために行われる処理については、上記第1換気量推定処理および上記第2換気量推定処理に限定されない。ステップS210において、複数の換気量推定結果が取得される際、上記第1換気量推定処理および第2換気量推定処理以外の処理が行われてもよい。
図12および図13に示すように、ステップS220において、制御部(50)は、複数の換気量推定結果(対象空間の換気量を推定値)から、プロット情報(F1)を作成する。プロット情報(F1)は、頻度と換気量推定結果とを対応付けた情報であり、換気量推定結果の度数分布をプロットした情報である。プロット情報(F1)の座標系において、縦軸は頻度を示し、横軸は換気量推定結果を示す。頻度は、換気量推定結果を取得するための処理が行われた回数(度数)である(頻度=度数)。なお、頻度は、度数を誤差で割った値でもよい(頻度=度数/誤差)。誤差は、換気量推定結果と換気量の実測値との誤差を示す。
図12および図14に示すように、ステップS230において、制御部(50)は、プロット情報(F1)を平滑化した第1グラフ(Fa)を作成する。第1グラフ(Fa)は、頻度と換気量推定結果とを対応付けた情報であり、換気量推定結果の度数分布を示す。第1グラフ(Fa)の座標系において、縦軸は頻度を示し、横軸は換気量推定結果を示す。
第1グラフ(Fa)は、複数のピーク(T11,T12,T13)と、複数の底(H11,H12,H13,H14)とを含む。第1グラフ(Fa)において、複数のピーク(T11,T12,T13)のうちのいずれかと、複数の底(H11,H12,H13,H14)のうちのいずれかとが交互に存在する。ピーク(T11,T12,T13)は、第1グラフ(Fa)上において接線の傾きが0となる点のうち、頻度が増加する側(図14の縦軸のプラス側)へ凸となる側に位置する点である。底(H11,H12,H13,H14)は、第1グラフ(Fa)上において接線の傾きが0となる点のうち、頻度が減少する側(図14の縦軸のマイナス側)へ凸となる側に位置する点である。
図12および図14に示すように、ステップS240において、制御部(50)は、山領域を特定する。山領域は、度数と換気量推定結果とを対応付けた換気量推定結果の度数分布において、度数のピークを含む領域である。言い換えれば、山領域は、度数と換気量推定結果とを対応付けた換気量推定結果の度数分布において、換気量推定結果の増加に伴って度数が第1の谷、ピーク、および第2の谷の順番に変化するときの、第1の谷から第2の谷までの間の領域である。
第3実施形態では、換気量推定結果の度数分布を示す第1グラフ(Fa)は、複数のピーク(T11,T12,T13)を含む。第3実施形態では、制御部(50)により特定される山領域(Fa1)は、複数のピーク(T11,T12,T13)のうち最大のピーク(T12)を含む領域であり、第1グラフ(Fa)における底(H12)から底(H13)までの間の領域である。
ステップS250において、制御部(50)は、山領域(Fa1)における換気量推定結果の平均αを出力する。山領域(Fa1)における換気量推定結果の平均αは、山領域(Fa1)内の、頻度と、当該頻度と対応する換気量推定結果との積の総和を、山領域(Fa1)内の当該頻度の総和で割った値である。第3実施形態では、山領域(Fa1)における換気量推定結果の平均αは、第1グラフ(Fa)における換気量推定結果(a11)から換気量推定結果(a12)までの間の面積βを、第1グラフ(Fa)における換気量推定結果(a11)から換気量推定結果(a12)までの頻度γの総和で割った値である(α=β/γ)。換気量推定結果(a21)は底(H12)と対応し、換気量推定結果(a12)は底(H13)と対応する。
ステップS260において、制御部(50)は、ステップS250において出力した山領域(Fa1)における換気量推定結果の平均αを、特定の換気条件で対象空間の換気処理が行われるときの対象空間の換気量の推定値として出力する。
図14に示すように、第1グラフ(Fa)が複数のピーク(T11,T12,T13)を含むことから、第1グラフ(Fa)において、複数の山領域(底(H11)から底(H12)までの領域、底(H12)から底(H13)までの領域、および、底(H13)から底(H14)までの領域)が特定される。山領域毎に、対応する換気量推定結果が異なることから、互いに異なる換気条件(自然換気、機械換気等)で対象空間の換気処理が行われたことが推定される。
第3実施形態では、最大のピーク(T12)を含む山領域(Fa1)についての換気量推定結果の平均αが出力されている。山領域(Fa1)は、最大のピーク(T12)を含むが、このことは、度数が最も多いことを意味し、対象空間の換気処理が行われる際に、主に運用される換気条件であることを示している。よって、第3実施形態では、換気量推定結果の平均αが、主に運用される換気条件で対象空間の換気処理が行われるときの対象空間の換気量の推定値として出力される。
―第3実施形態の変形例―
図15は、第1グラフ(Fa)(図14参照)の変形例である第2グラフ(Fb)を示す。図15に示すように、第2グラフ(Fb)は、複数のピーク(T21,T22)と、複数の底(H21,H22,H23)とを含む。図15に示すように、第3実施形態の変形例では、ステップS230において(図12参照)、第2グラフ(Fb)が作成される。
図15に示すように、第3実施形態の変形例では、ステップS240において(図12参照)、制御部(50)は、山領域(Fb1)を特定する。山領域(Fb1)は、複数のピーク(T21,T22)のうち対応する換気量推定結果が最大となるピークを含む領域である。第3実施形態の変形例では、図15の第2グラフ(Fb)に示すように、ピーク(T21,T22)のうち、ピーク(T21)と対応する換気量推定結果(a21)よりも、ピーク(T22)と対応する換気量推定結果(a23)の方が大きい。その結果、山領域(Fb1)は、ピーク(T22)を含む領域に特定され、第2グラフ(Fb)における底(H22)から底(H23)までの間の領域に特定される。
図15に示すように、第3実施形態の変形例では、ステップS250において(図12参照)、制御部(50)は、山領域(Fab)における換気量推定結果の平均を出力する。ステップS260において(図12参照)、制御部(50)は、山領域(Fab)における換気量推定結果の平均を、特定の換気条件で対象空間の換気処理が行われるときの対象空間の換気量の推定値として出力する。
一般に、機械換気が行われると自然換気よりも効率的な換気が行われることで、換気量が大きくなるので、換気量推定結果が大きくなる場合、機械換気が行われていることが推定できる。第3実施形態の変形例では、山領域(Fb1)について複数のピーク(T21,T22)のうち対応する換気量推定結果が最大となるピーク(T22)を含む領域としていることから、山領域(Fb1)において、ピーク(T21)を含む山領域よりも対応する換気量推定結果が大きくなるので、機械換気が行われていることが推定できる。よって、第3実施形態では、換気量推定結果が大きくなる山領域(Fb1)の換気量推定結果の平均が出力されるので、当該換気量推定結果の平均αが、機械換気により対象空間の換気処理が行われるときの対象空間の換気量の推定値として出力される。
なお、ステップS210~ステップS240において(図12参照)、制御部(50)は、山領域(Fa1)を特定する際に、換気量推定結果の度数分布をプロットすることでプロット情報(F1)を作成し、プロット情報(F1)を平滑化した第1グラフ(Fa)を作成し、第1グラフ(Fa)から山領域(Fa1)を特定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部(50)は、換気量推定結果の度数分布をプロットすることなく、複数の換気量推定結果について数値の状態で度数分布を判断して山領域(Fa1)を特定してもよい。また、制御部(50)は、複数の換気量推定結果についてクラスター分析等を用いて分類することで山領域(Fa1)を特定してもよい。また、制御部(50)は、複数の換気量推定結果について外れ値検定等の統計手法を用いることで山領域(Fa1)を特定してもよい。
―その他の実施形態―
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、換気量推定装置、換気量推定方法およびプログラムについて有用である。
1 換気量推定装置
10 入力部
20 表示部
30 検出部
40 記憶部
50 制御部

Claims (16)

  1. 室内の対象空間の換気量を推定する換気量推定装置において、
    前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する制御部(50)を備え
    前記条件を変化させることは、前記対象空間内に残留していると仮定した前記対象空間内の残留人数を変化させることを含む、換気量推定装置。
  2. 請求項1において、
    前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果は、前記複数の計算結果のうち前記実測値に関する値に最も近くなる計算結果を示す、換気量推定装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記条件は、前記対象空間がとり得る換気量である候補換気量と、前記対象空間内の残留人数との組み合わせを含む、換気量推定装置。
  4. 請求項3において、
    前記複数の計算結果は、複数の前記組み合わせの各々について、前記対象空間内の二酸化炭素濃度の経時変化をシミュレーションにより出力した計算結果である、換気量推定装置。
  5. 請求項1または請求項2において、
    前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値は、時間が経過することに伴って前記対象空間内の二酸化炭素濃度が減衰する減衰区間における前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値を示す、換気量推定装置。
  6. 請求項において、
    複数の前記減衰区間の実測値が用いられる、換気量推定装置。
  7. 請求項において、
    前記制御部(50)は、前記複数の減衰区間の各々について、換気量の推定値を出力し、前記換気量の推定値を前記実測値と所定条件の前記計算結果との誤差で重みづけした平均を、前記対象空間の換気量の推定値として出力する、換気量推定装置。
  8. 室内の対象空間の換気量を推定する換気量推定装置において、
    前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する制御部(50)を備え、
    前記実測値に関する値は、互いに異なる複数の第1濃度差を示し、
    前記複数の第1濃度差の各々は、前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値と、室外の二酸化炭素濃度との差であり、
    前記複数の計算結果の各々は、一人の二酸化炭素発生量を考慮して得られる前記対象空間内の二酸化炭素濃度と前記室外の二酸化炭素濃度との第2濃度差を示し、
    前記条件を変化させることは、前記対象空間がとり得る換気量である候補換気量を変化させることを含み、
    複数の前記第2濃度差の各々は、変化させた複数の前記候補換気量の各々と、一人の人の二酸化炭素発生量とに基づいて前記候補換気量毎に求められる、換気量推定装置。
  9. 請求項において、
    前記複数の第1濃度差の各々は、経時的に出力された前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値と、前記室外の二酸化炭素濃度との濃度差のうち前記濃度差が安定的に推移するときの前記濃度差に基づく値を示す、換気量推定装置。
  10. 請求項8または請求項9において、
    前記制御部(50)は、複数の前記第2濃度差のうち前記複数の第1濃度差と対応する対応濃度差を出力し、前記対応濃度差と対応する前記候補換気量を前記対象空間の換気量の推定値をとして出力する、換気量推定装置。
  11. 室内の対象空間の換気量を推定する換気量推定装置において、
    前記対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する制御部(50)を備え、
    前記制御部(50)は、前記対象空間の換気量の推定値を示す換気量推定結果の度数分布のうち度数のピークを含む山領域を特定する、換気量推定装置。
  12. 請求項11において、
    前記度数分布は、複数の前記ピークを含み、
    前記山領域は、複数の前記ピークのうち最大の前記ピークを含む、換気量推定装置。
  13. 請求項11において、
    前記度数分布は、複数の前記ピークを含み、
    前記山領域は、複数の前記ピークのうち対応する前記換気量推定結果が最大となる前記ピークを含む、換気量推定装置。
  14. 請求項11において、
    前記制御部(50)は、前記山領域における前記換気量推定結果の平均を、特定の換気条件で前記対象空間の換気処理が行われるときの前記対象空間の換気量の推定値として出力する、換気量推定装置。
  15. コンピュータに備えられる制御部(50)により、対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力し、
    前記条件を変化させることは、前記対象空間内に残留していると仮定した前記対象空間内の残留人数を変化させることを含む、換気量推定方法。
  16. 対象空間内の二酸化炭素濃度の実測値に関する値と、条件を変化させて計算した前記対象空間内の二酸化炭素濃度に関する複数の計算結果とに基づいて、前記複数の計算結果のうち前記実測値と対応する計算結果から前記対象空間の換気量の推定値を出力する処理をコンピュータに実行させ
    前記条件を変化させることは、前記対象空間内に残留していると仮定した前記対象空間内の残留人数を変化させることを含む、プログラム。
JP2022107216A 2021-09-29 2022-07-01 換気量推定装置、換気量推定方法およびプログラム Active JP7288225B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021159795 2021-09-29
JP2021159795 2021-09-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023050088A JP2023050088A (ja) 2023-04-10
JP7288225B2 true JP7288225B2 (ja) 2023-06-07

Family

ID=85782237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022107216A Active JP7288225B2 (ja) 2021-09-29 2022-07-01 換気量推定装置、換気量推定方法およびプログラム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7288225B2 (ja)
WO (1) WO2023053654A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024010047A1 (ja) 2022-07-05 2024-01-11 ダイキン工業株式会社 換気回数推定装置、換気量推定装置、換気回数推定方法、及びプログラム

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019484A (ja) 2008-07-10 2010-01-28 Tokyo Gas Co Ltd 換気量推定装置及び換気量推定方法
JP2011133164A (ja) 2009-12-24 2011-07-07 Tokyo Gas Co Ltd 人数推定装置及び人数推定方法
JP2013185768A (ja) 2012-03-08 2013-09-19 Toshiba Corp 空調制御装置及び空調制御方法
WO2016185630A1 (ja) 2015-05-18 2016-11-24 三菱電機株式会社 室内環境モデル作成装置
WO2017002245A1 (ja) 2015-07-01 2017-01-05 三菱電機株式会社 空調システム制御装置及び空調システム
US20180163987A1 (en) 2016-10-11 2018-06-14 Drexel University Optimal Real-Time Outcome-Based Ventilation Rate Control For Buildings
JP2020148374A (ja) 2019-03-12 2020-09-17 三菱電機株式会社 換気装置
CN112344536A (zh) 2020-11-06 2021-02-09 Tcl空调器(中山)有限公司 空调器及其控制方法、装置以及计算机可读存储介质

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3402569B2 (ja) * 1997-06-18 2003-05-06 フィガロ技研株式会社 二酸化炭素検出装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019484A (ja) 2008-07-10 2010-01-28 Tokyo Gas Co Ltd 換気量推定装置及び換気量推定方法
JP2011133164A (ja) 2009-12-24 2011-07-07 Tokyo Gas Co Ltd 人数推定装置及び人数推定方法
JP2013185768A (ja) 2012-03-08 2013-09-19 Toshiba Corp 空調制御装置及び空調制御方法
WO2016185630A1 (ja) 2015-05-18 2016-11-24 三菱電機株式会社 室内環境モデル作成装置
WO2017002245A1 (ja) 2015-07-01 2017-01-05 三菱電機株式会社 空調システム制御装置及び空調システム
US20180163987A1 (en) 2016-10-11 2018-06-14 Drexel University Optimal Real-Time Outcome-Based Ventilation Rate Control For Buildings
JP2020148374A (ja) 2019-03-12 2020-09-17 三菱電機株式会社 換気装置
CN112344536A (zh) 2020-11-06 2021-02-09 Tcl空调器(中山)有限公司 空调器及其控制方法、装置以及计算机可读存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023053654A1 (ja) 2023-04-06
JP2023050088A (ja) 2023-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7288225B2 (ja) 換気量推定装置、換気量推定方法およびプログラム
EP3346428A1 (en) Sensor design support apparatus, sensor design support method and computer program
US20160292380A1 (en) Device and method for predicting skin age by using quantifying means
JP2017083985A (ja) 時系列データ処理方法、時系列データ処理プログラム、および、時系列データ処理装置
EP1510818A2 (en) Odor discriminating apparatus
CN109682032A (zh) 空调控制装置
US20210232957A1 (en) Relationship analysis device, relationship analysis method, and recording medium
US20220036223A1 (en) Processing apparatus, processing method, and non-transitory storage medium
Wittstock Determination of measurement uncertainties in building acoustics by interlaboratory tests. part 2: sound absorption measured in reverberation rooms
JP2010218187A (ja) 製造条件調整装置
US20210224664A1 (en) Relationship analysis device, relationship analysis method, and recording medium
US20220257148A1 (en) Factor estimation system and factor estimation method
JP7301343B2 (ja) 健康管理装置、健康管理システム、健康管理プログラム、及び健康管理方法
Rakhi et al. One-dimensional turbulence modelling of incompressible temporally developing turbulent boundary layers with comparison to DNS
JP7316855B2 (ja) 温度分布推定装置及び温度分布推定方法
JP7180819B1 (ja) 予測装置
Gray Use of the Bayesian family of methods to correct for effects of exposure measurement error in polynomial regression models
Li et al. Transfer function models for instantaneous internal cooling loads to describe time lag effect of conversion process
CN115394442A (zh) 一种发育评估方法、装置、设备及介质
JP2020004041A (ja) 消費電力推定装置
JP2019067183A (ja) 健康リスク分析装置およびプログラム
Hassani et al. Degrees of freedom estimation in principal component analysis and consensus principal component analysis
JP7065685B2 (ja) データ不足提示システムおよびデータ不足提示方法
McGowan et al. Acoustic-articulatory mapping in vowels by locally weighted regression
JP2020144628A (ja) 炭酸ガス濃度予測装置、炭酸ガス濃度予測方法、眠気予測装置、及び眠気予測方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230508

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7288225

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151