以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
<決済情報処理システムの構成>
まず、本発明の一実施形態に係る決済情報処理システムについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る決済情報処理システムの概略構成を示す図である。
図1に示すように、決済情報処理システム1は、顧客端末100、店舗決済端末200、店舗管理端末300、情報処理装置400、および決済システム500を有する。顧客端末100は、インターネット等のネットワークを介して決済システム500と相互に通信可能に接続されている。店舗決済端末200は社内ネットワーク等を介して店舗管理端末300と相互に通信可能に接続されている。店舗管理端末300、決済システム500は、それぞれネットワークを介して情報処理装置400と通信可能に接続されている。なお、各構成間の接続は、上記の例に限定されず、各構成同士が任意の方法によって接続されてもよい。
以下、各構成について詳細に説明する。
<顧客端末100>
顧客端末100は、商品等のアイテムを購入する顧客に携帯されるスマートフォンまたはタブレットPC等の情報端末である。
図2は、顧客端末の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、顧客端末100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150および操作表示部160を有する。各構成は、バス170を介して相互に通信可能に接続されている。
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
ストレージ140は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。たとえば、ストレージ140には、ネットワークを介して決済システム500との間で各種情報を送受信したり、決済システム500から提供される各種情報を表示したりするためのアプリケーションがインストールされている。
通信インターフェース150は、決済システム500等の外部機器と通信するためのインターフェースであり、たとえば、携帯電話通信用の3G、4G等の規格や、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。通信インターフェース150として、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信のための規格が用いられ、近接する店舗決済端末200等との通信が行われてもよい。
操作表示部160は、たとえば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種情報を表示すると共に、顧客からの各種入力を受け付ける。
<店舗決済端末200>
店舗決済端末200は、アイテムを販売する小売業等の販売者の店舗に設けられる決済用の情報端末である。本実施形態では、店舗決済端末200は、複数の規格または複数の種類の決済サービスに対応可能なマルチ決済端末である。店舗決済端末200は、アイテムの販売に関する処理を行うためのPOS(Point Of Sales)端末に組み込まれて一体化されてもよく、POS端末に接続されてもよく、あるいはPOS端末とは独立して設けられてもよい。
図3は、店舗決済端末の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、店舗決済端末200は、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、操作表示部260および読取部270を有する。各構成は、バス280を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、操作表示部260は、顧客端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
読取部270は、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コード等のコード(以下、バーコード等と総称する。)を読み取るための読取装置(リーダー)である。読取部270は、たとえば、顧客端末100の操作表示部160に表示されたバーコード等を読み取ることによって、決済サービスにおいて顧客を識別するための識別情報を含む顧客情報や顧客および取引を識別するための識別情報である取引ID、店舗で使用可能なクーポンに関する情報等の各種情報を取得する。また、読取部270は、アイテムに付されたバーコード等を読み取ることによって、アイテムを識別するための商品識別情報やアイテムの購入金額に関する金額情報等を取得してもよい。また、読取部270は、非接触ICカードから情報を読み取るための非接触ICリーダーや、磁気カードから磁気ストライプ情報を読み取るための磁気カードリーダーを含んでもよい。また、読取部270は、通信インターフェース250を介して、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式による通信を行い、スマートフォン等から送信される情報を読み取ってもよい。読取部270を介して取得された情報は、店舗を識別するための店舗情報や取引金額を示す金額情報とあわせて、取引情報として情報処理装置400に送信される。店舗を識別するための店舗情報は、たとえば店舗決済端末200の設置時等に予めストレージ240に記憶される。金額情報は、たとえば取引を行う際に、店舗のスタッフ等によって操作表示部260を介して入力される。
<店舗管理端末300>
店舗管理端末300は、アイテムを販売する小売業等の販売者の本部等に設けられ、店舗の売上・入金管理を行ったり、売上分析などのマーケティング分析を行ったりするための端末である。
図4は、店舗管理端末の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、店舗管理端末300は、CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350および操作表示部360を有する。各構成は、バス370を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350および操作表示部360は、顧客端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
ストレージ340には、情報処理装置400から送信される売上金額、入金金額、入金スケジュール等の情報を一覧表示して管理するためのアプリケーションや、情報処理装置400から送信されるレポートを表示するためのアプリケーション等がインストールされている。
<情報処理装置400>
情報処理装置400は、たとえばサーバー等のコンピューターであり、本実施形態では決済情報処理装置として機能する。情報処理装置400は、たとえば、それぞれ異なる決済サービスを提供する複数の決済事業者と店舗との間の加盟契約、システムおよび業務運用、入金管理等を取りまとめる決済代行業者またはプロセッサー等のために提供される。
図5は、情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置400は、CPU410、ROM420、RAM430、ストレージ440、通信インターフェース450および操作表示部460を有する。各構成は、バス470を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU410、ROM420、RAM430、ストレージ440、通信インターフェース450および操作表示部460は、顧客端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
ストレージ440には、CPU410を、取得部、集計部、算出部、レポート生成部、出力部、予測部、貸付処理部、早期入金処理部、借入処理部、受付部、および配信部として機能させるためのプログラムが記憶されている。また、ストレージ440には、各店舗が契約している決済サービスごとの手数料の算出ロジックや入金スケジュール(サイクル)、各店舗の資金を保有する金融機関の口座に関する情報等も記憶されている。情報処理装置400の機能について、詳細は後述する。
<決済システム500>
決済システム500は、顧客が店舗においてアイテムを購入する際の決済手段を提供する決済事業者に設けられるシステムである。決済事業者は、たとえば、銀行等の金融機関である。本実施形態では、決済事業者である金融機関が、顧客のモバイル端末を利用したモバイル決済手段を提供する例について説明する。
上記のモバイル決済手段は、顧客端末100にダウンロードおよびインストールされる決済用アプリケーションを介して提供される。たとえば、決済用アプリケーションによって、顧客端末100の操作表示部160に、決済サービスにおいて顧客を識別するための顧客情報に対応するバーコード等の一次元コードや、QRコード(登録商標)等の二次元コード等が表示される。これらの一次元コードや二次元コードが店舗決済端末200の読取部270によって読み取られ、顧客情報が取得される。顧客情報には、口座番号情報、カード番号情報、決済アカウント情報等の資金決済に必要な情報が予め関連付けられて決済システム500に記憶されている。店舗決済端末200によって取得された顧客情報が、店舗情報や金額情報等と共に、情報処理装置400を介して決済システム500に送信されることによって、顧客のアイテム購入における支払い処理が実行される。
図6は、決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、決済システム500は、CPU510、ROM520、RAM530、ストレージ540、通信インターフェース550および操作表示部560を有する。各構成は、バス570を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU510、ROM520、RAM530、ストレージ540、通信インターフェース550および操作表示部560は、顧客端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
ストレージ540には、顧客端末100にダウンロードおよびインストールされる決済用アプリケーションや、当該決済アプリケーションを介して各顧客端末100との間で各種情報を送受信するためのプログラム等が記憶されている。たとえば、ストレージ540には、顧客端末100からの要求に応じて、顧客情報に対応するバーコードを生成して顧客端末100に送信するためのプログラムが記憶されている。また、ストレージ540には、店舗管理端末300および情報処理装置400から送信される支払情報に基づいて、アイテムを購入したユーザーと販売者との間での購入代金の資金決済を実行するためのプログラムおよび各種情報がインストールおよび記憶されている。
図7は、情報処理装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、情報処理装置400は、CPU410がストレージ440に記憶されたプログラムを読み込んで処理を実行することによって、取得部4101、集計部4102、算出部4103、レポート生成部4104、出力部4105、予測部4106、貸付処理部4107、早期入金処理部4108、借入処理部4109、受付部4110、および配信部4111として機能する。
取得部4101は、顧客が取引を行う店舗を識別するための店舗情報と、取引における取引金額を示す金額情報と、決済サービスにおいて顧客を識別するための識別情報に関する顧客情報と、を含む取引情報を、送信元から取得する。送信元は、たとえば店舗に設置された店舗決済端末200である。また、取得部4101は、顧客が他の店舗において行った取引に関する取引情報も取得する。また、取得部4101は、他の店舗の位置に関する情報も取得する。
集計部4102は、取得部4101によって取得された取引情報に含まれる顧客情報に基づいて、取引情報に対応する決済サービスを特定する。集計部4102は、所定の期間に取得された取引情報について、決済サービスごとの取引金額の合計を売上金額として集計する。
算出部4103は、ストレージ440に予め記憶された決済サービスごとの手数料算出ロジックに基づいて、所定の期間における決済サービスごとの手数料を算出する。算出部4103は、売上金額と手数料から、決済サービスごとの店舗への入金金額を算出する。手数料算出ロジックは、たとえば、売上金額に対して一定の割合を乗算する方式である。手数料算出ロジックは、上記の方式以外でもよく、たとえば取引件数や売上金額等に応じて変動する方式であってもよく、所定の期間において定額とする方式であってもよい。
レポート生成部4104は、取引情報に含まれる顧客情報に基づいて、決済サービスにおいて管理される顧客の属性に関する属性情報を取得する。レポート生成部4104は、取引情報に属性情報を対応付けてストレージ440に記憶すると共に、取引情報を属性情報によって分析したレポートを生成する。属性情報は、決済サービスを提供する決済事業者の決済システム500から取得することができる。たとえば、決済事業者が決済システム500に加えて情報処理装置400も管理している場合、情報処理装置400は、顧客の同意を得れば、自社が管理する決済システム500から顧客の属性情報を取得できる。属性情報には、たとえば顧客の年齢、性別、居住地、収入、家族構成、決済サービスの利用履歴(店舗、業種、平均利用金額、最高利用金額、利用回数等)、当該店舗での利用履歴(購入アイテム、平均利用金額、最高利用金額、利用回数等)、興味のある事柄、所在する位置等に関する情報が含まれる。レポート生成部4104は、たとえば取引情報を顧客の年齢および性別によって分析し、年齢および性別ごとの売上額や売上割合のレポートを生成したり、さらに時間帯別に年齢および性別ごとの売上額や売上割合のレポートを生成したりすることができる。また、レポート生成部4104は、年齢、性別以外にも、居住地、収入、利用履歴等の他の属性情報によって取引情報を分析してレポートを生成することができる。
また、レポート生成部4104は、取得部4101によって、顧客が当該店舗以外の他の店舗において行った取引に関する取引情報が取得された場合、顧客が他の店舗において行った取引に関する取引情報を属性情報によって分析したレポートをさらに生成する。また、レポート生成部4104は、取得部4101によって、他の店舗の位置に関する情報が取得された場合、顧客が取引を行った位置に関する情報によって取引情報を分析したレポートを生成する。また、レポート生成部4104は、当該店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果と、他の店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果を比較して、比較結果をレポートに含めて生成する。
出力部4105は、決済サービスごとの売上金額および入金金額を、予め記憶された決済サービスごとの入金スケジュールと関連付けて出力すると共に、レポート生成部によって生成されたレポートを店舗が閲覧可能となるように出力する。
予測部4106は、店舗が保有する口座の状況を確認し、店舗への入金金額および口座の状況に基づいて、店舗における資金の状況を予測する。口座の状況としては、口座の残高、予め定められている入出金の予定、入出金の履歴から推測される入出金の予測等が確認される。入出金の予測は、過去の入出金の履歴における所定の期間の平均値等、ルールベースで推測されたものでもよく、あるいは、教師データを用いて予め機械学習されたニューラルネットワーク等によって推測されたものでもよい。
貸付処理部4107は、予測部4106によって、店舗の資金が余剰すると予測された場合、店舗に対して入金金額の少なくとも一部の他者に対する貸付に関する提案を送信する。貸付処理部4107は、店舗から貸付に関する指示を受け付けた場合、店舗から他者への貸付を実行する。他者への貸付は、たとえば情報処理装置400から決済システム500に対して、店舗の口座から所定の貸付先への貸付の実行に関する指示を送信することによって実行される。
早期入金処理部4108は、予測部によって、店舗の資金が不足すると予測された場合、店舗に対して入金スケジュールの早期化に関する提案を送信する。早期入金処理部4108は、店舗から入金スケジュールの早期化に関する指示を受け付けた場合、入金スケジュールを変更して入金を実行する。また、早期入金処理部は、所定の算出ロジックに基づいて入金スケジュールの早期化に伴う早期払い手数料を算出し、入金スケジュールの早期化に関する指示を受け付けた場合、入金金額から早期払い手数料を差し引いて入金を実行する。
借入処理部4109は、予測部によって、店舗の資金が不足すると予測された場合、店舗に対して資金の借入に関する提案を送信し、店舗から借入に関する指示を受け付けた場合、店舗における資金の借入を実行する。店舗における資金の借入は、たとえば情報処理装置400から決済システム500に対して、店舗の口座における借入の実行に関する指示を送信することによって実行される。
受付部4110は、店舗において利用可能なクーポンを顧客に対して発行するための指示を受け付ける。受付部4110は、たとえば出力部4105によって出力されるレポートの画面において、顧客の属性情報を指定した指示を受け付け可能である。
配信部4111は、受付部4110において指示が受け付けられた場合、顧客に対してクーポンを配信する。たとえば、受付部4110において顧客の属性情報を指定した指示が受け付けられた場合、配信部4111は、指定された属性情報に対応する顧客のグループに対してクーポンを配信する。これにより、店舗は、レポートを確認してターゲット層となる顧客の属性情報を抽出し、ターゲットとして抽出された属性情報に対応する顧客に対して効率的にクーポンを配信できる。配信部4111は、たとえば決済サービスにおいて管理される顧客の情報を決済システム500から取得し、取得した顧客の情報を用いて顧客に対してクーポンを配信する。あるいは、利用された決済サービスが、取引ごとに各取引を識別するための固有の取引IDを発行する方式によって実行される場合、配信部4111は、クーポンの発行依頼と共に、クーポンを発行する対象の顧客の取引に対応する取引IDを、決済サービスを提供する決済事業者の決済システム500に提供することによって、決済事業者を介して顧客にクーポンを配信する。
<システムにおける処理フロー>
図8は、情報処理装置によって実行される処理の手順を示すシーケンスチャートである。図9は、情報処理装置によって出力され店舗管理端末に表示されるダッシュボード画面(レポート画面)の一例を示す図である。図10は、図8のステップS115に示される資金予測・提案処理の流れを示すフローチャートである。図11は、図9のステップS116に示されるレポート生成処理の流れを示すフローチャートである。図8、10、11のシーケンスチャートまたはフローチャートに示される処理は、各構成のストレージにプログラムとして記憶されており、CPUが各部を制御することにより実行される。
図8に示すように、たとえば、顧客が顧客端末100にインストールされた決済用アプリケーション等を操作することによって、操作表示部160に、顧客を識別するための顧客情報や顧客および取引を識別するための取引ID等の識別情報を示すQRコード(登録商標)またはバーコード等が表示される(ステップS101)。
続いて、店舗決済端末200は、読取部270によって顧客端末100に表示されたQRコード等を読み取ることによって、識別情報を取得する(ステップS102)。なお、店舗決済端末200が識別情報を取得する方法は上記の例に限定されない。たとえば、店舗決済端末200は、読取部270として非接触ICリーダーを備え、顧客端末100に設けられた非接触ICチップ等から識別情報を取得してもよい。あるいは、店舗決済端末200は、顧客端末100から、識別情報に関連付けられた情報を取得し、取得した情報をキーとして、ネットワークを介して接続される他のサーバー等から識別情報を取得してもよい。また、店舗決済端末200は、操作表示部260において識別情報の入力を受け付けることによって識別情報を取得してもよい。
ここで、顧客情報は、決済事業者等によって個々のユーザーを識別するために割り当てられる情報である。顧客情報は、決済システム500において顧客の支払用の口座番号等に関連付けられて記憶されており、顧客がアイテムを購入する際に、取引情報として使用される。また、取引IDは、顧客情報を含み、さらに当該顧客の取引1件1件を識別するために決済事業者等によって取引ごとに付与される情報である。
続いて、店舗決済端末200は、読取部270によってアイテムに付されたバーコード等を読み取ることによって、購入されるアイテムを識別するためのJANコード等の商品識別番号を取得する。また、店舗決済端末200は、取得した商品識別番号をキーとして商品管理システム等を検索することによって、アイテムの金額情報(販売価格情報)等の各種情報を取得する。
続いて、店舗決済端末200は、取得した情報に基づいて、決済システム500において取引の決済を行うために必要な取引情報である店舗情報、金額情報、顧客情報(取引ID)等を含む決済要求を生成し(ステップS103)、情報処理装置400に送信する(ステップS104)。なお、店舗決済端末200は、生成した決済要求を、情報処理装置400を経由させずに、他のシステムやネットワーク(例えば、情報処理センター、中継サーバー、決済代行センター等に設けられるサーバー等)を介して決済システム500に送信してもよい。この場合の処理について、詳細は後述する。
続いて、情報処理装置400は、店舗決済端末200から送信された取引情報を取得し、取引情報に含まれる顧客情報または取引IDに基づいて、当該取引に使用される決済サービスを特定する(ステップS105)。情報処理装置400は、取得した取引情報と特定された決済サービスを関連付けてストレージ440に記憶する。
続いて、情報処理装置400は、特定された決済サービスを処理可能な決済システム500に取引情報を含む決済要求を送信する(ステップS106)。
続いて、決済システム600は、決済要求の内容や顧客のアカウント(口座)の状況等に基づいて、決済の実行可否を判定し(ステップS107)、判定結果を情報処理装置400に応答する(ステップS108)。
続いて、情報処理装置400は、決済システム600から受信した判定結果の応答を確認し(ステップS109)、店舗決済端末200に送信する(ステップS110)。情報処理装置400は、受信した判定結果の応答をストレージ440に記憶する。
ここで、ステップS104の処理において、店舗決済端末200が、生成した決済要求を、情報処理装置400を経由させずに、他のシステムやネットワーク等を介して決済システム500に送信した場合の処理について説明する。この場合、情報処理装置400は、決済要求を受信して処理した決済システム500から取引情報および結果に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、ステップS105、ステップS109、および後述するステップS114以降の処理を実行する。このとき、上記のステップS106、ステップS108、およびステップS110の処理は、情報処理装置400ではなく、上記の他のシステム等によって実行される。
続いて、店舗決済端末200は、受信した判定結果の内容に応じて、決済完了処理を実行する(ステップS111)。具体的には、判定結果の内容が決済の許可を示すものであれば、店舗決済端末200は、操作表示部260に支払完了を示す画面を表示させて店舗のスタッフに支払完了を通知する。また、店舗決済端末200は、スピーカーまたはランプ(不図示)等を介して支払完了を示す音声や光を出力して、店舗のスタッフおよび顧客が支払完了を容易に把握できるようにしてもよい。これにより、顧客によるアイテムの購入が完了する。
続いて、顧客端末100は、判定結果の内容を取得し(ステップS112)、決済処理の結果や、決済処理がユーザーのプリペイド残高を用いた場合は決済処理後の残高を、操作表示部160に表示する(ステップS113)。決済処理の結果や残高は、顧客端末100が決済用アプリケーションを介して決済システム500と通信することによって取得されてもよく、顧客端末100が店舗決済端末200と通信することによって取得されてもよい。なお、判定結果の内容が決済の拒絶(不許可)を示すものであれば、店舗決済端末200は、操作表示部260の表示やスピーカーまたはランプ等の出力を介して、決済が完了していないことを店舗のスタッフおよび顧客に通知する。この場合、店舗決済端末200は、他の方法での支払処理を促してもよい。
続いて、情報処理装置400は、ステップS109の処理において判定結果の内容が決済の許可であることが確認された取引について、所定の期間における対象の店舗での決済サービスごとの取引金額の合計を売上金額として集計する(ステップS114)。そして、情報処理装置400は、予め記憶された決済サービスごとの手数料算出ロジックに基づいて、所定の期間における対象の店舗での決済サービスごとの手数料を算出し、売上金額と手数料から、決済サービスごとの対象の店舗への入金金額を算出する。
続いて、情報処理装置400は、対象の店舗が保有する口座の状況を確認し、当該店舗への入金金額および口座の状況に基づいて、店舗における資金の状況を予測し、予測に基づいて、貸し出し、借り入れ、早期入金等の店舗に向けた各種提案を作成する(ステップS115)。資金の状況を予測したり、店舗に向けた各種提案を作成したりする処理について、詳細は図10を参照して後述する。
続いて、情報処理装置400は、取得した取引情報を、顧客情報等によって分析したレポートを生成する(ステップS116)。レポートを生成する処理について、詳細は図11を参照して後述する。
続いて、情報処理装置400は、ステップS115の処理において作成した提案やステップS116の処理において生成したレポート等を店舗管理端末300に送信する(ステップS117)。
続いて、店舗管理端末300は、情報処理装置400から受信した提案やレポートを操作表示部360に表示して、店舗の管理者等から資金移動に関する指示や、顧客へのクーポン配信に関する指示を受け付ける(ステップS118)。たとえば、店舗管理端末300には、提案やレポートの内容が、図9に例示されるようなダッシュボード画面として表示される。ダッシュボード画面には、店舗の資金管理に必要な資金の状況や入出金の予定や、店舗において顧客の属性情報に基づくマーケティングを実施可能とするため取引情報の分析結果等が一覧化されて表示される。
たとえば、図9の画面においては、入金予定として、「Aクレジット」、「B電子マネー」、「Cペイ」、「Dウォレット」といった多種多様な決済サービスごとに、精算日(入金日)、精算金額(取引金額から手数料を差し引いた入金金額)が一覧表示されている。また、「Aクレジット」の入金金額について、「早期入金依頼」を行うための提案が、依頼を指示するためのボタンとして表示されている。他にも、入出金の履歴を一覧で示す入出金チャート、決済サービスごとの取引件数・取引金額の合計値や割合を示す決済手段別チャート、取引1件ごとの明細を示す決済履歴等が表示されている。
また、ダッシュボード画面には、たとえば、取引情報を顧客の年齢および性別によって分析した結果である、年齢および性別ごとの売上額や売上割合のレポートや、時間帯別の年齢および性別ごとの売上額や売上割合のレポートが表示されてもよい。あるいは、年齢、性別以外にも、居住地、収入、利用履歴等の他の属性情報によって取引情報を分析したレポートが表示されてもよい。さらに、対象の店舗で取引を行った顧客が他の店舗において行った取引に関する取引情報を属性情報によって分析したレポートが表示されてもよい。また、顧客が取引を行った他の店舗の位置に関する情報によって取引情報を分析したレポートが表示されてもよい。また、対象の店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果と、他の店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果を比較した結果がレポートとして表示されてもよい。これにより、対象の店舗では、顧客の属性や趣味趣向、行動パターンや購買傾向等を把握して効果的なマーケティング活動を行うことができる。たとえば、レポートでの分析結果において、ある属性情報を有する顧客層(40代男性等)において特定の行動パターンが見られた場合、店舗管理端末300は、属性情報を指定してクーポンの配信指示を受け付けることができる。この場合、店舗管理端末300は、その属性情報を有する顧客のグループに対してクーポンを配信するための指示を情報処理装置400に送信する。
続いて、店舗管理端末300は、ステップS118の処理において受け付けた指示を、情報処理装置400に送信する(ステップS119)。
続いて、情報処理装置400は、店舗管理端末300から送信された指示に従って、資金移動やクーポン配信を決済システム500に要求するためのデータを生成し(ステップS120)、決済システム500に送信する(ステップS121)。
続いて、決済システム500は、情報処理装置400からの要求に基づいて、店舗の資金の他社への貸し出しや借り入れ、早期入金等を行うための処理を実行する(ステップS122)。
続いて、決済システム500は、情報処理装置400からの要求に基づいて、顧客へのクーポン配信を行うための処理を実行する(ステップS123)。
決済システム500は、上記の処理の結果を情報処理装置400に通知し(ステップS124)、情報処理装置400は、受信した処理の結果を店舗管理端末300に通知する(ステップS125)。また、決済システム500は、顧客端末100の決済用アプリケーションや予め登録された電子メールアドレスやSNSアカウント等を介して、顧客に対してクーポンを配信し(ステップS126)、顧客端末100においてクーポンが取得される(ステップS127)。
<資金予測・提案作成処理>
次に、図8のステップS115に示される資金予測・提案作成処理について説明する。
図10に示すように、情報処理装置400は、店舗の口座の状況を確認する(ステップS201)。たとえば、情報処理装置400は、現在の口座の残高や過去の入出金の履歴や傾向、定期的な引き落としや送金等の入出金の設定の有無等を確認する。
続いて、情報処理装置400は、ステップS201の処理において確認した口座の状況と、図8のステップS114の処理において算出された、店舗への入金金額・スケジュール等に基づいて、資金の状況を予測する(ステップS202)。資金の状況の予測は、たとえば、店舗の口座における過去の入出金の履歴に、時期的、季節的な傾向等の変動要素を加味して実行され得る。たとえば、賃料、光熱費、定常的な人件費等の固定費的な出費は、過去の実績に基づいて、所定の期間の平均値等に増減の傾向を加味することによって予測され得る。また、材料費、臨時的な人件費等の変動費的な出費は、たとえば、過去の実績における売上金額との相関関係から予測され得る。上記のような予測は、予め設定された条件に基づいてルールベースで算出されてもよい。あるいは、上記のような予測は、業種、売上規模、過去の入出金履歴、次月の入金予定金額等を入力として、次月の資金の残状況を出力とする多数の教師データを用いて機械学習されたニューラルネットワーク(DNN等)に、対象の店舗の業種、売上規模、過去の入出金履歴、次月の入金予定金額等を入力することによって推定されてもよい。
続いて、情報処理装置400は、ステップS202の処理における予測に基づいて、店舗の資金が余剰する見込みであるか否かを判断する(ステップS203)。
資金が余剰する見込みである場合(ステップS203:YES)、情報処理装置400は、店舗に対して入金金額の少なくとも一部を他者に対して貸し付ける提案(いわゆるトランザクションレンディングに関する提案)等を作成する(ステップS204)。
資金が余剰する見込みでない場合(ステップS203:NO)、情報処理装置400は、資金が不足する見込みであるか否かを判断する(ステップS205)。
資金が不足する見込みである場合(ステップS205:YES)、情報処理装置400は、店舗に対して入金される予定の金額の早期入金に関する提案を作成する(ステップS206)。早期入金に関する提案には、たとえば、入金スケジュールや、早期入金にかかる手数料を差し引いた入金金額、早期入金後の資金状況の予測等が含まれる。また、情報処理装置400は、店舗に対して資金の借り入れに関する提案を作成する(ステップS207)。借り入れに関する提案には、たとえば、入金スケジュールや、返済スケジュール、必要な手数料、借り入れ後の資金状況の予測等が含まれる。たとえば、情報処理装置400は、店舗における資金の不足が一時的なキャッシュの不足である場合は、ステップS206の早期入金の提案を行い、そうでない場合は、ステップS207の借り入れの提案を行ってもよい。
資金が不足する見込みでない場合(ステップS205:NO)、情報処理装置400は、資金に関する提案の必要はないと判断して資金予測・提案作成処理を終了し、ステップS116の処理に進む。なお、情報処理装置400は、資金が不足する見込みでない場合でも、ステップS206の早期入金の提案や、ステップS207の借り入れの提案を行ってもよい。
<ステップS116のレポート生成処理>
次に、図8のステップS116に示されるレポート生成処理について説明する。
図11に示すように、情報処理装置400は、取引情報に対応する顧客の属性情報を、決済システム500から取得する(ステップS301)。決済システム500は、顧客に対して決済サービスを提供するために、顧客の年齢や性別といった顧客の属性に関する様々な情報を取得してデータベースとして記憶している。たとえば、決済システム500を管理する決済事業者が、情報処理装置400も管理している場合、顧客の同意が得られれば、情報処理装置400は、決済システム500から顧客の属性情報を容易に取得できる。
続いて、情報処理装置400は、対象店舗の取引情報を、ステップS301の処理において取得した顧客属性によって分析したレポートを生成する(ステップS302)。たとえば、顧客の属性情報として顧客の年齢および性別が取得されている場合、情報処理装置400は、取引情報を顧客の年齢および性別によって分析して、年齢および性別ごとの売上額や売上割合のレポートを生成することができる。あるいは、年齢、性別以外にも、居住地、収入、利用履歴等の他の様々な属性情報によって取引情報を分析したレポートを生成することができる。
続いて、情報処理装置400は、取引情報に対応する顧客の他の店舗での取引情報を、ストレージ440または決済システム500等から取得する(ステップS303)。情報処理装置400のストレージ440には、様々な店舗の店舗決済端末200から送信された取引情報が蓄積されるため、情報処理装置400は、取引情報に対応する顧客の他の店舗での取引情報を、ストレージ440から取得することができる。また、店舗決済端末200が設置されていない店舗における取引については、ストレージ440に取引情報が記憶されていないため、顧客の識別情報等をキーとして当該顧客の取引情報を決済システム500から検索して取得してもよい。
続いて、情報処理装置400は、他の店舗での取引情報を、ステップS303の処理において取得した顧客属性によって分析したレポートを生成する(ステップS304)。これにより、たとえば、競合店舗や同じ地域の他の店舗の利用状況を顧客の属性情報ごとに把握することができ、対象の店舗における効果的なマーケティング分析や集客施策等を検討することができる。
続いて、情報処理装置400は、顧客が取引を行った位置に関する情報を取得する(ステップS305)。顧客が取引を行った位置に関する情報は、たとえば、店舗決済端末200が情報処理装置400に取引情報を送信する際に、位置情報をあわせて送信することによって取得されてもよい。あるいは、店舗決済端末200が固定設置されている場合は、店舗決済端末200の位置情報が予め情報処理装置400に記憶されていてもよい。店舗の識別情報を示すバーコード等を顧客端末100のカメラ等で撮影して読み取ると共に、顧客端末100において取引金額等の入力を受け付けて、顧客端末100から情報処理装置400に取引情報を送信してもよい。なお、後述するように、店舗決済端末200を用いずに、顧客端末100が、取引情報を情報処理装置400または決済システム500に送信する場合、顧客端末100が自機の位置情報を取引情報とあわせて送信し、顧客が取引を行った位置に関する情報として使用されてもよい。
続いて、情報処理装置400は、顧客の取引情報を、取引を行った位置に関する情報によって分析したレポートを生成する(ステップS306)。これにより、自店舗の顧客が他にどのような位置または範囲で購買活動を行っているかを把握することができる。したがって、たとえば、顧客の属性情報ごとの購買エリアを把握して、購買エリアを考慮した効果的なマーケティング分析およびプロモーション施策等を実行することができる。たとえば、自店舗の顧客のうちの特定の属性情報を有するターゲット層が、他の特定のエリアや店舗で多く購買しているという行動パターンが把握された場合、当該行動パターンに応じて様々な施策を講じることができる。たとえば、他の特定のエリアや店舗と協力して当該行動パターンを促進させる販促施策を展開することもでき、あるいは、他の特定のエリアや店舗で販売している商品等を自店舗でも販売することによってターゲット層を自店舗で囲い込むような施策を展開することもできる。
続いて、情報処理装置400は、対象の店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果と、他の店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果を比較したレポートを生成する(ステップS307)。これにより、競合店舗や同じ地域の他の店舗と自店舗について、属性情報ごとの利用状況を比較できるため、他の店舗との比較に基づいて効果的なマーケティング分析およびプロモーション施策等を実行することができる。たとえば、競合店舗では20代女性の利用が多く、自店舗では20代女性の利用が少ないことが把握された場合、20代女性の利用を促進するための様々な施策を講じることができる。たとえば、20代女性をターゲットとした商品構成を整えることもでき、あるいは、20代女性という属性情報の層に対して割引クーポン等を配信することもできる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
たとえば、上記の実施形態では、決済手段として、モバイル決済手段であるコード決済が使用される例について説明したが、これに限定されない。たとえば、決済手段は、クレジットカード、銀行口座、デビットカード、プリペイドカード等の他のいかなる決済手段でもよい。決済手段として使用される媒体や方式も、接触ICカード、非接触ICカード、磁気カード、各種ID決済等のいかなる媒体や方式が用いられてもよい。
また、上記の実施形態では、コード決済の方式について、顧客端末100に表示されたバーコード等を、店舗決済端末200の読取部270によって読み取って、情報処理装置400に取引情報を送信する例について説明したが、これに限定されない。たとえば、店舗に設けられた店舗の識別情報を示すバーコード等を顧客端末100のカメラ等で撮影して読み取ると共に、顧客端末100において取引金額等の入力を受け付けて、顧客端末100から情報処理装置400または決済システム500に取引情報を送信してもよい。顧客端末100が取引情報を決済システム500に送信する場合、情報処理装置400は決済システム500から取引情報を取得することができる。この場合、顧客端末100の位置情報や各種センサー情報、認証情報等を情報処理装置400に容易に送信することができ、情報処理装置400において顧客の属性情報として活用することができる。
また、決済情報処理システムが有する顧客端末100、店舗決済端末200、店舗管理端末300、情報処理装置400、および決済システム500の各構成は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。たとえば、店舗決済端末200が有するものとして説明した機能の一部を、顧客端末100、情報処理装置400、または決済システム500が実行するようにしてもよい。あるいは、情報処理装置400が有するものとして説明した機能の一部を、顧客端末100等の他の構成が実行するようにしてもよい。
また、顧客端末100、店舗決済端末200、店舗管理端末300、情報処理装置400、および決済システム500は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
また、店舗決済端末200と店舗管理端末300とは、別々の装置である例について説明したが、これに限定されない。たとえば、店舗決済端末200が1台のみ必要とされるような比較的小規模な店舗等においては、店舗決済端末200と店舗管理端末300とが一つの装置によって構成されてもよい。また、店舗決済端末200と店舗管理端末300とは、位置が固定された店舗に設置される形態に限定されず、移動可能な屋台や露店、訪問販売や訪問サービス等、顧客が取引を行うあらゆる場所において使用されうる。
また、上述した実施形態に係る決済情報処理システムにおける処理は、上記のフローチャートまたはシーケンスチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。
また、上述したフローチャートまたはシーケンスチャートは、一部のステップを省略してもよく、他のステップが追加されてもよい。また各ステップの一部は同時に実行されてもよく、一つのステップが複数のステップに分割されて実行されてもよい。
以上のように、本実施形態の情報処理装置400によれば、顧客が取引を行う店舗を識別するための店舗情報と、取引における取引金額を示す金額情報と、決済サービスにおいて顧客を識別するための識別情報に関する顧客情報と、を含む取引情報を、送信元から取得する。情報処理装置400は、取引情報に含まれる顧客情報に基づいて、取引情報に対応する決済サービスを特定し、所定の期間に取得部によって取得された取引情報について、決済サービスごとの取引金額の合計を売上金額として集計する。情報処理装置400は、予め記憶された決済サービスごとの手数料算出ロジックに基づいて、所定の期間における決済サービスごとの手数料を算出し、売上金額と手数料から、決済サービスごとの店舗への入金金額を算出する。情報処理装置400は、取引情報に含まれる顧客情報に基づいて、決済サービスにおいて管理される顧客の属性に関する属性情報を取得し、取引情報に属性情報を対応付けて記憶すると共に、取引情報を属性情報によって分析したレポートを生成する。情報処理装置400は、決済サービスごとの売上金額および入金金額を、予め記憶された決済サービスごとの入金スケジュールと関連付けて出力すると共に、生成されたレポートを店舗が閲覧可能となるように出力する。これにより、店舗に多種多様な決済サービスが導入された場合でも、店舗における売上・精算等の資金管理を一元化して容易化できると共に、店舗において顧客の属性情報に基づくマーケティング分析を実施可能とすることができる。特に、情報処理装置400が、決済サービスを提供する金融機関によって構築・運営される場合、顧客の属性情報を自社にシステムから容易に取得することができるため、店舗にとって有益な情報を容易に提供することができる。たとえば、情報処理装置400が、地域に特化した決済サービスを提供する地場の金融機関によって運営される場合、顧客の属性情報を自社にシステムから容易に取得することができるため、当該地域の店舗において有効なマーケティングを行うための属性情報を容易に取得して提供することができる。
また、情報処理装置400は、店舗が保有する口座の状況を確認し、店舗への入金金額および口座の状況に基づいて、店舗における資金の状況を予測し、予測された資金の状況を店舗が閲覧可能となるように出力する。これにより、店舗で取引が行われてから、取引金額が入金されるまでの間という早期の段階で、取引金額と口座の状況に基づいて店舗における資金の状況を予測して提示できるため、店舗での資金管理を適切かつ容易に行うことができる。
また、情報処理装置400は、店舗の資金が余剰すると予測された場合、店舗に対して入金金額の少なくとも一部の他者に対する貸付に関する提案を送信し、店舗から貸付に関する指示を受け付けた場合、貸付を実行する。これにより、店舗で取引が行われてから、取引金額が入金されるまでの間という早期の段階で、店舗の資金の余剰見込みを予測して、予測に基づいて早期に貸付を行うことができる。したがって、早期に適切な金額の貸付を行うことができ、店舗での資金管理を適切かつ有利に行うことができる。
また、情報処理装置400は、店舗の資金が不足すると予測された場合、店舗に対して入金スケジュールの早期化に関する提案を送信し、店舗から入金スケジュールの早期化に関する指示を受け付けた場合、入金スケジュールを変更して入金を実行する。これにより、店舗で取引が行われてから、取引金額が入金されるまでの間という早期の段階で、資金の不足見込みを予測して、予測に基づいて早期に入金スケジュールの前倒しを行うことができる。したがって、店舗での資金管理を適切かつ安全に行うことができる。
また、情報処理装置400は、入金スケジュールの早期化に伴う早期払い手数料を算出し、入金スケジュールの早期化に関する指示を受け付けた場合、入金金額から早期払い手数料を差し引いて入金を実行する。これにより、入金スケジュールの早期化が実行された場合、手数料を自動的に計算して、手数料を入金金額から差し引いて入金するため、手数料を回収する側は、迅速、容易かつ確実に店舗から手数料を回収することができ、また、手数料を支払う店舗側も、迅速、容易かつ確実に手数料を支払うことができ、たとえば支払いの延滞に伴うコストや負担も回避することができる。
また、情報処理装置400は、店舗の資金が不足すると予測された場合、店舗に対して資金の借入に関する提案を送信し、店舗から借入に関する指示を受け付けた場合、店舗における資金の借入を実行する。これにより、店舗で取引が行われてから、取引金額が入金されるまでの間という早期の段階で、資金の不足見込みを予測して、予測に基づいて早期に借入を行うことができる。したがって、店舗での資金管理を適切かつ安全に行うことができる。
また、情報処理装置400は、顧客が店舗以外の他の店舗において行った取引に関する取引情報をさらに取得し、顧客が他の店舗において行った取引に関する取引情報を属性情報によって分析したレポートをさらに生成する。これにより、競合店舗や同じ地域の他の店舗の利用状況を顧客の属性ごとに把握できるため、店舗において効果的にマーケティング分析を行うことができる。また、取引情報を属性情報によって分析したレポートが生成されるため、顧客のプライバシーに関わる個人情報を開示することなく、店舗にとって有益なレポートを提供することができる。
また、情報処理装置400は、他の店舗の位置に関する情報をさらに取得し、顧客が取引を行った位置に関する情報によって取引情報を分析したレポートを生成する。これにより、店舗において顧客の属性情報ごとの購買エリアを把握できるため、店舗において購買エリアを考慮した効果的なマーケティング分析およびプロモーション施策等を実行することができる。
また、情報処理装置400は、店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果と、他の店舗において行われた取引に関する取引情報の属性情報による分析結果を比較して、比較結果をレポートに含めて生成する。これにより、店舗は、競合店舗等の他の店舗と自店舗について、属性ごとの利用状況を比較できるため、他の店舗との比較に基づいて効果的なマーケティング分析およびプロモーション施策等を実行することができる。
また、情報処理装置400は、店舗において利用可能なクーポンを顧客に対して発行するための指示を受け付け、指示が受け付けられた場合、顧客に対してクーポンを配信する。これにより、店舗では顧客が使用した決済サービスを問わず、その店舗で使えるクーポン等を顧客に対して容易に配信でき、効果的なプロモーション施策を実行することができる。
また、情報処理装置400は、属性情報が指定されたクーポン配信の指示を受け付け可能であり、指定された属性情報に対応する顧客のグループに対してクーポンを配信する。これにより、店舗では、レポートの分析結果を見て、ターゲットとする属性がわかれば、その属性ごとにまとめてクーポンを配信でき、効果的なプロモーション施策を効率的に実行することができる。
また、情報処理装置400は、決済サービスにおいて管理される顧客の情報を取得し、顧客の情報を用いて顧客に対してクーポンを配信する。これにより、店舗で決済サービスを利用した顧客に対して、顧客が現在使用している決済サービスの連絡に使用しているアクティブな方法を使用して、確実に顧客にクーポンを届けることができる。特に、情報処理装置400が、決済サービスを提供する金融機関によって構築・運営される場合、自社が提供する決済サービスを使用している顧客であれば、顧客情報を自社のシステムから容易に取得することができ、容易かつ確実に顧客にクーポンを配信できる。
また、決済サービスは、取引ごとに各取引を識別するための固有の取引IDを発行する方式によって実行され、情報処理装置400は、クーポンの発行依頼と共に、クーポンを発行する対象の顧客の取引に対応する取引IDを、決済サービスを提供する事業者に提供することによって、クーポンを配信する。これにより、たとえば、情報処理装置400を提供する企業とは異なる他の企業が提供する決済サービスのユーザーにクーポンを配信する場合であっても、取引IDによってクーポンを発行したい顧客の情報を他の企業に伝えることができる。したがって、顧客のプライバシーに関わる個人情報を用いることなく、クーポンの発行依頼を他の企業に送信でき、安全な方法でクーポンを配信することができる。
また、情報処理装置400が取引情報を取得する送信元は、店舗に設置される店舗決済端末200であり、情報処理装置400は、店舗決済端末200が設置されている店舗の識別情報である店舗情報と、店舗決済端末200によって取得された金額情報および顧客情報とを含む取引情報を、店舗決済端末200から取得する。これにより、店舗において様々な決済サービスを利用可能なマルチ決済端末を導入した場合でも、様々な決済サービスによる売上の管理やクーポン配信などを一元管理できるため、キャッシュレス化による店舗業務の合理化のみならず、売上管理等の経理業務の合理化、マーケティング等の販売促進業務の合理化等、店舗経営業務全般の合理化を実現することができる。
また、情報処理装置400が取引情報を取得する送信元は、顧客が所有する端末である顧客端末100であり、情報処理装置400は、顧客端末100によって取得された店舗情報および金額情報と、顧客端末100に記憶された顧客情報とを含む取引情報を、顧客端末100から取得する。これにより、店舗に設置する決済用の端末が不要な決済サービスを導入した場合でも、店舗において他の決済サービスとあわせて売上の管理やクーポン配信等を一元管理することができる。
上述した実施形態に係る決済情報処理システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、決済情報処理システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。