JP2023101285A - ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法、並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法、並びに半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023101285000001
【課題】複数の粘着剤層を備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムにおいて、ピックアップ工程における不具合の発生を抑制することが可能なダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10は、基材層1、第1の粘着剤層2、及び第2の粘着剤層3をこの順に有するダイシングフィルム4と、ダイシングフィルム4の第2の粘着剤層3上に配置されたダイボンディングフィルム5とを備える。第1の粘着剤層2の第2の粘着剤層3側の表面2A、及び、第2の粘着剤層3の第1の粘着剤層2側の表面3Aのうち、少なくとも一方の表面にコロナ処理が施されている。
【選択図】図1

Description

本開示は、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法、並びに半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体装置は以下の工程を経て製造される。まず、ダイシング用粘着シートに半導体ウェハを貼り付けるウェハラミネート工程が実施され、半導体ウェハを貼り付けた状態で半導体ウェハを半導体チップに個片化する個片化工程が実施される。その後、ピックアップ工程、ダイボンディング工程等が実施される。
半導体装置の製造プロセスにおいては、個片化工程において半導体ウェハを固定する機能と、ダイボンディング工程において半導体チップを基板と接着させる機能とを有するダイシング・ダイボンディング一体型フィルムと称されるフィルムが使用されている。当該フィルムは、基材層と粘着剤層と接着剤層(ダイボンディングフィルム)とがこの順序で積層された構造を有し、例えば、次のように使用される。まず、半導体ウェハに対して接着剤層側の面を貼り付けるとともにダイシングリングで半導体ウェハを固定した状態で半導体ウェハを個片化する(個片化工程)。これにより、半導体ウェハが多数の半導体チップに個片化される。続いて、必要に応じて、粘着剤層に対して紫外線を照射することによって接着剤層に対する粘着剤層の粘着力を低下させ(紫外線照射工程)、接着剤層が個片化されてなる接着剤片とともに半導体チップを粘着剤層からピックアップする(ピックアップ工程)。その後、接着剤片を介して半導体チップを基板等に圧着するダイボンディング工程を経て半導体装置が製造される。
上記のように、紫外線を照射することによって粘着力が低下する粘着剤層は、紫外線硬化型の粘着剤層と称される。これに対して、半導体装置の製造プロセスにおいて紫外線が照射されることなく、粘着力が一定のままの粘着剤層も使用することができる。このような粘着剤層は、感圧型の粘着剤層と称される。
ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに求められる特性としては、例えば、個片化工程においてダイシングリングからの剥離が発生しないこと、個片化工程後において、半導体チップ間の距離(カーフ幅)を保持できること、ピックアップ工程において、粘着剤層と接着剤層との密着力が充分に低く、ピックアップ性に優れること等が挙げられる。
これらの特性を満たすための手段として、粘着剤層を複数の層にして機能を分離することが検討されている。例えば、特許文献1、2には、基材層と、2個の粘着剤層(第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層)とを備えるダイシングフィルム又はダイシング・ダイボンディング一体型フィルムが開示されている。
特開2006-049507号公報 特開2012-060038号公報
ところで、本発明者らが粘着剤層を複数の層にして機能を分離することをさらに検討したところ、ピックアップ工程において、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間(界面)で剥離が発生する等の不具合が発生する場合があることが見出された。
そこで、本開示は、複数の粘着剤層を備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムにおいて、ピックアップ工程における不具合の発生を抑制することが可能なダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく検討したところ、第1の粘着剤層の第2の粘着剤層と接する表面、及び、第2の粘着剤層の第1の粘着剤層と接する表面のうち、少なくとも一方の表面に対して、コロナ処理を施すことにより、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との密着力が向上し、結果として、ピックアップ工程における不具合の発生を抑制することが可能であることを見出し、本開示の発明を完成するに至った。
本開示の一側面は、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに関する。当該ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、基材層、第1の粘着剤層、及び第2の粘着剤層をこの順に有するダイシングフィルムと、ダイシングフィルムの第2の粘着剤層上に配置されたダイボンディングフィルムとを備える。当該ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムにおいて、第1の粘着剤層の第2の粘着剤層側の表面、及び、第2の粘着剤層の第1の粘着剤層側の表面のうち、少なくとも一方の表面にコロナ処理が施されている。このようなダイシング・ダイボンディング一体型フィルムによれば、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との密着力が向上し、ピックアップ工程における不具合の発生を抑制することが可能となる。
コロナ処理は、第1の粘着剤層の第2の粘着剤層側の表面に施されていてもよい。すなわち、コロナ処理は、第1の粘着剤層の第2の粘着剤層側の表面に施されていれば、第2の粘着剤層の第1の粘着剤層側の表面に施されていても施されていなくともよい。コロナ処理は、その実施の容易さから、第1の粘着剤層の第2の粘着剤層側の表面のみに施されていてもよい。
ダイボンディングフィルムと接している第2の粘着剤層は、ピックアップ性の観点から、紫外線照射により粘着力を調整することが可能な紫外線硬化型の粘着剤層であることが好ましい。
本開示の他の側面は、上記のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法に関する。当該ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法は、基材層及び基材層上に設けられた第1の粘着剤層を有する第1の積層体、並びに、支持フィルム及び支持フィルム上に設けられた第2の粘着剤層を有する第2の積層体を準備する工程と、第1の積層体における第1の粘着剤層の基材層とは反対側の表面、及び、第2の積層体における第2の粘着剤層の支持フィルムとは反対側の表面のうち、少なくとも一方の表面に対して、コロナ処理を施す工程と、第1の積層体の第1の粘着剤層と第2の積層体の第2の粘着剤層とを貼り合わせることによって、ダイシングフィルムを得る工程と、得られたダイシングフィルムの第2の粘着剤層上に、ダイボンディングフィルムを配置することによって、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程とを備える。
本開示の他の側面は、半導体装置の製造方法に関する。当該半導体装置の製造方法は、上記のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムのダイボンディングフィルムを半導体ウェハに貼り付ける工程と、半導体ウェハ及びダイボンディングフィルムを個片化する工程と、ダイシングフィルムの第2の粘着剤層層から、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップをピックアップする工程と、ダイボンディングフィルム片を介して、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップを支持基板に接着する工程とを備える。
本開示によれば、複数の粘着剤層を備えるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムにおいて、ピックアップ工程における不具合の発生を抑制することが可能なダイシング・ダイボンディング一体型フィルム及びその製造方法が提供される。また、本開示は、このようなダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを用いた半導体装置の製造方法が提供される。
図1は、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 図2は、ダイシングフィルムの製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。図2(a)、(b)、(c)、及び(d)は、各工程を模式的に示す断面図である。 図3は、半導体装置の製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f)は、各工程を模式的に示す断面図である。 図4は、半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本開示における数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系単量体等の他の類似表現についても同様である。
本明細書に例示する各成分及び材料は、特に断らない限り、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用して使用してもよい。
[ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム]
図1は、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示されるダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10は、基材層1、第1の粘着剤層2、及び第2の粘着剤層3をこの順に有するダイシングフィルム4と、ダイシングフィルム4の第2の粘着剤層3上に配置されたダイボンディングフィルム5(ダイボンディングフィルムからなる接着剤層)とを備える。
<ダイシングフィルム>
ダイシングフィルム4を構成する各層は、使用工程、装置等に併せて予め所定形状に切断(プリカット)されていてもよい。また、ダイシングフィルム4は、半導体ウェハごとに切断されていてもよいし、これを長尺にしたロール状であってもよい。また、適宜、第2の粘着剤層上にセパレータを有していてもよい。以下では、ダイシングフィルム4を構成する各層について説明する。
(基材層)
基材層1としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。また、基材層1は、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理が施されていてもよい。基材層1の厚さは、例えば、10~150μm又は20~130μmであってよい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、第1の粘着剤層2と、第2の粘着剤層3とを含む。第1の粘着剤層2の第2の粘着剤層3側の表面2A、及び、第2の粘着剤層3の第1の粘着剤層2側の表面3Aのうち、少なくとも一方の表面にコロナ処理が施されている。コロナ処理は、表面2Aの全部(全体)又は一部に施されていてもよく、表面2Aの全体に施されていることが好ましい。表面3Aの全部(全体)又は一部に施されていてもよく、表面3Aの全体に施されていることが好ましい。表面2A及び表面3Aの少なくとも一方の表面にコロナ処理が施されていることにより、第1の粘着剤層2と第2の粘着剤層3との密着力を向上させることが可能となる。コロナ処理は、表面2Aに施されていてもよい。すなわち、コロナ処理は、表面2Aに施されていれば、表面3Aに施されていても施されていなくともよい。コロナ処理は、その実施の容易さから、表面2Aのみに施されていてもよい。
コロナ処理としては、例えば、コロナ放電装置(例えば、コロナ処理装置(KG0602W-65、春日電機株式会社製)等)を用いて、コロナ放電による表面改質方法として知られている公知の方法を採用することができる。コロナ処理が施された直後の表面(表面2A又は表面3A)の濡れ張力は、50~80mN/mであってよく、60mN/m以上であってもよい。本明細書において、コロナ処理が施された表面の濡れ張力は、濡れ張力試験用混合液(富士フイルム和光純薬株式会社製)を使用し、JIS K6768に準じて測定されるものを意味する。より具体的には、濡れ張力は、コロナ処理が施された表面に上記混合液を塗布し、表面を濡らすと判定された混合液の表面張力の数値を意味する。
第1の粘着剤層2及び第2の粘着剤層3は、ダイシングフィルムの分野で通常使用される粘着剤からなる粘着剤層であってよく、感圧型粘着剤からなる感圧型の粘着剤層であっても、紫外線硬化型粘着剤からなる紫外線硬化型の粘着剤層であってもよい。紫外線硬化型の粘着剤層は、紫外線が照射されることによって粘着性が低下する性質を有するものであり得る。
第1の粘着剤層2及び第2の粘着剤層3は、機能を分離する観点から、一方が感圧型の粘着剤層であり、他方が紫外線硬化型の粘着剤層であることが好ましい。ダイボンディングフィルム5と接している第2の粘着剤層3は、ピックアップ性の観点から、紫外線照射により粘着力を調整することが可能な紫外線硬化型の粘着剤層であることが好ましく、第1の粘着剤層2は、感圧型の粘着剤層であることが好ましい。
以下では、第1の粘着剤層2が感圧型の粘着剤層であり、かつ第2の粘着剤層3が紫外線硬化型の粘着剤層である態様を中心に説明する。
第1の粘着剤層2の厚さは、例えば、1μm以上又は2μm以上であってよく、30μm以下又は15μm以下であってよい。第1の粘着剤層2の厚さが1μm以上であると、充分な密着力が得られ易い傾向にあり、第1の粘着剤層2の厚さが30μm以下であると、紫外線が透過し易く、第2の粘着剤層3の硬化反応が阻害され難い傾向にある。
第2の粘着剤層3の厚さは、例えば、1μm以上又は2μm以上であってよく、30μm以下又は15μm以下であってよい。第2の粘着剤層3の厚さが1μm以上であると、充分な密着力が得られ易い傾向にあり、第2の粘着剤層3の厚さが30μm以下であると、ピックアップ工程でダイボンディングフィルム5(ダイボンディングフィルムからなる接着剤層)に応力が充分に伝わり、分断性及びピックアップ性の低下を抑制できる傾向にある。
第1の粘着剤層2としての感圧型の粘着剤層は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(C)とを含む粘着剤組成物をフィルム状に形成し、一定期間熟成させることによって得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂(A)は、架橋剤(C)によって架橋されていてもよい。
第1の粘着剤層2は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(C)と、有機溶剤とを含む第1の粘着剤ワニスを調製し、第1の粘着剤ワニスを基材層1に塗工して、揮発成分を除去することによって形成することができる。また、第1の粘着剤層2は、このような第1の粘着剤ワニスを支持フィルム上に塗工し、揮発成分を除去して粘着剤層を作製した後、得られた粘着剤層を基材層1の表面に転写することによっても形成することができる。形成された第1の粘着剤層2の第2の粘着剤層3側の表面2Aに対してコロナ処理を施すことにより、コロナ処理が施された表面を有する第1の粘着剤層2を得ることができる。
第2の粘着剤層3としての紫外線硬化型の粘着剤層は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(B)と、架橋剤(C)と、光重合開始剤(D)とを含む粘着剤組成物をフィルム状に形成し、一定期間熟成させることによって得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂(B)は、架橋剤(C)によって架橋されていてもよい。
第2の粘着剤層3は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(B)と、架橋剤(C)と、光重合開始剤(D)と、有機溶剤とを含む第2の粘着剤ワニスを調製し、第2の粘着剤ワニスを第1の粘着剤層2の表面2A上に塗工して、揮発成分を除去することによって形成することができる。この場合、通常、第2の粘着剤層3の表面3Aに対して、コロナ処理は実施されない。一方、第2の粘着剤層3は、このような第2の粘着剤ワニスを支持フィルム上に塗工し、揮発成分を除去して粘着剤層を作製した後、得られた粘着剤層を第1の粘着剤層2の表面2A上に転写することによっても形成することができる。この場合、形成された粘着剤層の表面(第2の粘着剤層3の第1の粘着剤層2側の表面3A)に対してコロナ処理を施すことにより、コロナ処理が施された表面を有する第2の粘着剤層3を形成することができる。
支持フィルムとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。また、支持フィルムは、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理が施されていてもよい。支持フィルムの厚さは、例えば、10~150μm又は20~130μmであってよい。
・(メタ)アクリル系樹脂(A)
感圧型の粘着剤層を形成するための(メタ)アクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル系単量体等の重合体である。(メタ)アクリル系樹脂(A)は、後述する官能基導入化合物又は架橋剤との反応点として、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基(グリシジル基)、アミノ基等から選ばれる少なくとも1種の置換基(以下、「所定の置換基」という場合がある。)を有していることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル系単量体等を公知の方法で重合することによって得ることができる。重合方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法、析出重合法、気相重合法、プラズマ重合法、超臨界重合法等が挙げられる。また、重合反応の種類としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、配位重合、イモータル重合等が挙げられ、その他にも、ATRP(原子移動ラジカル重合)、RAFT(可逆的付加開裂連鎖移動重合)等も挙げられる。この中でも、溶液重合法を用いてラジカル重合により重合することは、経済性の良さ、反応率の高さ、重合制御の容易さ等の観点において、また、重合で得られた樹脂溶液をそのまま用いて配合できるという観点から好ましい手法である。
(メタ)アクリル系樹脂(A)を合成するための単量体としては、一分子中に1個のエチレン性不飽和基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有するものであれば特に制限されない。その具体例としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)スクシネート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(o-フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(1-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(2-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-N-カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのカプロラクトン変性体、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、α-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α-エチル-6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物;(2-エチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2-(2-エチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-メチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、3-(2-エチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(2-メチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基及びオキセタニル基を有する化合物;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基及びヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。これらの単量体を適宜組み合わせることによって、所望の(メタ)アクリル系樹脂を得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂(A)を合成するための単量体は、必要に応じて、上記の単量体と共重合可能な単量体(例えば、スチレン及びその誘導体;アルキルマレイミド、シクロアルキルマレイミド、アリールマレイミド等のマレイミド化合物など)を用いることができる。
所定の置換基を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)は、所定の置換基を有する単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、エチレン性不飽和基及びヒドロキシ基を有する化合物、エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物等)を重合させることによって得ることができる。
所定の置換基を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル系樹脂(A)のカルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基(グリシジル基)、アミノ基等から選ばれる少なくとも1種の置換基を反応点として、その反応点の一部が後述の架橋剤(C)により架橋されていてもよい。
・(メタ)アクリル系樹脂(B)
紫外線硬化型の粘着剤層を形成するための(メタ)アクリル系樹脂(B)は、(メタ)アクリル系単量体等の重合体である。(メタ)アクリル系樹脂(B)は、連鎖重合可能な官能基を有することが好ましい。連鎖重合可能な官能基は、例えば、アクリロイル基及びメタクリロイル基から選ばれる少なくとも1種であってよい。連鎖重合可能な官能基を有する(メタ)アクリル系樹脂(B)は、例えば、上記の所定の置換基を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)において、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基(グリシジル基)、アミノ基等から選ばれる少なくとも1種の置換基を反応点として、その反応点の一部を官能基導入化合物(所定の置換基と反応する基と連鎖重合可能な官能基とを有する化合物)と反応させることによって得ることができる。
官能基導入化合物の具体例としては、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソシアン酸エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、2-ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基導入化合物は、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートであってよい。
連鎖重合可能な官能基を有する(メタ)アクリル系樹脂(B)は、(メタ)アクリル系樹脂(B)のカルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基(グリシジル基)、アミノ基等から選ばれる少なくとも1種の置換基を反応点として、その反応点の一部が後述の架橋剤(C)により架橋されていてもよい。
・架橋剤(C)
架橋剤(C)は、例えば、粘着剤層の貯蔵弾性率及び/又は粘着性の制御を目的に用いられる。架橋剤(C)は、(メタ)アクリル系樹脂(A)又は(メタ)アクリル系樹脂(B)が有する所定の置換基と反応し得る反応基を一分子中に2個以上有する化合物であってよい。所定の置換基を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)又は(メタ)アクリル系樹脂(B)と架橋剤(C)との反応によって形成される結合としては、例えば、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合等が挙げられる。
架橋剤(C)は、例えば、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートであってよい。このような多官能イソシアネートを用いることにより、(メタ)アクリル系樹脂(A)が有する所定の置換基と容易に反応し、強固な架橋構造を形成することができる。
一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート、リジンイソシアネート等のイソシアネート化合物などが挙げられる。
架橋剤(C)は、多官能イソシアネートと、一分子中に2個以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールとの反応物(イソシアネート基含有オリゴマー)であってもよい。一分子中に2個以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
これらの中でも、架橋剤(C)は、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートと、一分子中に3個以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールとの反応物(イソシアネート基含有オリゴマー)であってもよい。このようなイソシアネート基含有オリゴマーを架橋剤として用いることで、(第2の)粘着剤層が緻密な架橋構造を形成し、これにより、ピックアップ工程においてダイボンディングフィルム5(ダイボンディングフィルムからなる接着剤層)に粘着剤成分が付着することを抑制することができる傾向にある。
(メタ)アクリル系樹脂(A)又は(メタ)アクリル系樹脂(B)を架橋剤(C)と反応させる際の架橋剤(C)の含有量は、粘着剤層に対して求められる凝集力、破断伸び率、接着剤層との密着性、紫外線硬化型又は感圧型の種類等に応じて適宜設定することができる。感圧型の粘着剤層を形成する場合、架橋剤(C)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)の総量100質量部に対して、例えば、0.1~20質量部、1~15質量部、又は3~12質量部であってよい。紫外線硬化型の粘着剤層を形成する場合、架橋剤(C)の含有量は、例えば、0.1~10質量部、0.2~7質量部、又は0.3~5質量部であってよい。架橋剤の含有量がこのような範囲にあると、個片化工程において粘着剤層に求められる特性と、ダイボンディング工程において粘着剤層に求められる特性とをバランスよく両立することが可能であるとともに、優れたピックアップ性も達成し得る。
・光重合開始剤(D)
光重合開始剤(D)としては、紫外線を照射することで連鎖重合可能な活性種を発生するものであれば特に制限されない。光重合開始剤(D)としては、例えば、光ラジカル重合開始剤が挙げられる。ここで連鎖重合可能な活性種とは、連鎖重合可能な官能基と反応することで重合反応が開始される種を意味する。
光ラジカル重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンゾインケタール;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等のα-ヒドロキシケトン;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、1,2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等のα-アミノケトン;1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタジオン-2-(ベンゾイル)オキシム等のオキシムエステル;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9、9’-アクリジニルヘプタン)等のアクリジン化合物:N-フェニルグリシン、クマリンなどが挙げられる。
光重合開始剤(D)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(B)の総量100質量部に対して、例えば、0.1~30質量部、0.3~10質量部、又は0.5~5質量部であってよい。光重合開始剤(D)の含有量が、(メタ)アクリル系樹脂(B)の総量100質量部に対して、0.1質量部以上であると、粘着剤層が紫外線照射後において充分に硬化し、ピックアップ不良が起こり難い傾向にあり、30質量部以下であると、ダイボンディングフィルムへの汚染(光重合開始剤のダイボンディングフィルムへの転写)を防ぐことができる傾向にある。
感圧型の粘着剤層を構成する粘着剤組成物又は紫外線硬化型の粘着剤層を構成する粘着剤組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、上記(メタ)アクリル系樹脂以外の樹脂、粘着性付与剤(タッキファイヤ等)などが挙げられる。
・有機溶剤
第1の粘着剤ワニス及び第2の粘着剤ワニスで使用される有機溶剤は、(メタ)アクリル系樹脂、架橋剤、及び光重合開始剤を溶解し得るものであって、加熱により揮発するものであれば特に制限されない。有機溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p-シメン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミドなどが挙げられる。
これらの中でも、溶解性及び沸点の観点から、有機溶剤は、例えば、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルアセトアミド、及びアセチルアセトンからなる群より選ばれる1種であってよい。第1の粘着剤ワニス及び第2の粘着剤ワニスにおける固形分濃度は、通常、10~60質量%であってよい。
揮発成分を除去する場合の加熱温度及び加熱時間は、使用する粘着剤の構成成分、有機溶剤の種類等に合わせて任意に設定することができる。加熱温度及び加熱時間は、例えば、70~110℃及び0.5~5分とすることができる。
図2は、ダイシングフィルムの製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。図2(a)、(b)、(c)、及び(d)は、各工程を模式的に示す断面図である。ダイシングフィルム4の製造方法は、基材層1及び基材層1上に設けられた第1の粘着剤層2を有する第1の積層体6、並びに、支持フィルム7及び支持フィルム7上に設けられた第2の粘着剤層3を有する第2の積層体8を準備する工程と、第1の積層体6における第1の粘着剤層2の基材層1とは反対側の表面2A、及び、第2の積層体8における第2の粘着剤層3の支持フィルム7とは反対側の表面3Aのうち、少なくとも一方の表面に対して、コロナ処理を施す工程と、第1の積層体6の第1の粘着剤層2と第2の積層体8の第2の粘着剤層3とを貼り合わせることによって、ダイシングフィルム4を得る工程とを備える。
第1の積層体6は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(C)と、有機溶剤とを含む第1の粘着剤ワニスを調製し、第1の粘着剤ワニスを基材層1に塗工して、揮発成分を除去することによって得ることができる。また、第1の積層体6は、このような第1の粘着剤ワニスを支持フィルム上に塗工して、粘着剤層を作製した後、得られた粘着剤層を基材層1の表面に転写することによっても得ることができる。
第2の積層体8は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(B)と、架橋剤(C)と、光重合開始剤(D)と、有機溶剤とを含む第2の粘着剤ワニスを調製し、第2の粘着剤ワニスを支持フィルム7上に塗工して、揮発成分を除去することによって得ることができる。
続いて、第1の積層体6における第1の粘着剤層2の基材層1とは反対側の表面2A、及び、第2の積層体8における第2の粘着剤層3の支持フィルム7とは反対側の表面3Aのうち、少なくとも一方の表面に対して、コロナ処理を施す(図2(a)、(b)参照)。コロナ処理は、表面2Aに対して施すことが好ましい。すなわち、コロナ処理は、表面2Aに対して施すのであれば、表面3Aに対して施しても施さなくてもよい。コロナ処理は、その実施の容易さから、表面2Aのみに対して施すものであってもよい。
コロナ処理としては、例えば、コロナ放電装置(例えば、コロナステーション(春日電機株式会社製))を用いて、コロナ放電による表面改質方法として知られている公知の方法を採用することができる。コロナ処理の条理条件(処理速度、処理電圧等)は、使用する粘着剤の性状に合わせて任意に設定することができる。コロナ処理は、コロナ処理が施された直後の表面(表面2A又は表面3A)の濡れ張力が、50~80mN/m、好ましくは60mN/m以上となるように施すことが好ましい。
続いて、第1の積層体6の第1の粘着剤層2の表面2Aと第2の積層体8の第2の粘着剤層3の表面3Aとが接するように貼り合わせることによって、ダイシングフィルム4を得ることができる。貼り合わせ条件は、任意に設定することができるが、例えば、20~70℃とすることができる。第1の積層体6の第1の粘着剤層2と第2の積層体8の第2の粘着剤層3とは、例えば、ロール圧着で貼り合わせることができる。
<ダイボンディングフィルム>
ダイボンディングフィルム5には、既知のダイボンディングフィルムを構成する接着剤組成物を適用できる。具体的には、ダイボンディングフィルム5を構成する接着剤組成物は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、反応性基含有(メタ)アクリル共重合体とを含んでいてもよい。ダイボンディングフィルム5を構成する接着剤組成物は、硬化促進剤、シランカップリング剤、フィラー等をさらに含んでいてもよい。これらの成分を含むダイボンディングフィルム5によれば、半導体チップ/支持基板間、及び、半導体チップ/半導体チップ間の接着性に優れ、また、電極埋め込み性、ワイヤ埋め込み性等も付与可能で、かつダイボンディング工程では低温で接着でき、短時間で優れた硬化が得られる、封止剤でモールド後は優れた信頼性を有する等の特徴を有する傾向にある。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物等の二官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、多官能エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂等の一般に知られているその他のエポキシ樹脂を適用してもよい。なお、特性を損なわない範囲でエポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、フェノール化合物と2価の連結基であるキシリレン化合物とを、無触媒又は酸触媒の存在下に反応させて得ることができるフェノール樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂の製造に用いられるフェノール化合物としては、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-エチルフェノール、p-エチルフェノール、o-n-プロピルフェノール、m-n-プロピルフェノール、p-n-プロピルフェノール、o-イソプロピルフェノール、m-イソプロピルフェノール、p-イソプロピルフェノール、o-n-ブチルフェノール、m-n-ブチルフェノール、p-n-ブチルフェノール、o-イソブチルフェノール、m-イソブチルフェノール、p-イソブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,4-キシレノール、2,6-キシレノール、3,5-キシレノール、2,4,6-トリメチルフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、4-メトキシフェノール、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、p-フェニルフェノール、p-シクロヘキシルフェノール、o-アリルフェノール、p-アリルフェノール、o-ベンジルフェノール、p-ベンジルフェノール、o-クロロフェノール、p-クロロフェノール、o-ブロモフェノール、p-ブロモフェノール、o-ヨードフェノール、p-ヨードフェノール、o-フルオロフェノール、m-フルオロフェノール、p-フルオロフェノール等が挙げられる。フェノール樹脂の製造に用いられる2価の連結基であるキシリレン化合物としては、次に示すキシリレンジハライド、キシリレンジグリコール及びその誘導体が用いることができる。すなわち、キシリレン化合物の具体例としては、α,α’-ジクロロ-p-キシレン、α,α’-ジクロロ-m-キシレン、α,α’-ジクロロ-o-キシレン、α,α’-ジブロモ-p-キシレン、α,α’-ジブロモ-m-キシレン、α,α’-ジブロモ-o-キシレン、α,α’-ジヨード-p-キシレン、α,α’-ジヨード-m-キシレン、α,α’-ジヨード-o-キシレン、α,α’-ジヒドロキシ-p-キシレン、α,α’-ジヒドロキシ-m-キシレン、α,α’-ジヒドロキシ-o-キシレン、α,α’-ジメトキシ-p-キシレン、α,α’-ジメトキシ-m-キシレン、α,α’-ジメトキシ-o-キシレン、α,α’-ジエトキシ-p-キシレン、α,α’-ジエトキシ-m-キシレン、α,α’-ジエトキシ-o-キシレン、α,α’-ジ-n-プロポキシ-p-キシレン、α,α’-ジ-n-プロポキシ-m-キシレン、α,α’-ジ-n-プロポキシ-o-キシレン、α,α’-ジイソプロポキシ-p-キシレン、α,α’-ジイソプロポキシ-m-キシレン、α,α’-ジイソプロポキシ-o-キシレン、α,α’-ジ-n-ブトキシ-p-キシレン、α,α’-ジ-n-ブトキシ-m-キシレン、α,α’-ジ-n-ブトキシ-o-キシレン、α,α’-ジイソブトキシ-p-キシレン、α,α’-ジイソブトキシ-m-キシレン、α,α’-ジイソブトキシ-o-キシレン、α,α’-ジ-tert-ブトキシ-p-キシレン、α,α’-ジ-tert-ブトキシ-m-キシレン、α,α’-ジ-tert-ブトキシ-o-キシレン等が挙げられる。
フェノール化合物とキシリレン化合物とを反応させる際には、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機カルボン酸類;トリフロロメタンスルホン酸等の超強酸類;アルカンスルホン酸型イオン交換樹脂等の強酸性イオン交換樹脂類;パーフルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹脂等の超強酸性イオン交換樹脂類(商品名:ナフィオン、Nafion、Du Pont社製、「ナフィオン」は登録商標);天然及び合成ゼオライト類;活性白土(酸性白土)類等の酸性触媒を用い、50~250℃において実質的に原料であるキシリレン化合物が消失し、かつ反応組成が一定になるまで反応させることによってフェノール樹脂をえることができる。反応時間は、原料及び反応温度によって適宜設定することができ、例えば、1~15時間程度とすることでき、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)等により反応組成を追跡しながら決定することができる。
反応性基含有(メタ)アクリル共重合体は、例えば、エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体であってよい。エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体は、原料としてグリシジル(メタ)アクリレートを、得られる共重合体に対し0.5~6質量%となる量用いて得られる共重合体であってよい。グリシジル(メタ)アクリレートの含有量が0.5質量%以上であると、高い接着力を得易くなり、他方、6質量%以下であることでゲル化を抑制できる傾向にある。反応性基含有(メタ)アクリル共重合体の残部を構成するモノマーは、例えば、メチル(メタ)アクリレート等の炭素数1~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル等であってよい。これらの中でも、反応性基含有(メタ)アクリル共重合体の残部を構成するモノマーは、エチル(メタ)アクリレート及び/又はブチル(メタ)アクリレートであってよい。混合比率は、反応性基含有(メタ)アクリル共重合体のTgを考慮して調整することができる。Tgが-10℃以上であるとBステージ状態でのダイボンディングフィルム5のタック性が大きくなり過ぎることを抑制できる傾向にあり、取り扱い性に優れる傾向にある。なお、エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体のガラス転移点(Tg)は、例えば、30℃以下であってよい。重合方法は、特に制限されないが、例えば、パール重合、溶液重合等が挙げられる。市販のエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体としては、例えば、HTR-860P-3(商品名、ナガセケムテックス株式会社製)が挙げられる。
エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量は、接着性及び耐熱性の観点から、10万以上であってよく、30万~300万又は50万~200万であってもよい。重量平均分子量が300万以下であると、チップと、これを支持する基板との間の充填性が低下することを抑制できる。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
硬化促進剤としては、例えば、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩類等が挙げられる。硬化促進剤の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテートが挙げられる。
フィラーは、無機フィラーであってよい。無機フィラーの具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、結晶質シリカ、非晶質シリカが挙げられる。
シランカップリング剤は、例えば、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、イミダゾール基、エポキシ基等の有機官能基を有するシランカップリング剤が挙げられる。
ダイボンディングフィルム5の厚さは、例えば、1~300μm、5~150μm、又は10~100μmであってよい。ダイボンディングフィルム5の厚さが1μm以上であると、接着性がより優れ、他方、300μm以下であると、ピックアップ性がより優れる傾向にある。
なお、ダイボンディングフィルム5は熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤)を含まない態様であってもよい。例えば、ダイボンディングフィルム5が反応性基含有(メタ)アクリル共重合体を含む場合、ダイボンディングフィルム5は、反応性基含有(メタ)アクリル共重合体と、硬化促進剤と、フィラーとを含むものであってもよい。
[ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法]
ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法は、基材層1及び基材層1上に設けられた第1の粘着剤層2を有する第1の積層体6、並びに、支持フィルム7及び支持フィルム7上に設けられた第2の粘着剤層3を有する第2の積層体8を準備する工程と、第1の積層体6における第1の粘着剤層2の基材層1とは反対側の表面2A、及び、第2の積層体8における第2の粘着剤層3の支持フィルム7とは反対側の表面3Aのうち、少なくとも一方の表面に対して、コロナ処理を施す工程と、第1の積層体6の第1の粘着剤層2と第2の積層体8の第2の粘着剤層3とを貼り合わせることによって、ダイシングフィルム4を得る工程と、得られたダイシングフィルム4の第2の粘着剤層3上に、ダイボンディングフィルム5を配置することによって、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10を得る工程とを備える。ダイシングフィルム4を得る工程までは、上記で説明したとおりであることから、ここでは、重複する説明は省略する。
ダイシングフィルム4の第2の粘着剤層3上にダイボンディングフィルム5を配置する方法としては、例えば、ダイボンディングフィルム5を構成する接着剤組成物のワニス(接着剤層形成用のワニス)を調製し、これを第2の粘着剤層3の表面に塗工する方法、接着剤組成物のワニスをキャリアフィルム上に塗工し、揮発成分を除去してダイボンディングフィルム5を作製した後、得られたダイボンディングフィルム5を第2の粘着剤層3の表面3A上に転写する方法が挙げられる。
接着剤層形成用のワニスは、フィラー以外の各成分を溶解し得る有機溶剤であって加熱により揮発するものであってよい。有機溶剤の具体例としては、第1の粘着剤ワニス及び第2の粘着剤ワニスで使用される有機溶剤と同様のものを例示できる。
キャリアフィルムとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。また、キャリアフィルムは、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理が施されていてもよい。キャリアフィルムの厚さは、例えば、10~150μm又は20~130μmであってよい。
[半導体装置の製造方法]
図3は、半導体装置の製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f)は、各工程を模式的に示す断面図である。半導体装置の製造方法は、上記のダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10のダイボンディングフィルム5(接着剤層)を半導体ウェハWに貼り付ける工程(ウェハラミネート工程、図3(a)、(b)参照)と、半導体ウェハW及びダイボンディングフィルム5を個片化する工程(個片化工程、図3(c)参照)と、必要に応じて、第2の粘着剤層3が紫外線硬化型の粘着剤層である場合、第2の粘着剤層3に対して、基材層1及び第1の粘着剤層2を介して紫外線を照射する工程(紫外線照射工程、図3(d)参照)と、ダイシングフィルム4の第2の粘着剤層3から、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20をピックアップする工程(ピックアップ工程、図3(e)参照)と、ダイボンディングフィルム片5aを介して、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20を支持基板40に接着する工程(ダイボンディング工程、図3(f)参照))とを備える。
<ウェハラミネート工程>
まず、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10を所定の装置に配置する。続いて、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10のダイボンディングフィルム5(接着剤層)の表面5Aを半導体ウェハWの表面Wsに貼り付ける(図3(a)、(b)参照)。半導体ウェハWの回路面は、表面Wsとは反対側の面に設けられていることが好ましい。
<個片化工程>
次に、半導体ウェハW及びダイボンディングフィルム5(接着剤層)を個片化する(図3(c)参照)。個片化する方法としては、ブレードダイシングによる個片化方法、ステルスダイシングによる個片化方法等が挙げられる。個片化する方法がブレードダイシングによる個片化方法である場合、第1の粘着剤層2及び第2の粘着剤層3の一部、又は、第1の粘着剤層2及び第2の粘着剤層3の全部及び基材層1の一部がブレードによってダイシングされていてもよい。このように、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム10は、ダイシングフィルムとしても機能する。個片化する方法がステルスダイシングによる個片化方法である場合、例えば、ウェハラミネート工程より前に、半導体ウェハWに分離予定ラインを形成し、ウェハラミネート工程後に、基材層1の冷却エキスパンド及びそれに続くヒートシュリンクを行うことによって、半導体ウェハW及びダイボンディングフィルム5(接着剤層)を個片化してもよい。
<紫外線照射工程>
第2の粘着剤層3が紫外線硬化型の粘着剤層である場合は、必要に応じて、第2の粘着剤層3に対して基材層1及び第1の粘着剤層2を介して紫外線を照射してもよい(図3(d)参照)。紫外線硬化型の粘着剤層である場合、当該第2の粘着剤層3が硬化して、粘着性が低下し、第2の粘着剤層3とダイボンディングフィルム5(接着剤層)との間の密着力を低下させることができる。紫外線照射においては、波長200~400nmの紫外線を用いることが好ましい。紫外線照射条件は、照度及び照射量をそれぞれ30~240mW/cmの範囲及び50~500mJ/cmの範囲に調整することが好ましい。
<ピックアップ工程>
次に、基材層1をエキスパンドしながら、ダイシングされたダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20を互いに離間させつつ、基材層1側からニードル32で突き上げられたダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20を吸引コレット34で吸引して第2の粘着剤層3aからピックアップする(図3(e)参照)。なお、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20は、半導体チップWaとダイボンディングフィルム片5aとを有する。半導体チップWaは、半導体ウェハWがダイシングによって個片化されたものであり、ダイボンディングフィルム片5aは、ダイボンディングフィルム5がダイシングによって個片化されたものである。また、第1の粘着剤層2aは、第1の粘着剤層2がダイシングによって個片化されたものであり、第2の粘着剤層3aは、第2の粘着剤層3がダイシングによって個片化されたものである。第1の粘着剤層2a及び第2の粘着剤層3aは、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20をピックアップする際に基材層1上に残存し得る。ピックアップ工程では、必ずしも基材層1をエキスパンドすることは必要ないが、基材層1をエキスパンドすることによってピックアップ性をより向上させることができる。
ニードル32による突き上げ量は、適宜設定することができる。さらに、極薄ウェハに対しても充分なピックアップ性を確保する観点から、例えば、2段又は3段の突き上げを行ってもよい。また、吸引コレット34を用いる方法以外の方法でダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20をピックアップしてもよい。
<ダイボンディング工程>
ダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20をピックアップした後、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20を、熱圧着によって、ダイボンディングフィルム片5aを介して支持基板40に接着する(図3(f)参照)。支持基板40には、複数のダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20が接着されていてもよい。
半導体装置の製造方法は、必要に応じて、支持基板40上のダイボンディングフィルム片付き半導体チップ20におけるダイボンディングフィルム片5aを硬化する工程、半導体チップWaと支持基板40とをワイヤーボンドによって電気的に接続する工程、支持基板40の表面40A上に、樹脂封止材を用いて半導体チップWaを樹脂封止する工程等をさらに備えていてもよい。
図4は、半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図4に示される半導体装置100は、上記の工程を経ることによって製造することができる。半導体装置100は、支持基板40と、支持基板40上に配置された半導体チップWaと、支持基板40及び半導体チップWaの間に設けられたダイボンディングフィルム片の硬化物5acとを備える。半導体装置100は、半導体チップWaと支持基板40とがワイヤーボンド30によって電気的に接続されていてもよい。半導体装置100は、支持基板40の表面40A上に、樹脂封止材52を用いて半導体チップWaが樹脂封止されていてもよい。支持基板40の表面80Aと反対側の面に、外部基板(マザーボード)との電気的な接続用として、はんだボール54が形成されていてもよい。
以下に、本開示を実施例に基づいて具体的に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
[(メタ)アクリル系樹脂(A)の合成]
(製造例1:(メタ)アクリル系樹脂(A-1)の合成)
スリーワンモータ、撹拌翼、及び窒素導入管が備え付けられたフラスコに以下の成分を入れた。
・酢酸エチル(溶剤):635質量部
・2-エチルヘキシルアクリレート:425質量部
・2-ヒドロキシエチルメタクリレート:65質量部
・メタクリル酸:10質量部
重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを加え、充分に均一になるように内容物を撹拌した後、78℃まで昇温して重合させることにより(メタ)アクリル系樹脂(A-1)を含む溶液を得た。
上記(メタ)アクリル系樹脂(A-1)の理論ガラス転移温度は-38℃であった。また、東ソー株式会社製SD-8022/DP-8020/RI-8020を使用し、カラムには日立化成株式会社製Gelpack GL-A150-S/GL-A160-Sを用い、溶離液にテトラヒドロフランを用いてGPC測定を行った結果、(メタ)アクリル系樹脂(A-1)のポリスチレン換算の重量平均分子量は40万であった。
[(メタ)アクリル系樹脂(B)の合成]
(製造例2:(メタ)アクリル系樹脂(B-1)の合成)
スリーワンモータ、撹拌翼、及び窒素導入管が備え付けられたフラスコに以下の成分を入れた。
・酢酸エチル(溶剤):635質量部
・2-エチルヘキシルアクリレート:395質量部
・2-ヒドロキシエチルアクリレート:100質量部
・メタクリル酸:5質量部
重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを加え、充分に均一になるように内容物を撹拌した後、78℃まで昇温して重合させることにより(メタ)アクリル共重合体を含む溶液を得た。
次に酢酸エチルを加えて撹拌し、内容物を希釈した。これに、ウレタン化触媒として、ジオクチルスズジラウレートを添加した後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI(商品名))を105.3質量部加えて70℃で反応させることにより、連鎖重合可能な官能基を有する(メタ)アクリル系樹脂(B-1)を含む溶液を得た。
上記(メタ)アクリル共重合体の理論ガラス転移温度は-60℃であった。また、東ソー株式会社製SD-8022/DP-8020/RI-8020を使用し、カラムには日立化成株式会社製Gelpack GL-A150-S/GL-A160-Sを用い、溶離液にテトラヒドロフランを用いてGPC測定を行った結果、(メタ)アクリル共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は30万であった。
[ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの作製]
(実施例1)
<ダイシングフィルムの作製>
(1)第1の積層体の作製
以下の成分を混合することで、第1の粘着剤ワニスを調製した。有機溶剤としてのトルエン及びメチルエチルケトンの量は、ワニスの総固形分含有量が25質量%となるように調整した。
・(メタ)アクリル系樹脂(A)
(A-1)(メタ)アクリル系樹脂を含む溶液:100質量部(固形分)
・架橋剤(C)
(C-1)多官能イソシアネート(商品名:トロネートHDT、Vencorex社製、固形分:75質量%):5質量部(固形分)
・有機溶剤
トルエン(80質量%)及びメチルエチルケトン(20質量%)
支持フィルムとしての、一方の面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm)に、3m/分の速度で第1の粘着剤ワニスを塗布した後、80℃で揮発成分を除去した。揮発成分の除去には、3mの乾燥炉を備える塗工機を使用した。これにより、支持フィルム及び支持フィルム上に設けられた厚さ10μmの第1の粘着剤層を有する積層体を作製した。第1の粘着剤層は、感圧型の粘着剤層である。
基材層として、一方の面にコロナ処理が施されたポリオレフィンフィルム(幅:600mm、厚さ:90μm)を準備した。ポリオレフィンフィルムのコロナ処理が施された面と、上記積層体の第1の粘着剤層とを室温(25℃)にて貼り合わせて、基材層上に第1の粘着剤層を転写した。その後、14日間室温(25℃)にて熟成させ、基材層及び基材層上に設けられた第1の粘着剤層を有する第1の積層体を得た。第1の積層体は、第1の粘着剤層の基材層とは反対側の面に、支持フィルムを有している。
(2)コロナ処理
コロナ処理装置(KG0602W-65、春日電機株式会社製)を用いて、コロナ処理を行った。第1の積層体の支持フィルムを剥がして、第1の粘着剤層の表面にコロナ処理を施した。処理速度を25m/分、処理電圧を2kWとし、コロナ処理が施された直後の表面の濡れ張力が60mN/m以上となるように調整した。
(3)第2の積層体の作製及びダイシングフィルムの作製
以下の成分を混合することで、第2の粘着剤ワニスを調製した。有機溶剤としての酢酸エチルの量は、ワニスの総固形分含有量が25質量%となるように調整した。
・(メタ)アクリル系樹脂(B)
(B-1)(メタ)アクリル系樹脂(B-1)を含む溶液:100質量部(固形分)
・架橋剤(C)
(C-2)多官能イソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業株式会社製、固形分:75質量%):2.0質量部(固形分)
・光重合開始剤(D)
(D-1)1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Omnirad 184(「Omnirad」は登録商標)、IGM RESINS B.V.社製):2.0質量部
(D-2)フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(商品名:Omnirad 819(「Omnirad」は登録商標)、IGM RESINS B.V.社製):0.4質量部
・有機溶剤
酢酸エチル
第1の積層体の作製と同様にして、第2の粘着剤ワニスを、支持フィルムとしての離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工し、支持フィルム及び支持フィルム上に設けられた厚さ10μmの第2の粘着剤層を有する第2の積層体を得た。第2の粘着剤層は、紫外線硬化型の粘着剤層である。続いて、第1の積層体における第1の粘着剤層のコロナ処理が施された表面と第2の積層体における第2の粘着剤層とを貼り合わせた。その後、4日間室温(25℃)にて熟成させ、基材層、第1の粘着剤層、及び第2の粘着剤層をこの順に有するダイシングフィルムを得た。ダイシングフィルムは、第2の粘着剤層の第1の粘着剤層とは反対側の面に、支持フィルムを有している。
<ダイボンディングフィルムの作製>
以下の成分を混合することで、接着剤層形成用のワニスを調製した。まず、以下の成分を含む混合物に対して、シクロヘキサノン(溶剤)を加えて撹拌混合した後、さらにビーズミルを用いて90分混練した。
・エポキシ樹脂(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名:N-500P-10、DIC株式会社製、エポキシ当量:200、軟化点:85℃):11.0質量部
・エポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名:EXA-830CRP、DIC株式会社製、エポキシ当量:160、分子量:1800、軟化点:85℃):13.0質量部
・フェノール樹脂(商品名:ミレックスXLC-LL、三井化学株式会社製、水酸基当量:175、吸水率:1.8%、350℃における加熱重量減少率:4%):19.0質量部
・シランカップリング剤(γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、商品名:NUC A-189、株式会社ENEOS NUC製):0.1質量部
・シランカップリング剤(γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、商品名:NUC A-1160、株式会社ENEOS NUC製):0.2質量部
・フィラー(シリカ、商品名:SC2050-HLG、アドマテックス株式会社製、平均粒径:0.500μm):39質量部
上記で得られた混合物に以下の成分をさらに加えた後、撹拌混合及び真空脱気の工程を経て接着剤層形成用のワニスを得た。
・エポキシ基含有アクリル共重合体(商品名:HTR-860P-3、ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量:80万):18質量部
・硬化促進剤(1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、商品名:キュアゾール2PZ-CN(「キュアゾール」は登録商標)、四国化成工業株式会社製):0.1質量部
キャリアフィルムとして、一方の面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:35μm)を準備した。離型処理が施された面に、アプリケータを用いて接着剤層形成用のワニスを塗布した後、140℃で5分間加熱乾燥した。これにより、キャリアフィルム及びキャリアフィルム上に設けられた、厚さ50μmのBステージ状態のダイボンディングフィルムを有する積層体を得た。
<ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの作製>
ダイボンディングフィルムを有する積層体をキャリアフィルムごと直径335mmの円形にカットした。カットしたダイボンディングフィルムに、支持フィルムを剥離したダイシングフィルムの第2の粘着剤層を室温(25℃)で貼り付けた後、室温(25℃)で1日放置した。その後、直径370mmの円形にダイシングフィルムをカットした。このようにして、後述の評価試験に供するための複数の実施例1のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。
(実施例2)
<ダイシングフィルムの作製>の(1)第1の積層体の作製における架橋剤(C-1)の量を5質量部から10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。
(実施例3)
<ダイシングフィルムの作製>の(1)第1の積層体の作製における架橋剤(C-1)の量を5質量部から15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。
(比較例1)
<ダイシングフィルムの作製>の(2)コロナ処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得た。
[評価試験]
(1)ダイボンディングフィルムに対する紫外線照射前の粘着剤層の粘着力(UV前30°ピール強度)の測定
実施例1~3及び比較例1のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを用いて、ダイボンディングフィルムに対する紫外線照射前の粘着剤層の粘着力(ダイボンディングフィルムと紫外線照射前の第2の粘着剤層との間(界面)における粘着力)を、30°ピール強度を測定することによって評価した。測定試料は、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを幅25mm及び長さ180mmに切り出すことによって得た。引張試験機(共和界面科学株式会社製、「VPA-2」)を用いて、UV前30°ピール強度を測定した。測定条件は、剥離角度30°、引張速度600mm/分とした。なお、試料の保存及びピール強度の測定は、温度23℃、相対湿度60%の環境下で行った。結果を表1に示す。
(2)ダイボンディングフィルムに対する紫外線照射後の粘着剤層の粘着力(UV後30°ピール強度)の測定
実施例1~3及び比較例1のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを用いて、ダイボンディングフィルムに対する紫外線照射後の粘着剤層の粘着力(ダイボンディングフィルムと紫外線照射後の第2の粘着剤層との間(界面)における粘着力)を、30°ピール強度を測定することによって評価した。測定試料は、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを幅25mm及び長さ180mmに切り出し、これに対して、紫外線照射装置(株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション、コンベアUV照射装置CS60)を用いて、照度70mW/cm及び照射量150mJ/cmの紫外線(主波長:365nm)を照射することによって得た。引張試験機(共和界面科学株式会社製、「VPA-2」)を用いて、UV後30°ピール強度を測定した。測定条件は、剥離角度30°、引張速度600mm/分とした。なお、試料の保存及びピール強度の測定は、温度23℃、相対湿度60%の環境下で行った。結果を表1に示す。
(3)ピックアップ評価
12インチの半導体ウェハ及びダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを準備した。12インチの半導体ウェハに対して、7mm×5mmの矩形状にステルスダイシングを行うことで、半導体ウェハに分離予定ラインを形成した。その後、半導体ウェハの厚さを調整するために、バックグラインディング処理を行い、半導体ウェハの厚さを30μmに調整した。ウェハラミネート工程では、上記で作製したそれぞれのダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの接着剤層に対してウェハを70℃で貼り付けた。その後、個片化工程では、冷却エキスパンド及びそれに続くヒートシュリンクをダイセパレータ(株式会社ディスコ製、型番DDS-2300)を用いて、以下の条件で行った。続いて、当該ダイセパレータ内の洗浄機構によって、以下の条件で洗浄及び乾燥を行った。
(冷却エキスパンド条件)
冷却温度:-15℃、冷却時間:80秒、エキスパンド量:11mm、エキスパンド速度:300mm/s
(ヒートシュリンク条件)
ヒータ温度:220℃、ヒータ回転速度:7°/秒
(洗浄条件)
洗浄時間:120秒、回転数:600回転/分
(乾燥条件)
乾燥時間:60秒、回転数:1500回転/分
紫外線照射工程では、照度70mW/cm及び照射量150mJ/cmの紫外線(主波長:365nm)を照射した。ピックアップ工程では、以下の条件で20個のダイボンディングフィルム片付き半導体チップをピックアップした。
(ピックアップ条件)
・ダイボンダ装置:DB800-HSD(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
・突上げピン:EJECTOR NEEDLE SEN2-83-05(直径:0.7mm、先端形状:半径350μmの半球、マイクロメカニクス社製)
・突き上げ高さ:200μm
・突き上げ速度:1mm/分
ピックアップ評価後のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを観察し、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間(界面)の剥離の発生の有無を確認した。結果を表1に示す。なお、比較例1のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムにおいては、ダイボンディングフィルムに対する紫外線照射前の粘着剤層の粘着力の測定において、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間の剥離の発生が観察されたことから、ピックアップ評価を行わなかった。
Figure 2023101285000002
表1に示すように、第1の粘着剤層にコロナ処理を施した実施例1~3のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、ダイボンディングフィルムに対する紫外線照射前の粘着剤層の粘着力(UV前30°ピール強度)の測定において、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間の剥離の発生が観察されず、ピックアップ評価においても第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間の剥離の発生が観察されなかった。一方、第1の粘着剤層にコロナ処理を施さなかった比較例1のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、ダイボンディングフィルムに対する紫外線照射前の粘着剤層の粘着力(UV前30°ピール強度)の測定において、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間の剥離の発生が観察された。これらの結果から、本開示のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間の密着力が向上し、ピックアップ工程における不具合の発生を抑制することが可能であることが確認された。
1…基材層、2…第1の粘着剤層、3…第2の粘着剤層、4…ダイシングフィルム、5…ダイボンディングフィルム、5a…ダイボンディングフィルム片、6…第1の積層体、7…支持フィルム、8…第2の積層体、10…ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム、20…ダイボンディングフィルム片付き半導体チップ、40…支持基板、100…半導体装置、W…半導体ウェハ、Wa…半導体チップ。

Claims (5)

  1. 基材層、第1の粘着剤層、及び第2の粘着剤層をこの順に有するダイシングフィルムと、
    前記ダイシングフィルムの前記第2の粘着剤層上に配置されたダイボンディングフィルムと、
    を備え、
    前記第1の粘着剤層の前記第2の粘着剤層側の表面、及び、前記第2の粘着剤層の前記第1の粘着剤層側の表面のうち、少なくとも一方の表面にコロナ処理が施されている、
    ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム。
  2. 前記第1の粘着剤層の前記第2の粘着剤層側の表面にコロナ処理が施されている、
    請求項1に記載のダイシング・ダイボンディング一体型フィルム。
  3. 前記第2の粘着剤層が、紫外線硬化型の粘着剤層である、
    請求項1又は2に記載のダイシング・ダイボンディング一体型フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法であって、
    前記基材層及び前記基材層上に設けられた前記第1の粘着剤層を有する第1の積層体、並びに、支持フィルム及び前記支持フィルム上に設けられた前記第2の粘着剤層を有する第2の積層体を準備する工程と、
    前記第1の積層体における前記第1の粘着剤層の前記基材層とは反対側の表面、及び、前記第2の積層体における前記第2の粘着剤層の前記支持フィルムとは反対側の表面のうち、少なくとも一方の表面に対して、コロナ処理を施す工程と、
    前記第1の積層体の前記第1の粘着剤層と前記第2の積層体の前記第2の粘着剤層とを貼り合わせることによって、ダイシングフィルムを得る工程と、
    得られた前記ダイシングフィルムの前記第2の粘着剤層上に、前記ダイボンディングフィルムを配置することによって、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを得る工程と、
    を備える、
    ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造方法。
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの前記ダイボンディングフィルムを半導体ウェハに貼り付ける工程と、
    前記半導体ウェハ及び前記ダイボンディングフィルムを個片化する工程と、
    前記ダイシングフィルムの前記第2の粘着剤層から、ダイボンディングフィルム片付き半導体チップをピックアップする工程と、
    前記ダイボンディングフィルム片を介して、前記ダイボンディングフィルム片付き半導体チップを支持基板に接着する工程と、
    を備える、
    半導体装置の製造方法。
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