JP7287477B2 - 半導体装置の製造方法、接着剤層の選定方法、並びに、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法、接着剤層の選定方法、並びに、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、半導体装置の製造方法、接着剤層の選定方法、並びに、接着剤層を備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法に関する。
従来、半導体装置は以下の工程を経て製造される。まず、ダイシング用粘着シートに半導体ウェハを貼り付け、その状態で半導体ウェハを半導体チップに個片化する(ダイシング工程)。その後、ピックアップ工程、圧着工程及びダイボンディング工程等が実施される。特許文献1は、ダイシング工程において半導体ウェハを固定する機能と、ダイボンディング工程において半導体チップを基板と接着させる機能とを併せ持つ粘接着シート(ダイシングダイボンディングシート)を開示する。ダイシング工程において、半導体ウェハ及び接着剤層を個片化することで、接着剤片付きチップが得られる。
近年、電力の制御等を行うパワー半導体装置と称されるデバイスが普及している。パワー半導体装置は供給される電流に起因して熱が発生しやすく、優れた放熱性が求められる。特許文献2は硬化後の放熱性が硬化前の放熱性よりも高い導電性フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付きダイシングテープを開示する。
特開2008-218571号公報 特許第6396189号公報
本発明者らは、優れた放熱性を有する半導体装置を開発する過程において、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの接着剤層に、当該接着剤層の全質量基準で75質量%以上の金属粒子を配合したところ、接着剤層と粘着剤層の密着性が不十分となりやすいことを見出した。両者の密着性が不十分であると、ダイシング工程において粘着剤層から接着剤片付きチップが離脱するという不具合が生じる。
本開示は、ウェハ及び接着剤層を個片化して複数の接着剤片付きチップを粘着剤層上に作製するダイシング工程において、粘着剤層からの接着剤片付きチップの離脱を十分に抑制でき、優れた放熱性を有する半導体装置を効率的に製造できる方法を提供する。また、本開示は、上記半導体装置を効率的に製造するのに有用な接着剤層を選定する方法、並びに、接着剤層を備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法を提供する。
従来、接着剤層と粘着剤層の密着性を低下させる手法として、粘着剤層に活性エネルギー線(例えば紫外線)を照射することが知られている(特許文献1段落[0088]参照)。本発明者らは、接着剤層が多量の金属粒子を含んでいると、活性エネルギー線の照射によって接着剤層と粘着剤層の密着性がかえって増大することを見出し、以下の本開示に係る発明を完成させるに至った。
本開示の一側面は半導体装置の製造方法に関する。この製造方法は以下の工程を含み、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの接着剤層が当該接着剤層の全質量基準で75質量%以上の金属粒子を含有する。
(A)基材層と、粘着剤層と、接着剤層とをこの順序で備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを準備する工程
(B)上記一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射する工程
(C)上記一体型フィルムの接着剤層に対してウェハを貼る工程
(D)ウェハ及び接着剤層を個片化することによって複数の接着剤片付きチップを得る工程
(E)接着剤片付きチップを粘着剤層からピックアップする工程
(F)接着剤片付きチップを、基板又は他のチップ上にマウントする工程
上記製造方法によれば、(D)工程(ダイシング工程)よりも前に、(B)工程(活性エネルギー線照射工程)を実施することで、接着剤層と粘着剤層の密着性を高めることができ、ダイシング工程において、粘着剤層からの接着剤片付きチップの離脱を十分に抑制できる。なお、上記製造方法において、(B)工程の後に(C)工程を実施してもよいし、(C)工程の後に(B)工程を実施してもよい。
本開示において、活性エネルギー線の照射後における粘着剤層と接着剤層のT形はく離強度Bは、活性エネルギー線の照射前における両者のT形はく離強度Aよりも大きければよい。活性エネルギー線の照射後におけるT形はく離強度Bの下限値は、ダイシング工程における両者の十分な密着性の観点から、例えば、0.07N/25mmである。他方、T形はく離強度Bの上限値は、優れたピックアップ性の観点から、例えば、0.5N/25mmである。なお、ここでいうT形はく離強度は、実施例に記載の方法で算出された値を意味する。
接着剤層が多量の金属粒子を含んでいる場合、接着剤層に含まれる金属粒子の表面及びこれに接する粘着剤層の少なくとも一方を活性エネルギー線が改質することが金属粒子と粘着剤層の密着性が増大する主因であると本発明者らは推察する。本発明者らは、接着剤層からはく離された粘着剤層の表面に、もともと接着剤層に含まれていた金属粒子が付着していることをSEM(走査型電子顕微鏡)で確認した。
本開示の一態様において、粘着剤層は、活性エネルギー線の照射に対する反応性を有する炭素-炭素二重結合を有する樹脂を含有する。この場合、活性エネルギー線の照射によって粘着剤層が改質されて金属粒子との密着性が増大しやすい。
本開示の一側面は、基材層及び粘着剤層とともにダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを構成する接着剤層の選定方法である。この選定方法は以下の工程を含み、活性エネルギー線の照射後のT形はく離強度Bが活性エネルギー線の照射前におけるT形はく離強度Aよりも大きい接着剤層を選定する。
・基材層と、基材層の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備えるダイシングフィルムを準備する工程
・粘着剤層の表面上に、接着剤層の全質量基準で75質量%以上の金属粒子を含む接着剤層を形成することによってダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程
・上記一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射する工程
・活性エネルギー線の照射前における粘着剤層と接着剤層のT形はく離強度Aを測定する工程
・活性エネルギー線の照射後における粘着剤層と接着剤層のT形はく離強度Bを測定する工程
この選定方法によれば、優れた放熱性を有する半導体装置を効率的に製造するのに有用な接着剤層を選定することができる。
本開示の一側面は、基材層と、粘着剤層と、接着剤層とをこの順序で備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法に関する。この製造方法は、以下の工程を含む。
・基材層と、基材層の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備えるダイシングフィルムを準備する工程
・粘着剤層の表面上に、接着剤層の全質量基準で75質量%以上の金属粒子を含む接着剤層を形成することによってダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程
・上記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射することによって、粘着剤層と接着剤層のT形はく離強度を増大させる工程
この製造方法によれば、優れた放熱性を有する半導体装置を効率的に製造するのに有用なダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを製造することができる。この製造方法において、接着剤層として、本開示に係る上記選定方法によって選定された接着剤層を使用してもよい。
本開示の一側面はダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに関する。この一体型フィルムは、基材層と、基材層と対面する第1の表面及びその反対側の第2の表面を有する粘着剤層と、第2の表面の中央部を覆うように設けられた接着剤層とを備え、粘着剤層と接着剤層の界面は接着剤層におけるウェハの貼付け位置に対応する領域であってエネルギー線が照射された領域を有し、当該領域における粘着剤層と接着剤層のT形はく離強度が0.07N/25mm以上である。
上記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、活性エネルギー線の照射によって粘着剤層と接着剤層が十分な密着性を有している。このため、ダイシング工程において、粘着剤層からの接着剤片付きチップの離脱を十分に抑制できる。また、上記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、活性エネルギー線が既に照射された状態であるから、半導体装置の製造プロセスにおいて活性エネルギー線を照射する工程を省略できる。
上記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムにおいて、粘着剤層と接着剤層のT形はく離強度は、優れたピックアップ性の観点から、例えば、0.5N/25mm以下である。上記接着剤層は熱硬化性樹脂成分を含んでもよく、熱硬化後の接着剤層の熱伝導率は、例えば、1.5~20W/m・Kである。接着剤層に配合する金属粒子の量及び種類によって熱硬化後の接着剤層の熱伝導率を調整することができる。
本開示によれば、ウェハ及び接着剤層を個片化して複数の接着剤片付きチップを粘着剤層上に作製するダイシング工程において、粘着剤層からの接着剤片付きチップの離脱を十分に抑制でき、優れた放熱性を有する半導体装置を効率的に製造できる方法が提供される。また、本開示によれば、上記半導体装置を効率的に製造するのに有用な接着剤層の選定方法、並びに、当該接着剤層を備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法が提供される。
図1(a)はダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの一実施形態を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)に示すB-B線に沿った模式断面図である。 図2はダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの粘着剤層の周縁部にダイシングリングが貼り付けられるとともに、接着剤層の表面にウェハが貼り付けられた状態を示す模式図である。 図3は半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。 図4(a)~図4(d)は、接着剤片付きチップを製造する過程を模式的に示す断面図である。 図5は図3に示す半導体装置を製造する過程を模式的に示す断面図である。 図6は図3に示す半導体装置を製造する過程を模式的に示す断面図である。 図7は図3に示す半導体装置を製造する過程を模式的に示す断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル共重合体等の他の類似表現についても同様である。
<ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム>
図1(a)は、本実施形態に係るダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のB-B線に沿った模式断面図である。図2はダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10(以下、場合により、単に「フィルム10」という。)の粘着剤層2の周縁部にダイシングリングDRが貼り付けられるとともに、接着剤層5の表面にウェハWが貼り付けられた状態を示す模式図である。フィルム10は、ウェハWを複数のチップに個片化するダイシング工程及びその後のピックアップ工程を含む半導体装置の製造プロセスに適用されるものである(図4(c)及び図4(d)参照)。なお、本実施形態においては、正方形の基材層1の上に、粘着剤層2及び接着剤層5の積層体が一つ形成された態様を例示したが、基材層1が所定の長さ(例えば、100m以上)を有し、その長手方向に並ぶように、粘着剤層2及び接着剤層5の積層体が所定の間隔で配置された態様であってもよい。フィルム10は、接着剤層5を覆うカバーフィルム(不図示)を更に備えてもよい。
フィルム10は、基材層1と、基材層1と対面する第1の表面2a及びその反対側の第2の表面2bを有する粘着剤層2と、粘着剤層2の第2の表面2bの中央部を覆うように設けられた接着剤層5とをこの順序で備える。多量の金属粒子を含む接着剤層5と粘着剤層2との界面に活性エネルギー線が照射されることで、両層の密着性を向上している。すなわち、活性エネルギー線照射後の両層の界面におけるT形はく離強度は0.07N/25mm以上であり、0.1~0.5N/25mm、0.15~0.4N/25mm又は0.2~0.4N/25mmであってもよい。以下、フィルム10を構成する各層について説明する。
(接着剤層)
接着剤層5は、(a)金属粒子を含有し、必要に応じて、(b)熱硬化性樹脂、(c)硬化剤、及び(d)エラストマーを更に含有していてもよい。接着剤層5は、熱硬化性であり、半硬化(Bステージ)状態を経て、硬化処理後に完全硬化物(Cステージ)状態となり得る。
多量に含まれる金属粒子により、硬化後の接着剤層5は優れた熱伝導性を有する。硬化後の接着剤層5の熱伝導率は、例えば、1.5~20W/m・Kである。硬化後の接着剤層5の熱伝導率が1.5W/m・K以上であると、放熱性に優れる半導体装置を製造し得る。硬化後の接着剤層5の熱伝導率は、1.6W/m・K以上、1.7W/m・K以上、2.0W/m・K以上、又は2.3W/m・K以上であってよい。なお、ここでいう熱伝導率は、実施例に記載の方法で算出された値を意味する。
(a)成分:金属粒子
(a)成分は、接着剤層5の熱伝導性を高め、半導体装置の放熱性を高めるために用いられる成分である。(a)成分としては、例えば、ニッケル粒子、銅粒子、銀粒子、アルミニウム粒子が挙げられる。(a)成分として、基材粒子(例えば、金属粒子又は樹脂粒子)の表面を金属で被覆した粒子を使用してもよい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(a)成分は、酸化され難いことから、銀粒子又は金属粒子(例えば、銅粒子等)の表面を銀で被覆した粒子であってよい。
(a)成分の形状は、特に制限されず、例えば、フレーク状、球状等である。(a)成分の平均粒径は、0.01~10μmであってよい。(a)成分の平均粒径が0.01μm以上であると、接着剤ワニスを作製したときの粘度上昇を防ぎ、所望の量の(a)成分を接着剤層5に含有させることができるとともに、接着剤層5の被着体への濡れ性を確保してより良好な接着性を発揮させることができる傾向にある。(a)成分の平均粒径が10μm以下であると、フィルム成形性により優れ、金属粒子の添加による導電性をより向上させることができる傾向にある。また、このような範囲にすることによって、接着剤層5の厚さをより薄くすることができ、更に半導体チップを高積層化することができるとともに、接着剤層5から金属粒子が突き出すことによるチップクラックの発生を防止することができる傾向にある。(a)成分の平均粒径は、0.1μm以上、0.5μm以上、1.0μm以上、又は1.5μm以上であってもよく、8.0μm以下、7.0μm以下、6.0μm以下、5.0μm以下、4.0μm以下、又は3.0μm以下であってもよい。(a)成分の平均粒径が5.0μm以下であると、物理的な平滑化処理を行わなくても、所定の表面粗さを有する接着剤層5が得られ易い傾向にある。なお、(a)成分の平均粒径は、(a)成分全体の体積に対する比率(体積分率)が50%のときの粒径(D50)を意味する。(a)成分の平均粒径(D50)は、レーザー散乱型粒径測定装置(例えば、マイクロトラック)を用いて、水中に(a)成分を懸濁させた懸濁液をレーザー散乱法によって測定することによって求めることができる。
(a)成分の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、75質量%以上である。(a)成分の含有量が、接着剤層5の全量を基準として、75質量%以上であると、接着剤層5の熱伝導率を向上させることができ、結果として、放熱性を向上させることができる。(a)成分の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、77質量%以上、80質量%以上、83質量%以上、又は85質量%以上であってもよい。(a)成分の含有量の上限は、特に制限されないが、接着剤層5の全量を基準として、95質量%以下、92質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
(b)成分:熱硬化性樹脂
(b)成分は、加熱等によって、分子間で三次元的な結合を形成し硬化する性質を有する成分であり、硬化後に接着作用を示す成分である。(b)成分は、エポキシ樹脂であってよい。(b)成分は、25℃で液状のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を有するものであれば、特に制限なく用いることができる。エポキシ樹脂は、分子内に2以上のエポキシ基を有しているものであってよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、多官能フェノール類、アントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂は、硬化物の耐熱性等の観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であってよい。
エポキシ樹脂は、25℃で液状のエポキシ樹脂であってよい。このようなエポキシ樹脂を用いることによって、所定の表面粗さを有するダイボンディングフィルムが得られ易い傾向にある。また、物理的な平滑化処理を行う場合であっても、より温和な条件で行うことができる傾向にある。25℃で液状のエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EXA-830CRP(商品名、DIC株式会社製)、YDF-8170C(商品名、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社)等が挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に制限されないが、90~300g/eq、110~290g/eq、又は110~290g/eqであってよい。(A)成分のエポキシ当量がこのような範囲にあると、接着剤層5のバルク強度を維持しつつ、接着剤層5を形成する際の接着剤組成物の流動性を確保し易い傾向にある。
(b)成分の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
(b)成分が25℃で液状のエポキシ樹脂を含む場合、(b)成分に対する当該エポキシ樹脂の質量比(当該エポキシ樹脂の質量/(b)成分の全質量)は、百分率で、10~100%、40~100%、60%~100%、又は80%~100%であってよい。(b)成分が25℃で液状のエポキシ樹脂を含む場合、当該エポキシ樹脂の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、又は4質量%以上であってよい。当該エポキシ樹脂の含有量は、15質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
(c)成分:硬化剤
(c)成分は、エポキシ樹脂の硬化剤となり得るフェノール樹脂であってよい。フェノール樹脂は、分子内にフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限なく用いることができる。フェノール樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化ナフタレンジオール、フェノールノボラック、フェノール等のフェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、フェニルアラルキル型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール樹脂の水酸基当量は、40~300g/eq、70~290g/eq、又は100~280g/eqであってよい。フェノール樹脂の水酸基当量が40g/eq以上であると、フィルムの貯蔵弾性率がより向上する傾向にあり、300g/eq以下であると、発泡、アウトガス等の発生による不具合を防ぐことが可能となる。
(b)成分であるエポキシ樹脂のエポキシ当量と(c)成分であるフェノール樹脂の水酸基当量との比((b)成分であるエポキシ樹脂のエポキシ当量/(c)成分であるフェノール樹脂の水酸基当量)は、硬化性の観点から、0.30/0.70~0.70/0.30、0.35/0.65~0.65/0.35、0.40/0.60~0.60/0.40、又は0.45/0.55~0.55/0.45であってよい。当該当量比が0.30/0.70以上であると、より充分な硬化性が得られる傾向にある。当該当量比が0.70/0.30以下であると、粘度が高くなり過ぎることを防ぐことができ、より充分な流動性を得ることができる。
(c)成分の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
(d)成分:エラストマー
(d)成分としては、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等であって、架橋性官能基を有するものが挙げられる。ここで、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含むポリマーを意味する。アクリル樹脂は、構成単位として、エポキシ基、アルコール性又はフェノール性水酸基、カルボキシ基等の架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含むポリマーであってよい。また、アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルとアクリルニトリルとの共重合体等のアクリルゴムであってもよい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂の市販品としては、例えば、SG-70L、SG-708-6、WS-023 EK30、SG-280 EK23、HTR-860P-3、HTR-860P-3CSP、HTR-860P-3CSP-3DB(いずれもナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
(d)成分のガラス転移温度(Tg)は、-50~50℃又は-30~20℃であってよい。アクリル樹脂のTgが-50℃以上であると、接着剤層5のタック性が低くなるため取り扱い性がより向上する傾向にある。アクリル樹脂のTgが50℃以下であると、接着剤層5を形成する際の接着剤組成物の流動性をより充分に確保できる傾向にある。ここで、(d)成分のガラス転移温度(Tg)は、DSC(熱示差走査熱量計)(例えば、株式会社リガク製、商品名:Thermo Plus 2)を用いて測定した値を意味する。
(d)成分の重量平均分子量(Mw)は、5万~120万、10万~120万、又は30万~90万であってよい。(d)成分の重量平均分子量が5万以上であると、成膜性により優れる傾向にある。(d)成分の重量平均分子量が120万以下であると、接着剤層5を形成する際の接着剤組成物の流動性により優れる傾向にある。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値である。
(d)成分の重量平均分子量(Mw)の測定装置、測定条件等は、以下のとおりである。
ポンプ:L-6000(株式会社日立製作所製)
カラム:ゲルパック(Gelpack)GL-R440(日立化成株式会社製)、ゲルパック(Gelpack)GL-R450(日立化成株式会社製)、及びゲルパックGL-R400M(日立化成株式会社製)(各10.7mm(直径)×300mm)をこの順に連結したカラム
溶離液:テトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)
サンプル:試料120mgをTHF5mLに溶解させた溶液
流速:1.75mL/分
(d)成分の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、又は2質量%以上であってよく、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
(e)成分:硬化促進剤
接着剤層5は、(e)硬化促進剤を更に含有していてもよい。接着剤層5が(e)成分を含有することによって、接着性と接続信頼性とをより両立することができる傾向にある。(e)成分としては、例えば、イミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、第二級アミン類、第三級アミン類、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(e)成分は、反応性の観点から、イミダゾール類及びその誘導体であってよい。
イミダゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(e)成分の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、0.001~1質量%であってよい。(e)成分の含有量がこのような範囲にあると、接着性と接続信頼性とをより両立することができる傾向にある。
接着剤層5は、(a)成分~(e)成分以外のその他の成分として、カップリング剤、抗酸化剤、レオロジーコントロール剤、レベリング剤等をさらに含有していてもよい。カップリング剤としては、例えば、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。その他の成分の含有量は、接着剤層5の全量を基準として、0.01~3質量%であってよい。
接着剤層5は、上述の(a)成分、必要に応じて、(b)成分~(e)成分及びその他の成分を含有する接着剤組成物をフィルム状に形成することによって作製することができる。このような接着剤層5は、接着剤組成物を支持フィルム(不図示)に塗布することによって形成することができる。接着剤組成物は、溶剤で希釈された接着剤ワニスとして用いることができる。接着剤ワニスを用いる場合は、接着剤ワニスを支持フィルムに塗布し、溶剤を加熱乾燥して除去することによって接着剤層5を形成することができる。
溶剤は、(a)成分以外の成分を溶解できるものであれば特に制限されない。溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p-シメン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;メチルシクロヘキサンなどの環状アルカン;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、溶剤は、溶解性及び沸点の観点から、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はシクロヘキサノンであってもよい。接着剤ワニス中の固形成分濃度は、接着剤ワニスの全質量を基準として、10~80質量%であってよい。
接着剤ワニスは、(a)成分~(e)成分、その他の成分、及び溶剤を、混合、混練することによって調製することができる。なお、各成分の混合、混練の順序は特に制限されず、適宜設定することができる。混合及び混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。接着剤ワニスを調製した後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去してもよい。
上記ワニスが塗工される支持フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等のフィルムが挙げられる。支持フィルムの厚さは、例えば、10~200μm又は20~170μmであってよい。
接着剤ワニスを支持フィルムに塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。加熱乾燥の条件は、使用した溶剤が充分に揮発する条件であれば特に制限はないが、例えば、50~200℃で0.1~90分間であってもよい。
接着剤層5の厚さは、用途に合わせて、適宜調整することができるが、例えば、3~200μmであってよい。接着剤層5の厚さが3μm以上であると、接着力が充分となる傾向にあり、200μm以下であると、放熱性が充分となる傾向にある。接着剤層5の厚さは、接着力及び半導体装置の薄型化の観点から、10~100μm又は120~75μmであってもよい。
接着剤層5において、第1の表面5aの表面粗さは、例えば、1.0μm以下であり、第2の表面5bの表面粗さは、例えば、1.0μm以下である。粘着剤層2の第2の表面5bと接する表面を第1の表面5aとし、ウェハWが貼り合わされる側の面を第2の表面5bとして以下説明する。なお、ここでいう表面粗さは、算術平均粗さRaを意味し、「算術平均粗さRa」は、実施例に記載の方法で算出された値を意味する。測定倍率は、50~100倍であってもよい。
第2の表面5bは、接着剤ワニスを支持フィルムに塗布し、溶剤を加熱乾燥して除去する製造方法によって形成される場合、通常、接着剤ワニスの含有成分に依らず、当該面の表面粗さは1.0μm以下となる傾向にある。一方、第1の表面5aは、接着剤ワニスを支持フィルムに塗布し、溶剤を加熱乾燥して除去する製造方法によって形成される場合、通常、接着剤ワニスの含有成分の影響を受ける傾向にある。第1の表面5aは、例えば、平均粒径5.0μm以下の粒子、及び/又は、球状粒子の(a)成分を用いることによって、当該表面の表面粗さを1.0μm以下に調整することができる。なお、第1の表面5aの表面粗さが1.0μmを超える場合、例えば、物理的な平滑化処理を行うことによって、その表面粗さを1.0μm以下に調整することができる。
平滑化処理は、例えば、接着剤層5の第1の表面5aをポリエチレンフィルム(PEフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等を介して押圧することによって行うことができる。この場合、接着剤層5を加温しながら行ってもよい。押圧は、例えば、ゴムロール、金属ロール等を用いて行うことができる。押圧する際の荷重は、0.01~3.0MPa又は0.3~1.0MPaであってよい。押圧する際の荷重が0.01MPa以上であると、充分な平滑化効果が得られる傾向にあり、押圧する際の荷重が3.0MPa以下であると、装置の負担を減らして連続的な処理が可能となる傾向にある。押圧する際の加温温度は、室温(20℃)~200℃又は50℃~140℃であってよい。押圧する際の加温温度が200℃以下であると、接着剤層5の硬化反応が進行するのを抑制できる傾向にある。なお、平滑化処理は、(a)成分が25℃で液状のエポキシ樹脂を所定の範囲で含むことによって、より温和な条件で行うことが可能となり得る。平滑化処理の条件(例えば、温度及び圧力)を調整することで、接着剤層5の第1の表面5aと粘着剤層2の第2の表面2bのT形はく離強度を向上させることができる。平滑化処理の条件は、例えば、温度140℃及び圧力0.5MPaである。平滑化処理の条件の他に、T形はく離強度に影響を与える因子として、フィルム10の活性エネルギー線の照射量、並びに、エイジング条件(例えば、温度及び期間)などが挙げられる。エイジング条件は、例えば、温度40℃及び期間4日である。
第1の表面5aの表面粗さは、第2の表面5bの表面粗さよりも大きいことが好ましい。このような接着剤層5をフィルム10に適用することによって、ダイシング時における接着剤層5と粘着剤層2との密着力により優れ、チップ飛び等を抑制できる傾向にある。
第1の表面5aの表面粗さは、表面粗さによる接着性の低下を防ぐ観点から、1.0μm以下であり、例えば、0.9μm以下、0.8μm以下、又は0.75μm以下であってよい。第1の表面5aの表面粗さは、表面の平滑性が高くなり過ぎることによるアンカー効果の低下を防ぐ観点から、0.25μm以上、0.3μm以上、0.4μm以上、0.5μm以上、0.6μm以上、又は0.65μm以上であってよい。第2の表面5bの表面粗さは、同様の観点から、例えば、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、又は0.65μm未満であってよく、0.25μm以上、0.3μm以上、0.4μm以上、又は0.45μm以上であってよい。
なお、第1の表面5a(粘着剤層2と接している側の面)の表面粗さを測定するに際しては、例えば、半導体ウェハ、基材等に対して第2の表面5bが接するようにフィルム10を、40~80℃程度でラミネートして転写することによって第1の表面5aを露出させればよい。
(粘着剤層)
粘着剤層2は、ダイシングテープの分野で使用される粘着剤からなるものであればよい。すなわち、粘着剤層2は、感圧型の粘着剤からなるものであっても、活性エネルギー(例えば紫外線)が照射されることによって硬化する粘着剤からなるものであってもよい。活性エネルギー線の照射に対する反応性を有する炭素-炭素二重結合を有する樹脂を粘着剤層2が含有する場合、活性エネルギー線の照射によって粘着剤層2が改質され、これにより、接着剤層5の第1の表面5aに存在する金属粒子との密着性が向上しやすい。
基材層1を構成するフィルムとして、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。また、基材層1は、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理が施されていてもよい。
<ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法>
フィルム10は、優れた放熱性を有する半導体装置を効率的に製造するのに有用である。フィルム10は以下の工程を経て製造される。
・基材層1と、基材層1の一方の面上に設けられた粘着剤層2とを備えるダイシングフィルム3を準備する工程。
・粘着剤層2の表面上に接着剤層5を形成することによってダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程。
・ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射することによって、粘着剤層と接着剤層のT形はく離強度を増大したフィルム10を得る工程。
フィルム10に対する活性エネルギー線の照射量は、例えば、10~1000mJ/cmであり、100~700mJ/cm又は200~500mJ/cmであってもよい。
<接着剤層の選定方法>
フィルム10を製造するに先立ち、好適な接着剤層(ダイボンディングフィルム)を以下のようにして選定してもよい。すなわち、以下の工程を含む選定方法を実施することで、活性エネルギー線の照射後のT形はく離強度Bが活性エネルギー線の照射前におけるT形はく離強度Aよりも大きい接着剤層を選定することができる。
・基材層1と、基材層1の一方の面上に設けられた粘着剤層2とを備えるダイシングフィルム3を準備する工程。
・粘着剤層2の表面上に接着剤層を形成することによってダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程。
・上記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射する工程。
・活性エネルギー線の照射前における粘着剤層2と接着剤層のT形はく離強度Aを測定する工程。
・活性エネルギー線の照射後における粘着剤層2と接着剤層のT形はく離強度Bを測定する工程。
<半導体装置及びその製造方法>
図3は半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。この図に示す半導体装置100は、基板70と、基板70の表面上に積層された四つのチップS1,S2,S3,S4と、基板70の表面上の電極(不図示)と四つのチップS1,S2,S3,S4とを電気的に接続するワイヤW1,W2,W3,W4と、これらを封止している封止層50とを備える。
基板70は、例えば、有機基板であり、リードフレーム等の金属基板であってもよい。基板70は、半導体装置100の反りを抑制する観点から、基板70の厚さは、例えば、70~140μmであり、80~100μmであってもよい。
四つのチップS1,S2,S3,S4は、接着剤片5Pの硬化物5Cを介して積層されている。平面視におけるチップS1,S2,S3,S4の形状は、例えば正方形又は長方形である。チップS1,S2,S3,S4の面積は9mm以下であり、0.1~4mm又は0.1~2mmであってもよい。チップS1,S2,S3,S4の一辺の長さは、例えば、3mm以下であり、0.1~2.0mm又0.1~1.0mmであってもよい。チップS1,S2,S3,S4の厚さは、例えば、10~170μmであり、25~100μmであってもよい。なお、四つのチップS1,S2,S3,S4の一辺の長さは同じであっても、互いに異なっていてもよく、厚さについても同様である。
半導体装置100の製造方法は、上述のフィルム10を準備する工程と、フィルム10の接着剤層5に対してウェハWを貼るとともに、粘着剤層2の第2の表面2bに対してダイシングリングDRを貼る工程と、ウェハWを複数のチップSに個片化する工程(ダイシング工程)と、接着剤片付きチップ8(チップS1と接着剤片5Pの積層体、図4(d)参照)を粘着剤層2の第1の領域3aからピックアップする工程と、接着剤片5Pを介してチップS1を、基板70上にマウントする工程とを含む。
図4(a)~図4(d)を参照しながら、接着剤片付きチップ8の作製方法の一例について説明する。まず、上述のフィルム10を準備する。図4(a)及び図4(b)に示すように、ウェハWの一方の面に接着剤層5が接するようにフィルム10を貼り付ける。また、粘着剤層2の第2の表面2bに対してダイシングリングDRを貼り付ける。
ウェハW、接着剤層5及び粘着剤層2をダイシングする。これにより、図4(c)に示すように、ウェハWが個片化されてチップSとなる。接着剤層5も個片化されて接着剤片5Pとなる。ダイシング方法としては、ダイシングブレード又はレーザーを用いる方法が挙げられる。なお、ウェハWのダイシングに先立ってウェハWを研削することによって薄膜化してもよい。
ダイシング後、図4(d)に示されるように、常温又は冷却条件下において基材層1をエキスパンドすることによってチップSを互いに離間させつつ、ピン42で突き上げることによって粘着剤層2から接着剤片5Pをはく離させるとともに、接着剤片付きチップ8を吸引コレット44で吸引してピックアップする。
図5~図7を参照しながら、半導体装置100の製造方法について具体的に説明する。まず、図5に示すように、接着剤片5Pを介して一段目のチップS1(チップS)を基板70の所定の位置に圧着する。次に、加熱によって接着剤片5Pを硬化させる。これにより、接着剤片5Pが硬化して硬化物5Cとなる。接着剤片5Pの硬化処理は、ボイドの低減の観点から、加圧雰囲気下で実施してもよい。
基板70に対するチップS1のマウントと同様にして、チップS1の表面上に二段目のチップS2をマウントする。更に、三段目及び四段目のチップS3,S4をマウントすることによって図6に示す構造体60が作製される。チップS1,S2,S3,S4と基板70とをワイヤW1,W2,W3,W4で電気的に接続した後(図7参照)、封止層50によって半導体素子及びワイヤを封止することによって図3に示す半導体装置100が完成する。
以下、実施例により本開示について説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[接着剤ワニスの調製]
表1に示す記号及び組成比(単位:質量%)で、(b)熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂、(c)硬化剤としてのフェノール樹脂、及び(d)エラストマーとしてのアクリルゴムにシクロヘキサノンを加え、撹拌し混合物を得た。各成分が溶解した後、混合物に(a)金属粒子を加えて、ディスパー翼を用いて撹拌し、各成分が均一になるまで分散した。その後、(e)硬化促進剤を加え、各成分が均一になるまで分散することによって、接着剤ワニスA~Cを得た。
表1の記号は下記の成分を意味する。
(a)金属粒子
・20%Ag-Cu-MA(福田金属箔粉工業株式会社製、銀コート銅粉の製品名、形状:フレーク状、平均粒径(レーザー50%粒径(D50)):6.0~8.8μm)
(b)熱硬化性樹脂
・EXA-830CRP(商品名、DIC株式会社製、ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量:159g/eq、25℃で液状)
・N500P-10(商品名、DIC株式会社製、ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量:203g/eq)
・YDCN-700-10(商品名、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:215g/eq)
(c)硬化剤
・MEH-7800M(商品名、明和化成株式会社製、フェノール樹脂、粘度(150℃):0.31~0.43Pa・s(3.1~4.3poise)、水酸基当量:175g/eq)
・HE-100C-30(商品名、エア・ウォーター株式会社製、フェニルアラキル型フェノール樹脂、粘度(150℃):0.27~0.41Pa・s(2.7~4.1poise)、水酸基当量:170g/eq)
(d)エラストマー
・HTR-860P-3(商品名、ナガセケムテックス株式会社製、グリシジル基含有アクリルゴム、重量平均分子量:100万、Tg:-7℃)
(e)硬化促進剤
・キュアゾール2PZ-CN(商品名、四国化成工業株式会社製、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール)
Figure 0007287477000001
<実施例1>
[接着剤層の形成]
接着剤層の形成に、接着剤ワニスAを用いた。真空脱泡した接着剤ワニスAを、支持フィルムとしての離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に塗布した。塗布したワニスを、90℃で5分間、続いて140℃で5分間の二段階で加熱乾燥し、支持フィルム上に、Bステージ状態の接着剤層(厚さ20μm)を形成した。
[表面粗さの測定]
接着剤層の第1の表面(粘着剤層と接する側の面)の表面粗さ(算術平均粗さRa)を、形状測定レーザマイクロスコープVK-X100(キーエンス株式会社製)を用いて倍率50倍で測定することによって求めた。結果を表2に示す。
[熱伝導率の測定]
(測定試料の作製)
Leon13DX(株式会社ラミーコーポレーション製)を用いて、厚さが100μm以上になるように接着剤層を70℃でラミネートして積層体を得た。積層体に対して、110℃で30分間、175℃で180分間の熱履歴を与え、測定試料を得た。
(熱伝導率の測定)
測定試料の熱伝導率は、下記式によって算出した。結果を表2に示す。
熱伝導率(W/m・K)=比熱(J/kg・K)×熱拡散率(m/s)×比重(kg/m
なお、比熱、熱拡散率、及び比重は以下の方法によって測定した。熱伝導率が高くなることは、放熱性により優れることを意味する。
(比熱(25℃)の測定)
・測定装置:示差走査熱量測定装置(株式会社パーキンエルマージャパン製、商品名:DSC8500)
・基準物質:サファイア
・昇温速度:10℃/分
・昇温温度範囲:20℃~100℃
(熱拡散率の測定)
・測定装置:熱拡散率測定装置(ネッチ・ジャパン株式会社社製、商品名:LFA467 HyperFlash)
・測定試料の処理:測定試料の両面をカーボンスプレーで黒化処理
・測定方法:キセノンフラッシュ法
・測定雰囲気温度:25℃
(比重の測定)
・測定装置:電子比重計(アルファミラージュ株式会社製、商品名:SD200L)
・測定方法:アルキメデス法
[粘着剤層の形成]
粘着剤層に配合するアクリル樹脂を次のようにして合成した。すなわち、スリーワンモータ、撹拌翼、窒素導入管が備え付けられた容量2000mlのフラスコに以下の成分を入れた。
・酢酸エチル(溶剤):635g
・2-エチルヘキシルアクリレート:395g
・2-ヒドロキシエチルアクリレート:100g
・メタクリル酸:5g
・アゾビスイソブチロニトリル:0.08g
十分に均一になるまで内容物を撹拌した後、流量500ml/分にて60分間バブリングを実施し、系中の溶存酸素を脱気した。1時間かけて78℃まで昇温し、昇温後6時間重合させた。次に、スリーワンモータ、撹拌翼、窒素導入管が備え付けられた容量2000mlの加圧釜に反応溶液を移し、120℃、0.28MPaにて4.5時間加温後、室温(25℃、以下同様)に冷却した。
次に酢酸エチルを490g加えて撹拌し希釈した。これに重合禁止剤としてメトキノンを0.025g、ウレタン化触媒として、ジオクチルスズジラウレートを0.10g添加した後、2-メタクリロキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI(商品名))を42.5g加え、70℃で6時間反応させた後、室温に冷却した。次いで、酢酸エチルを加え、アクリル樹脂溶液中の不揮発分含有量が35質量%となるよう調整し、連鎖重合可能な官能基を有する(A)アクリル樹脂を含む溶液を得た。
上記のようにして得た(A)アクリル樹脂を含む溶液を60℃で一晩真空乾燥した。これによって得られた固形分を全自動元素分析装置(エレメンタール社製、商品名:varioEL)にて元素分析し、導入された2-メタクリロキシエチルイソシアネートの含有量を窒素含有量から算出したところ、0.50mmol/gであった。
また、以下の装置を使用して(A)アクリル樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量を求めた。すなわち、東ソー株式会社製SD-8022/DP-8020/RI-8020を使用し、カラムには日立化成株式会社製Gelpack GL-A150-S/GL-A160-Sを用い、溶離液にテトラヒドロフランを用いてGPC測定を行った。その結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は80万であった。JIS K0070に記載の方法に準拠して測定した水酸基価及び酸価は61.1mgKOH/g及び6.5mgKOH/gであった。
以下の成分を混合することで、粘着剤層形成用のワニスを調製した。なお、このワニスによって形成される粘着剤層は紫外線が照射されることによって硬化するものである。酢酸エチル(溶剤)の量は、ワニスの総固形分含有量が25質量%となるように調整した。
・(A)アクリル樹脂溶液:100g(固形分)
・(B)光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、イルガキュア184、「イルガキュア」は登録商標):0.8g
・(B)光重合開始剤(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、イルガキュア819、「イルガキュア」は登録商標):0.2g
・(C)架橋剤(多官能イソシアネート、日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートL、固形分:75%):8.0g(固形分)
・酢酸エチル(溶剤)
一方の面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(幅450mm、長さ500mm、厚さ38μm)を準備した。離型処理が施された面に、アプリケータを用いて粘着剤層形成用のワニスを塗布した後、80℃で5分間乾燥した。これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、その上に形成された粘着剤層(厚さ30μm)とからなる積層体(ダイシングフィルム)を得た。
一方の面にコロナ処理が施されたポリオレフィンフィルム(幅450mm、長さ500mm、厚さ80μm)を準備した。コロナ処理が施された面と、上記積層体の粘着剤層とを室温にて貼り合わせた。次いで、ゴムロールで押圧することで粘着剤層をポリオレフィンフィルム(カバーフィルム)に転写した。その後、室温で3日間放置することで本実施例に係る粘着剤層を得た。
[ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの作製]
接着剤層と粘着剤層を25℃で貼り合わせることによって、積層フィルムを得た。この積層フィルムに対して300mJ/cmの紫外線(照度:100mW/cm)を照射した。その後、40℃の温度条件で4日にわたってエイジングする工程を経て実施例1に係るダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。
[T形はく離強度の測定]
接着剤層と粘着剤層の界面のT形はく離強度を、JIS K6854-3:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第3部:T形はく離」に記載の方法に準拠して測定した。以下の条件は以下のとおりとした。結果を表2に示す。
・温度:23℃
・試験片の幅:25mm
・はく離速度:10mm/分
[ダイシング性の評価]
シリコンウェハ(直径:12インチ、厚さ:50μm)及びダイシングリングにダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを以下条件で貼り付けた。シリコンウェハ及びダイシングリングを貼り付けた後のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムのMD方向の伸びは、1.0~1.3%程度であった。
(貼付条件)
・貼付装置:DFM2800(株式会社ディスコ製)
・貼付温度:70℃
・貼付速度:10mm/s
・貼付テンションレベル:レベル6
次いで、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム付きシリコンウェハをブレードダイシングによって複数の接着剤片付きチップ(サイズ2mm×2mm)に個片化した。ダイシング後にチップ飛の有無を確認した。結果を表2に示す。
(ダイシング条件)
・ダイサー:DFD6361(株式会社ディスコ製)
・ブレード:ZH05-SD4000-N1-70-BB(株式会社ディスコ製)
・ブレード回転数:40000rpm
・ダイシング速度:30mm/秒
・ブレードハイト:90μm
・ダイシングフィルムの基材表面からの切り込み深さ:20μm
・ダイシング時の水量
ブレードクーラー:1.5L/分
シャワー:1.0L/分
スプレー:1.0L/分
<比較例1>
接着剤層と粘着剤層の積層フィルムに対して紫外線を照射しなかったことの他は、実施例1と同様にしてダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
<実施例2>
接着剤層の形成に接着剤ワニスBを使用したこと、及び、接着剤層と粘着剤層を貼り合わせる前に、接着剤層の第2の表面の平滑化処理を行ったことの他は実施例1と同様にしてダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。評価結果を表2に示す。なお、平滑化処理の条件は以下のとおりとした。
・温度140℃
・圧力0.5MPa
・速度0.1m/分
<比較例2>
接着剤層と粘着剤層の積層フィルムに対して紫外線を照射しなかったことの他は、実施例2と同様にしてダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
<比較例3>
接着剤層の形成に接着剤ワニスCを使用したことの他は実施例1と同様にしてダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
<比較例4>
接着剤層と粘着剤層の積層フィルムに対して紫外線を照射しなかったことの他は比較例3と同様にしてダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
Figure 0007287477000002
※1 評価不実施
本開示によれば、ウェハ及び接着剤層を個片化して複数の接着剤片付きチップを粘着剤層上に作製するダイシング工程において、粘着剤層からの接着剤片付きチップの離脱を十分に抑制でき、優れた放熱性を有する半導体装置を効率的に製造できる方法が提供される。また、本開示によれば、上記半導体装置を効率的に製造するのに有用な接着剤層の選定方法、並びに、当該接着剤層を備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法が提供される。
1…基材層、2…粘着剤層、2a…第1の表面、2b…第2の表面、3…ダイシングフィルム、5…接着剤層、5a…第1の表面、5b…第2の表面、8…接着剤片付きチップ、10…ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム、70…基板、100…半導体装置、W…ウェハ

Claims (7)

  1. (A)基材層と、粘着剤層と、接着剤層とをこの順序で備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを準備する工程と、
    (B)前記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射する工程と、
    (C)前記接着剤層に対してウェハを貼る工程と、
    (D)前記ウェハ及び前記接着剤層を個片化することによって複数の接着剤片付きチップを得る工程と、
    (E)前記接着剤片付きチップを前記粘着剤層からピックアップする工程と、
    (F)前記接着剤片付きチップを、基板又は他のチップ上にマウントする工程と、
    を含み、
    前記接着剤層が当該接着剤層の全質量基準で75質量%以上の金属粒子を含有し、
    前記活性エネルギー線の照射後における前記粘着剤層と前記接着剤層のT形はく離強度Bが、前記活性エネルギー線の照射前におけるT形はく離強度Aよりも大きい、半導体装置の製造方法。
  2. 前記粘着剤層が、前記活性エネルギー線の照射に対する反応性を有する炭素-炭素二重結合を有する樹脂を含有する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 基材層及び粘着剤層とともにダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを構成する接着剤層の選定方法であって、
    基材層と、前記基材層の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備えるダイシングフィルムを準備する工程と、
    前記粘着剤層の表面上に、当該接着剤層の全質量基準で75質量%以上の金属粒子を含む接着剤層を形成することによってダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程と、
    前記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射する工程と、
    前記活性エネルギー線の照射前における前記粘着剤層と前記接着剤層のT形はく離強度Aを測定する工程と、
    前記活性エネルギー線の照射後における前記粘着剤層と前記接着剤層のT形はく離強度Bを測定する工程と、
    を含み、
    前記活性エネルギー線の照射後のT形はく離強度Bが前記活性エネルギー線の照射前におけるT形はく離強度Aよりも大きい前記接着剤層を選定する、接着剤層の選定方法。
  4. 前記活性エネルギー線の照射後におけるT形はく離強度Bが0.07N/25mm以上である、請求項に記載の接着剤層の選定方法。
  5. 前記活性エネルギー線の照射後におけるT形はく離強度Bが0.5N/25mm以下である、請求項又はに記載の接着剤層の選定方法。
  6. 基材層と、粘着剤層と、接着剤層とをこの順序で備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法であって、
    基材層と、前記基材層の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備えるダイシングフィルムを準備する工程と、
    前記粘着剤層の表面上に、当該接着剤層の全質量基準で75質量%以上の金属粒子を含む接着剤層を形成することによってダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程と、
    前記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに向けて活性エネルギー線を照射することによって、前記粘着剤層と前記接着剤層のT形はく離強度を増大させる工程と、
    を含む、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法。
  7. 前記接着剤層が請求項のいずれか一項に記載の選定方法によって選定された接着剤層である、請求項に記載のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法。
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