JP7284395B2 - 光学材料用硬化性組成物、光学材料及び光学材料の製造方法 - Google Patents

光学材料用硬化性組成物、光学材料及び光学材料の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、光学材料用硬化性組成物、光学材料及び光学材料の製造方法に関する。
可視光波長以下の微細な凹凸パターン構造を有するフィルムは、反射防止フィルムとして利用されることが知られている。このような用途においては、フィルム表面に微細凹凸を形成することで、反射光が低減されることが知られている。
特許文献1~6には、このような微細凹凸を有するフィルムが開示されている。特に特許文献1においては、微細凹凸形状を形成するための樹脂組成において、重合性基が1つであるアクリルアミドを使用することを開示している。
特許文献7には、2以上のアクリルアミド基を有する化合物を含有する光学材料用硬化性組成物を使用したインプリント用光硬化性組成物が開示されている。
国際公開第2018/173867号 国際公開第2016/174893号 国際公開第2017/217442号 国際公開第2018/012343号 国際公開第2018/012344号 国際公開第2018/079525号 特開2018-127522号公報
本開示は、より強度に優れた樹脂を使用することによって、外部から力を加えられた際にも凹凸構造が崩れることのない光学材料用硬化性組成物及び光学材料を提供することを目的とする。
本開示は、表面に微細な凹凸を有する重合体層を形成するために使用される光学材料用硬化性組成物であって、
微細な凹凸は、前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチが20nm以上、400nm以下であり、
2以上のアクリルアミド基を有する化合物を含有し、1のアクリルアミド基を有する化合物を実質的に含有しないことを特徴とする光学材料用硬化性組成物である。
本開示は、表面に微細な凹凸を有する重合体層を形成するために使用される光学材料用硬化性組成物であって、
微細な凹凸は、前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチが20nm以上、400nm以下であり、
2以上のアクリルアミド基を有する化合物を含有し、1のアクリルアミド基を有する化合物を実質的に含有しないことを特徴とする光学材料用硬化性組成物でもある。
上記光学材料用硬化性組成物は、下記条件で硬化させた硬化物が、
ヤング率: 160~432N/mm
限界歪み: 10%以上
を満たすものであることが好ましい。
(硬化条件)
JIS K 6215-5の7号形ダンベルを作製する金型に硬化性組成物を充填し、高圧水銀ランプを用いて、365nmの波長を含む紫外線(照射量:1,200mJ/cm )を照射して硬化。
本開示は、上述した光学材料用硬化性組成物を、基材層の表面上に塗布する工程(1)、
基材層を金型に押しあてて、光学材料用硬化性組成物の表面に凹凸構造を形成する工程(2)、
凹凸構造を表面に有する光学材料用硬化性組成物を硬化させる工程(3)及び
金型を重合体層から剥離する工程(4)
を有することを特徴とする光学材料の製造方法でもある。
前記重合体層の厚みは、1μm以上、20μm以下であることが好ましい。
前記重合体層の表面に存在する複数の凸部の高さは、各々、50nm以上、500nm以下であることが好ましい。
前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のアスペクト比は、各々、0.13以上、25以下であることが好ましい。
本開示は、基材層及び重合体層を有する光学材料であって、
重合体層は、表面に微細な凹凸を有し、アミド基を有し、表面に微細な凹凸を有し、上述した光学材料用硬化性組成物を使用して形成されたものであり、
微細な凹凸は、前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチが20nm以上、400nm以下であり、
以下の性質を満たす樹脂層であることを特徴とする光学材料。
ヤング率: 160~432N/mm
限界歪み: 10%以上
本開示は、基材層及び重合体層を有する光学材料であって、重合体層は、表面に微細な凹凸を有し、微細な凹凸を有する表面を下記条件下でスチールウールを擦過した後の凹凸の残存率が80%以上であり、
請求項1又は2に記載された光学材料用硬化性組成物を使用して形成されたものであり、
微細な凹凸は、前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチが20nm以上、400nm以下であることを特徴とする光学材料でもある。
(擦過条件)
試験機として株式会社トリニティーラボ製「トライボマスターTL201Ts」を用い、ステージ上にフィルムを水平状態で固定した。日本スチールウール社製のスチールウール(製品名:#0000)を摩擦子として用い、荷重を200g/cm 、ストローク幅を60mm、速度を60mm/s、擦る回数を10往復として、フィルムの表面を擦過した。
上記重合体層の厚みは、1μm以上、20μm以下であることが好ましい。
上記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチは、20nm以上、400nm以下であることが好ましい。
上記重合体層の表面に存在する複数の凸部の高さは、各々、50nm以上、500nm以下であることが好ましい。
上記重合体層の表面に存在する複数の凸部のアスペクト比は、各々、0.13以上、25以下であることが好ましい。
本開示は、反射光低減効果に優れ、かつ、耐擦り傷性及び防汚性に優れる光学材料を提供することができる。
本開示の光学材料の一例を示す模式図である。 本開示の光学材料の製造方法の一例を示す模式図である。 本開示の光学材料の技術的範囲を示す図である。
以下、本開示を詳細に説明する。
本開示の光学材料について、図1を参照して以下に説明する。図1は、実施形態の防汚性フィルムを示す断面模式図である。
本開示の光学材料は、基材層2と、重合体層1とを備えている。図1に示したように、重合体層1は、表面に微細な凹凸を有する。このような微細な凹凸は、ナノメートルサイズの凹凸構造である。このような凹凸構造によれば、空気層から基材にかけて屈折率が連続的に変化するために、反射光を劇的に減少させることができる。
図1に示された微細な凹凸構造は、樹脂によって形成されたものである。このような構造は、擦過等の物理的な力を加えられた際に、凸部が変形したり折れたりすることによって、性能が低下してしまうという問題がある。
従って、樹脂としての強度を高めることによって、凹凸構造の耐久性を高めることが本開示において重要となる。一方、上述したような凹凸形状を有する光学材料における効果である、映り込みの防止や表面保護といった機能も十分に維持する必要がある。したがって、光学特性、製造時の離形性等の種々の性能を維持しつつ、凹凸構造の耐久性を高めることが必要とされる。
本開示においては、表面に微細な凹凸を有し、アミド基を有し、かつ、特定の物理的性質を有する樹脂である重合体層1を形成し、これによって上述した目的を達成するものである。
本開示においては、
ヤング率: 160~432N/mm
限界歪み: 10%以上
との条件を満たす硬化樹脂によって重合体層が形成されたものである。
上記性能を満たすものとすることで、適度の柔軟性を有しつつ同時に荷重がかけられた際にも強度においても優れた性能を有するものとなる。
なお、上記ヤング率及び限界歪みは、以下に示す方法によって測定された値である。
(測定用サンプル調製方法)
光学材料における重合体層の形成に使用される硬化性組成物をJIS K 6215-5の7号形ダンベルを作製する金型に充填し、紫外線(照射量:1,200mJ/cm)を照射して硬化する
という条件で成形・硬化することでサンプルを作成する。これについて、以下に示す条件で引っ張り試験を行った。
(引っ張り試験方法)
硬化樹脂をダンベル状7号形(JIS K6215-5)の試験片とし、オートグラフ(島津製作所社製、AGS-100NX)を用いて、JIS K7161法にしたがい25℃で試験片を60mm/分の引張速度で引張り試験を行い、1N-5N荷重中のヤング率を測定した。
ヤング率が160N/mm未満、かつ限界歪みが10%未満では、過剰に柔軟な性質となり、外部から力を加えられた際に、凸部の先端が変形または削れ易く、あるいは力の加えられた方向に沿って凸部が倒れ、そのまま起き上がらず、凹凸構造の維持が困難となる。ヤング率の下限は、170N/mmであることがより好ましく、180N/mmであることが更に好ましい。かつ限界歪みの下限は、10%であることがより好ましく、20%であることが更に好ましい。
ヤング率が432N/mmを超え、かつ限界歪みが10%未満では、硬くて脆い性質となり、外部から力を加えられた際に凸部が折れ易く、凹凸構造の維持が困難となる。ヤング率の上限は、350N/mmであることがより好ましく、233N/mmであることが更に好ましい。かつ限界歪みの下限は、10%であることがより好ましく、20%であることが更に好ましい。
本開示は、重合体層が表面に微細な凹凸を有し、微細な凹凸を有する表面を下記条件下でスチールウールを擦過した後の凹凸の残存率が80%以上であるような光学材料でもある。
このように、スチールウールを擦過後でも、凹凸が消失しないような光学材料を使用することで、反射防止機能の耐久性に優れ、強度にも優れた光学材料とすることができる。
上記スチールウールによる擦過は、下記条件によって行ったものである。
試験機として株式会社トリニティーラボ製「トライボマスターTL201Ts」を用い、ステージ上にフィルムを水平状態で固定した。日本スチールウール社製のスチールウール(製品名:#0000)を摩擦子として用い、荷重を200g/cm、ストローク幅を60mm、速度を60mm/s、擦る回数を10往復として、フィルムの表面を擦過した。
凹凸の残存率は、下記条件によって算出した値である。
凹凸の残存率は、同一試料中の擦過面および非擦過面の走査型電子顕微鏡画像の比較により算出した。擦過面とは擦過した領域の内、擦過始点を0%、擦過終点を100%とした場合に30~70%の領域から任意に選択した箇所とし、非擦過面とは同一試料中で擦過していない領域から任意に選択した箇所とした。具体的には、60°傾斜台を用いて50,000倍率で走査型電子顕微鏡観察した傾斜画像に対して、一辺が2.0μm、もう一辺が1.5μmの長方形となる枠線をその重心が傾斜画像の重心と重なるよう画像上に描き、描いた枠線内に存在する凸部の数を数えた。この際に、画像に見る先端断面の直径が50nm以上である凸部、例えば円錐台状である凸部は、擦過によって破損した凸部として、数える凸部の対象から除いた。また、描いた枠線に重なる凸部は、画像に見る凸部の50%以上の面積が枠線内に存在するものを数える凸部の対象とした。同一試料中で任意の擦過面および任意の非擦過面からそれぞれ3箇所の走査型電子顕微鏡画像について、凸部の数を数え、擦過面の凸部数の平均値を非擦過面の凸部数の平均値で割り、その百分率を凹凸の残存率とした。凹凸の残存率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。80%未満では傷が目立つなどの外観異常が視認し易くなり、また反射率が向上するなどの光学特性を損なうなどの不具合を生じて好ましくない。
本開示において、重合体層を構成する樹脂成分は、アミド基を有する。アミド基を有する樹脂とすることによって、基材層との接着性を良好なものとすることができる。
なお、重合体層を構成する樹脂成分がアミド基を有することは、公知の任意の手法によって分析できるものであり、具体的には、例えば、赤外線吸収(IR)によって、1680-1515cm-1付近に存在するC=O伸縮吸収の有無によって確認することができる。
本開示の重合体層のその他の特徴について、以下詳述する。
重合体層は、複数の凸部(突起)が可視光の波長(780nm)以下のピッチ(隣接する凸部4の頂点間の距離)で設けられる凹凸構造、すなわち、モスアイ構造(蛾の目状の構造)を表面に有していることが好ましい。このようにすることで、光学材料は、モスアイ構造による優れた反射防止性(低反射性)を示すことができる。
重合体層は、厚みが、1~20μmであることが好ましく、8~12μmであることが更に好ましい。このような構成によれば、光学材料の欠陥や異物を視認され易くなることが防止される。更に、重合体層が形成される際の硬化収縮に起因する光学材料のカール等の発生が防止される。なお、本明細書において、重合体層の厚みは、基材2側の表面から凸部の頂点までの距離を指す。
凸部の形状としては、例えば、柱状の下部と半球状の上部とによって構成される形状(釣鐘状)、錐体状(コーン状、円錐状)等の、先端に向かって細くなる形状(テーパー形状)が挙げられる。図1中、隣接する凸部の間隙の底辺は傾斜した形状となっているが、傾斜せずに水平な形状であってもよい。
複数の凸部の平均ピッチは、モアレ、虹ムラ等の光学現象の発生を充分に防止する観点から、好ましくは20~400nm、より好ましくは100~200nmである。このような構成によれば、光学材料の外観上の問題の発生が防止される。複数の凸部の平均ピッチは、具体的には、走査型電子顕微鏡で撮影された平面写真の1μm角の領域内における、すべての隣接する凸部のピッチの平均値を指す。
複数の凸部の平均高さは、後述する複数の凸部4の好ましい平均アスペクト比と両立させる観点から、好ましくは50~500nm、より好ましくは100~300nmである。このような構成によれば、光学材料の反射防止性能が不充分となることが防止される。複数の凸部の平均高さは、具体的には、走査型電子顕微鏡で撮影された断面写真における、連続して並んだ10個の凸部の高さ(図1中のH)の平均値を指す。但し、10個の凸部を選択する際は、欠損や変形した部分(測定用試料を準備する際に変形させてしまった部分等)がある凸部を除く。
複数の凸部の平均アスペクト比は、好ましくは0.13以上、25以下、より好ましくは1.0以上、1.3以下である。複数の凸部の平均アスペクト比が0.13未満である場合、モアレ、虹ムラ等の光学現象の発生を充分に防止することができず、優れた反射防止性が得られないことがある。複数の凸部の平均アスペクト比が25よりも大きい場合、凹凸構造の加工性が低下し、スティッキングが発生したり、凹凸構造を形成する際の転写具合が悪化したりする(後述する金型6が詰まったり、巻き付いてしまう、等)ことがある。複数の凸部の平均アスペクト比は、上述した複数の凸部の平均高さと平均ピッチとの比(高さ/ピッチ)を指す。
凸部は、ランダムに配置されていても、規則的(周期的)に配置されていてもよい。凸部の配置には周期性があってもよいが、その周期性に起因する不要な回折光が発生しない等の利点から、図2に示すように、凸部の配置には周期性がない(ランダムである)ことが好ましい。
重合体層は、光学材料用硬化性組成物の硬化物である。重合体層としては、例えば、活性エネルギー線硬化性の光学材料用硬化性組成物の硬化物、熱硬化性の光学材料用硬化性組成物の硬化物等が挙げられる。ここで、活性エネルギー線は、紫外線、可視光線、赤外線、プラズマ等を指す。重合体層は、活性エネルギー線硬化性の光学材料用硬化性組成物の硬化物であることが好ましく、中でも、紫外線硬化性の光学材料用硬化性組成物の硬化物であることがより好ましい。
本開示における上述した性能を有する重合体層を形成するための樹脂組成物は特に限定されるものではない。すなわち、公知の重合性化合物を使用することによって、上述した重合体層を形成することができる。
このような重合体層を形成することができる樹脂組成物の具体例を以下に詳述するが、本開示の光学材料は、以下の樹脂組成物によって製造された樹脂層を有するものに限定されない。
なお、上述したように、本開示の光学材料の樹脂層は、アミド基を有する。このように重合体層中にアミド基を導入する場合、アミド基を有する成分を原料の少なくとも一部として使用することが好ましい。
本開示の重合体層を形成する際に使用することができる樹脂組成物としてより具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド基を2つ以上有する化合物を含有する光学材料用硬化性組成物を使用することが好ましい。このような化合物を含有する光学材料用硬化性組成物は、上述したヤング率、限界歪みを好適に得ることができることができる点で好ましい。更には、アミド基を有するものであることから、密着性を良好なものとすることができる点でも好ましい。
本開示の光学材料用硬化性組成物は、(メタ)アクリルアミド基を1つ有する化合物は、実質的に使用しないことが好ましい。(メタ)アクリルアミド基を2つ以上有する化合物は、アミド基が基材2との密着性を上げ、かつ2つ以上の重合性基が分子架橋によって樹脂組成物へ強度を付与するという性能を有するものである。これによって、上述した目的を達成する上で好ましいものである。一方、(メタ)アクリルアミド基を1つ有する化合物は、アミド基が基材2との密着性を上げる一方で1つの重合性基であることから分子架橋による強度付与ができないという性質を有するために、上述した性能を有する重合体層を形成する上では実質的に使用しないことが好ましい。
なお、ここで「実質的に含有しない」とは、上述した本開示の効果を妨げるような量では存在しないことを意味している。具体的には、上述した重合体層を形成するための樹脂組成物において、1重量%未満(固形分換算)の配合量であることを意味する。上記配合量は、0.5重量%未満であることが更に好ましく、0.1重量%以下であることが最も好ましい。
上記(メタ)アクリルアミド基を2つ以上有する化合物(以下、これを「化合物(A)」と記すことがある)としては、特開2014-118442号公報に記載の各種多官能(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド基を2つ以上有するシランカップリング剤(後述する化合物(P-2)等)等が挙げられる。化合物(A)としては、親水性、硬化後の架橋密度の点から、化合物(A1)、化合物(A2)および化合物(A3)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 0007284395000001


11は、水素原子またはメチル基である。R11としては、重合反応性が良好である点から、水素原子が好ましい。
12は、単結合または炭素数1~3のアルキレン基である。R12としては、化合物(A1)を入手しやすい点から、メチレン基が好ましい。
rは、1~6の整数である。rとしては、化合物(A1)を入手しやすい点から、1が好ましい。
13は、炭素数1~3のアルキレン基である。R13としては、化合物(A1)を入手しやすい点から、メチレン基が好ましい。
14は、水素原子またはメチル基である。R14としては、重合反応性が良好である点から、水素原子が好ましい。
15は、水素原子またはメチル基である。R15としては、重合反応性が良好である点から、水素原子が好ましい。
16は、単結合または炭素数1~3のアルキレン基である。R16としては、化合物(A2)を入手しやすい点から、プロピレン基が好ましい。
sは、0~6の整数である。sとしては、化合物(A2)を入手しやすい点から、3が好ましい。
17は、炭素数1~3のアルキレン基である。R17としては、化合物(A2)を入手しやすい点から、メチレン基が好ましい。
18は、水素原子またはメチル基である。R18としては、重合反応性が良好である点から、水素原子が好ましい。
19は、水素原子またはメチル基である。R19としては、重合反応性が良好である点から、水素原子が好ましい。
20は、単結合または炭素数1~6のアルキレン基である。R20としては、化合物(A3)を入手しやすい点から、エチレン基が好ましい。
21は、水素原子またはメチル基である。R21としては、重合反応性が良好である点から、水素原子が好ましい。
tは、1~6の整数である。tとしては、化合物(A3)を入手しやすい点から、1または2が好ましい。
22は、水素原子またはメチル基である。R22としては、重合反応性が良好である点から、水素原子が好ましい。
化合物(A1)の具体例としては、化合物(A1-1)、化合物(A1-2)等が挙げられる。
Figure 0007284395000002


化合物(A2)の具体例としては、化合物(A2-1)、化合物(A2-2)、化合物(A2-3)、化合物(A2-4)、化合物(A2-5)、化合物(A2-6)等が挙げられる。
Figure 0007284395000003


化合物(A3)の具体例としては、化合物(A3-1)、化合物(A3-2)等が挙げられる。
Figure 0007284395000004


化合物(A1-1)の市販品としては、富士フィルム社製のFAM-401が挙げられる。
化合物(A2-1)の市販品としては、富士フィルム社製のFAM-201が挙げられる。
化合物(A3-1)の市販品としては、富士フィルム社製のFAM-301が挙げられる。
化合物(A3-2)の市販品としては、富士フィルム社製のFAM-402が挙げられる。
化合物(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述したように、本開示の光学材料用硬化性組成物は、単官能(メタ)アクリルアミド単量体を実質的に含有しないことが好ましい。含有しないことが好ましい単官能(メタ)アクリルアミド単量体としては、例えば、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-アクリロイルモルホリン、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。
光学材料用硬化性組成物中の上記成分Aの含有率は、有効成分換算で1~40重量%であることが好ましい。上記下限は、5重量%であることがより好ましく、10重量%であることが最も好ましい。上記上限は、35重量%であることがより好ましく、30重量%であることが最も好ましい。
光学材料用硬化性組成物は、更に、多官能アクリレート(以下、これを「成分B」と記載することがある)を含有することが好ましい。
成分B(多官能アクリレート)は、アクリロイル基を少なくとも有し、かつ、アクリロイル基とアクリロイル基以外の重合性官能基とを1分子当たり合計で2個以上有するアクリレートを指す。アクリロイル基以外の重合性官能基は、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、及び、アリル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を指す。
光学材料用硬化性組成物中の成分Bの含有率は、有効成分換算で、75~98重量%であり、好ましくは80~97.5重量%、より好ましくは85~95重量%である。光学材料用硬化性組成物中の成分Bの含有率が有効成分換算で75重量%未満である場合、重合体層の硬度が高くなり過ぎてしまうため、耐擦性が低下する。光学材料用硬化性組成物中の成分Bの含有率が有効成分換算で98重量%よりも高い場合、重合体層の架橋密度が低くなり過ぎてしまうため、耐擦性が低下する。光学材料用硬化性組成物が成分Bを複数種類含有する場合、複数の成分Bの含有率の合計が有効成分換算で上記範囲内であればよい。
成分Bの官能基数は、2以上であり、好ましくは4以上、より好ましくは6以上である。成分Bの官能基数が多過ぎると、分子量が多くなるために成分Aとの相溶性が低下し、光学材料用硬化性組成物及び光学材料の透明性が低下することがある。また、光学材料用硬化性組成物の硬化収縮等によって密着性も低下することがある。このような観点から、成分Bの官能基数の好ましい上限値は10である。ここで、成分Bの官能基数は、アクリロイル基とアクリロイル基以外の重合性官能基との1分子当たりの合計数(アクリロイル基は1個以上)を指す。
成分Bとしては、例えば、ウレタンアクリレート、エトキシ化ポリグリセリンポリアクリレート、アルコキシ化ジペンタエリスリトールポリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエチレングリコール(300)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジアクリレート、ポリプロピレングリコール(700)ジアクリレート等が挙げられる。
ウレタンアクリレートの公知例としては、新中村化学工業社製の「U-10HA」(官能基数:10、エチレンオキサイド基の個数:0個(有さない))、日本化薬社製の「KAYARAD(登録商標) UX-5000」(官能基数:6、エチレンオキサイド基の個数:0個(有さない))等が挙げられる。エトキシ化ポリグリセリンポリアクリレートの公知例としては、新中村化学工業社製の「NKエコノマー(登録商標)A-PG5027E」(官能基数:9、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり27個)等が挙げられる。アルコキシ化ジペンタエリスリトールポリアクリレートの公知例としては、日本化薬社製の「KAYARAD DPCA-60」(官能基数:6、エチレンオキサイド基の個数:0個(有さない))、「KAYARAD DPEA-12」(官能基数:6、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり12個)等が挙げられる。エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートの公知例としては、新中村化学工業社製の「NKエステルATM-35E」(官能基数:4、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり35個)等が挙げられる。プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレートの公知例としては、新中村化学工業社製の「NKエステルATM-4PL」(官能基数:4、エチレンオキサイド基の個数:0個(有さない))等が挙げられる。トリメチロールプロパントリアクリレートの公知例としては、アルケマ社製の「SR351NS」(官能基数:3、エチレンオキサイド基の個数:0個(有さない))等が挙げられる。エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレートの公知例としては、アルケマ社製の「SR499NS」(官能基数:3、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり6個)等が挙げられる。エトキシ化グリセリントリアクリレートの公知例としては、新中村化学工業社製の「NKエステルA-GLY-3E」(官能基数:3、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり3個)等が挙げられる。アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルの公知例としては、日本触媒社製の「VEEA」(官能基数:2、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり2個)等が挙げられる。ポリエチレングリコール(300)ジアクリレートの公知例としては、第一工業製薬社製の「ニューフロンティア(登録商標)PE-300」(官能基数:2、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり6個)等が挙げられる。ポリエチレングリコール(400)ジアクリレートの公知例としては、アルケマ社製の「SR344」(官能基数:2、エチレンオキサイド基の個数:1分子当たり9個)等が挙げられる。ポリプロピレングリコール(400)ジアクリレートの公知例としては、新中村化学工業社製の「NKエステルAPG-400」(官能基数:2、エチレンオキサイド基の個数:0個(有さない))等が挙げられる。ポリプロピレングリコール(700)ジアクリレートの公知例としては、新中村化学工業社製の「NKエステルAPG-700」(官能基数:2、エチレンオキサイド基の個数:0個(有さない))等が挙げられる。ここで、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルは、重合性官能基としてビニルエーテル基及びアクリロイル基を有する異種重合性モノマーである(官能基数:2)。
光学材料用硬化性組成物中の上記成分Bの含有率は、有効成分換算で60~99重量%であることが好ましい。上記下限は、70重量%であることがより好ましく、80重量%であることが最も好ましい。上記上限は、95重量%であることがより好ましく、90重量%であることが最も好ましい。
成分Bは、エチレンオキサイド基を1分子当たり2~10個有する2官能アクリレート(以下、単に、2官能アクリレートとも言う。)を含み、光学材料用硬化性組成物は、有効成分換算で、上記2官能アクリレートを30~90重量%含有するものであってもよい。上記2官能アクリレートは、ガラス転移温度が低く、より適度な弾性を重合体層に付与できるため、耐擦性が高まる。また、上記2官能アクリレートは、粘度が低いために成分Aとの相溶性が高く、相溶化剤としても機能できる。更に、上記2官能アクリレートによれば、エチレンオキサイド基の高い極性によって基材2との相互作用が高まり、その結果、密着性が高まる点で好ましい。以上により、光学材料用硬化性組成物中の上記2官能アクリレートの含有率を、有効成分換算で上記範囲内とすることで、耐擦性及び密着性がより高まる。
上記2官能アクリレートにおいて、1分子当たりのエチレンオキサイド基の個数は、好ましくは2~10個、より好ましくは2~9個である。
光学材料用硬化性組成物中の上記2官能アクリレートの含有率は、有効成分換算で、好ましくは30~90重量%、より好ましくは35~85重量%、更に好ましくは39~81重量%である。
更に、本開示の光学材料は、防汚剤を使用したものであってもよい。本明細書では、以下、これを「成分C」と記載することがある。当該防汚剤は、上記重合体層中に含まれるものであってもよいし、重合体層とは別に防汚剤層を形成するものであってもよい。上記重合体層が防汚剤を含有するものとする場合は、重合体層の形成に使用するための光学材料用硬化性組成物として防汚剤を含有するものを使用すればよい。
上記防汚剤としては、フッ素型防汚剤を使用することが好ましい。より好ましくは、パーフルオロポリエーテル基を有するフッ素系防汚剤、及び、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系防汚剤からなる群より選択される少なくとも一の防汚剤を含むことが好ましい。
パーフルオロポリエーテル基を有するフッ素系防汚剤は、フッ素系防汚剤中のフッ素含有モノマーが動きやすく、重合体層の表面(基材層とは反対側の表面)の滑り性が高まりやすいため、耐擦性が高まりやすい。
パーフルオロアルキル基を有するフッ素系防汚剤によれば、分子量が少ないために、重合体層の表面(基材層とは反対側の表面)に配向(移行)しやすく、配合量が少なくても、所望の防汚性及び耐擦性が得られやすい。これらのフッ素系防汚剤を使用すると、フッ素系防汚剤以外の種類の防汚剤(例えば、シリコン系防汚剤、リン酸エステル系防汚剤等)と比較して、防汚性及び耐擦性がより高まる。
防汚剤は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基及び硬化性部位(例えば、アクリレート基)を有する化合物を含むことがより好ましい。具体的には、防汚剤は、成分(C-1)ジイソシアネートの三量体であるポリイソシアネートと成分(C-2)活性水素を有する化合物との反応物である炭素-炭素二重結合含有化合物(パーフルオロポリエーテル系化合物)を含むことが好ましい。
成分(C-1)は、ジイソシアネートを三量体化することにより得ることができるポリイソシアネートである。ジイソシアネートの三量体であるポリイソシアネートは、これらが重合した重合体として存在していてもよい。
成分(C-1)のジイソシアネートの三量体であるポリイソシアネートは、好ましくは、イソシアヌレート型ポリイソシアネートであり得る。イソシアヌレート型ポリイソシアネートは、これらが重合した重合体として存在していてもよい。すなわち、イソシアヌレート型ポリイソシアネートは、イソシアヌレート環を1つのみ有する単環式化合物であってもよく、この単環式化合物が重合して得られる多環式化合物であってもよく、これらの混合物であってもよい。イソシアヌレート型ポリイソシアネートのうち公知のものとしては、例えば、住友バイエルウレタン社製の「スミジュール(登録商標)N3300」が挙げられる。
成分(C-1)ジイソシアネートの三量体であるポリイソシアネートを得るために用いられるジイソシアネートとしては、特に限定されないが、イソシアネート基が脂肪族基に結合したジイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イソシアネート基が芳香族基に結合したジイソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
成分(C-1)ジイソシアネートの三量体であるポリイソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、例えば、下記式(C-1-1)、(C-1-2)、(C-1-3)、又は、(C-1-4)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0007284395000005
上述したように、これらのポリイソシアネートは重合体として存在していてもよく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートである場合、下記式(C-1-5)で表される構造を有する重合体として存在していてもよい。
Figure 0007284395000006
成分(C-2)は、成分(C-2-1)活性水素を有するパーフルオロポリエーテルと、成分(C-2-2)炭素-炭素二重結合を含有する基及び活性水素を有するモノマーとを含むものとすることができる。
成分(C-2-1)は、下記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)のうちの一方で表される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。成分(C-2)によれば、光学材料の防汚性及び耐擦性(滑り性)が高まる。
Rf-PFPE-Z-X (C-2-1i)
X-Z-PFPE-Z-X (C-2-1ii)
上記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)中、Rfは、1つ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16の(例えば、直鎖状又は分枝鎖状の)アルキル基であり、好ましくは、1つ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~3の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基である。Rfは、直鎖状であることが好ましい。また、1つ以上のフッ素原子により置換されていてもよいアルキル基は、好ましくは、末端炭素原子がCFH-であり、かつ、他のすべての炭素原子がフッ素原子により全置換されているフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基であり、より好ましくはパーフルオロアルキル基であり、具体的には、-CF、-CFCF、又は、-CFCFCFである。
上記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)中、PFPEは、下記式(C-2-1a)、(C-2-1b)、又は、(C-2-1c)で表される基である。
-(OCFCFCF- (C-2-1a)
(上記式(C-2-1a)中、bは、1~200の整数であり、好ましくは5~200の整数であり、より好ましくは10~200の整数である。)
-(OCFCFCFCF-(OCFCFCF-(OCFCF-(OCF- (C-2-1b)
(上記式(C-2-1b)中、a及びbは、各々独立して、0~30の整数である。c及びdは、各々独立して、1~200の整数であり、好ましくは5~200の整数、より好ましくは10~200の整数である。a、b、c、又は、dを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、上記式(C-2-1b)中において任意である。)
-(OC-R- (C-2-1c)
(上記式(C-2-1c)中、Rは、OC、OC、又は、OCである。iは、2~100の整数であり、好ましくは2~50の整数である。)
一態様において、上記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)中、PFPEは、上記式(C-2-1a)又は(C-2-1c)で表される基であってもよく、好ましくは、上記式(C-2-1a)で表される基である。このようなPFPEを含有することにより、光学材料の防汚性がより高まる。
上記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)中、PFPEは、下記式(C-2-1d)又は(C-2-1e)で表される基であり、好ましくは、下記式(C-2-1d)で表される基である。
-(OCFCFCF- (C-2-1d)
(上記式(C-2-1d)中、bは、1~200の整数であり、好ましくは5~200の整数であり、より好ましくは10~200の整数である。)
-(OC-R- (C-2-1e)
(上記式(C-2-1e)中、Rは、OC、OC、又は、OCである。iは、2~100の整数であり、好ましくは2~50の整数である。)
上記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)中、Zは、各々独立して、二価の有機基である。Zは、好ましくはRである。Rは、各々独立して、下記式(D11)で表される基である。
-(Y)-(CR - (D11)
上記式(D11)中、Yは、二価の極性基である。二価の極性基としては、特に限定されないが、例えば、-COO-、-OCO-、-CONH-、-OCHCH(OH)CH-、-CHCH(OH)CHO-、-COS-、-SCO-、-O-等が挙げられ、好ましくは、-COO-、-CONH-、-CHCH(OH)CHO-、又は、-O-である。
上記式(D11)中、Rは、各出現において、各々独立して、水素原子又はフッ素原子である。
上記式(D11)中、fは、0~50の整数であり、好ましくは0~20の整数(例えば、1~20の整数)である。jは、0~100の整数であり、好ましくは0~40の整数(例えば、1~40の整数)である。f及びjの和は、1以上である。f及びjを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、上記式(D11)中において任意である。
上記式(D11)で表されるRは、好ましくは、各々独立して、下記式(D12)で表される基である。
-(Y)-(CF-(CH- (D12)
上記式(D12)中、Y及びfは、上記式(D11)中のY及びfと互いに同意義である。g及びhは、各々独立して、0~50の整数であり、好ましくは0~20の整数(例えば、1~20の整数)である。f、g、及び、hの和は、1以上であり、好ましくは1~10である。f、g、及び、hは、0~2の整数であることがより好ましく、f=0又は1、g=2、h=0又は1であることが更に好ましい。また、f、g、及び、hを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、上記式(D12)中において任意である。
上記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)中、Xは、活性水素含有基である。Xは、好ましくは、各々独立して、-OH基、-C(=O)H基、-SH基、-SOH基、-SOH基、-SOH基、-NH基、-NH-基、又は、-SiH基であり、より好ましくは、-OH基、又は、-NH基であり、更に好ましくは、-OH基である。
成分(C-2)は、好ましくは、下記式(C-2-1i’)及び(C-2-1ii’)のうちの一方で表される少なくとも1種の化合物であり、より好ましくは、下記式(C-2-1i’)で表される少なくとも1種の化合物である。成分(C-2)が下記式(C-2-1i’)で表される少なくとも1種の化合物である場合、PFPEは、好ましくは、上記式(C-2-1a)で表される基である。下記式(C-2-1i’)で表される化合物によれば、光学材料の耐擦性がより高まる。
Rf-PFPE-R-CHOH (C-2-1i’)
HOCH-R-PFPE-R-CHOH (C-2-1ii’)
上記式(C-2-1i’)及び(C-2-1ii’)中、Rf、PFPE、及び、PFPEは、上記式(C-2-1i)及び(C-2-1ii)中のRf、PFPE、及び、PFPEと互いに同意義である。上記式式(C-2-1i’)及び(C-2-1ii’)中、Rは、上記式(D11)で表されるRと同意義である。
成分(C-2-1)活性水素を有するパーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリエーテル基に加えて、1つの分子末端に1つの活性水素含有基(例えば、水酸基)を有する、又は、2つの分子末端の各々に1つの活性水素含有基水酸基を有する化合物である。パーフルオロポリエーテル基を有する化合物によれば、光学材料の防汚性(例えば、撥水性、撥油性、指紋拭き取り性等)が高まる。
成分(C-2-1)活性水素を有するパーフルオロポリエーテルの数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは500~12000であり、より好ましくは1000~10000であり、更に好ましくは1500~8000である。
成分(C-2-2)炭素-炭素二重結合を含有する基及び活性水素を有するモノマーは、その分子末端に少なくとも1つ(好ましくは1つ)の活性水素含有基(好ましくは水酸基)を有する。
成分(C-2-2)炭素-炭素二重結合を含有する基及び活性水素を有するモノマーは、好ましくは、炭素-炭素二重結合を含有する基として、下記式(D13)で表される基を有する。
-OC(O)-CR=CH (D13)
上記式(D13)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基であり、好ましくは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基である。ここで、Rが水素原子又はメチル基である基、すなわち、-OC(O)-CH=CH、又は、-OC(O)-CCH=CHは、総称して「(メタ)アクリレート基」とも称される。
成分(C-2-2)としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記の化合物:
HO(CHCHOCO(R)C=CH (D14)
(上記式(D14)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。iは、2~10の整数である。)、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;
CHCH(OH)CHOCO(R)C=CH (D15)
(上記式(D15)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。)、例えば、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;
CHCHCH(OH)CHOCO(R)C=CH (D16)
(上記式(D16)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。)、例えば、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;
OCHCH(OH)CHOCO(R)C=CH (D17)
(上記式(D17)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。)、例えば、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート;
HOCHC(CHOCO(R)C=CH (D18)
(上記式(D18)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。)、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート;
C(CHOCO(R)C=CHCHOCHC(CHOCO(R)C=CHCHOH (D19)
(上記式(D19)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。)、例えば、ジペンタエリスリトールポリアクリレート;
HOCHCHOCOCOCOCHCHOCO(R)C=CH (D20)
(上記式(D20)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。)、例えば、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸;
H(OCHCHOCO(R)C=CH (D21)
(上記式(D21)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。nは、1~30の整数である。)、例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート;
H(OCH(CH)CHOCO(R)C=CH (D22)
(上記式(D22)中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、又は、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基である。nは、1~30の整数である。)、例えば、ポリ(プロピレングリコール)アクリレート;
アリルアルコール;
HO(CHCH=CH (D23)
(上記式(D23)中、kは2~20の整数である。);
(CHSiCH(OH)CH=CH;及び、
スチリルフェノール
が挙げられる。
一態様において、成分(C-2)は、成分(C-2-1)及び成分(C-2-2)からなっていてもよい。
防汚剤に含まれる炭素-炭素二重結合含有化合物は、一分子のトリイソシアネートに、異なる種類の成分(C-2-1)由来の基を有していてもよい。また、一分子のトリイソシアネートに、異なる種類の(例えば、異なる数の炭素-炭素二重結合を有する)成分(C-2-2)由来の基を有していてもよい。
防汚剤は、1種以上の炭素-炭素二重結合含有化合物を含んでいてもよい。例えば、防汚剤は、成分(C-1)と、成分(C-2-1)としての化合物C-2-1及び成分(C-2-2)としての化合物C-2-2とを反応させた化合物、並びに、成分(C-1)と、成分(C-2-1)としての化合物(C-2-1i’)及び成分(C-2-2)としての化合物(C-2-1ii’)とを反応させた化合物の混合物であってもよい。これらの化合物は同時に合成されてもよく、別個に合成され、その後混合してもよい。
防汚剤のうち公知のものとしては、例えば、ダイキン工業社製の「オプツール(登録商標)DAC」及び「オプツールDAC-HP」、信越化学工業社製の「KY-1203」及び「KNS5300」、DIC社製の「メガファック(登録商標)RS-75」、「メガファックRS-72-K」、「メガファックRS-76-E」、「メガファックRS-76-NS」、「メガファックRS-90」、「ディフェンサ(登録商標)TF3028」、「ディフェンサTF3001」、及び、「ディフェンサTF3000」、新中村化学工業社製の「SUA1900L10」及び「SUA1900L6」、ソルベイ社製の「フルオロリンク(登録商標)P56」、「フルオロリンクP54」、「フルオロリンクF10」、「フルオロリンクA10P」、「フルオロリンクAD1700」、「フルオロリンクMD700」、及び、「フルオロリンクE10H」等が挙げられる。
上記光学材料用硬化性組成物中の防汚剤の有効成分の含有率は、好ましくは0.1~10重量%であり、より好ましくは0.5~5重量%である。上記光学材料用硬化性組成物中の防汚剤の有効成分の含有率が0.1重量%未満である場合、重合体層の表面(基材2とは反対側の表面)における防汚剤の有効成分の量が少なくなり過ぎてしまい、防汚性が不充分となり、更に、耐擦性が低下する懸念がある。樹脂中の防汚剤の有効成分の含有率が10重量%よりも高い場合、重合体層の表面(基材2とは反対側の表面)における防汚剤の有効成分の量が多くなり過ぎてしまうため、重合体層(凸部)の弾性が不足し、重合体層の表面(基材2とは反対側の表面)を擦ると、倒れた凸部が起き上がりにくくなる(復元しにくくなる)。その結果、耐擦性が低下する懸念がある。
上記光学材料用硬化性組成物は、更に、上述した防汚剤と相溶する相溶化剤を含んでいてもよい。相溶化剤によれば、上記光学材料用硬化性組成物中において、防汚剤が多量に含有される場合であっても、白濁の発生を防止することができる。
相溶化剤としては、例えば、N-アクリロイルモルホリン(例えば、KJケミカルズ社製の「ACMO(登録商標)」)、N,N-ジエチルアクリルアミド(例えば、KJケミカルズ社製の「DEAA(登録商標)」)、N,N-ジメチルアクリルアミド(例えば、KJケミカルズ社製の「DMAA(登録商標)」)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業社製の「ビスコート#150」)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(例えば、大阪有機化学工業社製の「ビスコート#200」)、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(例えば、日本化成社製の「4HBA」)、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタアエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリシジルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N-ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチル(メタ)クリレートシリコン系のアクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、3-メチルブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチル-n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)(メタ)アクリルレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。相溶化剤としては、アミド基、エーテル基、水酸基等の極性基を有する単官能モノマーが好ましい。樹脂3において、相溶化剤は、防汚剤に含まれていてもよく、防汚剤以外の成分に含まれていてもよく、両者に含まれていてもよい。
上記光学材料用硬化性組成物中の相溶化剤の含有率は、好ましくは10~40重量%であり、より好ましくは20~30重量%である。樹脂3中の相溶化剤の含有率が10重量%未満である場合、防汚剤の相溶化剤への溶解性が低下する懸念がある。樹脂3中の相溶化剤の含有率が40重量%よりも高い場合、重合体層6が軟らかく、弾性が低くなる懸念がある。その結果、光学材料の耐擦性が低下する懸念がある。
光学材料用硬化性組成物は、更に、重合開始剤を含有していてもよい。これにより、光学材料用硬化性組成物の硬化性が高まる。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤等が挙げられ、中でも、光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は、活性エネルギー線に対して活性であり、モノマーを重合する重合反応を開始させるために添加されるものである。
光重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等が挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4,4’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン等のケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等のアルキルフェノン類、等が挙げられる。
2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドの公知例としては、IGM Resins社製の「LUCIRIN(登録商標) TPO」、「IRGACURE(登録商標) TPO」等が挙げられる。ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドの公知例としては、IGM Resins社製の「IRGACURE 819」等が挙げられる。1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンの公知例としては、IGM Resins社製の「IRGACURE 184」等が挙げられる。
光学材料用硬化性組成物は、更に、溶剤(有効成分以外の成分)を含有していてもよい。
溶剤としては、例えば、アルコール(炭素数1~10:例えば、メタノール、エタノール、n-又はi-プロパノール、n-、sec-、又は、t-ブタノール、ベンジルアルコール、オクタノール等)、ケトン(炭素数3~8:例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル又はエーテルエステル(炭素数4~10:例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、γ-ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、エーテル(炭素数4~10:例えば、EGモノメチルエーテル(メチルセロソロブ)、EGモノエチルエーテル(エチルセロソロブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソロブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、芳香族炭化水素(炭素数6~10:例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アミド(炭素数3~10:例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、ハロゲン化炭化水素(炭素数1~2:例えば、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等)、石油系溶剤(例えば、石油エーテル、石油ナフサ等)等が挙げられる。
基材層の材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボナート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂が挙げられる。基材層は、上記材料に加えて、可塑剤等の添加剤を適宜含んでいてもよい。基材層の表面(重合体層側の表面)には易接着処理(例えば、プライマー処理)が施されていてもよく、例えば、易接着処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムを用いることができる。また、基材層の表面(重合体層側の表面)にはケン化処理が施されていてもよく、例えば、ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムを用いることができる。光学材料が液晶表示装置等の偏光板を備える表示装置に取り付けられるものである場合、基材層は、偏光板の一部を構成するものであってもよい。
基材層の厚みは、透明性及び加工性を確保する観点から、好ましくは50~100μmであることが好ましい。
本開示の光学材料は、例えば、以下の製造方法によって製造される。図2は、実施形態の光学材料の製造方法例を説明するための断面模式図である。
(工程1)
図2(a)に示すように、光学材料用硬化性組成物5を基材層の表面上に塗布する。
光学材料用硬化性組成物5の塗布方法としては、例えば、スプレー方式、グラビア方式、スロットダイ方式、バーコート方式等で塗布する方法が挙げられる。光学材料用硬化性組成物5の塗布方法としては、膜厚を均一にし、生産性を向上する観点から、グラビア方式又はスロットダイ方式で塗布する方法が好ましい。
光学材料用硬化性組成物5は、上述した各成分を含有するものである。ここで、光学材料用硬化性組成物5が溶剤(有効成分以外の成分)を更に含有する場合、光学材料用硬化性組成物5の塗布後に、溶剤を除去する加熱処理(乾燥処理)を行ってもよい。加熱処理は、溶剤の沸点以上の温度で行われることが好ましい。
(工程2)
図2(b)に示すように、光学材料用硬化性組成物5を間に挟んだ状態で、基材層を金型6に押し当てる。その結果、凹凸構造が光学材料用硬化性組成物5の表面(基材層とは反対側の表面)に形成される。
(工程3)
凹凸構造を表面に有する光学材料用硬化性組成物5を硬化させる。その結果、図2(c)に示すように、重合体層が形成される。
光学材料用硬化性組成物5の硬化方法としては、例えば、活性エネルギー線の照射、加熱等による方法が挙げられる。光学材料用硬化性組成物5の硬化は、活性エネルギー線の照射によって行われることが好ましく、中でも、紫外線の照射によって行われることがより好ましい。活性エネルギー線の照射は、光学材料用硬化性組成物5の基材層側から行ってもよく、光学材料用硬化性組成物5の金型6側から行ってもよい。また、光学材料用硬化性組成物5に対する活性エネルギー線の照射回数は、1回のみであってもよいし、複数回であってもよい。光学材料用硬化性組成物5の硬化(上記工程3)は、光学材料用硬化性組成物5への凹凸構造の形成(上記工程2)と同じタイミングで行ってもよい。
(工程4)
図2(d)に示すように、金型6を重合体層から剥離する。その結果、光学材料が完成する。
図2に示した製造方法例において、例えば、基材層をロール状にすれば、上記工程1~4を連続的かつ効率的に行うことができる。
上記工程1、2について、本製造方法例では、光学材料用硬化性組成物5を基材層の表面上に塗布した後、光学材料用硬化性組成物5を間に挟んだ状態で、基材層を金型6に押し当てる工程を示したが、光学材料用硬化性組成物5を金型6の表面上に塗布した後、光学材料用硬化性組成物5を間に挟んだ状態で、基材層を金型6に押し当てる工程であってもよい。また、上記工程1~4のような一連の工程を、「金型の転写」とも呼ぶ。
また、防汚剤層を重合体層とは別に設ける場合は、上記工程1を行った後で、防汚剤を含有する組成物を塗布・乾燥する工程を設けてもよい。
金型6としては、例えば、下記の方法で作製されるものを用いることができる。まず、金型6の材料となるアルミニウムを、支持基材の表面上にスパッタリング法によって成膜する。次に、成膜されたアルミニウムの層に対して、陽極酸化及びエッチングを交互に繰り返すことによって、モスアイ構造の雌型(金型6)を作製することができる。この際、陽極酸化を行う時間、及び、エッチングを行う時間を調整することによって、金型6の凹凸構造を変化させることができる。
支持基材の材料としては、例えば、ガラス;ステンレス、ニッケル等の金属;ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的には、ノルボルネン系樹脂等である、日本ゼオン社製の「ゼオノア(登録商標)」、JSR社製の「アートン(登録商標)」)等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等の樹脂、等が挙げられる。また、支持基材の表面上にアルミニウムを成膜したものの代わりに、アルミニウム製の基材を用いてもよい。
金型6の形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられる。
金型6の表面は、離型処理が施されていることが好ましい。これにより、金型6を重合体層から容易に剥離することができる。また、金型6の表面自由エネルギーが低くなるため、上記工程2において、基材層を金型6に押し当てる際に、成分B中の有効成分を光学材料用硬化性組成物5の表面(基材層とは反対側の表面)に均一に配向させることができる。
金型6の離型処理に用いられる材料(離型処理剤)としては、例えば、フッ素系材料、シリコン系材料、リン酸エステル系材料等が挙げられる。フッ素系材料の公知例としては、ダイキン工業社製の「オプツールDSX」、「オプツールAES4」等が挙げられる。
上記光学材料の製造方法においても、上述した光学材料と同様の、厚み、凸部のピッチ、凸部の高さ、凸部のアスペクト比を有するものとすることが好ましい。
以下、本開示を実施例に基づいて具体的に説明するが、本開示はこれらの例によって限定されるものではない。以下の実施例においては特に言及しない場合は、「部」「%」はそれぞれ「重量部」「重量%」を表す。
<限界歪みとヤング率>
限界歪みの評価は、次のようにして行った。硬化樹脂を、ダンベル状7号形(JIS K6251-5)の試験片として、JIS K7161法にしたがい25℃で引張速度60mm/分で引張試験した際に、硬化樹脂の割れが生じる硬化樹脂破断点伸びを測定した。限界歪みは、(硬化樹脂の割れが生じたときの硬化樹脂の長さ-硬化樹脂の元の長さ)/硬化樹脂の元の長さ×100から算出した。
硬化樹脂をダンベル状7号形(JIS K6215-5)の試験片とし、オートグラフ(島津製作所社製、AGS-100NX)を用いて、JIS K7161法にしたがい25℃で試験片を60mm/分の引張速度で引張り試験を行い、1N-5N荷重中のヤング率を測定した。
<密着性>
密着性は、下記の方法によって評価された。まず、各例のフィルムの表面(基材側の重合体層の表面とは反対側の表面)に対して、カッターナイフで、碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて、100個の正方形状の升目(1mm角)を刻んだ。そして、日東電工社製のポリエステル粘着テープ「No.31B」を升目部分に圧着した後、粘着テープを升目部分の表面に対して90°の方向に、100mm/sの速度で剥がした。その後、基材上の重合体層の剥離状態を目視観察し、全ての升目で基材上の重合体層が剥がれずに残った場合を「○」とし、一つの升目でも剥がれた場合を「×」とした。
<耐擦性>
耐擦性は、下記の方法によって評価された。試験機として株式会社トリニティーラボ製「トライボマスターTL201Ts」を用い、ステージ上にフィルムを水平状態で固定した。日本スチールウール社製のスチールウール(製品名:#0000)を摩擦子として用い、荷重を200g/cm2、ストローク幅を60mm、速度を60mm/s、擦る回数を10往復として、フィルムの表面を擦過した。その後、フィルム表面の擦過状態を目視観察した。
○:擦過前と比べて全く変化が無かった。
△:わずかに白化して見えた。
×:明らかに白化して見えた。
ここで、評価結果が○又は△である場合を、許容可能なレベル(耐擦性が優れている)と判断した。
<凹凸残存率>
凹凸の残存率は、同一試料中の擦過面および非擦過面の走査型電子顕微鏡画像の比較により算出した。擦過面とは擦過した領域の内、擦過始点を0%、擦過終点を100%とした場合に30~70%の領域から任意に選択した箇所とし、非擦過面とは同一試料中で擦過していない領域から任意に選択した箇所とした。具体的には、60°傾斜台を用いて50,000倍率で走査型電子顕微鏡観察した傾斜画像に対して、一辺が2.0μm、もう一辺が1.5μmの長方形となる枠線をその重心が傾斜画像の重心と重なるよう画像上に描き、描いた枠線内に存在する凸部の数を数えた。この際に、画像に見る先端断面の直径が50nm以上である凸部、例えば円錐台状である凸部は、擦過によって破損した凸部として、数える凸部の対象から除いた。また、描いた枠線に重なる凸部は、画像に見る凸部の50%以上の面積が枠線内に存在するものを数える凸部の対象とした。同一試料中で任意の擦過面および任意の非擦過面からそれぞれ3箇所の走査型電子顕微鏡画像について、凸部の数を数え、擦過面の凸部数の平均値を非擦過面の凸部数の平均値で割り、その百分率を凹凸の残存率とした。凹凸の残存率は80%以上であることが好ましい。
光学フィルムを製造するために用いた材料は以下の通りである。
(基材2)
富士フイルム社製の「フジタック(登録商標)TD-60」を用いた。その厚みは60μmであった。
(硬化性組成物5)
表1~3に示す硬化性組成物を用いた。表1~3には、硬化性組成物の配合比率を示した。
硬化性組成物の内、防汚剤Aは、下記の方法で作製されたものであり、パーフルオロポリエーテル系化合物を含むものであった。
まず、反応器において、住友バイエルウレタン社製の「スミジュールN3300」(ヘキサメチレンジイソシアナートの環状三量体、NCO基の含有率:21.9%)57gを、日本ゼオン社製の「ゼオローラ(登録商標)H」1000gに溶解させ、和光純薬工業社製のジブチルスズジラウレート(一級試薬)0.1gを添加した。その後、室温で撹拌しながら、「CFCFO-(CFCFCFO)11-CFCFCHOH」244gを日本ゼオン社製の「ゼオローラH」300gに溶解させた溶液を滴下し、室温で終夜撹拌し続けた。その後、加温し、ヒドロキシエチルアクリレート24.4gを滴下して撹拌した。反応の終点は、IRによってNCOの吸収が完全に消失した時点とした。その結果、防汚剤Aが得られた。防汚剤A中の有効成分の含有率は、20重量%であった。
なお、表1~3中のFAM-201、FAM-301、FAM-401、FAM-402は、すべて富士フイルム社の商品名であり、それぞれ、上述したようなものである。
ウレタンオリゴマーU-10HA及びウレタンオリゴマーUA-122Pは、新中村化学社の商品名である。
(金型6)
下記の方法で作製したものを用いた。まず、金型6の材料となるアルミニウムを、10cm角のガラス基板上にスパッタリング法によって成膜した。成膜されたアルミニウムの層の厚みは、1.0μmであった。次に、成膜されたアルミニウムの層に対して、陽極酸化及びエッチング(陽極酸化の直後)を交互に繰り返すことによって、多数の微小な穴(隣り合う穴(凹部)の底点間の距離が可視光の波長以下)が設けられた陽極酸化層を形成した。具体的には、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、及び、陽極酸化を順に行う(陽極酸化:5回、エッチング:4回)ことによって、凹凸構造を有する金型6を作製した。このように陽極酸化及びエッチングを交互に繰り返すことによれば、形成される微小な穴(凹部)は、金型の内部に向かって細くなる形状(テーパー形状)となる。陽極酸化は、シュウ酸(濃度:0.6重量%)を用いて、液温5°C、印加電圧80Vの条件下で行った。1回の陽極酸化を行う時間は、20秒とした。エッチングは、リン酸(濃度:1mol/l)を用いて、液温30℃の条件下で行った。1回のエッチングを行う時間は、25分とした。金型4を走査型電子顕微鏡で観察したところ、隣接する凹部間のピッチ(底点間の距離)は約180nm、凹部の深さは約180nmであった。なお、各凹部の形状は、円錐型であった。 金型6の表面には、離形剤加工を施した。離型剤はダイキン工業社製の「オプツールDSX」 を使用した。
(実施例1)
実施例1の光学フィルムを、以下の製造方法によって作製した。
(a)硬化性組成物5の塗布、および金型の離形剤加工(プロセス(1))
硬化性組成物5を基材2の表面上に、バーコーターで塗布した。硬化性組成物5は、表1に示した。硬化性組成物5の厚みは7μmであった。
一方、金型6を準備した。金型6の表面には、離型剤加工が施されていた。具体的には、まず、離型剤をフロロテクノロジー社製の「S-135」で希釈した希釈液を作製した。希釈液中の離型剤の濃度は0.1%であった。次に、金型6の表面に対して、O2アッシングを200Wで20分間行った。そして、離型剤の希釈液を3分間浸漬させることによって、金型6の表面に塗布した。その後、離型剤が表面に塗布された金型6に対して、100°Cで1時間アニールを行い、その後、フロロテクノロジー社製の「S-135」で3分間リンスした。
(b)凹凸構造の形成(プロセス(2))
硬化性組成物5を間に挟んだ状態で基材2を金型6に押し当てた。その結果、金型6の凹凸構造に硬化性組成物5が充填された。
(c)硬化性組成物5の硬化(プロセス(3))
金型6の凹凸構造に充填された部分を含む硬化性組成物5に、HERAEUS社製のUVランプ「LIGHT HANMAR6J6P3」を用いて、基材2側から紫外線(照射量:1,200mJ/cm2)を照射して硬化させ、重合体層3を形成した。重合体層3の厚みは、7μmであった。
(d)金型の剥離
金型6を重合体層3から剥離した。その結果、実施例1の光学フィルムが完成した。このフィルムの表面仕様は、下記の通りであった。表面仕様の評価は、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「S-4700」を用いて行われた。なお、評価時には、メイワフォーシス社製のオスミウムコーター「Neoc-ST」を用いて、重合体層3の基材2とは反対側の表面上に和光純薬工業社製の酸化オスミウムVIII(厚み:5nm)が塗布されていた。
凸部の形状:釣鐘状
隣接する凸部間のピッチ:約180nm
凸部の高さ:約180nm
凸部のアスペクト比:1.0
得られた光学フィルムの限界歪み、ヤング率、密着性、耐擦傷性、凹凸残存率を測定した。結果を表1に示す。なお、実施例1のフィルムは、IR測定によって1680-1515cm-1付近にアミド基に由来する吸収が存在することが確認できた。
(実施例2~8、及び、比較例1~5)
表1に示すような組成に変更したこと以外、実施例1と同様にして、各例の光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムの限界歪み、ヤング率、密着性、耐擦傷性、凹凸残存率、を測定した。結果を表1に示す。
なお、実施例2~4比較例1~4のフィルムは、IR測定によって1680-1515cm-1付近にアミド基に由来する吸収が存在することが確認できた。
比較例5のフィルムは、IR測定によって1680-1515cm-1付近のアミド基に由来する吸収は存在せず、アミド基を有さないことが確認できた。
Figure 0007284395000007


Figure 0007284395000008



Figure 0007284395000009



上記実施例によって得られた各光学フィルムの限界歪み、ヤング率、密着性、耐擦傷性、凹凸残存率を、横軸に限界歪み、縦軸にヤング率を示した図3中に示した。この図中で実線で示した範囲が本開示の範囲を示す範囲である。実施例の光学フィルムはいずれもこの範囲中にプロットが存在しており、比較例の光学フィルムはいずれもこの範囲外にプロットが存在している。なお、比較例5は、上記範囲内に包含されているが、アミド基を有さないものである。
また、強度に加えて密着性においても優れた性能を有することが確認できた。なお、比較例5によって得られた光学用フィルムは、物理的性能は優れるものであるものの、密着性が劣るものとなった。これは、重合体層がアミド基を有さないためであると推測される。
本開示の光学材料は、光学素子、光学フィルム(反射防止部材、指紋付着抑止部材、等)、
等において好適に使用することができ、それらはテレビ、車載ディスプレイ、デジタルサイネージ、掲示板、ショールーム、スタジアム、レストラン、ショーケース、ショーウインドウ、美術館、インテリア加飾、エクステリア加飾等に用いることができる。

Claims (12)

  1. 表面に微細な凹凸を有する重合体層を形成するために使用される光学材料用硬化性組成物であって、
    微細な凹凸は、前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチが20nm以上、400nm以下であり、
    2以上のアクリルアミド基を有する化合物を含有し、1のアクリルアミド基を有する化合物を実質的に含有しないことを特徴とする光学材料用硬化性組成物。
  2. 下記条件で硬化させた硬化物が、
    ヤング率: 160~432N/mm
    限界歪み: 10%以上
    を満たすものである請求項記載の光学材料用硬化性組成物。
    (硬化条件)
    JIS K 6215-5の7号形ダンベルを作製する金型に硬化性組成物を充填し、高圧水銀ランプを用いて、365nmの波長を含む紫外線(照射量:1,200mJ/cm)を照射して硬化。
  3. 請求項又は記載の光学材料用硬化性組成物を、基材層の表面上に塗布する工程(1)、
    基材層を金型に押しあてて、光学材料用硬化性組成物の表面に凹凸構造を形成する工程(2)、
    凹凸構造を表面に有する光学材料用硬化性組成物を硬化させる工程(3)及び
    金型を重合体層から剥離する工程(4)
    を有することを特徴とする光学材料の製造方法。
  4. 前記重合体層の厚みは、1μm以上、20μm以下であることを特徴とする請求項記載の光学材料の製造方法。
  5. 前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチは、20nm以上、400nm以下である請求項又はに記載の光学材料の製造方法。
  6. 前記重合体層の表面に存在する複数の凸部の高さは、各々、50nm以上、500nm以下である請求項のいずれかに記載の光学材料の製造方法。
  7. 前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のアスペクト比は、各々、0.13以上、25以下である請求項のいずれかに記載の光学材料の製造方法。
  8. 基材層及び重合体層を有する光学材料であって、
    重合体層は、表面に微細な凹凸を有し、アミド基を有し、表面に微細な凹凸を有し、請求項1又は2に記載された光学材料用硬化性組成物を使用して形成されたものであり、
    微細な凹凸は、前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチが20nm以上、400nm以下であり、
    以下の性質を満たす樹脂層であることを特徴とする光学材料。
    ヤング率: 160~432N/mm
    限界歪み: 10%以上
  9. 基材層及び重合体層を有する光学材料であって、重合体層は、表面に微細な凹凸を有し、微細な凹凸を有する表面を下記条件下でスチールウールを擦過した後の凹凸の残存率が80%以上であり、
    請求項1又は2に記載された光学材料用硬化性組成物を使用して形成されたものであり、
    微細な凹凸は、前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のピッチが20nm以上、400nm以下であることを特徴とする光学材料。
    (擦過条件)
    試験機として株式会社トリニティーラボ製「トライボマスターTL201Ts」を用い、ステージ上にフィルムを水平状態で固定した。日本スチールウール社製のスチールウール(製品名:#0000)を摩擦子として用い、荷重を200g/cm、ストローク幅を60mm、速度を60mm/s、擦る回数を10往復として、フィルムの表面を擦過した。
  10. 前記重合体層の厚みは、1μm以上、20μm以下である請求項8又は9記載の光学材料。
  11. 前記重合体層の表面に存在する複数の凸部の高さは、各々、50nm以上、500nm以下である請求項8~10のいずれかに記載の光学材料。
  12. 前記重合体層の表面に存在する複数の凸部のアスペクト比は、各々、0.13以上、25以下である請求項8~11のいずれかに記載の光学材料。
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