以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(実施形態)
図1~図9Bを参照して本発明の1つの実施形態にかかる目元用美容装置1(刺激付与装置)について詳細に説明する。図1は、目元用美容装置1の斜視図である。図2は、目元用美容装置1を装着した状態を正面から見た概略図である。図3は、目元用美容装置1を上から見た図である。図4は、目元用美容装置1を背面から見た図である。
図5は、振動伝達部524の斜視図である。図6は、振動伝達部524を正面側から見た図である。図7は、振動伝達部524を上側から見た図である。図8は、変位機構60を示す概略図である。なお、図8では、図を見やすくするためにハウジング10を破線で示している。図9Aは、制御部70の構成図である。図9Bは、制御装置72の機能ブロック図である。
図1~図9Bの内の所定の図(例えば、図2)において、それぞれ互いに直交するx、y及びzの座標軸を図示している。これらの軸によって図2を基準として方向がわかるようになっている。例えば、図2に示すように目元用美容装置1を正面から見たときの左右方向をx軸の方向、前後方向をy軸の方向、高さ(上下)方向をz軸の方向としている。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたもの(例えば図2のy軸)は図面の表から裏に向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「●」が記載されたもの(例えば図3のz軸)は図面の裏から表に向かう矢印を意味する。
図1~図4に示すように、目元用美容装置1は、ハウジング(保持体)10、スイッチ群20、動作表示部30、電源40、一対の刺激付与ユニット50(刺激付与部)、変位機構60、制御部70及び中間接続基板80を備える。
目元用美容装置1には、ここでは図示を省略したバンド(目元用美容装置1をユーザUの顔に装着するためのもの)を取り付けることもできる。また、目元用美容装置1は、ここでは図示を省略した電源接続端子を備えており、外部電源(例えば、商用電源やモバイルバッテリーやパソコンなど)から電力を得ることができる。
目元用美容装置1は、一対の刺激付与ユニット50によってユーザUに振動、叩き、光、電気又は熱のうちの少なくとも一つの刺激を与える刺激付与装置である。
図2に示すように目元用美容装置1は、ユーザUの顔に装着された際、一対の刺激付与ユニット50が少なくともユーザUの目元(眼頭及び目尻を含む部位)を覆い、目元以外の眼部や、鼻や、口などは露出するように構成されている。
振動による刺激は、ユーザUの肌面を震わせるものである。振動によって、ユーザUは、肌の血行を改善したり、ユーザUをリラックスさせたりする効果を期待することができる。
叩きによる刺激の1つはツボ(経穴)を押すことである。「ツボ(経穴)」とは、中医学、漢方医学、経絡学の概念である。体内の異常に応じて体表の特定の部位に対応して現れるもので指圧、鍼、灸などで刺激を与えることでユーザUの体調の調整、ユーザUにとって不快な様々な症状(例えば、だるさ、むくみなど)の緩和を図るものである。また、ユーザUは、血行をよくして皮膚のシワを改善する効果も期待することができる。
目元にも様々なツボが存在しており、例えば、眼頭近くの「清明(せいめい)」目尻の近くに位置する「瞳子りょう(どうしりょう)」、目尻と眼頭の間にある「承泣(しょうきゅう)」及びこめかみの近くの「太陽(たいよう)」などが知られている。
光による刺激の1つは、発光装置(例えば、LED)の光を肌面に供給することである。青色光の照射によって、ユーザUは、例えばニキビの改善を期待することができる。赤色光の照射によって、ユーザUは、例えばシミやしわの緩和、肌の新陳代謝の促進を期待することができる。黄色光の照射によって、ユーザUは、例えばリンパの流れを活性化させて損傷した細胞の修復の促進を期待することができる。
電気による刺激の1つは、例えばEMSである。「EMS」とはElectrical Muscle Stimulation:電気的筋肉刺激の頭文字である。ユーザUの肌にパルス性の電流(EMS用電流)を流して、ユーザUの筋肉を強制的に収縮運動させることにより、リンパ液の流れを促進させて疲労回復等のトリートメントを行ったり、筋肉の強化を図ったりすることができる。
なお、目元用美容装置1は、肌面にはEMS用電流とは異なる電流を流すこともできる。「EMS用電流とは異なる電流」とは、例えば、EMS電流よりも弱い電流や、EMS電流の周波数と異なる周波数の電流や、ユーザUに極めて知覚されにくい電流(マイクロカレントともいう)である。
また、電気による刺激には、イオン導入又はイオン導出と言われる美容処理を含めてもよい。
イオン導入は、微弱な電気を使用して、ビタミンCを真皮まで浸透させる美容処理である。イオン導出は、微弱な電気を使用して、洗顔やクレンジングでは落としきれない毛穴の汚れやメイク残りをイオンの力で浮かせる美容処理である。
熱による刺激の1つは、肌を温める(加熱する)ことである。熱による刺激の1つに、肌を冷却する(吸熱する)ことを含めてもよい。以下、ユーザUの肌面に熱による刺激を与えることを熱的制御と称す。
目元用美容装置1は、刺激を与えられる肌面と対応する側に位置し刺激感を向上させる刺激補助部を少なくとも1つ備えている。この実施形態では一例として、刺激補助部は4つある。
詳細は後で説明するが、刺激補助部の1つは、図1に示したハウジング10の正面部101の開放部10aである。刺激補助部の1つは、図5に示した刺激付与ユニット50が備える振動伝達部524である。刺激補助部の1つは、図8に示した変位機構60が備えるスライド部(スライダーともいう)610である。刺激補助部の1つは、図8に示した変位機構60が備える回転部620である。
図1に示すようハウジング10は、全体的に略U字状(略馬蹄形状ともいう)を備えている。ハウジング10は、例えば、プラスチックで形成されており所定の剛性を備えている。
ハウジング10は、正面部101と、第1の側面部102と、この第1の側面部102の反対側に位置する第2の側面部103を備えている。
ハウジング10は、正面部101、第1の側面部102及び第2の側面部103を含めて、ユーザUの頭囲の半分以上を囲う長さを備えることが望ましい。頭囲の半分以上を囲うことによって目元用美容装置1を装着した状態でユーザUが立ち上がったり、下を見たりするなどの体位の変化があっても、目元用美容装置1が落下しにくくなり、安全性が向上する。
なお、このような長さは、多数の男女の目元周囲の形状をサンプリングして得られる平均的な長さであることが望ましい。
ハウジング10は、正面側(ハウジング10を全体的に見た場合に、目元用美容装置1の装着時にユーザUの顔の正面に位置する側であり、正面部101が位置する側)が、上方から下方(図2のz軸のマイナス方向)に向かって凹状に切り欠かれている。
凹状の切り欠き部分を囲う正面部101の一部、第1の側面部102の一部及び第2の側面部103の一部を指して開放部10aという。正面部101、第1の側面部102及び第2の側面部103の間に位置する空間を含めて開放部10aと呼んでもよい。開放部10aは、1の刺激補助部である。
開放部10aは、上記したようにハウジング10を凹状に切り欠いたり、貫通孔を設けたりすることで形成される。また、例えば、射出成型によってハウジング10を図1などに示した形状に成型することで、物理的にハウジング10を切り欠いたり、貫通孔を設けたりする加工を行わなくとも、開放部10aを形成することができる。
開放部10aによってユーザUの視界が確保される。したがって、ユーザUの目元に上記した振動、叩き、光、電気又は熱のうちの少なくとも一つの刺激を与えながら、さらに視覚的な刺激をユーザUに与えることができる。
正面部101は、上面101a、底面101b、正面101c、裏面101dを備える。
正面部101は、目元用美容装置1がユーザUの顔に装着された際に、顔を横断する。正面部101は、目元用美容装置1の装着時にユーザUの鼻が邪魔にならないようにするための孔101eも備える。孔101eは、正面部101の略中央部の底面101b側に位置する。
上面101aは、開放部10aが設けられていることによって第1の側面部102の上面102aや第2の側面部103の上面103aよりも高さ(正面部101の底面101bを基準にしたときの上方に突出する長さ)が低い(短い)。なお上面101a、上面102a及び上面103aは、目元用美容装置1を全体として見た場合のハウジング10の上面に相当する。
正面部101と第1の側面部102の接続部(以下、接続部104ともいう)は弾性変形しやすくなっている。正面部101と第2の側面部103の接続部も同様である。
接続部104が弾性変形することによって第1の側面部102及び第2の側面部103が各々外側に広がるのでユーザUは、目元用美容装置1を容易に装着することができる。
接続部104は、例えば、全体的に蛇腹状に形成されるなどして、ある箇所(第1の箇所)の断面とその他の箇所(第2の箇所)の断面が異なるように(すなわち、断面二次モーメントが異なるように)形成されることで弾性を備えることができる。なお、弾性変形が可能であれば接続部104の断面形状は特に限定されない。
第1の側面部102は、制御部70を収容し、第2の側面部103は、電源40を収容する。第1の側面部102及び第2の側面部103は、正面部101の両端部にそれぞれ接続する。
スイッチ群20は、第1の側面部102の外側面(ユーザUが目元用美容装置1を装着した際に外部に露出する面。ユーザUの側頭部とは反対側の面ともいう。)に設けられている。スイッチ群20は、ユーザUによって操作されるので、一部が第1の側面部102の外側面から露出している。
スイッチ群20によって、目元用美容装置1の電源のON又はOFFや動作モードの変更が可能になる。「動作モードの変更」とは、ユーザUに与えられる刺激の組み合わせや強弱の変更を意味する。なお、スイッチ群20の配置位置は特に限定されず、例えば、正面部101や第2の側面部103に位置してもよい。
動作表示部30は、例えば、LED(light emitting diode)などの発光素子を用いて実現されるインジケータである。
動作表示部30は、目元用美容装置1の動作状態(例えば、電源のONやOFFの状態や動作モード)をユーザUが視認するために設けられる。
動作表示部30は、正面部101の外側面(ユーザUが目元用美容装置1を装着した際に外部に露出する面)に設けられている。ここでは一例として、動作表示部30は、正面部101の上面101aの略中央部に設けられている。
動作表示部30をこの位置に設けることで、ユーザUは、目元用美容装置1を取り外すことなく、装着したままで目元用美容装置1の動作状態を視認することができる。
動作表示部30は、目元用美容装置1の動作状態を光の色や、点滅パターンで報知することができる。
動作表示部30の配置位置はこの位置に限定されず、例えば、第1の側面部102や第2の側面部103に位置してもよい。
動作表示部30として、ディスプレイ装置(例えば、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ)を採用してもよい。ディスプレイ装置を用いる場合、開放部10a内に動作表示部30を配置して、目元用美容装置1をヘッドマウントディスプレイタイプの装置にすることもできる。
ヘッドマウントディスプレイタイプとする場合、単眼型や、視界を完全に塞がない非透過型を採用することで、目に入ってくる情報量が増えて目元用美容装置1の使用中の視覚的な刺激を増やすことができる。
電源40は、第2の側面部103に配置される。電源40は、例えば電池(例えば、一次電池、二次電池又は燃料電池)である。目元用美容装置1を外部電源の電力のみで動作させるように構成する場合、電源40は備えずともよい。
一対の刺激付与ユニット50には、右目用の刺激付与ユニット50Rと左目用の刺激付与ユニット50Lがある。刺激付与ユニット50R及び刺激付与ユニット50Lは、互いに対称的な形状を有している。図3に示すように正面部101の裏面101dに並んで配置される。
刺激付与ユニット50R及び刺激付与ユニット50Lは、構成及び機能が共通している。したがって、以下の説明では、一対の刺激付与ユニット50(刺激付与ユニット50R及び刺激付与ユニット50L)を「刺激付与ユニット50」としてまとめて説明する。
ただし、必要に応じて刺激付与ユニット50R及び刺激付与ユニット50Lを個別に説明する。
刺激付与ユニット50は、筐体510、振動部520、電極部530(図3参照)、ヒータ540及び発光部550(図4参照)を備えている。
筐体510は、ハウジング10と同様に、例えば、プラスチックで形成されており所定の剛性を備えている。
刺激付与ユニット50は、ハウジング10の裏面101dに回転及びスライド可能に設けられる。回転及びスライドについては後で説明する。
筐体510は、振動部520、電極部530、発光部550及びヒータ540を収容する。
筐体510は、全体的にx軸方向に長く形成されており、全体的にy軸方向に緩くカーブしている。図2に示すように少なくとも筐体510は、ユーザUの目の幅(例えば、右目の眼頭から右目の目尻までの長さ。左目も同様)よりも長く形成されている。
図4に示すように筐体510の上面510aは、ユーザUの視界を邪魔しないように一部がスロープ状に形成されている(図4の符号「511」参照)。
したがって、図4に示すように目元用美容装置1の101dを正面に見たときの上面510aの輪郭の形状は、略クランク形状(S字やZ字の形状を崩したような形状ともいう)となる。
「ユーザUの視界を邪魔しない」ために上面510aの一番低い部分の高さ(正面部101の底面101bを基準にしたときの上方に突出する長さ)は、ハウジング10(正面部101)の上面101aと同等であることが望ましい。
筐体510は、接触面510bを備えている。
接触面510bは、目元用美容装置1をユーザUが装着時したときにユーザUの肌面に接触する接触部である。接触面510bは、人体の曲面に対応させて曲面形状を備えている。
このような曲面は、多数の男女の目元周囲の形状をサンプリングして得られる平均的な形状であることが望ましい。
接触面510bには、振動部520の一部(この後説明する第1叩き部521や第2叩き部522)、電極部530及び発光部550が配置される。
振動部520は、第1叩き部521、第2叩き部522、振動モータ523及び振動伝達部524(1の刺激補助部)を備える。
図4に示すように第1叩き部521及び第2叩き部522は並んで配置されている。第1叩き部521は、ユーザUの目頭側に位置し、第2叩き部522は、ユーザUの目尻側に位置している。
第1叩き部521及び第2叩き部522は、目元用美容装置1の装着時にユーザUの肌面に当節される。第1叩き部521及び第2叩き部522は、振動伝達部524の一部に筐体510内から押されて、ユーザUの肌面に叩く刺激を与える。
第1叩き部521及び第2叩き部522は、ユーザUに心地よい叩きの刺激を与えるために、可撓性、伸縮性、弾性のうちの少なくとも一つを備える部材(例えば、ゴム、樹脂、発泡プラスチック、布類など)で形成されることが望ましい。
振動モータ523は、刺激付与ユニット50Rの場合、筐体510の中の第1の側面部102側に位置する。同様に刺激付与ユニット50Lの場合、筐体510の中の第2の側面部103側に位置する。振動モータ523がこのようにハウジング10の中央部を中心として略左右対称に位置することによって、目元用美容装置1の重量バランスが良くなる。
図5に示すように振動モータ523は、モータ本体523a及びおもり(例えば、分銅)523bを備えている。振動モータ523は、振動伝達部524に取り付けられる。
振動モータ523により発生する振動エネルギーは、振動伝達部524を介して肌面を叩く方向のエネルギーに変換され、第1叩き部521(図4参照)及び第2叩き部522(図4参照)に伝わる。
なお、振動モータ523の振動エネルギーの多くは第1叩き部521及び第2叩き部522に伝わるが、筐体510にも伝わるので、筐体510は振動する。この結果、第1叩き部521及び第2叩き部522による叩く刺激と、筐体510の振動の刺激をユーザUの肌面に与えることができる。
振動モータ523は、図5に示すように、この後説明する振動伝達部524の軸部526からおもり523bが離れるように(ここでは、斜め方向に離れるように)振動伝達部524に取り付けられる。
おもり523bは、振動伝達部524から離れた距離に応じて、より大きなモーメントを発生させる。距離によってモーメントが大きくなれば、おもり523bを大きくしなくても十分な刺激をユーザUに与えることができる。この結果、目元用美容装置1の重量が大きくなってしまうことを抑制することができるし、目元用美容装置1をコンパクトにすることができる。
なお、振動モータ523の替わりに、例えばリニアバイブレータや圧電素子などの振動子を刺激付与ユニット50が備えてもよい。
図5~図7に示すように、振動伝達部524は、軸部526、腕部527、モータ保持部528を備える。なお、図5~図7に示す振動伝達部524は、刺激付与ユニット50Rが備えるものである。
刺激付与ユニット50Rと刺激付与ユニット50Lは対称性を有するので、刺激付与ユニット50Lの振動伝達部524は、刺激付与ユニット50Rの振動伝達部524とは形状が逆になる。ただし、構成や作用は共通するので、ここでは刺激付与ユニット50Rの振動伝達部524のみ詳細に説明する。
振動伝達部524は、梃子(てこ)の原理により、力点に対応する振動モータ523の振動エネルギーを、支点に対応する軸部526によって、ユーザの肌面を叩くエネルギーに変換する。この叩くエネルギーが、作用点に対応する腕部527の先端及びモータ保持部528の先端を介して第1叩き部521(図4参照)及び第2叩き部522(図4参照)にそれぞれ伝わることで、ユーザUの肌面を叩くことができる。
なお、振動伝達部524の少なくとも一部(例えば、この後説明する軸部526、胴部526a、接触面527a又は接触面528aなど)を、金属などの高伝熱材料で構成してもいい。これにより、振動モータ523の消費電力で副次的に発生する熱エネルギーを第1叩き部521及び/又は第2叩き部522を通して、ユーザUの肌に伝達することができ、体感をさらに良くすることができる。
図5に示すように、軸部526は、胴部526a、第1の回転軸526b及び第2の回転軸部526cを備えている。
胴部526aは、第1の回転軸526b及び第2の回転軸部526cを支えるベースである。
第1の回転軸526b及び第2の回転軸部526cは、胴部526aの第1の端部及びこの第1の端部の反対側の第2の端部からそれぞれ突出している。
第1の回転軸526b及び第2の回転軸部526cは、筐体510(図4参照)に回転可能に設けられる。この結果、振動伝達部524全体が筐体510と相対的に回転する。このときの回転軸を回転軸Ax1と称す。なお、振動伝達部524全体が筐体510と相対的に回転可能であれば、軸部526の形状及び構成は特に限定されない。
腕部527は、胴部526aから横方向に突出している。「横方向」とは、回転軸Ax1と腕部527がなす角度が所定(例えば、0度より大きく180度より小さい)角度であることを意味する。ここでは、腕部527は、回転軸Ax1となす角度が略90度となる水平方向に突出している。
図6に示すように腕部527の先端部には、図4に示した第1叩き部521と接触する接触面527aが設けられる。接触面527aが、第1叩き部521(図4参照)を筐体510内からユーザUの肌面方向に叩くことで、結果的にユーザUの肌面が叩かれる。
モータ保持部528は、腕部527とは異なる方向(ここでは略反対方向)に向かって胴部526aから横方向(ここでは、一例として全体として回転軸Ax1となす角度が略45度程度)に突出している。
モータ保持部528は、振動モータ523(図5参照)を保持する。モータ保持部528から振動モータ523に向かってリード線529(図5参照)が設けられる。
リード線529は振動モータ523の基端側(おもり523bが設けられた方とは逆側)に取り付けられて振動モータ523に電力を供給する。このことによりリード線529が不要に長くなってしまうことを抑制でき、振動モータ523の回転によるリード線529自身の振動(振幅)を小さくすることができる。この結果、リード線529が断線してしまうことを抑制することができる。このことは、目元用美容装置1の品質向上につながる。
図6に示すようにモータ保持部528の表面側(振動モータ523が保持される側とは逆側。腕部527の接触面527aと対応する側。)には、第2叩き部522(図4参照)と接触する接触面528aが設けられる。接触面528aが、第2叩き部522を筐体510内からユーザUの肌面方向に叩くことで、第1叩き部521に叩かれるユーザUの肌面の部位とは異なる部位が叩かれる。
図7に示すように振動モータ523のおもり523bは、例えば時計回りに回転する(図中の矢印Ar1参照)。振動伝達部524は、おもり523bの偏心回転に対応して往復的に回転する。
詳述すると、例えば、おもり523bが図7に示した位置から時計回りに半回転した場合、振動伝達部524のモータ保持部528側は、軸部526の回転軸Ax1を境に接触面528aが第2叩き部522(図4参照)から離れる方向に移動(図中の矢印Ar2参照)する。
その逆に振動伝達部524の腕部527側は、軸部526の回転軸Ax1を境に接触面527aが第1叩き部521(図4参照)と接触する方向に移動する(図中の矢印Ar3参照)。
この結果として、接触面527aが第1叩き部521を叩いてユーザUの肌面を叩く。
おもり523bがさらに時計回りに半回転する(図中の矢印Ar4参照)と、振動伝達部524のモータ保持部528側は、軸部526の回転軸Ax1を境に今度は接触面528aが第2叩き部522(図4参照)と接触する方向に移動する(図中の矢印Ar5参照)。
その逆に振動伝達部524の腕部527側は、軸部526の回転軸Ax1を境に今度は接触面527aが第1叩き部521(図4参照)から離れる方向に移動する(図中の矢印Ar6参照)。
この結果として、接触面527aと第1叩き部521との接触が断ち切られて第1叩き部521によるユーザUの肌面への叩きが終了するとともに、接触面528aが第2叩き部522を叩いてユーザUの肌面を叩く。
この動作を繰り返すことで、ユーザUの肌面へ心地よい叩きの刺激を与えることができる。
電極部530は、図4に示すように第1電極部530a及び第2電極部530bを備えている。第1電極部530aは、第1叩き部521の周りに位置する。第2電極部530bは、第2叩き部522の周りに位置する。
第1電極部530a及び第2電極部530b間に電圧を印加することによってユーザUの肌面に電流を流すことができる。
第1電極部530a及び第2電極部530bは、例えば、金属化合物又は炭素化合物のどちらか一方を少なくとも含むことができる。又は、これらを含む樹脂で第1電極部530a及び第2電極部530bを形成してもよい。
第1電極部530a及び第2電極部530bは射出成型によって形成されることで、人体の曲面に合わせた複雑な形状を備えることができ、電流や熱を効率よく肌面に供給させやすくなる。
刺激付与ユニット50Rは、複数の第1電極部530a及び複数の第2電極部530bを備えてもよい。複数の第1電極部530aが接触面527aを取り囲むように位置してもよい。
この場合、個々の第1電極部530aは互いに離れて位置する。同様に複数の第2電極部530bが接触面528aを取り囲むように位置してもよい。刺激付与ユニット50Lも同様である。
第1電極部530a及び第2電極部530bへの電圧の印加は、制御部70が行う。制御部70は、刺激付与ユニット50Rに位置する複数のうちの一対の第1電極部530a間に電圧をかけたり、複数のうちの一対の第2電極部530b間に電圧をかけたりすることができる。また、複数のうちの1の第1電極部530a及び複数のうちの1の第2電極部530b間に電圧をかけたりすることもできる。
また、制御部70は、刺激付与ユニット50R及び刺激付与ユニット50Lの各電極の所定のペアに電圧を印加することもできる。
ヒータ540は、第1電極部530a及び/又は第2電極部530bと熱的に接続している。
ヒータ540は、第1電極部530a及び/又は第2電極部530bを介してユーザUの肌面を温める(すなわち熱的な刺激をユーザUに与える)。ヒータ540の配置位置は特に限定されず、ヒータ540は、筐体510内の所定箇所に位置する。ヒータ540は、例えば振動モータ523の近傍に位置する。
ヒータ540は、例えば、熱放射によって第1電極部530a及び/又は第2電極部530bを加熱する。ヒータ540は、第1電極部530a及び/又は第2電極部530bを直接的に接触して加熱してもよい。ヒータ540と第1電極部530a及び/又は第2電極部530bの間に熱良導体を介在させてもよい。
ヒータ540は、特に限定されず、例えば、セメント抵抗やペルチェ素子を採用することができる。ペルチェ素子を採用する場合、第1電極部530a及び/又は第2電極部530bを加熱するだけではなく、冷却することもできる。この場合、ユーザUの肌面に温又は冷の刺激を与えることができる。
発光部550は、例えば、図示しないLEDを備え、ユーザUの肌面に様々な色の光を照射する。発光部550の配置位置は、特に限定されず接触面510bの所定の場所に位置することができる。
図8に示すように変位機構60は、スライド部610及び回転部620を備えている。変位機構60は、筐体510やハウジング10と同様に、例えば、プラスチックで形成されており所定の剛性を備えている。
変位機構60は、刺激付与ユニット50R及び刺激付与ユニット50Lに対応して正面部101内に設けられる。したがって、ここでは、同様の構成を有する一対の変位機構60が正面部101内に一対設けられる。
変位機構60が、スライド部610及び回転部620を備えることによって、刺激付与ユニット50とハウジング10を互いに相対的に移動及び回転可能に接続される。
詳述すると、スライド部610は、図8に示すように目元用美容装置1を上面側から見た場合、刺激付与ユニット50がハウジング10の長手方向(水平方向)に沿って移動(スライド)するように刺激付与ユニット50とハウジング10を接続する。この結果、刺激付与ユニット50R及び刺激付与ユニット50Lは、各々独立して移動可能であり、例えば、互いに近づくように又は離れるように移動することができる。
スライド部610による刺激付与ユニット50の移動方向は、特に限定されないが、例えば、この後説明する仮想的な基準線L2又は仮想線L3に略並行に移動することが望ましい。
スライド部610は、本体611、係止部612、第1の腕部613及び第2の腕部614を備えている。
本体611は、目元用美容装置1を上面側から見た場合、刺激付与ユニット50に向かって開口する開口611aを備える略C字状の筒体である。開口611a内には、回転部620が回転可能にかつ脱落しないように設けられる。本体611は、回転部620を介して刺激付与ユニット50を保持する。
本体611は、ハウジング10の正面部101内部に形成された空間101fに位置しており、空間101f内を移動する。
係止部612は、本体611の開口611a内に位置する。係止部612は、本体611と同心的に配置された円柱体であり、その直径は、本体611よりも小さい。したがって、係止部612の外周面と、本体611の内周面(開口611a内の壁面)との間には空間があいている。
第1の腕部613は、刺激付与ユニット50の移動方向に向かって本体611から突出している。第1の腕部613は、刺激付与ユニット50の移動方向に向かって空間101fから突出する溝部101g内に少なくとも一部が進退可能に挿入されている。第1の腕部613は、溝部101gによって移動方向がガイドされる。
第2の腕部614は、刺激付与ユニット50の移動方向に向かってかつ第1の腕部613とは逆方向に本体611から突出している。第2の腕部614は、刺激付与ユニット50の移動方向に向かってかつ溝部101gとは逆方向に空間101fから突出する溝部101h内に少なくとも一部が進退可能に挿入されている。第2の腕部614は、溝部101hによって、移動方向がガイドされる。
上記した第1の腕部613及び第2の腕部614の先端部は、溝部101g及び溝部101h内にそれぞれ常に位置している。この結果、スライド部610がハウジング10から脱落してしまうことがない。
スライド部610は、移動に対してある程度抵抗力を持つことが望ましい。すなわち、ユーザUがある程度力をこめることで移動し、それ以外はその場に留まることが望ましい。
このような機能は、例えばゴムや金属板を用いることで得られる摩擦力によって実現することができる。また、例えば、第1の腕部613及び/又は第2の腕部614に凸状の爪を設け、溝部101g及び/又は溝部101hにこの爪が引っかかる溝を設けるようにしてもよい(爪と溝の形成関係は逆でも良い)。また、バネなどの弾性体を用いてもよい。
なお、刺激付与ユニット50がスライド可能であれば、スライドのための構成は特に限定されない。例えば溝部101g及び溝部101hの代わりに、刺激付与ユニット50の移動方向に向かって伸びる棒状のレールを設けて、スライド部610がこのレール上を移動するように構成してもよい。
回転部620は、略中央部に縁が円状の孔が設けられた略円筒状(略円環状ともいう)の部材である。回転部620の孔に係止部612が挿入されることによって、回転部620がハウジング10から脱落してしまうことが防止される。
回転部620は、目元用美容装置1を上面側見た場合の時計回り方向又は反時計回り方向に刺激付与ユニット50が回転するように刺激付与ユニット50とハウジング10を接続する。
回転部620は、スライド部610の本体611の内周面及び係止部612の外周面とそれぞれ対応する外周面及び内周面を備えており、スライド部610と相対的に回転する。
回転部620の一部はスライド部610の本体611の開口611aから露出しており、ハウジング10から外(目元用美容装置1装着時にユーザUの顔がある方向)に突出している。
この突出した回転部620の一部は刺激付与ユニット50に固定されている。したがって、刺激付与ユニット50は、回転部620と一体的にスライド部610と相対的に回転する。この結果として、刺激付与ユニット50は回転部620を回転軸としてハウジング10に対して相対的に回転する。
なお、上記したリード線529は、筐体510から回転部620を通ってハウジング10内部に配線され、ハウジング10内で中間接続基板80及び/又は制御部70に電気的に接続されてもよい。これにより、刺激付与ユニット50を回転及び/又スライドする場合でも、リード線529はハウジング10の外部に露出しないので、断線などの品質不具合を防止できる。
突出した回転部620の一部の突出方向(図中の仮想線L1参照)の、仮想的な基準線L2に対する角度θ(絶対値)は、少なくとも0度よりも大きく180度よりも小さい範囲内あり、好ましくは40度以上~50度以下、より好ましくは43度以上~47度以下、さらにより好ましくは44度以上~46度以下である。この角度は、人体の顔が曲面であることを勘案して決定されている。
なお、仮想的な基準線L2は、x軸に沿っており、より詳細には、人の右目(又は左目)から左目(又は右目)に向かう方向に沿って延びている。
このように人体の顔が曲面であることを勘案して回転部620の一部を所定の角度で突出させることで、刺激付与ユニット50の配置方向を人体の顔の曲面に対応させることができる。この結果、ユーザUの肌面への刺激付与ユニット50の接触性を向上させることができる。
回転部620は、目元用美容装置1の中央部(孔101eが形成される部分)よりも目尻側に位置している。この配置によって、ユーザUの目頭と目尻間の間に回転部620を位置させやすくなる。
回転部620の配置位置は、刺激付与ユニット50から規定することもできる。例えば、筐体510の第1の側面(目元用美容装置1の装着時に目尻側に位置し、接触面510bを含まず、かつ他方の刺激付与ユニット50から遠い方の側面)510cの所定の一点と、第2の側面(第1の側面510cとは反対側の側面)510dの所定の一点を最短で結ぶ仮想線L3の中点Pから仮想的な基準線L2までを最短で結ぶ仮想線L4よりも目尻側を回転部620の配置位置とすることができる。
なお、回転部620は、回転に対してある程度抵抗力を持つことが望ましい。抵抗力の実現手段は、スライド部610と同様である。本体611と刺激付与ユニット50を一体的に形成するようにしてもよい。
さらに、回転部620及び/又はスライド部610の少なくとも一部は、例えば、図示しないゴムブッシュなどの弾性材料で構成されてもよい。この構成によって刺激付与ユニット50を弾性的にハウジング10に接続すれば、刺激付与ユニット50内で発生した振動をハウジング10に伝わりにくくすることができる。この結果、例えば、制御部70が振動してしまうことを抑制することができ、目元用美容装置1が故障してしまうことを効果的に抑制することができる。また、この結果、例えば、スイッチ群20がハウジング10に伝わった振動によって揺らされることで振動音が発生してしまうことも効果的に抑制することができる。
ここでは図示を省略したが、回転部620には、刺激付与ユニット50が収容する各部に電力を供給するための配線が設けられるための孔が設けられる。この孔を介して配線を設けることによって刺激付与ユニット50がスライド及び/又は回転しても刺激付与ユニット50が収容する各部に電力を供給することができる。
図9Aに示すように、制御部70は、メモリ装置71、制御装置72、I/O(Input/Output)部73を少なくとも備える。メモリ装置71、制御装置72、I/O部73は、バス74によって電気的に接続される。
制御部70は、電子回路基板上にメモリ装置71、制御装置72、I/O部73や種々の電気回路や電子回路を実装することで実現できる。
メモリ装置71は、例えば、ROM(read only memory)やRAM(Random Access Memory)である。メモリ装置71には、例えば、目元用美容装置1を動作させるためのプログラムや様々な設定値(例えば、上記した電流や光の強さや、供給時間など)が記憶される。
制御装置72は、例えば、CPU(Central Processing unit)、MPU(Micro-processing unit)、システムLSIなどである。制御装置72がプログラムを実行することで図9Bに示す種々の機能が実現される。
I/O部73は、制御部70にスイッチ群20、動作表示部30、電源40、刺激付与ユニット50、中間接続基板80などを電気的に接続するためのインターフェースである。
図9Bに示すように制御部70は、電源制御部72a、電極制御部72b、発光制御部72c、振動制御部72d、ヒータ制御部72e、操作検知部72f及び充電制御部72gとして少なくとも機能する。
制御部70は、時間を計ることができるタイマー部(タイマ回路)や、変電部(例えば、昇圧回路、降圧回路、整流回路、発信回路など)や、温度検知部(温度センサを含む温度検知回路)など目元用美容装置1に必要な様々な機能(制御回路)を備えることができる。また、動作表示部30がディスプレイ装置の場合には、表示制御部(表示制御回路)を備えることができる。
電源制御部72aは、目元用美容装置1のメイン電源のON又はOFFを制御する。
電極制御部72bは、電極部530に電圧を印加してユーザUの肌面に電流を流す。電極制御部72bは、電極部530に印加する電圧の強さや、印加時間や、電極のペアの切り替えなどを制御する。
発光制御部72cは、動作表示部30や発光部550を制御する。発光制御部72cは、動作表示部30や発光部550の発光のON又はOFFや発光色の変更などを行う。
振動制御部72dは、振動モータ523の駆動のON又はOFFを制御する。振動制御部72dは、振動モータ523の駆動タイミングや回転速度などを刺激付与ユニット50Rと刺激付与ユニット50Lで個別に制御することもできるし、同時に制御することもできる。
ヒータ制御部72eは、熱的制御を行う。例えば、ヒータ制御部72eは、ヒータ540の発熱のON又はOFFや、発熱温度を制御する。ヒータ制御部72eは、ヒータ540の発熱のON又はOFFや、発熱温度を刺激付与ユニット50Rと刺激付与ユニット50Lで個別に制御することもできるし、同時に制御することもできる。
操作検知部72fは、ユーザUのスイッチ群20の操作を検知する。スイッチ群20の検知に対応して、例えば、電源制御部72a、電極制御部72b、発光制御部72c、振動制御部72d、ヒータ制御部72eは上記した制御を行う。
充電制御部72gは、電源40の充電の開始又は終了を制御する。
中間接続基板80は、図2に示すように、ハウジング10の正面部101内部の略中央部(孔101eの近く)に位置する。
中間接続基板80は、電源40、制御部70及び刺激付与ユニット50などの電気的に接続が必要な各部位に対して電気的な中継を行う。中間接続基板80には様々な配線パターンを設けることができる。この配線パターンを使用することで各部位の配線(リード線での接続)を簡素化できる。結果的に、配線(リード線での接続)によるハウジング10の大型化を抑制することができる。
(使用方法)
目元用美容装置1の使用方法を説明する。まず、ユーザUは、変位機構60のスライド部610を介して刺激付与ユニット50を自分が所望する位置に移動させる。次に図2に示すように目元用美容装置1を顔に装着する。
ユーザUが、スイッチ群20を操作することにより、刺激付与ユニット50による振動、叩き、光、電気又は熱のうちの少なくとも一つの刺激の付与が開始される。
以上説明したように、この実施形態の目元用美容装置1は、保持体(ハウジング10)と、前記保持体に設けられ利用者(ユーザU)の肌面に刺激を与える刺激付与部(刺激付与ユニット50)と、前記刺激を与えられる肌面と対応する側に位置し、刺激感を向上させる少なくとも一つの刺激補助部(開放部10a、振動伝達部524、スライド部610及び回転部620のうちの少なくとも一つ)とを具備することを特徴とする。
少なくとも1つの刺激補助部によって、刺激付与部による刺激とは異なる刺激を肌面に供給すること、刺激付与部による刺激のタイミングを異ならせること、刺激付与部により刺激される肌の部位を容易に変更すること、刺激付与部による刺激を確実に肌面に供給することのうち、少なくとも1つの効果を得ることができる。この結果、ユーザUが装置に飽きてしまいやすくなることを効果的に抑制することができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、1の刺激補助部(開放部10a)は、前記肌面に刺激を与える際に前記利用者(ユーザU)の顔に位置されて前記利用者に視覚的な刺激を与える前記保持体の部位(開放部10a)であることを特徴とする。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記肌面に刺激を与える際に前記利用者(ユーザU)の顔に対向して位置される第1の面(裏面101d)と、当該第1の面の反対側の第2の面(正面101c)を前記保持体(ハウジング10)が備え、1の刺激補助部(開放部10a)は、前記第1の面から前記第2の面を貫通して設けられる前記保持体の切り欠き部分を含むことを特徴とする。
ハウジング10の開放部10aによってユーザUの視界が確保されるので、目元に例えば振動や叩きの刺激を与えながらさらに視覚的な刺激をユーザUに与えることができる。例えば、テレビを視聴したり、料理をしたりしながら目元用美容装置1を使用することができる。
このように開放部10aによって、別のことを行いながら目元用美容装置1を使用することができるので、ユーザUが装置に飽きてしまいやすくなることを効果的に抑制することができる。
また、ユーザUの視界が確保されるので、ユーザUが目元用美容装置1を装着しながら場所を移動しても安全に移動することがある。ユーザUは、目元用美容装置1を使用しながら好きな時に好きな場所に安全に移動可能なので、移動するたびに目元用美容装置1を取り外さなくて済む。
このため、移動するたびに目元用美容装置1を取り外さすことに煩雑さを感じてユーザUが装置を使用することのモチベーションが低下してしまうことを効果的に抑制することができる。
また、ユーザUの視界が確保されるので、周囲の状況を常に確認できるので安全である(例えば、部屋の中に危険なものがあった場合に察知しやすい)。目元用美容装置1のような機器においては、機器の使用中の安全性を向上させるという課題もある。目元用美容装置1は、開放部10aによって機器の使用中の安全性を効果的に向上させることができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記刺激付与部(刺激付与ユニット50)が筐体(刺激付与ユニット50の筐体510)を具備し、1の刺激補助部(回転部620)は、前記筐体を前記保持体(ハウジング10)に回転可能に接続する接続部であることを特徴とする。
目元用美容装置1を顔に装着した際、刺激付与ユニット50は、ハウジング10とユーザUの肌面の間に位置し、肌面方向に押される。このとき、刺激付与ユニット50は、回転部620によってユーザUの顔の曲面に対応して回転する。
この結果、刺激付与ユニット50の接触面510bに位置する第1叩き部521及び第2叩き部522、第1電極部530a及び第2電極部530bを眼頭及び目尻の両方に適切に当接させやすくなる(当接性が向上する。)。
要するに、回転部620によって、顔の曲面の個人差を吸収しやすくなり、ユーザUにとって最適な刺激付与ユニット50の角度で肌面に刺激を与えることができる。すなわち、ユーザUの肌面への刺激付与の確実性を向上させることができる。
このため、不適な角度によってユーザUの肌面への刺激付与がうまくいかなくなってしまうことを抑制することができ、装置を使用することのモチベーションが低下してしまうことを効果的に抑制することができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記保持体(ハウジング10)が、前記利用者の顔に装着され、前記筐体(刺激付与ユニット50の筐体510)は前記1の刺激補助部(回転部620)を介して前記保持体に設けられ、かつ前記利用者の目尻側に位置される第1の縁部(刺激付与ユニット50の第1の側面510c)を備え、前記1の刺激補助部(回転部620)は、前記保持体の中央部よりも前記第1の縁部側に設けられることを特徴とする。
図8を用いて説明したように、回転部620は、目元用美容装置1の中央部よりも目尻側に位置している。このことにより、回転部620(すなわち、刺激付与ユニット50の回転軸)からユーザUの目頭までの距離と、回転部620からユーザUの目尻までの距離の差を小さくすることができる。この結果としてユーザUの目頭と目尻の両方に同時に接触面510b及びこの接触面510bに位置する上記した各部(例えば、第1叩き部521や第1叩き部522など)を密着させやすくなる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記筐体(刺激付与ユニット50の筐体510)の回転角度は、前記利用者の第1の目から当該第1の目の反対側の第2の目に向かう方向を基準にして少なくとも0度よりも大きく180度よりも小さい範囲であることを特徴とする。
また、前記筐体の回転角度は、40度以上50度以下であることが望ましい。このような角度で回転部620を設けることで、すでに述べたように刺激付与ユニット50の配置方向を人体の顔の曲面に対応させることができる。この結果、ユーザUの肌面への刺激付与ユニット50の当接性を効果的に向上させることができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、1の刺激補助部(振動伝達部524)は、前記利用者の肌面と接触する方向又は離れる方向に移動して前記肌面に刺激を与える刺激付与体(腕部527)を備えることを特徴とする。
腕部527が、ユーザUの肌面と接触する方向又は離れる方向に移動して前記肌面に刺激を与えることによって、ユーザUの肌面に叩く刺激を与えることができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記刺激付与部(刺激付与ユニット50)は、振動体(振動モータ523)を備え、前記1の刺激補助部(振動伝達部524)は、前記利用者の肌面と接触する方向又は離れる方向に移動して前記肌面に刺激を与える第2の刺激付与体(モータ保持部528)をさらに備え、前記刺激付与体(腕部527)は、前記振動体の振動に対応して第1のタイミングで移動し、前記第2の刺激付与体は、前記振動子の振動に対応して、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで移動することを特徴とする。
叩きのタイミングを異ならせることによってユーザUに与えられる刺激が単調になりやすくなることを効果的に抑制することができる。
なお、腕部527による叩きとモータ保持部528による叩きは、タイミングだけではなく刺激する場所も異なるので、振動部520の振動エネルギーが小さい場合でもユーザUは刺激を感じやすくなる。したがって、皮膚が薄い顔や目元に過度な刺激を与えなくともユーザUは刺激を感じることができる。目元用美容装置1では、このような作用及び効果を刺激付与ユニット50Rにおいて1つの振動モータ523で実現することができる(刺激付与ユニット50Lも同様)。
1の前記刺激補助部(スライド部610)は、前記保持体(ハウジング10)に対する前記刺激付与部(刺激付与ユニット50)の位置を相対的に移動させる移動機構(スライド部610)であることを特徴とする。
スライド部610によって、刺激付与ユニット50をスライドさせることで、顔の大きさや目の位置の個人差を吸収できる。すなわち、ユーザUにとって最適な位置で、ユーザUの目頭と目尻の両方に同時に接触面510b及びこの接触面510bに位置する第1叩き部521などの各部を接触させやすくなる。すなわち、ユーザUの肌面への刺激付与の確実性を効果的に向上させることができる。
このため、不適な位置によってユーザUの肌面への刺激付与がうまくいかなくなってしまうことを抑制することができ、ユーザUが装置に飽きてしまいやすくなることを抑制すること。
また、スライド部610によって、刺激付与ユニット50を移動させることで、刺激を与える部位をユーザUが好きな時に好きな場所へ簡単に変更することもできる。したがって刺激にマンネリ感を覚えてしまうことを効果的に抑制することができる。
また、刺激を与える部位を簡単に調整することができるので、ユーザUが煩雑な思いをすることを抑制することができる。このことによって、ユーザUが目元用美容装置1を使用することのモチベーションが低下してしまうことをさらに効果的に抑制することができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記刺激付与部(刺激付与ユニット50)は、前記肌面に電流を流す電極(電極部530)、前記肌面に熱を供給する熱供給手段(ヒータ540)、前記肌面に光を供給する発光手段(発光部550)のうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする。また、目元用美容装置1は、前記肌面を加湿する加湿手段(この後説明する液体タンク310及び加湿孔311)を備えることもできる。
このような各手段を備えることにより、様々な刺激をユーザUの肌面に与えることができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記刺激付与部(刺激付与ユニット50)の少なくとも一部は、金属及び/又は炭素を含む樹脂で形成されることを特徴とする。
例えば、第1電極部530a及び第2電極部530bを窒化アルミニウムなどの金属化合物を含む樹脂で構成することにより、ヒータ540の熱を効率よく第1電極部530a及び第2電極部530bに伝えることができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記保持部(ハウジング10)は、前記利用者の顔側に位置される第1の部位(正面部101)と、前記利用者の顔から後頭部に向かう方向に沿って、第1の部位から延設される第2の部位(第1の側面部102及び第2の側面部103)を備え、前記刺激付与部(刺激付与ユニット50)及び前記1の刺激補助部(開放部10a、振動伝達部524、スライド部610、回転部620のうちの少なくとも1つ)は前記第1の部位側に設けられ、前記第2の部位は、前記刺激付与部に電力を供給する制御部(制御部70)を収容することを特徴とする。
例えば、第1の側面部102に制御部70を設けることで、正面部101が巨大になってしまうことを効果的に抑制することがきる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記第2の部位(第1の側面部102及び第2の側面部103)は、前記利用者の第1の側頭部側に位置される部位(第1の側面部102)と、前記第1の側頭部の反対側の第2の側頭部側に位置される部位(第2の側面部103)を備え、前記制御部(制御部70)は、前記第1の側頭部側に位置される部位又は前記第2の側頭部側に位置される部位のどちらか一方に設けられ、前記制御部が設けられた方とは逆側の部位には、少なくとも前記刺激付与部に電力を供給するための電源(電源40)を保持する電源保持部が設けられることを特徴とする。
制御部70と電源40を目元用美容装置1の第1の側面部102及び第2の側面部103に振り分けて配置することで、目元用美容装置1の全体の重量バランスを良好に保つことができる。
この結果として目元用美容装置1を装着している間に装着位置がずれることを効果的に抑制することができる。また、全体の重量バランスを良好に保つことで、目元用美容装置1を装着しているユーザUの例えば鼻などに負担が偏ってしまうことを軽減することができる。
この実施形態の目元用美容装置1は、前記保持部(ハウジング10)の一部(接続部104)は、弾性変形することを特徴とする。そして、前記弾性変形する一部(接続部104)と当該一部とは異なる部位(接続部104以外の部位)は、それぞれ異なる断面二時モーメントを備えることを特徴とする。
接続部104の断面二次モーメントを小さくすることで、接続部104での「たわみ」を大きくできる。この結果、ハウジング10のたわみが接続部104に集中する。
例えば、目元用美容装置1の装着時にユーザUの頭の大きさに合わせて、ハウジング10をたわませる(すなわち、目元用美容装置1の装着のために第1の側面部102及び第2の側面部103を各々外側に広げる)とき、制御部70や電源40の収容箇所など、たわませたくない部分のたわみを無くすか又は最小限にとどめることができる。
目元用美容装置1は、さらに下記に示す(1)及び(2)の作用の少なくとも一方によって、ユーザUが装置に飽きてしまいやすくなることを抑制することができる。
(1)叩きの速さ(振動モータ523の回転速度)や振動モータ523の回転方向を所定時間毎に異ならせることでユーザUに与えられる刺激が単調になりやすくなることを効果的に抑制することができる。また、このような叩きの速さや回転方向を刺激付与ユニット50Rと刺激付与ユニット50Lで異ならせることでユーザUに与えられる刺激が単調になりやすくなることをさらに効果的に抑制することができる。
(2)振動伝達部524によって振動モータ523の振動エネルギーを第1叩き部521及び第2叩き部522に効率よく伝えることができ、例えばハウジング10への振動の伝搬を最小限にとどめることができる。すなわち、無駄な振動を抑制することができる。
(変形例1)
本発明は、上記した構造や形状のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて適宜に設計変更して具体化できる。
本願の変形例1にかかる目元用美容装置2を図10及び図11に示す。図10は、目元用美容装置2を説明する概略図である。図11は、目元用美容装置2の制御装置72の機能ブロック図である。なお、図10及び図11では上記した実施形態と対応する構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また図10では、図面の見やすさを優先させて図1に示した電源40の図示を省略している。
図10に示すように、少なくとも1つ(図10では1つ)の液体タンク310及び少なくとも一つ(図10では、片方に2つ合計4つ)の加湿孔311をさらに備えるようにしてもよい。
液体タンク310及び加湿孔311によって肌面に加湿の刺激を与えることができる。ユーザUは、加湿による美容処理の効果を期待することができる。液体タンク310及び加湿孔311は図示しない管路によって接続される。
液体タンク310には液体(例えば、水や、美容効果を期待できる美容液や化粧液)が蓄えられる。第2の側面部103の所定の箇所には、液体タンク310の位置に対応させて液体タンク310に給液するための給液口310aが設けられている。
なお、図10では液体タンク310及び給液口310aは、第2の側面部103に位置しているが、液体タンク310及び給液口310aの配置位置は特に限定されず、例えば、第1の側面部102などハウジング10の所定の箇所や刺激付与ユニット50内など、様々な場所に設けることができる。
加湿孔311は、液体を噴霧する。噴霧方法は特に限定されず、例えば、加湿孔311に超音波振動子を設けて液体を霧化したり、液体を加熱して蒸気化したりするように構成することができる。蒸気化するための加熱手段は、ヒータ540でもよいし別途設けてもよい。また、自然蒸発した蒸気を供給するものであってもよい。
液体タンク310内の液体を管路に流す場合、高低差を利用して液体の自重によって液体が管路を流れるようにしてもよいし、目元用美容装置1が、小型のポンプを備えるようにしてもよい。また、気圧差を利用する構成でもよい。
なお、図10では、加湿孔311は、第1電極部530a及び第2電極部530bの間に位置しているが、加湿孔311の配置位置は特に限定されず、例えば、ハウジング10の裏面101dなど、様々な場所に設けることができる。
液体タンク310及び加湿孔311を備える場合、制御部70の制御装置72は、図11に示すように、加湿制御部72hをさらに備える。
以下に加湿制御部72hによる制御の例を記載する。
加湿制御部72hは、液体タンク310の残量を図示しないセンサによって検知することができる。残量が閾値以下の場合、加湿制御部72hは、動作表示部30を制御してユーザUにその旨を報知する。
液体を加熱して蒸気化させる場合、加湿制御部72hは、液体の温度管理や加熱手段のON又はOFFを行う。また、目元用美容装置1が超音波振動子を備える場合には、超音波振動子のON又はOFFを行う。
(変形例2)
本願の変形例2にかかる目元用美容装置3を図12に示す。図12は、目元用美容装置3を説明する概略図である。なお、図12では上記した実施形態と対応する構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、例えば、プラスチックやガラスなどの光透過性を備えるバイザー200(板状の部材)で開放部10aを覆ってもよい。バイザー200は例えばハウジング10に取りつけられる。
例えば、バイザー200を透明とした場合、視界を確保するとともにホコリなどの異物から目を保護することができる。なお、ユーザUの視界が確保可能であればバイザー200は透明でなくともよい。
バイザー200は、眼鏡やサングラスのような機能を備えてもよい。すなわち、拡大鏡のような機能や紫外線をカットする機能、光の眩しさを低減する機能を備えていてもよい。
バイザー200は動かないように固定されて(所謂、はめ殺し状態)もよいし、シャッターやヘルメットのバイザーのように、例えば上下に可動するように取りつけられてもよい。バイザー200が可動することでユーザUの視界が確保可能であればバイザー200は光透過性を有さなくともよい。
(変形例3)
本願の変形例3にかかる目元用美容装置4を図13に示す。図13は、目元用美容装置4を説明する概略図である。なお、図13では上記した実施形態や各変形例と対応する構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示すように、正面部101の形状を変形してもよい。すなわち、正面部101がユーザUの顔の少なくとも1部を覆う覆い部101jを備えてもよい。図13では、一例として覆い部101jはユーザUの額を覆っている。この場合、開放部10aは、正面101cから裏面101dにかけてハウジング10を貫通する貫通孔である。
この変形例3の開放部10aに変形例2で説明したバイザー200を設けることもできる。なお、バイザー200とハウジング10を一体成型することで、貫通孔を設けることなく、バイザー200を設けることもできる(変形例2も同様)。この場合、バイザー200が開放部10aとして機能する。バイザー200そのものを正面部101として機能させてもよい。
(その他の変形例)
目元用美容装置1ないし4は、ブザーやスピーカーなど、音を発する報知手段を備えてもよい。この場合、制御部70は、例えば目元用美容装置1の動作状態を音で報知することができる。ブザーやスピーカーを第2の側面部103に設けるようにすれば、制御部70の近く、又は制御部70上に内蔵させることができる。この場合、配線を簡素化できるので設計の容易性が向上する。
上記実施形態や各変形例の構成を適宜組み合わせてもよいし、本願発明の趣旨の範囲内でいくつかの構成要素を減らしてもよい。例えば、刺激補助部の数を減らしてもよい。また、目元用美容装置1は、ユーザUの顔に装着するタイプであるが、顔以外の部位(例えば、腕や肩や脚)などに装着するタイプにも応用することができる。