JP7286434B2 - (共)重合体および粘着性付与剤 - Google Patents

(共)重合体および粘着性付与剤 Download PDF

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Description

本発明は、(共)重合体および粘着性付与剤に関する。
SIS、SBS、SEBSおよびSEPSなどのスチレンブロックコポリマーをベースポリマーとし、樹脂を含む粘着性付与剤を添加してなるホットメルト接着剤が知られている。通常、上記粘着性付与剤としては、着色が少ない各種水添石油樹脂およびスチレン系樹脂が配合されている。
しかし、上記粘着性付与剤に含まれるスチレン系樹脂は、ベースポリマーよりも低分子量であるため、ホットメルト接着剤の耐熱性を低下させる傾向がある。そのため、ホットメルト接着剤への上記スチレン系樹脂の添加量には制限があった。
耐熱性に優れた粘着性付与剤として、特許文献1では、特定の分散度を有し、環状構造を多く含む脂肪族系石油樹脂が提案されている。また、特許文献2では、少なくとも一部が水素化されたスチレン系樹脂が提案されている。
また、粘着剤(感圧接着剤ともいう)は、その使用に際しての簡便性から、テープ、ラベル、シートあるいは両面テープ等の種々の用途に利用されており、その被着対象物もプラスチック、紙類、金属およびガラスなど広汎である。これらの用途に使用される感圧接着剤は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル樹脂またはスチレン樹脂を用いるものが一般的である。
特に、ベースポリマーとして(メタ)アクリル樹脂を用いたアクリル粘着剤は、透明性に優れ、かつ、紙類、金属、ガラスなどの極性を有する被着体への粘着性に優れることが知られている。
一方で、電子機器などの薄型化に伴い、内部の部材を張り合わせる両面テープにも薄膜化が求められつつある。そのため、粘着剤組成物には、より薄い粘着層としたときにも、より十分な粘着性および密着性を有することが望まれる。
上記の要求に対し、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、および石油系樹脂などの粘着性付与剤をアクリル粘着剤組成物に添加して、粘着剤組成物の粘着性をより高める方法が提案されている。たとえば、特許文献1には、ロジン系樹脂などの、(メタ)アクリル系ポリマーとの相溶性が低い粘着性付与剤をアクリル粘着剤組成物に添加することで、常温および高温での接着力をともに発揮させ得ることが記載されている。特許文献1には、上記粘着性付与剤を、粘着剤組成物のフィルム化したときのヘイズ値が15~95%となるように添加すると記載されている。
特開平9-328524号公報 特表2015-513321号公報 特開昭64-16882号公報
特許文献1および特許文献2には、上記脂肪族系石油樹脂または少なくとも一部が水素化されたスチレン系樹脂を、耐熱性がより高められた粘着性付与剤とし得ることが記載されている。しかし、本発明者らの知見によると、特許文献1および特許文献2に記載の樹脂によっても、立体障害の少ないモノマーに起因する軟化点低下が避けられないため、軟化点が十分に高められておらず、十分な耐熱性は得られていない。
また、特許文献3には、上記ロジン系樹脂などの粘着性付与剤の添加により、粘着剤組成物の粘着性をより高め得ると記載されている。しかし、特許文献3にも記載されているように、上記粘着性付与剤を添加すると、粘着剤組成物の透明性が低下してしまう。上記透明性の低下を抑制するためには、上記粘着性付与剤として用いられるロジン樹脂などの分子量を小さくすればよいが、この方法は、粘着性付与剤の耐熱性も低下させてしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、粘着性付与剤として使用したときに、耐熱性を維持したまま十分な粘着性を付与できる(共)重合体、および当該(共)重合体による粘着性付与剤を提供することを、その目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決しうることを見出した。すなわち本発明は以下の[1]~[4]に関する。
[1]以下の(1)~(3)をすべて満たす、(共)重合体。
(1)その構造単位の全量に対して50モル%以上100モル%以下の、スチレン、α-メチルスチレン、インデン、ビニルトルエン、およびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれるモノマーに由来する構造単位を含有する。
(2)示差走査熱量計(DSC)で測定された軟化点が50~150℃の範囲にある。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算の、数平均分子量(Mn)が650以上1000以下の範囲にあり、z平均分子量(Mz)が1200以上3000以下の範囲にあり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.0以下であり、かつ、分子量400以下の化合物の含有率が15質量%以下である。
[2]以下の(4)を満たす、[1]に記載の(共)重合体。
(4)前記数平均分子量(Mn)が700以上950以下の範囲にあり、前記z平均分子量(Mz)が1300以上2400以下の範囲にあり、前記分散度(Mw/Mn)が1.8以下であり、かつ、前記分子量400以下の化合物の含有率が10質量%以下である。
[3]以下の(5)を満たす、[1]または[2]に記載の(共)重合体。
(5)その構造単位の全量に対して1モル%以上30モル%以下の、炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物に由来する構造単位を含有する。
[4][1]~[3]のいずれかに記載の(共)重合体を含有する、粘着性付与剤。
本発明によれば、粘着性付与剤として使用したときに、耐熱性を維持したまま十分な粘着性を付与できる(共)重合体、および当該(共)重合体による粘着性付与剤が提供される。
[(共)重合体(A)]
本発明の一実施形態は、以下の(1)~(3)をすべて満たす(共)重合体(A)に関する。なお、本明細書において、(共)重合体とは「単独重合体または共重合体」を意味する。
(1)その構造単位の全量に対して50モル%以上100モル%以下の、スチレン、α-メチルスチレン、インデン、ビニルトルエン、およびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれるモノマーに由来する構造単位を含有する。
(2)示差走査熱量計(DSC)で測定された軟化点が50~150℃の範囲にある。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算の、数平均分子量(Mn)が650以上1000以下の範囲にあり、z平均分子量(Mz)が1200以上3000以下の範囲にあり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.0以下であり、かつ、分子量400以下の化合物の含有率が15質量%以下である。
要件(1)は、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)の粘着性および耐熱性をより高めるための要件である。
具体的には、(共)重合体(A)が、その構造単位の全量に対して50モル%以上100モル%以下の、スチレン、α-メチルスチレン、インデン、ビニルトルエンまたはイソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含有すると、後述する合成方法で(共)重合体(A)を合成したときの副反応が抑制され、低分子量成分の含有率を低下させることができる。これにより、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)の粘着性および耐熱性がより高まると考えられる。(共)重合体(A)は、これらのモノマーのうち1種を含む(共)重合体であってもよいし、これらのモノマーのうち2種以上が共重合してなる共重合体であってもよい。
上記観点からは、(共)重合体(A)はα-スチレンまたはイソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含有することが好ましい。
また、上記観点からは、(共)重合体(A)は、上記モノマーに由来する構造単位が、その構造単位の全量に対して55モル%以上100モル%以下の範囲にあることが好ましく、60モル%以上100モル%以下の範囲にあることがより好ましく、75モル%以上98モル%以下の範囲にあることがさらに好ましく、80モル%以上97モル%以下の範囲にあることが特に好ましい。
要件(2)は、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)の粘度を、粘着性組成物に含有させたときに基材への塗布性に優れる程度にするための要件である。
具体的には、(共)重合体(A)の示差走査熱量計(DSC)で測定された軟化点が50℃以上150℃以下の範囲にあると、ベースポリマーおよび溶媒と混合してなる粘着性組成物が適度な粘度を有するため、粘着性組成物の基材への塗布をより容易に行うことができる。上記観点からは、(共)重合体(A)は、軟化点が70℃以上140℃以下の範囲にあることが好ましく、80℃以上130℃以下の範囲にあることがより好ましく、90℃以上120℃以下の範囲にあることがさらに好ましい。
要件(3)は、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)の粘着性および耐熱性をより高めるための要件である。
具体的には、(共)重合体(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算の、数平均分子量(Mn)が650以上1000以下の範囲にあり、z平均分子量(Mz)が1200以上3000以下の範囲にあり、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.0以下である。また、(共)重合体(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算の、分子量400以下の化合物の含有率が15質量%以下である。上記要件をすべて満たす(共)重合体は、低分子量成分の含有率が低いため、粘着性付与剤としての粘着性および耐熱性がより高まると考えられる。
上記観点からは、(共)重合体(A)は、以下の要件(4)を満たすことが好ましい。
(4)前記数平均分子量(Mn)が700以上950以下の範囲にあり、前記z平均分子量(Mz)が1300以上2400以下の範囲にあり、前記分散度(Mw/Mn)が1.8以下であり、かつ、前記分子量400以下の化合物の含有率が10質量%以下である。
分子量400以下の化合物の含有率は、テトラヒドロフランを溶媒とするGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法)によりポリスチレン換算にて測定された積分分子量分布曲線において、分子量400以下の曲線とベースラインとの間の領域の面積を積分により算出することによって測定することができる。
なお、上記分子量400以下の化合物の含有率の下限は特に限定されないものの、0質量%(測定限界)以上とすることができる。
また、(共)重合体(A)は、以下の要件(5)を満たすことが好ましい。
(5)その構造単位の全量に対して1モル%以上30モル%以下の、炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物に由来する構造単位を含有する。
(共)重合体(A)が、その構造単位の全量に対して1モル%以上30モル%以下の、炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物に由来する構造単位を含有すると、ベースポリマーと(共)重合体(A)との相溶性が高くなるため、粘着性組成物の透明性をより高くすることができる。また、(共)重合体(A)が、その構造単位の全量に対して1モル%以上30モル%以下の、炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物に由来する構造単位を含有すると、後述する合成方法で(共)重合体(A)を合成したときの分子量分布の調整が容易である。
上記炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物の例には、石油精製、分解時に副生する、炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物を主成分として含む、C留分およびC留分などが含まれる。
上記C留分およびC留分は、常圧下における沸点範囲が通常-15~+45℃の留分である。上記C留分およびC留分は、1-ブテン、イソブテン、2-ブテン、1,3-ブタジエン、1-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-ペンテン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、およびシクロペンタジエンなどの重合性モノマーを含んでいる。
上記C留分およびC留分は、製油所などにおける原油等の常圧蒸留(トッピング)に際して副生するガス留分を含む軽質油留分、石油のクラッキングまたはリフォーミング処理工程において副生する同様な軽質油留分、および石油化学工場における石油ナフサ分解などにおいて得られるガスを含む軽質油留分などを含む石油留分をそのまま使用してもよいし、または蒸留、抽出その他の処理を加えて所望の留分として使用してもよい。
上記観点からは、(共)重合体(A)は、その構造単位の全量に対する、炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物に由来する構造単位の含有量が、2モル%以上25モル%以下であることが好ましく、3モル%以上20モル%以下であることがより好ましく、5モル%以上15モル%以下であることがさらに好ましい。
なお、(共)重合体(A)は、上述したモノマー以外のモノマー以外の、その他のモノマーに由来する構造単位を有する共重合体であってもよい。
上記その他のモノマーの例には、ビニル芳香族化合物などが含まれる。上記ビニル芳香族化合物の例には、芳香環に置換基を有する置換スチレン、および芳香環に置換基を有する置換α-メチルスチレンなどを含むスチレン系モノマーが含まれる。上記芳香環が有する置換基の例には、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、炭素数6以上20以下のアリール基、およびハロゲン原子などが含まれる。上記ビニル芳香族化合物は、芳香環に1つの上記置換基を有してもよいし、芳香環に2つ以上の上記置換基を有してもよい。
上記置換スチレンの具体例には、メチルスチレン(α-メチルスチレンを除く)、エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロロスチレン、および3,4-ジクロロスチレンなどが含まれる。
(共)重合体(A)は、粉末状、タブレット状およびブロック状などの形状を有する固形物であってもよいし、分散媒中に分散していてもよいし、溶媒中に溶解していてもよい。
(共)重合体(A)は、イソプロペニルトルエンと、任意に共重合されるその他のモノマーとを用いて、公知の重合方法により合成することができる。上記重合は、カチオン重合であることが好ましく、フリーデル-クラフツ触媒の存在化で行われることがより好ましい。
上記フリーデル-クラフツ触媒は、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ジクロロモノエチルアルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、三弗化ホウ素、および、三弗化ホウ素のエーテル錯体またはフェノール錯体などの各種錯体などを含む、公知のフリーデル-クラフツ触媒であれば特に限定されない。これらのうち、三弗化ホウ素のフェノール錯体が好ましい。上記フリーデル-クラフツ触媒の使用量は、原料モノマーの合計100質量部に対して0.05質量部以上5質量部以下とすることができ、0.1質量部以上2質量部以下であることが好ましい。
重合反応は、重合反応時に生じる反応熱の除去、反応液粘度の抑制、分子量の調整などの観点から、原料モノマーの濃度が10~60質量%程度になるように溶媒を用いて行うことが好ましい。上記溶媒の例には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタンなどを含む脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、およびメチルシクロヘキサンなどを含む脂環族炭化水素、ならびに、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、およびメシチレンなどを含む芳香族炭化水素などが含まれる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
上記重合は、反応器内において、原料モノマーを、上記触媒の存在下、上記溶媒中で重合反応させて行うことができる。上記重合は、1段で行うこともできるが、複数段に分けて行うことが好ましい。このときの重合温度は、原料組成や目的とする分子量領域等によって異なるが、-50~50℃であることが好ましく、5~45℃であることがより好ましく、10~40℃であることがさらに好ましく、15~35℃であることが特に好ましい。重合温度を上記範囲とすることで、副反応を抑制して、低分子量成分の含有率を低下させることができる。
また、このときの反応時間は、10分~10時間であることが好ましい。
重合終了後は、塩基性水溶液、またはメタノ-ルなどのアルコールなどを含む塩基性化合物、を用いて触媒を分解した後、水洗し、未反応の原料および溶媒などをストリッピングや蒸留することによって除き、目的の(共)重合体を得ることができる。
上記未反応の原料および溶媒などの除去は、たとえば、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留などを含む物質毎の蒸気圧の差を利用して濃縮する操作、ならびに、オープンカラムおよびフラッシュカラムなどを含むシリカゲルなどの充填剤に対する親和性や分子サイズの差を利用して濃縮する方法により行うことができる。これらのうち、熱分解抑制や濃縮効率の観点から減圧蒸留が好ましい。上記減圧の範囲は特に限定されない。一方で、(共)重合体(A)の熱分解を抑制する観点からは、加熱温度は250℃以下であることが好ましく、230℃以下であることがより好ましく、210℃以下であることがさらに好ましい。
[ホットメルト接着剤組成物]
(共)重合体(A)は、ホットメルト接着剤組成物において、ベースポリマー(B)に添加する粘着性付与剤とすることができる。
ベースポリマー(B)は、ホットメルト接着剤組成物に用いられるベースポリマーであれば限定されないが、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位と共役ジエン化合物に由来する構造単位とを含む共重合体、またはその水添物であることが好ましい。
上記ビニル芳香族化合物の例には、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、3-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、インデン、およびアセナフチレンなどが含まれる。これらのうち、スチレン、およびα―メチルスチレンが好ましい。
上記共役ジエン化合物は、炭素数4以上20以下の共役ジエン化合物であることが好ましい。上記共役ジエン化合物の具体例には、ブタジエン、イソプレン、およびヘキサジエンなどが含まれる。これらのうち、ブタジエン、およびイソプレンが好ましい。
これらの要件を満たすベースポリマー(B)の具体例には、スチレン・ブタジエンランダム共重合体、スチレン・イソプレンランダム共重合体、ブタジエン・ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリイソプレンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレントリブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレントリブロック共重合体(SBS)、ポリ(α-メチルスチレン)・ポリブタジエン・ポリ(α-メチルスチレン)トリブロック共重合体、ならびに、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレントリブロック共重合体(SBS)の水添物(SEBS)、およびポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレントリブロック共重合体(SIS)の水添物(SEPS)などのこれらの水添物が含まれる。
これらのベースポリマー(B)の市販品の例には、カリフレックスTR-1101、カリフレックスTR-1107、およびカリフレックスTR-4113(クレイトン社製、「カリフレックス」は同社の登録商標)、クレイトンG-6500、クレイトンG-6521、クレイトンG-1650、クレイトンG-1652、クレイトンG-1657、クレイトンD-1117、およびクレイトンD-1165(クレイトン社製、「クレイトン」は同社の登録商標)、ならびに、ソルプレン、および水素化ソルプレン(フィリップス社製)などが含まれる。
ベースポリマー(B)は、これらのうち、非水添物であることが好ましい。
また、ベースポリマー(B)は、これらのうち、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を主体とするブロックと共役ジエン化合物に由来する構造単位を主体とするブロックとを含むブロック共重合体が好ましい。特には、加工時に粘度上昇を生じにくく、加工性に優れる観点から、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレントリブロック共重合体(SIS)、およびポリスチレン・ポリイソプレンブロック共重合体、ならびにこれらの混合物がより好ましい。
ベースポリマー(B)は、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位の含有率が10モル%以上50モル%以下であることが好ましく、共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有率が50モル%以上90モル%以下であることが好ましい。
これらのベースポリマー(B)は、一種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
上記ホットメルト接着剤組成物は、100質量部のベースポリマー(B)に対して、10質量部以上300質量部以下の、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)を含有し得る。ベースポリマー(B)および(共)重合体(A)の両者の作用をバランス良く発揮させ、さらに、良好な接着性を維持したまま、流動性を損なわれにくくする観点からは、上記ホットメルト接着剤組成物は、100質量部のベースポリマー(B)に対して、50質量部以上250質量部以下の、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)を含有することが好ましい。
なお、上記ホットメルト接着剤組成物は、ベースポリマー(B)および(共)重合体(A)以外の、その他の成分をさらに含有してもよい。上記その他の成分の例には、ワックス、軟化剤、安定剤、充填材、および酸化防止剤などが含まれる。
上記ワックスは、ホットメルト接着剤組成物に添加され得るものであれば特に限定されない。このような上記ワックスの例には、低分子量ポリエチレンワックスなどを含む合成ワックス、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスなどを含む石油系ワックス、ならびに、フィシャー・トロプシュワックスなどが含まれる。これらのうち、チーグラー触媒またはメタロセン触媒で重合された低分子量ポリエチレンワックスが好ましい。
上記軟化剤の例には、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、および芳香族系オイルなどが含まれる。これらのうち、ホットメルト接着剤組成物の凝集力を保持する観点から、ナフテン系オイル、およびパラフィン系オイルが好ましい。
上記その他の成分の含有量は、ホットメルト接着剤組成物の全質量に対して、たとえば10質量%以下とすることができる。
上記ホットメルト接着剤組成物は、上述したベースポリマー(B)、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)、およびその他の成分を、所定の配合比でブラペンダーなどの混合機に供給し、加熱して溶融混合した後、所望の形状に成形して、調製することができる。上記形状は特に限定されないが、たとえば粒子状、フレーク状、および棒状などの形状とすることができる。
上記ホットメルト接着剤組成物は、不織布、クラフト紙、アルミ箔、およびポリエステルフィルムなどを含む基材に、加熱溶融して通常の方法により塗布してホットメルト接着剤層を形成するために使用することができる。上記ホットメルト接着剤層の厚みは、用途にもよるが、たとえば5~100μm程度としうる。
上記ホットメルト接着剤組成物は、おむつおよびナプキンなどを含む衛生材料用品、粘着テープおよびラベルなどを含む事務用品、ならびに金属箔テープなどの各種用途に用いることができる。
[粘着剤組成物]
(共)重合体(A)は、粘着剤(感圧接着剤)用の粘着剤組成物において、ベースポリマー(C)に添加する粘着性付与剤とすることができる。
ベースポリマー(C)は、粘着剤組成物に用いられるベースポリマーであれば限定されないが、(メタ)アクリル樹脂であることが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは「アクリルまたはメタクリル」を意味し、(メタ)アクリレートとは「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。
(メタ)アクリル樹脂は、アクリル系モノマーまたはメタクリル系モノマーの(共)重合体である。
(メタ)アクリル樹脂は、炭素数が1以上12以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位と、水酸基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位と、を含有することが好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル樹脂が、炭素数が1以上12以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含有すると、(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)が高くなり、粘着性組成物の粘着性がより高まる。
上記観点からは、上記炭素数が1以上12以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、炭素数が1以上10以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましく、炭素数が2以上8以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、上記アルキル基は直鎖状であってもよいし、分岐を有してもよい。
上記炭素数が1以上12以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、および(メタ)アクリル酸デシル、および(メタ)アクリル酸ラウリルなどが含まれる。
(メタ)アクリル樹脂は、その構造単位の全量に対する、上記炭素数が1以上12以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量が、50モル%以上99モル%以下であることが好ましく、55モル%以上95モル%以下であることがより好ましく、60モル%以上90モル%以下であることがさらに好ましい。
また、(メタ)アクリル樹脂が、水酸基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含有すると、架橋剤による架橋点が増えるため、粘着性組成物の架橋密度が高まって高分子量化しやすくなる。このような粘着性組成物は、圧着されても被着体表面に追従し難く、圧着時の粘着性の低下が生じにくい。
上記水酸基を含有する(メタ)アクリレートの例には、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロプルおよびN-メチロール(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。これらのうち、上記観点からは、上記水酸基を含有する(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルであることが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、その構造単位の全量に対する、上記水酸基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量が、0.1モル%以上5モル%以下であることが好ましく、0.2モル%以上3モル%以下であることがより好ましく、0.3モル%以上2モル%以下であることがさらに好ましい。
なお、(メタ)アクリル樹脂は、上記炭素数が1以上12以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートまたは水酸基を含有する(メタ)アクリレートとは異なる、架橋を形成し得る官能基を有するモノマー(またはオリゴマー)に由来する構造単位を有する共重合体であってもよい。上記架橋を形成し得る官能基を有するモノマーの例には、(メタ)アクリル酸、および(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、必要に応じて上記以外のビニル系単量体に由来する構造単位を有する共重合体としてもよい。そのようなビニル系単量体の例には、スチレン、および酢酸ビニルなどが含まれる。
(メタ)アクリル樹脂は、上記各構造単位の材料となるモノマー(またはオリゴマー)を用いて、公知の重合方法により合成することができる。上記重合方法は、バルク重合法、溶液重合法、および懸濁重合法などを含むラジカル重合法であれば特に限定されない。これらのうち、(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)その他の特性の制御が容易であり、所望の特性を有する(メタ)アクリル樹脂を合成しやすいため、溶液重合法が好ましい。
重合時には、重合開始剤を用いてもよい。上記重合開始剤の例には、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエイト、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、α,α’-アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t-ヘキシルパーオキシピバレート、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ラウリロイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシネオヘキサノエート、過酸化-ジ-t-ブチル、アゾジシクロヘキシルカルボニトリル、α,α-アゾジイソ酪酸ジメチル、コハク酸過酸化物、ジクメン過酸化物、およびジクロル過酸化ベンゾイルなどが含まれる。
上記溶液重合に用いる溶媒の例には、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、およびメチルエチルケトンなどが含まれる。
上記粘着剤組成物は、その全質量に対する、ベースポリマー(C)の含有量が47質量部以上99質量部以下であることが好ましく、57.2質量部以上94質量部以下であることがより好ましく、62.5質量部以上88.5質量部以下であることがさらに好ましい。また、上記粘着剤組成物は、その全質量に対する、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)の含有量が0.5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、5質量部以上40質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上35質量部以下であることがさらに好ましい。
なお、上記粘着剤組成物は、ベースポリマー(C)および(共)重合体(A)以外の、その他の成分をさらに含有してもよい。上記その他の成分の例には、架橋剤、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、安定剤、充填剤、および酸化防止剤などが含まれる。
上記その他の成分の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、たとえば10質量%以下とすることができる。
上記粘着剤組成物は、上述したベースポリマー(C)、粘着性付与剤としての(共)重合体(A)、およびその他の成分を、所定の配合比で、任意に使用される溶媒とともに混合して、調製することができる。
上記溶媒の例には、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、およびメチルエチルケトンなどが含まれる。
上記粘着剤組成物は、樹脂フィルムなどを含む基材の表面に塗布し、塗布された上記粘着性組成物を乾燥させて各成分を架橋させることにより、作製することができる。
上記塗布方法は特に限定されず、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、およびダイコーター法などの公知の方法で塗布すればよい。上記乾燥条件も特に限定されず、80~200℃で10秒~10分間乾燥することが好ましく、80~170℃で15秒~5分間乾燥することがより好ましい。
上記粘着性組成物は、テープ、ラベル、シートおよび両面テープなどの粘着性加工品として、粘着性が要求される各種用途に使用することができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を説明するが、本発明は何ら以下の実施例に限定されるものではない。
[物性の測定]
<構造単位の含有率>
(共)重合体(A1)~(共)重合体(A8)の構造単位の含有割合(モル%)は、以下の条件で測定した13C-NMRスペクトルの解析により求めた。
装置:ブルカーバイオスピン社製AVANCEIII cryo-500型核磁気共鳴装置
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00μ秒)
ポイント数:64k
測定範囲:250ppm(-55~195ppm)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:128回
測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン-d6(4/1(体積比))
試料濃度:60mg/0.6mL
測定温度:120℃
ウインドウ関数:exponential(BF:1.0Hz)
ケミカルシフト基準:δδシグナル29.73ppm
<軟化点>
(共)重合体(A1)~(共)重合体(A8)の軟化点は、JIS K2207に準拠し、環球法により測定した。
<ガラス転移温度(Tg)>
(共)重合体(A1)~(共)重合体(A8)のガラス転移温度(Tg)は、これらの樹脂を簡易密閉パンに封入し、窒素気流下、-100℃から200℃まで、10℃/分の速度で昇温させた際のDSC曲線をJIS K7121に準拠して解析して求めた。
<数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw/Mn)、および分子量400以下の化合物の含有率>
(共)重合体(A1)~(共)重合体(A8)のの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)及び分子量分布(Mw/Mn)は、GPC測定から求めた。測定は以下の条件で行った。そして、市販の単分散標準ポリスチレンを用いた検量線から、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)を求め、Mw/Mnを算出した。また分子量400以下の化合物の含有率は、得られた分子量分布を積分して算出した。
装置:GPC HLC-8320(東ソー株式会社製)
溶剤:テトラヒドロフラン
カラム:TSKgel G7000×1、TSKgel G4000×2、TSKgel G2000×1(何れも東ソー社製)
流速:1.0ml/分
試料:20mg/mL テトラヒドロフラン溶液
温度:40℃
[(共)重合体(A)の合成]
(合成例1:(共)重合体(A1)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
攪拌翼を備えた実容量1270mlのオートクレーブの1段目に、α-メチルスチレン、スチレン、および脱水精製したトルエンの混合物(モノマーの合計/トルエン=1/1(容量比))と、脱水精製したトルエンで10倍に希釈したボロントリフロライドフェノラート錯体(フェノール1.7倍当量)と、を連続的に供給し、25℃で重合反応させた。α-メチルスチレンとスチレンとの質量比(α-メチルスチレン/スチレン)は60/40とし、モノマーおよびトルエンの混合物の供給量は1.0リットル/時間、希釈した触媒の供給量は45ミリリットル/時間とした。
当該反応混合物を2段目のオートクレーブに移送し、25℃で重合反応を続けさせた。そして、1段目と2段目のオートクレーブ中での合計滞留時間が2時間になった時点で、連続的に反応混合物をオートクレーブから排出し、滞留時間の3倍となった時点で1リットルの反応混合物を採取して重合反応を終了させた。重合終了後、採取した反応混合物に1規定のNaOH水溶液を添加し、触媒残さを脱灰させた。さらに、得られた反応混合物を多量の水で5回洗浄した後、エバポレーターで溶媒および未反応モノマーを減圧留去して、αメチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A1)を得た。(共)重合体(A1)は、軟化点が100℃、数平均分子量(Mn)が900、z平均分子量(Mz)が2300、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が1.78、分子量400以下の化合物の含有率が9%であった。
(合成例2:(共)重合体(A2)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
希釈した触媒の供給量を75ミリリットル/時間とした以外は製造例1と同じ方法で、α-メチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A2)を得た。(共)重合体(A2)は、軟化点が85℃、数平均分子量(Mn)が750、z平均分子量(Mz)が2100、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が1.73、分子量400以下の化合物の含有率が14%であった。
(合成例3:(共)重合体(A3)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
重合温度を15℃、希釈した触媒の供給量を75ミリリットル/時間とした以外は製造例1と同じ方法で、α-メチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A3)を得た。(共)重合体(A3)は、軟化点が100℃、数平均分子量(Mn)が950、z平均分子量(Mz)が3000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が1.89、分子量400以下の化合物の含有率が10%であった。
(合成例4:(共)重合体(A4)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
希釈した触媒の供給量を105ミリリットル/時間とした以外は製造例1と同じ方法で、α-メチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A4)を得た。(共)重合体(A4)は、軟化点が70℃、数平均分子量(Mn)が650、z平均分子量(Mz)が1900、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が1.69、分子量400以下の化合物の含有率が18%であった。
(合成例5:(共)重合体(A5)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
重合温度を15℃、希釈した触媒の供給量を105ミリリットル/時間とした以外は製造例1と同じ方法で、α-メチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A5)を得た。(共)重合体(A5)は、軟化点が85℃、数平均分子量(Mn)が700、z平均分子量(Mz)が3200、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.00、分子量400以下の化合物の含有率が17%であった。
(合成例6:(共)重合体(A6)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
重合温度を5℃、希釈した触媒の供給量を105ミリリットル/時間とした以外は製造例1と同じ方法で、α-メチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A6)を得た。(共)重合体(A6)は、軟化点が125℃、数平均分子量(Mn)が1300、z平均分子量(Mz)が5600、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.38、分子量400以下の化合物の含有率が7%であった。
(合成例7:(共)重合体(A7)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
重合温度を5℃、希釈した触媒の供給量を120ミリリットル/時間とした以外は製造例1と同じ方法で、α-メチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A7)を得た。(共)重合体(A7)は、軟化点が100℃、数平均分子量(Mn)が900、z平均分子量(Mz)が4800、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.22、分子量400以下の化合物の含有率が12%であった。
(合成例8:(共)重合体(A8)(α-メチルスチレン・スチレン共重合体)の合成)
重合温度を5℃、希釈した触媒の供給量を130ミリリットル/時間とした以外は製造例1と同じ方法で、α-メチルスチレン・スチレン共重合体である(共)重合体(A8)を得た。(共)重合体(A8)は、軟化点が75℃、数平均分子量(Mn)が650、z平均分子量(Mz)が3650、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.08、分子量400以下の化合物の含有率が23%であった。
(共)重合体(A1)~(共)重合体(A8)の、重合温度、組成、軟化点、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)、および分子量400以下の化合物の含有率を、表1に示す。なお、表1中、「αMS」とは、α-メチルスチレンを表し、「St」とは、スチレンを表す。
Figure 0007286434000001
[ホットメルト接着剤組成物の作製および評価]
ベースポリマー(B)としてスチレン・イソプレン・スチレン三元ブロック共重合体とスチレン-イソプレン二元ブロック共重合体の混合物(クレイトン社製、クレイトンD-1165、スチレンに由来する構造単位の含有率:30モル%)を用意した。100質量部のベースポリマー(B)に対して、200質量部となる量の粘着性付与剤としての(共)重合体(A1)~(共)重合体(A8)のいずれかを配合し、株式会社東洋精機製作所製、ラボプラストミルを使用して180℃で15分混練し、ホットメルト接着剤組成物を製造した。
<接着性の評価>
得られたホットメルト接着剤組成物を、2つのアルミ箔(50μm)のそれぞれに厚さ25μmとなるように塗工し、ホットメルト接着剤層を形成した。次いで、これらのホットメルト接着剤層同士を張り合わせ、上部バー120℃、下部バー120℃、3kg/cm、10秒加熱の条件でヒートシールし、さらに25mm幅に切断し、測定試料を作成した。この測定試料を、20℃または80℃の測定温度下でT型剥離試験に供し、接着強度を測定した(引張速度:300mm/min)。
<耐熱性の評価>
上記測定試料に500gの荷重をかけて、昇温速度25℃/hrで昇温させた。このときに荷重が落下するときの温度を測定し、耐熱クリープ性の評価に用いた。
作製したホットメルト接着剤組成物の配合、ならびに接着性および耐熱性の評価を、表2に示す。
Figure 0007286434000002
表2から明らかなように、要件(1)~(3)のすべてを満たす(共)重合体は、粘着性付与剤として使用したときに、ホットメルト接着剤組成物の耐熱性を維持したまま、十分な粘着性を付与できていた。
本発明の(共)重合体によれば、粘着性および耐熱性がいずれも高いホットメルト接着剤および粘着剤などに使用できる。

Claims (3)

  1. 以下の(1)~()をすべて満たす、(共)重合体。
    (1)その構造単位の全量に対して50モル%以上100モル%以下の、スチレンおよびα-メチルスチレンからなる群から選ばれるモノマーに由来する構造単位を含有する。
    (2)環球法で測定された軟化点が50~150℃の範囲にある。
    (3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算の、数平均分子量(Mn)が650以上1000以下の範囲にあり、z平均分子量(Mz)が1200以上3000以下の範囲にあり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分散度(Mw/Mn)が2.0以下であり、かつ、分子量400以下の化合物の含有率が15質量%以下である。
    (4)前記数平均分子量(Mn)が700以上950以下の範囲にあり、前記z平均分子量(Mz)が1300以上2400以下の範囲にあり、前記分散度(Mw/Mn)が1.8以下であり、かつ、前記分子量400以下の化合物の含有率が10質量%以下である。
  2. 以下の(5)を満たす、請求項に記載の(共)重合体。
    (5)その構造単位の全量に対して1モル%以上30モル%以下の、炭素数4または5の不飽和脂肪族炭化水素化合物に由来する構造単位を含有する。
  3. 請求項1または2に記載の(共)重合体を含有する、粘着性付与剤。
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