JP7316855B2 - 温度分布推定装置及び温度分布推定方法 - Google Patents

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本発明は、温度分布推定装置及び温度分布推定方法に関する。
近年、空間に存在する温度センサにより計測された温度に基づいて、温度センサが存在しない位置も含めて空間全体の温度分布を推定する手法が開発されている。例えば、特許文献1には、状態方程式によって表現された動特性モデルを用いて温度分布を推定するオブザーバが開示されている。
特開2009-257617号公報
特許文献1に開示されたオブザーバでは、動特性モデルを用いて温度分布を推定する際、温度センサにより計測された温度だけでなく、空調機の能力や、室内に存在する発熱体(壁、床、人間、パーソナルコンピュータ等)の温度が入力として要求される。そのため、入力として要求された情報を正確に取得できない場合には、温度分布の推定性能が低下するという問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、温度センサにより計測された温度を用いて、所定空間の温度分布を適切に推定することができる温度分布推定装置及び温度分布推定方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る温度分布推定装置は、
所定空間の複数の計測位置でそれぞれ計測された複数の計測温度を含む温度データ群を取得する取得部と、
前記温度データ群に基づいて、前記所定空間の鉛直方向及び水平方向の間に異方性を有する空間温度特性を推定する空間温度特性推定部と、
前記複数の計測位置から前記所定空間の任意の推定位置までの距離と、前記空間温度特性とに応じた重み係数を用いて前記複数の計測温度に対する空間補間を行って、前記推定位置の温度を算定することにより、前記所定空間の温度分布を推定する温度分布推定部とを備え、
前記温度分布推定部は、
前記推定位置が前記計測位置に対して前記鉛直方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を小さく、前記推定位置が前記計測位置に対して前記水平方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を大きくして、前記空間補間を行う。
また、本発明の一実施形態に係る温度分布推定方法は、
所定空間の複数の計測位置でそれぞれ計測された複数の計測温度を含む温度データ群を取得する取得工程と、
前記温度データ群に基づいて、前記所定空間における鉛直方向及び水平方向の空間温度特性を推定する空間温度特性推定工程と、
前記複数の計測位置から前記所定空間の任意の推定位置までの距離と、前記空間温度特性とに応じた重み係数を用いて前記複数の計測温度に対する空間補間を行って、前記推定位置の温度を算定することにより、前記所定空間の温度分布を推定する温度分布推定工程とを備え、
前記温度分布推定工程は、
前記推定位置が前記計測位置に対して前記鉛直方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を小さく、前記推定位置が前記計測位置に対して前記水平方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を大きくして、前記空間補間を行う。
本発明の一実施形態に係る温度分布推定装置及び温度分布推定方法によれば、温度分布推定部が、複数の計測温度に対する空間補間を行って、推定位置の温度を算定する際、推定位置が計測位置に対して鉛直方向に位置するほど当該計測位置の重み係数を小さくし、推定位置が計測位置に対して水平方向に位置するほど当該計測位置の重み係数を大きくする。そのため、推定位置が鉛直方向に位置する計測位置の影響度が小さく、推定位置が水平方向に位置する計測位置の影響度が大きくなるので、鉛直方向の温度勾配が大きく、水平方向の温度勾配が小さいという所定空間における温度分布の規則性が反映されるため、計測温度を用いて所定空間の温度分布を適切に推定することができる。
本発明の実施形態に係る温度分布推定システム1の一例を示す全体図である。 本発明の実施形態に係る温度分布推定装置3を示すブロック図である。 クリギングによる空間補間手法で用いられる理論セミバリオグラムの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る温度分布推定装置3による温度分布推定処理の概要を示し、(a)は等方性モデル(従来技術)、(b)は異方性モデル(本発明)を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る温度分布推定装置3による温度分布推定処理を示すフローチャートである。 標本セミバリオグラムを作成するときの温度データ群の標本範囲を示す概要図である。 セミバリオグラムの一例を示し、(a)は鉛直方向の標本セミバリオグラム、(b)は水平方向の標本セミバリオグラム、(c)は理論セミバリオグラムを示す図である。 流体解析の解析条件を示し、(a)は解析モデル、(b)は境界条件を示す図である。 検証用温度分布データと、温度分布推定結果とを比較するときの各評価位置を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。 温度データ群の各計測位置と、温度分布推定処理の各ケースを示す図である。 検証用温度分布データ、温度分布推定結果及び平均絶対誤差を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る温度分布推定システム1の一例を示す全体図である。
温度分布推定システム1は、所定空間10内の各所に配置された複数の温度センサ2と、複数の温度センサ2により計測された計測温度に基づいて、所定空間10の温度分布を推定する温度分布推定装置3と、所定空間10を管理する管理者が使用する管理者端末4と、装置間を相互に通信可能に接続するネットワーク5とを備える。なお、ネットワーク5は、有線でも無線でもよい。
温度センサ2は、移動式又は固定式の温度センサとして構成されている。移動式の温度センサ2は、例えば、所定空間10を使用する使用者が所持する携帯機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、ノートパソコン等)が内蔵する温度センサとして構成されている。また、固定式の温度センサ2は、所定空間10内の任意の位置(例えば、壁、柱、天井、家具等)に取り付けられた温度センサとして構成されている。
温度センサ2は、温度を計測したときの計測温度を示す計測値と、温度を計測したときの計測位置を示す位置情報と、温度を計測したときの計測時刻を示す時刻情報とを含む温度データを取得し、ネットワーク5を介して温度分布推定装置3に送信する。なお、温度センサ2は、所定の計測間隔で温度を計測するようにしてもよく、その場合には、温度データを温度分布推定装置3に所定の計測間隔で送信するようにしてもよい。
温度分布推定装置3は、複数の温度センサ2から送信された複数の温度データ(以下、「温度データ群」という)を受信し、温度データ群に基づいて、所定空間10の温度分布を推定する温度分布推定処理(温度分布推定方法)を行う。なお、温度データ群は、複数の温度センサ2の全てで計測された複数の温度データを含むものでもよいし、複数の温度センサ2のうち一部の温度センサ2で計測された複数の温度データを含むものでもよい。また、温度分布推定装置3は、所定の計測間隔で温度データ群を受信する場合には、温度分布推定処理を周期的に行うことにより、所定空間10の温度分布の推移を推定するようにしてもよい。
管理者端末4は、例えば、管理室に設置された汎用のコンピュータ等の情報処理装置や、管理者が所持する携帯機器で構成されている。管理者端末4は、入力画面を介して管理者から各種の入力を受け付けるととともに、表示画面を介して管理者に各種の情報(温度分布推定装置3による温度分布推定結果等)を提示する。
(温度分布推定装置3の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る温度分布推定装置3を示すブロック図である。温度分布推定装置3は、例えば、汎用のコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。すなわち、温度分布推定装置3は、キーボード、タッチパネル等により構成される入力部30と、HDD、メモリ等により構成される記憶部31と、CPU等のプロセッサにより構成される制御部32と、ネットワーク5との通信インターフェースである通信部33と、ディスプレイ、スピーカ等により構成される出力部34とを備える。なお、入力部30や出力部34は省略してもよく、その場合には、管理者端末4を、入力部30や出力部34として機能させればよい。
記憶部31には、温度分布推定装置3の動作を制御する温度分布推定プログラム310が記憶されている。
制御部32は、温度分布推定プログラム310を実行することにより、取得部320、空間温度特性推定部321、温度分布推定部322、及び、可視化情報出力部323として機能する。空間温度特性推定部321は、標本セミバリオグラム作成部321a、異方性パラメータ算定部321b、及び、理論セミバリオグラム推定部321cを備える。制御部32の各部の機能の詳細については後述する。
(クリギングによる空間補間手法)
所定空間における任意のパラメータ分布を把握したい場合、当該パラメータを計測可能な複数のセンサを所定空間内に配置し、当該複数のセンサにより計測された離散的な計測値の間を内挿(点と点の間の連続値を予測)することにより、所定空間のパラメータ分布を推定する方法がある。このようなパラメータ分布を推定する方法として、様々なノンパラメトリック手法(例えば、多項式補間、逆距離荷重補間(IDW)、スプライン法、Natural Neighbor法、TIN法等)が存在するが、本実施形態では、その1つであるクリギング(Kriging)を用いる。以下に、一般的なクリギングによる空間補間手法について説明する。
クリギングとは、センサにより複数の計測位置でそれぞれ計測された複数の計測値から、パラメータの連続的な分布を推定するために、計測値のばらつきを距離の関数として表したセミバリオグラム(SV)を用いてパラメータ分布を推定する。
所定空間内の計測位置s(i=1,2,…,N)における既知の計測値をZ(s)とする。クリギングでは、任意の推定位置sにおけるパラメータの推定値Z(s)は、下記(1)式に示すように、重み係数wの重み付け和として表される。
Figure 0007316855000001
このとき、下記(2)式に示すように、予測誤差ε(S)が最小となる重み係数wを計算する必要がある。これは、下記(3)式に示すように、二乗予測誤差δ(S)を最小とするwを計算することで得られる。
Figure 0007316855000002
Figure 0007316855000003
上記(3)式において、理論セミバリオグラムが予め定式化されている場合には、γ(||hij||)、γ(||hij,S0||)が既知となるため、ラグンジュ未定乗数法により、上記(1)式における重み係数wが算出可能となる。したがって、任意の推定位置sにおけるパラメータの推定値Z(s)が、上記(1)式により算出されるため、所定空間のパラメータ分布を推定することができる。
図3は、クリギングによる空間補間手法で用いられる理論セミバリオグラムの一例を示す図である。
距離hijを横軸に取り、理論セミバリオグラムγ(||hij||)の値を縦軸に取る場合、理論セミバリオグラムは、一般的に、図3に示すようなグラフの形状となる。理論セミバリオグラムのグラフにおいて、「ナゲット」は、h=0のときの定数である。「シル」は、hを無限大となるときのγ(||h||)の値である。「レンジ」は、理論セミバリオグラムが定常となる距離である。
理論セミバリオグラムγ(||hij||)は、推定対象の特性に応じて、標本セミバリオグラムに当てはまる代表的なバリオグラムモデルの種類(指数モデル、球形モデル、線形モデル、ガウスモデル等)を選択し、例えば、最小二乗法、重み付き最小二乗法、最尤推定法等の回帰分析手法によりバリオグラムモデルのパラメータをフィッティングする。代表的なバリオグラムモデルとして、球形モデルは、下記(4)式により表され、指数モデルは、下記(5)式により表される。
Figure 0007316855000004
Figure 0007316855000005
ここで、本実施形態に係る温度分布推定装置3は、所定空間10のパラメータ分布として、空気(流体の一例)で満たされた室内空間の温度分布を推定する。空気は、空気温度によって密度が変化するため、周辺温度に比べて高い温度の空気には浮力が作用する。そのため、気流の乱れが少ない静穏な室内空間においては、鉛直方向(上下方向)の温度勾配が大きく、水平方向の温度勾配が小さくなる。そのため、所定空間10の鉛直方向及び水平方向の間には、鉛直方向の温度の相関性は低く、水平方向の温度の相関性は高いという異方性(規則性)が成立する。したがって、温度分布推定装置3は、上記のような異方性を有する空間温度特性を理論セミバリオグラムγ(||hij||)で表し、クリギングによる空間補間手法に組み込むことで、所定空間10の温度分布を推定する温度分布推定処理を行う。
図4は、温度分布推定処理の概要を示し、(a)は等方性モデル(従来技術)、(b)は異方性モデル(本発明)を示す模式図である。なお、図4に示す矢印及び破線の太さは、影響度(重み係数w)の大きさを模式的に表している。
温度分布推定処理では、温度を推定したい任意の位置を、推定位置sとしたとき、推定位置sの周辺の計測位置s(i=1,2,…,N)で計測された計測温度T(s)に基づいて内挿することにより、推定位置sの温度を推定する。このとき、計測温度T(s)を内挿するときの影響度(重み係数w)は、計測位置sから推定位置sまでの距離hi0と、空間温度特性とに応じて定められる。
例えば、等方性モデル(従来技術)では、上記の異方性を有する空間温度特性が考慮されておらず、影響度は、図4(a)に示すように、推定位置sを中心とする円状の等高線(内側の円ほど影響度が大きくなる)により定められる。そのため、影響度の大きさ(矢印の太さ)は、鉛直方向及び水平方向に関係なく、計測位置sから推定位置sまでの距離hi0(矢印の長さ)に応じて一律に定められる。
一方、異方性モデル(本発明)では、上記の異方性を有する空間温度特性を組み込むため、影響度は、図4(b)に示すように、推定位置sを中心とし、長軸が水平方向、短軸が鉛直方向に平行な楕円状の等高線(内側の楕円ほど影響度が大きくなる)により定められる。そのため、影響度の大きさ(矢印の太さ)は、計測位置sから推定位置sまでの距離hi0(矢印の長さ)と、計測位置sに対して推定位置sが位置する方向(矢印の向き)に応じて定められる。例えば、2つの計測位置s、sから推定位置sまでの距離が同一であっても、推定位置sが鉛直方向に位置する計測位置sの計測温度Z(s)では、影響度の大きさが小さくなるように定められ、推定位置sが水平方向に位置する計測位置sの計測温度Z(s)では、影響度の大きさが大きくなるように定められる。
したがって、本発明では、所定空間10に温度分布が生じた際に働く浮力の効果が確率場に影響を与えるものとして、理論セミバリオグラムγ(||hij||)は、方位に依存し、異方性を有すると仮定した。そのため、理論セミバリオグラムγ(||hij||)は、等方的なセミバリオグラム関数γと、所定空間10の異方性を表す行列A(異方性パラメータ)とを用いて、下記(6)式によりモデル化される。
Figure 0007316855000006
ただし、行列Aは、対象空間を2次元空間とした場合、下記(7)式により表される。すなわち、異方性パラメータは、理論セミバリオグラムγ(||hij||)が所定の値となる点の集合を、図4(b)に示すように、楕円として表すためのパラメータであって、楕円の長軸を水平方向に一致させる回転角度φと、楕円の長軸に対する楕円の短軸の比率である異方性比δとを含むものである。
Figure 0007316855000007
上記(7)式において、回転角度φは、楕円の長軸方向を水平方向、すなわち、x軸に一致させるように固定する角度であるため、回転角度φは、「0」である。また、異方性比δは、楕円の長軸に対する楕円の短軸の比率であり、具体的な算定方法は後述する。したがって、上記式(7)式は、下記式(8)により表される。なお、異方性比δの具体的な算定方法は後述する。
Figure 0007316855000008
次に、温度分布推定処理の詳細と、制御部32の各部の機能について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る温度分布推定装置3による温度分布推定処理を示すフローチャートである。
まず、取得工程(ステップS1)において、温度分布推定装置3の取得部320は、複数の温度センサ2によりそれぞれ取得された温度データ(計測値、位置情報及び時刻情報を含む)を、複数の温度センサ2からそれぞれ受信することにより、温度データ群を取得する。なお、取得部320は、所定の計測間隔で温度データ群を取得してもよいし、管理者による指示を受け付けたタイミングで温度データ群を取得してもよい。また、取得部320は、過去に計測された温度データ群が記憶部31や外部の記憶装置に記憶されている場合には、記憶部31や外部の記憶装置から取得してもよい。
次に、空間温度特性推定工程(ステップS2~S4)において、空間温度特性推定部321は、標本セミバリオグラム作成部321a、異方性パラメータ算定部321b及び理論セミバリオグラム推定部321cにより、取得部320により取得された温度データ群に基づいて、異方性を有する空間温度特性を推定する。
具体的には、標本セミバリオグラム作成工程(ステップS2)において、標本セミバリオグラム作成部321aは、温度データ群に含まれる各温度データの計測値(計測温度T(s))及び位置情報(計測位置s)に基づいて、鉛直方向の標本セミバリオグラムと、水平方向の標本セミバリオグラムとをそれぞれ作成する。
図6は、標本セミバリオグラムを作成するときの温度データ群の標本範囲を示す概要図である。図7は、セミバリオグラムの一例を示し、(a)は鉛直方向の標本セミバリオグラム、(b)は水平方向の標本セミバリオグラム、(c)は理論セミバリオグラムを示す図である。
標本セミバリオグラム作成部321aが鉛直方向の標本セミバリオグラムを作成するときの鉛直方向の標本範囲11Vは、図6に示すように、各温度データの計測位置sをそれぞれ基準位置Sとするとき、当該基準位置Sからみて鉛直方向に対して所定の角度(本実施形態では±45度)の範囲内である。
そのため、標本セミバリオグラム作成部321aは、基準位置Sと、鉛直方向の標本範囲11Vに含まれる計測位置svi(i=1,2,…,N)との間の距離を横軸に取り、基準位置Sでの計測温度T(S)と、計測位置sviでの計測温度T(svi)とに基づくセミバリオグラムを縦軸に取ることで、鉛直方向のセミバリオグラム雲を作成する。そして、標本セミバリオグラム作成部321aは、鉛直方向のセミバリオグラム雲において、例えば、横軸を複数の定義域に区分し、各定義域でセミバリオグラムの平均値を算定することにより、図7(a)に示すように、鉛直方向の標本セミバリオグラムを作成する。
また、標本セミバリオグラム作成部321aが水平方向の標本セミバリオグラムを作成するときの水平方向の標本範囲11Hは、図6に示すように、各温度データの計測位置sをそれぞれ基準位置Sとするとき、当該基準位置Sからみて水平方向に対して所定の角度(本実施形態では±45度)の範囲内である。
そのため、標本セミバリオグラム作成部321aは、基準位置Sと、水平方向の標本範囲11Hに含まれる計測位置shi(i=1,2,…,N)との間の距離を横軸に取り、基準位置Sでの計測温度T(S)と、計測位置shiでの計測温度T(shi)とに基づくセミバリオグラムを縦軸に取ることで、水平方向のセミバリオグラム雲を作成する。そして、標本セミバリオグラム作成部321aは、水平方向のセミバリオグラム雲において、上記と同様に、例えば、横軸を複数の定義域に区分し、各定義域でセミバリオグラムの平均値を算定することにより、図7(b)に示すように、水平方向の標本セミバリオグラムを作成する。
このように、標本セミバリオグラム作成部321aが、鉛直方向の標本範囲11Vに基づいて、鉛直方向の標本セミバリオグラムを作成し、水平方向の標本範囲11Hに基づいて、水平方向の標本セミバリオグラムを作成することにより、鉛直方向及び水平方向の温度分布の特徴を抽出することができる。なお、基準位置Sからの距離が遠い計測位置(例えば、図7(c)に示す計測位置s)を、標本から除外することにより、推定精度が向上する場合もあることから、標本セミバリオグラム作成部321aは、測定位置同士の距離が当該距離の最大値に対して所定の値(例えば、1/2、2/3、3/4)以下である温度データのみを用いて、鉛直方向の標本セミバリオグラム及び水平方向の標本セミバリオグラムをそれぞれ作成するようにしてもよい。
次に、異方性パラメータ算定工程(ステップS3)において、異方性パラメータ算定部321bは、鉛直方向の標本セミバリオグラム及び水平方向の標本セミバリオグラムに基づいて、所定空間10の空間温度特性を表す異方性パラメータを算定する。
異方性パラメータ算定工程(ステップS3)では、まず、異方性パラメータ算定部321bは、温度データ群に含まれる全ての計測温度T(s)に基づいて、分散値を算出する(ステップS31)。ここでの分散値は、不変分散を算出した値である。
次に、異方性パラメータ算定部321bは、バリオグラムモデル((4)式で示す球形モデル、又は、(5)式で示す指数モデル)のパラメータとして、上記ステップS31で算出した分散値でシルを固定した状態で、鉛直方向の標本セミバリオグラム(図7(a)の各プロット)にバリオグラムモデルをフィッティングさせたときの鉛直方向のレンジRvと、水平方向の標本セミバリオグラム(図7(b)の各プロット)にバリオグラムモデルをフィッティングさせたときの水平方向のレンジRhとをそれぞれ算定する(ステップS32)。このとき、バリオグラムモデルのパラメータは、回帰分析手法(ここでは、重み付き最小二乗法(N/hにて重み付け)によりフィッティングする。なお、計測温度T(s)には、計測誤差がないものとし、ナゲットは0に固定した。
そして、異方性パラメータ算定部321bは、下記(9)式に示すように、水平方向のレンジRhに対する鉛直方向のレンジRvの比率に基づいて、異方性比δを算定する(ステップS33)。異方性比δは、0<δ<1の任意の値(例えば、0.3、0.5、0.7等)として算定される。このように、異方性パラメータ算定部321bが、異方性比δを算定することにより、理論セミバリオグラムγ(||hij||)が所定の値となる点の集合を楕円として表すことができる。
Figure 0007316855000009
次に、理論セミバリオグラム推定工程(ステップS4)において、理論セミバリオグラム推定部321cは、鉛直方向の標本セミバリオグラム及び水平方向の標本セミバリオグラムと、異方性パラメータとに基づいて、理論セミバリオグラムγ(||hij||)を推定する。
理論セミバリオグラム推定工程(ステップS4)では、まず、理論セミバリオグラム推定部321cは、鉛直方向の標本セミバリオグラム及び水平方向の標本セミバリオグラムに基づいて、異方性パラメータを表す行列Aにおける回転角度φ(=0)及び異方性比δ(上記(9)式により算定)を固定した状態で、上記(6)式に示す等方的なセミバリオグラム関数γ0(||hij||)のレンジ及びシルを推定する(ステップS41)。
このとき、理論セミバリオグラム推定部321cは、異方性比δを加味して、鉛直方向の標本セミバリオグラム及び水平方向の標本セミバリオグラムに、バリオグラムモデル推定工程(ステップS3)と同様に、回帰分析手法(ここでは、重み付き最小二乗法(N/hにて重み付け))によりバリオグラムモデルをフィッティングさせることで、等方的なセミバリオグラム関数γ(||hij||)を推定する。
具体的には、理論セミバリオグラム推定部321cは、異方性比δに応じて鉛直方向の標本セミバリオグラムの重みが小さくなるように、鉛直方向の標本セミバリオグラムを構成する各プロットの距離hijに、例えば、異方性比δの逆数1/δを乗算して補正する。そして、理論セミバリオグラム推定部321cは、図7(c)に示すように、補正後の鉛直方向の標本セミバリオグラムと、水平方向の標本セミバリオグラムとを合成した標本セミバリオグラムに対して、回帰分析手法(ここでは、重み付き最小二乗法(N/hにて重み付け))によりバリオグラムモデル推定工程(ステップS3)で使用されたものと同一のバリオグラムモデルをフィッティングさせることで、等方的なセミバリオグラム関数γ(||hij||)のレンジ及びシルを推定する。なお、理論セミバリオグラム推定部321cは、ここでの説明と異なる回帰分析手法やバリオグラムモデルを用いることにより、図7(c)とは異なるセミバリオグラム関数γ(||hij||)を推定するようにしてもよい。
そして、理論セミバリオグラム推定部321cは、理論セミバリオグラム推定工程(ステップS4)にて推定された等方的なセミバリオグラム関数γ0(||hij||)と、異方性パラメータを表す行列Aとを用いて、上記(6)式により理論セミバリオグラムγ(||hij||)を推定する(ステップS42)。なお、行列Aは、上記(8)式に示すように、1及び異方性比δを要素とする対角行列である。
このように、理論セミバリオグラム推定部321cが、等方的なセミバリオグラム関数γ(||hij||)と、異方性パラメータを表す行列Aとに基づいて、理論セミバリオグラムγ(||hij||)を推定するので、当該理論セミバリオグラムγ(||hij||)に基づく空間補間は、図4(b)に示すように、水平方向(楕円の長軸方向)に対する重み係数が大きく、鉛直方向(楕円の短軸方向)に対する重み係数が小さくなるように行われる。
次に、温度分布推定工程(ステップS5)において、温度分布推定部322は、理論セミバリオグラム推定工程(ステップS4)にて推定された理論セミバリオグラムγ(||hij||)に基づいて、クリギングによる空間補間を行う。
すなわち、温度分布推定部322は、上記(1)~(3)式により、複数の計測位置sから所定空間10の任意の推定位置sまでの距離hi0と、上記(6)式により算定した理論セミバリオグラムγ(||hij||)とに応じた重み係数wを算定する。このとき、温度分布推定部322は、推定位置sが計測位置sに対して鉛直方向に位置するほど当該計測位置sの重み係数wを小さく、推定位置sが計測位置sに対して水平方向に位置するほど当該計測位置sの重み係数wを大きくする。そして、温度分布推定部322は、その重み係数wを用いて複数の計測温度T(s)に対する空間補間を行って、推定位置sの温度を算定することにより、所定空間10における温度分布を推定する。
そして、可視化情報出力工程(ステップS6)において、可視化情報出力部323は、温度分布推定工程(ステップS5)にて推定された温度分布推定結果に基づいて、所定空間10における温度分布を示す温度分布図を可視化するための可視化情報を出力する。なお、可視化情報は、温度分布図を可視化するための情報であればよく、データの形式や内容は特に限定されない。また、可視化情報出力部323が可視化情報を出力する出力先は、管理者端末4や記憶部31でもよいし、ネットワーク5に接続された画像形成装置(プリンタ、複合機等)でもよい。
以上のように、温度分布推定装置3は、温度分布推定処理を行うことにより、その処理結果である温度分布推定結果が可視化されるので、例えば、管理者が、所定空間10における温度分布を把握することができる。そして、温度分布推定装置3は、温度データ群の計測位置及び計測温度の少なくとも一方が更新される毎に、温度分布推定処理を行うことにより、管理者は、リアルタイムでの温度分布を把握することができる。
(温度分布推定処理の推定精度の検証)
次に、本実施形態に係る温度分布推定装置3による温度分布推定処理の推定性能を検証するため、流体解析による解析結果(検証用温度分布データ)と、温度分布推定結果との比較を行った。以下、流体解析の解析条件と、温度分布推定結果の検証条件及び検証結果について説明する。
(流体解析の解析条件)
図8は、流体解析の解析条件を示し、(a)は解析モデル、(b)は境界条件を示す図である。
検証用温度分布データは、空調された室内空間を模擬した流体解析(CFD:Computational Fluid Dynamics)の解析結果(CFD解析結果)を用いた。ここでのCFD解析結果は、空間に温度むらが生じるように、人間及びコンピュータを模擬した発熱体(Human&PC)に発熱設定を与えるとともに、浮力の効果をブジネスク近似(熱膨張係数:0.0035[1/K])によって設定したときの定常解析結果である。
(検証条件)
図9は、検証用温度分布データと、温度分布推定結果とを比較するときの各評価位置を示し、(a)は平面図、(b)はA-A線断面図である。図10は、温度データ群の各計測位置と、温度分布推定処理の各ケースを示す図である。
図9(b)に示すように、水平方向1000~19000の区間と、鉛直方向100~2600の区間とにおいて、500の間隔でそれぞれ存在する位置を評価位置とした。各評価位置において、CFD解析結果である検証用温度分布データと、温度分布推定結果として推定された温度との平均絶対誤差(MAE:Mean Absolute Error)を算出した。
温度データ群の計測位置は、図10に示すように、配置されているものとした。また、条件が異なる4つのケースに対して温度分布推定処理を行った。第1のケースA-Sph及び第2のケースA-Expは、等方性モデル(従来技術)を用いたものであるのに対し、第3のケースB-Sph及び第4のケースB-Expは、異方性モデル(本発明)を用いたものである。また、バリオグラムモデルとして、第1のケースA-Sph及び第3のケースB-Sphは、球形モデルを用いたものであり、第2のケースA-Exp及び第4のケースB-Expは、指数モデルを用いたものである。
(検証結果)
図11は、検証用温度分布データ、温度分布推定結果及び平均絶対誤差を示す図である。
セミバリオグラムに等方性モデルを用いた第1のケースA-Sph及び第2のケースA-Expでは、MAEが0.180~0.195であるのに対し、セミバリオグラムに異方性モデルを用いた第3のケースB-Sph及び第4のケースB-Expでは、MAEが0.162~0.164となり、9~17%ほどの精度向上が確認できた。球形モデルと指数モデルとの比較では、明確な差異や傾向を確認できなかった。
温度データ群の計測位置は、図10(a)に示すように、疎密が存在するため、推定位置によっては計測位置に対し外挿することになるが、そのような場合であっても推定精度の悪化は認められなかった。したがって、温度データ群の計測位置の分布に偏りがあるような場合でも、異方性モデル(本発明)を用いた温度分布推定処理が有効であることが分かった。
以上のように、本発明の実施形態に係る温度分布推定装置3によれば、温度分布推定部322が、複数の計測温度sに対する空間補間を行って、推定位置sの温度を算定する際、推定位置sが計測位置sに対して鉛直方向に位置するほど当該計測位置sの重み係数wを小さく、推定位置sが計測位置sに対して水平方向に位置するほど当該計測位置sの重み係数wを大きくする。そのため、推定位置sが鉛直方向に位置する計測位置sの影響度が小さく、推定位置sが水平方向に位置する計測位置sの影響度が大きくなるので、鉛直方向の温度勾配が大きく、水平方向の温度勾配が小さいという所定空間10における温度分布の規則性が反映されるため、計測温度sを用いて所定空間10の温度分布を適切に推定することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、上記実施形態では、温度分布推定装置3は、所定空間10として、空気で満たされた室内空間を想定し、空気温度の温度分布を推定するものとして説明したが、空気以外の他の流体(例えば、水等)で満たされた空間における当該流体の温度分布を推定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、温度分布推定装置3による温度分布指定結果は、可視化情報出力部323により可視化情報を出力するために用いられるものとして説明したが、温度分布指定結果は、他の用途に用いられてもよく、例えば、所定空間10の空調制御に用いられるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、温度分布推定装置3は、所定空間の温度分布として、鉛直方向及び水平方向からなる2次元の温度分布を推定するものとして説明したが、3次元の温度分布を推定するように拡張してもよい。
また、上記実施形態では、温度分布推定プログラム310は、記憶部31に記憶されたものとして説明したが、CD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで記録されて提供されてもよいし、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されてもよい。
1…温度分布推定システム、2…温度センサ、3…温度分布推定装置、
4…管理者端末、5…ネットワーク、10…空間、
11V…鉛直方向の標本範囲、11H…水平方向の標本範囲、
30…入力部、31…記憶部、32…制御部、33…通信部、34…出力部、
310…温度分布推定プログラム、
320…取得部、321…空間温度特性推定部321、
321a…標本セミバリオグラム作成部、321b…異方性パラメータ算定部、
321c…理論セミバリオグラム推定部、
322…温度分布推定部、323…可視化情報出力部

Claims (7)

  1. 所定空間の複数の計測位置でそれぞれ計測された複数の計測温度を含む温度データ群を取得する取得部と、
    前記温度データ群に基づいて、前記所定空間の鉛直方向及び水平方向の間に異方性を有する空間温度特性を推定する空間温度特性推定部と、
    前記複数の計測位置から前記所定空間の任意の推定位置までの距離と、前記空間温度特性とに応じた重み係数を用いて前記複数の計測温度に対する空間補間を行って、前記推定位置の温度を算定することにより、前記所定空間の温度分布を推定する温度分布推定部とを備え、
    前記空間温度特性推定部は、
    前記温度データ群に基づいて、鉛直方向の標本セミバリオグラム及び水平方向の標本セミバリオグラムを作成する標本セミバリオグラム作成部と、
    前記鉛直方向の標本セミバリオグラム及び前記水平方向の標本セミバリオグラムに基づいて、前記異方性を表す異方性パラメータを算定する異方性パラメータ算定部と、
    前記鉛直方向の標本セミバリオグラム及び前記水平方向の標本セミバリオグラムと、前記異方性パラメータとに基づいて、前記空間温度特性として理論セミバリオグラムを推定する理論セミバリオグラム推定部とを備え、
    前記温度分布推定部は、
    前記理論セミバリオグラム推定部により推定された前記理論セミバリオグラムに基づいて、前記空間補間を行うとともに、前記推定位置が前記計測位置に対して前記鉛直方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を小さく、前記推定位置が前記計測位置に対して前記水平方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を大きくして、前記空間補間を行う、
    ことを特徴とする温度分布推定装置。
  2. 前記異方性パラメータは、
    前記理論セミバリオグラムが所定の値となる点の集合を楕円として表すためのパラメータであって、
    前記楕円の長軸を前記水平方向に一致させる回転角度と、
    前記楕円の長軸に対する前記楕円の短軸の比率である異方性比とを含む、
    ことを特徴とする請求項に記載の温度分布推定装置。
  3. 前記異方性パラメータ算定部は、
    前記複数の計測温度に基づいて分散値を算出し、前記分散値でバリオグラムモデルのシルを固定した状態で、前記鉛直方向の標本セミバリオグラムに前記バリオグラムモデルをフィッティングさせたときの前記鉛直方向のレンジと、前記水平方向の標本セミバリオグラムに前記バリオグラムモデルをフィッティングさせたときの前記水平方向のレンジとをそれぞれ算定し、
    前記水平方向のレンジに対する前記鉛直方向のレンジの比率に基づいて、前記異方性比を算定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の温度分布推定装置。
  4. 前記理論セミバリオグラム推定部は、
    前記異方性比を加味して、前記鉛直方向の標本セミバリオグラム及び前記水平方向の標本セミバリオグラムにバリオグラムモデルをフィッティングさせることで、等方的な理論バリオグラムを推定し、
    前記等方的な理論バリオグラムと、1及び前記異方性比を要素とする対角行列とに基づいて、前記理論セミバリオグラムを推定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の温度分布推定装置。
  5. 前記標本セミバリオグラム作成部は、
    前記複数の計測位置をそれぞれ基準位置とするとき、当該基準位置からみて前記鉛直方向に対して所定の角度の範囲内に含まれる前記計測位置に基づいて、前記鉛直方向の標本セミバリオグラムを作成するとともに、当該基準位置からみて前記水平方向に対して所定の角度の範囲内に含まれる前記計測位置に基づいて、前記水平方向の標本セミバリオグラムを作成する、
    ことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の温度分布推定装置。
  6. 前記温度分布推定部により推定された前記温度分布を可視化するための可視化情報を出力する可視化情報出力部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の温度分布推定装置。
  7. 所定空間の複数の計測位置でそれぞれ計測された複数の計測温度を含む温度データ群を取得する取得工程と、
    前記温度データ群に基づいて、前記所定空間鉛直方向及び水平方向の間に異方性を有する空間温度特性を推定する空間温度特性推定工程と、
    前記複数の計測位置から前記所定空間の任意の推定位置までの距離と、前記空間温度特性とに応じた重み係数を用いて前記複数の計測温度に対する空間補間を行って、前記推定位置の温度を算定することにより、前記所定空間の温度分布を推定する温度分布推定工程とを備え、
    前記空間温度特性推定工程は、
    前記温度データ群に基づいて、鉛直方向の標本セミバリオグラム及び水平方向の標本セミバリオグラムを作成する標本セミバリオグラム作成工程と、
    前記鉛直方向の標本セミバリオグラム及び前記水平方向の標本セミバリオグラムに基づいて、前記異方性を表す異方性パラメータを算定する異方性パラメータ算定工程と、
    前記鉛直方向の標本セミバリオグラム及び前記水平方向の標本セミバリオグラムと、前記異方性パラメータとに基づいて、前記空間温度特性として理論セミバリオグラムを推定する理論セミバリオグラム推定工程とを備え、
    前記温度分布推定工程は、
    前記理論セミバリオグラム推定工程により推定された前記理論セミバリオグラムに基づいて、前記空間補間を行うとともに、前記推定位置が前記計測位置に対して前記鉛直方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を小さく、前記推定位置が前記計測位置に対して前記水平方向に位置するほど当該計測位置の前記重み係数を大きくして、前記空間補間を行う、
    ことを特徴とする温度分布推定方法。
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