JP7284554B2 - 粒子材料、導電性粒子、導電材料、接続材料及び接続構造体 - Google Patents

粒子材料、導電性粒子、導電材料、接続材料及び接続構造体 Download PDF

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Description

本発明は、基材粒子を含む粒子材料に関する。また、本発明は、上記粒子材料を用いた導電性粒子、導電材料、接続材料及び接続構造体に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化及び薄型化が急速に進行している。これに伴い、プリント配線板や多層板の寸法安定性、反りの低減、及びクラックの発生の防止等が課題となっている。上記課題を解決する方法としては、内部応力を緩和する方法等が挙げられる。内部応力を緩和する方法としては、例えば、シリコーン粒子等の応力緩和材を樹脂組成物に添加する方法等が提案されている。
下記の特許文献1には、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、シリコーンゴム粒子の表面がシリコーン樹脂で被覆された粒子又はシリコーン粒子とを含む積層板用樹脂組成物が開示されている。なお、特許文献1では、導電性粒子等を用いることは記載されておらず、積層板用樹脂組成物を、導電材料又は金属原子含有粒子を含むような接続材料として用いることも記載されていない。
プリント配線板等において、応力緩和材として上記のようなシリコーン粒子を用いると、シリコーン粒子中に含まれる低分子環状シロキサンが接点障害を引き起こすことがある。具体的には、揮発性の高い低分子環状シロキサンが使用環境温度で蒸気となって拡散すると、リレー等の接点上に付着し、接点上で酸化されて絶縁性の二酸化ケイ素が生成し、接触不良が発生することがある。
また、低分子環状シロキサンが原因となる接点障害を防止する方法としては、シリコーン粒子中の低分子環状シロキサンの含有量を低減する方法等が挙げられる。低分子環状シロキサンの含有量を低減する方法は、例えば、下記の特許文献2に開示されている。
下記の特許文献2には、合成樹脂100質量部と、シリコーンゴム粒子0.1質量部~50質量部とを含有する合成樹脂組成物が開示されている。この合成樹脂組成物に含まれるシリコーンゴム粒子では、4量体又は5量体の環状ジメチルポリシロキサンの含有量が1000ppm以下である。また、特許文献2には、シリコーンゴム粒子中の低分子の環状ジメチルポリシロキサンの含有量を低減する方法としては、原料の硬化性液状シリコーン又はそれを構成する液状シリコーンを減圧下で加熱することで、低分子の環状ジメチルポリシロキサンを揮発除去する方法が記載されている。具体的には、特許文献2の製造例1において、原料であるメチルビニルポリシロキサンを、薄膜蒸留装置を用いて200℃、0.03mmHg~0.10mmHgの条件で薄膜蒸留することで、環状ジメチルポリシロキサンを除去することが記載されている。
特開2003-55565号公報 特開2016-69516号公報
特許文献2に記載のような方法では、シリコーン粒子の原料を薄膜蒸留等により精製する必要があり、精製工程による生産性の低下及び生産コストの増加等の点から、工業的規模での実施は困難である。
また、2つの接続対象部材を接続している接続部には、接続時又は接続後に応力が加わることがある。この応力によって、接続対象部材又は接続部にクラックが生じることがある。特許文献1に記載のような従来の樹脂組成物では、応力負荷時の接続部におけるクラックの発生を効果的に抑制することは困難である。
本発明の目的は、応力負荷時のクラックの発生を効果的に抑制することができる粒子材料を提供することである。また、本発明の目的は、上記粒子材料を用いた導電性粒子、導電材料、接続材料及び接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、シリコーン樹脂を含む基材粒子と、前記基材粒子の表面上に、有機樹脂を含むバリア層とを備え、前記バリア層が、ケイ素原子を含まないか、又は、前記バリア層100重量%中にケイ素原子を3重量%以下で含み、前記バリア層の厚みが、30nm以上、500nm以下である、粒子材料が提供される。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、前記基材粒子の表面積全体に占める前記バリア層により被覆されている部分の面積である被覆率が、90%以上である。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、前記バリア層が、粒子の集合体であり、前記粒子の粒子径が、30nm以上、500nm以下である。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、前記粒子材料を250℃で10分間加熱した際に、シロキサンガスが発生しないか、又は、シロキサンガスを、前記粒子材料1gあたり500μg以下で発生する。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、前記バリア層の材料が、芳香族骨格を有し、かつ、ビニル基を有する化合物を含む。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、前記バリア層の材料が、ジビニルベンゼン化合物を含む。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、10%K値が、5N/mm以上、500N/mm以下である。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、粒子径が、1μm以上、500μm以下である。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、前記粒子材料は、スペーサとして用いられるか、又は、表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられる。
本発明に係る粒子材料のある特定の局面では、前記粒子材料は、表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられる。
本発明の広い局面によれば、上述した粒子材料と、前記粒子材料の表面上に配置された導電層とを備える、導電性粒子が提供される。
本発明の広い局面によれば、導電性粒子と、バインダーとを含み、前記導電性粒子が、上述した粒子材料と、前記粒子材料の表面上に配置された導電層とを備える、導電材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述した粒子材料と、バインダー又は金属原子含有粒子とを含む、接続材料が提供される。
本発明に係る接続材料のある特定の局面では、前記接続材料は、金属原子含有粒子を含む。
本発明に係る接続材料のある特定の局面では、前記接続材料は、バインダーを含む。
本発明に係る接続材料のある特定の局面では、前記粒子材料の熱分解温度が、前記金属原子含有粒子の融点よりも高い。
本発明に係る接続材料のある特定の局面では、前記接続材料は、2つの接続対象部材を接続する接続部を形成するために用いられ、前記接続材料は、前記金属原子含有粒子の焼結体によって、前記接続部を形成するために用いられる。
本発明の広い局面によれば、少なくとも1つの第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、少なくとも1つの第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した粒子材料を含み、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記接続部により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る粒子材料は、シリコーン樹脂を含む基材粒子と、上記基材粒子の表面上に、有機樹脂を含むバリア層とを備える。本発明に係る粒子材料では、上記バリア層が、ケイ素原子を含まないか、又は、上記バリア層100重量%中にケイ素原子を3重量%以下で含む。本発明に係る粒子材料では、上記バリア層の厚みが、30nm以上、500nm以下である。本発明に係る粒子材料では、上記の構成が備えられているので、応力負荷時のクラックの発生を効果的に抑制することができる。
図1は、本発明に係る粒子材料の一例を示す断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体の一例を示す断面図である。 図6は、本発明に係る粒子材料を用いた接続構造体の一例を示す断面図である。 図7は、本発明に係る粒子材料を液晶表示素子用スペーサとして用いた液晶表示素子の一例を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(粒子材料)
本発明に係る粒子材料は、シリコーン樹脂を含む基材粒子と、上記基材粒子の表面上に、有機樹脂を含むバリア層とを備える。本発明に係る粒子材料では、上記バリア層は、ケイ素原子を含まないか、又は、上記バリア層100重量%中にケイ素原子を3重量%以下で含む。本発明に係る粒子材料では、上記バリア層の厚みは、30nm以上、500nm以下である。
本発明では、上記構成が備えられているので、2つの接続対象部材を接続する接続部において、応力負荷時のクラックの発生を効果的に抑制することができる。さらに、本発明に係る粒子材料では、2つの接続対象部材を接続する接続部において、冷熱サイクルでの接続対象部材のクラック又は剥離の発生を効果的に抑制することができ、2つの接続対象部材を接続する接続部の接続強度を効果的に高めることができる。
また、本発明に係る粒子材料では、加熱等された場合に、シリコーン樹脂中に含まれる低分子環状シロキサンが基材粒子の外へ放出されることを効果的に抑制することができる。結果として、プリント配線板等において、接点障害の発生をより一層効果的に抑制することができ、信頼性をより一層高めることができる。
図1は、本発明に係る粒子材料の一例を示す断面図である。
図1に示す粒子材料1は、基材粒子2と、基材粒子2の表面上に配置されたバリア層3とを有する。バリア層3は、基材粒子2の表面に接しており、基材粒子2の表面を被覆している。粒子材料1は、基材粒子2の表面がバリア層3により被覆された被覆粒子である。上記バリア層は、上記基材粒子の表面を完全に被覆していてもよく、上記基材粒子の表面を完全に被覆していなくてもよい。上記基材粒子は、上記バリア層によって被覆されていない部分を有していてもよい。
バリア層3は、有機樹脂を含む。上記バリア層は、ケイ素原子を含まないか、又は、上記バリア層100重量%中にケイ素原子を3重量%以下で含む。バリア層3は、粒子3aの集合体であり、複数の粒子3aにより形成されている。図1に示す粒子材料1は、基材粒子2と、基材粒子2の表面上に配置された複数の粒子3aとを有する。複数の粒子3aは、基材粒子2の表面に接しており、基材粒子2の表面を被覆している。粒子材料1は、基材粒子2の表面が複数の粒子3aにより被覆された被覆粒子である。複数の上記粒子は、上記基材粒子の表面を完全に被覆していてもよく、上記基材粒子の表面を完全に被覆していなくてもよい。
複数の上記粒子により、単一の層のバリア層が形成されていてもよく、2層以上の積層構造のバリア層が形成されていてもよい。
バリア層の厚みは、複数の上記粒子が上記基材粒子を被覆している部分の厚みを平均することにより、算出することができる。
接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記バリア層の厚みは、好ましくは30nm以上、より好ましくは50nm以上、さらに好ましくは80nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。接続強度をより一層効果的に高める観点からは、上記バリア層の厚みは、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは90nm以下、特に好ましくは80nm以下である。冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記バリア層の厚みは、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。
上記バリア層の厚みは、粒子材料を検査用埋め込み樹脂に分散させて、試験片を作製し、粒子材料の中心付近をミクロトームで切り出し、電子顕微鏡で断面観察することによって測定できる。
接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記有機樹脂は、シリコーン樹脂ではないことが好ましい。接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記有機樹脂は、シロキサン結合を有さないことが好ましい。
本発明に係る粒子材料では、上記バリア層は、ケイ素原子を含まないか、又は、上記バリア層100重量%中にケイ素原子を3重量%以下で含む。接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記バリア層100重量%中、上記バリア層中のケイ素原子の含有量は、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。上記バリア層中のケイ素原子の含有量の下限は特に限定されない。上記バリア層中のケイ素原子の含有量は、0%以上であってもよい。
上記バリア層中のケイ素原子の含有量は、例えば、TEM-EDX分析によって測定できる。基材粒子の表面におけるバリア層中のケイ素原子の含有量を測定する方法としては、粒子材料を検査用埋め込み樹脂に分散させて試験片を作製し、ミクロトームにより超薄切片作製後、電界放射型透過電子顕微鏡(FE-TEM)を用いてEDX分析により、バリア層中のケイ素原子の含有量を測定する方法が好ましい。
接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記基材粒子の表面積全体に占める上記バリア層により被覆されている部分の面積である被覆率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。上記被覆率の上限は特に限定されない。上記被覆率は、99%以下であってもよい。
上記被覆率は、粒子材料を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、バリア層がある部分の表面積の粒子材料の投影面積に対する百分率を算出することにより求められる。
接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記バリア層は、粒子の集合体であることが好ましく、複数の粒子を有することが好ましく、複数の粒子により形成されていることが好ましい。接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記粒子の粒子径は、好ましくは30nm以上、より好ましくは50nm以上、さらに好ましくは80nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。接続強度をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子の粒子径は、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは90nm以下、特に好ましくは80nm以下である。冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記粒子の粒子径は、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。
上記粒子の粒子径は、任意に選択された50個の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、観察された画像における各粒子の最大径を算術平均することにより、算出することが好ましい。
接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記バリア層の材料は、芳香族骨格を有し、かつ、ビニル基を有する化合物を含むことが好ましい。接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記粒子の材料は、芳香族骨格を有し、かつ、ビニル基を有する化合物を含むことが好ましい。芳香族骨格を有し、かつ、ビニル基を有する化合物としては、スチレン、ジビニルベンゼン、及び4-ビニル安息香酸等が挙げられる。
接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観からは、上記バリア層の材料は、ジビニルベンゼン化合物を含むことが好ましい。接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記粒子の材料は、ジビニルベンゼン化合物を含むことが好ましい。ジビニルベンゼン化合物としては、1,4-ジイソプロペニルベンゼン等が挙げられる。
接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記粒子材料を250℃で10分間加熱した際に、シロキサンガスが発生しないか、又は、シロキサンガスを、上記粒子材料1gあたり500μg以下で発生することが好ましい。接点障害の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、シロキサンガスを、上記粒子材料1gあたり、200μg以下で発生することがより好ましい。上記シロキサンガスの発生量の下限は特に限定されない。上記シロキサンガスの発生量は、上記粒子材料1gあたり、0μg以上であってもよく、1μg以上であってもよい。
上記粒子材料を250℃で10分間加熱した際のシロキサンガスの発生量は、約5mgの粒子材料を空の熱脱着用チューブに入れて、250℃及び10分間の加熱条件における熱脱着GC-MS測定によって測定できる。
上記粒子材料の10%K値(粒子材料を10%圧縮したときの圧縮弾性率)は、好ましくは5N/mm以上、より好ましくは10N/mm以上であり、好ましくは500N/mm以下、より好ましくは100N/mm以下である。上記粒子材料の10%K値が、上記下限以上及び上記上限以下であると、応力負荷時のクラックの発生をより一層効果的に抑制することができ、冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制することができ、接続強度をより一層効果的に高めることができる。接続強度をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子材料の10%K値は、好ましくは250N/mm以下、より好ましくは200N/mm以下、さらに好ましくは90N/mm以下である。冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制する観点からは、上記粒子材料の10%K値は、好ましくは250N/mm以下、より好ましくは200N/mm以下、さらに好ましくは150N/mm以下である。
上記粒子材料の10%K値(粒子材料を10%圧縮したときの圧縮弾性率)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、最大試験荷重90mNを30秒かけて負荷する条件下で粒子材料を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、10%K値を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」等が用いられる。上記粒子材料の10%K値は、任意に選択された50個の粒子材料の10%K値を算術平均することにより、算出することが好ましい。
10%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S-3/2・R-1/2
F:粒子材料が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:粒子材料が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:粒子材料の半径(mm)
応力負荷時のクラックの発生をより一層効果的に抑制する観点、冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制する観点、及び接続強度をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子材料の圧縮回復率は、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上であり、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
上記粒子材料の圧縮回復率は、以下のようにして測定できる。
試料台上に粒子を散布する。散布された粒子1個について、微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃で、粒子の中心方向に、粒子が40%圧縮変形するまで負荷(反転荷重値)を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで除荷を行う。この間の荷重-圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。なお、負荷速度は0.33mN/秒とする。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」等が用いられる。
圧縮回復率(%)=[L2/L1]×100
L1:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでの圧縮変位
L2:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの除荷変位
上記粒子材料の粒子径は、用途に応じて適宜設定し得るが、ギャップ材用途においては、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。上記粒子材料の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、応力負荷時のクラックの発生をより一層効果的に抑制することができ、冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制することができ、接続強度をより一層効果的に高めることができる。上記粒子材料の粒子径が1μm以上、5μm以下であると、応力緩和材の用途に好適に用いることができる。上記粒子材料の粒子径が5μm以上、200μm以下であると、ギャップ材の用途に好適に用いることができる。
上記粒子材料の粒子径は、任意に選択された50個の粒子材料をレーザー回折式粒度分布計を用いて測定し、各粒子の粒子径を算術平均することにより、算出することが好ましい。上記レーザー回折式粒度分布計としては、マルバルーン社製「マスターサイザー2000」等が挙げられる。
応力負荷時のクラックの発生をより一層効果的に抑制する観点、冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制する観点、及び接続強度をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子材料の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下である。上記粒子材料の粒子径のCV値の下限は特に限定されない。上記粒子材料の粒子径のCV値は、0.1%以上であってもよい。
上記粒子材料の粒子径の変動係数(CV値)は、下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:粒子材料の粒子径の標準偏差
Dn:粒子材料の粒子径の平均値
上記粒子材料の用途は特に限定されない。上記粒子材料は、様々な用途に好適に用いられる。上記粒子材料は、スペーサとして用いられるか、又は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。上記粒子材料は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。上記粒子材料は、スペーサとして用いられることが好ましい。上記スペーサの使用方法としては、液晶表示素子用スペーサ、ギャップ制御用スペーサ、及び応力緩和用スペーサ等が挙げられる。上記ギャップ制御用スペーサは、スタンドオフ高さ及び平坦性を確保するための積層チップのギャップ制御、並びに、ガラス面の平滑性及び接着剤層の厚みを確保するための光学部品のギャップ制御等に用いることができる。上記応力緩和用スペーサは、センサチップ等の応力緩和、及び2つの接続対象部材を接続している接続部の応力緩和等に用いることができる。
上記粒子材料は、液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましく、液晶表示素子用周辺シール剤に用いられることが好ましい。上記液晶表示素子用周辺シール剤において、上記粒子材料は、スペーサとして機能することが好ましい。上記粒子材料は、良好な圧縮変形特性及び良好な圧縮破壊特性を有するので、上記粒子材料をスペーサとして用いて基板間に配置したり、表面に導電層を形成して導電性粒子として用いて電極間を電気的に接続したりした場合に、スペーサ又は導電性粒子が、基板間又は電極間に効率的に配置される。さらに、上記粒子材料では、シリコーン樹脂中に含まれる低分子環状シロキサンが基材粒子の外へ放出されることを効果的に抑制することができるので、上記スペーサ又は上記導電性粒子を用いた接続構造体において、接点障害の発生をより一層効果的に抑制することができる。
(基材粒子)
上記基材粒子は、シリコーン樹脂を含む。上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子の材料は、好ましくは、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とであるか、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物であるか、もしくは、ラジカル重合性基を両末端に有するシラン化合物であることが好ましい。これらの材料を反応させた場合には、シロキサン結合が形成される。得られるシリコーン樹脂において、ラジカル重合性基及び炭素数5以上の疎水基は一般に残存する。このような材料を用いることで、1μm以上、200μm以下の粒子径を有する上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子を容易に得ることができ、しかも上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子の耐薬品性を高くし、かつ透湿性を低くすることができる。
上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物では、ラジカル重合性基はケイ素原子に直接結合していることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジビニルメトキシビニルシラン、ジビニルエトキシビニルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、及び1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物では、炭素数5以上の疎水基はケイ素原子に直接結合していることが好ましい。上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジメチルメトキシフェニルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ヘキサフェニルジシロキサン、1,3,3,5-テトラメチル-1,1,5,5-テトラペニルトリシロキサン、1,1,3,5,5-ペンタフェニル-1,3,5-トリメチルトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、及びオクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物では、ラジカル重合性基はケイ素原子に直接結合していることが好ましく、炭素数5以上の疎水基はケイ素原子に直接結合していることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物としては、フェニルビニルジメトキシシラン、フェニルビニルジエトキシシラン、フェニルメチルビニルメトキシシラン、フェニルメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルビニルメトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、フェニルジビニルメトキシシラン、フェニルジビニルエトキシシラン、及び1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサン等が挙げられる。
上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子を得るために、上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを用いる場合に、上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とは重量比で、1:1~1:20で用いることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とは重量比で、1:5~1:15で用いることがより好ましい。
上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子を得るためのシラン化合物の全体において、ラジカル重合性基の数と炭素数5以上の疎水基の数とは、1:0.5~1:20であることが好ましく、1:1~1:15であることがより好ましい。
10%K値を好適な範囲に制御する観点からは、上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子は、1つのケイ素原子に2つのメチル基が結合したジメチルシロキサン骨格を有することが好ましく、上記シリコーン樹脂の材料は、1つのケイ素原子に2つのメチル基が結合したシラン化合物を含むことが好ましい。
10%K値を好適な範囲に制御する観点からは、上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子は、上述したシラン化合物を、ラジカル重合開始剤により反応させて、シロキサン結合を形成させることが好ましい。一般に、酸または塩基触媒を用いた重縮合によって上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子を合成する場合、10μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン樹脂を得ることは困難であり、100μm以下の粒子径を有するシリコーン樹脂を得ることが特に困難である。これに対して、ラジカル重合開始剤及び上記構成のシラン化合物を用いることで、1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン樹脂を得ることができ、10μm以上の粒子径を有するシリコーン樹脂を得ることもでき、100μm以下の粒子径を有するシリコーン樹脂を得ることもできる。
上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子を得るために、ケイ素原子に結合した水素原子を有するシラン化合物を用いなくてもよい。この場合には、金属触媒を用いずに、ラジカル重合開始剤を用いて、シラン化合物を重合させることができる。結果として、上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子に金属触媒が含まれないようにすることができ、上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子における金属触媒の含有量を少なくすることができ、10%K値を好適な範囲に制御することができる。
上記シリコーン樹脂又は上記基材粒子の具体的な製造方法としては、懸濁重合法、分散重合法、ミニエマルション重合法、又は乳化重合法等でシラン化合物の重合反応を行い、シリコーン樹脂又は基材粒子を作製する方法等がある。シラン化合物の重合を進行させてオリゴマーを得た後、懸濁重合法、分散重合法、ミニエマルション重合法、又は乳化重合法等で重合体(オリゴマー等)であるシラン化合物の重合反応を行い、シリコーン樹脂又は基材粒子を作製してもよい。例えば、ビニル基を有するシラン化合物を重合させて、末端においてケイ素原子に結合したビニル基を有するシラン化合物を得てもよい。フェニル基を有するシラン化合物を重合させて、重合体(オリゴマー等)として、側鎖においてケイ素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物を得てもよい。ビニル基を有するシラン化合物とフェニル基を有するシラン化合物とを重合させて、重合体(オリゴマー等)として、末端においてケイ素原子に結合したビニル基を有しかつ側鎖においてケイ素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物を得てもよい。
(導電性粒子)
上記導電性粒子は、上述した粒子材料と、上記粒子材料の表面上に配置された導電層とを備える。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す導電性粒子11は、基材粒子2と、基材粒子2の表面上に配置されたバリア層3とを有する。導電性粒子11は、バリア層3の表面上に配置された導電層12を有する。導電性粒子11は、基材粒子2の表面上に配置された導電層12を有する。導電層12は、バリア層3の表面を被覆している。導電層12は、基材粒子2の表面を被覆している。導電性粒子11は、バリア層3の表面が導電層12により被覆された被覆粒子である。導電性粒子11は、基材粒子2の表面が導電層12により被覆された被覆粒子である。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21では、導電層22のみが、図2に示す導電性粒子11と異なる。導電層22は、内層である第1の導電層22Aと外層である第2の導電層22Bとを有する。バリア層3の表面上に、第1の導電層22Aが配置されている。基材粒子2の表面上に、第1の導電層22Aが配置されている。第1の導電層22Aの表面上に、第2の導電層22Bが配置されている。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図4に示す導電性粒子31は、基材粒子2と、バリア層3と、導電層32と、複数の芯物質33と、複数の絶縁性物質34とを有する。
導電層32は、バリア層3の表面上に配置されている。導電層32は、基材粒子2の表面上に配置されている。導電性粒子31は導電性の表面に、複数の突起31aを有する。導電層32は外表面に、複数の突起32aを有する。このように、上記導電性粒子は、導電性粒子の導電性の表面に突起を有していてもよく、導電層の外表面に突起を有していてもよい。複数の芯物質33が、バリア層3の表面上に配置されている。複数の芯物質33は導電層32内に埋め込まれている。芯物質33は、突起31a,32aの内側に配置されている。導電層32は、複数の芯物質33を被覆している。複数の芯物質33により導電層32の外表面が隆起されており、突起31a,32aが形成されている。
導電性粒子31は、導電層32の外表面上に配置された絶縁性物質34を有する。導電層32の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁性物質34により被覆されている。絶縁性物質34は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、上記導電性粒子は、導電層の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。
上記導電層を形成するための金属は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン、モリブデン及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムが好ましい。
導電性粒子11,31のように、上記導電層は、1つの層により形成されていてもよい。導電性粒子21のように、導電層は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、導電層は、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電層が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電層である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記粒子材料の表面上に導電層を形成する方法は特に限定されない。導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを粒子材料の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電層の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは450μm以下、より一層好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下である。導電性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成され難くなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が基材粒子の表面から剥離し難くなる。また、導電性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を導電材料の用途に好適に使用可能である。
上記導電性粒子の粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には直径を意味し、導電性粒子が真球状以外の形状である場合には、その体積相当の真球と仮定した際の直径を意味する。
上記導電性粒子の粒子径は、数平均粒子径であることが好ましい。上記導電性粒子の粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
上記導電層の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下である。上記導電層の厚みは、導電層が多層である場合には導電層全体の厚みである。導電層の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が十分に変形する。
上記導電層が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電層の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電層による被覆が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、上記最外層が金層である場合に、金層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電層の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。上記導電層の厚みについては、任意の導電層の厚み5箇所の平均値を1個の粒子の導電層の厚みとして算出することが好ましく、導電層全体の厚みの平均値を1個の導電層の厚みとして算出することがより好ましい。複数の導電性粒子の場合には、上記導電層の厚みは、好ましくは、任意の導電性粒子10個について、これらの平均値を算出して求められる。
上記導電性粒子は、導電性の表面に突起を有していてもよい。上記導電性粒子は、上記導電層の外表面に突起を有していてもよい。該突起は複数であることが好ましい。導電層の表面並びに導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子の導電層とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗を低くすることができる。さらに、導電性粒子が表面に絶縁性物質を備える場合に、又は導電性粒子がバインダー中に分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁性物質又はバインダーを効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性を高めることができる。
上記導電性粒子の表面に突起を形成する方法としては、粒子材料の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電層を形成する方法、並びに粒子材料の表面に無電解めっきにより導電層を形成した後、芯物質を付着させ、さらに無電解めっきにより導電層を形成する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いなくてもよい。
上記突起を形成する方法としては、以下の方法等が挙げられる。粒子材料の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電層を形成する方法。粒子材料の表面に無電解めっきにより導電層を形成した後、芯物質を付着させ、さらに無電解めっきにより導電層を形成する方法。粒子材料の表面に無電解めっきにより導電層を形成する途中段階で芯物質を添加する方法。無電解めっきにより金属核を発生させ、粒子材料又は導電層の表面に金属核を付着させ、さらに無電解めっきにより導電層を形成する方法。
上記導電性粒子は、上記導電層の外表面上に配置された絶縁性物質を備えていてもよい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。導電性粒子が上記導電層の表面に突起を有する場合には、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性物質をより一層容易に排除できる。上記絶縁性物質は、絶縁性樹脂層又は絶縁性粒子であることが好ましく、絶縁性粒子であることがより好ましい。上記絶縁性粒子は、絶縁性樹脂粒子であることが好ましい。
上記導電層の外表面、及び絶縁性粒子の表面はそれぞれ、反応性官能基を有する化合物によって被覆されていてもよい。導電層の外表面と絶縁性粒子の表面とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。導電層の外表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミン等の高分子電解質を介して絶縁性粒子の表面の官能基と化学結合していても構わない。
(導電材料)
上記導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダーとを含む。上記導電性粒子は、バインダー中に分散され、導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極の電気的な接続に好適に用いられる。上記導電材料は、回路接続材料であることが好ましい。
上記バインダーは特に限定されない。上記バインダーとして、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダーは、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。上記バインダーとしては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル-スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダーの他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記バインダー中に上記導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、以下の方法等が挙げられる。上記バインダー中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記バインダーを水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。
上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダーの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダーの含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、より一層好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続材料)
上記接続材料は、2つの接続対象部材を接続する接続部を形成するために用いられる。上記接続材料は、上述した粒子材料と、バインダー又は金属原子含有粒子とを含む。上記接続材料は、金属原子含有粒子の焼結体によって、上記接続部を形成するために用いられることが好ましい。上記バインダーには、本発明に係る粒子材料は含まれない。上記金属原子含有粒子には、本発明に係る粒子材料は含まれない。
上記粒子材料の熱分解温度が、上記金属原子含有粒子の融点よりも高いことが好ましい。上記粒子材料の熱分解温度が、上記金属原子含有粒子の融点よりも、10℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましく、50℃以上高いことが最も好ましい。
上記金属原子含有粒子としては、金属粒子及び金属化合物粒子等が挙げられる。上記金属化合物粒子は、金属原子と、該金属原子以外の原子とを含む。上記金属化合物粒子の具体例としては、金属酸化物粒子、金属の炭酸塩粒子、金属のカルボン酸塩粒子及び金属の錯体粒子等が挙げられる。上記金属化合物粒子は、金属酸化物粒子であることが好ましい。例えば、上記金属酸化物粒子は、還元剤の存在下で接続時の加熱で金属粒子となった後に焼結する。上記金属酸化物粒子は、金属粒子の前駆体である。上記金属のカルボン酸塩粒子としては、金属の酢酸塩粒子等が挙げられる。
上記金属粒子及び上記金属酸化物粒子を構成する金属としては、銀、銅及び金等が挙げられる。銀又は銅が好ましく、銀が特に好ましい。従って、上記金属粒子は、好ましくは銀粒子又は銅粒子であり、より好ましくは銀粒子である。上記金属酸化物粒子は、好ましくは酸化銀粒子又は酸化銅粒子であり、より好ましくは酸化銀粒子である。銀粒子及び酸化銀粒子を用いた場合には、接続後に残渣が少なく、体積減少率も非常に小さい。上記酸化銀粒子における酸化銀としては、AgO及びAgOが挙げられる。
上記金属原子含有粒子は、400℃未満の加熱で焼結することが好ましい。上記金属原子含有粒子が焼結する温度(焼結温度)は、より好ましくは350℃以下、好ましくは300℃以上である。上記金属原子含有粒子が焼結する温度が、上記上限以下又は上記上限未満であると、焼結を効率的に行うことができ、さらに焼結に必要なエネルギーを低減し、かつ環境負荷を小さくすることができる。
上記金属原子含有粒子が金属酸化物粒子である場合に、還元剤が用いられることが好ましい。上記還元剤としては、アルコール化合物(アルコール性水酸基を有する化合物)、カルボン酸化合物(カルボキシ基を有する化合物)及びアミン化合物(アミノ基を有する化合物)等が挙げられる。上記還元剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アルコール化合物としては、アルキルアルコールが挙げられる。上記アルコール化合物の具体例としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール及びイコシルアルコール等が挙げられる。また、上記アルコール化合物としては、1級アルコール型化合物に限られず、2級アルコール型化合物、3級アルコール型化合物、アルカンジオール及び環状構造を有するアルコール化合物も使用可能である。さらに、上記アルコール化合物として、エチレングリコール及びトリエチレングリコール等多数のアルコール基を有する化合物を用いてもよい。また、上記アルコール化合物として、クエン酸、アスコルビン酸及びグルコース等の化合物を用いてもよい。
上記カルボン酸化合物としては、アルキルカルボン酸等が挙げられる。上記カルボン酸化合物の具体例としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸及びイコサン酸等が挙げられる。また、上記カルボン酸化合物は、1級カルボン酸型化合物に限られず、2級カルボン酸型化合物、3級カルボン酸型化合物、ジカルボン酸及び環状構造を有するカルボキシル化合物も使用可能である。
上記アミン化合物としては、アルキルアミン等が挙げられる。上記アミン化合物の具体例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン及びイコデシルアミン等が挙げられる。また、上記アミン化合物は分岐構造を有していてもよい。分岐構造を有するアミン化合物としては、2-エチルヘキシルアミン及び1,5-ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。上記アミン化合物は、1級アミン型化合物に限られず、2級アミン型化合物、3級アミン型化合物及び環状構造を有するアミン化合物も使用可能である。
上記還元剤は、アルデヒド基、エステル基、スルホニル基又はケトン基等を有する有機物であってもよく、カルボン酸金属塩等の有機物であってもよい。カルボン酸金属塩は金属粒子の前駆体としても用いられる一方で、有機物を含有しているために、金属酸化物粒子の還元剤としても用いられる。
上記金属酸化物粒子100重量部に対して、上記還元剤の含有量は、好ましくは1重量部以上、より好ましくは10重量部以上であり、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは500重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。上記還元剤の含有量が、上記下限以上であると、上記金属原子含有粒子をより一層緻密に焼結させることができる。この結果、上記金属原子含有粒子の焼結体によって形成された接続部における放熱性及び耐熱性も高くなる。
上記金属原子含有粒子の焼結温度(接続温度)よりも低い融点を有する還元剤を用いると、接続時に凝集し、接続部にボイドが生じやすくなる傾向がある。カルボン酸金属塩の使用により、該カルボン酸金属塩は接続時の加熱により融解しないため、ボイドの発生を抑制できる。なお、カルボン酸金属塩以外にも有機物を含有する金属化合物を還元剤として用いてもよい。
応力負荷時のクラックの発生をより一層効果的に抑制する観点、冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制する観点、及び接続強度をより一層効果的に高める観からは、上記接続材料は、バインダーを含むことが好ましい。上記バインダーは特に限定されない。上記バインダーの具体例としては、上述した導電材料に用いられるバインダー等が挙げられる。
応力負荷時のクラックの発生をより一層効果的に抑制する観点、冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制する観点、及び接続強度をより一層効果的に高める観からは、上記接続材料は、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
本発明の粒子材料による効果が効果的に発揮されるので、上記接続材料が上記金属原子含有粒子を含む場合に、上記接続材料において、上記金属原子含有粒子の含有量は、上記粒子材料の含有量よりも多いことが好ましく、10重量%以上多いことが好ましく、20重量%以上多いことが好ましい。
上記接続材料100重量%中、上記粒子材料の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。上記粒子材料の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、応力負荷時のクラックの発生、及び冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制することができ、さらに、接続強度をより一層効果的に高めることができる。
上記接続材料が上記金属原子含有粒子を含む場合に、上記接続材料100重量%中、上記金属原子含有粒子の含有量は、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは3重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。上記金属原子含有粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接続抵抗がより一層低くなる。
上記接続材料がバインダーを含む場合に、上記接続材料100体積%中、上記バインダーの含有量は、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上であり、好ましくは40体積%以下、より好ましくは20体積%以下である。上記バインダーの含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、応力負荷時のクラックの発生、及び冷熱サイクルでのクラック又は剥離の発生をより一層効果的に抑制することができ、さらに、接続強度をより一層効果的に高めることができる。
(接続構造体)
上述した導電性粒子、上述した導電性粒子とバインダーとを含む導電材料、又は、上述した粒子材料とバインダー又は金属原子含有粒子とを含む接続材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、少なくとも1つの第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、少なくとも1つの第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備える。上記接続部の材料が、上述した粒子材料を含む。上記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、上述した導電材料であるか、又は、上述した接続材料であることが好ましい。上記接続部が、上述した導電性粒子により形成されているか、上述した導電材料により形成されているか、又は、上述した接続材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。
上記導電性粒子が単独で用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が上記導電性粒子により接続される。上記接続構造体を得るために用いられる上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記接続部により電気的に接続されていることが好ましい。
図5は、図2に示す導電性粒子11を用いた接続構造体の一例を示す断面図である。
図5に示す接続構造体41は、第1の接続対象部材42と、第2の接続対象部材43と、第1の接続対象部材42と第2の接続対象部材43とを接続している接続部44とを備える。接続部44は、導電性粒子11とバインダーとを含む導電材料により形成されている。図5では、図示の便宜上、導電性粒子11は略図的に示されている。導電性粒子11にかえて、導電性粒子21,31等の他の導電性粒子を用いてもよい。
第1の接続対象部材42は表面(上面)に、複数の第1の電極42aを有する。第2の接続対象部材43は表面(下面)に、複数の第2の電極43aを有する。第1の電極42aと第2の電極43aとが、1つ又は複数の導電性粒子11により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材42,43が導電性粒子11により電気的に接続されている。
図6は、本発明に係る粒子材料を用いた接続構造体の一例を示す断面図である。
図6に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1の接続対象部材52と第2の接続対象部材53とを接続している接続部54とを備える。
接続部54は、上述した粒子材料1を含む。粒子材料1は、2つの第1,第2の接続対象部材52,53の双方に接していない。図6では、図示の便宜上、粒子材料1は略図的に示されている。
接続部54は、ギャップ制御粒子61と、金属接続部62とを含む。接続部54では、1つのギャップ制御粒子61が、2つの第1,第2の接続対象部材52,53の双方に接している。ギャップ制御粒子61は導電性粒子であってもよく、導電性を有さない粒子であってもよい。金属接続部62は、金属原子含有粒子の焼結体である。金属接続部62は、金属原子含有粒子を焼結させることにより形成されている。金属接続部62は、金属原子含有粒子を溶融させた後に固化させることにより形成されている。金属接続部62は、金属原子含有粒子の溶融固化物である。
上記第1の接続対象部材は、第1の電極を表面に有していてもよい。上記第2の接続対象部材は、第2の電極を表面に有していてもよい。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例として、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料又は上記接続材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×10Pa~4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120℃~220℃程度である。フレキシブルプリント基板の電極、樹脂フィルム上に配置された電極及びタッチパネルの電極を接続するための上記加圧の圧力は9.8×10Pa~1.0×10Pa程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材の内の少なくとも一方は、半導体ウェハ又は半導体チップであることが好ましい。上記接続構造体は、半導体装置であることが好ましい。
上記導電材料は、電子部品を接続するための導電材料であることが好ましい。上記導電ペーストはペースト状の導電材料であり、ペースト状の状態で接続対象部材上に塗工されることが好ましい。
上記導電性粒子、上記導電材料及び上記接続材料は、タッチパネルにも好適に用いられる。従って、上記接続対象部材は、フレキシブル基板であるか、又は樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることも好ましい。上記接続対象部材は、フレキシブル基板であることが好ましく、樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることが好ましい。上記フレキシブル基板がフレキシブルプリント基板等である場合に、フレキシブル基板は一般に電極を表面に有する。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブル基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
また、上記粒子材料は、液晶表示素子用スペーサとして好適に用いることができる。上記第1の接続対象部材は、第1の液晶表示素子用部材であってもよい。上記第2の接続対象部材は、第2の液晶表示素子用部材であってもよい。上記接続部は、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部であってもよい。
上記粒子材料は、液晶表示素子用シール剤に用いることもできる。液晶表示素子は、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材とを備える。液晶表示素子は、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部を備える。液晶表示素子は、上記シール部の内側で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶を備える。この液晶表示素子では、液晶滴下工法が適用され、かつ上記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されている。
図7は、本発明に係る粒子材料を液晶表示素子用スペーサとして用いた液晶表示素子の一例を示す断面図である。
図7に示す液晶表示素子81は、一対の透明ガラス基板82を有する。透明ガラス基板82は、対向する面に絶縁膜(図示せず)を有する。絶縁膜の材料としては、例えば、SiO等が挙げられる。透明ガラス基板82における絶縁膜上に透明電極83が形成されている。透明電極83の材料としては、ITO等が挙げられる。透明電極83は、例えば、フォトリソグラフィーによりパターニングして形成可能である。透明ガラス基板82の表面上の透明電極83上に、配向膜84が形成されている。配向膜84の材料としては、ポリイミド等が挙げられている。
一対の透明ガラス基板82間には、液晶85が封入されている。一対の透明ガラス基板82間には、複数の粒子材料1が配置されている。粒子材料1は、液晶表示素子用スペーサとして用いられている。複数の粒子材料1により、一対の透明ガラス基板82の間隔が規制されている。一対の透明ガラス基板82の縁部間には、シール剤86が配置されている。シール剤86によって、液晶85の外部への流出が防がれている。シール剤86には、粒子材料1と粒径のみが異なる粒子材料1Aが含まれている。図7では、図示の便宜上、粒子材料1及び1Aは略図的に示されている。
上記液晶表示素子において1mmあたりの液晶表示素子用スペーサの配置密度は、好ましくは10個/mm以上であり、好ましくは1000個/mm以下である。上記配置密度が10個/mm以上であると、セルギャップがより一層均一になる。上記配置密度が1000個/mm以下であると、液晶表示素子のコントラストがより一層良好になる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)シリコーンオリゴマーの作製
温浴槽内に設置した100mlのセパラブルフラスコに、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン1重量部と、0.5重量%p-トルエンスルホン酸水溶液20重量部とを入れた。40℃で1時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウム0.05重量部を添加した。その後、ジメトキシメチルフェニルシラン10重量部、ジメチルジメトキシシラン49重量部、トリメチルメトキシシラン0.6重量部、及びメチルトリメトキシシラン3.6重量部を添加し、1時間撹拌を行った。その後、10重量%水酸化カリウム水溶液1.9重量部を添加して、85℃まで昇温してアスピレーターで減圧しながら、10時間撹拌、反応を行った。反応終了後、常圧に戻し40℃まで冷却して、酢酸0.2重量部を添加し、12時間以上分液漏斗内で静置した。二層分離後の下層を取り出して、エバポレーターにて精製することでシリコーンオリゴマーを得た。
(2)基材粒子Aの作製
得られたシリコーンオリゴマー30重量部に、tert-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサノアート(重合開始剤、日油社製「パーブチルO」)0.5重量部を溶解させた溶解液Aを用意した。また、イオン交換水150重量部に、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩40重量%水溶液(乳化剤)0.8重量部とポリビニルアルコール(重合度:約2000、けん化度:86.5モル%~89モル%、日本合成化学社製「ゴーセノールGH-20」)の5重量%水溶液80重量部とを混合して、水溶液Bを用意した。温浴槽内に設置したセパラブルフラスコに、上記溶解液Aを入れた後、上記水溶液Bを添加した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約10μm)を用いることで、乳化を行った。その後、85℃に昇温して、9時間重合を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄して、基材粒子Aを得た。
(3)バリア層を備える粒子材料Bの作製(基材粒子Aの表面上にバリア層を作製)
温浴槽内に設置した500mlのセパラブルフラスコに、得られた基材粒子A6.5重量部と、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.6重量部と、蒸留水240重量部と、メタノール120重量部とを入れた。40℃で1時間攪拌した後、ジビニルベンゼン3.0重量部とスチレン0.5重量部とを添加して、75℃まで昇温して0.5時間攪拌を行った。その後、2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.4重量部を入れて8時間攪拌、反応を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄して、基材粒子Aの表面上にバリア層を備える粒子材料Bを得た。
(4)接続材料の作製
銀粒子(平均粒子径15nm)40重量部と、ジビニルベンゼン樹脂粒子(平均粒子径30μm、CV値5%)1重量部と、上記粒子材料B10重量部と、溶媒であるトルエン40重量部とを配合し、混合して接続材料を作製した。
(5)接続構造体の作製
第1の接続対象部材として、パワー半導体素子を用意した。第2の接続対象部材として、窒化アルミニウム基板を用意した。
第2の接続対象部材上に上記接続材料を約30μmの厚みになるように塗布し、接続材料層を形成した。その後、接続材料層上に上記第1の接続対象部材を積層して、積層体を得た。得られた積層体を300℃で10分加熱することにより、接続材料層に含まれている銀粒子を焼結させて、接続構造体を作製した。
(実施例2)
両末端アクリルシリコーンオイル(信越化学工業社製「X-22-2445」)30重量部に、tert-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサノアート(重合開始剤、日油社製「パーブチルO」)0.5重量部を溶解させた溶解液Aを用意した。また、イオン交換水150重量部に、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩40重量%水溶液(乳化剤)0.8重量部とポリビニルアルコール(重合度:約2000、けん化度:86.5モル%~89モル%、日本合成化学社製「ゴーセノールGH-20」)の5重量%水溶液80重量部とを混合して、水溶液Bを用意した。温浴槽中に設置したセパラブルフラスコに、上記溶解液Aを入れた後、上記水溶液Bを添加した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約10μm)を用いることで、乳化を行った。その後、85℃に昇温して、9時間重合を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄した後、分級操作を行って基材粒子Aを得た。その後は実施例1と同様にして基材粒子Aの表面上にバリア層を備える粒子材料B、接続材料、及び接続構造体を得た。
(実施例3)
温浴槽内に設置した500mlのセパラブルフラスコに、実施例1で得られた基材粒子A18.8重量部と、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド1.2重量部と、蒸留水240重量部と、メタノール120重量部とを入れた。40℃で1時間攪拌した後、ジビニルベンゼン12.0重量部とスチレン2.0重量部とを添加して、75℃まで昇温して0.5時間攪拌を行った。その後、2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.6重量部を入れて8時間攪拌、反応を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄して、基材粒子Aの表面上にバリア層を備える粒子材料Bを得た。その後は実施例1と同様にして接続材料及び接続構造体を得た。
(実施例4)
温浴槽内に設置した500mlのセパラブルフラスコに、実施例1で得られた基材粒子A6.5重量部と、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.6重量部と、蒸留水240重量部と、メタノール120重量部とを入れた。40℃で1時間攪拌した後、ジビニルベンゼン2.45重量部とスチレン1.05重量部とを添加して、75℃まで昇温して0.5時間攪拌を行った。その後、2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.4重量部を入れて8時間攪拌、反応を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄して、基材粒子Aの表面上にバリア層を備える粒子材料Bを得た。その後は実施例1と同様にして接続材料及び接続構造体を得た。
(比較例1)
粒子材料Bの作製の際に、バリア層を作製しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、接続材料及び接続構造体を得た。
(比較例2)
粒子材料Bの作製の際に、蒸留水240重量部とメタノール120重量部との代わりに、メチルエチルケトン360重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、接続材料及び接続構造体を得た。
(比較例3)
信越化学社製シリコーン複合パウダー「KMP-601」を粒子材料Bとして用意した。この粒子材料Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、接続材料及び接続構造体を得た。
(評価)
(1)バリア層中のケイ素原子の含有量
バリア層中のケイ素原子の含有量については、以下のようにして測定した。
バリア層中のケイ素原子の含有量の測定方法:
粒子材料Bを検査用埋め込み樹脂に分散させて試験片を作製し、ミクロトームにより超薄切片を作製した。その後、10個の粒子材料Bを無作為に選択した。この10個の粒子材料Bについて、基材粒子の表面上のバリア層中のケイ素原子の含有量を、TEM-EDX分析によって測定した。得られたデータを算術平均して、バリア層中のケイ素原子の含有量とした。
(2)バリア層の厚み
得られた粒子材料Bについて、バリア層の厚みを測定した。上記バリア層の厚みは、以下の方法により測定した。
バリア層の厚みの測定方法:
得られた粒子材料Bの含有量が30重量%となるように、検査用埋め込み樹脂であるKulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、試験片を作製した。試験片中の分散した粒子材料Bの中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、粒子材料Bの断面を切り出した。そして、電界放射型透過電子顕微鏡(FE-TEM)(日本電子社製「JEM-ARM200F」)を用いて、20個の粒子材料Bを無作為に選択し、それぞれの粒子材料Bの断面を観察した。それぞれの粒子材料Bにおけるバリア層の厚みを計測し、算術平均してバリア層の厚みとした。
(3)被覆率
得られた粒子材料Bについて、基材粒子の表面積全体に占める上記バリア層により被覆されている部分の面積である被覆率を測定した。上記被覆率は、以下の方法により測定した。
被覆率の測定方法:
電子顕微鏡による観察を行い、粒子材料B1個当たりの投影面積S1と未被覆部分の円換算面積Sとを画像解析ソフトを用いて算出し、下記式にて被覆率を求めた。
被覆率(%)=(S-S)/S×100
(4)シロキサンガス(アウトガス)
得られた粒子材料Bについて、アウトガス評価を実施した。アウトガス評価は、以下の方法により実施した。アウトガス評価を以下の基準で判定した。
アウトガス評価方法:
得られた粒子材料Bを5mg精秤し、下記条件にて熱脱着GC-MS(パーキンエルマー社製「TurboMatrix 650」)測定し、シロキサンガスの発生量の測定を実施した。
(測定条件)
サンプル加熱:250℃、10min(20mL/min)
二次脱着:350℃、40min
スプリット:入口25mL/min、出口25mL/min、注入量2.5%
GC-MS装置:日本電子社製「JMS-Q1000」
GCカラム:EQUITY-1(無極性)、0.32mm×60m×0.25μm
GC昇温条件:40℃(4min)→8℃/min→300℃(2min)
He流量:1.5mL/min
MS測定範囲:35amu~400amu(Scan;500ms)
イオン化電圧:70eV
MS温度:イオン源;230℃、インターフェイス;250℃
[アウトガス評価の判定基準]
○:シロキサンガスの発生量が、粒子材料1gあたり、0μg以上、500μg以下
△:シロキサンガスの発生量が、粒子材料1gあたり、500μgを超え、1000μg以下
×:シロキサンガスの発生量が、粒子材料1gあたり、1000μgを超える
(5)10%K値
得られた粒子材料Bについて、10%K値を、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」)を用いて測定した。
(6)接続強度
マウント強度測定装置を用いて、得られた接続構造体の260℃での接続強度を測定した。接続強度を以下の基準で判定した。
[接続強度の判定基準]
○○:シェア強度が150N/cm以上
〇:シェア強度が100N/cm以上、150N/cm未満
×:シェア強度が100N/cm未満
(7)冷熱サイクル特性(接続信頼性)
得られた接続構造体を、-65℃から150℃に加熱し、-65℃に冷却する過程を1サイクルとする冷熱サイクル試験を1000サイクル実施した。冷熱サイクル特性を以下の基準で判定した。超音波探傷装置(SAT)により、接続部においてクラック及び剥離の発生の有無を観察した。冷熱サイクル特性を以下の基準で判定した。
[冷熱サイクル特性の判定基準]
○:接続部にクラック及び剥離なし
△:接続部に剥離はなく、クラックがある
×:接続部に剥離がある
(8)応力負荷時のクラック
得られた接続構造体における上層のパワー半導体素子の表面上に、金ワイヤーを超音波接続させた。超音波接続によって、応力を付与した。パワー半導体素子及び接続部にクラックが生じているか否かを評価した。応力負荷時のクラックを以下の基準で判定した。
[応力負荷時のクラックの判定基準]
○:パワー半導体素子及び接続部にクラックがなし
×:パワー半導体素子及び接続部にクラックがあり
結果を下記の表1に示す。
Figure 0007284554000001
1…粒子材料
1A…粒子材料
2…基材粒子
3…バリア層
3a…粒子
11…導電性粒子
12…導電層
21…導電性粒子
22…導電層
22A…第1の導電層
22B…第2の導電層
31…導電性粒子
31a…突起
32…導電層
32a…突起
33…芯物質
34…絶縁性物質
41…接続構造体
42…第1の接続対象部材
42a…第1の電極
43…第2の接続対象部材
43a…第2の電極
44…接続部
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部
61…ギャップ制御粒子
62…金属接続部
81…液晶表示素子
82…透明ガラス基板
83…透明電極
84…配向膜
85…液晶
86…シール剤

Claims (16)

  1. シリコーン樹脂を含む基材粒子と、
    前記基材粒子の表面上に、有機樹脂を含むバリア層とを備え、
    前記バリア層が、ケイ素原子を含まないか、又は、前記バリア層100重量%中にケイ素原子を3重量%以下で含み、
    前記バリア層の材料が、芳香族骨格を有し、かつ、ビニル基を有する化合物を含み、
    前記バリア層の厚みが、30nm以上、500nm以下であり、
    粒子材料を250℃で10分間加熱した際に、シロキサンガスが発生しないか、又は、シロキサンガスを、粒子材料1gあたり500μg以下で発生する、粒子材料。
  2. 前記基材粒子の表面積全体に占める前記バリア層により被覆されている部分の面積である被覆率が、90%以上である、請求項1に記載の粒子材料。
  3. 前記バリア層が、粒子の集合体であり、
    前記粒子の粒子径が、30nm以上、500nm以下である、請求項1又は2に記載の粒子材料。
  4. 前記バリア層の材料が、ジビニルベンゼン化合物を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料。
  5. 10%K値が、5N/mm以上、500N/mm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料。
  6. 粒子径が、1μm以上、500μm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料。
  7. スペーサとして用いられるか、又は、表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられる、請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料。
  8. 表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられる、請求項に記載の粒子材料。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料と、
    前記粒子材料の表面上に配置された導電層とを備える、導電性粒子。
  10. 導電性粒子と、バインダーとを含み、
    前記導電性粒子が、請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料と、前記粒子材料の表面上に配置された導電層とを備える、導電材料。
  11. 請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料と、
    バインダー又は金属原子含有粒子とを含む、接続材料。
  12. 金属原子含有粒子を含む、請求項11に記載の接続材料。
  13. バインダーを含む、請求項12に記載の接続材料。
  14. 前記粒子材料の熱分解温度が、前記金属原子含有粒子の融点よりも高い、請求項12又は13に記載の接続材料。
  15. 2つの接続対象部材を接続する接続部を形成するために用いられ、
    前記金属原子含有粒子の焼結体によって、前記接続部を形成するために用いられる、請求項1214のいずれか1項に記載の接続材料。
  16. 少なくとも1つの第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    少なくとも1つの第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1~のいずれか1項に記載の粒子材料を含み、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記接続部により電気的に接続されている、接続構造体。
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