以下に、本発明に係る管理システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、監視領域の火災を検出する複数の火災検出装置と、複数の火災検出装置の各々と通信可能に接続された制御装置と、を備えた管理システムに関するものである。
ここで、「火災検出装置」は、実施の形態では、監視領域の火災を光学的に検出して報知する装置であり、例えば、光学的な火災感知器や火災警報器等を含む概念である。また、「監視領域」とは、監視の対象となる領域であって、例えば、構造物の内部の領域、構造物の外部の領域等を含む概念である。また、「構造物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、集合住宅(一例として、マンション等)、オフィスビル、公共施設、及び商業施設などの建築構造物や、トンネルなどの土木構造物等を含む概念である。また、「報知する」とは、例えば、所定情報を制御装置等に向けて出力すること、所定情報を出力手段(表示手段又は音声出力手段)を介して表示又は音声出力すること等を含む概念である。また、「制御装置」は、複数の火災検出装置に関する制御を行うための装置であり、例えば、複数の火災検出装置からの出力に基づいて防災処理を行う防災受信機や、複数の火災検出装置から各種情報を収集する管理サーバ等を含む概念である。以下、実施の形態では、「火災検出装置」が「光学的な火災感知器」であり、「監視領域」が「トンネルの内部の領域」であり、「制御装置」が「防災受信機」である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
まず、実施の形態に係る管理システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る管理システムを概念的に示す図である。以下の説明では、図1のX方向を管理システムの左右方向(+X方向を管理システムの左方向、-X方向を管理システムの右方向)、図1のY方向を管理システムの上下方向(+Y方向を管理システムの上方向、-Y方向を管理システムの下方向)、X方向及びY方向に直交する方向を管理システムの前後方向と称する。
管理システム1は、火災検出装置10の管理を行うためのシステムであり、図1に示すように、複数の火災検出装置10及び制御装置50を備えている。
ここで、管理システム1の構成要素の設置位置については任意であるが、実施の形態では、複数の火災検出装置10は、構造物2(トンネル)の内部に設置されており、例えば、構造物2にいる人が触れにくい位置に設置されている。また、制御装置50は、構造物2の外部(又は内部)に設置されており、例えば、構造物2の管理者(ユーザ)が操作可能な位置に設置されている。また、各装置の接続形態については任意であるが、実施の形態では、図1に示すように、制御装置50は、複数の火災検出装置10の各々と配線3を介して電気的に接続されている。これにより、制御装置50と、複数の火災検出装置10の各々との相互間で通信を行うことができると共に、制御装置50から複数の火災検出装置10の各々に向けて電力を供給することができる。
(構成-火災検出装置)
次に、複数の火災検出装置10の構成について説明する。図2は、火災検出装置10の電気的構成を示したブロック図である。複数の火災検出装置10は、監視領域の火災を検出する装置である。これら複数の火災検出装置10は、構造物2の内部において、構造物2の壁部の上部(又は図示しない天井部)の位置に設けられており、具体的には、相互に間隔を隔てて構造物2の進行方向に沿って並設されている。また、複数の火災検出装置10の各々は、図2に示すように、筐体(図示省略)、発光部20、受光部30、及び制御ユニット40を備えている。
(構成-火災検出装置-筐体)
筐体は、火災検出装置10の基本構造体であり、受光部30及び制御ユニット40を外部から保護する保護手段である。この筐体は、例えば遮光性を有する樹脂材料にて形成された中空状体であり、受光部30及び制御ユニット40を収容可能な大きさにて形成されており、構造物2の壁部に対して固定具等によって固定されている。
また、この筐体には、受光窓11が設けられている。受光窓11は、火災検出装置10(具体的には、筐体)の外部からの光(後述の模擬光、後述の検出対象光等)を受光部30に向けて入射させるための窓であり、透光性材料(例えばガラス材料等)にて形成されており、筐体の部分のうち受光部30と対応する部分に形成されている。
(構成-火災検出装置-発光部)
発光部20は、模擬光を受光窓11を介して受光部30へ照射する発光手段である。ここで、「模擬光」とは、火災検出装置10(具体的には、受光窓11)の汚損度を検出するために用いられる光であって、火災を模擬した光を意味する。この発光部20は、例えば公知の発光素子(一例として赤外LED等)を用いて構成され、筐体の外部において、発光部20からの模擬光が受光窓11を介して受光部30に対して入射可能な位置に設けられており、筐体に対して固定具等によって固定されている。
(構成-火災検出装置-受光部)
受光部30は、火災検出装置10の外部から模擬光又は検出対象光を受光する受光手段である。ここで、「検出対象光」とは、監視領域で発生した火災を検出するために、検出の対象となる光を意味し、例えば、赤外線光等を含む概念である。この受光部30は、例えば公知の受光素子(一例として、赤外線受光素子等)を用いて構成されており、筐体の内部において、模擬光及び検出対象光が入射可能な位置に設けられており、筐体に対して固定具等によって固定されている。
(構成-火災検出装置-制御ユニット)
制御ユニット40は、火災検出装置10を制御するためのユニットであり、操作部、通信部、表示部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
(構成-火災検出装置-制御ユニット-操作部、通信部、表示部、電源部)
操作部は、火災検出装置10に対する操作入力を受け付ける操作手段である。通信部は、制御装置50との間で通信する通信手段である。表示部は、制御部の制御に基づいて各種の情報を表示する出力手段であり、例えば、LED等を用いて構成されている。電源部は、制御装置50から供給された電力を、火災検出装置10の各部に供給する電源手段である。
(構成-火災検出装置-制御ユニット-制御部)
制御部は、火災検出装置10を制御する制御手段である。この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、後述する制御装置50の制御部57についても同様とする)。なお、この制御部によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成-火災検出装置-制御ユニット-記憶部)
記憶部は、火災検出装置10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述する制御装置50の記憶部58についても同様とする)。
(構成-制御装置)
次に、制御装置50の構成について説明する。図3は、制御装置50の電気的構成を示したブロック図である。制御装置50は、複数の火災検出装置10から受信された信号に基づいて所定処理を行う装置である。この制御装置50は、構造物2の外部(又は内部)において、構造物2の壁部に設けられており、図3に示すように、操作部51、通信部52、移報信号送信部53、表示部54、出力部55、電源部56、制御部57、及び記憶部58を備えている。なお、この制御装置50は、例えば公知の防災受信機によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
(構成-制御装置-操作部、通信部、移報信号送信部、表示部、出力部、電源部)
操作部51は、制御装置50に対する操作入力を受け付ける操作手段である。通信部52は、複数の火災検出装置10の各々との間で通信する通信手段である。移報信号送信部53は、火災の報知を示す火災情報を含む信号(以下、「移報信号」と称する)を図示しない通報装置を介して管理システム1の外部に送信するものである。表示部54は、制御部57の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段であり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等の公知の表示手段等を用いて構成されている。出力部55は、各種の情報を後述の外部装置に出力するための出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。電源部56は、図示しない商用電源から供給された電力を、複数の火災検出装置10と、制御装置50の各部とに供給する電源手段である。
(構成-制御装置-制御部)
制御部57は、制御装置50を制御する制御手段であり、図3に示すように、機能概念的に、検出部57a、記録制御部57b、表示制御部57c、表示指定部57d、記録指定部57e、推定部57f、及び特定部57gを備えている。
検出部57aは、火災検出装置10(具体的には、受光窓11)の汚損度を検出する検出手段である。
記録制御部57bは、後述の第1記録タイミングが到来した場合に、検出部57aにて検出された汚損度を後述の汚損度履歴情報として後述の火災検出装置識別情報毎に当該制御装置50の記憶部58に記録する記録制御手段である。
表示制御部57cは、後述の第1表示タイミングが到来した場合に、記憶部58に記録された汚損度履歴情報を当該制御装置50の表示部54に表示させる表示制御手段である。
表示指定部57dは、後述する汚損度履歴情報の表示パターンを指定する表示指定手段である。
記録指定部57eは、後述する汚損度履歴情報の記録パターンを指定する記録指定手段である。
推定部57fは、記憶部58に記録された汚損度履歴情報に基づいて、所定方法で特定された火災検出装置10の汚損度が閾値以上になる汚損タイミングを推定する推定手段である。なお、この閾値については、例えば、ユーザによって任意に設定されたものであってもよく、又は、記憶部58にあらかじめ記憶されたものであってもよい(なお、他の閾値についても同様とする)。
特定部57gは、記憶部58に記録された汚損度履歴情報に基づいて、ゼロ回数を特定する特定手段である。ここで、「ゼロ回数」とは、複数の火災検出装置10の各々の汚損度がゼロ値になった回数を意味する。このゼロ回数は、火災検出装置10の故障又は障害が発生する可能性を示す指標値になり得え、又は火災検出装置10の清掃頻度を減らすことができる可能性を示す指標値にもなり得る。なお、この制御部57によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成-制御装置-記憶部)
記憶部58は、制御装置50の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。また、この記憶部58は、図3に示すように、履歴データベース58a(以下、データベースを「DB」と称する)を備えている。
(構成-火災検出装置-制御ユニット-記憶部-履歴DB)
履歴DB58aは、汚損度履歴情報を格納する汚損度履歴情報格納手段である。ここで、「汚損度履歴情報」とは、検出部57aにて検出された汚損度の履歴を示す情報である。
図4は、履歴DB58aの構成例を示す図である。図4に示すように、履歴DB58aは、項目「No.」、項目「年月日」、項目「時刻」、項目「アドレス」、及び項目「汚損度」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「No.」に対応する情報は、後述の汚損度情報が記録された記録順を示す記録順情報であり、例えば、図4に示す記録順である「1」、「2」等が該当する。また、項目「年月日」に対応する情報は、後述の汚損度情報が記録された年月日を示す記録年月日情報であり、例えば、図4に示す年月日である「2017/8/8」(2017年8月8日を示す)等が該当する。また、項目「時刻」に対応する情報は、後述の汚損度情報が記録された時刻を示す記録時刻情報であり、例えば、図4に示す時刻である「10:52:02」(10時52分2秒を示す)等が該当する。また、項目「アドレス」に対応する情報は、後述の汚損度情報に対応する火災検出装置10を一意に識別するための火災検出装置識別情報であり、例えば、図4に示す火災検出装置10のアドレスである「ABC山TN001右目」等が該当する。また、項目「汚損度」に対応する情報は、検出部57aにて検出された汚損度を示す汚損度情報であり、例えば、図4に示す汚損度である「30%」等が該当する。
以上のように、制御装置50が防災受信機であるので、制御装置50及び防災受信機の両方を設ける必要がなくなることから、管理システム1の設置コストを低減できる。
(制御処理)
次に、上述したように構成される管理システム1によって実行される制御処理について説明する。図5は、実施の形態に係る制御処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。制御処理は、概略的には、複数の火災検出装置10を制御するための処理である。この制御処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、複数の火災検出装置10及び制御装置50の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
制御処理が起動されると、図5に示すように、SA1において制御装置50の制御部57は、火災検出処理を実行する。ここで、火災検出処理の実行方法については任意であるが、例えば、以下の通りに実行してもよい。すなわち、まず、制御装置50の制御部57は、各火災検出装置10の発光部20から模擬光を照射させることなく、各火災検出装置10の受光部30によって当該火災検出装置10の外部から検出対象光を受光させる。そして、各火災検出装置10において受光部30にて受光された光の受光量に基づいて火災の有無が判定されることにより、火災が検出された旨を示す信号(以下、「火災信号」と称する)が送信された場合には、制御装置50の制御部57は、この火災信号を受信したタイミングで、所定の消火設備(図示省略)による消火処理を実行し、その後火災検出処理を終了する。一方で、制御装置50の制御部57は、各火災検出装置10から火災信号が送信されないことで、所定時間経過しても火災信号が受信されない場合には、上記消火処理を実行することなく、火災検出処理を終了する。
SA2において制御装置50の制御部57は、汚損度を記憶部58に記録する記録タイミング(以下、「第1記録タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。この第1記録タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、制御処理が起動してから所定時間が経過したか否かに基づいて判定し、後述のSA8において後述の終了タイミングが到来していないと判定されてから所定時間が経過したか否かに基づいて判定し、又は操作部51を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定してもよい。ここで、制御処理が起動してから所定時間が経過した場合、後述の終了タイミングが到来していないと判定されてから所定時間が経過した場合、又は所定操作が受け付けられた場合には第1記録タイミングが到来したと判定し、制御処理が起動してから所定時間が経過していない場合、後述の終了タイミングが到来していないと判定されてから所定時間が経過していない場合、及び所定操作が受け付けられていない場合には第1記録タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置50の制御部57は、第1記録タイミングが到来したと判定された場合(SA2、Yes)には汚損度検出処理(SA3)を起動させ、第1記録タイミングが到来していないと判定された場合(SA2、No)にはSA4に移行する。なお、汚損度検出処理の処理内容の詳細については後述する。
SA4において制御装置50の制御部57は、汚損度履歴情報を表示する表示タイミング(以下、「第1表示タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。この第1表示タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、操作部51を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定し、又はSA3の処理が終了してから所定時間が経過した否かに基づいて判定してもよい。ここで、上記所定操作が受け付けられた場合、又は上記所定時間が経過した場合には第1表示タイミングが到来したと判定し、上記所定操作が受け付けられていない場合、又は上記所定時間が経過していない場合には第1表示タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置50の制御部57は、第1表示タイミングが到来したと判定された場合(SA4、Yes)には表示処理(SA5)を起動させ、第1表示タイミングが到来していないと判定された場合(SA4、No)にはSA6に移行する。なお、表示処理の処理内容の詳細については後述する。
SA6において制御装置50の制御部57は、汚損度履歴情報を外部装置(図示省略)に記録する記録タイミング(以下、「第2記録タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。ここで、「外部装置」とは、管理システム1を構成する装置以外の他の装置又は機器を意味し、例えば、USBメモリやSDカードの如き電気的記録媒体、携帯端末、管理サーバ等を含む概念である。また、この第2記録タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、外部装置と制御装置50の出力部55とが直接的又は間接的に接続されているか否かに基づいて判定し、外部装置と出力部55とが接続されている場合には第2記録タイミングが到来したと判定し、上記外部装置と出力部とが接続されていない場合には第2記録タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置50の制御部57は、第2記録タイミングが到来したと判定された場合(SA6、Yes)には記録処理(SA7)を起動させ、第2記録タイミングが到来していないと判定された場合(SA6、No)にはSA8に移行する。なお、記録処理の処理内容の詳細については後述する。
SA8において制御装置50の制御部57は、制御処理を終了するタイミング(以下、「終了タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。この終了タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、操作部51を介して管理者による所定操作が行われたか否かに基づいて判定し、上記所定操作が行われた場合には終了タイミングが到来したと判定し、上記所定操作が行われていない場合には終了タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置50の制御部57は、終了タイミングが到来していないと判定された場合(SA8、No)にはSA1へ移行し、SA8にて終了タイミングが到来したと判定されるまでSA1からSA8の処理を繰り返し行う。一方、終了タイミングが到来したと判定された場合(SA8、Yes)には制御処理を終了する。
(制御処理-汚損度検出処理)
次に、図5のSA3の汚損度検出処理について説明する。図6は、汚損度検出処理のフローチャートである。汚損度検出処理は、各火災検出装置10の汚損度を検出して記録する処理である。
汚損度検出処理が起動されると、図6に示すように、SB1において制御装置50の制御部57は、各火災検出装置10の発光部20から模擬光を照射させる。
SB2において制御装置50の制御部57は、各火災検出装置10から受光信号が取得されたか否かを判定する。ここで、「受光信号」とは、火災検出装置10の受光部30にて受光された光の受光量を示す信号であり、実施の形態では、上記受光量を示す受光量情報、火災検出装置識別情報を含む信号として説明する。そして、制御装置50の制御部57は、受光信号が取得されたと判定されるまで待機し(SB2、No)、受光信号が取得されたと判定された場合(SB2、Yes)には、各火災検出装置10の発光部20の照射を停止させた後にSB3に移行する。
SB3において制御装置50の検出部57aは、SB2にて取得した受光信号に基づいて、各火災検出装置10の汚損度を検出する。この汚損度を検出方法については任意であるが、例えば、受光信号に含まれる受光量情報の受光量から基準値(例えば、各火災検出装置10が工場出荷時に測定された測定値等)を除算した値に100を積算し、当該積算した値を検出すべき汚損度として検出してもよい。
SB4において制御装置50の記録制御部57bは、SB3にて検出された汚損度を汚損度履歴情報として火災検出装置識別情報毎に記憶部58に記録する。具体的には、SB3にて検出された汚損度と示す情報と、SB2にて取得した受光信号に含まれる火災検出装置識別情報と、当該汚損度を記録する際の記録順、年月日、及び時刻を示す情報とを、記録すべき汚損度履歴情報(具体的には、汚損度情報、火災検出装置識別情報、記録順情報、記録年月日情報、及び記録時刻情報)として相互に関連付けて履歴DB58aに記録する。その後、制御装置50の記録制御部57bは、汚損度検出処理を終了して、図5の制御処理に戻る。
(制御処理-表示処理)
次いで、図5のSA5の表示処理について説明する。図7は、表示処理のフローチャートである。表示処理は、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報を表示する処理である。
表示処理が起動されると、図7に示すように、SC1において制御装置50の表示指定部57dは、汚損度履歴情報の表示パターンの指定が受け付けられたか否かを判定する。ここで、「汚損度履歴情報の表示パターン」とは、汚損度履歴情報を表示する形式を意味する。この汚損度履歴情報の表示パターンの種別は、実施の形態では、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量(例えば、直近に検出された汚損度とそれよりも1つ前に検出された汚損度との変化量)が大きい順若しくは小さい順、及び、火災検出装置識別情報の文字順に並べて表示する第1表示パターンと、記憶部58に記録された汚損度履歴情報のうち、所定方法(例えば操作部51による操作等)で選択された汚損度履歴情報のみ、及び閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを表示する第2表示パターンとを含むものとして説明する。
また、この表示パターンを指定したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、表示部54の画面上に表示された図示しない表示領域(以下、「表示パターン表示領域」と称する)を生成し、当該生成した表示パターン表示領域に表示された情報であって上記汚損度履歴情報の表示パターンを示す情報の中からいずれか1つが操作部51を介して選択されたか否かに基づいて判定し、上記選択がされていない場合には表示パターンの指定が受け付けられていないと判定し、上記選択がされた場合には表示パターンの指定が受け付けられたと判定してもよい。そして、制御装置50の表示指定部57dは、表示パターンの指定が受け付けられるまで待機し(SC1、No)、表示パターンの指定が受け付けられたと判定された場合(SC1、Yes)には、当該受け付けられた表示パターンを指定した後に、SC2に移行する。
SC2において制御装置50の表示制御部57cは、SC1にて指定された表示パターンで、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報を表示部54に表示させる。この汚損度履歴情報の表示方法については任意であるが、例えば、表示部54の画面上に表示された図示しない表示領域(以下、「履歴表示領域」と称する)を生成し、当該生成した履歴表示領域に汚損度履歴情報(具体的には、記録順情報、記録年月日情報、記録時刻情報、火災検出装置識別情報、及び汚損度情報)をSC1にて指定された表示パターンであり、且つ表形式で表示してもよい。一例として、SC1にて表示パターン=汚損度の記録順に並べて表示するパターンが指定された場合には、履歴表示領域において、図4に示すような表示パターンで汚損度履歴情報が表示される。
このようなSC1、SC2の処理により、従来技術(現状の減光率を示す情報のみを表示する技術)に比べて、汚損度履歴情報を提示できる。よって、火災検出装置10の汚損が進行した経緯を管理者が簡易に把握でき、火災検出装置10の管理性を向上させることが可能となる。また、表示指定部57dにて指定された表示パターンで汚損度履歴情報を表示できるので、管理者のニーズに応じた汚損度履歴情報の表示を行うことができ、火災検出装置10の汚損が進行した経緯を管理者が把握しやすくなる。
図7に戻り、SC3において制御装置50の表示制御部57cは、後述する汚損タイミングを表示する表示タイミング(以下、「第2表示タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。この第2表示タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、所定時間内に操作部51を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定したり、あるいは、所定周期(一例として、半年や1年等)が経過したか否かに基づいて判定する(なお、後述するSC6の処理についても同様とする)。ここで、上記所定操作が受け付けられた場合又は上記所定周期が経過した場合には第2表示タイミングが到来したと判定し、上記所定操作が受け付けられなかった場合及び上記所定周期が経過していない場合には第2表示タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置50の表示制御部57cは、第2表示タイミングが到来したと判定された場合(SC3、Yes)にはSC4に移行し、第2表示タイミングが到来していないと判定された場合(SC3、No)にはSC6に移行する。
SC4において制御装置50の推定部57fは、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報に基づいて、所定方法で特定された火災検出装置10の汚損度が閾値以上になるタイミング(以下、「汚損タイミング」と称する)を推定する。
この汚損タイミングの推定方法については任意であるが、例えば、以下の通りに推定してもよい。すなわち、まず、管理者が操作部51を介して所定操作を行うことで、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報の中から推定すべき火災検出装置10に対応する汚損度履歴情報を抽出する。次に、上記抽出した汚損度履歴情報に含まれる記録年月日情報、記録時刻情報、及び汚損度情報に基づいて、所定時間毎の汚損度の変化率をそれぞれ算出し、当該算出した変化率の平均値を算出する(より具体的には、汚損度の変化率のうちマイナス値を示すものは除去してから当該平均値を算出する)。次に、上記抽出した汚損度履歴情報に含まれる汚損度情報のうち直近に記録された汚損度情報を抽出する。そして、上記閾値から当該抽出した汚損度情報の汚損度を減算した値から上記算出した変化率の平均値を除算し、当該除算した値を推定すべき汚損タイミングとして推定する。
SC5において制御装置50の表示制御部57cは、SC4にて推定された汚損タイミングと、当該汚損タイミングに対応する火災検出装置識別情報とを相互に関連付けて表示部54に表示させる。ここで、汚損タイミング及び火災検出装置識別情報の表示方法については任意であるが、例えば、表示部54の画面上に表示された図示しない表示領域(以下、「推定表示領域」と称する)を生成し、当該生成した推定表示領域に、汚損タイミングを示す情報及び火災検出装置識別情報を相互に隣接して表示させてもよい。
このようなSC4、SC5の処理により、特定の火災検出装置10の汚損タイミングを提示でき、例えば、特定の火災検出装置10の汚損度が閾値以上になる前に当該火災検出装置10に対して管理者が清掃に関する措置等を講じることが可能になる。
SC6において制御装置50の表示制御部57cは、後述するゼロ回数を表示する表示タイミング(以下、「第3表示タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。そして、制御装置50の表示制御部57cは、第3表示タイミングが到来したと判定された場合(SC6、Yes)にはSC7に移行し、第3表示タイミングが到来していないと判定された場合(SC6、No)には表示処理を終了して、図5の制御処理に戻る。
図7に戻り、SC7において制御装置50の特定部57gは、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報に基づいて、複数の火災検出装置10の各々の汚損度がゼロ値になった回数(以下、「ゼロ回数」と称する)を特定する。
このゼロ回数の特定方法については任意であるが、例えば、以下の通りに特定してもよい。すなわち、まず、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報に含まれる汚損度情報の中から、ゼロ値を示す汚損度情報を火災検出装置識別情報毎に抽出する。そして、上記抽出したゼロ値を示す汚損度情報の総数を火災検出装置識別情報毎に算出し、当該算出した総数を特定すべきゼロ回数として特定する。
SC8において制御装置50の表示制御部57cは、SC7にて特定されたゼロ回数と、当該ゼロ回数に対応する火災検出装置識別情報とを相互に関連付けて表示部54に表示させ、その後表示処理を終了して、図5の制御処理に戻る。ここで、ゼロ回数及び火災検出装置識別情報の表示方法については任意であるが、例えば、表示部54の画面上に表示された図示しない表示領域(以下、「特定表示領域」と称する)を生成し、当該生成した特定表示領域に、ゼロ回数を示す情報及び火災検出装置識別情報を相互に隣接して表示させ、且つ表形式で表示してもよい。
このようなSC7、SC8の処理により、各火災検出装置10のゼロ回数を提示でき、例えばゼロ回数が比較的多い火災検出装置10に対して管理者が所定の措置(例えば、火災検出装置10の交換サイクルを短くすること等)を講じることが可能になる。
(制御処理-記録処理)
次いで、図5のSA7の記録処理について説明する。図8は、記録処理のフローチャートである。記録処理は、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報を外部装置に記録する処理である。
記録処理が起動されると、図8に示すように、SD1において制御装置50の記録指定部57eは、汚損度履歴情報の記録パターンの指定が受け付けられたか否かを判定する。ここで、「汚損度履歴情報の記録パターン」とは、汚損度履歴情報を記録する形式を意味する。この汚損度履歴情報の記録パターンの種別は、実施の形態では、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは小さい順、及び、火災検出装置識別情報の文字順に並べて記録する第1記録パターンと、記憶部58に記録された汚損度履歴情報のうち、所定方法(例えば操作部51による操作等)で選択された汚損度履歴情報のみ、及び閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを記録する第2記録パターンとを含むものとして説明する。
また、この記録パターンを指定したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、表示部54の画面上に表示された図示しない表示領域(以下、「記録パターン表示領域」と称する)を生成し、当該生成した記録パターン表示領域に表示された情報であって上記汚損度履歴情報の記録パターンを示す情報の中からいずれか1つが操作部51を介して選択されたか否かに基づいて判定し、上記選択がされていない場合には記録パターンの指定が受け付けられていないと判定し、上記選択がされた場合には記録パターンの指定が受け付けられたと判定してもよい。そして、制御装置50の記録指定部57eは、記録パターンの指定が受け付けられるまで待機し(SD1、No)、記録パターンの指定が受け付けられたと判定された場合(SD1、Yes)には、当該受け付けられた記録パターンを指定した後に、SD2に移行する。
SD2において制御装置50の記録制御部57bは、SD1にて指定された記録パターンで、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報を外部装置に記録させる。この汚損度履歴情報の記録方法については任意であるが、例えば、汚損度履歴情報を記録するためのファイル(以下、「第1記録ファイル」と称する)を作成し、当該作成した第1記録ファイルに汚損度履歴情報をSD1にて指定された記録パターンで記録した後、この第1記録ファイルを出力部55によって外部装置に出力させることにより記録する。一例として、SD1にて記録パターン=汚損度の記録順に並べて記録するパターンが指定された場合には、図4に示すような記録パターンで汚損度履歴情報が外部装置に記録される。
このようなSD1、SD2の処理により、汚損度履歴情報を外部装置に対して提供でき、例えば管理システム1外の処理装置を用いて汚損度履歴情報の詳細な分析処理を容易に行うことができる。よって、管理システム1の使用における管理者の利便性を向上させることが可能となる。また、記録指定部57eにて指定された記録パターンで汚損度履歴情報を記録できるので、管理者のニーズに応じた記録パターンで汚損度履歴情報を外部装置に対して提供でき、例えば管理システム1外の処理装置において汚損度履歴情報の記録パターンを変更する手間を省略できる。
図8に戻り、SD3において制御装置50の記録制御部57bは、後述する汚損タイミングを記録する記録タイミング(以下、「第3記録タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。この第3記録タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、所定時間内に操作部51を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定してもよい(なお、後述するSD6の処理についても同様とする)。ここで、上記所定操作が受け付けられた場合には第3記録タイミングが到来したと判定し、上記所定操作が受け付けられなかった場合には第3記録タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置50の記録制御部57bは、第3記録タイミングが到来したと判定された場合(SD3、Yes)にはSD4に移行し、第3記録タイミングが到来していないと判定された場合(SD3、No)にはSD6に移行する。
SD4において制御装置50の推定部57fは、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報に基づいて、汚損タイミングを推定する。この汚損タイミングの推定方法については任意であるが、例えば、記録処理の直前に行われた表示処理のSC4にて汚損タイミングが推定されている場合には、当該汚損タイミングを推定すべき汚損タイミングとして推定してもよい。一方、記録処理の直前に行われた表示処理にてSC4の処理が行われてない場合、又は記録処理の直前に表示処理が行われなかった場合には、SC4と同様の方法で、汚損タイミングを推定してもよい。
SD5において制御装置50の記録制御部57bは、SD4にて推定された汚損タイミングと、当該汚損タイミングに対応する火災検出装置識別情報とを相互に関連付けて外部装置に記録させる。ここで、汚損タイミング及び火災検出装置識別情報の記録方法については任意であるが、例えば、汚損タイミング及び火災検出装置識別情報を記録するためのファイル(以下、「第2記録ファイル」と称する)を作成し、当該作成した第2記録ファイルに汚損タイミングを示す情報及び火災検出装置識別情報を記録した後、この第2記録ファイルを出力部55によって外部装置に出力させることにより記録する。
このようなSD4、SD5の処理により、特定の火災検出装置10の汚損タイミングを外部装置に対して提供でき、例えば管理システム1外の処理装置において特定の火災検出装置10の汚損タイミングを算出する手間を省略できる。
SD6において制御装置50の記録制御部57bは、ゼロ回数を記録する記録タイミング(以下、「第4記録タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。そして、制御装置50の記録制御部57bは、第4記録タイミングが到来したと判定された場合(SD6、Yes)にはSD7に移行し、第4記録タイミングが到来していないと判定された場合(SD6、No)には記録処理を終了して、図5の制御処理に戻る。
図8に戻り、SD7において制御装置50の特定部57gは、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報に基づいて、複数の火災検出装置10の各々のゼロ回数を特定する。このゼロ回数の特定方法については任意であるが、例えば、記録処理の直前に行われた表示処理のSC7にてゼロ回数が特定されている場合には、当該ゼロ回数を特定すべきゼロ回数として特定してもよい。一方、記録処理の直前に行われた表示処理にてSC7の処理が行われてない場合、又は記録処理の直前に表示処理が行われなかった場合には、SC7と同様の方法で、ゼロ回数を特定してもよい。
SD8において制御装置50の記録制御部57bは、SD7にて特定されたゼロ回数と、当該ゼロ回数に対応する火災検出装置識別情報とを相互に関連付けて外部装置に記録させ、その後記録処理を終了して、図5の制御処理に戻る。ここで、ゼロ回数及び火災検出装置識別情報の記録方法については任意であるが、例えば、ゼロ回数及び火災検出装置識別情報を記録するためのファイル(以下、「第3記録ファイル」と称する)を作成し、当該作成した第3記録ファイルにゼロ回数を示す情報及び火災検出装置識別情報を記録した後、この第3記録ファイルを出力部55によって外部装置に出力させることにより記録する。
このようなSD7、SD8の処理により、各火災検出装置10のゼロ回数を外部装置に対して提供でき、例えば管理システム1外の処理装置において各火災検出装置10のゼロ回数を算出する手間を省略できる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、制御装置50が、第1記録タイミングが到来した場合に、検出部57aにて検出された汚損度を汚損度履歴情報として火災検出装置識別情報毎に当該制御装置50の記憶部58に記録する記録制御部57bと、第1表示タイミングが到来した場合に、記憶部58に記録された汚損度履歴情報を当該制御装置50の表示部54に表示させる表示制御部57cと、を備えたので、従来技術(現状の減光率を示す情報のみを表示する技術)に比べて、汚損度履歴情報を提示できる。よって、火災検出装置10の汚損が進行した経緯をユーザが簡易に把握でき、火災検出装置10の管理性を向上させることが可能となる。
また、表示制御部57cが、表示指定部57dにて指定された表示パターンで、記憶部58に記録された汚損度履歴情報を表示部54に表示させるので、ユーザのニーズに応じた汚損度履歴情報の表示を行うことができ、火災検出装置10の汚損が進行した経緯をユーザが把握しやすくなる。
また、表示指定部57dにて指定される表示パターンが、記憶部58に記録された汚損度履歴情報を、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは小さい順、又は、火災検出装置識別情報の文字順に並べて表示する第1表示パターン、あるいは、記憶部58に記録された汚損度履歴情報のうち、所定方法で選択された汚損度履歴情報のみ、又は閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを表示する第2表示パターンを含むので、ユーザのニーズに応じた汚損度履歴情報の表示を一層行うことができ、火災検出装置10の汚損が進行した経緯をユーザが一層把握しやすくなる。
また、表示制御部57cが、第2表示タイミングが到来した場合に、推定部57fにて推定された汚損タイミングと、当該汚損タイミングに対応する火災検出装置識別情報を相互に関連付けて表示部54に表示させるので、特定の火災検出装置10の汚損タイミングを提示でき、例えば、特定の火災検出装置10の汚損度が閾値以上になる前に当該火災検出装置10に対してユーザが清掃に関する措置等を講じることが可能になる。
また、表示制御部57cが、第3表示タイミングが到来した場合に、特定部57gにて特定されたゼロ回数と、当該ゼロ回数に対応する火災検出装置識別情報とを相互に関連付けて表示部54に表示させるので、各火災検出装置10のゼロ回数を提示でき、例えばゼロ回数が比較的多い火災検出装置10に対してユーザが所定の措置(例えば、火災検出装置10の交換サイクルを短くすること等)を講じることが可能になる。
また、制御装置50が、複数の火災検出装置10からの出力に基づいて防災処理を行う防災受信機であるので、制御装置50及び防災受信機の両方を設ける必要がなくなることから、管理システム1の設置コストを低減できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、制御装置50を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部57を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部58を設けてもよい。
(汚損度履歴情報の表示パターンについて)
上記実施の形態では、汚損度履歴情報の表示パターンの種別が、第1表示パターンと、第2表示パターンとを含むとして説明したが、これに限らず、例えば、第1表示パターン又は第2表示パターンのいずれか一方のみを含んでもよい。
また、上記実施の形態では、第1表示パターンが、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは小さい順、及び、火災検出装置識別情報の文字順に並べて表示するパターンを含むと説明したが、これに限らない。例えば、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは小さい順、又は、火災検出装置識別情報の文字順に並べて表示するパターンのいずれかのみを含んでもよい。
また、上記実施の形態では、第2表示パターンが、記憶部58に記録された汚損度履歴情報のうち、所定方法で選択された汚損度履歴情報のみ、及び閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを表示するパターンを含むと説明したが、これに限らない。例えば、上記所定方法で選択された汚損度履歴情報のみ、又は上記閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを表示するパターンのいずれかのみを含んでもよい。
(汚損度履歴情報の記録パターンについて)
上記実施の形態では、汚損度履歴情報の記録パターンの種別が、第1記録パターンと、第2記録パターンとを含むとして説明したが、これに限らず、例えば、第1記録パターン又は第2記録パターンのいずれか一方のみを含んでもよい。
また、上記実施の形態では、第1記録パターンが、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは小さい順、及び、火災検出装置識別情報の文字順に並べて記録するパターンを含むと説明したが、これに限らない。例えば、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは小さい順、又は、火災検出装置識別情報の文字順に並べて記録するパターンのいずれかのみを含んでもよい。
また、上記実施の形態では、第2記録パターンが、記憶部58に記録された汚損度履歴情報のうち、所定方法で選択された汚損度履歴情報のみ、及び閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを記録するパターンを含むと説明したが、これに限らない。例えば、上記所定方法で選択された汚損度履歴情報のみ、又は上記閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを記録するパターンのいずれかのみを含んでもよい。
(制御装置について)
上記実施の形態では、制御装置50が、検出部57aを備えていると説明したが、これに限らない。例えば、制御装置50の検出部57aを省略して、火災検出装置10が検出部57aを備えてもよい。この場合には、SB2において汚損度を示す情報が火災検出装置10から取得されたか否かを判定し、SB3の処理を省略し、SB4においてSB2にて取得された汚損度を示す情報が履歴DB58aに記録されてもよい。
もよい。
また、上記実施の形態では、制御装置50が、表示指定部57dを備えていると説明したが、これに限らず、表示指定部57dを省略してもよい。この場合には、表示処理のSC1の処理を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、制御装置50が、記録指定部57eを備えていると説明したが、これに限らず、表示指定部57dを省略してもよい。この場合には、記録処理のSD1の処理を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、制御装置50が、推定部57fを備えていると説明したが、これに限らず、推定部57fを省略してもよい。この場合には、表示処理のSC3からSC5の処理、及び記録処理のSD3からSD5の処理を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、制御装置50が、特定部57gを備えていると説明したが、これに限らず、特定部57gを省略してもよい。この場合には、表示処理のSC6からSC8の処理、及び記録処理のSD6からSD8の処理を省略してもよい。
(制御処理について)
上記実施の形態では、SA6、SA7の処理が行われていると説明したが、これに限らず、例えば、SA6、SA7を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、SC5において、SC4にて推定された汚損タイミングを示す情報が、表示部54によって表示(報知)されると説明したが、これに限らない。例えば、汚損タイミングを示す情報は、表示部54以外の報知手段(一例として、公知の音声出力手段)によって報知されてもよく、あるいは、表示部54と上記報知手段の両方によって報知されてもよい(なお、SC8の処理についても同様とする)。
(表示処理について)
上記実施の形態では、制御装置50の表示制御部57cによって、汚損度履歴情報、汚損タイミングを示す情報、及びゼロ回数を示す情報が表示部54に表示されると説明したが、これに限らず、これらの情報に加えて、他の情報が表示されてもよい。例えば、制御装置50が、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報に基づいて、複数の火災検出装置10のいずれかに異常(具体的に、火災検出装置10の故障や障害等)が発生している可能性があるか否かを判定する判定手段を備えてよい。そして、上記判定手段にて判定手段にて上記異常が発生している可能性があると判定された場合には、制御装置50の表示制御部57cによって、その旨を報知するための情報が表示部54に表示されてもよい(あるいは、当該情報に加えて、対応する火災検出装置10の発光部20、受光部30、又は通信部を確認する旨の情報も表示されてもよい)。ここで、上記異常が発生している可能性があるか否かを判定する方法については任意であるが、例えば、各火災検出装置10の汚損度履歴情報に基づいて、汚損度がゼロ値になってから閾値以上となる変動サイクルの周期が所定値よりも短いか否かに基づいて判定し、又は所定期間内の汚損度の変動量が所定値よりも小さいか否かに基づいて判定する。そして、上記変動サイクルの周期が所定値よりも短い場合又は上記変動量が所定値よりも小さい場合には上記異常が発生している可能性があると判定し、上記変動サイクルの周期が所定値よりも短くない場合及び上記変動量が所定値よりも小さくない場合には上記異常が発生している可能性がないと判定する。このような処理により、複数の火災検出装置のいずれかに異常が発生している可能性がある旨を提示でき、例えば、異常が発生している可能性がある火災検出装置に対してユーザが所定の措置(例えば、火災検出装置の確認等)を講じることが可能になる。なお、この場合において、例えば、操作部51を介して所定操作が受け付けられた場合には、制御装置50の表示制御部57cによって、上記変動サイクルの繰り返し回数が特定された後、当該特定された繰り返し回数の高い順又は低い順に、履歴DB58aに記録された汚損度履歴情報が表示部54に表示されてもよい。
(付記)
付記1の管理システムは、監視領域の火災を検出する複数の火災検出装置と、前記複数の火災検出装置の各々と通信可能に接続された制御装置と、を備えた管理システムであって、前記複数の火災検出装置の各々又は前記制御装置は、前記火災検出装置の汚損度を検出する検出手段を備え、前記制御装置は、前記汚損度を記録する記録タイミングが到来した場合に、前記検出手段にて検出された前記汚損度を汚損度履歴情報として前記火災検出装置の識別情報毎に当該制御装置の記憶手段に記録する記録制御手段と、前記汚損度履歴情報を表示する第1表示タイミングが到来した場合に、前記記憶手段に記録された前記汚損度履歴情報を当該制御装置の表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えた。
また、付記2の管理システムは、付記1に記載の管理システムにおいて、前記汚損度履歴情報の表示パターンを指定する表示指定手段を備え、前記表示制御手段は、前記表示指定手段にて指定された前記表示パターンで、前記記憶手段に記録された前記汚損度履歴情報を前記表示手段に表示させる。
また、付記3の管理システムは、付記2に記載の管理システムにおいて、前記表示指定手段にて指定される前記表示パターンは、前記記憶手段に記録された前記汚損度履歴情報を、前記汚損度の記録順、前記汚損度の高い順若しくは低い順、前記汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは低い順、又は、前記火災検出装置の識別情報の文字順に並べて表示する第1表示パターン、あるいは、前記記憶手段に記録された前記汚損度履歴情報のうち、所定方法で選択された前記汚損度履歴情報のみ、又は閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する前記汚損度履歴情報のみを表示する第2表示パターンを含む。
また、付記4の管理システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の管理システムにおいて、前記記憶手段に記録された前記汚損度履歴情報に基づいて、所定方法で特定された前記火災検出装置の前記汚損度が閾値以上になる汚損タイミングを推定する推定手段を備え、前記表示制御手段は、前記汚損タイミングを表示する第2表示タイミングが到来した場合に、前記推定手段にて推定された前記汚損タイミングと、当該汚損タイミングに対応する前記火災検出装置の識別情報を相互に関連付けて前記表示手段に表示させる。
また、付記5の管理システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の管理システムにおいて、前記記憶手段に記録された前記汚損度履歴情報に基づいて、前記複数の火災検出装置の各々の汚損度がゼロ値になった回数であるゼロ回数を特定する特定手段を備え、前記表示制御手段は、前記ゼロ回数を表示する第3表示タイミングが到来した場合に、前記特定手段にて特定された前記ゼロ回数と、当該ゼロ回数に対応する前記火災検出装置の識別情報とを相互に関連付けて前記表示手段に表示させる。
また、付記6の管理システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の管理システムにおいて、前記記憶手段に記録された前記汚損度履歴情報に基づいて、前記複数の前記火災検出装置のいずれかに異常が発生している可能性があるか否かを判定する判定手段を備え、前記表示制御手段は、前記判定手段にて前記異常が発生している可能性があると判定された場合に、その旨を報知するための情報を前記表示手段に表示させる。
また、付記7の管理システムは、付記1から6のいずれか一項に記載の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記複数の火災検出装置からの出力に基づいて防災処理を行う防災受信機である。
(付記の効果)
付記1に記載の管理システムによれば、制御装置が、記録タイミングが到来した場合に、検出手段にて検出された汚損度を汚損度履歴情報として火災検出装置の識別情報毎に当該制御装置の記憶手段に記録する記録制御手段と、第1表示タイミングが到来した場合に、記憶手段に記録された汚損度履歴情報を当該制御装置の表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えたので、従来技術(現状の減光率を示す情報のみを表示する技術)に比べて、汚損度履歴情報を提示できる。よって、火災検出装置の汚損が進行した経緯をユーザが簡易に把握でき、火災検出装置の管理性を向上させることが可能となる。
付記2に記載の管理システムによれば、表示制御手段が、表示指定手段にて指定された表示パターンで、記憶手段に記録された汚損度履歴情報を表示手段に表示させるので、ユーザのニーズに応じた汚損度履歴情報の表示を行うことができ、火災検出装置の汚損が進行した経緯をユーザが把握しやすくなる。
付記3に記載の管理システムによれば、表示指定手段にて指定される表示パターンが、記憶手段に記録された汚損度履歴情報を、汚損度の記録順、汚損度の高い順若しくは低い順、汚損度の変化量のうち直近の変化量が大きい順若しくは低い順、又は、火災検出装置の識別情報の文字順に並べて表示する第1表示パターン、あるいは、記憶手段に記録された汚損度履歴情報のうち、所定方法で選択された汚損度履歴情報のみ、又は閾値以上若しくは閾値未満の汚損度に対応する汚損度履歴情報のみを表示する第2表示パターンを含むので、ユーザのニーズに応じた汚損度履歴情報の表示を一層行うことができ、火災検出装置の汚損が進行した経緯をユーザが一層把握しやすくなる。
付記4に記載の管理システムによれば、表示制御手段が、第2表示タイミングが到来した場合に、推定手段にて推定された汚損タイミングと、当該汚損タイミングに対応する火災検出装置の識別情報を相互に関連付けて表示手段に表示させるので、特定の火災検出装置の汚損タイミングを提示でき、例えば、特定の火災検出装置の汚損度が閾値以上になる前に当該火災検出装置に対してユーザが清掃に関する措置等を講じることが可能になる。
付記5に記載の管理システムによれば、表示制御手段が、第3表示タイミングが到来した場合に、特定手段にて特定されたゼロ回数と、当該ゼロ回数に対応する火災検出装置の識別情報とを相互に関連付けて表示手段に表示させるので、各火災検出装置のゼロ回数を提示でき、例えばゼロ回数が比較的多い火災検出装置に対してユーザが所定の措置(例えば、火災検出装置の交換サイクルを短くすること等)を講じることが可能になる。
付記6に記載の管理システムによれば、表示制御手段が、判定手段にて複数の火災検出装置のいずれかに異常が発生している可能性があると判定された場合に、その旨を報知するための情報を表示手段に表示させるので、複数の火災検出装置のいずれかに異常が発生している可能性がある旨を提示でき、例えば、異常が発生している可能性がある火災検出装置に対してユーザが所定の措置(例えば、火災検出装置の確認等)を講じることが可能になる。
付記7に記載の管理システムによれば、制御装置が、複数の火災検出装置からの出力に基づいて防災処理を行う防災受信機であるので、制御装置及び防災受信機の両方を設ける必要がなくなることから、管理システムの設置コストを低減できる。