JP7286940B2 - 動弁機構 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのデコンプレッション動作を行うデコンプ装置が設けられた動弁機構に関する。
例えば鞍乗型車両等に搭載されるエンジンのシリンダヘッド内には、吸気バルブおよび排気バルブの開閉を制御する動弁機構が設けられている。動弁機構はカムシャフトを備え、カムシャフトには、吸気バルブの開閉を制御する吸気側カム、排気バルブの開閉を制御する排気側カム、およびクランクシャフトの動力をカムシャフトに伝達するチェーンまたはベルトを掛けるカムスプロケット等が設けられている。
また、いわゆるロッカーアーム式の動弁機構には、さらに、吸気側カムの動力を受けて吸気バルブを押し、吸気バルブを開ける吸気側ロッカーアーム、および排気側カムの動力を受けて排気バルブを押し、排気バルブを開ける排気側ロッカーアームが設けられている。シリンダヘッド内において、吸気側ロッカーアームは、カムシャフトの上方に設けられた吸気側ロッカーシャフトに揺動可能に支持され、吸気側ロッカーアームの一端側はローラ等を介して吸気側カムに接触するようになっており、吸気側ロッカーアームの他端側は吸気バルブのステムエンドに設けられたシム等に接触するようになっている。同様に、排気側ロッカーアームは、カムシャフトの上方に設けられた排気側ロッカーシャフトに揺動可能に支持され、排気側ロッカーアームの一端側はローラ等を介して排気側カムに接触するようになっており、排気側ロッカーアームの他端側は排気バルブのステムエンドに設けられたシム等に接触するようになっている。
ロッカーアーム式の動弁機構の中には、主に、吸気バルブおよび排気バルブのそれぞれのステムエンドに設けられた、バルブクリアランス調整用のシムの交換を行い易くするために、吸気側および排気側のそれぞれのロッカーアームをそれぞれのロッカーシャフトの軸方向にスライド移動させることができる構造を有しているものがある。以下、この構造を「ロッカーアームスライド構造」という。
一方、動弁機構の中には、カムシャフトの外周側にデコンプ装置が設けられているものがある。デコンプ装置は、エンジン始動時の圧縮行程において排気バルブを僅かに開け、シリンダ内の圧力を減少させることによりエンジンの始動性を向上させるデコンプレッション動作を行う装置である。デコンプ装置は、排気側カムとカムスプロケットとの間において、排気側カムと隣接する位置に配置されていることが多い。下記の特許文献1には、デコンプ装置が設けられたロッカーアーム式の動弁機構が記載されている。
特開平6-280531号公報
ところで、デコンプ装置を有するロッカーアーム式の動弁機構においては、上述したロッカーアームスライド構造を設けることができない場合があるという問題がある。
すなわち、単気筒のエンジンにロッカーアームスライド構造を適用する場合、カムシャフトにおいて排気側カムとカムスプロケットとの間の部分の上方の空間に、ロッカーアームをスライド移動させる構造をとることが多い。しかしながら、デコンプ装置を有するロッカーアーム式の動弁機構の多くは、デコンプ装置が、排気側カムとカムスプロケットとの間において、排気側カムと隣接する位置に配置されている。また、上記特許文献1に記載されているように、多くのデコンプ装置の外径は、その全周に亘って、排気側カムのベース円の直径よりも大きい。したがって、デコンプ装置を有するロッカーアーム式の動弁機構においては、デコンプ装置が妨げとなって、ロッカーアームを、カムシャフトにおいて排気側カムとカムスプロケットとの間の部分の上方の空間に移動させることができない場合がある。このように、デコンプ装置を有するロッカーアーム式の動弁機構には、ロッカーアームスライド構造を設けることができない場合がある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、デコンプ装置を有するロッカーアーム式の動弁機構においてロッカーアームスライド構造を設けることを可能にすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の動弁機構は、カムシャフトと、前記カムシャフトに設けられた排気側カムと、前記カムシャフトの上方に配置され、前記排気側カムの動力を排気バルブに伝達するロッカーアームと、前記カムシャフトと同一の方向に伸長し、前記ロッカーアームを揺動可能に、かつ前記カムシャフトの軸方向に移動可能に支持するロッカーシャフトと、前記カムシャフトの外周側であって、前記カムシャフトの軸方向において前記排気側カムの一側に設けられたデコンプ装置とを備えた動弁機構であって、前記デコンプ装置は、前記カムシャフトの外周面において前記カムシャフトの径方向一側部分と前記排気側カムのベース面において前記カムシャフトの径方向一側部分とに亘って形成された凹部に収容され、前記カムシャフトの軸方向に伸長する軸線を有するデコンプシャフトと、前記デコンプシャフトに形成され、前記排気側カムのベース面に対して出没するデコンプカムと、環状または円弧状に形成され、前記デコンプシャフトの外周側を覆うように前記カムシャフトの外周側に設けられ、前記デコンプシャフトを前記凹部内に回動可能に保持するデコンプホルダと、円弧状に伸長し、前記カムシャフトの外周側に設けられ、前記カムシャフトの遠心力により前記カムシャフトの軸心から離れる方向に変位するデコンプアームと、前記デコンプアームを前記カムシャフトの軸心に近づける方向に付勢する付勢部材と、前記デコンプシャフトと前記デコンプアームとを連結させ、前記デコンプアームの変位を前記デコンプシャフトに伝達する連結部材とを備え、前記デコンプホルダの外周側部分または前記デコンプアームの外周側部分には前記カムシャフトの軸心に向かう方向に部分的に引っ込んだ引っ込み部が形成され、前記ロッカーアームは、前記カムシャフトの回転角度が、前記引っ込み部が上方を向く回転角度であるときに、前記排気側カムの上方の位置から前記引っ込み部の上方の位置へ前記カムシャフトの軸方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明によれば、デコンプ装置を有するロッカーアーム式の動弁機構にロッカーアームスライド構造を設けることができるようになる。
本発明の実施例の動弁機構が設けられたエンジンを示す外観図である。 図1中のエンジンのシリンダヘッドの内部を上方から見た説明図である。 図2中のシリンダヘッドの内部から吸気側ロッカーシャフト、吸気側ロッカーアーム、排気側ロッカーシャフト、排気側ロッカーアームおよびシャフト支持部を取り除いた状態を示す説明図である。 図2中の矢示IV-IV方向から見たシリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーを示す断面図である。 本発明の実施例の動弁機構におけるカムシャフト、吸気側カムおよび排気側カムを示す斜視図である。 本発明の実施例の動弁機構におけるカムシャフト、吸気側カム、排気側カムおよびデコンプ装置を示す斜視図である。 図6中の矢示VII方向から見たカムシャフトおよびデコンプ装置等を示す説明図である。 図7中の矢示X方向から見たカムシャフトおよびデコンプ装置等を示す説明図である。 本発明の実施例の動弁機構のデコンプ装置におけるデコンプシャフト、デコンプピンおよびデコンプカムを示す斜視図である。 本発明の実施例の動弁機構のデコンプ装置におけるデコンプホルダを示す説明図である。 図10中の矢示XI-XI方向から見たデコンプホルダを示す断面図である。 図10中のデコンプホルダと排気側カムのベース円との位置関係を示す説明図である。 図7中のデコンプ装置と排気側カムのベース円との位置関係を示す説明図である。 本発明の実施例の動弁機構におけるデコンプ装置の動作を示す説明図である。 本発明の実施例の動弁機構においてロッカーアームスライド構造を示す説明図である。 本発明の実施例の動弁機構においてロッカーアームスライド構造を示す説明図である。 本発明の実施例の動弁機構においてデコンプ装置の引っ込み部が上方を向いた状態を示す説明図である。 本発明の他の実施例の動弁機構におけるデコンプ装置を示す説明図である。 本発明の実施例のデコンプ装置におけるデコンプホルダの変形例を示す説明図である。
本発明の実施形態の動弁機構は、カムシャフトと、カムシャフトに設けられた排気側カムと、カムシャフトの上方に配置され、排気側カムの動力を排気バルブに伝達するロッカーアームと、カムシャフトと同一の方向に伸長し、ロッカーアームを揺動可能に、かつカムシャフトの軸方向に移動可能に支持するロッカーシャフトと、カムシャフトの外周側であって、カムシャフトの軸方向において排気側カムの一側に設けられたデコンプ装置とを備えている。
本発明の実施形態の動弁機構において、デコンプ装置は、デコンプシャフト、デコンプカム、デコンプホルダ、デコンプアーム、デコンプアームを付勢する付勢部材、およびデコンプアームとデコンプピンとを連結する連結部材を備えている。
デコンプシャフトは、カムシャフトの外周面においてカムシャフトの径方向一側部分と排気側カムのベース面においてカムシャフトの径方向一側部分とに亘って形成された凹部に収容されている。また、デコンプシャフトは、カムシャフトの軸方向に伸長する軸線を有している。デコンプカムは、デコンプシャフトに形成され、排気側カムのベース面に対して出没する。デコンプホルダは、デコンプシャフトを凹部内に回動可能に保持する機能を有している。デコンプホルダは、環状または円弧状に形成され、デコンプシャフトの外周側を覆うようにカムシャフトの外周側に設けられている。デコンプアームは、円弧状に伸長し、カムシャフトの外周側に設けられ、カムシャフトの遠心力によりカムシャフトの軸心から離れる方向に変位する。付勢部材は、デコンプアームをカムシャフトの軸心に近づける方向に付勢する。連結部材は、デコンプシャフトとデコンプアームとを連結させ、デコンプアームの変位をデコンプシャフトに伝達する。
また、デコンプホルダの外周側部分またはデコンプアームの外周側部分には、カムシャフトの軸心に向かう方向に部分的に引っ込んだ引っ込み部が形成されている。引っ込み部は、カムシャフトの回転が停止している間にカムシャフトの軸方向一側から当該デコンプ装置を見たとき、排気側カムのベース円の内側に位置している。
また、本発明の実施形態の動弁機構において、カムシャフトの回転角度を調節して、デコンプ装置における引っ込み部が上方を向くようにする。これにより、ロッカーアームを、カムシャフトにおいて排気側カムとカムスプロケットとの間の部分の上方の空間にスライド移動させることが可能になる。すなわち、ロッカーアームを、排気側カムの上方の位置からデコンプ装置における引っ込み部の上方の位置へカムシャフトの軸方向にスライド移動させることが可能になる。引っ込み部は排気側カムのベース円の内側に位置しているので、デコンプ装置がロッカーアームの移動の妨げとならない。このような構成を有する動弁機構によれば、デコンプ装置を有し、かつロッカーアームスライド構造を有するロッカーアーム式の動弁機構を実現することができる。
まず、本発明の実施例におけるエンジンおよび動弁機構について概説する。図1は本発明の実施例の動弁機構が設けられたエンジン1を示している。エンジン1は、例えば鞍乗型車両用の4サイクルのガソリンエンジンである。エンジン1は、図1に示すように、クランクシャフト等が収容されたクランクケース3と、ピストン等が設けられたシリンダ4と、吸気バルブ、排気バルブおよび動弁機構等が収容されたシリンダヘッド5と、シリンダヘッド5の上方を覆うシリンダヘッドカバー6とを有している。
図2はシリンダヘッドカバー6を取り外したシリンダヘッド5を上方から見た状態を示している。図3は、図2中のシリンダヘッド5から、吸気側ロッカーアーム15、排気側ロッカーアーム16、吸気側ロッカーシャフト20、排気側ロッカーシャフト21およびシャフト支持部22等を取り外した状態を示している。図4は、図2中の矢示IVーIV方向から見たシリンダヘッド5、シリンダヘッドカバー6および動弁機構11の断面を示している。
図3および図4に示すように、シリンダヘッド5内には、2つの吸気バルブ7および2つの排気バルブ8が設けられている。なお、本実施例におけるエンジン1は2バルブ型の2気筒エンジンであり、各気筒につき、吸気バルブ7および排気バルブ8が1つずつ設けられている。各吸気バルブ7はバルブスプリング9により吸気ポートを閉塞するように付勢されている。また、各排気バルブ8はバルブスプリング10により排気ポートを閉塞するようにそれぞれ付勢されている。
また、シリンダヘッド5内には、各吸気バルブ7および各排気バルブ8の開閉を制御する動弁機構11が設けられている。本実施例における動弁機構11はSOHC型であり、単一のカムシャフト12を有している。カムシャフト12の軸方向両端側部分は、シリンダヘッド5内の左右両側に設けられたシャフト支持部22に回転可能に支持されている。
また、カムシャフト12には、各吸気バルブ7の開閉を制御する吸気側カム13、および各排気バルブ8の開閉を制御する排気側カム14が設けられている。吸気側カム13はカムシャフト12の軸方向左寄りの部分に設けられ、排気側カム14はカムシャフト12の概ね軸方向中央部分に設けられている。吸気側カム13および排気側カム14はカムシャフト12に一体形成されている。また、カムシャフト12の右端部にはカムスプロケット24が設けられ、カムスプロケット24にはタイミングチェーン23(またはタイミングベルト)が掛けられている。タイミングチェーン23を介してクランクシャフトの動力がカムシャフト12に伝達される。また、カムシャフト12の軸方向において排気側カム14の一側、すなわち排気側カム14の右側にはデコンプ装置41が設けられている。デコンプ装置41は排気側カム14と隣接している。
さらに、動弁機構11は、いわゆるロッカーアーム式の動弁機構であり、図2に示すように、吸気側カム13の動力を吸気バルブ7に伝達する吸気側ロッカーアーム15、および排気側カム14の動力を排気バルブ8に伝達する排気側ロッカーアーム16を備えている。吸気側ロッカーアーム15の一方の端部にはローラ17が設けられ、ローラ17の周面が吸気側カム13の周面に接触している。また、吸気側ロッカーアーム15において二股に分かれた他方の端部はそれぞれ、吸気バルブ7のステムエンド側に設けられたアジャスト部材19に接触している。アジャスト部材19は例えばバルブクリアランス調整用のシムである。同様に、排気側ロッカーアーム16の一方の端部にはローラ18が設けられ、ローラ18の周面が排気側カム14の周面に接触している。また、排気側ロッカーアーム16において二股に分かれた他方の端部はそれぞれ、排気バルブ8のステムエンド側に設けられたアジャスト部材19に接触している。
また、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16は吸気側ロッカーシャフト20および排気側ロッカーシャフト21にそれぞれ揺動可能に支持されている。吸気側ロッカーシャフト20および排気側ロッカーシャフト21はそれぞれカムシャフト12と同一の方向に伸長している。また、吸気側ロッカーシャフト20および排気側ロッカーシャフト21はカムシャフト12の上方に配置され、これら吸気側ロッカーシャフト20および排気側ロッカーシャフト21のそれぞれの軸方向両端側部分は、シリンダヘッド5内の左右両側に設けられたシャフト支持部22に固定されている。
排気側ロッカーアーム16の動作は次の通りである。すなわち、カムシャフト12の回転に伴い排気側カム14が回転し、ローラ18が排気側カム14の周面に押され、排気側ロッカーアーム16の一方の端部が上昇すると、排気側ロッカーアーム16の他方の端部が下降して排気バルブ8を押す。これにより、排気バルブ8がバルブスプリング10の付勢力に抗して下降し、排気バルブ8が開く。吸気側ロッカーアーム15も排気側ロッカーアーム16と同様に動作する。
また、本実施例の動弁機構11は、主に、吸気バルブ7および排気バルブ8のそれぞれのステムエンドに設けられたアジャスト部材19の交換を行い易くするために、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16を吸気側ロッカーシャフト20および排気側ロッカーシャフト21の軸方向にそれぞれスライド移動させることができるロッカーアームスライド構造を有している。ロッカーアームスライド構造については後述する。
次に、本発明の実施例におけるカムシャフト12、排気側カム14およびデコンプ装置41について説明する。なお、カムシャフト12、排気側カム14およびデコンプ装置41の説明において、説明の便宜上、カムシャフト12の軸方向を「X方向」といい、図5ないし図14等において矢印により示すように、X方向における一側を「X1側」といい、X方向における他側を「X2側」という。また、X方向に直交する方向を「Y方向」といい、図5ないし図14等において矢印により示すように、Y方向における一側を「Y1側」といい、Y方向における他側を「Y2側」という。また、X方向およびY方向の双方に直交する方向を「Z方向」といい、図5ないし図14等において矢印により示すように、Z方向における一側を「Z1側」といい、Z方向における他側を「Z2側」という。
図5はカムシャフト12および排気側カム14等を示している。図5に示すように、排気側カム14の周面において、Y1側にはベース面14Aが形成され、Y2側には張出面14Bが形成されている。ベース面14Aは、排気側カム14のベース円(基礎円)を形成する面である。張出面14Bは、排気側カム14のベース円よりも外側に張り出した部分の面である。
また、カムシャフト12には、デコンプ装置41のデコンプシャフト42を収容するためのデコンプシャフト収容凹部25が形成されている。デコンプシャフト収容凹部25は、カムシャフト12の外周面におけるY1側部分と排気側カム14のベース面14AにおけるY1側部分とに亘るようにX方向に伸長している。
また、カムシャフト12の外周面において、デコンプシャフト収容凹部25よりもX1側には、ワッシャ28およびサークリップ29を取り付けるためのクリップ取付溝30がカムシャフト12の全周に亘って形成されている。
図6はカムシャフト12に設けられたデコンプ装置41を示している。図7は図6中の矢示VII方向から見たデコンプ装置41を示している。図8は図7中の矢示VIII方向から見たデコンプ装置41を示している。図6ないし図8に示すように、デコンプ装置41は、デコンプシャフト42、デコンプピン43、デコンプカム44、デコンプホルダ45、デコンプアーム58およびコイルスプリング63を備えている。
デコンプシャフト42はデコンプシャフト収容凹部25内に配置されている。デコンプピン43はデコンプシャフト42のX1側に設けられ、デコンプカム44はデコンプシャフト42のX2側に形成されている。ここで、図9はデコンプシャフト42、デコンプピン43およびデコンプカム44を示している。図9に示すように、デコンプシャフト42は、例えば金属材料により、X方向に伸長する軸線を有する外形円柱状に形成されている。デコンプピン43は、デコンプシャフト42とデコンプアーム58とを連結させ、デコンプアーム58の変位をデコンプシャフト42に伝達させる部材(連結部材)である。デコンプピン43は、例えば金属製の棒状の部材であり、デコンプシャフト42のX1側部分に、デコンプシャフト42の周面から径方向に突出するように設けられている。また、デコンプカム44はデコンプシャフト42のX2側の端部に形成され、平面部44Aおよび曲面部44Bを有している。図8に示すように、デコンプカム44は、デコンプシャフト収容凹部25において排気側カム14のベース面14Aに位置する部分に配置されている。デコンプシャフト42がデコンプシャフト収容凹部25内で回動することにより、デコンプカム44が排気側カム14のベース面14Aに対して出没する。
デコンプホルダ45は、図6に示すように、デコンプシャフト42の軸方向略中央部と対向する位置に設けられ、カムシャフト12およびデコンプシャフト42の外周側を包囲している。また、デコンプホルダ45は排気側カム14の右側に位置し、排気側カム14と隣接している。デコンプホルダ45は、主に、デコンプシャフト42をデコンプシャフト収容凹部25内に回動可能に保持する機能、およびデコンプアーム58を支持する機能を有する部材である。ここで、図10はデコンプホルダ45を示し、図11は図10中の矢示XI-XI方向から見たデコンプホルダ45の断面を示している。図10に示すように、デコンプホルダ45は、例えば金属材料により環状に形成されている。また、デコンプホルダ45の内周面において、デコンプシャフト収容凹部25と対向する位置には、デコンプシャフト42の軸方向中央部においてデコンプシャフト収容凹部25から出た部分を覆うデコンプシャフト覆い溝46が形成されている。また、デコンプホルダ45のY2側部分には、デコンプアーム58の軸支部59を回動可能に支持するためのアーム支持部47が設けられている。また、アーム支持部47の中央には、デコンプアーム58の軸支部59をデコンプホルダ45に取り付け、かつデコンプアーム58の回動軸となる支持部材48(図6参照)を挿入する挿通穴49が形成されている。
また、デコンプホルダ45の外周側部分であって、デコンプホルダ45のZ2側に位置する部分には、カムシャフト12の軸心に向かう方向に部分的に引っ込んだ引っ込み部51が形成されている。ここで、図12は、スプリングフック53を取り外したデコンプホルダ45と、排気側カム14の外形と、排気側カム14のベース円Bとを重ね合わせて示している。また、図13は、デコンプ装置41と、排気側カム14の外形と、排気側カム14のベース円Bとを重ね合わせて示している。図12および図13において、破線が排気側カム14の外形を示し、二点鎖線が排気側カム14のベース円Bを示している。図12に示すように、カムシャフト12の軸方向一側(X1側)からデコンプ装置41を見たとき、引っ込み部51は排気側カム14のベース円Bの内側に位置している。ベース円Bの内側とは、ベース円B内であってベース円Bの円周に接しない位置を意味する。また、図13に示すように、カムシャフト12の回転が停止している間にカムシャフト12の軸方向一側からデコンプ装置41を見たとき、引っ込み部51は、カムシャフト12の軸心A1とデコンプシャフト42の軸心A2とを通る直線Lを挟んで、デコンプアーム58の伸長方向略中央部の位置Pと反対側の位置に配置されている。
また、図10に示すように、デコンプホルダ45のZ2側の部分、すなわち、引っ込み部51が形成された部分にはカウンターウェイト部52が形成されている。カウンターウェイト部52は、カムシャフト12の回転バランスをとるためのウェイトである。図11に示すように、カウンターウェイト部52は、デコンプホルダ45からカムシャフト12の軸方向(X1側)に突出した突出部により形成されている。本実施例において、カウンターウェイト部52は、デコンプホルダ45のZ2側の部分に一体形成され、具体的には、デコンプホルダ45のZ2側の部分を他の部分と比較して厚くすることにより形成されている。
また、デコンプホルダ45のZ2側にはスプリングフック53が取り付けられている。スプリングフック53は、コイルスプリング63の端部を取り付ける部材である。スプリングフック53は例えば金属板により形成されている。スプリングフック53のY2側端部53Aには、コイルスプリング63の端部を掛けるためのスプリング掛け部54が形成されている。また、スプリングフック53のY2側の端部53Aはデコンプホルダ45に回動可能に支持され、スプリングフック53のY1側の端部53Bは、デコンプホルダ45に形成された凸状係止部55に係止されている。また、スプリングフック53は、図11に示すように、デコンプホルダ45において環状に形成された部分よりもX1側に配置されている。その結果、スプリングフック53は、図8に示すように、デコンプホルダ45において環状に形成された部分と比較して、排気側カム14から離れている。
また、図10に示すように、デコンプホルダ45の内周面においてY2側部分には、カムシャフト12の径方向に窪んだ形状のホルダ溝部56が形成されている。一方、図7に示すように、カムシャフト12の外周面においてY2側部分にはホルダ固定ピン31が固定されている。ホルダ固定ピン31はカムシャフト12の外周面から径方向に突出し、その突出端部がホルダ溝部56に挿入されている。ホルダ溝部56とホルダ固定ピン31の突出端部とは互いに嵌まり合っており、それゆえ、エンジン1の稼働時にカムシャフト12が回転したとき、デコンプホルダ45はカムシャフト12と共に回転する。
また、図7において、デコンプアーム58は、カムシャフト12の回転時の遠心力によってカムシャフト12から離れる方向に変位し、これによりデコンプピン43を介してデコンプシャフト42を回動させる部材である。デコンプアーム58は例えば金属材料により形成され、デコンプ装置41のY2側部分からZ1側部分を通りY1側部分に至るように円弧状に伸長している。デコンプアーム58のY2側端部にはデコンプアーム58をデコンプホルダ45のアーム支持部47に支持部材48を介して回動可能に取り付けるための軸支部59が形成されている。デコンプアーム58は、デコンプホルダ45に取り付けられることにより、カムシャフト12の外周側のZ1側に配置される。また、デコンプアーム58のY2側端部には、カムシャフト12から離れる方向におけるデコンプアーム58の変位量を制限するストッパ60が形成されている。また、デコンプアーム58のY2側端部には、コイルスプリング63の端部を掛けるためのスプリング掛け穴61が形成されている。また、デコンプアーム58のY1側端部には、デコンプアーム58とデコンプピン43とを連結させるための連結溝62が形成されている。デコンプピン43の突出側端部が連結溝62に挿入されることにより、デコンプアーム58とデコンプピン43とが連結される。
また、コイルスプリング63は、デコンプアーム58をカムシャフトに近づける方向に付勢する付勢部材であり、一方の端部がデコンプホルダ45に設けられたスプリングフック53のスプリング掛け部54に接続され、他方の端部がデコンプアーム58のスプリング掛け穴61に接続されている。
また、図8に示すように、カムシャフト12に形成されたクリップ取付溝30には、ワッシャ28およびサークリップ29が取り付けられている。サークリップ29およびワッシャ28は、主に、デコンプシャフト42およびデコンプホルダ45がX1側に移動するのを防止する機能を有している。
デコンプ装置41の動作は次の通りである。すなわち、図14(A)および(B)は、図8中の矢示XIV-XIV方向から見た排気側カム14およびデコンプカム44の断面を示している。図14(A)において、カムシャフト12の回転数が所定の回転数以下である間、コイルスプリング63の付勢力により、デコンプアーム58はその内周面がカムシャフト12の外周面に接触し、カムシャフト12の軸心に最も接近している。この状態では、デコンプアーム58に連結されたデコンプピン43の突出端側がZ2側に傾いており、デコンプカム44の曲面部44BがY1側を向いている。その結果、デコンプカム44が排気側カム14のベース面14Aから突出している。これにより、デコンプレッション動作が行われる。一方、図14(B)において、カムシャフト12の回転数が所定の回転数を超えたとき、カムシャフト12の回転時の遠心力により、デコンプアーム58がコイルスプリング63の付勢力に抗して、カムシャフト12から離れる方向に変位し、デコンプアーム58のストッパ60がカムシャフト12の外周面に接触する。この状態では、デコンプアーム58に連結されたデコンプピン43の突出端側がZ1側に傾き、デコンプカム44の平面部44AがY1側を向く。その結果、デコンプカム44が排気側カム14のベース面14Aに没入する。これにより、デコンプレッション動作が行われなくなる。
次に、ロッカーアームスライド構造について説明する。図15(A)および図15(B)は、上方から見た動弁機構11をそれぞれ示している。図16(A)は、図15(A)中の矢示E-E方向から見た動弁機構11の断面を示し、図16(B)は、図15(B)中の矢示F-F方向から見た動弁機構11の断面を示している。
これらの図のうち、図15(A)および図16(A)は、吸気側ロッカーアーム15の両端部が吸気側カム13の上方および吸気バルブ7のステムエンドの上方にそれぞれ位置し、かつ排気側ロッカーアーム16の両端部が排気側カム14の上方および排気バルブ8のステムエンドの上方にそれぞれ位置した状態を示している。以下、図15(A)および図16(A)に示す吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16の位置を「通常動作位置」という。吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16が通常動作位置にある状態では、カムシャフト12が回転することにより、吸気側カム13の動力が吸気側ロッカーアーム15を介して吸気バルブ7に伝達され、かつ排気側カム14の動力が排気側ロッカーアーム16を介して排気バルブ8に伝達される。エンジン1の稼働時はこの状態である。
一方、図15(B)および図16(B)は、吸気側ロッカーアーム15の両端部が吸気側カム13および吸気バルブ7のステムエンドから右側に外れ、かつ排気側ロッカーアーム16の両端部が排気側カム14および排気バルブ8のステムエンドから右側に外れた状態を示している。以下、図15(B)および図16(B)に示す吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16の位置を「リリース位置」という。メンテナンス作業等を行う際に、作業者は、エンジン1の停止時に、シリンダヘッドカバー6を取り外し、カムシャフト12の回転角度を調節してデコンプ装置41のデコンプホルダ45に形成された引っ込み部51を上方に向け、その後、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16を通常動作位置から右方にスライドさせて、リリース位置に移動させることができる。作業者は、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16をリリース位置に移動させることにより、例えば、吸気バルブ7および排気バルブ8のそれぞれのステムエンドに設けられたアジャスト部材19を簡単に交換することができる。なお、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16の移動時には、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16にそれぞれ設けられたローラ17および18も吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16と共に移動する。
吸気側ロッカーアーム15は吸気側ロッカーシャフト20に通常動作位置とリリース位置との間において左右方向に移動可能に支持されている。同様に、排気側ロッカーアーム16は排気側ロッカーシャフト21に通常動作位置とリリース位置との間において左右方向に移動可能に支持されている。また、吸気側ロッカーアーム15は、吸気側ロッカーシャフト20の外周側において吸気側ロッカーアーム15と右側のシャフト支持部22との間に設けられたアームスプリング26により、左方に付勢されている。同様に、排気側ロッカーアーム16も排気側ロッカーシャフト21の外周側に設けられたアームスプリング26により、左方に付勢されている。エンジン1の稼働時には、アームスプリング26により、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16は通常動作位置にそれぞれ保持される。メンテナンス作業等を行う際に、作業者はアームスプリング26の付勢力よりも大きい力を加えて、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16を通常動作位置からリリース位置へ移動させる。
ここで、図17はデコンプ装置41のデコンプホルダ45に形成された引っ込み部51が上方を向いた状態を示している。なお、図17では、引っ込み部51が上方を向いたときの引っ込み部51とローラ18の最下部との位置関係をわかり易く示すためにスプリングフック53を二点鎖線で示している。以下、図17等を用いて、デコンプ装置41のデコンプホルダ45に形成された引っ込み部51を上方に向けた後に、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16を通常動作位置からリリース位置にスライド移動させることができる仕組みについて説明する。
カムシャフト12の回転角度に応じて、デコンプ装置41のデコンプホルダ45に形成された引っ込み部51の向きが変わる。引っ込み部51が上方以外を向いているときには、デコンプ装置41において上方を向いた部分がローラ18の最下部よりも高い位置となるため、デコンプ装置41が妨げとなって、吸気側ロッカーアーム15も排気側ロッカーアーム16も通常動作位置から右方へ移動することができない。
しかしながら、引っ込み部51が上方を向いているときには、図17に示すように、デコンプ装置41において上方を向いた部分、つまり引っ込み部51がローラ18の最下部よりも低い位置となる。すなわち、ロッカーアームスライド構造においてスライド移動する構造物、具体的には、吸気側ロッカーアーム15、排気側ロッカーアーム16、ローラ17およびローラ18のうち、右方にスライド移動したときにデコンプ装置41と干渉し得る部品はローラ18である。ローラ18は排気側カム14の周面に接触している。ローラ18が排気側カム14のベース面14Aに接触しているとき、ローラ18は最も下降する。したがって、排気側カム14のベース面14Aに接触している状態のローラ18の周面において下方を向いた部分が、スライド移動する上記構造物においてデコンプ装置41と干渉する部分の最下の位置となる。そして、上下方向において、この位置は、排気側カム14のベース円Bの上方を向いた部分の位置と等しい。ここで、図12または図13に示すように、引っ込み部51は、排気側カム14のベース円Bの内側に位置しているので、引っ込み部51が上方を向いたとき、引っ込み部51の位置は、排気側カム14のベース円Bの上方を向いた部分よりも低い位置となる。それゆえ、引っ込み部51が上方を向いたとき、引っ込み部51の位置は、ローラ18の最下部よりも低い位置となる。したがって、引っ込み部51を上方に向けることによって、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16を通常動作位置からリリース位置にスライド移動させることができる。
なお、引っ込み部51が上方を向いたとき、スプリングフック53の一部が引っ込み部51よりも上方に位置することとなる。しかしながら、図8に示すように、スプリングフック53は、デコンプホルダ45においてX1側に位置しているため、図16(B)に示すように、吸気側ロッカーアーム15、排気側ロッカーアーム16、ローラ17およびローラ18をリリース位置まで移動させても、これらはいずれもスプリングフック53と接触しない。すなわち、スプリングフック53は、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16を通常動作位置からリリース位置へ移動させる際の妨げとならない。
以上説明した通り、本発明の実施例の動弁機構11において、デコンプ装置41デコンプホルダ45に引っ込み部51を設ける構成としたから、排気側カム14の右側において排気側カム14に隣接する位置にデコンプ装置41を設けた場合でも、吸気側ロッカーアーム15および排気側ロッカーアーム16を、カムシャフト12において排気側カム14とカムスプロケット24との間の部分の上方の空間に向けて右方へスライド移動させることができる。したがって、本発明の実施例のデコンプ装置41によれば、デコンプ装置を有し、かつロッカーアームスライド構造を有するロッカーアーム式の動弁機構を実現することができる。
また、デコンプ装置41において、引っ込み部51はデコンプホルダ45に形成されている。仮に引っ込み部51をデコンプアーム58に形成すると、デコンプアーム58の重量が減り、デコンプアーム58を変位させる遠心力が小さくなる。本実施例のように、引っ込み部51をデコンプホルダ45に形成することにより、デコンプアーム58を変位させる遠心力が小さくなることを避けることができる。
また、デコンプ装置41において、引っ込み部51は、カムシャフト12の回転が停止している間にカムシャフト12の軸方向一側から当該デコンプ装置41を見たとき、カムシャフト12の軸心A1とデコンプシャフト42の軸心A2とを通る直線Lを挟んで、デコンプアーム58の伸長方向略中央部の位置Pと反対側の位置に配置されている(図13参照)。このように、引っ込み部51を、デコンプ装置41においてデコンプアーム58が設けられている部分の反対側に設けることで、引っ込み部51の形成により、デコンプアーム58の設計が制約されることを抑制することができる。
また、デコンプ装置41のデコンプホルダ45において引っ込み部51が形成された部分には、カムシャフト12の回転バランスをとるためのカウンターウェイト部52が設けられている。これにより、引っ込み部51の形成により減少した重量を、カウンターウェイト部52の重量によって補うことができる。したがって、カムシャフト12の回転バランスを容易にとることができ、カムシャフト12の回転時の振動を低減させることができる。
また、デコンプ装置41において、カウンターウェイト部52は、カムシャフト12の回転が停止している間にカムシャフト12の軸方向一側から当該デコンプ装置41を見たとき、カムシャフト12の軸心A1とデコンプシャフト42の軸心A2とを通る直線Lを挟んで、デコンプアーム58の伸長方向略中央部の位置と反対側の位置に配置されている。これにより、カムシャフト12の軸心A1を挟んで両側に配置されたカウンターウェイト部52とデコンプアーム58との重量バランスを調整することにより、デコンプ装置41の重心の位置を容易に設定することができる。
また、デコンプ装置41において、カウンターウェイト部52は、デコンプホルダ45からカムシャフト12の軸方向に突出した突出部により形成されている。これにより、カウンターウェイト部52をデコンプホルダ45に一体形成することができ、デコンプホルダ45の構造を簡素化することができる。また、カウンターウェイト部52としての突出部をデコンプホルダ45からカムシャフト12の軸方向に突出させる構成とすることで、排気側カム14とカムスプロケット24との間の空間を利用して、カウンターウェイト部52の体積を増大させることができ、カウンターウェイト部52の重量を容易に増加させることができる。また、カウンターウェイト部52を、デコンプホルダ45からカムシャフト12の軸方向に突出した突出部により形成することで、カウンターウェイト部52を、カムシャフト12の軸方向においてデコンプホルダ45を位置決めするための部材として利用することができる。本実施例では、図8に示すように、カウンターウェイト部52のX1側の端面をワッシャ28に達するまで伸ばすことにより、カムシャフト12の軸方向におけるデコンプホルダ45の位置決めを行っている。
なお、上記実施例におけるデコンプ装置41では、引っ込み部51をデコンプホルダ45の外周側部分に形成し、かつ引っ込み部51をデコンプ装置41においてデコンプアーム58が配置されている位置と反対側の位置に配置した。しかしながら、図18に示すデコンプ装置71のように、引っ込み部74をデコンプアーム73の外周側部分に形成してもよい。引っ込み部74は、カムシャフト12の回転が停止している間にカムシャフト12の軸方向一側からデコンプ装置を見たとき、排気側カム14のベース円Bの内側に位置している。なお、図18に示すデコンプ装置71では、デコンプホルダ72のZ1側部分の外周側部分にも引っ込み部が形成されている。デコンプホルダ72のZ1側部分はデコンプアーム73のZ1側部分と重なっており、デコンプホルダ72に形成された引っ込み部はデコンプアーム73に形成された引っ込み部74と重なっている。
また、本発明の動弁機構において、デコンプ装置のデコンプホルダの形状は環状に限らず、図19に示すデコンプホルダ81のように円弧状でもよい。
また、本発明の動弁機構は鞍乗型車両用のエンジンに限らず、例えば船外機用のエンジン等、種々のエンジンに適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う動弁機構もまた本発明の技術思想に含まれる。
11 動弁機構
12 カムシャフト
14 排気側カム
14A ベース面
16 排気側ロッカーアーム(ロッカーアーム)
17、18 ローラ
21 排気側ロッカーシャフト(ロッカーシャフト)
25 デコンプシャフト収容凹部(凹部)
41、71 デコンプ装置
42 デコンプシャフト
43 デコンプピン(連結部材)
44 デコンプカム
45、72 デコンプホルダ
51 引っ込み部
52 カウンターウェイト部
58、73 デコンプアーム
63 コイルスプリング(付勢部材)

Claims (9)

  1. カムシャフトと、
    前記カムシャフトに設けられた排気側カムと、
    前記カムシャフトの上方に配置され、前記排気側カムの動力を排気バルブに伝達するロッカーアームと、
    前記カムシャフトと同一の方向に伸長し、前記ロッカーアームを揺動可能に、かつ前記カムシャフトの軸方向に移動可能に支持するロッカーシャフトと、
    前記カムシャフトの外周側であって、前記カムシャフトの軸方向において前記排気側カムの一側に設けられたデコンプ装置とを備えた動弁機構であって、
    前記デコンプ装置は、
    前記カムシャフトの外周面において前記カムシャフトの径方向一側部分と前記排気側カムのベース面において前記カムシャフトの径方向一側部分とに亘って形成された凹部に収容され、前記カムシャフトの軸方向に伸長する軸線を有するデコンプシャフトと、
    前記デコンプシャフトに形成され、前記排気側カムのベース面に対して出没するデコンプカムと、
    環状または円弧状に形成され、前記デコンプシャフトの外周側を覆うように前記カムシャフトの外周側に設けられ、前記デコンプシャフトを前記凹部内に回動可能に保持するデコンプホルダと、
    円弧状に伸長し、前記カムシャフトの外周側に設けられ、前記カムシャフトの遠心力により前記カムシャフトの軸心から離れる方向に変位するデコンプアームと、
    前記デコンプアームを前記カムシャフトの軸心に近づける方向に付勢する付勢部材と、
    前記デコンプシャフトと前記デコンプアームとを連結させ、前記デコンプアームの変位を前記デコンプシャフトに伝達する連結部材とを備え、
    前記デコンプホルダの外周側部分または前記デコンプアームの外周側部分には前記カムシャフトの軸心に向かう方向に部分的に引っ込んだ引っ込み部が形成され、
    前記ロッカーアームは、前記カムシャフトの回転角度が、前記引っ込み部が上方を向く回転角度であるときに、前記排気側カムの上方の位置から前記引っ込み部の上方の位置へ前記カムシャフトの軸方向に移動可能であることを特徴とする動弁機構。
  2. 前記カムシャフトの回転が停止している間に前記カムシャフトの軸方向一側から前記デコンプ装置を見たとき、前記引っ込み部は前記排気側カムのベース円の内側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の動弁機構。
  3. 前記引っ込み部は前記デコンプホルダに形成され、かつ、前記引っ込み部は、前記カムシャフトの回転が停止している間に前記カムシャフトの軸方向一側から前記デコンプ装置を見たとき、前記カムシャフトの軸心と前記デコンプシャフトの軸心とを通る直線を挟んで、前記デコンプアームの伸長方向略中央部の位置と反対側の位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の動弁機構。
  4. 前記デコンプホルダにおいて前記引っ込み部が形成された部分には、前記カムシャフトの回転バランスをとるためのカウンターウェイト部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の動弁機構。
  5. 前記カウンターウェイト部は、前記デコンプホルダから前記カムシャフトの軸方向に突出した突出部により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の動弁機構。
  6. 前記カムシャフトの軸方向をX方向といい、X方向に直交する方向をY方向といい、X方向およびY方向の双方に直交する方向をZ方向というとすると、前記カムシャフトの回転が停止している間にX方向一側から前記デコンプ装置を見たとき、
    前記凹部は、前記カムシャフトの外周面において前記カムシャフトの軸心よりもY方向一側に位置する部分と前記排気側カムのベース面において前記カムシャフトの軸心よりもY方向一側に位置する部分とに亘って形成され、
    前記デコンプアームは、前記カムシャフトの軸心よりもY方向他側から前記カムシャフトの軸心よりもZ方向一側を通って前記カムシャフトの軸心よりもY方向一側へ伸長し、
    前記引っ込み部は、前記デコンプホルダの外周側部分において前記カムシャフトの軸心よりもZ方向他側に位置する部分に形成され、かつ前記排気側カムのベース円の内側に位置し、
    前記デコンプホルダの外周面において、前記カムシャフトの軸心よりもY方向他側から前記カムシャフトの軸心よりもZ方向一側を通って前記カムシャフトの軸心よりもY方向一側に掛けての部分は、前記排気側カムのベース円の外側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の動弁機構。
  7. 前記ロッカーアームは、前記カムシャフトの回転角度が、前記引っ込み部が上方を向く回転角度であるときに、通常動作位置からリリース位置へ前記カムシャフトの軸方向に移動可能であり、
    前記ロッカーアームが前記通常動作位置にあるときには、前記ロッカーアームの一端部が前記排気側カムの上方に位置し、かつ前記ロッカーアームの他端部が前記排気バルブのステムエンドの上方に位置し、
    前記ロッカーアームが前記リリース位置にあるときには、前記ロッカーアームの一端部が前記引っ込み部の上方に位置し、かつ前記ロッカーアームの他端部が前記排気バルブのステムエンドの上方から外れた場所に位置することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の動弁機構。
  8. 当該動弁機構を上から見た場合に、前記ロッカーアームが前記リリース位置にあるとき、前記ロッカーアームは前記デコンプホルダと重なり合っていることを特徴とする請求項7に記載の動弁機構。
  9. 前記カムシャフトの一端部に設けられ、クランクシャフトの動力を前記カムシャフトに伝達するチェーンまたはベルトを掛けるカムスプロケットを備え、
    前記ロッカーアームは、前記カムシャフトの回転角度が、前記引っ込み部が上方を向く回転角度であるときに、前記排気側カムの上方の空間から前記カムシャフトにおいて前記排気側カムと前記カムスプロケットとの間の部分の上方の空間へ前記カムシャフトの軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の動弁機構。
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