JP7287767B2 - ドライエッチング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パターンが形成されたマスク層の下に設けられた金属膜にエッチングを行うドライエッチング方法に係る。より詳細には、金属膜が、フィラーをなす無機部材が有機部材に分散して含まれてなる樹脂基板上に配置された構成において有効なドライエッチング方法およびプラズマ処理装置に関する。
従来より、半導体装置においては、配線材料としてチタン(Ti)や銅(Cu)、アルミニウム(Al)などに代表される金属膜が用いられている。たとえば、Siからなる基板上に形成されたTi膜をエッチングにより除去する方法としては、CF系のエッチングガスを用いたプラズマによるドライエッチング法が公知である(特許文献1、2)。
特許文献1や引用文献2に記載された方法を用いてTi膜をエッチングすると、フェンスと呼ばれるエッチング残渣の再付着現象が発生する場合がある。特許文献3には、このフェンスの発生が回避できる手法が開示されている。
上述した特許文献1~3に開示された技術は何れも、Si基板上において効果を発揮するものである。
これに対して、近年、樹脂から構成される可撓性基板上において、金属膜からなる配線材料が求められている。上述したSi基板上におけるエッチング技術を用いて、可撓性基板上にある金属膜を除去した場合、可撓性基板の表面にエッチングの影響が及び、エッチング後の可撓性基板では、その表面粗さが増大するという問題が顕在化した。
この問題は、高純度のSi材料(単結晶Si)から構成されるSi基板とは異なり、可撓性基板がフィラーをなす無機部材が有機部材に分散して含まれてなる樹脂基板であることに起因する。樹脂基板を構成する無機部材と有機部材は、プラズマから受ける影響が異なり、無機部材が除去されやすい条件では有機部材は除去されず、逆に有機部材が除去されやすい条件では無機部材は除去されない傾向にあった。その結果、エッチング処理した後の可撓性基板の表面は、処理前に比べて粗さが増大する傾向にあった。
エッチング処理後の可撓性基板の表面粗さの増大は、たとえば、上述したエッチング処理後の基板に重なるように、配線やデバイスなどを形成する際に、平坦性や素子構造の制御が不能になる等、大きな影響を及ぼす虞があった。
このため、金属膜が、フィラーをなす無機部材が有機部材に分散して含まれてなる樹脂基板上に配置された構成において、基板の表面粗さの増加を抑制できる、ドライエッチング方法の開発が期待されていた。
特開平9-115835号公報 特開2001-203231号公報 特開2010-166092号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、プラズマを用いて、パターンが形成されたマスク層の下に設けられた金属膜をエッチングする際に、金属膜が樹脂基板上に配置された構成においても、基板の表面粗さの増加を抑制できる、ドライエッチング方法およびプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係るドライエッチング方法は、
フィラーをなす無機部材が有機部材に分散して含まれてなる樹脂基板の一方の主面上に、金属層と、所定形状のパターンが形成されたマスク層とが順に重ねて配置された被処理体を用い、反応性ガスのプラズマによって、前記金属層にエッチングを行うドライエッチング方法であって、
前記被処理体は、ガラス布である基材にポリイミド、フェノール、エポキシ、ポリエステル、液晶ポリマのいずれかの絶縁樹脂を含浸させ、
前記金属層が厚さ50nmのTi膜であり、前記マスク層が厚さ500nmのCu膜であり、
真空排気されたチャンバ11内の、平板状の第一電極に前記被処理体を載置し、
前記第一電極に対して、2MHzとする第一の周波数λ1のバイアス電圧である高周波電力を印加するとともに、前記第一電極と対向する位置に配される第二電極に対して、13.56MHzとする第二の周波数λ2の交流電圧である高周波電力を印加して、前記マスク層のパターンによる開口部に応じて露呈された領域をドライエッチングして、前記マスク層のパターンによる開口部に応じて、前記金属層のうち、露呈された領域aのみを除去する際に、
前記反応性ガスとして、ガスAがCとガスBがNFとから構成される混合ガスを用い、
前記混合ガス中に占める前記ガスAの含有率が、68%以上70%以下の範囲内であり、
エッチングされた前記樹脂基板は、前記マスク層のパターンによる開口部に応じて露呈された前記樹脂基板の表面粗さRa、100nm以下である、
ことを特徴する
本発明に係るプラズマ処理装置は、
減圧可能な内部空間を備え、前記内部空間で被処理体に対してプラズマ処理されるように構成されるチャンバと、前記チャンバ内に配され、前記被処理体を載置する平板状の第一電極と、前記第一電極に対して、第一の周波数λ1のバイアス電圧が印加されるように構成された第一の電源と、前記チャンバ内にあって、前記第一電極と対向する位置に配される第二電極と、前記第二電極に対して、第二の周波数λ2の交流電圧を印加する第二の電源と、前記チャンバ内にプラズマ処理用の反応性ガスを導入する手段と、前記チャンバの内部空間を減圧するための排気手段と、を少なくとも備え、
前記反応性ガスを導入する手段は、
前記反応性ガスとして、C、C、C、CF、C,CHFから選択されるガスA、及び、NF、O、SFから選択されるガスB、から構成される混合ガスを、前記内部空間のうち前記第一電極と前記第二電極との間に向けて放出する、ことができる。
本発明に係るドライエッチング方法は、反応性ガスとして、C、C、C、CF、C,CHFから選択されるガスA、及び、NF、O、SFから選択されるガスB、から構成される混合ガスを用いたプラズマを利用し、パターンが形成されたマスク層の下に設けられた金属膜をエッチングする。これにより、被処理体が樹脂基板上に金属膜を配置してなる構成においても、プラズマによって金属膜を除去した際に、プラズマ処理後の樹脂基板の表面粗さを小さく抑えることが可能となる。
本発明に係るプラズマ処理装置は、被処理体をプラズマ処理するための内部空間を有するチャンバにおいて、反応性ガスを導入する手段は、2つの電極間に、前記反応性ガスとして、C、C、C、CF、C,CHFから選択されるガスA、及び、NF、O、SFから選択されるガスB、から構成される混合ガスを、前記内部空間のうち前記第一電極と前記第二電極との間に向けて放出する。その際に、反応性ガスを導入する手段は、混合ガスに占めるガスAとガスBの流量比を制御する。これにより、金属膜が樹脂基板上に配置された構成においても、プラズマ処理後の樹脂基板の表面粗さを小さく抑えることが可能な、プラズマ処理装置が得られる。
エッチング前の被処理体を示す模式断面図。 エッチング後の被処理体の一例を示す模式断面図。 エッチング後の被処理体の他の一例を示す模式断面図。 エッチング後の被処理体の他の一例を示す模式断面図。 樹脂基板の表面の観察方法を説明する図。 エッチング前後のスペース領域における樹脂基板表面のSEM写真(a)及びこれを拡大したSEM写真(b)。 エッチング後の樹脂基板表面に凹凸が存在する状態を示すSEM写真。 図4Aの凹凸に起因して生じる不具合の一例を示す模式断面図。 図4Aの凹凸に起因して生じる不具合の他の一例を示す模式断面図。 本発明に係るプラズマ処理装置を示す断面図。
以下では、本発明の一実施形態に係るドライエッチング方法およびプラズマ処理装置について、図面に基づいて説明する。
図1Aは、エッチング前の被処理体を示す模式断面図であり、図1B~図1Dはエッチング後の被処理体を示す模式断面図である。
エッチング前の被処理体は、フィラーをなす無機部材3aが有機部材3bに分散して含まれてなる樹脂基板1の一方の主面上に、金属層4と、所定形状のパターンが形成されたマスク層5とが順に重ねて配されている。ここでは、金属層4がTi膜、マスク層5がCu膜からなる構成例について説明する。
樹脂基板1は、銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)2と、この片面(図1Aでは上面)を覆うように、ABF(Ajinomoto build-up film)3が配されている。すなわち、金属層4A(4)を載置する樹脂基板1の一方の主面は、ABF3(3A)の上面を意味する。
この構成によれば、マスク層5のパターンによる開口部5aに応じて、金属層4Aの表面の一部は、露呈された領域4aとなる。樹脂基板1の一方の主面側をプラズマに曝す(プラズマ処理する)ことにより、この露呈された領域4aが、ドライエッチングされる。
銅張積層板(CCL)2は、プリント基板用の材料の一種であり、ガラス布などの基材に絶縁樹脂を含浸させ、銅箔を張り合わせて積層したものである。絶縁樹脂としては、たとえば、ポリイミド、フェノール、エポキシ、ポリエステル,液晶ポリマなどが用いられる。図1Aの符号2において、下部2aが基材に絶縁樹脂を含浸させた部位であり、上部2bが銅箔を張り合わせて積層した部位を、おのおの表している。
図1Bは、本発明のドライエッチング法によりエッチング処理した後の被処理体の一例を示す模式断面図である。図1Bに示す例では、マスク層5のパターンによる開口部5aに応じて、金属層4B(4)のうち、露呈された領域4Baのみがプラズマ処理により理想的に除去され、マスク層5により遮蔽された領域4Bbは残存した場合を表している。
ここで、「理想的」とは、マスク層5に覆われた位置にある金属層4Bbは除去されないことを意味する。また、除去された金属層4Baの下に位置する樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)は損傷を受けず、プラズマ処理の前後において樹脂基板1の表面粗さが殆ど変化しないことを意味する。
図1Cは、従来のウェットエッチング法によりエッチング処理した後の被処理体の他の一例を示す模式断面図である。図1Cに示す例では、金属層4C(4)が、露呈された領域4Caに加えて、マスク層5により遮蔽された領域4Cbの一部もエッチングされるとともに、樹脂基板1の表面も、プラズマ処理によりエッチングされた場合を表している。
より詳細には、図1Cの場合は、金属層4C(4)のうち、露呈された領域4Caがエッチング処理により除去されるとともに、マスク層5により遮蔽された領域4Cbの一部も、サイドエッチングされて、オーバーハング部4Ccが形成された状態にある。さらに、露呈された領域4Caの下方に位置する樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)もエッチング処理によって深掘りされ、樹脂基板1(ABF3)に凹部(底面3Ca、側面3Cb)が形成された状態を表している。
つまり、図1Cにおいては、マスク層5に覆われた位置にある金属層4Cbの一部がサイドエッチングされた結果、マスク層5の底面のうち外縁部が露呈した状態にある。また、深掘りにより樹脂基板1(ABF3)に形成された凹部の底面3Caや側面3Cbは、フィラーをなす無機部材3aや有機部材3bが露呈されたことにより、あるいは、欠落したことにより生じた凹凸形状を備えたものとなる。
図1Dは、従来のウェットエッチング法によりエッチング処理した後の被処理体の他の一例を示す模式断面図である。図1Dに示す例では、樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)がエッチングされていない点のみ、前述した図1Cと異なる。
すなわち、図1Dの場合は、金属層4D(4)が、露呈された領域4Daに加えて、マスク層5により遮蔽された領域4Dbの一部もエッチングされた場合を表している。ただし、図1Dの場合には、除去された金属層4Dの下に位置する樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)は損傷を受けず、エッチング処理の前後において樹脂基板1の表面粗さが殆ど変化しない。
つまり、従来のウェットエッチング法によれば、樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)がエッチングされない条件で、金属層4D(4)が、露呈された領域4Daを除去することは可能である。しかしながら、除去されて欲しくない、マスク層5に覆われた位置にある金属層4Cbの一部が、サイドエッチングにより除去されてしまう、という課題があった。
図1Cや図1Dに示すように、金属層のサイドエッチング量が大きい場合には、樹脂基板とマスク層5の間の密着性能が低下するため、マスク層5が剥離するという不具合が生じるので、改善が求められる。
図2は、樹脂基板の表面の観察方法を説明する図である。走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、本発明に係るドライエッチング方法により形成されたエッチング前後の被処理体の表面を観測した。View-A(Top)とは、被処理体である樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)に対して垂直をなす方向から観測したことを意味する。
<実験例1>
本例では、本発明のドライエッチング法により、被処理体に対してエッチング処理を行った。その際、後述するプラズマ処理装置(図5)を用いた。ドライエッチング処理する反応性ガスとしては、C(ガスA)とNF(ガスB)から構成される混合ガスを用いた。被処理体としては、図1Aに示すものを用いた。すなわち、本例の被処理体は、フィラーをなす無機部材3aが有機部材3bに分散して含まれてなる樹脂基板1の一方の主面上に、金属層4と、所定形状のパターンが形成されたマスク層5とが順に重ねて配されている。
金属層4はTi膜(厚さ50nm)であり、マスク層5はCu膜(厚さ500nm)である。Cu膜からなるマスク層5には事前に、パターンが形成されており、パターン幅(ライン)は2μm、パターン間の間隙(スペース)は2μmとした。
パターン間の間隙(スペース)において金属層4が露呈された領域を、ドライエッチング処理する反応性ガスとして、C(ガスA)とNF(ガスB)から構成される混合ガスを用いた。本例(条件α)では、この混合ガスに占めるガスAとガスBの比率(流量比)を「ガスA:ガスB=9:1」とした。表1に、ドライエッチング処理する際の条件を纏めて示す。表1において、「Top Pw」は上部電極に印加した高周波電力を、「Bias Pw」は被処理体を載置するステージに印加した高周波電力を、それぞれ表している。
Figure 0007287767000001
<実験例2>
本例(条件β)では、混合ガスに占めるガスAとガスBの比率(流量比)を「ガスA:ガスB=7:3」として、ドライエッチング処理を行った。他の条件は実験例1と同一にした。
<実験例3>
本例(条件γ)では、混合ガスに占めるガスAとガスBの比率(流量比)を「ガスA:ガスB=1:1」として、ドライエッチング処理を行った。他の条件は実験例1と同一にした。
図3は、ドライエッチング前後のスペース領域における樹脂基板表面のSEM写真(a)、及び、これを拡大したSEM写真(b)である。図3の上段に示す(a)の写真4つは全て倍率が1万倍である。図3の下段に示す(b)の写真は、条件αがと条件γの倍率が2万倍であり、条件βのみ倍率が5万倍である。
図3において、最も左側に示した写真(Initial)は、エッチング処理する前のスペース領域における樹脂基板の表面を表している。
図3において、左側から2番目、3番目、4番目の写真は順に、条件α、条件β、条件γにより、エッチング処理した後のスペース領域における樹脂基板の表面を表している。
図3より、以下の点が明らかとなった。
3つの条件とも、ドライエッチングによって金属層4を除去した後、露呈した樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)はエッチングされる。しかし、エッチングされたABF3の表面形状が、条件α、条件β、条件γで異なる。
ただし、ドライエッチングの場合は、3つの条件とも、従来のウェットエッチングのように、金属層4が、露呈された領域に加えて、マスク層5により遮蔽された領域の一部もエッチングされる不具合は発生しなかった。
条件αの場合(ガスAの比率が高い場合)は、有機部材3b(Resin)に比べて、フィラーをなす無機部材3a(Silica)の方が削れやすい。このため、エッチングされたABF3の表面には、有機部材3bからなる領域に対して無機部材3aが欠落した領域が凹部をなす、表面プロファイルが確認された。条件αによりエッチングされたABF3の表面粗さRaは、270nmであった。
条件γの場合(ガスAの比率が低い場合)は、条件αの場合とは逆の傾向となる。すなわち、有機部材3b(Resin)の方が、フィラーをなす無機部材3a(Silica)より削れやすい。このため、エッチングされたABF3の表面には、有機部材3bからなる領域に対して無機部材3aが突出して残存した領域が凸部をなす、表面プロファイルが確認された。条件γによりエッチングされたABF3の表面粗さRaは、280nmであった。
条件βの場合(ガスAの比率が条件αと条件γの中間にある場合)は、有機部材3b(Resin)の削れやすさと、フィラーをなす無機部材3a(Silica)の削れやすさが、同レベルとなる。このため、エッチングされたABF3の表面には、有機部材3bからなる領域と、無機部材3aからなる領域とが共存し、両者がほぼ面一をなす、表面プロファイルが確認された。条件βによりエッチングされたABF3の表面粗さRaは、110nmであった。
条件α→条件β→条件γと変更するため、混合ガスに占めるC(ガスA)の含有率[%]を0~100の範囲で調整し、エッチングされたABF3の表面粗さを評価した。その結果を表2に示す。表2の判定(表面粗さRa)欄に示した符号は、以下のRaであることを意味する。
◎:Ra<100nm
○:100nm≦Ra<150nm
△:150nm≦Ra<200nm
×:Ra>200nm
Figure 0007287767000002
表2の判定結果(表面粗さRa)より、混合ガスに占めるC(ガスA)の含有率[%]は、60%以上100%が好ましく、66%以上90%以下がより好ましく、68%以上70%以下が最も好ましい、ことが分かった。
したがって、本発明は、反応性ガスとして、ガスA(C)とガスB(NF)から構成される混合ガスを用いたプラズマを利用し、パターンが形成されたマスク層の下に設けられた金属膜をエッチングする。これにより、被処理体が樹脂基板上に金属膜を配置してなる構成においても、プラズマによって金属膜を除去した際に、プラズマ処理後の樹脂基板の表面粗さを抑制できることが分かった。
条件αから条件βへ向かう方向では、すなわち、ガスB(NF)を増やすことでTi膜(金属層4)をエッチングした後のABF3の表面荒れは、低減する傾向にあった。 条件βから条件γへ向かう方向では、すなわち、ガスB(NF)を更に増やすことでTi膜(金属層4)をエッチングした後のABF3の表面荒れは、増加する傾向にあった。
つまり、本発明のドライエッチング方法において、条件βの付近を満たすようにエッチングのプロセスを構築することにより、Ti膜(金属層4)を異方性エッチングしながら、その下地である樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)の平滑化も実現できることが分かった。
ゆえに、本発明は、図1Bに示す「理想的」なドライエッチング方法、すなわち、マスク層5のパターンによる開口部5aに応じて、金属層4B(4)のうち、露呈された領域4Baのみがプラズマ処理により理想的に除去され、マスク層5により遮蔽された領域4Bbは残存させることが可能なドライエッチング方法、をもたらす。
上述した実験例1~3では、反応性ガスとして、ガスA(C)とガスB(NF)から構成される混合ガスを用いた例について説明したが、ガスAはCに限定されるものではない。ガスAとしては、Cの他に、C、C、CF、C,CHFから選択されるガスであっても、Cと同様の作用・効果が得られた。また、ガスBとしては、NFの他に、O、SFから選択されるガスにおいても、NFと同様の作用・効果が得られた。
図4Aは、エッチング後の樹脂基板表面に凹凸が存在する状態を示すSEM写真である。図4Aの写真は、図3に示した条件αの写真と同一である。エッチング後の樹脂基板表面が、このような表面プロファイルを有する場合には、これに起因して様々な不具合が発生する。
図4Bと図4Cは何れも、図4Aの表面プロファイルに起因して生じる不具合の一例を説明する模式断面図である。
図4Bは、E1領域において、マスク層5に覆われた位置にある金属層4の下方に下地として存在すべき、樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)が欠落した状態にあることを表している。この場合は、ABF3の表面に対して金属層4の密着性が低減し、長期的は密着性が劣化する懸念がある。
図4Cは、図4Bの表面に対して、たとえば異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)をラミネート加工した構成例である。図4Cにおいて、符号Lはラミネートを表す。E2領域において、ラミネーション不良、すなわち、樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)が欠落した状態が存在することにより、ラミネートLと接触する部位には、局所的な空隙がランダムに散在した状態となる。このため、配線の信頼性(密着性、機械特性、耐吸湿耐性)を維持することが困難である。
これに対して、本発明(図1B)によれば、マスク層5のパターンによる開口部5aに応じて、金属層4B(4)のうち、露呈された領域4Baのみがプラズマ処理により理想的に除去され、マスク層5により遮蔽された領域4Bbは残存させることができるので、図4Bや図4Cに示すような不具合が発生しにくい。
ゆえに、本発明のドライエッチング方法は、加工形状の達成(Ti膜(金属層4))を異方性エッチングしながら、その下地である樹脂基板1の表面(すなわち、ABF3の表面)の平滑化も実現するのみならず、配線の信頼性(密着性、機械特性、耐吸湿耐性)維持を担保することができる。よって、本発明は、デバイス性能の向上をもたらす。
(プラズマ処理装置)
上述した本発明に係るドライエッチング方法は、たとえば、図5に示した上方からガスを導入してプラズマを生成し、下方の基板をエッチング加工する平行平板プラズマエッチング装置(以下、プラズマ処理装置とも呼ぶ)10を使用して実施できる。図5において、符号11は内部でプラズマ処理を行うチャンバであり、ガスボンベ等のガスの供給源12a,12bに接続された、反応性ガスを導入する手段(ガス導入系)12と、真空ポンプに接続された排気系13を有する。
なお、図5においては、各ガスの供給源12a,12bごとに設けられるバルブや流量計などは省略して描写してある。たとえば、上述したガスA(C)はガスの供給源12aから、ガスB(NF)はガスの供給源12bから、それぞれガス導入系12を通じてチャンバ11の内部空間へ導入される。
反応性ガスを導入する手段(ガス導入系)12は、前記反応性ガスとして、C、C、C、CF、C,CHFから選択されるガスA、及び、NF、O、SFから選択されるガスB、から構成される混合ガスを、前記内部空間のうち前記第一電極と前記第二電極との間に向けて放出するように構成される。
また、後述するとおり、図5のプラズマ処理装置10においても、ガス導入の開閉制御や流量制御を行うことから、ガス導入系12の必要な箇所に、バルブや流量は適宜備えている。
チャンバ11内には、平板状の電極14,15が上下に平行して設けられており、上方に位置する電極14には高周波電力を与える高周波電源16aが、下方に位置する電極15にはバイアス電力を与えるバイアス電源16bが、それぞれ電気的に接続されている。下方に位置する電極15の上には、エッチング処理される基板Sub(前述した「被処理体」に相当)が搭載される。
上方の電極14をその前面にシャワープレート18を備えた中空の電極で構成し、その中空部19に該ガス導入系12を接続して該中空部19内へ導入した反応ガスを該シャワープレート18に形成した多数のガス噴出口18aからチャンバ11内へ均一に噴出させるようにした。また、下方の電極15は基板Subを加熱するヒーターとしての機能を具備する。
ガス導入系12には、エッチング処理をおこなう際に供給される、プロセスガスの供給源12aと、添加ガスの供給源12bとが具備されており、これらのガスを各々、流量調整して導入可能とされている。
真空排気されたチャンバ11内に、ガス導入系12から所望のガス(プロセスガス+添加ガス)を導入し、所定の圧力に調整した後、高周波電源16aから高周波電力(たとえば13.56MHz)を投入して両電極14,15間にプラズマを発生させる。また、必要に応じて、電極15には、バイアス電源16bからバイアス電力として高周波電力(たとえば、2MHz)を印加する。その際、電極15に載置された基板Subが、所定の温度となるように制御した状態とする。
これにより、電極15に載置された基板Subは、所望の時間だけプラズマに曝されることにより、平板状の基板Subを用いた場合には、その一方の面側(図6では上面側)がエッチングされる。
本発明に係るドライエッチング方法は、上述した図5に示すようなプラズマ処理装置10を用い、被処理体を載置する平板状の第一電極に対して、第一の周波数λ1のバイアス電圧を第一の電源から印加するとともに、前記第一電極と対向する位置に配される第二電極に対して、第二の周波数λ2の交流電圧を第二の電源から印加することを基本構成とする。
なお、上記の実験例では、第一の周波数λ1を2MHz、第二の周波数λ2を13.56MHzとした場合について説明したが、本発明に係るドライエッチング方法は、これに限定されるものではない。
以上、本発明に係るドライエッチング方法およびプラズマ処理装置について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
本発明は、ドライエッチング方法およびプラズマ処理装置に広く適用可能である。特に、金属膜が、フィラーをなす無機部材が有機部材に分散して含まれてなる樹脂基板上に配置された構成において、本発明は好適である。
1 樹脂基板、2 銅張積層板(CCL)、2a 下部、2b 上部、3 ABF、3a 無機部材、3b 有機部材、4 金属層、4Ba 露呈された領域、4Bb マスク層により遮蔽された領域、5 マスク層、5a 開口部。

Claims (1)

  1. フィラーをなす無機部材が有機部材に分散して含まれてなる樹脂基板の一方の主面上に、金属層と、所定形状のパターンが形成されたマスク層とが順に重ねて配置された被処理体を用い、反応性ガスのプラズマによって、前記金属層にエッチングを行うドライエッチング方法であって、
    前記被処理体は、ガラス布である基材にポリイミド、フェノール、エポキシ、ポリエステル、液晶ポリマのいずれかの絶縁樹脂を含浸させ、
    前記金属層が厚さ50nmのTi膜であり、前記マスク層が厚さ500nmのCu膜であり、
    真空排気されたチャンバ11内の、平板状の第一電極に前記被処理体を載置し、
    前記第一電極に対して、2MHzとする第一の周波数λ1のバイアス電圧である高周波電力を印加するとともに、前記第一電極と対向する位置に配される第二電極に対して、13.56MHzとする第二の周波数λ2の交流電圧である高周波電力を印加して、前記マスク層のパターンによる開口部に応じて露呈された領域をドライエッチングして、前記マスク層のパターンによる開口部に応じて、前記金属層のうち、露呈された領域aのみを除去する際に、
    前記反応性ガスとして、ガスAがCとガスBがNFとから構成される混合ガスを用い、
    前記混合ガス中に占める前記ガスAの含有率が、68%以上70%以下の範囲内であり、
    エッチングされた前記樹脂基板は、前記マスク層のパターンによる開口部に応じて露呈された前記樹脂基板の表面粗さRa、100nm以下である、
    ことを特徴するドライエッチング方法。
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