本発明に係る撮像装置の一つの実施形態は以下の通りである。説明においては、必要に応じて添付図面が参照される。
図1は撮像装置の使用状態を示す図である。図1に示すように、撮像装置30は、画像の撮像範囲20内に置かれた被写体(ワークW)を、斜めから撮像して画像データを取得する斜視型のスタンドスキャナである。この種の撮像装置30は、結像光学系の光軸を含まない領域、すなわち光軸と異なる領域に撮像範囲20を設定することを、後述するミラー10(図2参照)を用いることにより実現できる。撮像装置30は、結像光学系の光軸OA(図2参照)を含まない領域に撮像範囲20を設定でき、撮像範囲20内の被写体(主要被写体)をすべて被写界深度内に収めて、被写体を正対像で斜めから撮像できる。実施形態の撮像装置30は、撮像範囲20に水平に載置されたワークWを、ワークWの斜め上方から撮像する。Z軸は鉛直方向である。X軸とY軸とはZ軸に直交し、X軸とY軸とは直交する。実施形態では、Z軸方向は、結像光学系の光軸方向と一致する。ここで斜め上方とは、撮像範囲20がX軸及びY軸座標の場合、撮像範囲20のX軸及びY軸座標の外側でZ軸座標が正となる位置である。なお、撮像範囲20がX軸及びZ軸座標の場合、その外側のY軸座標が正となる位置、及び撮像範囲20がY軸及びZ軸座標の場合、その外側のX軸座標が正となる位置が、斜め上方となる。
図2及び図3は、撮像装置30結像光学系を示す図である。
同図に示すように、撮像装置30は、ミラー10を備える結像光学系32及び撮像素子33を有する撮像部を備える。撮像装置30は、被写体(ワークW)を斜め下側に臨んで撮像する。
結像光学系32は、物体側から順に、正のパワーを有する1つのミラー10と、複数のレンズからなり正のパワーを有する光学系ROと、有する。光束として、光軸OAの近傍の光束A及び最大画角の光束Bを併せて記入している。また、光軸OAに沿って、ミラー10側を物体側、結像面Sim側を像側として記載している。中間像I及び開口絞りStは、形状を示しているのではなく、光軸上の位置を示している。
撮像装置30の結像光学系32は、物体側から順に、正のパワーを有する1つのミラー10と、複数のレンズからなり正のパワーを有する光学系ROと、を有し、ミラー10と光学系ROとの間に中間像Iを結像する。このように、結像光学系内で中間像Iを形成することにより、結像光学系内で光束が拡大するのを抑制できる。これにより、小型かつ広角の結像光学系を構成できる。
一例として、実施形態の光学系ROは、物体側から順に、4枚のレンズL1~L4(第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3及び第4レンズL4)からなる前群GFと、開口絞りStと、3枚のレンズL5~L7(第5レンズL5、第6レンズL6及び第7レンズL7)からなる後群GRと、を有する。
実施形態のミラー10及び光学系ROは、共通の光軸OAを有し、かつ、光軸OAを回転軸とする回転対称な形状を有する。このように構成することにより、結像光学系32の設計が容易となる。また、結像光学系32を構成する光学素子の加工性及び組立性を向上できる。これにより、結像光学系のコストを抑えつつ、性能を向上できる。実施形態では、ミラー10は、反射面の一部分が結像に利用される有効領域EAを有する。有効領域EAの周囲は、結像に利用されない非有効領域IAとなる。本実施形態では光学系ROの光軸OAが、非有効領域IAに含まれるように設定されている。実施形態の結像光学系32では、ミラー10及び光学系ROについて、結像に利用しない領域を部分的に切断している。このように結像に利用しない領域を部分的に切断した形状についても、光軸OAを回転軸とする回転対称な形状に含まれるものとする。
実施形態のミラー10は、非球面形状であることが好ましい。このように、最も物体側に配置され、かつ、有効径の大きいミラー10を非球面形状とすることにより、像面湾曲、コマ収差、非点収差及び歪曲収差の補正に有利となる。
実施形態の光学系ROは、第1レンズL1(光学系ROの最も物体側のレンズ)が、物体側に凹面を向けた正レンズで構成される。このように、第1レンズL1の物体側を凹面とすることにより、第1レンズL1の径を抑えつつ、画角を広く取ることができる。また、第1レンズL1を正レンズとすることにより、ミラー10から入射した光束が収束して出射する。このため、次の第2レンズL2の径を小さくでき、また、光学系ROの全長の短縮化につながる。そのため、結像光学系32を小型化できる。
このように、実施形態の結像光学系32は、小型かつ広角の結像光学系を構成できる。したがって、実施形態の結像光学系32を備えた撮像装置30も、小型で、かつ、広範囲を撮像できる撮像装置として構成できる。
上記構成の結像光学系32は、ミラー10の反射面から結像面Simまでの光軸OA上の距離をTTL、ミラー10の反射面から物体面Obj(画像取得面)までの光軸OA上の距離をZOB、第1レンズL1の物体側の面から結像面Simまでの光軸OA上の距離をLL0、最大像高をYmaxとした場合、下記の条件式(1)及び(2)を満足することが好ましい。なお、最大像高Ymaxとは、光軸OAから最も離れた像点と光軸OAとの距離を意味する。
0.8<TTL/ZOB<1 …(1)
6<LL0/Ymax<15 …(2)
たとえば、撮像装置30を撮像範囲20のワークWの載置面と同じ高さの面(物体面Obj)に設置するには、入射光の光束を折り曲げるミラー10が必要となる。条件式(1)の下限以下とならないようにすることにより、結像光学系32の全長が短くなり過ぎず、収差の補正に有利となる。条件式(1)の上限以上とならないようにすることにより、装置の小型化に有利となる。
条件式(2)の下限以下とならないようにすることにより、最大像高Ymaxに対して光学系ROの全長が短くなり過ぎず、収差の補正に有利となる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることにより、装置の小型化に有利となる。
なお、条件式(1)及び(2)を満足した上で、下記の条件式(1-1)及び(2-1)の少なくとも一方を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.85<TTL/ZOB<0.95 …(1-1)
7<LL0/Ymax<13 …(2-1)
また、第1レンズの焦点距離をfL1、光学系ROの焦点距離をfL0とした場合、下記の条件式(3)を満足することが好ましい。
3<fL1/fL0<50 …(3)
第1レンズL1の有効径を大きくしつつ、光学系ROを小型化させるためには、第1レンズL1に適切な正のパワーが必要である。ただし、第2レンズL2も有効径が大きい方が収差補正に有利であるため、第1レンズL1の正のパワーは大きくし過ぎない必要がある。条件式(3)の下限以下とならないようにすることにより、第1レンズL1の正のパワーが大きくなり過ぎないようにできる。下記の条件式(3)の上限以上とならないようにすることにより、第1レンズL1に適切な正のパワーを確保することができる。
なお、下記の条件式(3-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
4<fL1/fL0<25 …(3-1)
また、光学系ROは、物体側から順に、正のパワーを有する前群GFと、開口絞りStと、正のパワーを有する後群GRと、を有する構成とし、かつ、前群GFは、物体側から順に、第1レンズL1と、負のパワーを有する第2レンズL2と、正のパワーを有する第3レンズL3と、を有する構成とすることが好ましい。このように、第2レンズL2のパワーを負とすることにより、光線が急に収束することを避け、更に、比較的有効径の大きな第1レンズL1、第2レンズL2及び第3レンズL3の3枚のレンズのパワー配置を正負正の構成として、正、負の作用を分散することにより、コマ収差及び像面湾曲の補正に有利となる。
また、後群GRは、次の構成の接合レンズC1を最も像側に備えることが好ましい。すなわち、正レンズと負レンズとからなり、全体として正のパワーを有する接合レンズであって、正レンズのアッベ数が50以上であり、かつ、負レンズのアッベ数が40以下である接合レンズである。実施形態の結像光学系32では、正レンズである第6レンズL6及び負レンズである第7レンズL7により、この接合レンズC1が構成される。このように、開口絞りStより像側で、かつ、軸外主光線の高さが高くなる位置に、上記構成の接合レンズC1を配置することにより、倍率色収差の補正に有利となる。また、前群GFが正レンズと負レンズとを備える場合、開口絞りStより像側の後群GRにも正レンズと負レンズとを備えることにより、像面湾曲及び歪曲収差の補正に有利となる。
なお、接合レンズC1を構成する正レンズ及び負レンズのアッベ数が、上記条件を満足した上で、接合レンズC1を構成する正レンズのアッベ数が55以上、及び、接合レンズC1を構成する負レンズのアッベ数が30以下の少なくとも一方を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
また、光学系ROは、第1レンズL1を非球面レンズで構成する一方、第1レンズL1以外のレンズは、球面レンズで構成することが好ましい。このように、光学系ROの最も物体側に位置し、有効径が大きく、かつ、異なる像高に対する光束の重なりが小さい第1レンズL1を非球面形状とすることにより、収差を効果的に補正できる。また、光学系ROの残りのレンズを全て球面レンズとすることにより、結像光学系を構成する光学素子の加工性及び組立性の向上に有利となる。その結果、結像光学系32のコストを抑えつつ、性能向上に有利となる。
撮像素子33は、結像光学系32の結像面に配置される。上記のように、実施形態の撮像装置30は、結像光学系の光軸OAを含まない領域に撮像範囲20が設定される。撮像素子33は、結像光学系32のイメージサークル内において、以下の位置関係となるように配置される。すなわち、結像光学系32の光軸OAと、撮像素子33の有効素子領域の中心Cとが異なる位置に配置される。実施形態では、図2に示すように、撮像素子33の有効素子領域の中心Cは、結像光学系の光軸OAよりも、撮像範囲20に近い位置に配置される。実施形態で、近い位置とは、有効素子領域の中心CからX軸までの距離が、結像光学系の光軸OAからX軸までの距離より短いことを意味する。結像光学系の光軸OAと撮像素子33の有効素子領域の中心Cとの距離は、例えば、結像光学系の光軸OAが撮像素子33の有効素子領域に含まれない位置まで離間できる。
なお、結像光学系32の光軸OAを撮像素子33の有効素子領域内に配置することができ、撮像により得られる画像の一部を切り出して、必要な領域の画像データを取得する構成とすることも可能である。
撮像素子33には、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の公知のエリアイメージセンサを使用できる。
以上の構成の撮像装置30によれば、結像光学系32は、画像取得面が合焦面となり、撮像範囲20内の被写体(ワークW)をすべて被写界深度内に収めて斜めから撮像できる。また、被写体に正対する画像を斜めから撮像できる。また、撮像範囲20を結像光学系32の光軸OAを含まない領域、すなわち光軸OAと異なる領域に撮像範囲20が設定される。
なお、実施形態の撮像装置30では、撮像範囲20のワークWを載置する面が画像取得面に設定される。したがって、ワークWの載置面が合焦面とされる。撮像装置30では、ワークWの載置面が撮像範囲20内に設定される。したがって、撮像範囲20内のワークW載置面の上にシート状のワークWを載置して撮像することにより、ワークWの全体を被写界深度内に収めて撮像できる。ワーク載置面は、少なくとも撮像装置30の撮像範囲内に設定されていればよい。実施形態では、ワーク載置面とほぼ同じ範囲に撮像装置30の撮像範囲が設定される。
上述したように、撮像装置30は、ミラー10、及び撮像素子33を含んでいる。この種の斜視型の撮像装置30では、精度の高い画像データを取得するため、ミラー10、及び撮像素子33に対し高い精度の移動できることが求められる。ミラー10、及び撮像素子33を高い精度の移動できば、これらの調整が容易となる。
以下、実施形態における、ミラー10及び撮像素子33を移動する機構について説明する。
まず、図4に基づいて、撮像装置30の構成を説明する。
撮像装置30は、Z軸方に沿って、支持台34、保持部材36、光学系保持部材38、及び筐体40を備える。支持台34は、撮像装置30を使用する際に、ワークWの載置面に設置される部材である。実施形態では、載置面は、X軸方向とY軸方向に平行な平面である。
保持部材36は、板形状の部材であり、ねじ部材等により支持台34に連結される。保持部材36は、保持部材36の主面がX軸方向とY軸方向に平行となる位置に配置される。光学系保持部材38は、4本の脚部38Aと、脚部38Aに連結され筐体40を保持するための平坦面を有する台座部38Bとを備えている。実施形態では脚部38Aと台座部38Bとが一体成形される。4本の脚部38Aが、ねじ部材等により保持部材36に連結され、保持部材36と光学系保持部材38とが連結される。
図4に示すように、保持部材36と光学系保持部材38との間には空間が形成される。この空間には、撮像素子33を光軸方向に移動する第1の機構60が配置される。第1の機構60と光学系保持部材38との間には、弾性部材50が配置される。弾性部材50は、光学系保持部材38と第1の機構60とを離間する方向に外力を付与できる。弾性部材50は、例えば、ウェーブワッシャーを適用できる。光学系保持部材38は、内部において結像光学系32の少なくとも一部を保持し、外部において筐体40を保持する。
筐体40は、光学系保持部材38の平坦面に連結される。筐体40は、結像光学系32の少なくとも一部を収容可能な空間が形成された中空構造である。実施形態では、筐体40は、Z軸方向に沿って、第1部分41、第2部分42、及び第3部分43とから構成される。
第1部分41は、外形が概略円柱形状で、内部に円柱形状の空間を有する。光学系保持部材38の側において、第1部分41は、円柱のフランジ、及び矩形のフランジを有している。ねじ部材等により第1部分41の矩形のフランジと光学系保持部材38の平坦面とが連結される。この連結により、光学系保持部材38と筐体40とが連結される。
第2部分42は、第1部分41と連結され、第1部分41から離れるにしたがい、撮像範囲20から離れる方向に傾いている。さらに、第3部分43に近づくにつれ、撮像範囲20の側に広がる部分を有する。第2部分42においても空間が形成され、第1部分41の空間と連結する。
第2部分42は、撮像範囲20を向く側に、蓋部材44が取り付けられる。蓋部材44、第2部分42において画定された開口を覆う。なお、蓋部材44には、撮像窓45が形成される。第2部分42の開口、及び蓋部材44の撮像窓45を介して、撮像装置30は被写体(ワークW)を斜め下側に臨んで撮像できる。
第3部分43は、第2部分42に連結される。第3部分43は、4つの側壁43A、43B、43C及び43Dを連結した略角柱の形状を有し、Z軸方向に沿って貫通する空間を有する。4つの側壁43A、43B、43C及び43Dは、Z軸方向に平行に配置される。第3部分43の空間は第2部分42の空間と連結され、Z軸の上方向に開口する。
図4に示すように、ミラー10が第3部分43に配置され、ミラー10の反射面が第1の機構60に向けられる。機構100は第3部分43に配置され、機構100はミラー10をそれぞれ6自由度で移動させる。
なお、第1部分41、第2部分42、及び第3部分43に関して、単に筐体40として説明する場合がある。
次に、ミラー10を移動する機構100を説明する。図5は、ミラー10及び機構100を含む分解斜視図である。
図5に示すように、機構100は、ミラー10を収容可能な保持枠102を有する。保持枠102は、4つの側壁102A、102B、102C及び102Dを連結した略角柱の形状を有し、Z軸方向に沿って貫通する空間を有する。4つの側壁102A、102B、102C及び102Dは、Z軸方向に沿って配置される。4個の側壁102A、102B、102C及び102Dは、隣接する側壁に対して直交する。側壁102Aと側壁102Bとは直交し、側壁102Bと側壁102Cとは直交し、側壁102Cと側壁102Dとは直交し、側壁102Dと側壁102Aとは直交する。対向配置される側壁102Aと側壁102Cとは平行で、側壁102Bと側壁102Dとは平行である。また、4個の側壁102A、102B、102C及び102Dは、第3部分43の側壁43A、43B、43C及び43Dにそれぞれ対向する。
実施形態では、側壁102Aと側壁102Bとが保持枠102の直交する2面を構成し、側壁102Aが第1の面を、側壁102Bが第2の面を構成する。保持枠102は、筐体40の第3部分43と連結するため、3つの取付部材102E、102F,及び102Gを有する。3つの取付部材102E、102F,及び102Gには、それぞれ貫通孔102H、102I,及び102Jが形成される。
筐体40の第3部分43は、取付部材102E、102F,及び102Gに対応する位置にそれぞれ、固定部43E、43F、及び43Gを備える(図7参照)。固定部43E、43F、及び43Gには、それぞれ貫通孔43H、43I,及び43Jが形成される。
2個の第1の付勢部材104が、第3部分43の側壁43Aに取り付けられる。図5に示すように、第1の付勢部材104は、板状の部材で、断面視でU字形に折り曲げられた形状で、Z軸方向に下向きに開口を有する。第1の付勢部材104は、側壁43Aに挟み込まれる。
第1の付勢部材104は、保持枠102の側壁102Aに向けて突出する突出部104Aを備える。突出部104Aは、Y軸方向に平行に延びる。外力が加えられると、突出部104Aは変形する。突出部104Aの変形により、第1の付勢部材104は、弾性部材として機能する。第1の付勢部材104は、突出部104Aと反対の側において、Z軸方向の下向きに開口する切欠104Bを有する。第1の付勢部材104は、突出部104Aにおいて、第1の面である側壁102Aと接触する。
同様に、2個の第2の付勢部材106が、第3部分43の側壁43Bに取り付けられる。図5に示すように、第2の付勢部材106は、板状の部材で、断面視でU字形に折り曲げられた形状で、Z軸方向に下向きに開口を有する。第2の付勢部材106は、側壁43Bに挟み込まれる。
第2の付勢部材106は、保持枠102の側壁102Bに向けて突出する突出部106Aを備える。突出部106Aは、X軸方向に平行に延びる。外力が加えられると、突出部106Aは変形する。突出部106Aの変形により、第2の付勢部材106は、弾性部材として機能する。第2の付勢部材106は、突出部106Aと反対の側において、Z軸方向の下向きに開口する切欠106Bを有する。第2の付勢部材106は、突出部106Aにおいて、第2の面である側壁102Bと接触する。
第1の付勢部材104は第1の締結部材108により固定され、第2の付勢部材106は第2の締結部材110により固定される。第1の締結部材108、及び第2の締結部材110はねじ部材であり、例えば、イモネジである。
図5に示すように、取付部材102Eと固定部43Eとが位置合わせされ、第3の固定部材111、例えば、ねじ部材により固定される。取付部材102Eと固定部43Eとの間に、部材112、例えば、スペーサが、必要に応じて配置される。
同様に、取付部材102Fと固定部43Fとが位置合わせされ、第3の固定部材113、例えば、ねじ部材により固定される。取付部材102Fと固定部43Fとの間に、部材114、例えば、スペーサが、必要に応じて配置される。また、取付部材102Gと固定部43G(不図示)とが位置合わせされ、第3の固定部材115、例えば、ねじ部材により固定される。取付部材102Gと固定部43Gとの間に、部材116、例えば、スペーサが、必要に応じて配置される。
実施形態では、取付部材102E、102F及び102Gが第3の面を構成し、第1の面を構成する側壁102A、及び第2の面を構成する側壁102Bに直交する。
次に、ミラー10を保持枠102に固定するための部材について説明する。ミラー10は、撮像範囲20の側、及びその反対の側のそれぞれに、拡張部10A、及び拡張部10Bを備える。拡張部10A、及び拡張部10Bが、保持枠102に接する。弾性部材120は拡張部10Aに接し、保持枠102に対して、ミラー10を鉛直方向下向き(Z軸方下向き)に押圧する。また、弾性部材121は拡張部10Bに接し、保持枠102に対して、ミラー10を鉛直方向下向き(Z軸方下向き)に押圧する。弾性部材120、121は、その両端において、ねじ部材122により保持枠102に固定される。
拡張部10A、及び拡張部10Bには、それぞれ貫通孔10C及び10Dが形成される。保持枠102の貫通孔10C及び10Dに対応する位置に、図示しないピンが設けられる。ピンを貫通孔10C及び10Dに挿入することにより保持枠102とミラー10とが位置決めされる。実施形態では貫通孔10C及び10Dは、Z軸方向から見た平面視において、円形状である。円形状に限定されることなく、貫通孔10C及び10Dの一方を平面視で長穴形状にできる。長穴形状にすることで、保持枠102とミラー10とが位置決めの自由度を向上できる。
図5に示す構成部品を組み立てると、図6に示すように、ミラー10及びミラー10を移動させる機構100が完成し、撮像装置30の一部として機能する。
次に、弾性部材120により、ミラー10を保持枠102に固定する方法を説明する。図7は、図6をY軸方向こら見た図である。図7(A)は、弾性部材120の一例を示し、図7(B)の他の例を示す。
図7(A)に示すように、弾性部材120は、3箇所の折曲げ部120Aが形成された板状の形状で構成される。折曲げ部120AはZ軸方向の下向きに突出する。弾性部材120の両端を、ねじ部材122に固定することにより、弾性部材120は、折曲げ部120Aにおいて、拡張部10Aにおいてミラー10を鉛直方向下向きに押圧する。
図7(B)に示すように、弾性部材120は、2個所の折曲げ部120Aが形成された板状の形状で構成される。弾性部材120の両端を、ねじ部材122に固定することにより、弾性部材120は、折曲げ部120Aにおいて、図7(A)と同様に、拡張部10Aにおいてミラー10を鉛直方向下向きに押圧する。
図7(A)及び図7(B)では弾性部材120が、複数箇所でミラー10を押圧する場合を示したが、少なくとも1箇所で押圧できればよい。1箇所で押圧する場合、弾性部材120に形成された1箇所の折曲げ部120Aで押圧できる。また、弾性部材120の平板形状とし、全面で押圧できる。
実施形態では、ミラー10は、弾性部材120を介して、保持枠102に固定される。ミラー10は、ねじ部材122により直接的に保持枠102に固定されていない。ねじ部材122でミラー10を直接的に固定していないので、光学部品であるミラー10に意図しない外力が付与されるのを回避でき、ミラー10の光学的精度を維持できる。
弾性部材120が複数箇所でミラー10を押圧する場合、図7に示すように弾性部材120と拡張部10Aとの間に空間ができる。空間を有するので弾性部材120が変形可能となり、ミラー10に対する応力を逃がすことができる。なお、拡張部10Bを鉛直方向下向きに押圧する弾性部材121についても、同様の構造を適用できる。
次に、撮像素子33を移動する第1の機構60、及び第2の機構70を説明する。図8は、第1の機構60、及び第2の機構70を含む分解斜視図である。
第1の機構60は、第1のリング部材61と、第2のリング部材62と、を備える。
第1のリング部材61は、第2のリング部材62を収容可能な空間が形成された中空構造を有す、円柱形状の部材である。第1のリング部材61は、Z軸方向に平行な回転軸を中心に回転できる。第1のリング部材61は、内面に沿って形成されたねじ溝61Aを備える。
第2のリング部材62は、円柱形状の円筒部材63と、円筒部材63に連結される保持基板64と、を備える。撮像素子33が保持基板64に固定される。円筒部材63と保持基板64とは、ねじ部材65により連結され、固定される。この構成により、第2のリング部材62は撮像素子33を固定できる。
円筒部材63は、外面にねじ溝63Aを備える。円筒部材63のねじ溝63Aと、第1のリング部材61のねじ溝61Aとは、ねじ係合する。第1のリング部材61の内面と第2のリング部材62の外面とは、ねじ溝61Aとねじ溝63Aとに沿って相対的に回転可能である。
円筒部材63は、光軸方向に延びる凸形状部材で構成される係合部材66を、円筒部材63の上面に備える。また、光学系保持部材38は、平坦面と反対側において、係合部材66に向けて開口する凹形状部材で構成される被係合部材38C(図16参照)を備える。係合部材66と被係合部材38Cとは係合できる。実施形態では係合部材66及び被係合部材38Cの形状は、凸形状部材及び凹形状部材の組み合わせを例示したが、凹形状部材及び凸形状部材の組み合わせであってもよい。
第2の機構70は、第1のリング部材61に光軸方向から接触する複数の締結部材71を備える。実施形態において、締結部材71は、ねじ部材である。締結部材71は、例えば、保持部材36を貫通するねじ穴36Aに挿入される。締結部材71を回転することにより、締結部材71は第1のリング部材61に近づく方向、又は遠ざかる方向に移動できる。
次に、第1の機構60、第2の機構70、及び機構100の動作について説明する。図9に示すように、撮像装置30は、例えば、補助装置150に載置される。補助装置150に載置することにより、撮像装置30において、第1の機構60、第2の機構70、及び機構100の容易に動作させることができる。補助装置150は、テーブル152と、テーブル152に配置された2個の支持部材154、156と、支持部材154に支持される2個のマイクロメータ158と、支持部材156に支持される2個のマイクロメータ160と、を備える。
図10は、補助装置150を、撮像装置30を載置する面と反対の側から見た図である。図10に示すように、テーブル152は、撮像装置30を載置する位置において開口162を有する。拡大図に示すように、締結部材71は画定された開口162から露出する。
次に、ミラー10を移動する機構100について説明する。図11は、撮像装置30をZ軸方向から見た平面図である。理解を容易にするため支持部材154、156は省略されている。
図11に示すように、筐体40の第3部分43の内部の空間に、ミラー10を固定した保持枠102がセットされる。第3部分43の側壁43Aには、2個の第1の付勢部材104が配置される。突出部104A(不図示)が保持枠102に向けられる。第1の付勢部材104が、第1の面である側壁102Aと接触する。
同様に、第3部分43の側壁43Bには、2個の第2の付勢部材106が配置される。突出部106A(不図示)が保持枠102に向けられる。第2の付勢部材106が、第2の面である側壁102B接触する。
保持枠102を挟んで、第1の付勢部材104に対向する位置には2個のマイクロメータ158が配置される。また、保持枠102を挟んで、第2の付勢部材106に対向する位置には2個のマイクロメータ160が配置される。マイクロメータ158は第3部分43の側壁43Cに形成された貫通孔(不図示)を介して、保持枠102の側壁102Cに接触できる。また、マイクロメータ160は第3部分43の側壁43Dに形成された貫通孔(不図示)を介して、保持枠102の側壁102Dに接触できる。
この状態において、第1の付勢部材104及び第2の付勢部材106は、弾性部材として機能する。第1の付勢部材104は保持枠102をマイクロメータ158の側に付勢し、第2の付勢部材106は保持枠102をマイクロメータ160の側に付勢する。
例えば、2個のマイクロメータ158を同じ距離で操作することにより、保持枠102がX軸方向に平行に移動され、保持枠102に固定されたミラー10はX軸方向に平行に移動できる。例えば、2個のマイクロメータ158を同じ長さ突出することで、保持枠102は、マイクロメータ158に押され、側壁43Aの側に移動する。また、2個のマイクロメータ158を同じ長さ縮めると、保持枠102は、第1の付勢部材104に付勢され、側壁43Cの側に移動する。同様に、2個のマイクロメータ160を同じ距離で操作することにより、保持枠102がY軸方向に平行に移動され、保持枠102に固定されたミラー10はY軸方向に平行に移動できる。したがって、ミラー10は、2方向(X軸方向及びY軸方向)の並進自由度(並進2自由度)で移動できる。
例えば、2個のマイクロメータ158、及び/又は2個のマイクロメータ160を異なる距離で操作することにより、保持枠102がZ軸方向まわりに回転され、ミラー10がZ軸方向まわりに回転できる。したがって、ミラー10は、1方向(Z軸方向)の回転自由度(回転1自由度)で移動できる。
すなわち、ミラー10が、並進2自由度及び回転1自由度の3自由度で移動できることが理解できる。
ミラー10が適切な位置に移動したことは、例えば、コントラスト伝達関数値(Contrast Transfer Function:CTF値)を用いることが判断できる。CTF値が、ある基準より高い場合に、ミラー10の位置が適切であると判断できる。
なお、第1の付勢部材104及び第2の付勢部材106は保持枠102に接触し、付勢する状態である。したがって、第1の付勢部材104及び第2の付勢部材106は保持枠102の位置を保持した状態にある。
次に、ミラー10を移動させた後、図12に示すように、第1の締結部材108を、第1の付勢部材104の切欠104B(不図示)の側から挿入し、突出部104Aと締結する。突出部104A(不図示)の変形が規制される。第1の締結部材108が第1の付勢部材104の弾性部材としての機能を停止するので、第1の付勢部材104の位置が第1の締結部材108により固定される。
第2の締結部材110を、第2の付勢部材106の切欠106B(不図示)の側から挿入し、突出部106A(不図示)と締結する。突出部106Aの変形が規制される。第2の締結部材110が第2の付勢部材106の弾性部材としての機能を停止するので、第2の付勢部材106の位置が第2の締結部材110により固定される。一点鎖線で示すように、マイクロメータ158の接触中心と、第1の締結部材108の接触中心とが一致することが好ましい。同様に、マイクロメータ160の接触中心と、第2の締結部材110の接触中心とが一致することが好ましい。接触中心とは、保持枠102に接触する位置を意味する。一致するとは、両者の接触中心を結ぶ直線(一点鎖線)がX軸、又はY軸と平行となる状態を意味する。保持枠102の保持状態を維持した状態で、固定することができ、保持枠102が位置ずれるのを防止できる。
さらに、第1の固定部材130が、第3部分43の側壁43Cの貫通孔(不図)から挿入され、保持枠102の側壁102Cに接触する。側壁102Cは、第1の面である側壁102Aに対向する対向第1の面を構成する。
第2の固定部材132が第3部分43の側壁43Dの貫通孔(不図)から挿入され、保持枠102の側壁102Dに接触する。側壁102Dは、第2の面である側壁102Bに対向する対向第2の面を構成する。
第1の固定部材130及び第2の固定部材132は、例えば、ねじ部材である。側壁43C及び側壁43Dの貫通孔をねじ穴とすることで、第1の固定部材130及び第2の固定部材132が固定される。保持枠102が第1の固定部材130及び第2の固定部材132により固定され、ミラー10の位置が固定される。
保持枠102は、マイクロメータ158及びマイクロメータ160からの外力を取り去った場合でも、筐体40の第3部分43に対する相対的な位置が決定される。保持枠102に固定されたミラー10の位置も決定される。
上述したように、実施形態では、機構100では、側壁102A(第1の面)に接触して保持枠102の位置を保持する第1の付勢部材104と、第1の付勢部材104の位置を固定する第1の締結部材108とにより、第1の固定要素が構成される。第1の固定要素が保持枠102の側壁102Aに外力を付与する。
さらに、実施形態では、第1の固定要素は、側壁102C(対向第1の面)に接触する第1の固定部材130を更に含んでいる。
また、機構100では、側壁102B(第2の面)に接触して保持枠102の位置を保持する第2の付勢部材106と、第2の付勢部材106の位置を固定する第2の締結部材110とにより、第2の固定要素が構成される。第2の固定要素が保持枠102の側壁102Bに外力を付与する。
さらに、実施形態では、第2の固定要素は、側壁102D(対向第2の面)に接触する第2の固定部材132を更に含んでいる。
次に、図13に示すように、複数の部材112、114及び116が準備される。部材112,114及び116は、例えば、平面視で同じ形状である。一方で、部材112,114及び116の厚みを異ならせることができる。実施形態において、複数の部材112,114及び116は、同じ厚み、及び異なる厚みで準備される。部材112が、取付部材102Eと固定部43Eとの間、部材114が取付部材102Fと固定部43Fとの間、部材116が取付部材102Gと固定部43Gとの間に、それぞれ挿入される。
挿入される複数の部材112、114及び116が同じ厚みを有する場合、保持枠102は、Z軸方向に平行に移動され、保持枠102に固定されたミラー10はZ軸方向に平行に移動できる。したがって、ミラー10は、1方向(Z軸方向)の並進自由度(並進1自由度)で移動できる。
取付部材102Eと固定部43Eとの間、取付部材102Fと固定部43Fとの間、取付部材102Gと固定部43Gとの間に、異なる厚みの部材112、114及び116を挿入することにより、保持枠102がX軸方向、及びY軸方向まわりに回転され、ミラー10がX軸方向、及びY軸方向まわりに回転できる。したがって、ミラー10は、2方向(Z軸方向)の回転自由度(回転2自由度)で移動できる。部材112、114及び116は、バネ等の弾性部材であってもよい。
すなわち、ミラー10が、並進1自由度及び回転2自由度の3自由度で移動できることが理解できる。
ミラー10を移動させた後、第3の固定部材111、113及び115により、保持枠102が筐体40の第3部分43に固定され、ミラー10を固定した保持枠102の位置が決定される。
実施形態では、第3の面に接触する部材112と、部材112を固定する第3の固定部材111により第3の固定要素が構成される。同様に、第3の面に接触する部材114と部材114を固定する第3の固定部材113により、及び第3の面に接触する部材116と部材116を固定する第3の固定部材115により、第3の固定要素が構成される。
第3の固定要素が第3の面に外力を付与する。なお、第3の固定要素は、第3の面に3個所配置され、保持枠102の中心軸を中心とする周方向に均等に配置されることが好ましい。部材112及び第3の固定部材111、部材114及び第3の固定部材113、及び部材116及び第3の固定部材115は、保持枠102の中心軸を中心とし、120°の中心角となるよう配置される。周方向に均等に配置することで、ミラー10をバランスよく、X軸方向、及びY軸方向まわりに回転できる。
図14は、ミラー10の移動が完了した撮像装置30である。撮像装置30は補助装置150から取り外されている。上述したように、最終的には、ミラー10は、並進2自由度と回転1自由度の3自由度、及び並進1自由度と回転2自由度の3自由度の合計である6自由度で移動できる。なお、実施形態において、機構100は、6自由度それぞれの自由度で独立している。
保持枠102に外力を付与することにより、ミラー10を6自由度で移動する。ミラー10に外力が付与されることを抑制でき、ミラー10の変形、また応力を回避できる。
撮像素子33を移動する、第1の機構60、及び第2の機構70の動作を説明する。図15は、撮像装置30をZ軸方向の下方から見た斜視図である。なお、理解容易にするため、支持台34を省略し、保持部材36を透過させている。図15に示すように保持部材36に撮像素子33が固定される。第1の機構60を構成する第1のリング部材61は、光学系保持部材38から露出する。第1のリング部材61は、矢印に示す方向に回転可能に構成される。
図16は第1の機構60を含む撮像装置30の断面図である。図16に示すように、第1のリング部材61のねじ溝61Aと、第2のリング部材62の円筒部材63のねじ溝63Aとは、ねじ係合する。第1のリング部材61と第2のリング部材62とは相対的に回転可能に構成される。第1のリング部材61は、回転可能に構成される一方で、保持部材36と光学系保持部材38とにより挟まれているので、第1のリング部材61の光軸方向の移動は規制される。
円筒部材63に設けられた係合部材66と、光学系保持部材38に設けられた被係合部材38Cと、が係合する。第2のリング部材62の回転は、係合部材66と被係合部材38Cとの係合により規制される。したがって、第2のリング部材62は、第1のリング部材61を回転させた場合でも、供回りをしない。一方で、第2のリング部材62の光軸方向の移動は許容される。なお、係合部材66と被係合部材38Cとは、複数個設けることができる。
第1の機構60において、第1のリング部材61を回転させると、回転が規制された第2のリング部材62は、ねじ係合により第1のリング部材61の回転に連動して、光軸方向に沿って移動できる。第2のリング部材62の移動により、保持部材36に固定された撮像素子33を光軸方向(Z軸方向)に移動できる。
係合部材66と被係合部材38Cとは、第2のリング部材62を光軸方向に移動する際のガイドとして機能し、第2のリング部材62は光軸方向に沿って安定して移動できる。
図17は、撮像装置30を光軸方向から見た際の底面図である。図17に示すように、第1のリング部材61は、保持部材36に対して非重複部分61Bを有する。非重複部分61Bは、人が指で容易に触れることができるので、工具を使うことなく、第1のリング部材61を回転させることができる。例えば、図9に示すように、撮像装置30を補助装置150に載置した場合でも、第1のリング部材61を容易に回転できる。
なお、第1のリング部材61は、支持台34に対しても非重複部分61Bを有することが好ましい。ここで、非重複部分61Bは、保持部材36からはみ出した部分である。
次に、図15に示すように、第2の機構70を構成する3個の締結部材71は、第1のリング部材61に光軸方向から接触する。3個の締結部材71は、独立して、光軸方向に移動できる。3個の締結部材71の移動量を、それぞれ異ならせることで、第1のリング部材61の傾きを動かすことができ、第1のリング部材61に、ねじ結合する第2のリング部材62の傾きを動かすことができる。したがって、第2のリング部材62を構成する保持基板64に固定された撮像素子33の光軸方向に対する傾きを移動できる。なお、図9に示すように、撮像装置30を補助装置150に載置した場合でも、図10に示すように、開口162を介して、締結部材71を操作でき、撮像素子33の光軸方向に対する傾きを動かすことができる。
実施形態では、弾性部材50により第1のリング部材61は、保持部材36の側に付勢される。3個の締結部材71は、弾性部材50の付勢の方向に抗する方向に第1のリング部材61を移動させる。
実施形態では、第1の機構60と第2の機構70とは互いに独立した機構であることが好まし。撮像素子33の光軸方向への移動と、撮像素子の光軸方向に対する傾きを独立して移動できる。
図18は撮像装置をZ軸方向の下方から見た斜視図である。理解を容易にするため支持台34、及び保持部材36を省略する。弾性部材50により第1のリング部材61が保持部材36に向けて付勢されているので、3個の締結部材71は、第1のリング部材61に基本的に接触する。したがって、第1のリング部材61を回転させると、第1のリング部材61と締結部材71とは擦れ合う。第1のリング部材61と締結部材71との摩擦により、削れ粉(いわゆる、ゴミ)が発生する懸念がある。実施形態では、図18に示すように、第1のリング部材61は、底面において、締結部材71との接触位置において溝61Cを備える。溝61Cは第1のリング部材61の底面の全周に設けられる。第1のリング部材61は回転するので、締結部材71と全周において接触するからである。削れ粉が発生した場合、削れ粉は溝61Cに入り、が拡散することが防止される。
図2、及び図3で説明したように、ミラー10は、反射面の一部分が結像に利用される有効領域EAを有する。有効領域EAの周囲は、結像に利用されない非有効領域IAとなる。非有効領域IAに意図しない光線が照射されないことが望ましい。そのための構成を次に説明する。
図19はミラーを含む撮像装置の断面図である。図19に示すように、保持枠102は、ミラー10の有効領域EAの外周に位置する非有効領域IAの光線の通過を抑止する遮光部材102Kを有する。遮光部材102Kは、ミラー10の有効領域EAのみの光線を通過させる。非有効領域IAに光線が当たらないので迷光が抑制できる。遮光部材102Kは保持枠102と一体に構成することが好ましい。
図20は、撮像素子と結像光学系の位置の関係を示す図である。図2に説明したように、撮像素子33の有効素子領域33Aの中心Cと結像光学系32の光軸OAとが異なる。具体的には、図20に示すように、撮像素子33の有効素子領域33Aの中心Cは、結像光学系32の光軸より、撮像範囲20に近い位置にある。
有効素子領域33Aの中心Cと、第1の機構60及び第2の機構70の中心軸とが、一致することが好ましい。撮像素子33を精度よく光軸方向に移動でき、かつ光軸方向に対して傾きを動かすことができる。
実施形態では、撮像装置について説明したが、ミラーを6自由度で移動できる機構は、例えば、ミラーを備えるプロジェクタ等の光学装置に適用できる。