JP7287039B2 - ロータシャフトと動力伝達シャフトの連結方法 - Google Patents

ロータシャフトと動力伝達シャフトの連結方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハウジング内にロータ及びステータを備え、ロータシャフトが動力伝達装置の動力伝達シャフトに連結される回転電機に関する。
一対の回転軸を連結する場合には、両回転軸を高精度で位置決めする必要がある。特許文献1には、一対の回転軸の端部にスプライン軸を設け、これらスプライン軸を嵌合することにより一対の回転軸を連結する方法が開示されている。上記文献では、一対のスプライン軸の軸芯のズレを嵌合可能な範囲に収めるために、芯出しピンを用いている。
国際公開第2011/155601号
しかし、上記文献では、連結する一対の回転軸とは別体の軸連結補助装置にエアシリンダにより稼働する芯出しピンを装着し、芯出しピンの動きを制御することによって芯出しを行なっている。したがって、上記文献の連結方法を回転電機と動力伝達装置との連結に適用すると、定期点検や消耗部品の交換等のために回転電機と動力伝達装置とを切り離し、再度連結することができるのは、軸連結補助装置を備え、かつ芯出しピンの制御を行なえる工場等に限られてしまう。
また、上記の芯出しピンを回転電機または動力伝達装置の一方のハウジングに固定し、他方のハウジングにピン穴を設ければ構成そのものは簡単になる。しかし、量産性及びコストに見合う加工精度で高い同軸精度を実現するためには、ピン径と穴径とのクリアランスが最終的にゼロになる締まり嵌めまたは中間嵌めを採用する必要がある。このため、連結作業時に芯出しピンがピン穴に嵌り難いという問題があった。
そこで本発明では、動力伝達装置と高精度かつ容易に連結することができる回転電機を提供することを目的とする。
本発明のある態様によるロータシャフトと動力伝達シャフトの連結方法は、ハウジング内にロータ及びステータを備え、ロータのロータシャフトの一方の端部には、インロー部とスプライン部とを備え動力伝達装置の動力伝達シャフトの一方の端部と連結される嵌合部を有する回転電機の前記ロータシャフトと前記動力伝達シャフトの連結方法であるそして、ロータシャフトを、ボールベアリングを介してハウジングに支持し、ロータシャフトを動力伝達装置に連結させる作業時に、ハウジングの、ロータシャフトの他方の端部の端面と相対する位置に設けられ、内周にネジ山が設けられた貫通孔にボルトを挿通させ、ボルトがロータシャフトの他方の端部の端面と接触したら、さらにボルトをねじ込むことにより、ロータシャフトに一方の端部方向の力を付勢することを特徴とする。
上記態様によれば、貫通孔にボルトを挿通させてロータシャフトに一方の端部方向の力を付勢することでロータシャフトの回転軸の位置を固定できる。これにより、動力伝達装置と高精度かつ容易に連結することができる。
図1は、第1実施形態にかかる回転電機の断面図である。 図2は、第1実施形態におけるボールベアリングのガタ詰めを説明するための図である。 図3は、第1実施形態にかかる回転電機の動力伝達装置との連結作業中の状態を示す断面図である。 図4は、第1実施形態にかかる回転電機と動力伝達装置との連結作業が完了した状態を示す断面図である。 図5は、回転電機と動力伝達装置の連結構造の第1従来例を示す図である。 図6は、回転電機と動力伝達装置の連結構造の第2従来例を示す図である。 図7は、回転電機と動力伝達装置の連結構造の第3従来例を示す図である。 図8は、回転電機と動力伝達装置の連結構造の第4従来例を示す図である。 図9は、ボールベアリングの固定方法の第1従来例を示す図である。 図10は、ボールベアリングの固定方法の第2従来例を示す図である。 図11は、ボールベアリングの固定方法の第3従来例を示す図である。 図12は、ボールベアリングの固定方法の第4従来例を示す図である。 図13は、第2実施形態にかかる回転電機の断面図である。 図14は、第2実施形態におけるボールベアリングのガタ詰めを説明するための図である。 図15は、第3実施形態にかかる回転電機のガタ詰めした状態を示す断面図である。 図16は、第3実施形態にかかる回転電機の、連結作業終了後の状態を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる回転電機100の概略を示す断面図である。
回転電機100は、例えば電気自動車の駆動源として用いられ、後述する動力伝達装置としての変速機101とともに、電気自動車用の駆動装置を構成する。なお、本実施形態では回転電機100を電気自動車の駆動源として説明するが、電気自動車以外の機器、例えば産業機械の駆動装置として用いてもよい。
回転電機100は、車両に搭載されたバッテリ等の電源から電力の供給を受けて回転し、車両の車輪を駆動する電動機として機能する。また、回転電機100は外力により駆動されて発電する発電機としても機能する。つまり、回転電機100は電動機及び発電機として機能する。
回転電機100は、ロータ3と、ロータ3を取り囲むように配置されるステータ2と、ロータ3及びステータ2を収容するハウジング1と、を備える。
ハウジング1は、ステータ2が固定される筒状部材1Aと、筒状部材1Aの後述する変速機101との連結部側の開口部を塞ぐフロントカバー1Bと、連結部とは反対側(以下、非連結部側ともいう)の開口部を塞ぐリヤカバー1Cとを備える。リヤカバー1Cには、後述するロータシャフト3Bの回転角を検出するレゾルバ7が配置されており、レゾルバ7の配置部には、センサカバー1Dが取り付けられている。上記の筒状部材1A、フロントカバー1B、リヤカバー1C及びセンサカバー1Dをまとめてハウジング1と称する。
ステータ2は、電磁鋼板を複数枚積層して形成された円筒状部材であって、ステータ2のティースにはU相、V相及びW相のコイルが巻き回されている。ステータ2は、その外周面がハウジング1の筒状部材1Aの内周面に接触した状態でハウジング1に固定されている。
ロータ3は、円筒状のロータコア3Aと、ロータコア3Aの挿入孔に固定されるロータシャフト3Bとを備える。ロータ3は、円環状のステータ2の内側に、当該ステータ2に対して回転可能に配置されている。ロータシャフト3Bは、ロータコア3Aの両端面から軸方向外側に突出する軸部材として構成され、フロントカバー1Bに設けたフロントボールベアリング5と、リヤカバー1Cに設けたリヤボールベアリング6とにより回転自在に支持されている。ロータシャフト3Bの連結部側の端部は、フロントカバー1Bより外側に突出しており、当該端部には後述する変速機101の動力伝達シャフト20の端部とともに嵌合部4を形成する、段付き部4Aとスプライン部4Bとが設けられている。
フロントボールベアリング5は、内輪5Bが締まり嵌めによりロータシャフト3Bに固定され、外輪5Aが隙間嵌めによりフロントカバー1Bに固定されている。フロントボールベアリング5は、フロントカバー1Bに対して軸方向の隙間なく固定されている。また、フロントカバー1Bには、外輪5Aの軸方向の動きを制限するリテーナ8が設けられている。
リヤボールベアリング6は、内輪6Bが締まり嵌めによりロータシャフト3Bに固定され、外輪6Aが隙間嵌めによりリヤカバー1Cに固定されている。また、リヤボールベアリング6はリヤカバー1Cに対して軸方向の隙間を持って固定されており、この隙間にはリヤボールベアリング6に対して連結部側方向に与圧をかけるウェーブワッシャ9が配置されている。なお、ウェーブワッシャ9に代えて皿バネを用いてもよい。
センサカバー1Dは、ロータシャフト3Bの非連結部側の端面と相対する位置に貫通孔11を備えている。貫通孔11の内周面にはネジ山が切られている。後述する変速機101との連結作業時には、この貫通孔11にボルト10が挿入される。
次に、回転電機100と変速機101との連結作業(以下、単に「連結作業」ともいう)について、図2から図4を参照して説明する。本実施形態における連結作業では、回転電機100と変速機101とを相対的に水平方向に移動させる。
図2は、連結作業時のフロントボールベアリング5の状態を示す図である。図3は、回転電機100と変速機101とを連結した直後の状態を示す図である。図4は、連結作業が終了した状態を示す図である。
変速機101は、回転電機100で発生した動力を図示しない駆動輪に伝達する減速機または減速機である。動力伝達シャフト20は、変速機101のハウジング24に、ボールベアリング22を介して回転自在に支持されている。また、動力伝達シャフト20の連結部側の端部には、シャフト穴21が設けられている。シャフト穴21には、ロータシャフト3Bの段付き部4Aとインロー嵌合する段付き部と、同じくスプライン部4Bとスプライン嵌合するスプライン部とが設けられている。
連結作業の際には、まず、ボルト10を貫通孔11に挿入する。そして、ボルト10の先端面がロータシャフト3Bの非連結部側端部の端面と接したら、さらにボルト10をねじ込む。フロントボールベアリング5の外輪5Aはフロントカバー1Bとリテーナ8とにより動きが規制されているので、ボルト10をねじ込むことでボール5Cと内輪5Bとが連結部方向に移動する。これにより、図2の右図に示す通り、フロントボールベアリング5の軸方向のガタが詰められる(以下、この作業を「ガタ詰め」ともいう)。この際、フロントボールベアリング5を痛めないように、ボルト10の軸力は、フロントボールベアリング5の軸方向の基本静定格荷重以下になるよう設定する。なお、ガタ詰めのための力は連結部方向に作用しているので、連結作業時にロータシャフト3Bと動力伝達シャフト20とが衝突したとしても、衝突により発生する荷重はガタ詰めのための力と反対方向に作用することとなる。つまり、衝突により発生する荷重はガタ詰めのための力によって相殺される分だけ軽減されるので、衝突によるボールベアリング5、6の劣化を抑制できる。
フロントボールベアリング5のガタ詰めが終了したら、図3に示す通り変速機101と連結する。上述したガタ詰めを行なうことで、ロータシャフト3Bの位置が固定され、次に説明する軸位置決めを精度良く行うことができる。
回転電機100と変速機101との軸位置決めには、ロータシャフト3Bと動力伝達シャフト20との嵌め合い構造を用いる。すなわち、ロータシャフト3Bの段付き部4Aが動力伝達シャフト20に設けたシャフト穴21とインロー嵌合することで軸位置決めがなされ、ロータシャフト3Bのスプライン部4Bがシャフト穴21に設けたスプラインとスプライン嵌合することで動力伝達を可能にする。なお、スプライン部4Bとシャフト穴21に設けたスプラインとの大径合わせにより軸位置決めを行なってもよい。
ロータシャフト3Bと動力伝達シャフト20とを連結したら、図4に示す通り、回転電機100のフロントカバー1Bと変速機101のハウジング24とをボルト23等を用いて締結する。ボルト23等による締結が済んだら、ボルト10を貫通孔11から抜く。そして、図4に示す通り、貫通孔11には水や塵等の浸入を防止するための栓30を取り付ける。以上で連結作業が完了する。
なお、本実施形態におけるロータシャフト3Bと動力伝達シャフト20との嵌合部は、ロータシャフト3Bがオス型、動力伝達シャフト20がメス型となっているが、これと反対であっても構わない。
次に、回転電機100と変速機101との連結に上述した構造を採用した理由について、図5から図8を参照して説明する。図5から図8は、いずれも回転電機100と変速機101との連結構造として従来から知られているものである。なお、図5から図8において本実施形態と同様の部材には本実施形態と同様の部品番号を付しているが、図5から図8の構成は本発明の範囲には含まれない。
自動車用の回転電機100と変速機101との連結構造において、ロータシャフト3B及び動力伝達シャフト20の両軸の連結には、スプライン締結が用いられることが多い。これは、スプライン締結は両軸のズレを吸収する機能があること、及びキー構造にするよりも低コストなため量産に適する、という理由による。
しかしながら、両軸のズレが大きくて、オススプラインとメススプラインとの隙間がゼロ以下になると、うなり音の発生やスプラインが過度に摩耗するといった問題が生じる。そのため、両軸を精度良く位置決めする必要があり、多くの場合、図5に示すような位置決めピン51を用いた位置決めが採用されている。
図5では、変速機101のハウジング24に位置決めピン51を設け、回転電機100のフロントカバー1Bにおける位置決めピン51と相対する位置にピン穴50を設けている。このような構成の場合、量産コストを抑えた加工精度と、両軸の高い同軸精度とを両立するためには、締まり嵌めまたは中間嵌めにより位置決めピン51のピン径とピン穴50の穴径の最終的なクリアランスをゼロにする必要がある。しかし、これでは連結作業時に位置決めピン51とピン穴50との位置決めに高い精度が要求されることとなり、ピン穴50に位置決めピン51がなかなか嵌らないという事態を招くおそれがある。
このような事態を避けるために、位置決めピン51としてテーパーピンを用いることが考えられる。しかし、テーパーピンを採用すると、部品代や加工コストが高くなるという問題がある。また、テーパーピンを採用しても、連結作業時におけるピン穴50の位置決めに高い精度が要求される問題は解消しない。
位置決めピン51を用いない構成としては、図6に示す通り、回転電機100と変速機101の両ハウジングの嵌め合い(図中の円61で囲まれた部分)で位置決めするものが考えられる。しかし、この場合、嵌め合い径は位置決めピン51のピン径よりも大きくなるので、位置決めピン51に比べて径寸法及び真円度等の加工精度を確保することが難しくなる。
位置決めピン51を用いない他の構成としては、図7に示す通りロータシャフト3Bと動力伝達シャフト20の嵌め合い(図中の円71で囲まれた部分)により位置決めするものが考えられる。この場合、回転電機100と変速機101を水平状態にして連結作業を行なうと、ロータシャフト3B及びフロントボールベアリング5の自重により回転電機100のフロントボールベアリング5の各内部隙間が片側に寄った状態で両シャフト3B、20が連結されることになる。つまり、フロントボールベアリング5に負荷が掛かった状態で連結されてしまう。また、回転電機100と変速機101を垂直に立てて連結作業を行なえば上記の内部隙間の偏りは生じないが、作業姿勢及び作業環境が著しく制限されてしまう。なお、スプライン部の大径合わせで位置決めする場合も上記と同様である。
位置決めピン51を用いないさらに他の構成としては、図8に示す通りロータシャフト3Bと動力伝達シャフト20とをスプラインの歯面合わせ(図中の円81で囲まれた部分)により位置決めする構成も考えられる。この場合も、回転電機100と変速機101を水平状態にして連結作業を行なうと、図7の構成の場合と同様にフロントボールベアリング5に負荷が掛かった状態で連結されてしまうという問題が生じる。また、ロータシャフト3Bと動力伝達シャフト20との隙間にも偏りが生じたまま連結されてしまう。つまり、スプライン部4B及びフロントボールベアリング5の両方に負荷が掛かった状態で連結されてしまう。回転電機100と変速機101を垂直に立てて連結作業を行なえば、フロントボールベアリング5の負荷については解消できるが、連結するシャフトにトルクが掛かっていない状態ではスプラインの調心作用が働かないので、精度良く位置決めすることが難しい。もちろん、図7の構成と同様に、作業姿勢及び作業環境が著しく制限されてしまうという問題もある。
上記の通り、従来から知られている連結構造には、それぞれ問題点がある。しかし、本実施形態によれば、位置決めピンを用いる場合やハウジングどうしの嵌め合いの場合のようにコストアップや高い加工精度が要求されることはない。
また、本実施形態では、連結作業時にボルト10によりロータシャフト3Bに連結部方向の力を付勢することでフロントボールベアリング5のガタ詰めを行ない、ロータシャフト3Bの回転軸の位置を固定した状態にする。そして、回転軸の位置が固定されたロータシャフト3Bの段付き部4A及びスプライン部4Bを用いて位置決めを行ない、連結後にボルト10を抜いてガタ詰めを解消する。したがって、図7、図8に示す通りガタ詰めを行わずにシャフトどうしを嵌め合いする場合やスプライン嵌合する場合のように、連結作業が終了した後に両ボールベアリング5、20や両シャフト3B、20に荷重が掛かった状態のままになることはない。
次に、フロントボールベアリング5及びリヤボールベアリング6の固定構造を上記の通りにした理由について、図1、及び図9から図12を参照して説明する。図9から図12は、いずれもボールベアリングの固定構造として従来から知られているものである。なお、図9から図12において本実施形態と同様の部材には本実施形態と同様の部品番号を付しているが、図9から図12の構成は本発明の範囲には含まれない。
ロータ3の連結部側及び非連結部側にそれぞれボールベアリング5、6を備える回転電機100では、ステータ2とロータ3の軸方向寸法の精度と、それぞれの材質の違いによって生じる膨張・収縮の差を吸収する必要がある。このため、図9に示す通り、ボールベアリング5、6の取り付け部において軸方向に隙間(図9の円91、92で囲まれた部分)を設けるとともに、各ボールベアリング5、6の外輪5Aまたは内輪5Bの少なくとも一方を隙間嵌めとして、各ボールベアリング5、6に過剰な荷重がかからないようにするのが一般的である。なお、一般的には、外輪5Aを隙間嵌めにすることが多い。
しかし、この状態ではロータ3は軸方向位置が固定されず、隙間の分だけ軸方向に自由に動くことができる。このため、ステータ2及びロータ3の軸方向における位置関係が不安定となり、モータ性能のバラツキが生じてしまう。また、レゾルバ7とロータ3との軸方向における位置関係が不安定となり、モータ性能のバラツキの増大及び動作の不安定化を招くこととなる。さらに、音振性能の低下やボールベアリング5、6の耐久性の低下も招くこととなる。
これらの対策として、図1に示す通り、ボールベアリング5、6の一方(ここではリヤボールベアリング6)は隙間を設けて固定し、他方(ここではフロントボールベアリング5)は隙間を設けず、リテーナ8を用いて外輪5Aの軸方向位置を固定する構成が考えられる。この構成において、リヤボールベアリング6については、ベアリング内部の隙間によるガタつきに起因する音振性能の低下や、リヤボールベアリング6の耐久性向上のため、ウェーブワッシャ9(または皿バネ等)により与圧を常時かける。
また、他の対策として、図10に示す通り、フロントボールベアリング5は隙間を設けて固定し、リヤボールベアリング6は隙間を設けずにリテーナ8を用いて外輪5Aの軸方向位置を固定する構成も考えられる。
しかし、図10の構成では、フロントボールベアリング5がフロントカバー1Bに対して軸方向に自由に動けるため、ボルト10によりロータシャフト3Bに連結部方向の力を付勢しても、フロントボールベアリング5のガタ詰めをすることができない。
そこで本実施形態では、ボルト10によるフロントボールベアリング5のガタ詰めが可能な図1の構成を採用することとした。
なお、ロータ3の軸方向位置を固定し、かつボールベアリングに与圧をかける構成として、図11および図12に示す通り、ボールベアリング5、6とハウジング1との間の軸方向の隙間にシム110、111、121、122を配置する構成がある。この構成は、回転電機100を定置装置として用いる場合に多く用いられる構成であるが、回転電機100を自動車の駆動源として用いる場合には適切な構成とはいえない。なぜならば、自動車に搭載する場合には、回転電機100が使用される温度範囲が定置装置の場合に比べて非常に広いので、温度差による軸方向寸法の膨張・収縮を吸収しきれず、耐久性が低下を招くからである。
以上の通り本実施形態では、回転電機100はハウジング1内にロータ3及びステータ2を備え、ロータ3のロータシャフト3Bの一方の端部には変速機(動力伝達装置)101の動力伝達シャフト20の一方の端部と連結される嵌合部4を有する。ロータシャフト3Bは、ボールベアリング5、6を介してハウジング1に支持され、嵌合部4は段付き部(インロー部)4Aとスプライン部4Bとを備える。そして、ハウジング1は、ロータシャフト3Bの他方の端部の端面と相対する位置に、変速機101と連結させる作業時にロータシャフト3Bの他方の端部の端面と接触してロータシャフト3Bに一方の端部方向の力を付勢するボルト10を挿通させる孔であって、内周にネジ山が設けられた貫通孔11を備える。これにより、貫通孔11に挿通させるボルト10を用いてフロントボールベアリング5のガタ詰めを行ってロータシャフト3Bの回転軸の位置を固定できる。その結果、回転電機100と変速機101とを高精度かつ容易に連結することができる。連結作業が高精度かつ容易になるということは、点検や部品交換等のための分解・再連結の作業が容易になるというである。従来は位置決め精度を確保するために大がかりな設備が必要であったため、ディーラーや整備工場等では分解・再連結の作業を行なえなかったが、本実施形態の回転電機100であれば、これらの場所でも分解・再連結の作業を行なうことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図13及び図14を参照して説明する。
図13は、本実施形態にかかる回転電機100の、リヤカバー1Cの周辺の拡大図である。本実施形態の回転電機100は、基本的には図1に示した回転電機100と同様であるが、ロータシャフト3Bの非連結部側の端部の構成が異なる。以下、この相違点を中心に説明する。
第1実施形態の回転電機100は、ボルト10によりロータシャフト3Bに対し連結部方向の力を付勢することでフロントボールベアリング5のガタ詰めを行なう構成となっている。これに対し本実施形態の回転電機100は、ボルト10によりロータシャフト3Bに対し非連結部方向の力を付勢することでフロントボールベアリング5のガタ詰めを行なう構成となっている。
具体的には、ロータシャフト3Bが非連結部側の端部にシャフト穴としてのボルト穴130を備える。ボルト穴130にはボルト10のネジ山と噛みあるネジ山が切られている。このボルト穴130は、貫通孔11にボルト10を頭部がセンサカバー1Dに接触するまで挿入しても、ボルト10のネジ部の先端がボルト穴130の底部(つまり連結部側の端部)に届かない深さを有する。センサカバー1Dの貫通孔11はボルト穴130よりも大径であり、内周にネジ山は切られていない。
連結作業の際には、貫通孔11にボルト10を挿入し、ロータシャフト3Bのボルト穴130にボルト10をねじ込む。そして、ボルト10の頭部がセンサカバー1Dに接触した状態から、さらにボルト10をねじ込むと、ボルト10はセンサカバー1Dにより動きが制限されるので、ロータシャフト3Bが非連結部方向に移動する。つまり、本実施形態では、ボルト10によりロータシャフト3Bに非連結部方向の力を付勢することとなる。このとき、付勢する力をフロントボールベアリング5の軸方向の基本静定格荷重以下になるよう設定するのは第1実施形態と同様である。
フロントボールベアリング5は上述した通り軸方向の移動が制限されているので、ロータシャフト3Bが非連結部方向に移動することで、内輪5Bとボール5Cが非連結部方向に移動することとなる。これにより、図14に示す通りガタ詰めされた状態となる。
この状態で回転電機100を変速機101とボルト23等により連結したら、それ以降の作業は第1実施形態と同様である。
上記の通り、本実施形態の回転電機100はフロントボールベアリング5のガタ詰めのメカニズムが第1実施形態とは異なるが、得られる効果は同じである。
すなわち、本実施形態では、回転電機100はハウジング1内にロータ3及びステータ2を備え、ロータ3のロータシャフト3Bの一方の端部には変速機(動力伝達装置)101の動力伝達シャフト20の一方の端部と連結される嵌合部4を有する。ロータシャフト3Bは、ボールベアリング5、6を介してハウジング1に支持され、かつ、他方の端部にネジ穴であるボルト穴(シャフト穴)130を備える。嵌合部4は段付き部(インロー部)4Aとスプライン部4Bとを備える。ハウジング1は、ロータシャフト3Bの他方の端部の端面と相対する位置に、ボルト穴130より大径であって、変速機101と連結させる作業時にボルト穴130に挿入されてロータシャフト3Bに他方の端部方向の力を付勢するボルト10を挿通させる貫通孔11を備える。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
第3実施形態について図15、図16を参照して説明する。
図15は、本実施形態にかかる回転電機100の、連結作業時におけるリヤカバー1Cの周辺の拡大図である。本実施形態の回転電機100は、基本的には図1に示した回転電機100と同様であるが、ロータシャフト3Bに力を付勢するボルト151が第1実施形態のボルト10と異なる。以下、この相違点を中心に説明する。
第1実施形態のボルト10は、連結作業時にのみ使用するものであり、回転電機100とお変速機101とをボルト23等により締結したら、貫通孔11から抜きさられ、貫通孔11には栓30が取り付けられる。
これに対し本実施形態のボルト151は、貫通孔11に常時挿入されており、連結作業時にはボルト10と同様にロータシャフト3Bに連結部方向の力を付勢する機能を果たし、連結作業終了後には貫通孔11を塞ぐ栓としての機能を果たす。以下、具体的に説明する。
ボルト151は、外周に貫通孔11のネジ山と噛み合うネジ山を有し、かつ、連結部側の端部には貫通孔11よりも大径なプレート部151Bを有する。また、ボルト151は、非連結部側の端部に六角レンチを挿入するための六角穴151Aを備える。
連結作業の際には、六角穴151Aに六角レンチを挿入し、ボルト151をねじ込む。プレート部151Bがロータシャフト3Bに接触したら、そこからさらにボルト151をねじ込む。これにより、ボルト151がロータシャフト3Bに連結部方向の力を付与することとなり、フロントボールベアリング5のガタ詰めが行われる。
フロントボールベアリング5がガタ詰めされた状態になったら、第1実施形態と同様に回転電機100と変速機101とを連結する。回転電機100と変速機101とがボルト23等により連結されたら、ボルト151を緩めるのも第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、プレート部151Bがセンサカバー1Dに接触して軸力を発生するまでボルト151を回転させてから六角レンチを取り外す。これにより、ボルト151は貫通孔11を塞いだ状態で固定される。
なお、本実施形態ではボルト151を六角レンチで回す場合について説明するが、六角レンチ以外の工具、例えば星型レンチ等を用いてもよい。その場合、ボルト151に設ける穴151Aの形状は使用する工具の形状に合わせる。
以上の通り本実施形態では、フロントボールベアリング5のガタ詰めに使用するボルト151が、連結作業終了後に貫通孔11を塞ぐ栓としての機能も果たす。これにより、第1実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、部品点数の削減、作業時間の短縮を図ることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 ハウジング
2 ステータ
3 ロータ
4 嵌合部
5 フロントボールベアリング
6 リヤボールベアリング
7 レゾルバ
8 リテーナ
9 ウェーブワッシャ
10 ボルト
30 栓
100 回転電機
101 動力伝達装置
151 ボルト

Claims (2)

  1. ハウジング内にロータ及びステータを備え、前記ロータのロータシャフトの一方の端部には、インロー部とスプライン部とを備え動力伝達装置の動力伝達シャフトの一方の端部と連結される嵌合部を有する回転電機の前記ロータシャフトと前記動力伝達シャフトの連結方法において、
    前記ロータシャフトを、ボールベアリングを介して前記ハウジングに支持し、
    前記ロータシャフトを前記動力伝達装置に連結させる作業時に、
    前記ハウジングの、前記ロータシャフトの他方の端部の端面と相対する位置に設けられ、内周にネジ山が設けられた貫通孔にボルトを挿通させ、
    前記ボルトが前記ロータシャフトの他方の端部の端面と接触したら、さらに前記ボルトをねじ込むことにより、前記ロータシャフトに前記一方の端部方向の力を付勢することを特徴とする、ロータシャフトと動力伝達シャフトの連結方法。
  2. ハウジング内にロータ及びステータを備え、前記ロータのロータシャフトの一方の端部には、インロー部とスプライン部とを備え動力伝達装置の動力伝達シャフトの一方の端部と連結される嵌合部を有する回転電機の前記ロータシャフトと前記動力伝達シャフトの連結方法において、
    前記ロータシャフト、ボールベアリングを介して前記ハウジングに支持し、
    前記ロータシャフトを前記動力伝達装置に連結させる作業時に、
    前記ロータシャフトの他方の端部に設けられたネジ穴であるシャフト穴に挿入されるボルトを、前記ハウジングの、前記ロータシャフトの他方の端部の端面と相対する位置に設けられ、前記シャフト穴より大径の貫通孔から挿入し、
    前記ボルトの頭部が前記貫通孔の周囲の面と接触したら、さらに前記ボルトをねじ込むことにより、前記ロータシャフトに前記他方の端部方向の力を付勢することを特徴とする、ロータシャフトと動力伝達シャフトの連結方法。
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