JP7284409B2 - デキャピング装置 - Google Patents
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Description
このため、マイクロ(テスト)チューブ等の容器に収められた試料を、大量に取り扱って任意の試料を迅速に取り出す技術が欠かせない。
このような検体処理において、試料用チューブの開口を塞ぐキャップを装着することが行われ、特許文献1のような公知技術では、試料用チューブを把持した状態で、ゴムなどの柔軟性の高い材料からなるキャップを検体容器の開口に押し込むことで、キャップを装着している。
また、密封性を向上するためにねじ込み式のキャップを自動的に装着し試料用チューブを閉栓するものも公知である(例えば、特許文献2等参照)。
ここで、試料用チューブを低温等の特殊環境で開栓する必要がある場合、複雑な把持駆動機構や回転駆動機構を有していたり、それらの駆動源がチャック近傍に存在すると、熱やコンタミ等の問題が生じ、最適な検査環境に悪影響を及ぼす虞があった。
本請求項3に記載の構成によれば、チャックが、キャップを挟んで対向する2本の把持爪を有し、爪押え部材が、それぞれの把持爪に対し2本設けられていることにより、可動部分を少なくし、より簡単な構成とすることができる。
本請求項4に記載の構成によれば、チャックが、直列に複数設けられ、把持駆動機構が、複数のチャックに対応した複数の爪押え部材を同時に駆動する連動部材を有することにより、把持駆動機構の駆動源を増やすことなく簡単な構成で多数のキャップを同時にハンドリングすることができる。
本請求項6に記載の構成によれば、把持駆動機構が、連動部材を介して複数の爪押え部材を同時に駆動する1つの把持駆動源を有することにより、さらに少ない駆動源で多数のキャップを同時にハンドリングすることができる。
チャック110は、図4、図5に示すように、試料用チューブTの中心線を挟んで対向する2本の把持爪111を有している。
チャック110は回転中心を構成する回転軸112を有し、回転軸112の下方は爪保持部115を構成し、把持爪111は爪保持部115に対し平行状態で開閉方向に移動可能に設けられている。
把持爪111の爪胴部114の外側は円弧状に形成され、把持爪111の下方の先端にはキャップCを把持する爪先端部113を有している。
2本の把持爪111の爪胴部114の外側は、キャップCを把持した状態で全体としてほぼ円形となるように構成されている。
また、2本の把持爪111は、常時は開放する方向に付勢されている。
本実施形態では、爪先端部113を爪胴部114と別体とすることで、把持するキャップCのサイズや形状に応じて交換可能に構成されているが、爪先端部113と爪胴部114とが一体に形成されていてもよい。
また、本実施形態では、チャック110が直列等間隔に4本設けられている。
爪押え部材121は、1つのチャック110の2つの把持爪111に対して、それぞれ2本ずつ設けられており、チャック110の両側に設けられた2枚の連動部材であるスライド板123に取り付けられて、チャック110に向かって進退可能に配置されている。
本実施形態では、それぞれのスライド板123に4つのチャック110に対応した8本の爪押え部材121が設けられている。
一方のスライド板123は、把持駆動源125によって(本実施形態ではラックピニオン機構で)進退駆動され、他方のスライド板123は、連動ギヤ124を介して180度逆方向に伝達されて進退駆動される。
本実施形態では、4本のチャック110の回転軸112を1つの回転駆動源131で駆動可能に構成されている。
また、チャック110の回転軸112はクラッチ133を介して回転駆動され、所定以上の負荷でチャック110の回転軸112への回転の伝達を阻止するように構成されている。
同期機構140は、図1、図6に示すように、チャック110の回転軸112に設けられたカム板141と、カム板141と係合して回転を規制する回転規制爪142と、回転規制爪142とカム板141との係合を解除する爪解除連動板143を有している。
回転規制爪142は、1つのチャック110のカム板141に対して、カム板141の両側に設けられた2枚の爪解除連動板143にそれぞれ1つ取り付けられて、カム板141に向かって進退可能に配置されている。
一方の爪解除連動板143は、爪解除駆動部144によって進退駆動され、他方の爪解除連動板143は、爪解除連動ギヤ145を介して180度逆方向に伝達されて進退駆動される。
爪解除駆動部144の動作により、回転規制爪142によりカム板141の回転が規制される位置と、規制を解除する位置に切替可能である。
また、本実施形態では、回転規制爪142によるカム板141の回転規制は、一方向の回転のみで、逆回転時はいずれの位置でも回転規制爪142が揺動退避して回転可能に構成されている。
まず、把持爪111の把持方向と爪押え部材121の進退方向を一致させるために、爪解除駆動部144により回転規制爪142によりカム板141の回転が規制される位置に維持した状態で回転駆動源131を逆回転(キャップを締める方向の回転)させる。
このことで、4本のチャック110の回転位相が異なっていても、回転規制爪142によりカム板141の回転が規制された際にクラッチ133が滑り、全てのチャック110の回転位相が揃い、4本のチャック110の2つの把持爪111の移動方向が、すべて爪押え部材121の移動方向と同一となるように配置される。
次に、4本のチャック110のそれぞれの2つの爪先端部113の対向する間隙に対し、試料用チューブTに螺合されたキャップCを把持可能に挿入する。
このとき、デキャッパ装置100全体が試料用チューブTの上方からアプローチしてもよく、デキャッパ装置100全体は固定状態で、試料用チューブTのハンドリング装置が下方からアプローチしてもよく、その両方が互いにアプローチしてもよい。
その状態で、把持駆動源125を駆動し、爪押え部材121により把持爪111を把持方向に押圧してキャップCを把持する。
このとき、爪押え部材121は回転可能な押えローラ122を有し、把持爪111の円弧形状部に接触して4方向から把持爪111を把持方向に常時押圧しているため、把持爪111が円滑に回転可能であり、回転によってキャップCの把持が解除されることがない。
閉栓時には、キャップCを所定のトルクで締め付ける必要があるが、前述の位相合わせのためのクラッチ133が滑ることで、所定トルクを設定することが可能である。
キャップC、試料用チューブTの製造誤差、試料用チューブTが固定される回転位相が一定でないことから、所定トルクでクラッチ133が滑る回転位相は、4本のチャック110でそれぞれ異なるが、閉栓動作の完了後に、前述した同期機構140を作動させることで、容易に回転位相を揃えることができる。
このために、チャック110の回転軸112を上下動可能に支持し、押圧機構150を設けて常時最下方に押圧し、爪先端部113とキャップCの上端が衝突した際にはチャック110を上方に移動させ、試料用チューブTやキャップCにダメージを与えることを防止するようにしてもよい。
また、チャック110の回転軸112の上昇をセンサで検知して、試料用チューブTの上昇動作(及び/またはチャック110の下降動作)を即座に停止するようにしてもよい。
押圧機構150は、チャック110の回転軸112の上方に設けられており、揺動軸152を中心に揺動する1対の揺動腕151と、1対の揺動腕151に両端が固定され複数のチャック110の回転軸112の上端を押圧する押圧部材153と、揺動腕152を下方に付勢する押圧バネ154とを有している。
このことで、チューブTの整列位置ずれ等があり爪先端部113とキャップCの上端が衝突した場合には、チャック110の回転軸112が押圧バネ154の付勢力に抗して上昇することができるため、試料用チューブTやキャップCにダメージを与えることを防止できる。
なお、押圧機構150の構造は、通常のデキャッピング動作に必要な押圧力を有し、爪先端部113とキャップCの上端が衝突した際にはチャック110を上方に移動させることが可能であれば、配置、構造はいかなるものであってもよい。
また、検知センサ155も、爪先端部113とキャップCの上端が衝突したことが検知可能であれば、配置、構造はいかなるものであってもよい。
110 ・・・ チャック
111 ・・・ 把持爪
112 ・・・ 回転軸
113 ・・・ 爪先端部
114 ・・・ 爪胴部
115 ・・・ 爪保持部
120 ・・・ 把持駆動機構
121 ・・・ 爪押え部材
122 ・・・ 押えローラ
123 ・・・ スライド板(連動部材)
124 ・・・ 連動ギヤ
125 ・・・ 把持駆動源
130 ・・・ 回転駆動機構
131 ・・・ 回転駆動源
132 ・・・ 伝達ギヤ
133 ・・・ クラッチ
140 ・・・ 同期機構
141 ・・・ カム板
142 ・・・ 回転規制爪
143 ・・・ 爪解除連動板
144 ・・・ 爪解除駆動部
145 ・・・ 爪解除連動ギヤ
150 ・・・ 押圧機構
151 ・・・ 揺動腕
152 ・・・ 揺動軸
153 ・・・ 押圧部材
154 ・・・ 押圧バネ
155 ・・・ 検知センサ
T ・・・ 試料用チューブ
C ・・・ キャップ
Claims (7)
- 試料用チューブに螺合されたキャップを把持可能なチャックと、前記チャックを開閉作動させる把持駆動機構と、前記チャックを回転させる回転駆動機構とを有するデキャピング装置であって、
前記チャックは、外側に円弧形状部を有する複数の把持爪を有し、
前記把持駆動機構は、前記把持爪の円弧形状部に接触して前記把持爪を把持方向に押圧する爪押え部材を有し、
前記回転駆動機構は、前記把持駆動機構を試料用チューブ及びキャップの中心軸まわりに回転させることなく前記チャックを回転させるよう構成されていることを特徴とするデキャピング装置。 - 前記爪押え部材は、前記円弧形状部に接触する回転可能な押えローラを有することを特徴とする請求項1に記載のデキャピング装置。
- 前記チャックが、キャップを挟んで対向する2本の前記把持爪を有し、
前記爪押え部材が、それぞれの前記把持爪に対し2本設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデキャピング装置。 - 前記チャックが、直列に複数設けられ、
前記把持駆動機構が、前記複数のチャックに対応した複数の爪押え部材を同時に駆動する連動部材を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデキャピング装置。 - 前記回転駆動機構が、前記複数のチャックを同時に回転駆動する1つの回転駆動源と、前記複数のチャックの回転位相を合わせる同期機構を有することを特徴とする請求項4に記載のデキャピング装置。
- 前記把持駆動機構が、前記連動部材を介して前記複数の爪押え部材を同時に駆動する1つの把持駆動源を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のデキャピング装置。
- 前記複数のチャックの回転軸の一部または全部が、上下動可能に支持されるとともに押圧機構によって常時最下方に押圧されるように構成され、
前記回転軸の上方への移動を検知する検知手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のデキャピング装置。
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