JP7284860B2 - 空調ドレン用管 - Google Patents
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Description
[1]塩化ビニル系樹脂(B)を含む筒状の発泡層と、
前記発泡層の外面に設けられ、塩化ビニル系樹脂(A)を含む非発泡外層と、を備える空調ドレン用管であって、
前記発泡層の発泡倍率が3.5倍以上であり、
前記塩化ビニル系樹脂(A)が、塩化ビニル樹脂とエラストマー樹脂との混合物、又は塩化ビニル樹脂にエラストマー樹脂がグラフト重合したグラフト重合体である、空調ドレン用管。
[2]前記塩化ビニル系樹脂(A)が含有する塩化ビニル樹脂の平均重合度が、800以上1000以下である、[1]に記載の空調ドレン用管。
本発明の空調ドレン用管は、塩化ビニル系樹脂(B)を含む筒状の発泡層と、前記発泡層の外面に設けられ、塩化ビニル系樹脂(A)を含む非発泡外層と、を備える。
図1は、本発明の空調ドレン用管の一例を示す断面図である。図1に示すように、空調ドレン用管10は、筒状の発泡層2と、発泡層2の外面に積層された非発泡外層3と、を備える。
空調ドレン用管10は、発泡層2の独立気泡率が高く、管内部を流下するドレン排水が浸透しにくいため、従来の様に空調ドレン用管の端部に接着剤を均一に塗布したり、管継手の内部に環状弾性体を設けたりしなくともよい。
縦弾性係数を上記数値範囲内とすることにより、空調ドレン用管10が外力を受けた際、曲げや伸びの変形を抑えつつ、これらの外力に柔軟に追従して空調ドレン用管10が破壊されるのを防ぐことができる。
縦弾性係数は、縦弾性率、ヤング率とも呼ばれ、JIS K 7161-1:2014に従い、引張試験により得られる引張応力と引張ひずみから求められる。
縦弾性係数は、塩化ビニル系樹脂の重合度や発泡層2の発泡倍率、発泡層2、非発泡外層3のそれぞれの厚さ等により調節することができる。
非発泡外層3は塩化ビニル系樹脂(A)を含む非発泡層である。ここで、非発泡層とは塩化ビニル系樹脂が発泡剤を含まず、発泡剤の膨張による気泡が形成されていない層を指す。
塩化ビニル系樹脂(A)としては、塩化ビニル樹脂とエラストマー樹脂との混合物か、エラストマー樹脂に塩化ビニル樹脂がグラフト重合したグラフト重合体であってもよい。 塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニルでもよいし、塩化ビニル単量体と、該塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。上記塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されても良い。
エラストマー樹脂としては、例えば、塩素化ポリエチレン(CPE)、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
塩化ビニル樹脂:エラストマー樹脂で表される質量比は、100:4~100:10が好ましい。
質量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
塩化ビニル系樹脂(A)中の塩化ビニル樹脂の平均重合度は600以上1300以下が好ましく、800以上1300以下がより好ましく、800以上1000以下がさらに好ましい。
なお、平均重合度は、質量平均分子量をクロロエチレンの分子量で除することにより算出できる。
外部からの衝撃により強くする場合には、非発泡外層3の厚さは、1.0mm以上5.0mm以下が好ましく、1.5mm以上3.5mm以下がより好ましい。
発泡層2は、塩化ビニル系樹脂(B)を含む樹脂、及び発泡剤を含む発泡層用熱可塑性樹脂組成物を発泡させて形成される。
塩化ビニル系樹脂(B)としては、塩化ビニル樹脂であってもよいし、塩化ビニル樹脂とエラストマー樹脂との混合物か、エラストマー樹脂に塩化ビニル樹脂がグラフト重合したグラフト重合体であってもよい。
塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニルでもよいし、塩化ビニル単量体と、該塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。上記塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されても良い。
エラストマー樹脂としては、例えば、塩素化ポリエチレン(CPE)、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂(B)は、塩化ビニル系樹脂(A)と同一であってもよく、異なっていてもよい。
発泡層2の厚さは、4.0mm以上10mm以下が好ましい。
塩化ビニル系樹脂(B)中の塩化ビニル樹脂の平均重合度は600以上1000以下が好ましく、700以上900以下がより好ましい。
揮発性発泡剤としては、例えば脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等が挙げられる。このうち脂肪族炭化水素としては、例えばプロパン、ブタン(ノルマルブタン、イソブタン)、ペンタン(ノルマルペンタン、イソペンタンなど)等が挙げられ、脂環族炭化水素としては、例えばシクロペンタン、シクロへキサン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては、例えばトリクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素などの1種または2種以上が挙げられる。さらにエーテルとしては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル等が挙げられ、ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
また分解型発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウムなどの無機系発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系発泡剤が挙げられる。
また、上記炭化水素が熱可塑性樹脂内に内包された熱膨張性カプセルを用いてもよい。 その他、炭酸ガス、窒素、空気等のガスを発泡剤として用いてもよい。
これらは単独で用いられても良く、2種以上が併用されても良い。
これらの化合物の存在、及びその含有量は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)等により確認することができる。ICP-AESの場合、EN ISO17353:2004に準拠して測定できる。
発泡層2には、滑剤が含まれていてもよい。滑剤が含まれていることにより、金属面との滑り性や樹脂間の滑り性を保持しやすくなる。滑剤としては、エステル系、ポリエチレン系、酸化ポリエチレン系が好ましい。
発泡倍率を上記範囲内とすることにより、断熱性と管の強度を両立することができる。また、発泡倍率を上記範囲内とすることにより、空調ドレン用管10を軽量にできる。 発泡倍率は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調節することができる。
なお、発泡倍率は以下の方法で測定することができる。
[発泡倍率の測定方法]
空調ドレン用管10から円周方向10mm以上、軸方向50mmを切り出し、非発泡外層3をフライスで切削し、発泡層2だけを長さ約50mm程度の板状に加工したものを試験片とする。なお、試験片は内周方向に均等に4分割した点を中心に4個作成するものとする。
試験片をJIS K 7112:1999に従い、23℃±2℃で水置換式比重測定機で見かけ密度を小数点以下3桁まで求め、下記式(1)により発泡倍率を算出する。
m=γc/γ ・・・(1)
[式(1)中、mは発泡倍率であり、γは発泡層2の見かけ密度(g/cm3)であり、γcは発泡層2の未発泡時の密度(g/cm3)である。]
なお、独立気泡率は以下の方法で測定することができる。
[独立気泡率の測定方法]
空調ドレン用管10を約30mmの長さに切断し、周長約20mmとなるように周方向に切断し、NTカッターにて非発泡外層3を除去したものを試験片とする。
JIS K 7138に従い、23℃±2℃で空気比較式比重計で体積を測定し、JIS K 7112:1999に従い、23℃±2℃で水置換式比重計で求めた体積を測定し、下記式(2)により独立気泡率を測定する。
Cc=(Va/Vaq)×100 ・・・(2)
[式(2)中、Ccは独立気泡率(%)であり、Vaは空気比較式体積(cm3)であり、Vaqは水置換法体積(cm3)である。]
平均気泡径を上記範囲内とすることにより、断熱性を向上させ、発泡層2への水の浸透を防止できる。気泡が完全な独立気泡(独立気泡率が100%)でなく、気泡壁が一部連通していて水の浸透が可能であっても、平均気泡径を上記範囲とし、かつ、独立気泡率が上記範囲内であれば、水が発泡層2の内部深くまで浸透することは無く、実用において断熱性能が問題となることは無い。
平均気泡径は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調節することができる。
なお、平均気泡径は以下の方法で測定することができる。
[平均気泡径の測定方法]
空調ドレン用管の円周方向に切断し、JIS K 6400-1に従い、切断した空調ドレン用管の円環状の端面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて20倍で撮影し、撮影した画像上に3.6cmの直線(実際の管断面における長さ1800μmに相当する)を8本引き(垂直方向(管断面の厚さ方向)に2本、水平方向(管断面の周方向)に2本、水平方向に対し斜め45°に2本、水平方向に対し斜め135°に2本)、各直線上の気泡数で1800μmを割った値を気泡径(μm)とした。そして、8本の直線から得られる気泡径の平均値を平均気泡径とする。
本発明の空調ドレン用管は、図3に示すように、発泡層2の内面に設けられ、塩化ビニル系樹脂(C)を含む非発泡層である非発泡内層1を有していてもよい。塩化ビニル系樹脂(C)は、塩化ビニル樹脂であってもよいし、塩化ビニル樹脂とエラストマー樹脂との混合物か、エラストマー樹脂に塩化ビニル樹脂がグラフト重合したグラフト重合体であってもよい。
塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニルでもよいし、塩化ビニル単量体と、該塩化ビニル単量体と共重合可能な他の共重合体であってもよい。上記塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されても良い。
エラストマー樹脂としては、例えば、塩素化ポリエチレン(CPE)、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
塩化ビニル樹脂:エラストマー樹脂で表される質量比は、100:4~100:10が好ましい。
塩化ビニル系樹脂(C)は、塩化ビニル系樹脂(A)と同一であってもよく、異なっていてもよい。
塩化ビニル系樹脂(C)中の塩化ビニル樹脂の平均重合度は800以上1000以下が好ましい。
一方、発泡層2の独立気泡率が高い場合、発泡層2自身がドレン排水の浸透を防ぐため、非発泡内層1としては厚さを0.6mm以上1.5mm以下としてもよく、空調ドレン用管10’を軽量にできる。また、発泡層2の厚さを厚くできるため、空調ドレン用管10’を断熱性に優れたものにできる。
融着強度を上記範囲内とすることにより、発泡層2と非発泡内層1とが剥離することを防止できる。
融着強度は、樹脂の種類又は量、発泡剤の種類又は量、製造条件等により調節することができる。
なお、融着強度は以下の方法で測定することができる。
[融着強度の測定方法]
空調ドレン用管10’を管軸に沿って20mmの管状に切り取ったものを試験片とする。
温度が23℃±2℃、湿度が常湿(45~85%)の条件下、試験片43を図2に示す万能試験機40の抜き打ち治具41にセットして、圧縮板間42にはさみ、管軸に直角の方向に毎分10mm/min±2mm/minの速さで圧縮し、非発泡内層1と発泡層2との融着面が剥離する際の最大荷重を求め、下記式(3)及び(4)で融着強度を算出する。
F=W/S ・・・(3)
S=3.14×d×L・・・(4)
[式(3)及び(4)中、Fは融着強度(MPa)であり、Wは最大荷重(N)であり、Sは融着面積(cm2)であり、dは非発泡内層平均外径(cm)であり、Lは試験片長さ(cm)である。]
図4及び図5は、三層構造の空調ドレン用管10’を製造するための製造装置20の全体構成図である。製造装置20は、内外層押出機11、発泡層押出機12、金型13、冷却水槽15、引取機16、及び切断機17を備える。内外層押出機11、及び発泡層押出機12には金型13が接続されており、金型13には冷却水槽15が接続されている。冷却水槽15に引取機16が接続されており、引取機16には切断機17が接続されている。さらに、図4及び図5に示すように、ガスボンベ18と定量ポンプ19が発泡層押出機12に接続されていてもよい。
ガスボンベ18と定量ポンプ19は、発泡層押出機12のベント孔から、気体の発泡剤を供給するものである。
内外層押出機11は、非発泡内層1及び非発泡外層3を形成する非発泡層用熱可塑性樹脂組成物を溶融混練し、金型13に押し出すものである。
発泡層押出機12は、発泡層2を形成する発泡層用熱可塑性樹脂組成物を溶融混練し、金型13に押し出すものである。
金型13は、内外層押出機11から注入された非発泡層用熱可塑性樹脂組成物と、発泡層押出機12から注入された発泡層用熱可塑性樹脂組成物から、三層構造の未硬化の空調ドレン用管100’を成形するものである。
冷却水槽15には、未硬化の空調ドレン用管100’を所定寸法に成形するための管外面成形用チューブ14が取り付けられており、金型13で成形された未硬化の空調ドレン用管100’の外面を管外面成形用チューブ14に接触させた状態で冷却するものである。
引取機16は、冷却水槽15で冷却された空調ドレン用管10’を受け取るものである。
切断機17は、引取機16から送られてきた空調ドレン用管10’を所定の長さに切断するものである。
金型で成形するときの時間は、10分以上30分以下が好ましく、10分以上20分以下がより好ましい。
なお、表中の各成分の含有量は、発泡層のポリ塩化ビニルを100質量部としたときの質量部を表す。
<塩化ビニル系樹脂(B)>
・B-1:ポリ塩化ビニル(重合度800、徳山積水工業社製、商品名「TS-800E」)。
<発泡剤>
・D-1:重曹(永和化成工業社製、商品名「セルボンSC-855」)。
・D-2:アゾジカルボンアミド(永和化成工業社製、商品名「ビニホールAC#3」)。
<塩化ビニル系樹脂(A)、及び(C)>
・A-1:ポリ塩化ビニル(重合度1000、徳山積水工業社製、商品名「TS-1000R」)100質量部に対し、MBS(カネカ社製、商品名「B-564」)を5質量部、CPE(昭和電工社製、商品名「エラスレン351A」)を3質量部混合したもの。・A-2:ポリ塩化ビニル(重合度1000、徳山積水工業社製、商品名「TS-1000R」)100質量部に対し、MBS(カネカ社製、商品名「B-564」)を6.5質量部、CPE(昭和電工社製、商品名「エラスレン351A」)を3.5質量部混合したもの。
・A-3:ポリ塩化ビニル(重合度1000、徳山積水工業社製、商品名「TS-1000R」)100質量部に対し、MBS(カネカ社製、商品名「B-564」)を5質量部、CPE(昭和電工社製、商品名「エラスレン351A」)を1.5質量部混合したもの。
・A-4:塩化ビニルとアルキル(メタ)アクリレートとのグラフト重合体(重合度1200、徳山積水工業社製、商品名「AG-64T」、エラストマー含有量:5.3質量%)。
・A-5:ポリ塩化ビニル(重合度1000、徳山積水工業社製、商品名「TS-1000R」)。
・A-6:ポリ塩化ビニル(重合度800、徳山積水工業社製、商品名「TS-800E」)。
ポリ塩化ビニルB-1 100質量部と、錫系安定剤(大協化成工業社製、商品名「STX-80」)2質量部と、発泡剤D-1 2.2質量部とを混合して発泡層用熱可塑性樹脂組成物を調製した。
塩化ビニル系樹脂A-1を上記の様に調製し、塩化ビニル系樹脂A-1 100質量部と、錫系安定剤(大協化成工業社製、商品名「STX-80」)2質量部とを混合して内層及び外層用熱可塑性樹脂組成物を調製した。
これらの組成物を、図4~6に示す内外層押出機11、発泡層押出機12、金型13、管外面成形用チューブ14が取り付けられた冷却水槽15、引取機16、切断機17とから構成されている製造装置を用いて押出成形を行った。
具体的には、非発泡層用熱可塑性樹脂組成物を180℃で内外層押出機11にて混練し、押出量45kg/hで金型13に注入した。また、発泡層用熱可塑性樹脂組成物を発泡層押出機12にて170℃で混練し、25kg/hにて金型13に注入した。金型13として、製品外径89mm、内径77mmの金型を用いた。金型13から吐出した組成物を、管外面成形用チューブ14内に挿入し、冷却水槽15内で冷却し、引取機16で引き取った後、切断機17で所定の長さに切断して三層構造の空調ドレン用管を得た。非発泡外層の厚さを測定したところ、1.0mmであった。
表1及び2に記載の成分に変更した以外は、実施例1と同様にして三層構造の空調ドレン用管を得た。非発泡外層の厚さを測定したところ、1.0mmであった。
ポリ塩化ビニルB-1 100質量部と、発泡剤D-1 2.2質量部とを混合して発泡層用熱可塑性樹脂組成物を調製した。
内層及び外層用熱可塑性樹脂組成物として塩化ビニル系樹脂A-6を用いた。
図7、8に示す空調ドレン用管製造装置500を用いて、空調ドレン用管を製造した。図7、8中、製造装置500は、第1押出機530、第2押出機540、金型550、管外面調整装置560、冷却装置570、引取機580、及び切断機590を備える。第1押出機530、第2押出機540、は金型550に接続され、金型550は管外面調整装置560に接続され、管外面調整装置560は冷却装置570に接続され、冷却装置570は引取機580に接続され、引取機580は切断機590に接続されている。発泡層用熱可塑性樹脂組成物を170℃で第1押出機530にて混練し、押出量25kg/hで金型550に注入した。また、非発泡層用熱可塑性樹脂組成物を180℃で第2押出機540にて混練し、押出量45kg/hにて金型550に注入した。金型550として、製品外径89mm、内径77mmの金型を用いた。金型550は、図9に示すように、第1金型551と、クロスヘッドダイ552とを有する。金型550から吐出した組成物を、管外面調整装置560内に接触させる。このとき外面の温度が低下し、図10に示すように、最外層に被覆層230が形成される。冷却装置570内で冷却し、引取機580で引き取った後、切断機590で所定の長さに切断して、非発泡内層210、発泡層220、被覆層230からなる三層構造の空調ドレン用管を得た。被覆層の厚みを測定したところ、1.0mmであった。
空調ドレン用管から円周方向10mm以上、軸方向50mmを切り出し、非発泡内層及び非発泡外層をフライスで切削し、発泡層だけを長さ約50mm程度の板状に加工したものを試験片とした。なお、試験片は内周方向に均等に4分割した点を中心に4個作成した。
試験片をJIS K 7112:1999に従い、23℃±2℃で水置換式比重測定機で見かけ密度を小数点以下3桁まで求め、下記式(1)により発泡倍率を算出した。
m=γc/γ ・・・(1)
[式(1)中、mは発泡倍率であり、γは発泡層の見かけ密度(g/cm3)であり、γcは発泡層の未発泡時の密度(g/cm3)である。]
得られた結果を表1、2に示す。
空調ドレン用管の上に、プラスドライバー(100g)を垂直に落下させ、空調ドレン用管に割れが生じる高さを測定した。
具体的には、プラスドライバーを所定の高さから空調ドレン用管の上に垂直に落下させ、空調ドレン用管内部に0.06MPaの水圧を1分間かけて漏水の有無を確認した。漏水が確認された時の、プラスドライバーを落下した高さを測定した。
得られた結果を表1、2に示す。
空調ドレン用管を管軸に沿って20mmの管状に切り取ったものを試験片とした。
温度が23℃±2℃、湿度が常湿(45~85%)の条件下、試験片43を図2に示す万能試験機40の抜き打ち治具41にセットして圧縮板間42にはさみ、管軸に直角の方向に毎分10mm/min±2mm/minの速さで圧縮し、非発泡内層と発泡層との融着面が剥離する際の最大荷重を求め、下記式(3)及び(4)で融着強度を算出した。 F=W/S ・・・(3)
S=3.14×d×L ・・・(4)
[式(3)及び(4)中、Fは融着強度(MPa)であり、Wは最大荷重(N)であり、Sは融着面積(cm2)であり、dは非発泡内層平均外径(cm)であり、Lは試験片長さ(cm)である。]
得られた結果を表1、2に示す。
JIS K 5600-5-4に従い、非発泡外層の鉛筆硬度を荷重750g、鉛筆角度45°の鉛筆硬度試験機(オールグッド社製 054)にて測定した。
得られた結果を表1、2に示す。表中の符号は、JIS S 6006に規定する鉛筆の硬度記号を表す。
JIS K 7161-1:2014に従い、管軸に沿って試験片を作成し、15℃における縦弾性係数を測定した。
得られた結果を表1、2に示す。
塩化ビニル系樹脂(A)の代わりにポリ塩化ビニルを用いた比較例1~3は、外部からの衝撃によって割れが生じやすいことが分かった。
2 発泡層
3 非発泡外層
10 空調ドレン用管
10’ 空調ドレン用管
Claims (5)
- 塩化ビニル系樹脂(B)を含む筒状の発泡層と、
前記発泡層の外面に設けられ、塩化ビニル系樹脂(A)を含む非発泡外層と、を備える空調ドレン用管であって、
前記発泡層の発泡倍率が4.0倍以上8.0倍以下であり、
前記塩化ビニル系樹脂(A)と前記塩化ビニル系樹脂(B)は、各々塩化ビニル樹脂を含有し、
前記塩化ビニル系樹脂(A)が含有する塩化ビニル樹脂の平均重合度と、前記塩化ビニル系樹脂(B)が含有する塩化ビニル樹脂の平均重合度とが異なり、
前記非発泡外層の厚さが1.5mm超3.5mm以下である、空調ドレン用管。 - 前記塩化ビニル系樹脂(A)が含有する塩化ビニル樹脂の平均重合度が、800以上1000以下である、請求項1に記載の空調ドレン用管。
- 前記発泡層の内面に設けられ、塩化ビニル系樹脂(C)を含む非発泡内層を備え、
前記非発泡内層の厚さが1.5mm以上3.5mm以下である、請求項1または2に記載の空調ドレン用管。 - 前記発泡層の内面に設けられ、塩化ビニル系樹脂(C)を含む非発泡内層を備え、
前記塩化ビニル系樹脂(C)は、前記塩化ビニル系樹脂(A)が含有する塩化ビニル樹脂と同一の塩化ビニル樹脂を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の空調ドレン用管。 - 前記非発泡内層と前記発泡層との融着強度が2.0MPa以上である、請求項3または4に記載の空調ドレン用管。
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